JP4294701B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、リニアアクチュエータに係り、特に、微少振幅の往復動を累積して一定方向直線運動を生成するリニアアクチュエータに関する。
自動車用の変速ギアの組み合わせを切換えるためのシフトレバーを人手に代わって電動で駆動する自動変速装置(自動MT)、あるいはエンジンのバルブのリフト量や開口期間を運転状態に応じて最適な状態にコントロールする可変動弁装置などの機器は、自動車の快適性向上と燃費改善の両立を実現するものであり、今後利用の拡大が期待されている。 モータなどの回転アクチュエータにより直接駆動され、連続的に所定の動作を繰り返す一般的な機械と異なり、前記機器は周囲の状況に応じて最適位置に直接駆動制御されるものであり、回転アクチュエータに代わって、直動運動を出力とするリニアアクチュエータによって駆動される。
このため、前記機器においては、リニアアクチュエータの性能が機器全体の性能を支配することになる。例えば高速で応答するリニアアクチュエータがあればこれを用いた機器も高速で機能することができる。また、小型高推力のリニアアクチュエータがあればこれを組み込んだ機器全体もコンパクトにまとめることができる。自動車において刻々変化する車速あるいはエンジン負荷などの運転状況の急変に対して、変速比あるいはバルブ動作などの制御対象の制御遅れを最小にして常に最適な状態に維持するには、特に前述の高速応答という特性が重要である。
リニアアクチュエータとしては、従来、モータの回転運動からボールねじあるいはウォームギアを介して直動運動を生成する装置が用いられてきた。しかし、限られたモータトルクで直動の大推力を発生させるためには、モータを高速で回して出力を確保し、これを直動化の段階で減速して大推力を発生させるという方式がとられている。したがって、直動の高速化を図るにはモータの高速回転化が必須となる。
一方、リニアアクチュエータの高速性は静止状態から所定のストロークだけ動くのに要する時間の短さで評価される。この評価を上げるためには、従来のモータ駆動によるリニアアクチュエータにおいては、回転系を短時間で高速回転状態にする必要がある。このためモータの出力が回転系の運動エネルギを増大させるのに消費されてしまう。言い換えると、リニアアクチュエータの始動時に大きな慣性抵抗が作用していると言える。従来タイプのリニアアクチュエータではこの慣性抵抗が高速化の障壁になると考えられる。
この高速化の障壁を回避する手段としては、磁歪素子などの軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動源による微小振幅の往復運動を累積して一方向の直動運動を作り出すリニアアクチュエータが知られている。一般に往復駆動源は微小な振幅しか得られないものの大きな推力を発生させることができるので、高速での往復動させた後に減速して推力を拡大させる必要がなく、慣性抵抗が小さくなることが期待できる。
リニアアクチュエータの例としては、例えば、特許文献1には、逆止弁を用いて流体圧をピストンに作用させて直動運動を発生させる装置が示されている。この装置では、磁歪素子により微小振幅の往復運動を行う部材の端部に油圧室を構成し、この油圧室並びに吸入弁および吐出弁として機能する2つの逆止弁を介して流体を一方向に圧送し、この流体圧をピストンに作用させて直動の駆動力を発生させることが開示されている。
また、特許文献2には、一方の軸方向相対運動のみを許容する楔機構を用いて直動運動を発生させるアクチュエータが示されてる。この装置においては、磁歪素子により微小振幅の往復運動を行う往復運動部材を有し、これと直動運動を行う出力部材との間に一方の軸方向相対運動のみを許容する第1の楔機構を配し、更に前記出力部材と固定されたフレーム部材との間に一方の軸方向相対運動のみを許容する第2の楔機構を配し、これらの楔機構の組み合わせにより、往復運動を累積して直動運動を生成することが示されている。
特開平9−303451号公報 特開2005−33978号公報
前記特許文献1記載の技術では、流体圧を介して直動運動のための駆動力を伝達している。このため、作動油などが圧力差によって徐々に外部に漏洩することがある。このような場合には、差動油を補充する等のメンテナンスが必要である。また、漏洩した油による汚染を嫌う環境では使用することができない。
また、前記特許文献2記載の技術では、減速によって推力を拡大させる必要がなく、駆動源を始動時に高速に加速することによる慣性抵抗の増大は回避することができる。しかしながら、(1)直動運動の駆動力を伝達する楔係合部のみにより出力軸を半径方向に支持をしている。このため、出力軸に外部から作用した荷重が楔係合部に作用してこれを損傷させたり直動運動を発生機構の作動に悪影響を与える可能性がある、(2)往復運動部財の慣性力が加振源となって振動の問題を発生させる可能性がある、(3)往復運動の駆動部と直動の出力軸の干渉を避けるために、装置の小型化あるいは出力ストローク延長を行うことが困難となる、等の問題がある。
また、前記各機器を制御するためのリニアアクチュエータとしては、一方向の直動運動を行うだけでなくその直動方向を切換える機能が不可欠となる場合がある。しかし、前記特許文献2記載の技術では、直動方向切換え機能のための機構部材およびこれを駆動する駆動装置が直動運動を行う出力部材に装着される構成となっている。このため、これらの質量が加算されることになり、慣性抵抗が増大する。
また、直動方向の切換え機構部の駆動装置は直動運動を行う。このため、これに電源を供給するリード線などがアクチュエータの作動に伴って変形を繰り返し、耐久性が劣化する。更に、直動運動を行う出力部材が、往復駆動源によって微小な振幅の往復運動を行う往復運動部材の外周に配置されているため径が大きくなり、出力部材自身の質量が大きくなることにより慣性抵抗が増大する。
また、直動運動を行う出力部材と往復運動部材の間と出力部材とフレーム部材の間には楔係合機構を有しており、また、それぞれにおいて軸方向の一方と他方の相対運動を阻止するための2系統の楔係合機構を有しており、更に各系統の楔係合機構が円周方向に複数配置されている。このため、多数の楔係合機構とそれぞれに対応した多数の切換え機構部とその駆動装置が必要になっている。これに伴い各構成部品の数や楔係合機構における傾斜面部分などの加工工数が増大してコストアップの原因になる。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、往復動の方向成分を累積して、高効率かつ高性能に直動運動を生成することのできるリニアアクチュエータを提供するものである。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
第1および第2の係合部材と、前記第1および第2の係合部材を収容するハウジングと、該ハウジング部材内で、第1および第2の係合部材をそれらが相互に接近する方向および離間する方向に往復運動を直接発生させて往復駆動する往復駆動源と、前記第1および第2係合部材に係合されて軸方向に直線運動を行う直動部材と、前記第1係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第1楔係合機構と、前記第2係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第2楔係合機構を備え、前記第1楔係合機構および第2楔係合機構は、軸方向に向かって中心軸からの距離の変化する傾斜面と中心軸からの距離が一定である非傾斜面とそれらの間に配置された楔部材を備え、前記直動部材は、前記ハウジング部材に設けた軸支持部により半径方向に支持されている。
本発明は、以上の構成を備えるため、往復動の方向成分を累積して、高効率かつ高性能に直動運動を生成することのできるリニアアクチュエータを提供することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
以下、実施例1にかかるリニアアクチュエータを図1ないし図5を参照しながら説明する。図1はリニアアクチュエータの側断面図であり、図2および図3におけるA−A断面を示す図である。図2は図1におけるB−B断面およびE−E断面を示す横断面図、図3は図1におけるC−C断面およびD−D断面を示す横断面図である。図4は図1において2つの係合部材間の軸方向距離が増大しているときに出力軸が駆動される原理を示す図、図5は図1において2つの係合部材間の軸方向距離が減少しているときに出力軸が駆動される原理を示す図である。
図1において、往復駆動装置1は磁歪素子2、コイル3などで構成されている。磁歪素子2の軸方向両側には2つの係合部材4がそれぞれバネホルダ5を介して密着している。各係合部材4の外側にはやはりバネホルダ5が密着し更にその外側には軸方向の付勢部材であるサラバネ6は配置されている。これらの各部品は互いに軸方向に密着しており、ケーシング7と2つのサイドエンド8で構成されるハウジング9の中に軸方向に挟まれて組み込まれている。第1の係合部材と第2の係合部材に相当する2つの係合部材4はそれぞれ隣接する部品との密着面において滑ることができる。このため、いずれも半径方向には固定されていない。また、2つの係合部材4は、往復駆動装置1における磁歪素子2の伸縮によってそれぞれ軸方向に往復運動を行うことができ、第1往復運動部材および第2往復運動部材となる。
2つのサイドエンド8には内周円筒面を有する軸支持部8aが形成されており、ここで図2および図3に示す断面形状を持つ直動部材10が半径方向には拘束され軸方向には移動できるように支持されている。直動部材10は軸方向を閉塞するものは無いので2つのサイドエンド8を貫通して移動できる。
第1往復運動部材および第2往復運動部材となる係合部材4には内周球面部4aが形成されており、直動部材10には凹面溝10aが形成されている。そしてそれらの2面の間に楔係合のための楔部材であるローラ11が配置されている。楔係合は軸方向に傾斜した面(傾斜面)と軸方向に傾斜しない面(非傾斜面)と楔部材とで形成されるが、本実施例における非傾斜面は全て直動部材10に凹面溝10aとして固定されており、傾斜面は第1往復運動部材および第2往復運動部材である係合部材4に内周球面部4aとして固定されている。
凹面溝10aの軸直角断面(図2、図3)における曲率半径は内周球面4aの大円の半径に等しくしてあり、ローラ11はその外周部の輪郭を前記半径で形成することで、楔係合するいずれの面とも線接触の形態で接触できる。ローラ11は図1のB−B断面、C−C断面、D−D断面、E−E断面の各断面において、円周方向に3個ずつ組み込まれ、図2および図3に示す保持部材12のガイド部12aが3個のローラ11を円周方向に所定の間隔で配置する役目を果たしている。保持部材12は筒状の部材の軸方向一端からローラ11を挿入する切欠部を三箇所形成し、それらの切欠部の間に軸方向他端から別の三箇所のローラ11挿入用切欠部を形成したものである。この結果、各保持部材12の6箇所のガイド部12aの隣り合った2つは図1に示される連結部12bによって連結され、全体として一体化されている。
各保持部材12のそれぞれの外側に配置された連結部12bには連結ピン14を介して磁性体で形成されたディスク15がそれぞれ連結されている。各ディスク15の内側面に対向してコイルとコの字形状の磁性体より構成されるコイル部組(組立体)16が固定されている。左右の各ディスク15はサイドエンド8との間に組み込まれたバネ17によってそれぞれ外側に付勢され、コイル部組16に通電された時には磁気吸引力によって内側に吸引される。その移動は外向きにはサイドエンド8と連結ピン14とが当接することで制約され、内向きにはディスク15がコイル部組16に当接することで制約される。
バネホルダ5と各ローラ11との間には付勢バネ13が組み込まれており各ローラ11を保持部材12の連結部12bに向かって付勢している。その付勢力によって各ローラ11が連結部12bに当接する前に内周球面部4aと凹面溝10aに挟まれれば楔係合となり、連結部12bと先に当接すると前記楔係合は阻止される。なお各部の寸法関係により、楔係合する際に各ローラ11と内周球面部4aは、必ずB−B断面、C−C断面、D−D断面、E−E断面のように内周球面部4aの球心から軸方向にずれたように位置で接触する。したがって図1における接触点の接線方向は必ず軸方向に対して傾斜し、内周球面部4aが傾斜面となる。一方、凹面溝10aは常に軸方向と平行であり、こちらが非傾斜面となる。
図1においては右側のコイル部組16には通電されておらず右側の保持部材12はバネ17によってそれぞれ右側に移動している。一方、左側のコイル部組16には通電されており左側の保持部材12はディスク15がコイル部組16に吸引されることではやり右側に移動している。この結果、B−B断面とD−D断面のローラ11は連結部12bにより押し出されて楔係合を阻止されている状態にあり、C−C断面とE−E断面のローラ11は連結部12bが遠ざかって確実に楔係合のできる状態にある。
次に、往復駆動装置1によって発生した往復運動が一方向の直動運動に変換される原理を図4および図5を用いて説明する
図4および図5には往復動から直動への変換原理に直接関係する部分のみを示している。
また、図1において楔係合を阻止されているB−B断面とD−D断面のローラ11は省略し楔係合の可能なC−C断面とE−E断面のローラ11のみを示している。また、図1ないし図3によればC−C断面のローラ11とE−E断面のローラ11は円周方向にずれた位置に配置されており、本来は図4と図5の断面上に同時に図示されないものであるが、直動化原理の説明上、便宜的に同一断面上に図示している。
図4は往復駆動装置1のコイル3への通電によって磁歪素子2の軸長が伸長し、各係合部材4がそれぞれ外側に移動している状態である。このとき、右側の内周球面部4aとローラ11と凹面溝10aでは直動部材10に対する係合部材4の運動方向から楔係合が形成されないが、左側の内周球面部4aとローラ11と凹面溝10aでは楔係合が形成され、これによって直動部材10は図の左方向に駆動される。図5は往復駆動装置1のコイル3への通電か遮断されて磁歪素子2の軸長が収縮し、各係合部材4がそれぞれサラバネ6によって内側に移動している状態である。このときには、左側の内周球面部4aとローラ11と凹面溝10aでは直動部材10に対する係合部材4の運動方向から楔係合が形成されないが、右側の内周球面部4aとローラ11と凹面溝10aでは楔係合が形成され、これによって直動部材10はやはり図の左方向に駆動される。結局、磁歪素子2の軸長が伸長しているときも収縮しているときも、直動部材10とこれに固定された出力軸18は左方向に駆動され、比較的滑らかな直動運動を行うことができる。
図1と異なり、右側のコイル部組16に通電して右側の保持部材12をディスク15とコイル部組16の磁気吸引力で左側に移動させ、左側のコイル部組16には通電せず左側の保持部材12をバネ17によってやはり左側に移動させた場合を考える。この場合には、C−C断面とE−E断面のローラ11は連結部12bに押し出されて楔係合を阻止される状態になり、B−B断面とD−D断面のローラ11は連結部12bが遠ざかって確実に楔係合のできる状態になる。そのときの往復動から直動への変換原理に直接関係する部分は図4および図5において出力軸18以外の部分を左右反転した状態になる。このとき、磁歪素子2の軸長が伸長しているときも収縮しているときも直動部材10とこれに固定された出力軸18は右方向に駆動され、やはり比較的滑らかな直動運動を行うことが容易に類推できる。
以上の結果、直動部材10と出力軸18に前後方向の直動運動をさせることができるリニアアクチュエータが構成できたことになる。
[実施例2]
以下実施例2にかかるリニアアクチュエータを図6を参照しながら説明する。図6は実施例2にかかるリニアアクチュエータの側断面図である。
本実施例においては、往復駆動装置19はコイル20と2つの可動鉄心21などで構成されている。2つの可動鉄心21は少なくともコイル20に通電されないときには中央部に間隙隙間を有する状態で対向して軸方向に並べられている。各可動鉄心21の内周部にはそれぞれ係合部材22とその両側のバネホルダ23が配置され、それらはEリング24とワッシャ25によって各可動鉄心21に対して軸方向外側への移動を規制されている。この移動規制部は、中央部に配置されたスペーサ26とサラバネ(i)27により、常に密着を維持されている。左右の可動鉄心21は更に、サラバネ(ii)28を介して磁性体で形成されたハウジング(i)29とハウジング(ii)30によって軸方向に挟まれて組み込まれている。上記の間隙隙間はサラバネ(i)27とサラバネ(ii)28から作用するバネ力を調整することで所定の隙間に設定される。
コイル20に通電すると2つの可動鉄心21は互いに吸引し合い、ハウジング(i)29あるいはハウジング(ii)30に対して滑動してそれぞれ中央に向かって移動して間隙隙間を減少させる。その際に左右の係合部材22を一緒に移動させて係合部材22同士の軸方向距離を収縮させる。コイル20への通電を遮断すると係合部材22はサラバネ(i)27のバネ力によって互いの軸方向距離を伸長させ、同時に2つの可動鉄心21間の間隙隙間を回復させる。すなわち、実施例2においては磁気力によって左右の係合部材22同士の軸方向距離を伸縮させることができることを示している。また、その係合部材22はそれぞれ隣接する部品との密着面において滑ることができるので、いずれも半径方向には固定されていない。
互いの軸方向距離が伸縮する2つの係合部材22から前後方向の直動運動を作り出す原理と構成は実施例1の場合と同じである。ただし、実施例2におけるコイル部組31とディスク32は実施例1におけるコイル部組16とディスク15と左右の位置関係を逆にして組み込まれているので、直動部材33と出力軸34を直動させたい方向と2つコイル部組31の中で通電すべきコイル部組31との関係は、実施例1で説明した関係と逆になる。
以上説明したように、本実施例によれば、(1)直動部材はハウジング部材に設けられた軸支持部によって半径方向に支持されているので、直動部材に外部から作用する半径方向荷重やモーメントを前記の軸指支持部で支えることができる。また、第1係合部材および第2係合部材はいずれも半径方向に固定されていない構成であるため、それが直動部材に外部から作用する半径方向荷重やモーメントを支えることはない。つまり、外部からの力が第1係合部材および第2係合部材と直動部材の間に組み込まれた第1楔係合機構や第2楔係合機構に作用するのを防止することができる。また、第1楔係合機構あるいは第2楔係合機構が楔係合状態となって、各楔係合機構における個々の楔係合部での作用力の合力によって半径方向荷重が発生すると、それによって各係合部材が半径方向に移動して前記半径方向荷重を消滅させてくれる。すなわち、各係合部材と直動部材の間に楔係合による荷重が作用するのも防止できる。以上の結果、楔係合機構や軸支持部の信頼性を高めることが可能になる。
(2)第1係合部材と第2係合部材はいずれも往復運動を行う。このため、往復駆動装置により両者の軸方向距離が増大しているとき、および減少しているときのいずれの場合にも、何れかの係合部材が直動部材を駆動したい方向に動いていることになる。これを利用することにより直動部材が停止している時間帯を減少させ、往復駆動装置を用いたより滑らかな直動運動を行なわせることが可能になる。また、往復動する各係合部材同士で慣性力の一部を相殺させることができるので低振動化が可能になる。また、第1係合部材と第2係合部材を同じ部品とするなど構成部品の標準化がし易く低コスト化が図れる。
(3)往復駆動装置と第1往復運動部材と第2往復運動部材はバネ要素を介してハウジング部材で軸方向から挟み込む構成である。このため、個々の部品を固定するなどの組み立て工程を必要としない。したがって、低コスト化を図ることができる。
(4)往復駆動装置は直動部材の外周部に配置されており、往復駆動装置が直動部材の直動方向を閉塞することがない。このため、往復駆動装置と直動部材の干渉を避けるための直動部材のストロークに対応した空間を両者の間に確保する必要がない。このためリニアアクチュエータの小型化が可能になる。また、直動部材の長さを延長するだけでリニアアクチュエータのストロークを拡大することができる。
(5)直動部材は、軸方向の両側でハウジング部材を貫通しており、それぞれの貫通部に設けられた2つの軸支持部で半径方向に支持されている。すなわち、直動部材は比較的長スパンの2個所で軸支持されるので、外部からモーメントが作用したときの支持荷重が小さくなり信頼性が向上する。また、直動部材がハウジング部材を貫通するので、直動部材のストロークに対応した空間を内部に確保する必要が無く、リニアアクチュエータの小型化が可能になる。
(6)第1の楔係合機構における非傾斜面と第2の楔係合機構における非傾斜面はいずれも直動部材に固定されており、第1の楔係合機構における傾斜面と第2の楔係合機構における傾斜面はそれぞれ第1往復運動部材と第2往復運動部材に固定されている。ここで楔係合機構における楔係合を阻止するために楔係合阻止機構を装着する場合を考えると、該楔係合阻止機構は楔係合部に対して軸方向に移動してしまう非傾斜面に対してでなく楔係合部に必ず存在する傾斜面に対して固定されていなければならない。すなわち、楔係合機構における傾斜面は直動部材に形成せず、微小振幅で往復運動を行う第1往復運動部材と第2往復運動部材に形成されていることはこの点からも有利である。
また、傾斜面が形成されていない直動部材には楔係合阻止機構およびそれを駆動するためのソレノイドなどの駆動装置を装着する必要がない。このため、出力として直動運動をする部分の質量増大を抑制することができる。したがって、リニアアクチュエータとして機能する際の慣性抵抗を小さくして高速で応答させることが可能となる。また、楔係合阻止機構の駆動装置を固定部材に装着することができるので、これにリード線を介して電力を供給する場合にアクチュエータの作動に伴って変形による応力が繰り返し作用することがなく、その耐久性を確保することができる。
(7)第1楔係合機構および前記第2楔係合機構は、いずれも、一方の軸方向に向かって中心軸からの距離が減少する順方向傾斜面と増大する逆方向傾斜面の2種類の傾斜面を持ち、それぞれの傾斜面における楔係合阻止機構を選択的に作動させ、非傾斜面、楔部材と共に楔係合を形成する傾斜面を前記2種類の傾斜面から選択するための楔係合方向変換機能を備える。すなわち、順方向と逆方向の2種類の傾斜面から、楔係合を形成する傾斜面を選択して切換えることができる。このため、楔係合における傾斜面の傾斜方向に左右される直動方向を切替えて直動部材を両方向に直動することができる。
また、各楔係合阻止機構の作動のための各保持部材は共通の軸方向に移動することで作動するので、保持部材同士を一体化することが可能になる。
(9)第1楔係合機構と第2楔係合機構の少なくとも一方は、順方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材と逆方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材とが一体となった共通保持部材を備えている。このように、順方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材と逆方向傾斜面と楔部材との接触を阻止する保持部材とを一体とすることで部品点数が削減され、更に、共通の保持部材駆動機構でそれらを駆動することが可能となる。このため、リニアアクチュエータの低コスト化を図ることができる。
(10)第1楔係合機構と第2楔係合機構の少なくとも一方は円周方向に配置された楔部材を複数有し、それらと接触する傾斜面は共通の内周球面で形成されている。このため、円周方向に配置された複数の楔部材のそれぞれに対して楔係合のための傾斜面を形成する必要がなく、全周連続した球面を1つ形成するだけでよい。更に、球面自体が回転体形状で加工しやすい形状であるため、リニアアクチュエータの低コスト化を図ることができる。
(11)第1楔係合機構と第2楔係合機構の少なくとも一方における順方向傾斜面と逆方向傾斜面は共通の内周球面で形成されている。このため、順方向傾斜面および逆方向傾斜面を別々の傾斜面として形成する必要がなくなり、共通の内周球面で形成できる。このためリニアアクチュエータの低コスト化を図ることができる。
(12)内周球面の一部で形成された傾斜面に接触する楔部材は、概ね該球面の大円の一部を輪郭形状とする回転体であり、該楔部材と接触する直動部材の非傾斜面はその軸直角断面における輪郭に上記大円の一部を持つ凹面溝で形成している。すなわち、低コスト化のために傾斜面を円周方向に連続した球面で形成しても、楔部材と傾斜面との接触部および楔部材と非傾斜面との接触部において点接触を回避して線接触とすることができ、接触部に発生するヘルツ応力で進行する材料疲労を緩和してフレーキング寿命を延ばすことができる。
(13)軸方向の前後に駆動力を発生する往復駆動装置と、該往復駆動装置によりそれぞれ往復運動を行う第1往復運動部材および第2往復運動部材と、固定部材であるハウジング部材と、前記軸方向の前後に直動運動を行う直動部材と、前記第1往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し他方の軸方向の軸方向相対変位を阻止する第1楔係合機構と、前記第2往復運動部材と前記直動部材の間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し他方の軸方向の軸方向相対変位を阻止する第2楔係合機構とを備える。
このため、直動部材の軸支持構造に依らず、往復駆動装置を用いたより滑らかな直動運動を行なわせることが可能になる。また、往復動する各係合部材同士で慣性力の一部を相殺させることができるので低振動化が可能になる。
(14)本実施例のリニアアクチュエータは可変動弁機構を駆動することができる。この場合には、該可動弁により制御される自動変速装置あるいは可変動弁装置の高信頼性化、低振動化、低コスト化、長寿命化を図ることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、各荷重支持部に余計な荷重が作用するのを防止して高信頼性化を図ることができる。また、慣性力同士の相殺による低振動化、部品の標準化および加工工数や組立て工数の低減などによる低コスト化、部品同士の干渉を回避して小型化や長ストローク化を図ることができる。また、直動部材とともに直動運動を行う質量を軽量化して高応答化を図り、部品間接触部のヘルツ応力(接触応力)を緩和して長寿命化を実現することができる。このため、実用性に優れた高性能リニアアクチュエータを得ることができる。
実施例1にかかるリニアアクチュエータの側断面図である。 図1におけるB−B断面およびE−E断面を示す横断面図である。 図1におけるC−C断面およびD−D断面を示す横断面図である。 係合部材間の軸方向距離が増大しているときに出力軸が駆動される原理を示す図である。 係合部材間の軸方向距離が減少しているときに出力軸が駆動される原理を示す図である。 実施例2にかかるリニアアクチュエータの側断面図である。
符号の説明
1 往復駆動装置
2 磁歪素子
3 コイル
4 係合部材
4a 内周球面部
5 バネホルダ
6 サラバネ
7 ケーシング
8 サイドエンド
8a 軸支持部
9 ハウジング
10 直動部材
10a 凹面溝
11 ローラ
12 保持器
12a ガイド部
12b 連結部
13 付勢バネ
14 連結ピン
15 ディスク
16 コイル部組
17 バネ
18 出力軸
19 往復駆動装置
20 コイル
21 可動鉄心
22 係合部材
22a 内周球面部
23 バネホルダ
24 Eリング
25 ワッシャ
26 スペーサ
27 サラバネ(i)
28 サラバネ(ii)
29 ハウジング(i)
29a 軸支持部
30 ハウジング(ii)
30a 軸支持部
31 コイル部組
32 ディスク
33 直動部材
33a 凹面溝
34 出力軸
35 ローラ
36 保持器
36a 連結部
37 付勢バネ
38 連結ピン
39 バネ

Claims (3)

  1. 第1および第2の係合部材と、
    前記第1および第2の係合部材を収容するハウジングと、
    該ハウジング部材内で、第1および第2の係合部材をそれらが相互に接近する方向および離間する方向に往復運動を直接発生させて往復駆動する往復駆動源と、
    前記第1および第2係合部材に係合されて軸方向に直線運動を行う直動部材と、
    前記第1係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第1楔係合機構と、
    前記第2係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第2楔係合機構を備え、
    前記第1楔係合機構および第2楔係合機構は、軸方向に向かって中心軸からの距離の変化する傾斜面と中心軸からの距離が一定である非傾斜面とそれらの間に配置された楔部材を備え、
    前記直動部材は、前記ハウジング部材に設けた軸支持部により半径方向に支持されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 軸方向に摺動する一対の可動鉄心と該可動鉄心間に配置し可動鉄心を相互に離間する方向に駆動するバネと前記可動鉄心を相互に接近する方向に駆動する電磁コイルを備え、電磁コイルに通電して前記一対の可動鉄心間に軸方向に伸縮する駆動力を発生する往復駆動装置と、
    前記往復駆動装置の軸方向一端側および他端側に形成した第1および第2係合部材と、
    前記往復駆動装置並びに第1および第2係合部材を収容するハウジング部材と、
    前記第1および第2係合部材に係合されて軸方向に直線運動を行う直動部材と、
    前記第1係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第1楔係合機構と、
    前記第2係合部材と直動部材間に組み込まれ一方の両者間軸方向相対変位を許容し、他方の両者間軸方向変位を阻止する第2楔係合機構を備え、
    前記第1楔係合機構および第2楔係合機構は、軸方向に向かって中心軸からの距離の変化する傾斜面と中心軸からの距離が一定である非傾斜面とそれらの間に配置された楔部材を備え、
    前記直動部材は、前記ハウジング部材に設けた軸支持部により半径方向に支持されており、前記第1および第2係合部材は半径方向に固定されていないことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  3. 請求項1記載のリニアアクチュエータにおいて、
    第1および第2の楔係合機構は円周方向に配置された楔部材を複数有し、該楔部材と接触する順方向傾斜面および逆方向傾斜面は共通の内周球面で形成されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
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