JP2006231386A - アルミシートの製造方法およびアルミシートの連続鋳造圧延装置 - Google Patents

アルミシートの製造方法およびアルミシートの連続鋳造圧延装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械的特性の優れたアルミシートを製造する技術を提供する。
【解決手段】 本発明のアルミシートの製造方法は、アルミ溶湯を一対の回転ロール間に送込む工程と、送込まれたアルミ溶湯を一対の回転ロールで冷却して凝固させる工程と、凝固したアルミを一対の回転ロール間で圧延する工程を備える。回転ロールの表面は窒化処理された後、焼入れせずに焼戻されている。グラフに示す窒化処理17の後、期間18で再加熱し期間19で焼戻し処理を行う。焼入れせずに焼戻しをすることで、表面から深さ方向の硬度勾配が緩やかとなり靭性を向上させた回転ロールを形成できる。この回転ロールを用いることでアルミと回転ロールの凝着を低減できるうえ、回転ロールに亀裂が生じにくくなる。従って回転ロールに高荷重を加えてアルミ組織を微細化させた、機械的特性の優れたアルミシートを安定して製造することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は機械的特性に優れたアルミシートの製造方法および機械的特性に優れたアルミシートを製造することができる連続鋳造圧延装置に関する。
アルミ溶湯を連続鋳造圧延してアルミシートを製造する技術が知られている。この技術では、アルミ溶湯を一対の回転ロール間に送込む工程と、その回転ロール間に送込まれたアルミ溶湯をその回転ロールの対で冷却して凝固させる工程と、その回転ロール間で凝固したアルミをその回転ロール間で圧延する工程を備えている。
この方法では、アルミ溶湯が一対の回転ロールで冷却されることによって液相から固相に相変化する。引続いて一対の回転ロール間で圧延することによって、アルミ組織を微細化する。アルミ組織が微細化されることによってアルミシートの機械的特性が向上する。
従来のアルミシートの連続鋳造圧延方法では、圧延荷重が低かったため、特別な表面処理を施していない鋼製の回転ロールを用いることによってアルミシートを製造することができた。しかし機械的特性により優れたアルミシートを製造するには、一対の回転ロールによってアルミシートに加える荷重をより高くする必要がある。必要な機械的特性を備えるアルミシートを製造するために、場合によって、回転ロールによってアルミシートに加える荷重をおよそ100MPa以上としなければならないこともある。
従来の連続鋳造圧延装置の圧延荷重を高めると、アルミと鋼製の回転ロールの間で相互拡散が生じ、圧延材料であるアルミと回転ロールの母材成分である鉄とで鉄−アルミ合金(以下、単に合金と称す)が生成されてしまう。合金が生成されると、生成された合金が回転ロールに凝着してしまい、アルミシートを安定して製造することが困難となる。図6に回転ロールの表面にアルミシートが凝着したときの一例を示す。
一対の回転ロールによる圧延荷重を高めるためには、アルミと鋼製の回転ロールの間で合金が生成されることを防止しなければならない。
合金の生成を防止するためには、鋼製の回転ロールの表面をアルミとの間で相互拡散しづらい状態とすればよい。このためには、鋼製の回転ロールの表面に、CrNやDLC等の表面処理を施すことが考えられる。しかしながら、あまり効果が得られない。実験によって、鋼製の回転ロールの表面に窒化処理を施すのが効果的であることがわかってきた。
窒化処理は通常は機械的硬度を上げるために採用される表面処理であり、例えば特許文献1には、鍛造型の表面に窒化処理することによって鍛造型の機械的硬度を上げる技術が開示されている。しかしながら、本発明では機械的硬度を上げる必要があるのではなく、合金の生成を防止するために窒化処理を採用する。窒化処理を採用する理由は、従来技術のものと相違する。
特開平9−225557号公報(その公報の図1と図2参照)
鋼製の回転ロールの表面に窒化処理を施すと、アルミと鋼製の回転ロールの間で合金が生成されることを防止することができる。窒化処理を施すと、回転ロールの表面に微小な凹凸が形成されることも、回転ロールの表面にアルミシートが凝着することを防止するのに寄与する。
しかしながら単純に窒化処理するだけであると、凝固した直後のアルミを圧延するという用途に対しては、回転ロールの表面硬度が高くなりすぎて靭性が低下してしまうという新たな問題が生じる。窒化処理した回転ロールを使用してアルミシートを連続鋳造圧延すると、操業中に回転ロールの表面に亀裂が生じたり、回転ロールの表面が欠けたりすることがある。回転ロールの表面に生じた欠損の一例を図7に示す。合金化を阻止するために回転ロールに窒化処理を施すと、窒化処理の本来的効果である硬度向上効果が効きすぎ、凝固した直後のアルミを圧延するという用途に対しては、回転ロールの表面の靭性が低下してしまうのである。窒化処理は、合金の生成を防止するのに効果的であるが、そのままではアルミを圧延する回転ロールの表面処理に利用できない。
本発明は、この問題、すなわちアルミと鋼製の回転ロールの間で合金が生成されることを防止するためには窒化処理することが有効であるが、窒化処理すると回転ロールの表面の靭性が低下し、アルミを連続的に圧延する回転ロールには利用できなくなるという問題を解決する。
本発明では、アルミと鋼製の回転ロールの間で合金が生成されることを防止するためには窒化処理することが有効であることから窒化処理を採用するが、そのままでは硬度が高すぎて靭性が低いことから、焼きなまし処理して硬度を下げて靭性を上げる。窒化処理は本来硬度を高める処理であり、その後に焼きなまし処理して硬度を下げることに相容れない技術であるが、本発明では、硬度を上げるために窒化処理するのではなく、合金の生成を防止するために窒化処理することから、その後に焼きなまし処理することと組み合わせて用いることができる。
本発明のアルミシートの製造方法は、アルミ溶湯を一対の回転ロール間に送込む工程と、その回転ロール間に送込まれたアルミ溶湯をその一対の回転ロールで冷却して凝固させる工程と、その回転ロール間で凝固したアルミをその回転ロール間で圧延する工程を備えている。本発明の方法では、鋼で形成されており、その表面が窒化処理されており、窒化処理後に焼入れせずに焼戻されている回転ロールを、前記冷却工程と前記圧延工程に共通に利用することを特徴とする。
本方法によると、一対の回転ロール間で凝固したアルミは、さらにその回転ロール間で圧延される。このとき一対の回転ロールの表面が窒化処理されているために、圧延荷重を上げても、アルミと鋼製のロールの間で合金が形成されることがない。必要な機械的特性を備えたアルミシートを圧延するのに必要な圧延荷重をかけることができる。
しかも、回転ロールが窒化処理後に焼入れせずに焼戻されていることによって、必要な靭性が確保されており、圧延荷重を上げても、回転ロールが損傷する可能性を低減することができる。
圧延荷重を上げた状態でアルミを連続鋳造圧延し続けることができ、機械的特性に優れたアルミシートを連続的に製造することができる。
本発明によって実現されたアルミシートの連続鋳造圧延装置は、一対の回転ロールと、一対の回転ロール間にアルミ溶湯を送込むノズルを備えている。本発明の連続鋳造圧延装置では、各々の回転ロールが鋼で形成されており、その表面が窒化処理されており、窒化処理後に焼入れせずに焼戻されている。
本装置によると、圧延荷重を上げても、アルミと鋼製のロールの間で合金が形成されることもなく、操業中に回転ロールが損傷することも防止できる。
各々の回転ロールの表面が、窒素拡散層となっていることが好ましい。窒化処理を施すと母材の表面に窒素化合物層が形成され、その下層に窒素拡散層が形成される。窒素化合物層と窒素拡散層の境界で剥離しやすくなる。窒素化合物層が除去されて窒素拡散層が露出していれば、剥離しやすい問題が解決される。
窒素化合物層を除去するには、種々の方法が利用可能であるが、例えば、窒化処理された回転ロールを焼戻することによって窒素化合物層を酸化物層に変質させる方法が利用可能である。酸化物層は機械的強度が低く除去しやすい。
回転ロールの表面から、酸化物層が除去されていることが好ましい。
回転ロールを窒化処理すると回転ロールの表面に窒素化合物層が生成される。それを焼戻すと、窒素化合物層を酸化物層に変質させることができる。この酸化物層は軟らかく、例えばサンドペーパ等で磨き取ることも可能である。これにより、連続鋳造圧延開始時からアルミシートを安定して製造できる連続鋳造圧延装置を提供することができる。
本発明によれば、圧延荷重を上げても、合金の生成を防止でき、回転ロールの損傷を防止できる。機械的特性に優れたアルミシートを連続的に製造することが可能となる。
実施例の主要な特徴を列記する。
(第1形態) 回転ロールの窒化処理には、ガス軟窒化処理、塩浴窒化、浸硫窒化、プラズマ窒化その他の窒化処理方法を用いることができる。
(第2形態) 回転ロールを焼入れせずに焼戻す処理では、回転ロールを所定温度で加熱した後、常温中で焼戻すことが好ましい。より好ましくは3時間以上5時間以内で600℃以上800℃以下まで加熱し、その後常温まで除冷することが好ましい。
(第3形態) 回転ロールの母材はSKD鋼であることが望ましい。
(第4形態) 回転ロールは窒化処理前後、あるいは焼戻し後のいずれかの時点で、ショットピーニング処理を行うことが望ましい。これにより回転ロール表面が粗くなり圧延時の潤滑材の保持性が向上するためである。
図面を参照して以下に実施例を詳細に説明する。
図1に本発明に係る実施例1のアルミシートの連続鋳造圧延装置について、回転ロール部分の断面図を示す。
この連続鋳造圧延装置は一対の回転ロール10a、10bと、この回転ロール10a、10b間にアルミ溶湯12を流し込むためのノズル11を備えている。回転ロール10a、10bは鉄を主成分とする鋼を母材として形成されている。またこの回転ロール10a、10bには後述する表面処理が施されている。
加熱されて液相となったアルミ溶湯12はノズル11から、矢印A方向に回転する一対の回転ロール10a、10bの間に流し込まれる。そして液相のアルミ溶湯12は一対の回転ロール10a、10bの間で冷却され、半凝固状態13を経て固相14へと相変化する。固相14となったアルミは回転ロール10a、10bによってさらに圧延されアルミシート15に成形される。高温のアルミ溶湯12と接触することにより一対の回転ロール10a、10b自体も高温となることを防止するために図示しない冷却装置によって冷却されている。回転ロール10a、10bを冷却する方法としては、回転ロールがアルミと接触する側と反対側で低温の潤滑材に浸す方法や、回転ロール内に冷却材を通す流路を設ける方法などがある。
連続鋳造圧延装置にはこの他にも、一対の回転ロール間で圧延されて押し出されてくる成形されたアルミシートを案内するガイドロールや、アルミと接触する側と反対側で夫々の回転ロールを支持する支持ロールなどが備えられているが図示は省略する。
また圧延装置全体としては、2段圧延機タイプ、アルミと接触する側と反対側で夫々の回転ロールを支持する支持ロールを備えた4段圧延機タイプ、またはアルミシートをH型に成形するユニバーサル圧延機タイプなど、様々なタイプの圧延機でも良い。
また1回の圧延により所定の厚さのアルミシートを成形する圧延装置でもよいが、図1の圧延装置では目的とする厚さより厚いアルミシートを生成し、その後、板厚を薄く延ばすための他の圧延装置にかけて目的とする厚さまで薄くする処理を行ってもよい。
次に回転ロール10a、10bの表面処理方法について説明する。回転ロール10a、10bの表面はまず窒化処理され、その後焼入れせずに焼戻し処理が行われている。
図2は、回転ロール10a、10bの表面処理方法における処理温度と処理時間の関係を示したものである。図2のグラフ縦軸は温度であり横軸は時間である。温度T1は常温を表す。
まず回転ロールをT2まで加熱しt1時間まで窒化処理工程を行う。すなわち図2に符号17で示す区間が窒化処理に相当する。窒化処理としては、ガス軟窒化処理、塩浴窒化、浸硫窒化、プラズマ窒化その他の窒化方法を用いることができる。
窒化処理工程17が終了して回転ロールが50℃以下、好ましくは常温となったら次に図2に区間18で示すように、時間t1からt2の間、温度T3まで加熱して一定時間温度T3を維持する。この区間18が加熱処理である。その後区間19に示すように、時間t2からt3の間、常温空気で冷却するか、常温にて放置し、焼戻し処理を行う。この区間18と区間19を合わせた処理が焼戻し工程である。すなわち窒化処理工程のあと焼入れをせずに焼戻し工程に移る。焼戻し処理区間19は常温で行われるため、区間19では温度が低下する際の勾配が小さくなっている。また焼入れせずに、十分な加熱温度と時間をかけて焼戻し工程を行うと、窒化処理工程で生じた回転ロールの表面の窒素化合物層(窒素拡散層を除く)を全て酸化物層に変質させることができる。
上記処理により表面処理された回転ロールの模式的断面を図3に示す。回転ロールの表面層には焼戻し工程により酸化物層24が形成される。その下には窒素拡散層26が形成される。最下層は窒素が拡散していない状態の母材28そのものである。酸化物層24は、窒化処理工程で生じた窒素化合物層が焼戻し工程により酸化化合物に変質して生成された層である。実際に圧延時の回転ロールの表層とするのは窒素拡散層26の表面層である。従って酸化物層24は除去する必要がある。この酸化物層24は軟らかいのでサンドペーパー等で磨き取ることができる。焼戻し工程の後にこの酸化物層24を除去する工程を付加すると、表面処理が終了した時点で回転ロールとして使用可能な状態とすることができる。
なお、表面の酸化物層24は軟らかいのでこれを除去する工程なしに回転ロールを連続鋳造圧延装置に組み付けてもよい。その場合圧延装置の試運転時の圧延により酸化物層24は除去されるからである。
次に図4に窒化処理工程後の表面層の硬度と焼戻し工程後の表面層の硬さの変化を模式的に示す。縦軸はビッカース硬さ、横軸は回転ロール表面からの深さを表す。なお、縦軸のビッカース硬さは指数表示で表してある。ここでいう焼戻し工程後の表面層とは図3の酸化物層24を除去した後の窒素拡散層26のことである。
窒化処理工程後のグラフを符号30で示し、焼戻し工程後のグラフを符号32で示す。窒化処理後は最表面部の硬さが指数表示で約0.9である。これは最表面部の硬さが非常に硬いことを意味している。また図3に符号34で示す深さ領域では硬度が急激に変化している。すなわち窒化処理後は、所定深さにおける硬度と比較して表面層が非常に硬く、表面から所定の深さ領域で急激に硬度が低下する。このような急激な硬さ変化勾配であると、硬度の急変する箇所で剥離が起きやすくなる。すなわち回転ロールの表層面で亀裂が生じやすくなる。よってそのような回転ロールを用いると機械的特性の優れたアルミシートを安定して製造することが困難となる。
一方図4の符号32で示した焼戻し工程後では、最表面の硬さが指数表示で約0.5となっている。そして符号34での深さ方向の硬さ勾配が緩やかとなっている。最表面の硬さを低下させ、深さ方向の硬さの勾配を緩やかにすることで、亀裂が発生しにくい性質を備えることができる。すなわち靭性を向上させることができる。
図5に回転ロールの寿命試験の結果を示す(図5は窒化処理工程の後、焼戻し工程を行った際の寿命を100として相対評価したものである)。回転ロールのサイズは直径280mm、厚み100mmである。また連続鋳造圧延試験機を用いた実験で回転ロールの寿命を確認した。
表面処理を何も行わない回転ロールは実験開始後すぐに表面が損傷してしまい、その寿命はゼロに等しかった。また窒化処理工程の後、焼戻し工程を行った際の寿命は、窒化処理工程のみを行ったものの3倍以上となることが判明した。なお実験に用いた回転ロールはその母材としてSKD61を使用した。窒化処理工程としてはガス軟窒化処理を520℃で10時間、その後の焼戻し工程として700℃で4時間加熱した後、5時間かけて常温まで焼戻しを行った。すなわち、図2の区間17におけるガス軟窒化処理において、t1が10時間、T2が520℃である。また区間18の加熱処理においてt1からt2までの時間が4時間、T3が700℃である。最後の区間19の焼戻し処理のt2からt3までの時間が5時間である。この実験より焼入れせずに焼戻す工程は、600度以上800度以下の所定温度まで加熱する。そして加熱開始からその所定温度を保持する時間を3時間以上5時間以内とする。その後常温にて放置する、という処理を行うことが好ましいという結論を得た。
上述した表面処理方法によれば、回転ロール表面に窒化処理を施すことで、アルミと回転ロール母材成分の鉄との相互拡散による凝着を防止することができる。また窒化処理後に焼入れせずに焼戻しすることにより、アルミ組織を微細化するための圧延荷重に対しては十分な程度に表面硬さを低くし、表面から深さ方向への硬さ勾配を緩やかにすることで、ロール表面に亀裂を生じにくくすることができる。従ってアルミと回転ロール母材成分である鉄との間の相互拡散による凝着を防止すると同時に靭性に優れた回転ロールを製造することができる。この回転ロールを用いて高荷重でアルミを圧延することで、機械的特性の優れたアルミシートを安定して製造することが可能となる。
さらにこの表面処理において、窒化処理工程の前後、焼戻し工程の後のいずれかの時点で回転ロール表面にショットピーニング処理を施すことも好ましい。窒化処理を施すと母材表面に微小な凹凸が生じる。ショットピーニング処理を施すことにより回転ロール表面をさらに粗くすることができ圧延時に潤滑材の保持性を向上させることができる。よって機械的特性の優れたアルミシートをより安定して製造することができる。
なお回転ロールの表面処理は、回転ロールとして形成された後に施されても、また回転ロールとして形成される前に母材の段階で施されても等価なものである。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例のアルミシート連続鋳造圧延装置の回転ロール付近の断面図である。 回転ロールの表面処理における処理温度と処理時間の関係を説明する図である。 表面処理を施した回転ロールの模式的断面図である。 窒化処理後および焼戻し処理後の回転ロールの表面層からの深さと硬さとの関係を示す図である。 表面処理の違いによる回転ロールの寿命を相対比較した図である。 回転ロールの表面にアルミ合金が付着した様子を示す写真である。 回転ロールの表面の一部が欠落した様子を示す写真である。
符号の説明
10a、10b:回転ロール
11:ノズル
12:アルミ溶湯
13:液相状態のアルミ
14:固相状態のアルミ
15:アルミシート
24:酸化物層
26:窒素拡散層
28:母材
30:窒化処理工程後の母材表面からの深さと硬さの関係を示すグラフ
32:焼戻し工程後の母材表面からの深さと硬さの関係を示すグラフ

Claims (4)

  1. アルミ溶湯を一対の回転ロール間に送込む工程と、
    その回転ロール間に送込まれたアルミ溶湯をその一対の回転ロールで冷却して凝固させる工程と、
    その回転ロール間で凝固したアルミをその回転ロール間で圧延する工程を備えており、
    前記冷却工程と前記圧延工程に共通に利用する回転ロールが鋼で形成されており、その表面が窒化処理されており、窒化処理後に焼入れせずに焼戻されていることを特徴とするアルミシートの製造方法。
  2. 一対の回転ロールと、
    一対の回転ロール間にアルミ溶湯を送込むノズルを備えており、
    各々の回転ロールが鋼で形成されており、その表面が窒化処理されており、窒化処理後に焼入れせずに焼戻されていることを特徴とするアルミシートの連続鋳造圧延装置。
  3. 前記回転ロールの表面が、窒素拡散層となっていることを特徴とする請求項2に記載のアルミシートの連続鋳造圧延装置。
  4. 前記回転ロールの表面から、酸化物層が除去されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のアルミシートの連続鋳造圧延装置。
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