JP4298855B2 - ルアー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いるルアーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のルアーは、外形を魚体に似せた中空のプラスチック製ルアー本体と、ルアー本体の頭部から斜め下方に突出したリップ部と、ルアー本体頭部に設けられライン(釣糸)を係止可能な釣糸係止部と、ルアー本体の腹部及び尾部に連結されたフック(釣針)とを有している。リップ部はリトリーブ時に水流を直接受ける部分であって、耐久性を向上させるべく幅方向中央付近がやや肉厚の板状のものである。そして、水をよく受けるようにリップ部の上平面は平坦または幅方向中央付近が凹入した形状である。
【0003】
この従来のルアーは、水中にキャスティングした後に釣糸を巻き取りながらリトリーブし、またロッドを強く振り上げると、ルアー本体頭部のリップ部に水流を受けて振動しながら水中深くへ沈降しつつ泳動する。そして、生き餌のように水中を漂って魚を引きつける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
リトリーブを行いまたロッドを強く振り上げると、従来のルアーは沈降し振動するがその振動は規則的な振動であることが多い。しかし、水中で魚に強くアピールするには、ルアーに不規則であり突発的な動き(「イレギュラーな動き」という)をおこさせる必要がある。
【0005】
本発明の課題は、容易にイレギュラーな動きをおこし、魚に強くアピールできるルアーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかるルアーは、魚釣りに用いるルアーであって、ルアー本体と、ルアー本体の頭部から突出して設けられ、周縁の少なくとも一部に外方に鋭角に突出する鋭角部を有するリップ部とを備えている。リップ部は、周縁付近において上平面が下方に向かって傾斜してその周縁端が外方に鋭角に突出しており、この周縁が鋭角部である。そして、鋭角部は、水がリップ部に当たる角度によって左右にイレギュラーな動きをおこすように、リップ部の長さ方向中央付近よりルアー本体との連結部分にかけての周縁部分に形成されている。
【0007】
このルアーでは、キャスティング後リトリーブ等すると、リップ部の上平面が水を受けてルアーは水中深くへ沈降する。ここで、リップ部の上平面に当たる水はリップ部の周縁の鋭角部において容易に逃げ出し、水がリップ部に当たる角度によって左右にイレギュラーな動きをおこす。そして、このイレギュラーな動きは水中で魚の興味を強く引き付ける。
【0008】
また、リップ部に当たった水が最も流れ出やすいリップ部の長さ方向中央付近よりルアー本体との連結部分にかけて鋭角部が形成されており、ルアーは水中でよりイレギュラーな動きをおこしやすい。
【0009】
さらに、平坦なリップ部の上平面に当たった水が周縁の鋭角部において流れ出やすく、ルアーは水中で容易にイレギュラーな動きをおこす。
【0010】
発明2にかかるルアーは、発明1のルアーであって、鋭角部はリップ部の先端部分に形成されている。
【0011】
この場合には、リップ部に最も激しく水が当たる部分であるリップ部の先端付近に鋭角部が形成されているので、ルアーは水中でよりイレギュラーな動きをおこしやすい。
【0012】
発明3にかかるルアーは、発明2のルアーであって、鋭角部は、リップ部の先端部分と周縁部分とに分かれて設けられている。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を採用したルアーを、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
本発明の第1実施形態を採用したルアーは、図1及び図2に示すように、外形を魚に似せて形成されたプラスチック製のルアー本体1と、ルアー本体1の頭部に設けられ斜め下方に突出したリップ部2と、リップ部2に設けられライン(釣糸)を係止可能な釣糸係止部3と、ルアー本体1の中央から頭部よりの下面及び尾部にそれぞれ設けられたアイ4,5とを有している。これらアイ4,5にはスプリットリング6,7を介してフック(釣針)8,9がぞれぞれ装着されている。
【0015】
ルアー本体1は、内部に中空を有する中空部材であって、左右対称な一対の半割り部材を開口側で張り合わせて接着剤等で接着し固定したものである。この開口面にはアイ4,5をはめ込んで固定可能な固定部(図示せず)が形成されており、この固定部にアイ4,5は固定されている。また、腹部付近及び尾部付近の中空の一部は区分されており、この区分された部分にそれぞれ錘(図示せず)が配置されている。さらに、ルアー本体1の外面は魚に似せて鱗や鰓などが描かれている。
【0016】
図2及ぶ図3に詳しく示すように、リップ部2はルアー本体1の頭部底面側にルアー本体1と一体的に形成され連結されている。上面から見てリップ部2は略楕円型であり、上平面はほぼ平坦に形成されている。また、長さ方向においてはルアー本体1との連結部分が肉厚で先端部分Tにかけて徐々に肉薄になるように形成され、幅方向においては中央付近がもっとも肉厚になるように形成される。リップ部2上平面のほぼ中央付近には凹状に窪んだ窪み部2aが形成されており、この窪み部2a内に釣糸係止部3が配置されている。
【0017】
図3に詳しく示すように、リップ部2の長さ方向中央付近よりルアー本体1との連結部分にかけて、リップ部2の両周縁部分Sにおいて上平面は下方に向かって傾斜してその周縁端が外方に鋭角に突出している。そして、この周縁が鋭角部2bとなっている。また、リップ部2の長さ方向中央付近よりルアー本体1との連結部分にかけての周縁部分Sと同様に、リップ部2の先端部分Tも鋭角部2bとなっている。
【0018】
このように構成されたルアーでは、キャスティング後リトリーブ等すると、リップ部2の上平面が水を受けてルアーは水中深くへ沈降する。ここで、リップ部2の上平面に当たる水はリップ部2の先端部分T及び長さ方向中央付近よりルアー本体1との連結部分にかけての周縁部分Sの鋭角部2bにおいて容易に逃げ出し、水がリップ部2に当たる角度によって左右にイレギュラーな動きをおこす。
【0019】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を採用したルアーを、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図4及び図5に示すように、本発明の第2実施形態を採用したルアーのリップ部12はルアー本体11の頭部底面側にルアー本体11と一体的に形成され連結されている。上面から見てリップ部12は略楕円型であり、上平面はほぼ平坦に形成されている。また、長さ方向においてはルアー本体11との連結部分が肉厚で先端部分にかけて徐々に肉薄になるように形成され、幅方向においては中央付近がもっとも肉厚になるように形成される。リップ部2上平面のほぼ中央付近には釣糸係止部13が配置されている。また、リップ部12の全体の周縁部分Uにおいて、リップ部12の上平面は下方に向かって傾斜してその周縁端が外方に鋭角に突出している。そして、この周縁が鋭角部12bとなっている。
【0021】
なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり説明を省略する。
【0022】
このように構成されたルアーでは、キャスティング後リトリーブ等すると、リップ部12の上平面が水を受けてルアーは水中深くへ沈降する。ここで、リップ部12の上平面に当たる水はリップ部12の周縁部分Uの鋭角部12bにおいて容易に逃げ出し、水がリップ部2に当たる角度によってイレギュラーな動きをおこす。
【0023】
[他の実施形態]
(a)鋭角部はリップ部の先端部のみ、または長さ方向中央付近のみに設けてもよい。
(b)リップ部の形状は上記実施形態に限定されるものではなく、略矩形等でもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係るルアーによれば、容易にイレギュラーな動きをおこし、魚に強くアピールできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用したルアーの全体図。
【図2】 図1のルアーの上面図。
【図3】 図2のIII−III断面図。
【図4】 本発明の第2実施形態を採用したルアーの頭部付近を示した図。
【図5】 図4のV−V断面図。
【符号の説明】
1,11 ルアー本体
2,12 リップ部
2b,12b 鋭角部
3,13 釣糸係止部
S 周縁部分
T 先端部分
U 周縁部分
Claims (3)
- 魚釣りに用いるルアーであって、
ルアー本体と、
前記ルアー本体の頭部から突出して設けられ、周縁の少なくとも一部に外方に鋭角に突出する鋭角部を有するリップ部と
を備え、
前記リップ部は、周縁付近において上平面が下方に向かって傾斜してその周縁端が外方に鋭角に突出しており、この周縁が前記鋭角部であり、
前記鋭角部は、水が前記リップ部に当たる角度によって左右にイレギュラーな動きをおこすように、前記リップ部の長さ方向中央付近より前記ルアー本体との連結部分にかけての周縁部分に形成されている、
ルアー。 - 前記鋭角部は前記リップ部の先端部分に形成されている、請求項1に記載のルアー。
- 前記鋭角部は、前記リップ部の前記先端部分と前記周縁部分とに分かれて設けられている、
請求項2に記載のルアー。
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