JP4298742B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用を初めとした各種機器の駆動源として活用されるリニアアクチュエータに係わり、特に、軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動源による微小振幅の往復運動から一方向運動を累積させて直動運動を作り出すリニアアクチュエータに関する。
自動車用の変速ギアの組み合わせを切換えるためのシフトレバーを人手に変わって電動で駆動する自動変速装置(自動MT)や、エンジンのバルブのリフト量や開口期間を運転状態に応じて最適な状態にコントロールする可変動弁装置などの機器は、自動車の快適性向上と燃費改善の両立を実現するものであり今後利用の拡大が期待されている。モータなどの回転アクチュエータで直接駆動され連続的に所定の動作を繰り返す他のより一般的な機械と異なり、それらの機器は周囲の状況に応じて最適位置に直接制御されるものであり、回転アクチュエータに代わって直動運動を出力とするリニアアクチュエータによって駆動される。
したがって、自動変速装置や可変動弁装置のような機器においてはリニアアクチュエータの性能が機器全体の性能を支配することになる。例えば高速で応答するリニアアクチュエータがあればこれを用いた機器も高速で機能することが出来、小型高推力のリニアアクチュエータがあればこれを組み込んだ機器全体もコンパクトにまとめることが出来る。自動車において刻々変化する車速やエンジン負荷などの運転状況の急変に対して、変速比やバルブ動作などの制御対象の制御遅れを最小にして常に最適な状態に維持するには、特に上述した高速応答という特性が重要である。
リニアアクチュエータとしては、従来、モータの回転運動からボールねじやウォームギアによって直動運動を作り出す構成の物が用いられてきたが、限られたモータトルクで直動の大推力を発生させるためには、モータを高速で回して出力を確保し、これを直動化の段階で減速して大推力を発生させるという考え方がとられている。したがって、直動の高速化を図るにはモータの高速回転化が必至となる。一方、リニアアクチュエータの高速性は静止状態から所定のストロークだけ動くのに要する時間の短さで評価される。これは、従来のモータ駆動によるリニアアクチュエータでは回転系を短時間で高速回転状態にする必要があるためモータの出力が回転系の運動エネルギを増大させるのに消費されてしまうことを示している。言い換えると、リニアアクチュエータの始動時に大きな慣性抵抗が作用していると言える。従来タイプのリニアアクチュエータではこの慣性抵抗が高速化の障壁になると考えられる。
この高速化の障壁を回避する手段としては、磁歪素子などの軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動源による微小振幅の往復運動から一方向運動を累積させて直動運動を作り出すリニアアクチュエータが知られている。一般に往復駆動源は微小な振幅しか得られないものの大きな推力を発生させることが出来るので、高速での往復動させた後に減速して推力を拡大させる必要がなく、慣性抵抗が小さくなることが期待できる。
磁歪素子を用いた往復駆動源によるリニアアクチュエータの従来技術として、例えば、特許文献1に記載されているように、逆止弁を用いて流体圧をピストンに作用させて直動運動を発生させるものが提案されている。磁歪素子による微小な振幅の往復運動を行う部材の端部に油圧室を構成し、吸入弁と吐出弁として機能する2つの逆止弁によって流体を一方向に圧送し、その流体圧をピストンに作用させて直動の駆動力を発生させるものとして開示されている。
また、他の従来技術として、特許文献2に記載されているように、一方の軸方向相対運動のみを許容する楔機構を用いて直動運動を発生させるものが提案されている。これによってもやはり、磁歪素子による微小な振幅の往復運動を行う往復運動部材を有し、この往復運動部材と直動運動を行う出力部材との間に一方の軸方向相対運動のみを許容する第1の楔機構を配し、更に、この出力部材と固定されたフレーム部材との間に一方の軸方向相対運動のみを許容する第2の楔機構を配し、その楔機構の組み合わせで往復運動の一方向運動を累積させて直動運動を発生させるものとして開示されている。
特開平9−303451号公報 特開2005−33978号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、流体圧を介して直動運動のための駆動力を伝達する構成となっており、用いられている作動油などが圧力差によって外部に徐々に漏洩する可能性がある。したがって、その補充のためのメンテナンスが必要であったり漏洩した油による汚染を嫌う周囲環境では使えないなどの制約があるといった課題があった。
上記特許文献2に開示した従来技術では、減速によって推力を拡大させる必要がなく駆動源を始動時に高速まで加速することによる慣性抵抗の増大は回避できるが、以下に示す慣性抵抗を増大させる他の要因が残されているなどの課題がある。まず、各機器を制御するためのリニアアクチュエータとしては、一方向の直動運動を行うだけでなくその直動方向を切換える機能(一方向か逆方向かを切り換える)が不可欠となる場合があるが、上記特許文献2に示す従来技術では、その切換え機能のための機構部材やこれを駆動する駆動装置が直動運動を行う出力部材に装着される構成となっており、それらの質量が加算されることにより慣性抵抗が増大するという課題があった。また、直動方向の切換え機構部の駆動装置が直動運動を行うので、これに電源を供給するためのリード線などがアクチュエータの作動に伴って変形を繰り返し、耐久性上の課題もあった。
また、上記特許文献2に示す従来技術では、直動運動を行う出力部材が往復駆動源によって微小な振幅の往復運動を行う往復運動部材の外周に配置されているため径が大きくなり、出力部材自身の質量が大きくなることにより慣性抵抗が増大するという課題もあった。
さらに、上記特許文献2に示す従来技術では、直動運動を行う出力部材と往復運動部材の間と出力部材とフレーム部材の間に楔係合機構を有しており、また、それぞれにおいて軸方向の一方と他方の相対運動を阻止するための2系統の楔係合機構を有しており、更に各系統の楔係合機構が円周方向に複数配置されることで、多数の楔係合機構とそれぞれに対応した多数の切換え機構部とその駆動装置が必要になっている。これに伴い各構成部品の数や楔係合機構における傾斜面部分などの加工工数が増大してコストアップの原因になるという課題があった。
本発明の目的は、往復駆動源により駆動されるリニアアクチュエータにおいて、メンテナンスや周囲環境の制約を無くし、出力部材とともに直動運動を行う質量を軽量化して高応答性の効果を一層引き出し、構成部品や加工工数の低減による低コスト化を実現し、更に、耐久性を確保して、実用性に優れた高性能リニアアクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。ここでは、図面に示した具体的構成例との対応関係を示すが、本発明がこの構成例に限らないことは当然である。
軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動装置(1,35)と、前記往復駆動装置により微小振幅の往復運動を行う往復運動部材(7,41)と、ハウジング部材(9,42)に固定された固定部材(11,34,43)と、前記軸方向の前後に直動運動を行う直動部材(12,44)と、前記往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第1楔係合機構と、前記固定部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第2楔係合機構と、を備え、
前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記軸方向に向かって中心軸からの距離が増大する傾斜面(例、図1で7bの内の左傾斜面)および減少する傾斜面(例、図1で7bの内の右傾斜面)からなる傾斜面(7b,11b,34b,41b,43b)と、中心軸からの距離が一定である非傾斜面(12a,44a)と、前記傾斜面と前記非傾斜面の間に配置された楔部材(13〜16,45〜48)と、前記傾斜面、前記非傾斜面及び前記楔部材による楔係合を阻止可能とする前記楔部材の保持部材(17,49,50)と前記保持部材の駆動部(26,27,22,23,21,61,62)からなる楔係合阻止機構と、を有し、
前記第1楔係合機構における非傾斜面(12a,44a)と前記第2楔係合機構における非傾斜面(12a,44a)は、前記直動部材(12,44)に設置されており、前記第1楔係合機構における傾斜面(7b,41b)は前記往復運動部材(7,41)に設置されており、前記第2楔係合機構における傾斜面(11b,34b,43b)は前記固定部材(11,34,43)に固定されているとともに、前記楔係合阻止機構は、前記傾斜面を設置した前記固定部材側に配置されているリニアアクチュエータ。
また、軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動装置と、前記往復駆動装置により微小振幅の往復運動を行う往復運動部材と、ハウジング部材に固定された固定部材と、前記軸方向の前後に直動運動を行う直動部材と、前記往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第1楔係合機構と、前記固定部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第2楔係合機構と、を備え、
前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記軸方向に向かって中心軸からの距離が増大する傾斜面および減少する傾斜面からなる傾斜面と、中心軸からの距離が一定である非傾斜面と、前記傾斜面と前記非傾斜面の間に配置された楔部材と、前記傾斜面、前記非傾斜面及び前記楔部材による楔係合を阻止可能とする前記楔部材の保持部材と前記保持部材の駆動部からなる楔係合阻止機構と、を有し、
前記第1楔係合機構においては前記往復運動部材が前記直動部材の外周側に配置され、前記第2楔係合機構においては前記固定部材が前記直動部材の外周側に配置されるとともに、前記楔係合阻止機構は、前記傾斜面を設置した前記固定部材側に配置されるリニアアクチュエータ。



また、前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記中心軸からの距離が減少する順方向傾斜面と増大する逆方向傾斜面の2種類の傾斜面を有し、前記楔係合阻止機構を選択的位置に作動させ、前記楔部材と共に楔係合を形成する傾斜面を前記2種類の傾斜面から選択するための楔係合方向変換機能を備える構成とする。さらに、前記リニアアクチュエータにおいて、前記楔係合阻止機構は、前記楔部材が付勢手段によって前記傾斜面へ接触するのを阻止する保持部材を備え、前記保持部材は、前記固定部材に固定された保持部材の駆動部により前記軸方向の前後に移動する構成とする。さらに、前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方は、前記順方向傾斜面と前記楔部材との接触を阻止する保持部材と、前記逆方向傾斜面と前記楔部材との接触を阻止する保持部材とが一体となった共通保持部材を備える構成とする。さらに、前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の両方が前記共通保持部材を備え、前記共通保持部材同士が一体となる構成とする。
また、前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方は円周方向に配置された楔部材を複数有し、前記複数の楔部材と接触する傾斜面は共通の内周球面で形成される構成とする。さらに、前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方における順方向傾斜面と逆方向傾斜面は、共通の内周球面で形成されている構成とする。さらに、前記リニアアクチュエータにおいて、前記内周球面の一部で形成された傾斜面に接触する楔部材は、前記球面の大円の一部を輪郭形状とする回転体であり、前記楔部材と接触する前記直動部材の非傾斜面は、直動部材軸の直角断面における輪郭が前記大円の一部をもつ凹面溝である構成とする。
本発明によれば、まず、往復駆動源により駆動されるリニアアクチュエータを流体圧を介さずに構成し、メンテナンスや周囲環境の制約を無くすることが出来る。次に、出力部材とともに直動運動を行う質量を軽量化して高応答化の効果を一層引き出すことが出来る。また、構成部品や加工工数の低減して低コスト化を実現することが出来る。
さらに、リード線などの繰り返し変形を回避し部品間接触部のヘルツ応力を緩和して長寿命化を実現することができる。それらの結果、実用性に優れた高性能リニアアクチュエータを提供することができる。
本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に係るリニアアクチュエータについて、図1〜図10、図11、及び図12〜図14を参照しながら以下詳細に説明する。
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態に係るリニアアクチュエータについて、図1ないし図10により説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が停止状態の側断面図であって、図2〜図5におけるA−A断面図である。図2は図1におけるB−B断面による横断面図である。図3は図1におけるC−C断面による横断面図である。図4は図1におけるD−D断面による横断面図である。図5は図1におけるE−E断面による横断面図である。
図6は図1において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。図7は第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中右方向に駆動される状態の側断面図である。図8は図7において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。図9は第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中左方向に駆動される状態の側断面図である。図10は図9において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。
図1において、往復駆動装置1は固定鉄心2、フレーム3、コイル4、可動鉄心5、および、板バネ6などで構成されている。可動鉄心5には板バネ6と往復運動部材である振動リング7がナット8により共締で固定されている。板バネ6の外周部とハウジング部材9とが外周ナット10によりフレーム3に共締めで固定されている。ハウジング部材9には固定リング11が固定されている。
振動リング7のリング部(環状部)7aと固定リング11のリング部(環状部)11aの内周側には直動部材である直動ロッド12が配置され、その直動ロッド12とリング部7aとの間にはB−B断面で示される軸方向位置の円周方向に3個のローラ(i)13が図2のように配置され、C−C断面で示される軸方向位置の円周方向に3個のローラ(ii)14が図3のように配置されている。また、直動ロッド12とリング部11aとの間にはD−D断面で示される軸方向位置の円周方向に3個のローラ(iii)15が図4のように配置され、E−E断面で示される軸方向位置の円周方向に3個のローラ(iv)16が図5のように配置されている。
ローラ13,14,15,16は楔部材としての機能するものであるが、それらは図6の展開図に示されるように保持部材17によって円周方向に相当する上下方向に配列され、また、それぞれ保持部材17の各軸方向端面と若干の隙間を有している。付勢バネ(ii)18は振動リング7とローラ(ii)14との間に配置されローラ(ii)14を図中の右に向かって軸方向に付勢している。付勢バネ(i−iv)19はローラ(i)13とローラ(iv)16との間に配置され、それらのローラを互いに逆の軸方向に付勢している。付勢バネ(iii)20は固定リング11とローラ(iii)15との間に配置されローラ(iii)15を図中の左に向かって軸方向に付勢している。
振動リング7のリング部7aと固定リング11のリング部11aの各内周面にはそれぞれ球面部7bと球面部11bが形成されている。各ローラの外径部分の輪郭形状は、球面部7bあるいは球面部11bにおける球面の大円(球の中心を通る平面で切った断面の円)とほぼ同じ曲率で形成され、各ローラが球面部7bあるいは球面部11bにほぼ線接触で接触できるようになっている(図1と図2に示すローラ13〜16の形状から分かるように、ローラはどんぐりの両端部を切断した形状であり(又は、胴中央部が膨らんだ太鼓の形状)、その両切断面を通る中心軸が図2の紙面に並行して配置されるものであり、この中心軸の垂直面からみた形状が図1に示すローラの円形形状となる)。直動ロッド12は図2〜図5に示されるような断面形状をしており、各ローラの外径部分が接触する部分にやはり前記球面の大円とほぼ同じ曲率の凹面溝12aが形成されている。球面部7bと球面部11bは同じ大きさの球面であり、各ローラの外径部分の輪郭形状は全て同一になっている。この結果、ローラ(i)とローラ(iv)はそれらが接触する凹面溝12aを共用でき、ローラ(ii)とローラ(iii)もそれらが接触する凹面溝12aを共用できる。
各ローラは、それぞれ球面部7bあるいは球面部11bの球心から軸方向(出力軸31)に偏位した位置で各球面に接触しており(図1の紙面でローラ13とローラ14は紙面左右に偏位して配置)、その接触部における球面部分はそれぞれ軸方向に向かって傾斜した面となっている(図1で球面部7bはテーパー形状)。ローラ(i)13とローラ(ii)14は、球心から互いに逆の軸方向に偏位した位置で球面部7bに接触しているので、それらが接触する球面部分の傾斜方向は互いに逆方向である。ローラ(iii)15とローラ(iv)16も、球心から互いに逆の軸方向に偏位した位置で球面部11bに接触しているので、それらが接触部する球面の傾斜方向も互いに逆方向である。直動ロッド12には横断面形状が一定の部分が形成されており、その部分に存在する凹面溝12aは軸方向には傾斜しない非傾斜面となっている(図1で直動ロッド12がローラ13〜16と接する面は出力軸31の軸方向において傾斜していない)。
図1における保持部材17の軸方向位置は、その各軸方向端面と全てのローラとの間に若干の隙間を有する位置にあるので(図6において、全てのローラは保持部材17の出力軸31軸方向の端面と若干の隙間が形成されていることを図示している)、どのローラも保持部材17によって軸方向移動を阻止されず、付勢バネ(ii)18、付勢バネ(i−iv)19、付勢バネ(iii)20の各付勢力によって球面部7bあるいは球面部11bと凹面溝12aの間に挟まれ楔係合を形成している。ここでは、球面部7bあるいは球面部11bが楔係合を形成する傾斜面に相当し、ローラ(i)13〜(iv)16が楔部材に相当し、凹面溝12aが非傾斜面に相当する。
図1における保持部材17の右方向端部付近には3個の連結ピン21が固定されており、固定リング11に形成された開口部11cから外周側に突出し、その突出部分がスライド部材(i)22に固定されている。更に、スライド部材(i)22の右方向端部付近には磁性体で作られたディスク23が固定されている。スライド部材(i)22は、また、付勢バネ(v)24により図中右方向に付勢されている。ディスク23の左側には「コ」の字形の磁性体ケース(i)25のなかに収められたコイル(i)26が固定されており、コイル(i)26に通電することでディスク23と磁性体ケース(i)25で磁気回路を形成し、ディスク23を左方向に吸引することができる。
スライド部材(i)22の右方向にはスライド部材(ii)27が配置されており、ディスク23の右側には「コ」の字形の磁性体ケース(ii)28のなかに収められたコイル(ii)29が固定リング11のノーズ部11dに固定されている。スライド部材(ii)27は付勢バネ(v)24よりも大きな付勢力を持つ付勢バネ(vi)30によって図中の左方向に付勢されているが、ノーズ部11dに固定された磁性体ケース(ii)28に当接して左方向への移動を制限される。コイル(ii)29に通電することでディスク23と磁性体ケース(ii)28で磁気回路を形成し、ディスク23を右方向に吸引することができる。直動ロッド12のノーズ部12bの先端には出力軸31がナット32を用いて固定されている。
図1は、上記のコイル(i)26にもコイル(ii)29にも通電されていない状態を示している。この時、ディスク23には磁気吸引力がどちらの軸方向にも作用しないので、スライド部材(i)22とスライド部材(ii)27はそれらの付勢バネの力関係によって、その軸方位置が定められる。スライド部材(i)22とスライド部材(ii)27は付勢バネ(v)24と付勢バネ(vi)30によって反対方向から付勢され互いに押付け合うが、付勢バネ(vi)30の付勢力のほうが大きいため全体として左方向に移動し、スライド部材(ii)27が磁性体ケース(ii)28に当接して止まる。ディスク23は、この時に磁性体ケース(i)25と磁性体ケース(ii)28のほぼ中間位置に来るようにスライド部材(i)22に固定されている。また、図6に示されるように、保持部材17も、その時に各軸方向端面と全てのローラとの間に若干の軸方向隙間を有する軸方向位置に来るように、連結ピン21を介してスライド部材(i)22に連結されている。
以上の構成により、本発明の第1の実施形態ではコイル(i)26にもコイル(ii)29にも通電しないことにより保持部材17の軸方向位置を中間位置に保持し、直動ロッド12と両方向の傾斜面との間で楔係合を形成し、外力によって軸方向に移動しないように直動ロッド12とこれに固定された出力軸31を固定することができる。
図7は、上記のコイル(i)26のみに通電した状態を示している。この時、ディスク23には磁気吸引力が左方向に作用し、スライド部材(i)22はディスク23が磁性体ケース(i)25に当接するまで左方向に移動する。この時、連結ピン21を介して連結された保持部材17と各ローラとの軸方向位置関係は、図8に示されるようになる。
図8においては、保持部材17がスライド部材(i)22と共に左方向に移動して来たことにより、右側に保持部材17の軸方向端面があるローラ(ii)14とローラ(iv)16が保持部材17に接触して左方向に押し出されている状態が示されている。すなわち、ローラ(ii)14とローラ(iv)16は付勢バネ(ii)18や付勢バネ(i−iv)19によって右方向へ付勢されても、保持部材17の軸方向端面に阻止されて楔係合を行うことができない。この結果、図7におけるB−B断面(図2)とD−D断面(図4)における楔係合のみが可能な状態となる。なお、B−B断面とD−D断面における楔係合はいずれも軸の右方向に向かって中心軸(直動ロッド又は出力軸)からの距離が増大する傾斜面による楔係合である。
ここで、コイル4への通電とその遮断を繰り返した場合を考える。通電時には固定鉄心2とフレーム3と可動鉄心5で磁気回路が構成され、可動鉄心5が固定鉄心2に吸引され板バネ6を変形させながら左方向に駆動される。遮断時には上記の吸引力がなくなり可動鉄心5は板バネ6の復元力により右方向に駆動される。板バネ6の剛性を十分大きくすれば、微小な振幅で左右に大きな力で駆動される往復運動を可動鉄心5に行わせることができる。なお、図7に示す板バネ6の状態は、左右移動における中立位置であることを図示している。
次に、図7の状態で可動鉄心5に固定された振動リング7が往復運動をした場合を考える。振動リング7の球面部7bが右方向に移動している過程のとき(移動最中のとき)には、B−B断面図における楔係合の傾斜面が左方向に向かって中心軸からの距離が減少する方向の傾斜面であるので、直動ロッド12は振動リング7に対して左方向に移動することが出来ない。一方、D−D断面図における固定リング11の球面部11bによる楔係合の傾斜面は、右方向に向かって中心軸からの距離が増大する方向の傾斜面であるので、直動ロッド12は固定リング11に対して右方向に移動することを許容される。すなわち、直動ロッド12は振動リング7と共に右方向に移動する。
一方、振動リング7の球面部7bが左方向に移動している過程のとき(移動最中のとき)には、直動ロッド12は振動リング7に対して右方向に移動することができ、固定リング11に対して左方向に移動することができないので(ローラ15の楔結合によって)、直動ロッド12は固定リング11と共に静止して振動リング7のみが左方向に戻っていく。
結局、保持部材17が図7の位置にある時には、直動ロッド12は右方向への間欠的な移動を繰り返し(振動リング7の右動とともに)、一回の移動量は微小であってもこれを累積させて右方向へ十分大きなストロークの直動運動を行うことができる。
図9は、上記のコイル(ii)29のみに通電した状態を示している。この時、ディスク23には磁気吸引力が右方向に作用し、ディスク23が固定されたスライド部材(i)22は付勢バネ(v)24の付勢力と上記磁気吸引力が足しあわされた右方向力により、付勢バネ(vi)30の左方向力に打ち勝って右方向に移動する。スライド部材(i)22はディスク23が磁性体ケース(ii)28に当接するまで右方向に移動する。この時、連結ピン21を介して連結された保持部材17と各ローラとの軸方向位置関係は、図10に示されるようになる。
図10においては、保持部材17がスライド部材(i)22と共に右方向に移動して来たことにより、左側に保持部材17の軸方向端面があるローラ(i)13とローラ(iii)15が保持部材17に接触して右方向に押し出されている状態が示されている。すなわち、ローラ(i)13とローラ(iii)15は付勢バネ(i−iv)19や付勢バネ(iii)20によって左方向へ付勢されても、保持部材17の軸方向端面に阻止されて楔係合を行うことができない。この結果、図9におけるC−C断面(図3)とE−E断面(図5)における楔係合のみが可能な状態となる。なお、C−C断面とE−E断面における楔係合はいずれも軸の右方向に向かって中心軸からの距離が減少する傾斜面による楔係合である。
次に、図9の状態で、可動鉄心5に固定された振動リング7がコイル4への通電とその遮断の繰り返しによって往復運動をした場合を考える。振動リング7の球面部7bが右方向に移動している過程のとき(移動最中のとき)には、C−C断面図における楔係合の傾斜面が右方向に向かって中心軸からの距離が減少する方向の傾斜面であるので、直動ロッド12は振動リング7に対して左方向に移動することができる。E−E断面図における固定リング11の球面部11bによる楔係合の傾斜面は、右方向に向かって中心軸からの距離が減少する方向の傾斜面であるので、直動ロッド12は固定リング11に対して右方向に移動することができない。すなわち、直動ロッド12は、固定リング11と共に静止して振動リング7のみが右方向に移動する。
一方、振動リング7の球面部7bが左方向に移動している過程のとき(移動最中のとき)には、直動ロッド12は振動リング7に対して右方向に移動することができず、固定リング11に対して左方向に移動することができるので、直動ロッド12がローラ14の楔結合作用で振動リング7と共に左方向に移動する。
結局、保持部材17が図9の位置にある時には、直動ロッド12は左方向への間欠的な移動を繰り返し、一回の移動量は微小であってもこれを累積させて左方向へ十分大きなストロークの直動運動を行うことができる。
第1の実施形態の構造では、楔係合機構における傾斜面はすべて微小振幅の往復動のみを行う球面部7bと固定部材である球面部11bに形成されているので、楔係合阻止機構とその駆動装置である保持部材17やコイル(i)26やコイル(ii)29などの質量が直動ロッド12とともに移動しない。また、楔係合機構において、往復運動部材である球面部7bとハウジングに固定された球面部11bが直動ロッド12の外周側に配置されており、直動ロッド12は小径となって質量が小さくなる。これらの構造と配置によって、リニアアクチュエータとしての慣性抵抗が縮小される。また、楔係合阻止機構である保持部材17は直動ロッド12の動きとともには可動せず、コイル(i)26やコイル(ii)29などは固定されており、それらに通電するためのリード線がリニアアクチュエータの作動に伴い変形することはない。
また、ローラ(i)13に接触する傾斜面とローラ(ii)14に接触する傾斜面とは互いに逆方向に傾斜した面であり(図1の図示構造において、ローラ13に対面する傾斜面は右方向で中心軸から離れる傾斜であり、ローラ14に対面する傾斜面は右方向で中心軸に接近する傾斜である)、ローラ(iii)15に接触する傾斜面とローラ(iv)16に接触する傾斜面も互いに逆方向に傾斜した面である。それぞれ2種類の傾斜面も持つことで楔係合を形成する傾斜面を選択して切換えることができ、直動方向を切替えて直動ロッド12を両方向に直動させることができる。
また、各楔係合機構に含まれる楔係合阻止機構は、軸方向(直動ロッド12又は出力軸31)という共通の方向に移動する保持部材17で作動するので、保持部材17は複数の楔係合阻止機構の保持部材を兼ねることができる。実際に複数の楔係合阻止機構の保持部材が単一の保持部材17として一体化されており、これに伴い保持部材17の駆動装置を構成するスライド部材(i)22、ディスク23、付勢バネ(v)24、磁性体ケース(i)25、コイル(i)26、スライド部材(ii)27、磁性体ケース(ii)28、コイル(ii)29、付勢バネ(vi)30なども1セットあれば良く、部品点数が削減されている。第1の実施形態では楔係合部が楔部材であるローラ(i)13、ローラ(ii)14、ローラ(iii)15、ローラ(iv)16、の合計数である12箇所あるにも係わらず、その楔係合阻止機構における保持部材17とその駆動装置はどちらも1セットで済んでいる。
また、第1の実施形態の楔部材であるローラ(i)13、ローラ(ii)14、ローラ(iii)15、ローラ(iv)16は、円周方向に配列されたそれぞれ3個のローラのセットになっているが、各セットが球面部7bあるいは球面部11bという円周方向に連続な共通の球面と接触する構成であるので、円周方向に配列された楔部材の数だけ傾斜面を形成する必要がなくなっている。
更に、球面部7bはローラ(i)13のセットに対応する傾斜面とローラ(ii)14のセットに対応する傾斜面という互いに逆方向に傾斜した2種類の傾斜面を兼ねており、合計6個の楔部材に対応する傾斜面が1個の球面で形成されている。ローラ(iii)15のセットとローラ(iv)16のセットに対する球面部11bも同様である。
また、楔部材であるローラ(i)13、ローラ(ii)14、ローラ(iii)15、ローラ(iv)16の外周面の輪郭が、球面部7bあるいは球面部11bの大円の曲率で形成されており、各ローラとの接触する直動ロッド12の凹面溝12a(図1と図2を参照)も同じ曲率で形成されているので、楔係合の際に各部が全て線接触で接触するようになっている。いわゆるヘルツ応力を緩和している。
第1の実施形態は流体圧を介して直動運動を生成する方式でないので作動油の漏れによるメンテナンスの必要性や周囲環境の制約がなく、上述した構成を採用することで、更に、出力部材とともに直動運動を行う質量を軽量化して高応答化の効果を一層引き出すことが出来る。また、構成部品や加工工数の低減して低コスト化を実現することが出来る。更に、リード線などの繰り返し変形を回避し部品間接触部のヘルツ応力を緩和して長寿命化を実現することができる。それらの結果、実用性に優れた高性能リニアアクチュエータを提供することができる。
「第2の実施形態」
本発明の第2の実施形態に係るリニアアクチュエータについて、図11を参照しながら以下説明する。図11は第2の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中左方向に駆動される状態の側断面図である。
図11において、第2の実施形態では、第1の実施形態におけるスライド部材(ii)27、磁性体ケース(ii)28、コイル(ii)29、付勢バネ(vi)30等が無く、代わりに一体化されたスライド部材(i)22とディスク23が右方向に移動するのを規制するストッパ33が組み込まれている。この結果、保持部材17はコイル(i)26へ通電されているか否かによって左右方向に移動して図8または図10の状態となり、図6のような中立位置にある状態はない。すなわち、コイル26をオンすると図8と同様な状態(出力軸右方向移動)、コイル26をオフすると図10と同様な状態(出力軸左方向移動)となる。
リニアアクチュエータが停止した状態で出力軸31に作用する外力が左右に変動する交番荷重でなく一方向荷重の場合には、第2の実施形態でも図8または図10の状態のどちらかを選択して外力によって出力軸31が動かされるのを防止できるので、構成が簡素化できる。出力軸31を左右に駆動する場合は、第1の実施形態と同様に、保持部材17を図8または図10の状態として往復駆動装置1を起動すれば良い。
「第3の実施形態」
本発明の第3の実施形態に係るリニアアクチュエータについて、図12、図13及び図14を参照しながら以下詳細に説明する。図12は第3の実施形態に係るリニアアクチュエータの側断面図である。図13は図12において円周方向に配置された2つの楔係合機構部の内の一方をそれぞれ平面上に展開した図である。図14は図12において円周方向に配置された2つの楔係合機構部の内の他方をそれぞれ平面上に展開した図である。
第3の実施形態では往復駆動装置35がリアケース36、ケース37、コイル38、磁歪素子39および皿バネ40で構成されており、往復運動部材である振動リング41に軸方向の往復運動を与える。磁歪素子39は、コイル38に通電することで発生する磁界によって軸方向に延びて振動リング41を右方向に駆動し、通電を遮断すると磁界の消滅によってもとの寸法に収縮する。その際、振動リング41は皿バネ40によって左方向に駆動される。このようにコイル38への通電と遮断を繰り返すことで振動リング41が軸方向に往復駆動される。本発明では往復駆動装置としては種々の形態が適用でき、第1の実施形態におけるソレノイドを用いても、第2の実施形態における磁歪素子を用いても、更にピエゾ素子のように電圧の印加によって寸法の変化する電歪素子を用いても良い。
また、第3の実施形態では第1の実施形態および第2の実施形態と異なり、第1楔係合機構における保持部材(i)49と第2楔係合機構における保持部材(ii)50が別部材となっており、それぞれ磁性体のディスク(i)51とディスク(ii)52が固定されて一体になっている。また、それぞれ付勢バネ(xi)53と付勢バネ(xii)54によって図の右方向と左方向に付勢されている。いずれもディスク(i)51とディスク(ii)52がハウジング42の内周側突出部42aに当接するまで付勢バネによって軸方向に移動できる。ディスク(i)51とディスク(ii)52の左右にはそれぞれ磁性体ケース(iii)59と磁性体ケース(iv)60が固定され、各磁性体ケースのなかには、それぞれコイル(iii)61とコイル(iv)62が固定されている。
コイル(iii)61に通電することでディスク(i)51を左方向に吸引し、コイル(iv)62に通電することでディスク(ii)52を右方向に吸引することができる。図12においてはこれらの中のコイル(iii)61のみに通電されており、保持部材(i)49はディスク(i)51と共に磁力で左方向に吸引され、保持部材(ii)50はディスク(ii)52と共に付勢バネ(xii)54によって図の左方向に付勢されている。
図13と図14に保持部材(i)49と保持部材(ii)50を平面上に展開した図を示す。互いに軸方向位置の異なる円周上にそれぞれ3個ずつ配置されたローラ(v)45、ローラ(vi)46、ローラ(vii)47、ローラ(viii)48の各ローラの中で、右側に保持部材49,50の軸方向端面が隣接するローラ(vi)46とローラ(viii)48が保持部材(i)49と保持部材(ii)50の左方向移動によって押し出され楔係合できない状態となっている。第1楔係合機構と第2楔係合機構において、残りのローラ(v)45とローラ(vii)47のみが楔係合出来る状態は、第1の実施形態においては図7あるいは図8の状態であり、第1の実施形態で説明した原理、動作で直動ロッド44と出力軸31は往復駆動装置35により図の右方向に駆動される。それらを左方向に駆動したい場合には、逆にコイル(iv)62のみに通電すれば良い。
なお、第3の実施形態の保持部材(i)49はローラ(v)45を含む楔係合を阻止するための保持部材とローラ(vi)46を含む楔係合を阻止するための保持部材を一体化した共通保持部材であり、保持部材(ii)50はローラ(vii)47を含む楔係合を阻止するための保持部材とローラ(viii)48を含む楔係合を阻止するための保持部材を一体化した共通保持部材である。因みに、第1の実施形態はこれらの共通保持部材同士を更に一体化したものである。
第3の実施形態では部分的であっても一体化を行うことで、保持部材の数やこれを駆動するための部品数をある程度減らすことができる。なお、第3の実施形態の特有の効果としては、コイル(iii)61とコイル(iv)62の両方に通電しないか両方に通電することで、互いに逆方向の傾斜面による楔係合が機能する状態とし(両コイル61,62を通電又は非通電とすると、直動ロッド44はいずれの方向にも可動できない)、第1の実施形態のように保持部材を中立位置(図1に示す停止状態)の保持する機構が無くても、リニアアクチュエータ停止中の交番に変化する外力に対して出力軸31を固定できる、ということが挙げられる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るリニアアクチュエータの主たる特徴は、次のような従来技術の課題を解決するために創出されたものであって従来技術に無い特有の効果を奏するものである。すなわち、往復駆動源による往復運動の一方向運動を累積させて直動運動を作り出す従来のリニアアクチュエータでは、直動運動を行う部分の質量が大きくなり、慣性抵抗が大きくなって応答速度の向上を阻害するという課題があり、さらに、直動方向の切換え機能のための駆動装置が動くためにリード線などの動力供給径路が頻繁に変形し耐久上の課題もあった。また、従来技術では多数の楔係合機構を有し、それぞれに対応させて多数の楔係合阻止機構とその駆動装置が必要になっていて、各構成部品の数や楔係合機構における傾斜面部分の加工工数が増大してコストアップの原因になるという課題も生じていた。
そこで、本発明の実施形態では、往復駆動源による往復運動の一方向運動を累積させて直動運動を作り出すリニアアクチュエータにおいて、直動部質量の低減、部品点数や加工工程の低減、接触面圧の低減などにより、高応答化、低コスト化、長寿命化を可能にすることを主たる課題解決の趣旨とする。そして、この課題を解決するための具体化について、楔係合機構における傾斜面を直動部材側に形成しない構成として、楔係合阻止機構とその駆動装置の質量が直動運動を行う部分の質量に追加されないようにし、更に、全ての楔係合機構部において直動部材を内周側に配置してその質量を低減し、これらによって慣性抵抗を縮小した。また、楔係合阻止機構の駆動装置を固定することによってリード線などに変形が生じないようにする。
更に、各楔係合機構に含まれる楔係合阻止機構の構成部品である保持部材を一体化できる構成として部品点数を削減し、これに伴いその駆動装置の数も削減した。また、各楔係合機構毎に必要な複数の傾斜面を共通の球面の一部として形成することで加工工数を削減する。傾斜面が球面になることに伴い、これに接触する楔部材を球面と線接触できる形状とし、更に非傾斜部材の楔部材との接触部形状を線接触が可能な形状とする。これによって、点接触によって大きな応力が発生して疲労寿命が低下することを回避することができる。
本発明の実施形態に係るリニアアクチュエータにおける作用乃至効果をさらに説明すると次のようになる。すなわち、楔係合機構を用いて往復運動部材の往復運動から直動部材の直動運動を発生させる機構において、楔係合機構における傾斜面が直動部材には一切形成されて居らず、ハウジング部材に固定された固定部材や微小振幅で往復運動のみを行う往復動部材に形成されている。楔係合機構における楔係合を阻止するために楔係合阻止機構を装着する場合を考えると、楔係合阻止機構は楔係合部に対して軸方向に移動してしまう非傾斜面に対してでなく楔係合部に必ず存在する傾斜面に対して固定されていなければならない。
本実施形態では、傾斜面が形成されていない直動部材には楔係合阻止機構やそれを駆動するためのソレノイドなどの駆動装置を装着する必要がなく、出力として直動運動をする部分の質量増大を防止することができる。したがって、リニアアクチュエータとして機能する際の慣性抵抗を小さくして高速で応答させることが可能となる。また、楔係合阻止機構の駆動装置を固定部材に装着することが出来るので、これにリード線を介して電力を供給する場合にアクチュエータの作動に伴って変形による応力が繰り返し作用することがなく、その耐久性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、出力部材である直動部材がアクチュエータの全体構成の中で中心軸寄りに配置されることになり、中心軸から小さな径の範囲に収めることができる。したがって、直動部材自体の質量を小さくすることが出来るので、リニアアクチュエータとして機能する際の慣性抵抗を小さして更に高速で応答させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、順方向と逆方向の2種類の傾斜面から楔係合を形成する傾斜面を選択して切換えることができるので、楔係合における傾斜面の傾斜方向に左右される直動方向を切替えて直動部材を両方向に直動させることができる。さらに、各楔係合阻止機構の作動のための各保持部材が共通の軸方向に移動することで作動するので、保持部材同士を一体化することが可能になる。さらに、順方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材と逆方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材とを一体とすることで部品点数が削減され、更に、共通の保持部材駆動機構でそれらを駆動することが可能となるので、リニアアクチュエータの低コスト化が図れる。
また、本実施形態によれば、リニアアクチュエータ全体の保持部材とその保持部材駆動機構がそれぞれ1個で済むので、更にリニアアクチュエータの低コスト化が図れる。さらに、円周方向に配置された複数の楔部材のそれぞれに対して楔係合のための傾斜面を形成する必要がなく、全周連続した球面を1つ形成するだけになる。さらに、球面自体が回転体形状で加工しやすい形状であるため、リニアアクチュエータの低コスト化が図れる。
また、本実施形態によれば、順方向傾斜面と逆方向傾斜面も別々の傾斜面として形成する必要がなくなり、共通の内周球面で形成できるの、更にリニアアクチュエータの低コスト化が図れる。さらに、低コスト化のために傾斜面を円周方向に連続した球面で形成しても、楔部材と傾斜面との接触部および楔部材と非傾斜面との接触部において点接触を回避して線接触とすることができ、接触部に発生するヘルツ応力で進行する材料疲労を緩和してフレーキング寿命を延ばすことができる。
本発明の第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が停止状態の側断面図であって、図2〜図5におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面による横断面図である。 図1におけるC−C断面による横断面図である。 図1におけるD−D断面による横断面図である。 図1におけるE−E断面による横断面図である。 図1において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。 第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中右方向に駆動される状態の側断面図である。 図7において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。 第1の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中左方向に駆動される状態の側断面図である。 図9において円周方向に配置された楔係合機構部を平面上に展開した図である。 本発明の第2の実施形態に係るリニアアクチュエータの出力軸が図中左方向に駆動される状態の側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るリニアアクチュエータの側断面図である。 図12において円周方向に配置された2つの楔係合機構部の内の一方をそれぞれ平面上に展開した図である。 図12において円周方向に配置された2つの楔係合機構部の内の他方をそれぞれ平面上に展開した図である。
符号の説明
1…往復駆動装置、2…固定鉄心、3…フレーム、4…コイル、5…可動鉄心、6…板バネ、7…振動リング、7a…リング部、7b…球面部、8…ナット、9…ハウジング部材、10…外周ナット、11…固定リング、11a…リング部、11b…球面部、11c…開口部、11d…ノーズ部、12…直動ロッド、12a…凹面溝、12b…ノーズ部、13…ローラ(i)、14…ローラ(ii)、15…ローラ(iii)、16…ローラ(iv)、17…保持部材、18…付勢バネ(ii)、19…付勢バネ(i−iv)、20…付勢バネ(iii)、21…連結ピン、22…スライド部材(i)、23…ディスク、24…付勢バネ(v)、25…磁性体ケース(i)、26…コイル(i)、27…スライド部材(ii)、28…磁性体ケース(ii)、29…コイル(ii)、30…付勢バネ(vi)、31…出力軸、32…ナット、33…ストッパ、34…固定リング、34a…リング部、34b…球面部、34c…開口部、34d…ノーズ部、35…往復駆動装置、36…リアケース、37…ケース、38…コイル、39…磁歪素子、40…皿バネ、41…振動リング、41a…リング部、41b…球面部、42…ハウジング、42a…内周側突出部,43…固定リング、43a…リング部、43b…球面部、44…直動ロッド、44a…凹面溝、45…ローラ(v)、46…ローラ(vi)、47…ローラ(vii)、48…ローラ(viii)、49…保持部材(i)、50…保持部材(ii)、51…ディスク(i)、52…ディスク(ii)、53…付勢バネ(xi)、54…付勢バネ(xii)、55…付勢バネ(vii)、56…付勢バネ(viii)、57…付勢バネ(iv)、58…付勢バネ(x)、59…磁性体ケース(iii)、60…磁性体ケース(iv)、61…コイル(iii)、62…コイル(iv)

Claims (11)

  1. 軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動装置と、前記往復駆動装置により微小振幅の往復運動を行う往復運動部材と、ハウジング部材に固定された固定部材と、前記軸方向の前後に直動運動を行う直動部材と、前記往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第1楔係合機構と、前記固定部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第2楔係合機構と、を備え、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記軸方向に向かって中心軸からの距離が増大する傾斜面および減少する傾斜面からなる傾斜面と、中心軸からの距離が一定である非傾斜面と、前記傾斜面と前記非傾斜面の間に配置された楔部材と、前記傾斜面、前記非傾斜面及び前記楔部材による楔係合を阻止可能とする前記楔部材の保持部材と前記保持部材の駆動部からなる楔係合阻止機構と、を有し、
    前記第1楔係合機構における非傾斜面と前記第2楔係合機構における非傾斜面は、前記直動部材に設置されており、前記第1楔係合機構における傾斜面は前記往復運動部材に設置されており、前記第2楔係合機構における傾斜面は前記固定部材に固定されているとともに、前記楔係合阻止機構は、前記傾斜面を設置した前記固定部材側に配置されている
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動装置と、前記往復駆動装置により微小振幅の往復運動を行う往復運動部材と、ハウジング部材に固定された固定部材と、前記軸方向の前後に直動運動を行う直動部材と、前記往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第1楔係合機構と、前記固定部材と前記直動部材の間に組み込まれて一方向の軸方向相対変位を許容し他方向の軸方向相対変位を阻止する第2楔係合機構と、を備え、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記軸方向に向かって中心軸からの距離が増大する傾斜面および減少する傾斜面からなる傾斜面と、中心軸からの距離が一定である非傾斜面と、前記傾斜面と前記非傾斜面の間に配置された楔部材と、前記傾斜面、前記非傾斜面及び前記楔部材による楔係合を阻止可能とする前記楔部材の保持部材と前記保持部材の駆動部からなる楔係合阻止機構と、を有し、
    前記第1楔係合機構においては前記往復運動部材が前記直動部材の外周側に配置され、前記第2楔係合機構においては前記固定部材が前記直動部材の外周側に配置されるとともに、前記楔係合阻止機構は、前記傾斜面を設置した前記固定部材側に配置されている
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構は、前記中心軸からの距離が減少する順方向傾斜面と増大する逆方向傾斜面の2種類の傾斜面を有し、
    前記楔係合阻止機構を選択的位置に作動させ、前記楔部材と共に楔係合を形成する傾斜面を前記2種類の傾斜面から選択するための楔係合方向変換機能を備える
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  4. 請求項1、2または3に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記楔係合阻止機構は、前記楔部材が付勢手段によって前記傾斜面へ接触するのを阻止する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記固定部材に固定された保持部材の駆動部により前記軸方向の前後に移動する
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  5. 請求項3に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方は、前記順方向傾斜面と前楔部材との接触を阻止する保持部材と、前記逆方向傾斜面と前記楔部材との接触を阻止する保持部材とが一体となった共通保持部材を備えることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  6. 請求項5に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の両方が前記共通保持部材を備え、前記共通保持部材同士が一体となることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  7. 請求項1、2または3に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方は円周方向に配置された楔部材を複数有し、前記複数の楔部材と接触する傾斜面は共通の内周球面で形成されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  8. 請求項7に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1楔係合機構と前記第2楔係合機構の少なくとも一方における順方向傾斜面と逆方向傾斜面は、共通の内周球面で形成されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  9. 請求項7または8に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記内周球面の一部で形成された傾斜面に接触する楔部材は、前記球面の大円の一部を輪郭形状とする回転体であり、
    前記楔部材と接触する前記直動部材の非傾斜面は、直動部材軸の直角断面における輪郭が前記大円の一部をもつ凹面溝である
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つの請求項に記載のリニアアクチュエータによりシフトレバーを駆動して変速動作を行う自動変速装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1つの請求項に記載のリニアアクチュエータにより可変動弁機構を駆動する可変動弁装置。
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