JP4346186B2 - ルアー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣りに用いるルアーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のルアーは、外形を魚に似せて形成された合成樹脂からなる中空のルアー本体と、ルアー本体の頭部付近に設けられ釣糸を係止可能な釣糸係止部と、ルアー本体の尾部付近及び腹部付近に連結されたフック(釣針)とを有している。そして、ルアー本体内部の頭部や腹部付近には鉛等からなる球状の錘が配置されている。
【0003】
このようなルアーでは中空のルアー本体が適度な浮力を演出している。そして、ルアー本体内に配置された錘が全体のバランスをとりつつ、ルアー全体の重さを保ち水面で必要な沈降力を作り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の合成樹脂からなる中空のルアー本体を有するルアーの多くはアクションが良くなることが多いが、ペンシルベイトと呼ばれる種類のルアーでは、水面でのアクションが不自然になりやすい。というのは、従来のルアーでは、中空のルアー本体が十分な浮力を演出する一方で、錘がルアー本体内に局所的に配置されるに留まるため、重たい部分と軽い部分との差が大きい(部分的な重さの偏りが大きい)。このため、水面を泳動するルアーを左右上下に振動させる等のアクションを加えた場合に、まるで「おきあがりこぼし」のおもちゃのように、安定泳動姿勢への復元力が過度に作用して不自然な振りが生じてしまう。
【0005】
本発明の課題は、水面で滑らかかつ自然なアクションを付けることが可能な、合成樹脂製の中空のルアー本体を有するルアーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1のルアーは、魚釣りに用いるルアーであって、合成樹脂からなる中空のルアー本体と、ルアー本体内に背部から腹部に至るように連続して配置され、腹部側に加重をかけるように肉厚化している板状の錘とを備えている。
【0007】
このルアーでは、まず、中空のルアー本体が十分な浮力を演出している。その上で、ルアー本体内に背部から腹部に至るように連続して板状の錘が配置され、この板状の錘がルアー本体内に広く重さを加えている。この結果、水面においてルアーにアクションを加えた場合に、安定泳動姿勢への復元力が過度に作用することを抑えられる。そして、ルアーの一連の動作が比較的自然な滑らかな動きとなる。
【0008】
発明2にかかるルアーは、発明1のルアーであって、板状の錘はルアー本体の頭部から尾部にかけて連続して配置されている。
【0009】
この場合には、板状の錘が背部から尾部及び頭部から尾部にわたって連続してルアー本体内に配置されており、ルアー本体内において背部から腹部,頭部から尾部まで広く重さを加えている。そして、水面においてルアーにアクションを加えた場合に安定泳動姿勢への復元力が過度に作用することを抑え、ルアーの一連の動作が比較的自然な滑らかな動きにする。
【0010】
発明3にかかるルアーは、発明1または2のルアーであって、腹部側が徐々に肉厚化している
【0011】
発明4にかかるルアーは、発明1〜3のいずれかのルアーであって、ルアー本体は透明または半透明の合成樹脂からなり、板状の錘には光反射性シートが貼付されている。
【0012】
この場合には、透明または半透明のルアー本体を透過した光が板状錘の光反射性シートに当たる。この光反射性シートは、その光の一部を透過して屈折させ、また光の一部を乱反射する。このように半透明シートが光を屈折・乱反射して、魚の興味を十分に引き立てることが可能である。
【0013】
なお、板状の錘自体をメッキ加工するなどによっても同様の効果を得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
参考形態]
以下、本発明の参考形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本発明の参考形態を採用したルアーは、図1及び図2に示すように、外形を魚に似せて形成した中空のルアー本体1と、ルアー本体1の頭部付近に設けられ釣糸を係止可能な釣糸係止部2と、ルアー本体1の腹部底面付近及び尾部付近にそれぞれ設けられたアイ(止輪)3,4とを有している。そして、アイ3,4にはそれぞれスプリットリング5,6を介してフック(釣針)7,8が連結されている。そして、ルアー本体1内の中空には板状の錘10が配置されている。
【0016】
ルアー本体1は、透明または半透明の合成樹脂からなる部材であって、外周面には魚に似せて目や鱗の模様が塗装されている。図2に示すように、このルアー本体1は所定の形状に形成された左右一対の半割部材を開口側の貼り合わせ面で貼り合わせて一体化して製造されている。この一対の半割部材の貼り合わせ面にはそれぞれ頭部,腹部及び尾部において、釣糸係止部2及びアイ3,4の一部を収納可能な収納窪みが形成されている。この収納窪みに釣糸係止部2及びアイ3,4等の一部を収納して、一対の半割部材を貼り合わせることで、釣糸係止部2等がルアー本体1に固定される。また、図3に示すように、一対の半割部材の貼り合わせ面の背部分(貼り合わせ面の上辺に該当する)と腹部分(貼り合わせ面の下辺に該当する)とには、それぞれ後述の錘10の周辺部分を収納可能な窪み1a,1bが連続的に形成されている。
【0017】
錘10は、真鍮,アルミニウム,鉛,ステンレススチール,チタン等の金属からなり、ほぼルアー本体1の半割部材の開口形状に合致するように、即ち、ルアー本体1の上下方向においては背部から腹部にかけて連続的な、またルアー本体1の前後方向においては頭部から尾部にかけて連続的な板状に加工されている。その厚みは0.5〜2.0mm程度に均一化されて板状に加工されている。図3に示すように、錘10の上辺と下辺はそれぞれルアー本体1の貼り合わせ面の窪み1a,1bにはめ込まれており、錘10は一対の半割部材に挟み込まれて固定されることになる。
【0018】
このように構成されたルアーでは、まず、中空のルアー本体1が十分な浮力を演出している。一方で、ルアー本体1内にルアー本体1を形成する半割部材の貼り合わせ面開口に合致するように、ルアー本体1の背部から腹部及び頭部から尾部に至るように連続して板状の錘10が配置され、この板状の錘10がルアー本体1内において全体に広く重さを加えている。この結果、ルアー本体内において部分的な重さの偏りが生じ難く、水面において釣糸を巻き上げたり,釣竿を振上げる等してルアーにアクションを加えた場合にも、安定泳動姿勢への復元力が過度に作用することを抑えられる。そして、ルアーの一連の動作が比較的自然な滑らかな動きとなる。
【0019】
また、透明な合成樹脂製のルアー本体を通過した光が錘10に反射されて煌めいて、魚の興味を強く引きつけることにもなる。
【0020】
[第実施形態]
以下、本発明の第実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本発明の第実施形態を採用したルアーは、図4に示すように、外形を魚に似せて形成した中空のルアー本体11と、ルアー本体11の頭部付近に設けられ釣糸を係止可能な釣糸係止部12と、ルアー本体11の腹部底面付近及び尾部付近にそれぞれ設けられたアイ(止輪)13,14とを有している。そして、ルアー本体21内の中空には板状の錘10が配置されている。
【0022】
ルアー本体11は、参考形態と同様に、所定の形状に形成された左右一対の半割部材を開口側の貼り合わせ面で貼り合わせて一体化して製造されている。そして、図4に示すように、この一対の半割部材の貼り合わせ面の背部分と腹部分には、ルアー本体11の頭部側から軸方向中央よりやや尾部側にかけて、それぞれ錘20の周辺部分を収納可能な窪み11a,11bが連続的に形成されている。
【0023】
錘20は、参考形態と同様に、真鍮,アルミニウム,鉛,ステンレススチール,チタン等の金属からなる。その厚みはルアー本体11の背部側が0.5〜2.0mm程度に、そしてルアー本体11の腹部側が徐々に肉厚化し2.0〜5.0mm程度になるような板状に加工されている。なお、錘20の上辺と下辺は、それぞれルアー本体11の貼り合わせ面の窪み11a,11bにはめ込まれており、錘20は一対の半割部材に挟み込まれて固定されることになる。
【0024】
このように構成されたルアーは、参考形態と同様の作用効果を奏する。さらに、錘20はルアー本体11の腹部付近側において肉厚化しており、ルアー本体11の腹部付近に過重な重さをかける。こうして、錘20はルアー本体11に広く重さをかけると共に特に腹部付近に加重な重さをかけて、ルアーの水面での泳動姿勢を安定させることにもなる。
【0025】
[他の実施形態]
(a)ルアー本体を透明または半透明な合成樹脂で形成する際に、錘表面に鱗模様等を加工することで、さらに光の反射による魚へのアピール性を向上させることも可能である。また、錘表面に光反射性のシートを貼り付けてもよい。
(b)板状錘の肉厚はルアー本体の大きさ形状に合わせて任意に設定可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るルアーによれば、十分な浮力をルアーに与えつつも自然な動きを演出可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考形態を採用したルアーの全体図。
【図2】 図1のルアーの半割部材の開口面を示した図。
【図3】 図1のIII−III断面図。
【図4】 本発明の第実施形態を採用したルアーの半割断面図。
【図5】 図4のV−V断面の状態を示した図。
【符号の説明】
1,11 ルアー本体
10,20 錘

Claims (4)

  1. 魚釣りに用いるルアーであって、
    合成樹脂からなる中空のルアー本体と、
    前記ルアー本体内に背部から腹部に至るように連続して配置され、腹部側に加重をかけるように肉厚化している板状の錘と
    を備えたルアー。
  2. 前記板状の錘は前記ルアー本体の頭部から尾部にかけて連続して配置されている、請求項1に記載のルアー。
  3. 前記板状の錘は腹部側が徐々に肉厚化している、請求項1または2に記載のルアー。
  4. 前記ルアー本体は透明または半透明の合成樹脂からなり、
    前記板状の錘には光反射性シートが貼付されている、請求項1〜3のいずれかに記載のルアー。
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