JP4300476B2 - 有機el装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報を可視的に表示する複数の有機EL(Electro Luminescence)素子が配列された有機EL装置の製造方法及びこの有機EL装置を備えた電子機器、および情報を印刷する感光体を搭載したプリンター向けの書き込み用発光デバイスに関するものである。
情報によって変調された光を発生する有機EL素子、例えば、液晶表示素子、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、表面電界発光素子等で構成された表示パネルを搭載した表示装置の分野では、耐久性向上の観点から、表示素子を大気から遮断して水分や酸素の浸入を防ぐことが課題となっている。特に、近年、開発が盛んな有機ELディスプレイは、有機EL素子を形成する有機発光材料が水分や酸素による影響を受けやすくこの対策として種々の封止方法が考案されている。
例えば、特開平5−182759号は、従来の管状の気密ケースを使用せずに透水性の小さい保護基板を耐湿性の有する光硬化性樹脂で接着して封止する方法を提案している。この方法によれば、有機ELディスプレイの軽薄短小化を達成することができる。
特開平5−182759号公報
しかしながら、上述した封止方法では保護基板を接着する時に硬化性樹脂に気泡が入りやいという課題があった。気泡が入ってしまうと耐久性が低下するだけでなく、特に、保護基板側から光を取り出す、いわゆる、トップエミッション型の表示パネルの品質に重大な悪影響を与えてしまうことになる。
よって、本発明は、フラットパネルディスプレイの特長である軽薄短小という長所を犠牲にしないために従来の管状の気密ケースを使用せずに、耐久性が高い有機EL装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、気泡が発生しにくい貼り合わせ方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、耐久性の優れた有機EL装置を備えて信頼性を向上した電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、有機EL素子が形成された素子形成基板と、該素子形成基板の一面側に接着層を介して配設された保護基板とを備えた表示装置の製造方法において、上記素子形成基板の貼合面に、上記接着層を構成する硬化性樹脂を配する過程と、上記素子形成基板を覆うための上記保護基板を個別的に位置調整可能な複数の保持子によって上記保護基板の一面上の複数点において保持する保持過程と、上記複数点で保持された上記保護基板を上記素子形成基板の上方に相対的に移動する移動過程と、上記複数の保持子の一部を上記素子形成基板に接近させて上記保護基板の他面を上記硬化性樹脂に接触させる部分接触過程と、更に、上記複数の保持子の少なくとも他の一部をも上記素子形成基板に接近させて上記素子形成基板と上記保護基板間に挟まれた上記硬化性樹脂を当該硬化性樹脂の付与部分から外方に広げる拡大接触過程と、上記複数の保持子で上記保護基板を上記硬化性樹脂を介して上記素子形成基板に密着させる密着過程と、を含む。
上記製造方法によれば、個別的に位置調整可能な上記複数の保持子を使用することにより上記素子形成基板と上記保護基板とを密着する過程において、上記硬化性樹脂の中に気泡が生じないように貼り合わせることが可能となり、表示品質を落とさずに耐久性に優れた有機EL装置を製造することができる。
上記有機EL装置の製造方法は、更に、上記密着工程に続いて位置合せを行う過程と、上記硬化性樹脂に光又は熱エネルギを付与して硬化させる過程とを含む。
上記製造方法によれば、上記素子形成基板と上記保護基板とを貼り合わせ、両基板の位置を正確に合わせて一体化することができるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法は、上記拡大接触過程において、上記素子形成基板と上記保護基板間に挟まれて広がる上記硬化性樹脂の拡大パターンが予め設定されたパターンに沿って広がるように各保持子の上記素子形成基板に対する相対的な位置が個別に調整されることを特徴とする。
上記製造方法によれば、例えば、上記硬化性樹脂が予め設定された段階的に拡大する一連の拡大パターンに沿って広がるようにして該硬化性樹脂を張り合せ面の全体に可及的に均一の膜厚となるように行き渡らせ、上記素子形成基板と上記保護基板とを貼り合わせて一体化することができるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法において上記拡大接触過程は、硬化性樹脂の広がりのパターンを観察して各保持子の位置を制御することを特徴とする。
上記製造方法によれば、例えば、上記硬化性樹脂の実際の広がり具合に応じて上記保持子の位置を制御することによって、予め設定された段階的に拡大する一連の拡大パターンに追従させながら上記素子形成基板と上記保護基板とを貼り合わせて一体化することができるので好都合である。
上記有機EL装置の製造方法において上記拡大接触過程は、素子形成基板毎に予め設定されたプログラムに従って各保持子の位置を制御することを特徴とする。
上記製造方法によれば、上記有機EL装置の素子形成基板毎の表面の凹凸パターンに応じて上記素子形成基板と上記保護基板との貼り合わせを効率的に行うことができるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法において上記拡大接触過程は、上記複数の保持子を硬化性樹脂の付与部分(配した部分)から外方に向かって順次接近させることを特徴とする。
上記製造方法によれば、張り合せ面に凹凸があるような上記素子形成基板に対しても選択的に上記硬化性樹脂を付与して、該付与部分の硬化性樹脂を拡大することができるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法において上記拡大接触過程は、上記複数の保持子を上記保護基板の中央部から外方に向かって上記素子形成基板に接近させることを特徴とする。
上記製造方法によれば、中央部から例えば左右両端方向に向かって同時に上記硬化性樹脂を拡大できるので、拡大面積が大きい場合でも短時間で上記拡大接触過程を終了させることができるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法において上記拡大接触過程は、前記複数の保持子を前記保護基板の一端から外方に向かって前記素子形成基板に接近させることを特徴とする。
上記製造方法によれば、剛性が高い材質の上記保護基板でも上記硬化性樹脂の拡大を行うことができるので具合がよい。
上記素子形成基板と上記保護基板の貼り合わせは、減圧雰囲気下もしくは不活性ガス雰囲気下で行うものである。
これにより、接着工程の雰囲気中に存在する水分や酸素の量を低減でき、雰囲気中に存在すると微量ながら硬化性樹脂に含まれてしまう、これらの物質を排除できるので具合がよい。
上記有機EL装置の製造方法において、上記硬化樹脂量が、およそ、上記素子形成基板と上記保護基板の所望の間隙と封止領域の面積の積で求められる体積量であることを特徴とする。
これにより、張り合わせ工程が終了した時点で接着剤の過不足が無く、所望の領域だけに硬化樹脂を展開することができる。
また、本発明の電子機器は、上述した有機EL装置を表示部に備えた電子機器である。ここで、電子機器とは、回路基板やその他の要素を備え、一定の機能を奏する機器一般をいい、その構成に特に限定はない。かかる電子機器としては、例えば、ICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、テレビジョン(TV)、ロールアップ式TV、更に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝広告用ディスプレイ等が含まれる。また、本発明の電子機器は、上述した有機EL装置を書き込み用発光デバイスとして搭載した感光体プリンタ(電子写真プロセスのプリンタ)を含む。
本発明の有機EL装置の製造方法は、可撓性の保護基板を複数の保持子によって該保護基板の一面上の複数点で保持し、該各保持子の素子形成基板に対する相対的な位置を個別に調整制御することにより、硬化性樹脂を用いて該素子形成基板と該保護基板を貼り合わすものである。これにより、気泡を巻き込まずに素子形成基板と保護基板を貼り合わせることができるとともに硬化性樹脂の膜厚の均一化を図ることができる。従って、表示品質と耐久性に優れた有機EL装置を提供することができる。
以下、本発明の有機EL装置の製造方法及び有機EL装置について図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施例について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明による製造方法によって製造された有機EL装置の側面模式図である。図2及び図3は、本発明による有機EL装置の製造方法の過程を説明する説明図である。
なお、本例では光硬化性樹脂を素子形成基板の中央部に付与(あるいは配置)し、可撓性の保護基板を当該付与部分から外方に向かって拡大接触させることによって硬化性樹脂を広げて両基板の貼り合わせを行う手法を採用している。
図1において、有機EL装置20は、例えば、ガラス基板や樹脂基板のような絶縁性を有する基板1の上に有機EL素子2が形成されている。この有機EL素子が形成された素子形成基板10と、例えば、ガラスのような絶縁性を有する保護基板3を硬化性樹脂4によって接着している。このような構成により、有機EL素子2は保護基板3と硬化性樹脂2によって大気から遮断され、有害な酸素や水分が有機EL素子に浸入することを防ぐことができる。
次に、図2に従って第1の実施例における製造工程を説明する。図2の(a)では、有機EL素子2が形成された基板1が作業台5に真空吸着によって固定されている。この固定された素子形成基板10の中央部には、硬化性樹脂4として光硬化性樹脂(例えば、変性アクリルのような硬化後に透明性を有する樹脂)が所定量、ディスペンサ等を使用して付与(あるいは配置)されている。この所定量とは、およそ、基板1と保護基板3の所望の間隙と封止領域の面積の積で求められる体積量である。なお、硬化性樹脂は使用する前に減圧室で脱泡処理を行っておくとよい。保持子8は、吸着パッド6と円筒状のシリンダ7から構成され、真空吸着によって保護基板3の一面を複数点で保持しており、保護基板3は素子形成基板10の上方に配置されている。同図(b)では、中央部に配置された保持子8による位置移動機能により、保護基板3の中央部が素子形成基板方向に凸状に撓ませながら保持されている。同図(c)では、(b)の状態を保ちながら各保持子8による位置移動機能により、保護基板3の凸状になった他面の中央部を硬化性樹脂2に接触させている。次に、同図(d)に示すように、周辺部の保持子の位置も制御して硬化性樹脂を外方に向かって拡大接触する。同図(e)では、素子形成基板10と保護基板3が硬化性樹脂4によって貼りあわされているが、この状態で各保持子8を制御して、アライメントマーク等を利用して位置合わせを行い、更に、硬化性樹脂4の膜厚が設計値で均一になるようにする。そして、紫外線等の光を照射して光硬化性樹脂である硬化性樹脂4を硬化させる。次に、同図(f)に示すように、各保持子の吸引を停止して上方に移動する。
更に、図3を使用して、第1の実施形態についてより具体的に説明する。図3は、本例の製造過程を上方より見た場合の平面模式図であるが、同図における(a)から(f)の過程は、図2における(a)から(f)の過程と対応している。
同図(a)では、素子形成基板10の中央部に所定量の硬化性樹脂4が付与(配置)されている。保護基板3は、8aから8iで示す各保持子により素子形成基板10の上方に保持されている。なお、素子形成基板10は作業台に固定されているが、同図では省略している。9個の保持子は各々、独立に位置を制御できる。同図(b)では、中央部の保持子8eの位置移動機能により保護基板の中央部が素子形成基板方向に凸状に撓ませてあり、かつ、9個の保持子の吸引(真空吸着)により保持されている。同図(c)は、保護基板3の中央部が硬化性樹脂4に部分的接触した状態である。次に、各々の保持子の位置を制御しながら、同図(d)に示すように、硬化性樹脂を外方に向かって拡大接触する。なお、同図(d)において、硬化性樹脂の接触位置が右下方向へ向かっているので、8f、8h、8iの保持子の下降力を弱めて、8a、8b、8dの下降力を強めると、硬化性樹脂の接触位置(あるいは硬化性樹脂の外縁の広がりパターン)を制御できて気泡を巻き込む可能性を低減できる。このような硬化性樹脂の接触状態は、CCDカメラ等によって硬化性樹脂の広がりのモニタリングを行いながら予め段階的に設定された一連の広がりパターンに従うよう、各保持子の位置移動を調整することによって制御される。同図(e)では、硬化性樹脂の広がりが接触面の全面に至り、保護基板あるいは硬化性樹脂の拡大接触過程が終了した後に、保持子の位置移動機能を利用して素子形成基板と保護基板の位置合わせを行った後、光を照射して硬化性樹脂を硬化させる。同図(f)では、貼り合わせ後に各保持子の吸引を停止して保護基板の保持を開放し、各保持子を上方へ移動する。
以上のような製造工程を取ることにより、気泡を巻き込まず(発生させず)に素子形成基板と保護基板を硬化性樹脂の膜厚を均一性に保った状態で貼り合わせることができる。従って、有機EL素子を酸素や水分から遮断することができ耐久性に優れ、かつ、トップエミッション型のディスプレイにも使用できる表示品質に優れた有機EL装置を製造することができる。
第2の実施例について図4を参照して説明する。図4は本例の製造過程を上方より見た場合の平面模式図であり、同図における(a)から(f)の工程は、図2における(a)から(f)の工程と対応している。
本例では光硬化性樹脂を素子形成基板の中央部に帯状に付与(配置)し、保護基板を当該付与部分から外方に向かって拡大接触させて貼り合わせを行う拡大パターンを採用している。
図4の(a)では、素子形成基板10の中央部に所定量の硬化性樹脂4がディスペンサ等を使用して中央部に帯状に付与されている。なお、硬化性樹脂4が素子形成基板1の外に漏れ出すことを防止するため、棒状の堰9を取り外し可能に設けている。保護基板3の一面を8aから8iで示す保持子により静電吸着により複数点で保持しており、素子形成基板10の上方に配置されている。なお、素子形成基板10は作業台に静電吸着により固定されているが、図4では省略している。9個の保持子は、各々独立に位置移動機能を制御できる。同図(b)では、保持子8b、8e、8hの位置移動機能により、保護基板の中央部が素子形成基板方向に帯状に凸形状に撓ませてあり、かつ、各保持子により保持されている。同図(c)は、保護基板3の他面の撓ませてある部分が硬化性樹脂4に接触した状態である。次に、各々の保持子の位置を制御しながら、同図(d)に示すように、硬化性樹脂を左右の外方に向かって拡大接触させる。なお、同図(d)において、CCDカメラによって硬化性樹脂の広がり位置を検出したところ、当該広がり位置の右方向側が、左方向側より大きいことが検出される。この場合、8c、8f、8iの保持子の下降力を弱めて、8a、8d、8gの下降力を強めると、硬化性樹脂の接触状態が均等化できる。このように、硬化性樹脂の広がり位置を検出し、予め設定された広がりパターンに従うよう、各保持子の位置移動を調整制御する。同図(e)では、硬化性樹脂の拡大接触が終了した後に棒状の堰9を移動させ、保持子の移動機能を利用して素子形成基板10と保護基板3の位置合わせを行う。その後、光を照射して硬化性樹脂を硬化させる。同図(f)では、貼り合わせ後に保持子の吸引を停止して上方へ移動する。
以上のように、硬化性樹脂の接触状態を予め設定された広がりパターンに合わせることにより、気泡を巻き込まずに素子形成基板と保護基板とを貼り合わせることができ、かつ、硬化性樹脂の膜厚を均一にすることもできる。従って、耐久性に優れ、かつ、トップエミッション型のディスプレイにも使用できる表示品質に優れた有機EL装置を製造することができる。
また、堰を設けることにより、硬化性樹脂が素子形成基板の外に漏れ出すことを防止でき、端面の近傍を清浄に保つことができる。
また、減圧下で貼り合せを行う場合は、保持子の吸着機構として真空吸着が機能しなくなるので、静電吸着を利用するとよい。
なお、貼り合せを行う工程の雰囲気は大気中でもよいが、減圧下や不活性ガス(例えば、窒素)の雰囲気中の方が、酸素や水分の存在を排除できて好ましい。
そして、保持子については、素子形成基板のサイズ、保持する保護基板の重量、厚みや剛性、使用する硬化性樹脂の粘度、貼り合わせを行う工程の雰囲気等の諸条件を考慮して、使用する保持子の種類や個数、配置、吸引力や位置移動の制御を、適宜、最適化する。
さらに、上述した保持子の最適化条件に基づき、拡大接触過程の各パラメータを素子形成基板毎にプログラム化しておくと、機種切り替えにおいても貼り合わせを効率的に対応できる。
第3の実施例では、素子形成基板と保護基板間に挟まれて広がる硬化性樹脂の拡大接触過程を制御するプログラムを作成するうえで、基本となるアルゴリズムの一例を示す。図5は、上述したアルゴリズムをフローチャートで表したものである。
図5において、保持子の位置を制御するための予め設定されたプログラム(同図S50)と、拡大接触過程における硬化樹脂の広がり位置と予定位置との差を修正するための制御プログラム(同図S40)は、別途、用意されているが、本例では説明を省略する。
最初に、同図S10のステップに示すように、拡大接触過程における硬化性樹脂の広がり位置を検出する。次に、同図S20のステップにおける判断で、この検出位置(Xn,Yn)が終了位置でない場合は、同図S30のステップに進んで検出位置(Xn,Yn)と予め設定されている予定位置(Xp,Yp)との差異を計算する。この差異X=Xn−Xp、差異Y=Yn−Ypが許容範囲内であれば、予め設定された拡大接触過程を制御するプログラム(同図S50)を実行し続けて硬化性樹脂の接触面積を拡大させる。差異Xあるいは差異Yが許容範囲を超える場合は、許容範囲内に入るまで、差異を縮めて修正を行う制御するプログラム(同図S40)を実行し続ける。そして、検出位置(Xn,Yn)が、同図S20のステップで終了位置に達していれば拡大接触過程を終了する。
以上のようなアルゴリズムを、複数点に配置された保持子毎に実行する。このような基本アルゴリズムに基づいて拡大接触過程の制御プログラムを素子形成基板の種別毎に作成すれば、素子形成基板と保護基板間に挟まれて広がる硬化性樹脂が気泡を抱き込まないように、また、硬化性樹脂の膜厚を均一にするように、拡大接触過程を予め設定された広がりパターンに応じて制御することができる。
なお、予め設定する広がりパターンや保持子の位置制御プログラムは、事前の試験結果に基づいて各種パラメータを最適化して作成すればよい。
本発明による有機EL装置を有機EL部に備えた電子機器について図6を参照して説明する。図6は、上述した有機EL装置を含んで構成される電子機器の具体例を説明する図である。
図6(A)は携帯電話への適用例であり、当該携帯電話330はアンテナ部331、音声出力部332、音声入力部333、操作部334、および本発明の有機EL装置300を備えている。このように本発明に係る有機EL装置は表示部として利用可能である。図6(B)はビデオカメラへの適用例であり、当該ビデオカメラ340は受像部341、音声入力部342、操作部343、及び本発明の有機EL装置300を備えている。図6(C)はノートパソコンへの適用例であり、当該ノートパソコン350は操作部351、及び本発明の有機EL装置300を備えている。なお、パーソナルコンピュータ等に用いられるモニタ装置に対しても同様に本発明に係る有機EL装置を適用し得る。図6(D)はテレビジョンへの適用例であり、当該テレビジョン360は操作部351、及び本発明の有機EL装置300を備えている。また、電子機器はこれらに限定されず、表示機能を有する各種の電子機器に適用可能である。例えばこれらの他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなども含まれる。なお、本発明にかかる有機EL装置は、電子機器の構成部品として上記のような電子機器に含まれる場合の他に、単独で電子機器の構成部品としても適用し得る。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、感光体プリンターの書き込み用レーザーやLEDヘッドの替わりに上述した有機EL装置を書き込み用発光デバイスとして搭載すれば、プリンターの小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本発明に使用する保護基板や硬化性樹脂の材質についても、実施形態に応じて適宜適切なものを使用することができる。
本発明における有機EL装置の側面模式図である。 本発明における貼り合わせ過程を説明する説明図である。 第1の実施例における貼り合わせ過程を説明する説明図である。 第2の実施例における貼り合わせ過程を説明する説明図である。 第3の実施例における拡大接触過程の制御アルゴリズムを説明するフローチャートである。 本発明における有機EL装置を使用した電子機器の例を示す図である。
符号の説明
1…基板、2…有機EL素子、3…保護基板、4…硬化性樹脂、5…作業台、6…吸着パッド、7…シリンダ、9…堰、10…素子形成基板、20…有機EL装置、8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h、8i…保持子、300…有機EL装置、330…携帯電話、331…アンテナ部、332…音声出力部、333…音声入力部、334…操作部、340…ビデオカメラ、341…受像部、342…音声入力部、343…操作部、350…ノートパソコン、351…操作部、360…テレビジョン

Claims (8)

  1. 有機EL素子が形成された素子形成基板と、該素子形成基板の一面側に接着層を介して配設された保護基板とを備えた有機EL装置の製造方法であって、
    前記素子形成基板の貼合面の中央部に、前記接着層を構成すべき硬化性樹脂を付与する過程と、
    前記素子形成基板を覆うための前記保護基板を個別的に位置調整可能な複数の保持子によって前記保護基板の一面上の複数点において保持する保持過程と、
    前記複数点で保持された前記保護基板を前記素子形成基板の上方に相対的に移動する移動過程と、
    前記複数の保持子の一部を前記素子形成基板に接近させて前記保護基板の他面を前記硬化性樹脂に接触させる部分接触過程と、
    更に、前記複数の保持子の少なくとも他の一部をも前記素子形成基板に接近させて前記素子形成基板と前記保護基板間に挟まれた前記硬化性樹脂を当該硬化性樹脂の付与部分から外方に広げる拡大接触過程と、
    前記複数の保持子で前記保護基板を前記硬化性樹脂を介して前記素子形成基板に密着させる密着過程と、を含み、
    前記複数の保持子の各々は、前記保護基板の一面上の中央部を配列中心とするマトリックス状配置を構成して前記保護基板を吸引して保持するものであり、
    前記部分接触過程において、前記複数の保持子のうち前記保護基板の中央部に配置された保持子を下降させて前記保護基板の他面を前記硬化性樹脂に接触させ、
    前記拡大接触過程において、前記複数の保持子のうち前記保護基板の中央部に配置された保持子の外側の保持子を前記素子形成基板に接近させて前記素子形成基板と前記保護基板間に挟まれた前記硬化性樹脂を前記素子形成基板の貼合面の中央部から外方に広げる、
    ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 更に、前記密着過程に続いて位置合せを行う位置合せ過程と、
    前記硬化性樹脂に光又は熱エネルギを付与して硬化させる樹脂硬化過程と、
    を含む請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記拡大接触過程においては、前記素子形成基板と前記保護基板間に挟まれて広がる前記硬化性樹脂の拡大パターンが予め設定されたパターンに沿って広がるように各保持子の前記素子形成基板に対する相対的な位置が個別に調整されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記拡大接触過程においては、前記硬化樹脂の広がりのパターンを観察して各保持子の位置を制御することを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記拡大接触過程においては、前記素子形成基板の種別毎に予め設定されたプログラムに従って各保持子の位置を制御することを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 請求項1に記載の有機EL装置の製造方法において、前記製造過程が減圧雰囲気下で行われることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  7. 請求項1に記載の有機EL装置の製造方法において、前記製造過程が不活性ガス雰囲気下で行なわれることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  8. 請求項1に記載の有機EL装置の製造方法において、前記硬化樹脂量が、およそ、前記素子形成基板と前記保護基板の所望の間隙と封止領域の面積の積で求められる体積量であることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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