JP2007285362A - バルブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、微小開弁範囲においてボール弁に作用する「流体反力(閉弁力)」を小さくできるバルブ装置を提供する。
【解決手段】 バルブ装置は、テーパスライド31の周方向に複数の凹部34を備え、微小開弁範囲であってもボール弁4とテーパスライド31の間に形成される微小隙間の割合を減らす。微小隙間の割合が減ることでボール弁4に作用する「流体反力」が小さくなり、微小開弁範囲における開弁力を下げることができる。凹部34を設けることで「流体反力」を低減できるため、テーパスライド31の径方向寸法を小さくする必要がない。このため、閉弁時にボール弁4をテーパスライド31によって確実に着座シート32に案内できるとともに、着座シート32と口元エッジ部33の距離を確保でき、口元エッジ部33に摩耗や変形が生じたとしても弁漏れを防ぐことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 バルブ装置は、テーパスライド31の周方向に複数の凹部34を備え、微小開弁範囲であってもボール弁4とテーパスライド31の間に形成される微小隙間の割合を減らす。微小隙間の割合が減ることでボール弁4に作用する「流体反力」が小さくなり、微小開弁範囲における開弁力を下げることができる。凹部34を設けることで「流体反力」を低減できるため、テーパスライド31の径方向寸法を小さくする必要がない。このため、閉弁時にボール弁4をテーパスライド31によって確実に着座シート32に案内できるとともに、着座シート32と口元エッジ部33の距離を確保でき、口元エッジ部33に摩耗や変形が生じたとしても弁漏れを防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、弁体がシート部よりも流体供給側に配置され、弁体がテーパスライドと軸方向にオーバーラップした状態で、弁体がテーパスライドの着座シートに着座する構造のバルブ装置に関する。
(従来技術)
この種のバルブ装置の一例として、特許文献1、2に開示されたバルブ装置が知られている。
特許文献1、2のバルブ装置を図9(a)を参照して説明すると、オイル(流体の一例)が通過可能な弁開口J1が形成されたシート部J2と、このシート部J2よりもオイル供給側に配置され、弁開口J1を開閉可能なボール弁(弁体の一例)J3と、このボール弁J3を開弁方向へ駆動可能な電磁アクチュエータ(バルブ駆動手段の一例:図9中には図示しない)とを具備する。
この種のバルブ装置の一例として、特許文献1、2に開示されたバルブ装置が知られている。
特許文献1、2のバルブ装置を図9(a)を参照して説明すると、オイル(流体の一例)が通過可能な弁開口J1が形成されたシート部J2と、このシート部J2よりもオイル供給側に配置され、弁開口J1を開閉可能なボール弁(弁体の一例)J3と、このボール弁J3を開弁方向へ駆動可能な電磁アクチュエータ(バルブ駆動手段の一例:図9中には図示しない)とを具備する。
また、ボール弁J3が着座するシート部J2には、弁開口J1の周囲において流体供給側に向かって広がった形状を呈して、ボール弁J3を着座シートJ4に案内するテーパスライド(テーパガイド)J5が形成されている。このテーパスライドJ5の内周径は、弁開口J1の口元エッジ部J6であり、ボール弁J3と当接する着座シートJ4は口元エッジ部J6より外周側に形成される。
ここで、ボール弁J3と径方向の部材(ボールガイド等)との間には、ボール弁J3の摺動のための径方向クリアランスが設けられている。この径方向クリアランスは、部品組付け時の軸ズレを補償できるように大きく設けられている。
このため、テーパスライドJ5の外周径は、大きく設定された径方向クリアランスによって径方向に移動するボール弁J3を確実にテーパスライドJ5内に案内する目的で大きく設けられている。
ここで、ボール弁J3と径方向の部材(ボールガイド等)との間には、ボール弁J3の摺動のための径方向クリアランスが設けられている。この径方向クリアランスは、部品組付け時の軸ズレを補償できるように大きく設けられている。
このため、テーパスライドJ5の外周径は、大きく設定された径方向クリアランスによって径方向に移動するボール弁J3を確実にテーパスライドJ5内に案内する目的で大きく設けられている。
(従来技術の問題点)
ボール弁J3は、入力ポートから供給される油圧と、弁開口J1側の低圧との差圧に基づく油圧荷重(以下、静的受圧荷重と称す)を受けるものであり、閉弁時においてはその静的受圧荷重がボール弁J3の閉弁力(着座方向の力)となっている。
このため、電磁アクチュエータは、弁開口J1を開弁する際、リターンスプリングの「バネ荷重」に加えて、ボール弁J3に加わる「静的受圧荷重(閉弁力)」に打ち勝つ開弁力を発生する必要がある。
ボール弁J3は、入力ポートから供給される油圧と、弁開口J1側の低圧との差圧に基づく油圧荷重(以下、静的受圧荷重と称す)を受けるものであり、閉弁時においてはその静的受圧荷重がボール弁J3の閉弁力(着座方向の力)となっている。
このため、電磁アクチュエータは、弁開口J1を開弁する際、リターンスプリングの「バネ荷重」に加えて、ボール弁J3に加わる「静的受圧荷重(閉弁力)」に打ち勝つ開弁力を発生する必要がある。
ボール弁J3が着座シートJ4から離座すると、図9(b)の矢印αに示すように、ボール弁J3とテーパスライドJ5の微小隙間を高速流のオイルが通過する。この微小隙間におけるオイルの流れ方向は、軸方向において閉弁方向に向かうため、微小隙間の高速流のオイルがボール弁J3に閉弁力となる「流体反力(図中、矢印β参照)」を与えてしまう。
このため、電磁アクチュエータは、微小開弁範囲において、リターンスプリングの「バネ荷重」と「静的受圧荷重(閉弁力)」に加えて、「流体反力(閉弁力)」に打ち勝つ開弁力を発生する必要がある。
このため、電磁アクチュエータは、微小開弁範囲において、リターンスプリングの「バネ荷重」と「静的受圧荷重(閉弁力)」に加えて、「流体反力(閉弁力)」に打ち勝つ開弁力を発生する必要がある。
電磁アクチュエータには、省電力化が要求されるが、微小開弁範囲において「流体反力」に打ち勝つ開弁力を発生する必要があるため、電磁アクチュエータの省電力化が妨げられている。
特に近年では、供給油圧の高圧仕様化が進む環境にあり、高圧化に伴って「流体反力」も大きくなるため、電磁アクチュエータの消費電力が大きくなる傾向にある。
特に近年では、供給油圧の高圧仕様化が進む環境にあり、高圧化に伴って「流体反力」も大きくなるため、電磁アクチュエータの消費電力が大きくなる傾向にある。
なお、テーパスライドJ5の径方向寸法を小さくして、テーパスライドJ5をピン角形状に近づけることで「流体反力」を低減することができる。
しかし、上述したように、ボール弁J3と径方向の部材(ボールガイド等)との間の径方向クリアランスが大きく設けられるため、テーパスライドJ5の径方向寸法を小さくすると、閉弁時にボール弁J3がテーパスライドJ5内に案内されずに閉弁動作不良が発生する可能性があり、信頼性が損なわれる。
また、テーパスライドJ5の径方向寸法を小さくすることで、着座シートJ4と口元エッジ部J6が接近すると、高速流のオイルが口元エッジ部J6を通過することなどにより口元エッジ部J6に生じる摩耗や変形が着座シートJ4に到達し易くなり、閉弁時の弁漏れが生じる可能性があり、信頼性が損なわれる。
特開2004−286097号公報
特開2002−286152号公報
特開平5−5470号公報
特開昭60−4679号公報
しかし、上述したように、ボール弁J3と径方向の部材(ボールガイド等)との間の径方向クリアランスが大きく設けられるため、テーパスライドJ5の径方向寸法を小さくすると、閉弁時にボール弁J3がテーパスライドJ5内に案内されずに閉弁動作不良が発生する可能性があり、信頼性が損なわれる。
また、テーパスライドJ5の径方向寸法を小さくすることで、着座シートJ4と口元エッジ部J6が接近すると、高速流のオイルが口元エッジ部J6を通過することなどにより口元エッジ部J6に生じる摩耗や変形が着座シートJ4に到達し易くなり、閉弁時の弁漏れが生じる可能性があり、信頼性が損なわれる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、微小開弁範囲において弁体に作用する「流体反力」を小さくできるバルブ装置の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するバルブ装置のテーパスライドは、着座シートの外径側において軸方向に窪んだ凹部を周方向に複数備える。
このため、微小開弁範囲であっても、弁体とテーパスライドの間に形成される微小隙間の割合が複数の凹部によって減ることになる。微小隙間により大きな「流体反力」が生じるため、微小隙間の割合が減ることで弁体に作用する「流体反力」が小さくなる。
このように、テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、テーパスライドに複数の凹部を設けることで「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲においてバルブ駆動手段に求められる開弁力を小さくできる。
請求項1の手段を採用するバルブ装置のテーパスライドは、着座シートの外径側において軸方向に窪んだ凹部を周方向に複数備える。
このため、微小開弁範囲であっても、弁体とテーパスライドの間に形成される微小隙間の割合が複数の凹部によって減ることになる。微小隙間により大きな「流体反力」が生じるため、微小隙間の割合が減ることで弁体に作用する「流体反力」が小さくなる。
このように、テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、テーパスライドに複数の凹部を設けることで「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲においてバルブ駆動手段に求められる開弁力を小さくできる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するバルブ装置の弁体は、着座シートに着座する部分が、球面形状のボール弁である。
これにより、ボール弁を用いたバルブ装置において、テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、微小開弁範囲の開弁力を小さくできる。
また、テーパスライドの径方向寸法を十分確保できるため、閉弁動作不良の発生を防ぐとともに、口元エッジ部の摩耗や変形が着座シートに到達し難くなり、閉弁時の弁漏れを防ぐことができる。
請求項2の手段を採用するバルブ装置の弁体は、着座シートに着座する部分が、球面形状のボール弁である。
これにより、ボール弁を用いたバルブ装置において、テーパスライドの径方向寸法を小さくすることなく、微小開弁範囲の開弁力を小さくできる。
また、テーパスライドの径方向寸法を十分確保できるため、閉弁動作不良の発生を防ぐとともに、口元エッジ部の摩耗や変形が着座シートに到達し難くなり、閉弁時の弁漏れを防ぐことができる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するバルブ装置の凹部は、径方向に伸びる溝、あるいは局部的な窪みである。
請求項3の手段を採用するバルブ装置の凹部は、径方向に伸びる溝、あるいは局部的な窪みである。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するバルブ装置の凹部は、凹部内に流れ込む流体を内径方向へ導くように設けられるとともに、凹部の着座シートに近い側は、凹部によって内径方向に導かれた流体を軸方向の流体供給側へ向かわせる傾斜面である。
これにより、微小開弁範囲において凹部内に流れ込んだ流体は、傾斜面によって流体供給側(開弁方向)へ流れ、弁体に開弁方向の力(以下、離反力と称す)を与える。
この離反力は、弁体に作用する「流体反力」を打ち消すように作用するため、微小開弁範囲においてバルブ駆動手段に求められる開弁力をさらに小さくすることができる。
請求項4の手段を採用するバルブ装置の凹部は、凹部内に流れ込む流体を内径方向へ導くように設けられるとともに、凹部の着座シートに近い側は、凹部によって内径方向に導かれた流体を軸方向の流体供給側へ向かわせる傾斜面である。
これにより、微小開弁範囲において凹部内に流れ込んだ流体は、傾斜面によって流体供給側(開弁方向)へ流れ、弁体に開弁方向の力(以下、離反力と称す)を与える。
この離反力は、弁体に作用する「流体反力」を打ち消すように作用するため、微小開弁範囲においてバルブ駆動手段に求められる開弁力をさらに小さくすることができる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用するバルブ装置の傾斜面は、湾曲した湾曲面である。
これによって、凹部内に流れ込んだ後に、流体供給側(開弁方向)へ流れる流体の流れをスムーズにでき、凹部によって効率良く離反力を生じさせることができる。
請求項5の手段を採用するバルブ装置の傾斜面は、湾曲した湾曲面である。
これによって、凹部内に流れ込んだ後に、流体供給側(開弁方向)へ流れる流体の流れをスムーズにでき、凹部によって効率良く離反力を生じさせることができる。
[請求項6の手段]
請求項6の手段を採用するバルブ装置のシート部は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。
このため、シート部に複数の凹部を容易に形成することができ、シート部のコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部が形成された信頼性の高いバルブ装置をコスト上昇を招くことなく提供することができる。
請求項6の手段を採用するバルブ装置のシート部は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。
このため、シート部に複数の凹部を容易に形成することができ、シート部のコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部が形成された信頼性の高いバルブ装置をコスト上昇を招くことなく提供することができる。
[請求項7の手段]
請求項7の手段を採用するバルブ装置の弁体は、着座シートに着座する際に、一部がシート部と軸方向にオーバーラップする円錐形状または任意の曲面形状を有する軸対称形状の弁体である。そして、複数の凹部を、テーパスライドに代えて、弁体のうちテーパスライドと軸方向に対向する面に設けたものである。
請求項1〜6で述べた凹部の効果は、固定側のシート部のみでなく、可動側の弁体に設けても同様に得ることができる。即ち、弁体に設けた複数の凹部によっても、流体反力を小さくする効果や、離反力を生じさせる効果を得ることができる。
なお、複数の凹部を、固定側のシート部と可動側の弁体の双方に設けることで、さらに効率良く流体反力を小さくしたり、離反力を大きくすることができる。
請求項7の手段を採用するバルブ装置の弁体は、着座シートに着座する際に、一部がシート部と軸方向にオーバーラップする円錐形状または任意の曲面形状を有する軸対称形状の弁体である。そして、複数の凹部を、テーパスライドに代えて、弁体のうちテーパスライドと軸方向に対向する面に設けたものである。
請求項1〜6で述べた凹部の効果は、固定側のシート部のみでなく、可動側の弁体に設けても同様に得ることができる。即ち、弁体に設けた複数の凹部によっても、流体反力を小さくする効果や、離反力を生じさせる効果を得ることができる。
なお、複数の凹部を、固定側のシート部と可動側の弁体の双方に設けることで、さらに効率良く流体反力を小さくしたり、離反力を大きくすることができる。
[請求項8の手段]
請求項8の手段を採用するバルブ装置の弁体(凹部が設けられる弁体)は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。
このため、弁体の表面に複数の凹部を容易に形成することができ、弁体のコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部が形成された信頼性の高いバルブ装置をコスト上昇を招くことなく提供することができる。
請求項8の手段を採用するバルブ装置の弁体(凹部が設けられる弁体)は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。
このため、弁体の表面に複数の凹部を容易に形成することができ、弁体のコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部が形成された信頼性の高いバルブ装置をコスト上昇を招くことなく提供することができる。
[請求項9の手段]
請求項9の手段を採用するバルブ装置のバルブ駆動手段は、通電量に応じた開弁力を発生する電磁アクチュエータである。
このため、微小開弁範囲において電磁アクチュエータに求められる開弁力を小さくすることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータの消費電力を抑えることができる。
請求項9の手段を採用するバルブ装置のバルブ駆動手段は、通電量に応じた開弁力を発生する電磁アクチュエータである。
このため、微小開弁範囲において電磁アクチュエータに求められる開弁力を小さくすることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータの消費電力を抑えることができる。
最良の形態1のバルブ装置は、流体が通過可能な弁開口、およびこの弁開口の周囲に設けられて流体供給側に向かって広がった形状を呈するテーパスライドを備えるシート部と、このシート部よりも流体供給側に配置され、弁開口を開閉可能な弁体と、この弁体を開弁方向へ駆動可能なバルブ駆動手段とを具備する。
このバルブ装置は、弁体がテーパスライドと軸方向にオーバーラップした状態で、弁体がテーパスライドの着座シートに着座する構造であって、テーパスライドは、着座シートの外径側において軸方向に窪んだ凹部を周方向に複数備えるものである。
このバルブ装置は、弁体がテーパスライドと軸方向にオーバーラップした状態で、弁体がテーパスライドの着座シートに着座する構造であって、テーパスライドは、着座シートの外径側において軸方向に窪んだ凹部を周方向に複数備えるものである。
本発明のバルブ装置を、油圧あるいはオイル流量の制御を行う三方電磁弁(バルブ装置の一例)に適用した実施例1を説明する。なお、この実施例1では、先ず「三方電磁弁の基本構造」を説明し、その後で「実施例1の特徴」を説明する。
〔三方電磁弁の基本構造〕
先ず、三方電磁弁の基本構造を図3を参照して説明する。
三方電磁弁は、例えば自動車の自動変速機において油圧制御を行う油圧コントローラに組み付けられるノーマリクローズ(N/C)型の電磁油圧制御弁であり、三方弁1と、この三方弁1を駆動する電磁アクチュエータ2(バルブ駆動手段の一例)とを備える。
先ず、三方電磁弁の基本構造を図3を参照して説明する。
三方電磁弁は、例えば自動車の自動変速機において油圧制御を行う油圧コントローラに組み付けられるノーマリクローズ(N/C)型の電磁油圧制御弁であり、三方弁1と、この三方弁1を駆動する電磁アクチュエータ2(バルブ駆動手段の一例)とを備える。
(三方弁1の説明)
三方弁1は、バルブハウジング(バルブベース)3、ボール弁4、シャフト5およびリターンスプリング6を備える。
バルブハウジング3は、略円筒形状を呈するものであり、図示しないオイルポンプと切替弁や油路等を介して連通され、オイルポンプの吐出したオイル(流体の一例)が供給される入力ポート11と、摩擦係合装置(自動変速機のクラッチ、ブレーキ等)の油圧アクチュエータ(油圧サーボ室)に油路を介して連通される出力ポート12と、オイルパン内に連通される排出ポート13とを備える。
入力ポート11は、バルブハウジング3の端部(図3左端)に設けられ、出力ポート12と排出ポート13は、バルブハウジング3の径方向に設けられている。
三方弁1は、バルブハウジング(バルブベース)3、ボール弁4、シャフト5およびリターンスプリング6を備える。
バルブハウジング3は、略円筒形状を呈するものであり、図示しないオイルポンプと切替弁や油路等を介して連通され、オイルポンプの吐出したオイル(流体の一例)が供給される入力ポート11と、摩擦係合装置(自動変速機のクラッチ、ブレーキ等)の油圧アクチュエータ(油圧サーボ室)に油路を介して連通される出力ポート12と、オイルパン内に連通される排出ポート13とを備える。
入力ポート11は、バルブハウジング3の端部(図3左端)に設けられ、出力ポート12と排出ポート13は、バルブハウジング3の径方向に設けられている。
バルブハウジング3の内部は、入力ポート11に連通する入力室14と、出力ポート12に連通する出力室15と、排出ポート13に連通する排出室16とに区画されており、図3左側から右側に向けて、入力室14、出力室15、排出室16が配置されている。
入力室14と出力室15は、入力側隔壁17によって区画され、出力室15と排出室16は、排出側隔壁18によって区画される。
入力側隔壁17の中心には、入力室14と出力室15を連通する入力弁口21が設けられている。なお、入力側隔壁17はシート部に相当するものであり、入力弁口21は弁開口に相当するものであり、入力弁口21の周辺の技術は後述する。
一方、排出側隔壁18の中心にも、出力室15と排出室16を連通する排出弁口22が設けられている。なお、入力弁口21と排出弁口22は、ともにシャフト5の軸線上に設けられている。
入力室14と出力室15は、入力側隔壁17によって区画され、出力室15と排出室16は、排出側隔壁18によって区画される。
入力側隔壁17の中心には、入力室14と出力室15を連通する入力弁口21が設けられている。なお、入力側隔壁17はシート部に相当するものであり、入力弁口21は弁開口に相当するものであり、入力弁口21の周辺の技術は後述する。
一方、排出側隔壁18の中心にも、出力室15と排出室16を連通する排出弁口22が設けられている。なお、入力弁口21と排出弁口22は、ともにシャフト5の軸線上に設けられている。
ボール弁4は、入力室14内に配置され、入力ポート11から入力室14内に供給された油圧によって入力弁口21を閉塞するものであり、バルブハウジング3の先端部から入力室14内に組み付けられたボールガイド23によって、ボール弁4が入力弁口21の近傍において保持される。
ボールガイド23は、ボール弁4を入力弁口21を閉塞する位置から所定の開弁方向の範囲で移動可能に支持するものであり、ボールガイド23とボール弁4との径方向間には、ボール弁4の摺動のための径方向クリアランスが設けられている。なお、この径方向クリアランスは、部品組付け時の軸ズレを補償できる十分な大きさに設けられている。
ボールガイド23は、ボール弁4を入力弁口21を閉塞する位置から所定の開弁方向の範囲で移動可能に支持するものであり、ボールガイド23とボール弁4との径方向間には、ボール弁4の摺動のための径方向クリアランスが設けられている。なお、この径方向クリアランスは、部品組付け時の軸ズレを補償できる十分な大きさに設けられている。
シャフト5は、図3左側(入力室14側)から図3右側に向けて、押圧軸25、中径軸26、大径軸27よりなる。
押圧軸25は、シャフト5の図3左側の先端に設けられ、入力弁口21および排出弁口22より小径の軸であり、出力室15側から入力弁口21の内側に挿入されてボール弁4を開弁方向へ変位させることが可能なものである。
中径軸26は、押圧軸25よりやや大径に設けられたものであり、排出室16内において軸方向へ移動する。
押圧軸25と中径軸26の間の段差には、排出室16側から排出弁口22を閉塞可能な段差弁28が設けられている。即ち、シャフト5は、軸方向の途中位置に段差弁28を備えている。
大径軸27は、中径軸26よりやや大径に設けられるものであり、電磁アクチュエータ2内に支持されたスリーブ29の内周面によって軸方向へ摺動自在に支持される。
押圧軸25は、シャフト5の図3左側の先端に設けられ、入力弁口21および排出弁口22より小径の軸であり、出力室15側から入力弁口21の内側に挿入されてボール弁4を開弁方向へ変位させることが可能なものである。
中径軸26は、押圧軸25よりやや大径に設けられたものであり、排出室16内において軸方向へ移動する。
押圧軸25と中径軸26の間の段差には、排出室16側から排出弁口22を閉塞可能な段差弁28が設けられている。即ち、シャフト5は、軸方向の途中位置に段差弁28を備えている。
大径軸27は、中径軸26よりやや大径に設けられるものであり、電磁アクチュエータ2内に支持されたスリーブ29の内周面によって軸方向へ摺動自在に支持される。
リターンスプリング6は、シャフト5を電磁アクチュエータ2側に付勢する圧縮コイルスプリングであり、排出室16内に支持されてシャフト5の支持を兼ねたバネ座30と、大径軸27の段差(中径軸26と大径軸27の間の段差)との間で、圧縮された状態で配置される。これにより、シャフト5は、リターンスプリング6によって図3右側に付勢される。
(電磁アクチュエータ2の説明)
電磁アクチュエータ2は、コイル、ムービングコア、ステータおよびヨーク等よりなる周知の構造のものであり、コイルに与えられる通電量に応じてムービングコアに図3左方向へ向かう開弁力が与えられる。ムービングコアの軸方向の開弁力はシャフト5に与えられるものであり、コイルに与えられる通電量が大きくなるに従ってムービングコアがシャフト5を図3左方向へ駆動する。
電磁アクチュエータ2は、コイル、ムービングコア、ステータおよびヨーク等よりなる周知の構造のものであり、コイルに与えられる通電量に応じてムービングコアに図3左方向へ向かう開弁力が与えられる。ムービングコアの軸方向の開弁力はシャフト5に与えられるものであり、コイルに与えられる通電量が大きくなるに従ってムービングコアがシャフト5を図3左方向へ駆動する。
〔実施例1の特徴〕
上述したように、ボールガイド23とボール弁4との径方向間には、ボール弁4の摺動の目的と、部品組付け時の軸ズレを補償する目的とで十分な大きさの径方向クリアランスが設けられる。
そこで、入力側隔壁17には、図1に示すように、開弁中にボール弁4が径方向クリアランスによって径方向に変位していても、閉弁時にボール弁4を入力弁口21へ導くためのテーパスライド31が形成されている。このテーパスライド31は、入力弁口21の周囲に設けられ、オイル供給側に向かって広がった円錐形状を呈するロート面である。そして、大きく設定された径方向クリアランスによって径方向に移動するボール弁4を、確実にテーパスライド31内に案内するように、テーパスライド31の外周径は大きく設けられている。
上述したように、ボールガイド23とボール弁4との径方向間には、ボール弁4の摺動の目的と、部品組付け時の軸ズレを補償する目的とで十分な大きさの径方向クリアランスが設けられる。
そこで、入力側隔壁17には、図1に示すように、開弁中にボール弁4が径方向クリアランスによって径方向に変位していても、閉弁時にボール弁4を入力弁口21へ導くためのテーパスライド31が形成されている。このテーパスライド31は、入力弁口21の周囲に設けられ、オイル供給側に向かって広がった円錐形状を呈するロート面である。そして、大きく設定された径方向クリアランスによって径方向に移動するボール弁4を、確実にテーパスライド31内に案内するように、テーパスライド31の外周径は大きく設けられている。
ボール弁4は、テーパスライド31に着座して入力弁口21を閉塞するものであり、テーパスライド31には、ボール弁4が着座する部分である着座シート32が円環状に存在する。
一方、テーパスライド31の内周径は、入力弁口21の口元エッジ部(入力弁口21におけるオイル供給側の軸方向縁部)33である。この口元エッジ部33は、断面が角部であり、高速流のオイルが長期にわたり繰り返し通過することで、摩耗や変形が生じる。このため、口元エッジ部33に摩耗や変形が生じても、その摩耗や変形が着座シート32に及ばないよう、着座シート32の径が設定されている。即ち、図1(a)に示すように、着座シート32のシート径は、摩耗や変形量を見越して、口元エッジ部33より所定量だけ外径側に離れて設定されている。
一方、テーパスライド31の内周径は、入力弁口21の口元エッジ部(入力弁口21におけるオイル供給側の軸方向縁部)33である。この口元エッジ部33は、断面が角部であり、高速流のオイルが長期にわたり繰り返し通過することで、摩耗や変形が生じる。このため、口元エッジ部33に摩耗や変形が生じても、その摩耗や変形が着座シート32に及ばないよう、着座シート32の径が設定されている。即ち、図1(a)に示すように、着座シート32のシート径は、摩耗や変形量を見越して、口元エッジ部33より所定量だけ外径側に離れて設定されている。
テーパスライド31は、着座シート32の外径側において軸方向に窪んだ凹部34を周方向に複数備える。この凹部34は、ボール弁4が微小量離座した際に、凹部34の箇所においてボール弁4と凹部34の底との隙間距離を大きくすることで、ボール弁4とテーパスライド31の間に形成される微小隙間の割合を少なくする手段である。
具体的に、この実施例1の凹部34は、図1(a)に示すように径方向に伸びる溝であり、テーパスライド31の周方向へ等間隔に3つ設けたものである。なお、凹部34の数は、適宜設定可能なものである。
凹部34の溝幅は、ボール弁4が着座シート32に導かれるのを阻害しない範囲で適宜設定可能なものである。
凹部34の内周端(着座シート32に近い側の端)は、着座シート32よりも外径側に設けられ、凹部34を介して弁漏れが生じないように設けられている。
凹部34の外周端は、特に規定をするものではなく、適宜設定可能なものである。
具体的に、この実施例1の凹部34は、図1(a)に示すように径方向に伸びる溝であり、テーパスライド31の周方向へ等間隔に3つ設けたものである。なお、凹部34の数は、適宜設定可能なものである。
凹部34の溝幅は、ボール弁4が着座シート32に導かれるのを阻害しない範囲で適宜設定可能なものである。
凹部34の内周端(着座シート32に近い側の端)は、着座シート32よりも外径側に設けられ、凹部34を介して弁漏れが生じないように設けられている。
凹部34の外周端は、特に規定をするものではなく、適宜設定可能なものである。
実施例1における凹部34の形状について説明する。
凹部34の底は、図1(b)に示すように、軸方向に対して垂直方向に伸びた略平面である。
凹部34の壁面(底面の周囲の面)は、全周に亘って軸方向に沿って形成されており、実施例2以降で示す傾斜面34aは形成されていない。
凹部34の底は、図1(b)に示すように、軸方向に対して垂直方向に伸びた略平面である。
凹部34の壁面(底面の周囲の面)は、全周に亘って軸方向に沿って形成されており、実施例2以降で示す傾斜面34aは形成されていない。
(実施例1の効果1)
実施例1の三方電磁弁は、テーパスライド31の周方向に複数の凹部34を備えることにより、微小開弁範囲であってもボール弁4とテーパスライド31の間に形成される微小隙間の割合が複数の凹部34によって減らされる。
微小隙間により大きな「流体反力」が生じるため、微小隙間の割合が減ることでボール弁4に作用する「流体反力」が小さくなる。
このように、微小開弁範囲においてボール弁4に作用する「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲における開弁力を下げることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータ2の消費電力を下げることができる。
実施例1の三方電磁弁は、テーパスライド31の周方向に複数の凹部34を備えることにより、微小開弁範囲であってもボール弁4とテーパスライド31の間に形成される微小隙間の割合が複数の凹部34によって減らされる。
微小隙間により大きな「流体反力」が生じるため、微小隙間の割合が減ることでボール弁4に作用する「流体反力」が小さくなる。
このように、微小開弁範囲においてボール弁4に作用する「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲における開弁力を下げることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータ2の消費電力を下げることができる。
この効果を具体的に説明する。
ボール弁4が着座シート32から微小量離座する範囲では、ボール弁4とテーパスライド31が軸方向にオーバーラップしており、ボール弁4とテーパスライド31の微小隙間を高速流でオイルが通過する。この高速流のオイルの流れ方向は、軸方向において閉弁方向に向かうため、微小隙間を流れる高速流のオイルが、ボール弁4に「流体反力」を与えてしまう。
ボール弁4が着座シート32から微小量離座する範囲では、ボール弁4とテーパスライド31が軸方向にオーバーラップしており、ボール弁4とテーパスライド31の微小隙間を高速流でオイルが通過する。この高速流のオイルの流れ方向は、軸方向において閉弁方向に向かうため、微小隙間を流れる高速流のオイルが、ボール弁4に「流体反力」を与えてしまう。
ここで、比較のために、本発明が適用されていない(即ち、凹部34の無い)三方電磁弁を例として説明すると、微小開弁範囲においてテーパスライド31の全周方向で微小隙間が形成されるため、図2(a)の実線Aに示すように、ボール弁4に作用する「流体反力」が大きくなる。
このため、電磁アクチュエータ2には、微小開弁範囲に「大きな流体反力」に打ち勝つ開弁力が要求されることになり、「流体反力の最大値」において図2(b)の実線Bに示すように、電磁アクチュエータ2の作動電圧が大きいものとなる。
このため、電磁アクチュエータ2には、微小開弁範囲に「大きな流体反力」に打ち勝つ開弁力が要求されることになり、「流体反力の最大値」において図2(b)の実線Bに示すように、電磁アクチュエータ2の作動電圧が大きいものとなる。
これに対し、本発明を適用した実施例1の三方電磁弁の場合、テーパスライド31の周方向に複数設けた凹部34によって微小隙間の割合が減るため、図2(a)の一点鎖線Cに示すように、ボール弁4に作用する「流体反力」が小さくなる。
このように、実施例1では「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲において電磁アクチュエータ2に求められる開弁力が小さくなり、「流体反力の最大値」において図2(b)の実線Dに示すように、電磁アクチュエータ2の作動電圧を小さくすることができ、電磁アクチュエータ2の省電力化を図ることができる。
なお、図2(a)に示す破線Eは、静的受圧荷重を示すものである。
このように、実施例1では「流体反力」を小さくできるため、微小開弁範囲において電磁アクチュエータ2に求められる開弁力が小さくなり、「流体反力の最大値」において図2(b)の実線Dに示すように、電磁アクチュエータ2の作動電圧を小さくすることができ、電磁アクチュエータ2の省電力化を図ることができる。
なお、図2(a)に示す破線Eは、静的受圧荷重を示すものである。
また、近年では、供給油圧の高圧仕様化が進む環境にあり、高圧化に伴って「流体反力」も大きくなるため、電磁アクチュエータ2が大型化したり、電力消費が大きくなる傾向にある。
しかるに、実施例1の三方電磁弁は、上述したように「流体反力」を小さく抑えることができるため、供給圧の高圧化が進んでも、電磁アクチュエータ2に求められる開弁力を抑えることができ、電磁アクチュエータ2の大型化および電力消費の悪化を回避することができる。
しかるに、実施例1の三方電磁弁は、上述したように「流体反力」を小さく抑えることができるため、供給圧の高圧化が進んでも、電磁アクチュエータ2に求められる開弁力を抑えることができ、電磁アクチュエータ2の大型化および電力消費の悪化を回避することができる。
(実施例1の効果2)
この実施例1では、凹部34を設けることで「流体反力」を低減しており、テーパスライド31の径方向寸法を小さくする必要がない。このため、テーパスライド31の径方向寸法を十分確保できる。これによって、閉弁時にボール弁4をテーパスライド31によって確実に着座シート32に案内することができ、閉弁動作不良の発生を防ぐことができ、三方電磁弁の信頼性を損なうことがない。
また、テーパスライド31の径方向寸法を十分確保できるため、着座シート32と口元エッジ部33の径方向距離を容易に必要分確保することができる。これによって、長期の使用により口元エッジ部33に摩耗や変形が生じたとしても、その摩耗や変形が着座シート32に到達し難くなり、閉弁時の弁漏れを防ぐことができ、三方電磁弁の信頼性を損なうことがない。
この実施例1では、凹部34を設けることで「流体反力」を低減しており、テーパスライド31の径方向寸法を小さくする必要がない。このため、テーパスライド31の径方向寸法を十分確保できる。これによって、閉弁時にボール弁4をテーパスライド31によって確実に着座シート32に案内することができ、閉弁動作不良の発生を防ぐことができ、三方電磁弁の信頼性を損なうことがない。
また、テーパスライド31の径方向寸法を十分確保できるため、着座シート32と口元エッジ部33の径方向距離を容易に必要分確保することができる。これによって、長期の使用により口元エッジ部33に摩耗や変形が生じたとしても、その摩耗や変形が着座シート32に到達し難くなり、閉弁時の弁漏れを防ぐことができ、三方電磁弁の信頼性を損なうことがない。
(実施例1の効果3)
少なくとも凹部34が形成される入力側隔壁17は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。このため、入力側隔壁17に複数の凹部34を容易に形成することができ、複数の凹部34を設けることによるコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部34が形成された信頼性の高い三方電磁弁をコスト上昇を招くことなく提供できる。
少なくとも凹部34が形成される入力側隔壁17は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品である。このため、入力側隔壁17に複数の凹部34を容易に形成することができ、複数の凹部34を設けることによるコスト上昇を防ぐことができる。即ち、凹部34が形成された信頼性の高い三方電磁弁をコスト上昇を招くことなく提供できる。
実施例2を図4を参照して説明する。なお、以下の実施例において実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
実施例2の凹部34は、凹部34内に流れ込む流体を内径方向へ導くように設けられている。具体的に、凹部34の底は、テーパスライド31の軸方向の傾斜に略沿って傾斜しており、開弁時に凹部34内に流れ込むオイルが効率良く内径方向へ向かうように設けられている。
実施例2の凹部34は、凹部34内に流れ込む流体を内径方向へ導くように設けられている。具体的に、凹部34の底は、テーパスライド31の軸方向の傾斜に略沿って傾斜しており、開弁時に凹部34内に流れ込むオイルが効率良く内径方向へ向かうように設けられている。
また、凹部34の着座シート32に近い側は、内径方向に導かれたオイルを軸方向の流体供給側へ向かわせる傾斜面34aに設けられており、微小開弁範囲において凹部34内に流れ込んだオイルをボール弁4にぶつけ(図4中の矢印参照)、ボール弁4に開弁方向の離反力を与える。
この離反力は、ボール弁4に作用する「流体反力」を打ち消すように作用するため、微小開弁範囲における開弁力をさらに下げることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータ2の作動電圧を実施例1よりさらに抑えることができる。
この離反力は、ボール弁4に作用する「流体反力」を打ち消すように作用するため、微小開弁範囲における開弁力をさらに下げることができ、微小開弁範囲における電磁アクチュエータ2の作動電圧を実施例1よりさらに抑えることができる。
実施例3を図5を参照して説明する。
実施例3の凹部34は、着座シート32に近い側の傾斜面34aが円弧状に湾曲した湾曲面に設けられている。
このように、着座シート32に近い側を湾曲面に設けることにより、微小開弁範囲において凹部34内に流れ込んだオイルをスムーズにボール弁4にぶつけることができる(図5中の矢印参照)。即ち、凹部34によって開弁方向に向けられるオイルの流れ効率を高めることができ、凹部34によって効率良く離反力を生じさせることができる。この結果、微小開弁範囲における開弁力をさらに下げることができ、電磁アクチュエータ2の作動電圧を実施例2よりさらに下げることができる。
実施例3の凹部34は、着座シート32に近い側の傾斜面34aが円弧状に湾曲した湾曲面に設けられている。
このように、着座シート32に近い側を湾曲面に設けることにより、微小開弁範囲において凹部34内に流れ込んだオイルをスムーズにボール弁4にぶつけることができる(図5中の矢印参照)。即ち、凹部34によって開弁方向に向けられるオイルの流れ効率を高めることができ、凹部34によって効率良く離反力を生じさせることができる。この結果、微小開弁範囲における開弁力をさらに下げることができ、電磁アクチュエータ2の作動電圧を実施例2よりさらに下げることができる。
実施例4を図6を参照して説明する。
上記実施例2、3では、凹部34の底をテーパスライド31の軸方向の傾斜に略沿って傾斜させる例を示した。
これに対し、この実施例4の凹部34は、入力室14側から見て上下左右幅が略同じの矩形の窪みに設けられたものである。
上記実施例2、3では、凹部34の底をテーパスライド31の軸方向の傾斜に略沿って傾斜させる例を示した。
これに対し、この実施例4の凹部34は、入力室14側から見て上下左右幅が略同じの矩形の窪みに設けられたものである。
実施例5を図7を参照して説明する。
この実施例5の凹部34は、入力室14側から見て{図7(a)参照}、略円形の窪みに設けられたものであり、凹部34の底も球状な湾曲面に設けたものである。
この実施例5の凹部34は、入力室14側から見て{図7(a)参照}、略円形の窪みに設けられたものであり、凹部34の底も球状な湾曲面に設けたものである。
〔変形例〕
上記の実施例1〜3では凹部34を溝形状に設け、実施例4、5では凹部34を流体供給側から見て上下左右幅が略同じの窪みに設ける例を示したが、溝と窪みとを組み合わせて用いても良い。また、凹部34の数や形状は、実施例1〜5のものに限定されるものではなく、種々変更可能なものである。
上記の実施例1〜3では凹部34を溝形状に設け、実施例4、5では凹部34を流体供給側から見て上下左右幅が略同じの窪みに設ける例を示したが、溝と窪みとを組み合わせて用いても良い。また、凹部34の数や形状は、実施例1〜5のものに限定されるものではなく、種々変更可能なものである。
上記の実施例では、弁体の一例としてボール弁4を開示したが、少なくとも微小開弁時に弁体とテーパスライド31が軸方向にオーバーラップするものであれば良く、ピポット弁(円錐弁)など、他形状の弁体を持つバルブ装置に本発明を適用しても良い。
また、実施例6として図8に示すように、弁体4aが円錐形状または任意の曲面形状を有する軸対称形状を呈する場合、上記実施例においてテーパスライド31に設けていた複数の凹部34を、テーパスライド31と軸方向に対向する弁体4aの表面31aに設けても良い。このように、上記実施例で説明した凹部34の効果は、固定側のテーパスライド31だけでなく、可動側の弁体4aに設けても同様に得ることができる。即ち、弁体4aに設けた複数の凹部34によっても、流体反力を小さくする効果や、離反力を生じさせる効果を得ることができる。
なお、複数の凹部34を、固定側のテーパスライド31と、可動側の弁体4aの双方に設けることで、さらに効率良く流体反力を小さくしたり、離反力を大きくすることができる。
また、実施例6として図8に示すように、弁体4aが円錐形状または任意の曲面形状を有する軸対称形状を呈する場合、上記実施例においてテーパスライド31に設けていた複数の凹部34を、テーパスライド31と軸方向に対向する弁体4aの表面31aに設けても良い。このように、上記実施例で説明した凹部34の効果は、固定側のテーパスライド31だけでなく、可動側の弁体4aに設けても同様に得ることができる。即ち、弁体4aに設けた複数の凹部34によっても、流体反力を小さくする効果や、離反力を生じさせる効果を得ることができる。
なお、複数の凹部34を、固定側のテーパスライド31と、可動側の弁体4aの双方に設けることで、さらに効率良く流体反力を小さくしたり、離反力を大きくすることができる。
上記の実施例では、シート部に相当する入力側隔壁17を樹脂成形品とする例を示したが、鍛造技術を用いて入力側隔壁17を設けても複数の凹部34を設けることによるコスト上昇を防ぐことができる。また、実施例6で示したように、弁体4aに複数の凹部34を設ける場合においても、樹脂成形品とするか鍛造技術を用いて弁体4aを造形しても良い。さらに、切削等の技術によって凹部34を設けるものであっても良い。
上記の実施例では、三方弁構造のバルブ装置に本発明を適用する例を示したが、二方弁(開閉弁)構造や四方弁構造など、他の構造のバルブ装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、バルブ駆動手段として電磁アクチュエータ2を用いる例を示したが、ピエゾアクチュエータなど、他のアクチュエータを用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧コントローラに用いられるバルブ装置に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外のバルブ装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、三方弁構造のバルブ装置に本発明を適用する例を示したが、二方弁(開閉弁)構造や四方弁構造など、他の構造のバルブ装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、バルブ駆動手段として電磁アクチュエータ2を用いる例を示したが、ピエゾアクチュエータなど、他のアクチュエータを用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧コントローラに用いられるバルブ装置に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外のバルブ装置に本発明を適用しても良い。
1 三方弁
2 電磁アクチュエータ(バルブ駆動手段)
4 ボール弁(弁体)
4a 弁体
17 入力側隔壁(シート部)
21 入力弁口(弁開口)
31 テーパスライド
32 着座シート
33 口元エッジ部
34 凹部
34a 傾斜面
2 電磁アクチュエータ(バルブ駆動手段)
4 ボール弁(弁体)
4a 弁体
17 入力側隔壁(シート部)
21 入力弁口(弁開口)
31 テーパスライド
32 着座シート
33 口元エッジ部
34 凹部
34a 傾斜面
Claims (9)
- 流体が通過可能な弁開口、およびこの弁開口の周囲に設けられて流体供給側に向かって広がった形状を呈するテーパスライドを備えるシート部と、
このシート部よりも流体供給側に配置され、前記弁開口を開閉可能な弁体と、
この弁体を開弁方向へ駆動可能なバルブ駆動手段とを具備するバルブ装置において、
このバルブ装置は、前記弁体が前記テーパスライドと軸方向にオーバーラップした状態で、前記弁体が前記テーパスライドの着座シートに着座する構造であり、
前記テーパスライドは、前記着座シートの外径側において軸方向に窪んだ凹部を周方向に複数備えることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1に記載のバルブ装置において、
前記弁体は、前記着座シートに着座する際に、球面の一部が前記シート部と軸方向にオーバーラップするボール弁であることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブ装置において、
前記凹部は、径方向に伸びる溝、あるいは局部的な窪みであることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブ装置において、
前記凹部は、当該凹部内に流れ込む流体を内径方向へ導くように設けられ、
前記凹部の前記着座シートに近い側は、内径方向に導かれた流体を軸方向の流体供給側へ向かわせる傾斜面であることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項4に記載のバルブ装置において、
前記傾斜面は、湾曲した湾曲面であることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のバルブ装置において、
前記シート部は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品であることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1、請求項3〜請求項6のいずれかに記載のバルブ装置において、
前記弁体は、前記着座シートに着座する際に、一部が前記シート部と軸方向にオーバーラップする円錐形状または任意の曲面形状を有する軸対称形状の弁体であって、
前記凹部は、前記テーパスライドに代えて、前記弁体のうち前記テーパスライドと軸方向に対向する面に設けられていることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項7に記載のバルブ装置において、
前記弁体は、樹脂材料を成形型で成形した樹脂成形品であることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のバルブ装置において、
前記バルブ駆動手段は、通電量に応じた開弁力を発生する電磁アクチュエータであることを特徴とするバルブ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20101124 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20110329 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |