JP4300160B2 - 連続鋳造方法および鋳造材、金属加工品、ならびに連続鋳造装置 - Google Patents

連続鋳造方法および鋳造材、金属加工品、ならびに連続鋳造装置 Download PDF

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この発明は、金属の連続鋳造方法に関し、さらにこの連続鋳造方法によって製造された鋳造材、この鋳造材から製造された金属加工品、ならびにこの連続鋳造方法に用いる連続鋳造装置に関する。
金属の連続鋳造方法として、外周面に凹溝が設けられた鋳造輪と、この凹溝を閉じる無端ベルトとを組み合わせて鋳造空間を形成し、この鋳造空間内に溶湯を供給するとともにこれらの鋳造輪と無端ベルトを回転駆動させることにより鋳造材を連続的に製造するプロペルチ鋳造法がある。このような連続鋳造方法においては、鋳造輪および無端ベルトが冷却されているため、鋳造空間に供給された溶湯材はその全周から冷却を受けて中心部に向かって凝固が進行する(例えば特許文献1,2)。
特開昭53−123332号公報 特開昭59−193737号公報
上述した連続鋳造方法では、最終凝固部が鋳造材の中心部となり、中心部に凝固収縮による引け巣や割れが生じやすい。このような欠陥が発生した鋳造材は、その後に圧延、押出、引抜き等の塑性加工を施しても、鋳造欠陥が最終製品に持ち越されるという問題点がある。
なお、特許文献1には鋳造輪および無端ベルトを40〜200℃に保持して急激な冷却を抑制し、鋳造割れを防止することが記載されている。しかし、この方法では鋳造輪または無端ベルトとの接触部分の割れを抑制することはできても、最終凝固部に生じる引け巣や割れを解消することはできない。また、鋳造材の表面に発生した鋳造欠陥はその後の塑性加工によって消失または軽減されることがあるが、中心部に発生した鋳造欠陥は解消されない。また、鋳造欠陥が鋳造材や加工品の中心部に存在すると、スカルピングやピーリングによって除去することもできない。
この発明の連続鋳造方法は、鋳造欠陥に起因して発生する加工品の欠陥の低減を目的として、最終凝固部を鋳造材の中心部から変位させ、鋳造欠陥が発生したとしても加工品への影響を可及的に低減しうる連続鋳造方法、およびこの方法で製造された鋳造材、ならびにこの鋳造材を製造材料とする金属加工品、この連続鋳造方法を実施する連続鋳造装置の提供を目的とする。
即ち、本発明の連続鋳造方法は下記(1)〜(8)に記載された構成を有する。
(1) 複数の回転モールド部材を鋳造空間を囲んで対向配置し、これらの回転モールド部材を鋳出し方向に駆動することによって金属鋳造材を製造する連続鋳造方法において、複数の回転モールド部材の温度に高低差を設けることを特徴とする連続鋳造方法。
(2) 一部の回転モールド部材の溶湯と接触し始める部分の温度を、〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.35以上に設定する一方、他の回転モールド部材を冷却する前項1に記載の連続鋳造方法。
(3) 一部の回転モールド部材の温度を、〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.5以上に設定する前項2に記載の連続鋳造方法。
(4) 一部の回転モールド部材を溶湯と接触し始める前に加熱することにより、該回転モールド部材の温度を設定する前項2または3に記載の連続鋳造方法。
(5) 複数の回転モールド部材は、所定距離を隔てて配置される一対のロールである前項1〜4のいずれか1項に記載の連続鋳造方法。
(6) 複数の回転モールド部材は、外周面に凹溝を有する鋳造ホイールとこの凹溝を閉じる連続ベルトである前項1〜4のいずれか1項に記載の連続鋳造方法。
(7) 前記金属はアルミニウムまたはアルミニウム合金である前項1〜6のいずれか1項に記載の連続鋳造方法。
(8) 前記金属は銅または銅合金である前項1〜6のいずれか1項に記載の連続鋳造方法。
本発明の鋳造材は、下記(9)(10)に記載された構成を有する。
(9) 前項1〜8のいずれか1項に記載された方法により連続鋳造された鋳造材であって、最終凝固部が、表面から鋳造材の厚さ×0.2以内の深さに存在することを特徴とする鋳造材。
(10) 表層部が除去された前項9に記載の鋳造材。
本発明の金属加工品は、下記(11)に記載された構成を有する。
(11) 前項9または10に記載に記載された鋳造材に塑性加工が施されたことを特徴とする金属加工品。
本発明の連続鋳造装置は、下記(12)(13)に記載された構成を有する。
(12) 鋳造空間を囲んで対向配置され、鋳出し方向に駆動される複数の回転モールド部材と、一部の回転モールド部材を加熱する加熱手段と、他の回転モールド部材を冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする連続鋳造装置。
(13) 前記加熱手段を、一部の回転モールド部材が溶湯と接触し始める前の位置に配置する前項12に記載の連続鋳造装置。
本発明の連続鋳造方法によれば、複数の回転モールド部材の温度に高低差を設けられているため、最終凝固部が高温の回転モールド部材側に変位した鋳造材が製造される。このような鋳造材では、最終凝固部に鋳造欠陥が発生したとしても、表層部の除去によって鋳造欠陥を除去することができる。また、表面に近い部分に存在する鋳造欠陥は、塑性加工によって消失したり軽減され、加工品に鋳造欠陥が持ち越されない。
前記連続鋳造方法において、一部の回転モールド部材の溶湯と接触し始める部分の温度が、〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.35以上に設定される一方、他の回転モールド部材が冷却される場合には、最終凝固部の変位が確実になされる。
さらに、一部の回転モールド部材の温度が、〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.5以上に設定される場合には、最終凝固部の変位量が大きく、なお一層表面に近い部分に最終凝固部が形成される。
また、一部の回転モールド部材を溶湯と接触し始める前に加熱することにより、該回転モールド部材の温度を所定値に設定することができる。
複数の回転モールド部材が所定距離を隔てて配置される一対のロールである場合には、最終凝固部が変位した鋳造材を円滑に製造することができる。
また、複数の回転モールド部材が外周面に凹溝を有する鋳造ホイールとこの凹溝を閉じる連続ベルトである場合にも、最終凝固部が変位した鋳造材を円滑に製造することができる。
前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、最終凝固部が変位したアルミニウム鋳造材またはアルミニウム合金鋳造材を製造することができる。
前記金属が銅または銅合金である場合には、最終凝固部が変位した銅鋳造材または銅合金鋳造材を製造することができる。
本発明の鋳造材は、上記方法により連続鋳造された鋳造材であり、最終凝固部が、表面から鋳造材の厚さ×0.2以内の深さに存在する。このため、最終凝固部に鋳造欠陥が発生したとしても、表層部の除去によって鋳造欠陥を除去することができる。また、表面に近い部分に存在する鋳造欠陥は、塑性加工によって消失したり軽減され、加工品に鋳造欠陥が持ち越されない。
前記鋳造材において表層部が除去されている場合には、鋳造欠陥が除去されているか、あるいは塑性加工によって消失したり軽減され得る。
本発明の金属加工品は、本発明の鋳造材に塑性加工が施されたものであるから、鋳造欠陥の持ち越しがなく、品質の高いものである。
本発明の連続鋳造装置は、鋳造空間を囲んで対向配置され、鋳出し方向に駆動される複数の回転モールド部材と、一部の回転モールド部材を加熱する加熱手段と、他の回転モールド部材を冷却する冷却手段とを備えるものであるから、本発明の連続鋳造方法を実施して、最終凝固部が変位した鋳造材を製造することができる。
また、前記加熱手段を、一部の回転モールド部材が溶湯と接触し始める前の位置に配置することにより、回転モールドの温度を所定値に設定することができる。
本発明の連続鋳造方法は、鋳造空間を囲んで配置される複数の回転モールド部材の温度に高低差を設けることにより凝固速度に差をつけ、最終凝固部を鋳造材の中心から凝固速度の遅い側、即ち高温の回転モールド部材側に変位させるものである。
以下に、具体的な連続鋳造方法およびこの方法を実施する連続鋳造装置を参照しつつ、本発明について詳述する。
〔第1実施形態〕
図1および図2に本発明の連続鋳造方法を実施する連続鋳造装置(1)を示す。
連続鋳造装置(1)において、一対のロール(10)(11)が回転軸線(P0)(P1)と平行にロール表面間距離(T)を隔てて対向配置されているとともに、これらのロール(10)(11)間には溶湯(M)を保持する保持板(12)(13)が距離(W)を隔てて配置され、ロール(10)(11)と保持板(12)(13)とが鋳造空間(14)を形成している。従って、この連続鋳造装置(1)において、横断面がT×Wの矩形の鋳造材(S1)が連続鋳造される。前記一対のロール(10)(11)はノズル(図示省略)から内周面に冷却水を供給することによって冷却可能とされ、かつ一方のロール(11)の外側の溶湯(M)供給側において溶湯(M)と接触する直前に配設されたバーナー(15)によって加熱可能となされている。
前記連続鋳造装置(1)において、タンディッシュ(16)から鋳造空間(14)に供給された溶湯(M)はロール(10)(11)からの冷却を受けてロール接触面から内部へと凝固しながら、ロール(10)(11)の回転駆動に伴って連続的に鋳造材(S1)に成形されて搬送される。このとき、一方のロール(10)に冷却水を供給し、他方のロール(11)には冷却水を供給することなくバーナー(15)で加熱すると、加熱されたロール(11)側からはほとんど冷却されず、冷却されたロール(10)側の凝固が速いため、最終凝固部(F1)は加熱されたロール(11)側に寄った位置となる。
〔第2実施形態〕
図3および図4に本発明の連続鋳造方法を実施する連続鋳造装置(2)を模式的に示す。
連続鋳造装置(2)は、鋳造ホイール(20)と連続ベルト(21)とを備える。
前記鋳造ホイール(20)は外周面に断面の凹溝(22)を有し、内部に設けられたノズル(23)から冷却水を供給することによって冷却可能となされている。一方、連続ベルト(21)は、前記鋳造ホイール(20)と張力調整用ホイール(24)とに掛けられた環状の無端ベルトであり、鋳造ホイール(20)の凹溝(22)を閉じて鋳造空間(25)を形成している。また、前記連続ベルト(21)は鋳造ホイール(20)と接触する直前にバーナー(26)によって加熱可能となされている。
図3において、(27)は連続ベルト(21)を鋳造ホイール(20)に密着させるためのピンチロールである。また、(28)は鋳造空間(25)に溶湯(M)を供給するためのタンディッシュである。
前記連続鋳造装置(2)において、タンディッシュ(28)から鋳造空間(25)に供給された溶湯(M)は鋳造ホイール(20)および連続ベルト(21)からの冷却を受けてこれらとの接触面から内部へと凝固しながら、鋳造ホイール(20)および連続ベルト(21)の回転駆動に伴って連続的に鋳造材(S2)に成形される。この凝固過程において、連続ベルト(21)側からはほとんど冷却を受けず、鋳造ホイール(20)側で凝固が速いため、最終凝固部(F2)は連続ベルト(21)側に寄った位置となる(図5)。
なお図3に示すように、鋳造材(S2)の凝固がほぼ完了している鋳出し直前領域(29)では、連続ベルト(21)の破損防止を目的として該連続ベルト(21)を冷却しても良い。
上記実施形態においては、複数の回転モールド部材(10)(11)(20)(21)に温度差を設けるために、高温に設定する一部の回転モールド部材(11)(21)を加熱する一方で、低温に設定する他の回転モールド部材(10)(20)を従来の連続鋳造方法と同じく冷却し、一方向からの冷却によって溶湯を凝固させている。高温側の回転モールド部材(11)(21)の温度は鋳造する金属によって設定され、〔融点または液相線温度〕×0.35以上の温度に設定することが好ましい。〔融点または液相線温度〕×0.35未満の温度では、最終凝固部の変位量が少なく、切削して除去すると除去量が多くなって材料歩留まりが悪くなるためである。特に好ましい温度は〔融点または液相線温度〕×0.5以上であり、さらに好ましくは〔融点または液相線温度〕×0.6以上である。金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合は、前記温度は230℃以上が好ましく、特に好ましくは330℃以上、さらに好ましくは400℃以上を推奨できる。また、金属が銅または銅合金の場合は、前記温度は380℃が好ましく、特に好ましくは540℃以上、さらに好ましくは650℃以上を推奨できる。
また、前記温度は、溶湯と接触し始める部分(R1)(R2)における温度とする。駆動中の回転モールド部材は溶湯との接触時と鋳出し後とで若干変動するが、凝固速度に直接影響する溶湯と接触し始める部分(R1)(R2)において温度管理を行うことによって、精度の高い凝固制御を行うことができる。
回転モールド部材(11)(21)を所定温度に設定する手段は上述したバーナー(15)(26)に限定されず、周知の加熱手段を適宜用いることができ、複数の加熱手段を組み合わせることもできる。また、他の回転モールド部材(10)(20)に対する冷却手段も水冷に限定されず、周知の冷却手段を適宜用いることができ、複数の冷却手段を組み合わせることもできる。
前記複数の回転モールド部材の種類は、上述の一対のロール(10)(11)または鋳造ホイール(20)と連続ベルト(21)の組み合わせに限定されない。これらは従来より連続鋳造に用いられている回転モールド部材であり、加熱手段を追加するだけで本発明の連続鋳造方法を実施し、最終凝固部が変位した鋳造材を円滑に製造することができる。また、回転モールド部材数も2以上であれば良く、3以上の回転モールド部材も本発明に含まれる。3以上の回転モールド部材を用いる場合、加熱する部材数と冷却する部材数の設定は任意である。
本発明は、あらゆる金属の連続鋳造に適用できるが、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金の連続鋳造に推奨できる。
本発明の鋳造材は、上述した連続鋳造方法によって製造されたものであり、回転モールド部材の温度に高低差を設けることによって最終凝固部(F1)(F2)が鋳造材(S1)(S2)の中心から変位し、表面から鋳造材(S1)(S2)の厚さ×0.2以内の深さに存在する。最終凝固部(F1)(F2)では、引け巣や引け割れ等の鋳造欠陥を発生することがあるが、鋳造欠陥が発生しても表面に近い部分であれば、表層部を切削等によって容易に除去することができる。また表面近くの鋳造欠陥であれば、鋳造材(S1)(S2)に塑性加工を施すことによって、欠陥が消失したり、軽減されることもある。表層部を除去する場合、除去量(除去深さ)は限定されない。必ずしも最終凝固部を完全に除去する必要はなく、その後に塑性加工を施す場合は、加工による鋳造欠陥の消失や軽減を見越して最終凝固部の近傍までにとどめることもできる。もちろん、最終凝固部まで完全に除去する場合も本発明に含まれる。また図5に示すように、連続ベルト(21)によって製造した鋳造材(S2)においては、最終凝固部(F2)が幅方向の中心付近となることが多い。このような場合は、表層部を幅方向の全域で均一な深さに除去して表面を平滑にする必要はなく、最終凝固部(F2)の近傍をV字状またはU字状に除去することもできる。
本発明の金属加工品は、本発明の鋳造材に塑性加工を施して製造したものであり、鋳造欠陥の持ち越しがなく、品質が高い。塑性加工方法は限定されず、圧延、押出、引き抜き、鍛造、曲げ、プレス等の塑性加工を適宜施すことができる。製品形状も限定されない。
本発明の連続鋳造装置は、上述した複数の回転モールド部材、加熱手段および冷却手段を備えるものであれば良く、溶湯の供給手段、鋳造材の搬送手段等その他の構成は限定されず、周知の手段および構成を適宜用いるものとする。
〈実施例1〉
図1および図2に示す連続鋳造装置(1)を用い、Al−Mn系合金であるJIS A3003(液相線温度:654℃)の連続鋳造試験を行った。双方ともに直径300mmの一対のロール(10)(11)を用い、ロール(10)(11)の表面間距離(T)を6mm、保持板(12)(13)間の距離(W)を100mmに設定し、板厚6mm×幅100mmの鋳造材(S1)を連続鋳造するものとした。
一方のロール(10)は水冷し、他方のロール(11)はバーナー(15)で加熱して溶湯(M)と接触し始める部分(R1)の温度を500℃とし、前記鋳造材(S1)を連続鋳造した。鋳造後、鋳造材(S1)の断面を観察したところ、最終凝固部(F1)は加熱されたロール(11)側の表面から1mmの深さの位置であり、鋳造欠陥が発生した。しかし、板厚6mmの鋳造材(S1)に対して深さ1mmの位置であるから、前記鋳造欠陥は切削加工によって容易に除去することができるものであった。
また、製造した鋳造材(S1)は、圧延加工を施して所望の板厚の圧延材とし、さらにプレス加工を施すことができる。
本実施例の比較例として、両方のロール(10)(11)を水冷して連続鋳造を行ったところ、最終凝固部(F1)は板厚中心となり、引け巣が発生した。引け巣の位置が板厚中心であるから、実質的に除去は不可能であった。
〈実施例2〉
図4および図5に示す連続鋳造装置(2)を用い、Al−Si−Mg系合金であるJIS A6061(液相線温度:652℃)の連続鋳造試験を行った。
前記連続鋳造装置(2)において、鋳造ホイール(20)として、直径が1400mm、凹溝(21)の深さ(D)が55mm、凹溝(22)内断面積(=鋳造空間(25)の断面積)が2300mm2のものを使用した。
実施例2−1、2−2において、鋳造ホイール(20)を水冷する一方、連続ベルト(21)をバーナー(26)で加熱して溶湯(M)に接触し始める部分(R2)の温度を表1に示す温度に設定した。また、比較例として、鋳造ホイール(20)上の連続ベルト(21)の外側に冷却水を供給するノズルを追加配置し(図示省略)、鋳造ホイール(20)および連続ベルト(21)の両方を水冷した。
各例において、鋳造時のホイール回転数を1.8rpmとして、鋳造材(S2)を連続鋳造した。各鋳造材(S2)の断面を観察したところ、最終凝固部(F2)の位置は連続ベルト(21)側の表面から表1に示す深さであり、最終凝固部(F2)およびその近傍に鋳造欠陥が形成されていた。
次いで、前記各鋳造材(S2)を圧延して最終的に直径23mmの丸棒に粗加工した。この塑性加工により、最終凝固部(F2)は丸棒の表面から表1に示す位置となった。
Figure 0004300160
表1に示すように、連続ベルト(21)を加熱して製造した鋳造材(S2)を圧延した丸棒では最終凝固部が表面の近くに存在するため、丸棒の表層部をそれぞれ深さ4mmまたは3mmまで切削除去することによって鋳造欠陥を除去することができた。しかし、丸棒において鋳造欠陥が中心に存在する比較例にあっては、除去が不可能であった。
前記粗加工を行った丸棒の最終凝固部近傍は晶出物が5μm程度と大きく、またそれ以外の箇所では晶出物が3μm以下と小さいものであった。
前記粗加工した丸棒は、さらに圧延、コンフォーム押出等の連続押出、引き抜き、鍛造加工等を施して所望形状の加工品に成形することができる。
ここに用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、回転モールド部材を用いた連続鋳造方法であり、圧延、押出、引き抜き、鍛造等の塑性加工に供する金属鋳造材の製造に利用できる。
本発明にかかる連続鋳造方法の第1実施形態を実施する連続鋳造装置の構成を示す模式図である。 図1の連続鋳造装置において、一対のロールおよび鋳造空間を示す模式図である。 本発明にかかる連続鋳造方法の第2の実施形態を実施する連続鋳造装置の構成を示す模式図である。 図3の要部拡大図である。 図3の連続鋳造装置で製造した鋳造材の断面図である。
符号の説明
1、2…連続鋳造装置
10,11…一対のロール(複数の回転モールド部材)
14,25…鋳造空間
15,26…バーナー(加熱手段)
20…鋳造ホイール(回転モールド部材)
21…連続ベルト(回転モールド部材)
F1,F2…最終凝固部
R1,R2…溶湯に接触し始める部分
M…溶湯
S1,S2…鋳造材

Claims (8)

  1. 外周面に凹溝を有する鋳造ホイールとこの凹溝を閉じる連続ベルトとを鋳出し方向に駆動することによって金属鋳造材を製造する連続鋳造方法において、前記連続ベルトを溶湯と接触し始める前に〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.35以上の温度に加熱する一方、前記鋳造ホイールを冷却することにより、前記鋳造ホイールおよび連続ベルトの温度に高低差を設けることを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 前記連続ベルトの温度を、〔前記金属の融点または液相線温度〕×0.5以上に設定する請求項に記載の連続鋳造方法。
  3. 前記金属はアルミニウムまたはアルミニウム合金である請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
  4. 前記金属は銅または銅合金である請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載された方法により連続鋳造された鋳造材であって、最終凝固部が、表面から鋳造材の厚さ×0.2以内の深さに存在することを特徴とする鋳造材。
  6. 表層部が除去された請求項に記載の鋳造材。
  7. 請求項5または6に記載に記載された鋳造材に塑性加工が施されたことを特徴とする金属加工品。
  8. 鋳出し方向に駆動される、外周面に凹溝を有する鋳造ホイールおよびこの凹溝を閉じる連続ベルトと、前記連続ベルトが溶湯と接触し始める前の位置に配置され、該連続ベルトを〔前記溶湯金属の融点または液相線温度〕×0.35以上の温度に加熱する加熱手段と、前記鋳造ホイールを冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする連続鋳造装置。
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