JP4299632B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は光を電気に変換する太陽電池などの光電変換装置に関し、特に結晶質半導体粒子を用いた光電変換装置に関するものである。
従来、結晶シリコンウエハを用いた変換効率の高い太陽電池が実用化されている。この結晶シリコンウエハは、結晶性がよく、かつ不純物が少なくてその分布に偏りのない大型の単結晶シリコンインゴットから切り出されて作製されている。しかし、大型の単結晶シリコンインゴットは作製するのに長時間を要するため生産性が悪く、これにより高価となるので、大型の単結晶シリコンインゴットを必要とせず、高効率な次世代太陽電池の出現が強く望まれている。
大型の単結晶シリコンインゴットを必要としない光電変換装置として、例えば、図5に示すようなシリコン結晶粒子を用いた光電変換装置が提案されている(特許文献1を参照。)。この光電変換装置は、基板101上に低融点金属層108が形成され、この低融点金属層108上に一方導電型の半導体粒子103の多数個が配設され、低融点金属層108が加熱されることでこれらの半導体粒子103が固定され、固定された半導体粒子103間を埋め、半導体粒子103と低融点金属108とを覆うように絶縁体102が形成された後、一方導電型の半導体粒子103上の絶縁体102の一部が研磨されて一方導電型の半導体粒子103を露出させ、その露出させた表面に他方導電型の半導体部104と透明導電層106とが順次形成されたものである。
また、同様にシリコン結晶粒子を用いた光電変換装置として、図6に示すような光電変換装置も提案されている(特許文献2を参照。)。この光電変換装置は、グラファイト基板(不図示)上に未硬化の絶縁体102が形成され、その上に一方導電型の半導体粒子103がその一部が埋まるように配設され、絶縁体102を硬化させてから、絶縁体102とこの絶縁体102から露出している一方導電型の半導体粒子103とを覆うようにアルミペーストからなる接続層110が形成され、さらに下部電極となる基板101が設けられた後に、グラファイト基板(不図示)が剥離され、この剥離面の絶縁体102が一方導電型の半導体粒子103を露出するように研磨されて、その露出した表面に他方導電型の半導体部104と透明導電層106とが順次形成されたものである。
特許第2641800号公報 特開平3−228379号公報
しかしながら、図5および図6に示す光電変換装置では、絶縁体102とともに研磨されて露出した一方導電型の半導体粒子103の表面に他方導電型の半導体部104が形成されてpn接合が形成されるために、pn接合界面に研磨による結晶欠陥等のダメージが残り、pn接合の品質が低下することから、pn接合部の価電子帯と伝導電子帯との間に結晶欠陥等に起因する新たなエネルギ準位が形成されてしまい、その結果、変換効率が低下するという問題があった。また、研磨による良好な露出面を全ての半導体粒子103に形成するには精密な研磨工程が必要となるため、製造が困難であり生産性が悪いという問題もあった。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い変換効率を有するとともに、生産性のよい光電変換装置を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、下部電極となる基板上に、表面に一部領域を除いて他方導電型の半導体部が形成された多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の前記一部領域がそれぞれ接合されているとともに、前記半導体部上に第1上部電極が形成され、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板上および前記第1上部電極の下部を覆い、かつ前記第1上部電極の上部を露出させて絶縁体が形成され、この絶縁体および前記第1上部電極の前記上部を覆って第2上部電極が形成されていることを特徴とするものである。
ここで、前記基板と前記結晶質半導体粒子とは、前記結晶質半導体粒子の前記一部領域の全面にわたり接合されていても、一部で接合されていてもよい。
また、本発明の光電変換装置は、上記構成において、前記第1上部電極の前記下部の厚みが前記一部領域側で薄くなっていることを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置によれば、下部電極となる基板上に、表面に一部領域を除いて他方導電型の半導体部が形成された多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、半導体部上に第1上部電極が形成され、隣り合う結晶質半導体粒子間に基板上および第1上部電極の下部を覆い、かつ第1上部電極の上部を露出させて絶縁体が形成され、この絶縁体および第1上部電極の上部を覆って第2上部電極が形成されて構成されていることから、絶縁体を形成する前にpn接合を形成し、その表面を第1上部電極で覆うため、研磨工程が不要となる。これにより絶縁体を除去することによる欠陥や、絶縁体が結晶質半導体粒子や他方導電型の半導体部の表面に付着することによる汚染が原因で、pn接合の品質を低下させることがないため高い変換効率を持ち、かつ生産性が良い光電変換装置となる。
特に、他方導電型の半導体部と第1上部電極とが、結晶質半導体粒子の下半分側の表面において基板との接合部近傍まで形成されているときには、絶縁体を透過した光が基板で反射して、pn接合部に照射されるため、効率よく光電変換を行なうことができ、かつ発生した光電流の抵抗ロスを少なくすることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
さらに、本発明の光電変換装置によれば、第1上部電極の下部の厚みが一部領域側で薄くなっているときには、下部電極となる基板と第1上部電極との間の抵抗が大きくなることより、第1上部電極から下部電極となる基板へのリーク電流の発生を抑えることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は基板、2は絶縁体、3は結晶質半導体粒子、4は半導体部、5は上部電極であり、5aは第1上部電極、5bは第2上部電極である。
図1に示すように、本発明の光電変換装置は、下部電極となる基板1上に、表面に一部領域を除いて他方導電型(例えばn型)の半導体部4が形成された多数個の一方導電型(例えばp型)の結晶質半導体粒子3の一部領域が接合されており、他方導電型の半導体部4の上に第1上部電極5aが形成され、他方導電型の半導体部と第1上部電極5aとが順次形成された一方導電型の結晶質半導体粒子3の隣り合う間に、基板1と第1上部電極5aの下部を覆い、かつ第1上部電極5aの上部を露出させるように絶縁体2が形成され、絶縁体2と第1上部電極5aの上部を覆って第2上部電極5bが形成されている。ここで、結晶質半導体粒子3の一部領域は、基板1と確実に接合するために要する必要最小限の領域とし、かつ基板1と結晶質半導体粒子3とが結晶質半導体粒子3の一部領域の全面にわたり接合されている。このため、図1に示す光電変換装置においては、半導体部4と第1上部電極5aとが、結晶質半導体粒子3の下半分側においても基板1との接合部まで形成されている。
以下、一方導電型の結晶質半導体粒子3の一部領域を除いた部位に、他方導電型の半導体部4と第1上部電極5aとを順次形成したものを、光電変換を行なう半導体粒子という。
基板1としては、金属,ガラス,セラミックまたは樹脂等が用いられる。好ましくは、銀(Ag),アルミニウム(Al),銅(Cu)等の高反射金属を用いる。なぜなら、反射率が大きい基板1を用いることにより、基板1からの反射光を、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ多く導くことができ、これにより変換効率が向上するからである。また、基板1として絶縁体を用いる場合には、基板1の表面に下部電極となる導電層を形成する必要がある。この導電層の存在により基板1からの反射光を、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へより多く導くために、銀,アルミニウム,銅等の高い光反射率であり、かつ良好な導電率を有する材料により形成することが好ましい。
絶縁体2は、正極と負極の分離を行なうための絶縁体材料からなり、例えばSiO,B,Al,CaO,MgO,P,LiO,SnO,ZnO,BaO,TiO等から選択された任意の成分を主成分とする低温焼成用ガラス材料,上記材料の1種以上の任意の組み合わせからなるフィラーを複合したガラス組成物,エポキシ樹脂等の耐熱樹脂材料,無機有機複合材料等を用いればよい。
また、絶縁体2の波長400nm以上1200nm以下での光透過率は70%以上であることが好ましい。なぜなら、光透過率が70%未満の場合には、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ導かれる光の量が減少して変換効率が低下してしまうからである。
絶縁体2は、半導体部4および第1上部電極5aを形成した後に、光電変換を行なう半導体粒子間を埋めるように基板1上に形成する。半導体部4および第1上部電極5aは結晶質半導体粒子3上にそれぞれ独立して形成されるだけであり、第2上部電極5bで相互に接続される。絶縁体2を形成する前にpn接合を形成し、その表面を第1上部電極5aで覆うため、絶縁体2を除去する研磨工程により生じる欠陥や、絶縁体2が結晶質半導体粒子3や半導体部4の表面に付着することによる汚染が原因でpn接合の品質を低下させることがないため、高い変換効率が実現できる。さらに、絶縁体2を除去する研磨工程が不要となり生産性が良好となる。
結晶質半導体粒子3は、シリコン,ゲルマニウム等からなるが、結晶質半導体粒子3に添加してp型を呈するホウ素(B),アルミニウム,アンチモン(Sb)や、n型を呈するリン(P),砒素(As)等を含んでもよい。例えば、結晶質半導体粒子3がp型である場合には、半導体材料に添加してp型を呈するホウ素,アルミニウムを1×1014〜1018atoms/cm程度添加したものである。結晶質半導体粒子3は、気相成長法,アトマイズ法,直流プラズマ法,融液落下法等で形成可能であるが、生産性が高いことと、コストが低いことから非接触環境下に融液を落下させる融液落下法が好ましい。また、結晶質半導体粒子3は単結晶,多結晶のいずれでもよいが、光電変換効率を高めるために単結晶であることが好ましい。
半導体部4は、結晶質半導体粒子3と逆の導電型となるように、シリコン,ゲルマニウム等に微量成分を添加したものからなる。例えば結晶質半導体粒子3がp型である場合には、半導体部4はシリコンに添加してn型を呈するリン,砒素が含まれている。この半導体部4はプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法,触媒CVD法,スパッタリング法等で結晶質半導体粒子3上に薄膜を作製する方法を用いて形成してもよいし、イオン注入法等で結晶質半導体粒子3の外郭に形成してもよい。また、半導体部4の厚さは5nm以上100nm以下であることが好ましい。なぜなら、半導体部4の厚さが5nm未満であれば、半導体部4が島状に形成され、半導体部4の被覆不良箇所が発生するからであり、半導体部4の厚さが100nmを超えると、半導体部4を通って下部電極となる基板1に流れるリーク電流が大きくなり、且つ半導体部4の光吸収が大きくなり、変換効率が低下するからである。半導体部4は単結晶質,多結晶質,非晶質,微結晶質,ナノ結晶質のうち、いずれの結晶質であってもよい。ここで、微結晶質とは例えば結晶粒径が0.1μm以上50μm未満の結晶粒からなるものいい、ナノ結晶質とは例えば結晶粒径が1nm以上50nm未満の結晶粒からなるものをいう。半導体部4は単結晶質または多結晶質であれば、半導体部4での光吸収を小さくすることができ、変換効率が向上するので好ましい。
また、本発明は単一接合型の光電変換装置に限定するものではなく、複数の接合を有する光電変換装置においても適用が可能であり、同様の効果が期待できる。複数の接合を有する光電変換装置としては、例えば、p型の結晶半導体粒子3上にn型微結晶質半導体層を形成し、その上に中間層を介してp型非晶質半導体層,I型非晶質半導体層およびn型非晶質半導体層を順次形成したタンデム型光電変換装置等であってもよい。
上部電極5は、光を吸収しないように波長400nm以上1200nm以下での光透過率が高い材料である酸化錫,酸化インジウム等を用いることが好ましい。ここで光透過率が高い材料とは、例えば、光透過率が70%以上の材料をいう。また、第1上部電極5aと第2上部電極5bとの材料は同一材料、または異種材料とする。上部電極5は、上記材料をスパッタリング法,プラズマCVD法,触媒CVD法等で形成すればよい。このとき、上記材料の厚さおよび屈折率を調整することにより反射防止効果を持たせることも可能である。
第1上部電極5aは、絶縁体2を形成する前に形成されるため、pn接合を絶縁体2の形成による汚染から保護することができる。また、図1に示す光電変換装置によれば、結晶質半導体粒子3の下半分側の表面においても半導体部4と第1上部電極5aとが形成されている。このため、絶縁体2を透過した光が基板1で反射して、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に照射されることで、光電変換装置全体に入射される光を効率よく光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に無駄なく照射することができる。このため、効率よく光電変換を行なうことができ、かつ発生した光電流の抵抗ロスを少なくすることができる。ここで、第1上部電極5aの、結晶質半導体粒子3における天頂部の厚さは3nm以上80nm以下であることが好ましい。なぜなら、第1上部電極5aの結晶質半導体粒子3における天頂部の厚さが3nm未満である場合には、第2上部電極5bとの接触抵抗が増大するとともに、絶縁体2を形成するときに半導体部4の損傷を防止する効果が小さくなるため好ましくないからである。一方、第1上部電極5aの結晶質半導体粒子3における天頂部の厚さが80nmを超える場合には、第1上部電極5aを通って下部電極となる基板1に流れるリーク電流が大きくなり変換効率が低下するため好ましくない。なお、天頂部とは、結晶質半導体粒子3の最も高い位置を示す。
第2上部電極5bの厚さは50nm以上300nm以下であることが好ましい。なぜなら、第2上部電極5bの厚さが50nm未満である場合には、抵抗が増大し変換効率が低下するため好ましくないからである。一方、第2上部電極5bの厚さが300nmを超える場合には、第2上部電極5bにより光を吸収してしまい、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ導かれる光の量が減少し、変換効率が低下するため好ましくない。
なお、第2上部電極5bの上に銀又は銅ペーストを用いた適切なパターンで補助電極を形成してもよい。また、第1上部電極5aの厚さは均一でなくてもよい。特に、第1上部電極5aの下部の厚みを、基板1と接合されている一部領域の側で薄くすると、基板1と上部電極5aとの間の抵抗が大きくなるので、第1上部電極5aを通り下部電極となる基板1に流れるリーク電流を少なくすることができるため好ましい。第1上部電極5aはリーク電流を少なくするために、第1上部電極5aを基板1から分離してもよい。ここで、第1上部電極5aの下部とは、絶縁体2と接する部分をいうものとする。
第1上部電極5aの下部の厚みを、基板1と接合されている一部領域の側で薄くするために、図2,図3に示すように、結晶質半導体粒子3の一部領域の側の表面で粒内側へ段差6を設けることが好ましい。結晶質半導体粒子3の一部領域の側の表面で粒内側への段差6が形成されていることにより、スパッタリング法,プラズマCVD法,触媒CVD法等により上部電極5aを作製するときに、キャリヤガスが結晶質半導体粒子3の一部領域の側に回り込みにくくなるため、上部電極5aの厚さを段差6の部分で薄くすることができる。
結晶質半導体粒子3の一部領域の側の表面で粒内側への段差6を形成する方法として、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合後に、フォトレジストを用いて結晶質半導体粒子3の一部領域の側を選択エッチングする方法,基板1を選択エッチングする方法等がある。例えば、基板1にアルミニウムを用いる場合、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合後、苛性ソーダ水溶液,水酸化カリウム水溶液,フッ酸,塩酸,硫酸,燐酸等でアルミニウムを選択的にエッチングすることにより、結晶質半導体粒子3の一部領域の側の表面で粒内側への段差6を形成することが可能である。
また、図4に示すように、第1上部電極5aの下部の厚みを、基板1と接合されている一部領域の側で薄くするために、結晶質半導体粒子3表面は粗面であることが好ましい。結晶質半導体粒子3表面を粗面化することにより、スパッタリング法,プラズマCVD法,触媒CVD法等により上部電極5aを作製するときに、キャリヤガスが結晶質半導体粒子3の一部領域の側に回り込みにくくなるため、上部電極5aの厚さを下部で薄くすることができる。
粗面の算術平均粗さ(Ra)は0.01μm以上5μm以下が好ましい。なぜなら、算術平均粗さが0.01μm未満の場合にはスパッタリング法,プラズマCVD法,触媒CVD法等により上部電極5aを作製するときに、キャリヤガスを結晶質半導体粒子3の一部領域の側に回り込みにくくさせる効果がなく、算術平均粗さが5μmを超える場合にはpn接合を均一に形成できなくなるため好ましくないからである。この粗面化には、表面に円錐体状,三角錐体状,四角錐体状,山形状等の凹凸形状を作製すればよく、その方法として、RIE(Reactive Ion Etching)を用いたドライエッチング法,水酸化ナトリウム水溶液等を用いた選択ウエットエッチング法,サンドブラスト法等がある。
なお、粗面の形成は、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合する前に行なってもよいし、接合後に行なってもよい。
次に、本発明の光電変換装置の製造方法について図1に示す光電変換装置を例にとり、説明する。
まず、基板1上に結晶質半導体粒子3を多数個、密に一層に並べ、全体的に加熱し、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合する。次に、結晶質半導体粒子3の基板1と接合していない部位の表面に半導体部4を形成する。このとき、結晶質半導体粒子3がp型であれば、半導体部4はn型となるように形成し、結晶質半導体粒子3がn型であれば、半導体部4はp型となるように形成する。なお、半導体部4は、結晶質半導体粒子3上に形成するのではなく、結晶質半導体粒子3へドーパントを注入して形成してもかまわない。また、半導体部4を結晶質半導体粒子3へドーパントを熱拡散させて形成してから、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合してもよい。
次に、他方導電型の半導体部4の上に第1上部電極5aを形成する。そして、隣り合う光電変換を行なう半導体粒子間を埋めるように、基板1上に絶縁体2を形成する。このとき、第1上部電極5aの上部が露出するように絶縁体2の量を調整する。さらに、第1上部電極5aの上部と絶縁体2とを覆うように第2上部電極5bを形成して、図1に示す本発明の光電変換装置を得ることができる。
以上のように、図1に示す本発明の光電変換装置によれば、下部電極となる基板1上に、表面に一部領域を除いて他方導電型の半導体部4が形成された多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子3の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、半導体部4上に第1上部電極5aが形成され、隣り合う結晶質半導体粒子3間に基板1上および第1上部電極5aの下部を覆い、かつ第1上部電極5aの上部を露出させて絶縁体2が形成され、この絶縁体2および第1上部電極5aの上部を覆って第2上部電極5bが形成されていることにより、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部を保護することができ、かつ光電流の抵抗を少なくすることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、研磨工程が不要となるため、生産性のよい光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3の下半分の表面においても半導体部4と第1上部電極5aとが形成されていることにより、光電変換を行なうpn接合部の面積を広くとることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、基板1に反射率の高い材料を用いることで、基板1からの反射光を光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ多く導くことができることより、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、絶縁体2を光透過率の高い材料で形成することで、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に効率よく光を導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3に単結晶のものを用いることにより、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、半導体部4の厚さを5nm以上100nm以下で形成することより、半導体粒子に隙間なくpn接合を形成でき、かつ下部電極となる基板1へ半導体部4を通り発生するリーク電流を少なくすることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、半導体部4を単結晶質および多結晶質で形成することで、光吸収を少なくすることができ、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に効率よく光を導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、上部電極5を光透過率の高い材料で形成し、かつ第1上部電極5aにおける天頂部の厚さを80nm以下で、第2上部電極5bの厚さを300nm以下で形成することで、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に効率よく光を導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、第1上部電極5aにおける天頂部の厚さを3nm以上80nm以下とすることで、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部を隙間なく覆うことができるため、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部を保護する効果を大きくすることができると同時に、第1上部電極から下部電極となる基板1へのリーク電流を抑えることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。さらに、第2上部電極5aの厚さを50nm以上とすることで抵抗が少なくなるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
さらに、図1の構成において、第1上部電極5aの下部の厚みが一部領域の側で薄くなっていることにより、第1上部電極5aから下部電極となる基板1へのリーク電流を抑えることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
図2,図3に示す本発明の光電変換装置によれば、図1に示す本発明の光電変換装置の構成に加え、結晶質半導体粒子3の一部領域の側に段差6を設けることにより、簡易に第1上部電極5aの下部の厚みを一部領域の側で薄く作製することができるため、第1上部電極5aから下部電極となる基板1へのリーク電流を抑えることができ、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
図4に示す本発明の光電変換装置によれば、図1に示す本発明の光電変換装置の構成に加え、結晶質半導体粒子3の表面を粗面化することにより、簡易に第1上部電極5aの下部の厚みを一部領域の側で薄く作製することができるため、第1上部電極5aから下部電極となる基板1へのリーク電流を抑えることができ、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
なお、本発明の光電変換装置は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態の例では結晶質半導体粒子3としたが、俵状でもよい。
次に、本発明の光電変換装置の具体例を図1に示した光電変換装置により説明する。
まず、アルミニウムからなる基板1上に粒径が約800μmであるp型シリコンからなる結晶質半導体粒子3を密に1層に配設し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上に加熱して基板1と結晶質半導体粒子3とを溶着させた。
次に、n型非晶質半導体層である半導体部4を、結晶質半導体粒子3の基板1との接合部以外の表面に全面にわたり、プラズマCVD法により基板温度220℃で10nmの厚みに形成した。
次に、錫添加の酸化インジウム(ITO)ターゲットを用いたDCスパッタリング装置に投入して、ITOからなる第1上部電極5aを半導体部4の上に形成した。第1上部電極5aは、表1に示す0.5nm以上80nm以下の厚みに形成した。
次に、エポキシ樹脂からなる絶縁体2を、第1上部電極5aの上部が露出するように光電変換を行なう半導体粒子間に充填した後に硬化させて、再度、ITOターゲットを用いたDCスパッタリング装置に投入して、第1上部電極5aの上部と絶縁体2との上にITOからなる第2上部電極5bを70nmの厚みに形成した。
第1上部電極5aの厚さを変化させ変換効率を評価した結果を表1に示す。また、第1上部電極5aの天頂部の厚さと比較して下部の厚さを薄くした場合、同じ厚さにした場合について変換効率を評価した結果についても表1に示す。ここで、第1上部電極5aの天頂部の厚さと比較して下部の厚さを薄くした試料は、第1上部電極5aの厚みが、天頂部において最も厚く、下部に近づくに従い徐々に薄くなるように作製した。
各部位における上部電極5aの厚さは、集束イオンビーム法(FIB)により断面を作製し、その断面を電界放出型走査透過電子顕微鏡で加速電圧100kVにて観察し、各部位2箇所ずつ測長して、その平均値を採用した。なお、天頂部の厚みは半導体粒子3の最も高い位置にて、下部の厚みは基板1との接合部付近で測定した。
Figure 0004299632
表1に示す通り、第1上部電極5aの天頂部の厚さが1nmの場合には変換効率が8.8%と低く、第1上部電極5aの天頂部の厚さが40nmまでは厚くなるにつれて変換効率が上昇し、第1上部電極5aの天頂部の厚さが40nmを超えると変換効率が下がる傾向にあった。これは、第1上部電極5aの天頂部の厚さが薄すぎる場合には、第2上部電極5bとの接触抵抗が大きくなり、かつ半導体部4の表面に絶縁体2が接触したためであると推察される。また、第1上部電極5aの天頂部の厚さが厚すぎる場合には、第1上部電極5aを通り下部電極となる基板1に流れるリーク電流が大きくなるためであると推察される。
また、第1上部電極5aにおいて、その天頂部の厚さを40nmとし、下部の厚さを変化させた場合には、下部の厚さが薄くなるにつれて変換効率が上昇することが分かった。これは、第1上部電極5aの下部の厚さを薄くすることにより、下部電極となる基板1にリーク電流が第1上部電極5aを通って流れることを防ぐことができるためであると推察される。
上記結果から分かるように、結晶質半導体粒子3の下部における第1上部電極5aの下部の厚さを薄く形成することにより高い変換効率を実現できた。また、より好ましくは、第1上部電極5aの天頂部の厚さを3nm以上80nm以下とすることで高い変換効率を実現できた。さらに好ましくは、第1上部電極5aにおいて、その天頂部の厚さを40nmとし、下部の厚さを5nm以上10nm以下とすることで高い変換効率を実現できた。
本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の光電変換装置を示す断面図である。 従来の他の光電変換装置を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・基板
2・・・・絶縁体
3・・・・一方導電型の結晶質半導体粒子
4・・・・他方導電型の半導体部
5・・・・上部電極
5a・・第1上部電極
5b・・第2上部電極
6・・・・段差

Claims (2)

  1. 下部電極となる基板上に、表面に一部領域を除いて他方導電型の半導体部が形成された多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の前記一部領域がそれぞれ接合されているとともに、前記半導体部上に第1上部電極が形成され、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板上および前記第1上部電極の下部を覆い、かつ前記第1上部電極の上部を露出させて絶縁体が形成され、該絶縁体および前記第1上部電極の前記上部を覆って第2上部電極が形成されていることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第1上部電極の前記下部の厚みが前記一部領域側で薄くなっていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
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