JP2018071584A - 電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動子を固定子による吸引力が大きい状態で移動させることができる電磁弁を提供すること。【解決手段】電磁弁10は、シート部材18に設けられた円錐面18a1を有する弁座18a及び弁座18aに連通する弁孔18bと、球面を有して弁座18aの円錐面18a1に対して着座及び離座する弁体19と、弁座18aの円錐面18a1の一部に円錐面18a1に連通して弁座18aの径方向に延在するように設けられた溝部18dと、を有する。溝部18dは、弁体19が弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動したときに弁体19と弁座18aの円錐面18a1との間に環状に形成される隙間Xを流体が流れる隙間流路断面積と、溝部18dの流体が流れる溝部流路断面積と、の和が弁孔18bの弁孔流路断面積以上となるように溝深さ及び溝部18dの溝幅が決定されて、弁座18aに設けられる。【選択図】図4
Description
本発明は、電磁弁に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された電磁弁(以下、「第一従来電磁弁」と称呼する。)が知られている。第一従来電磁弁は、非作動時にシート部に当接することで閉塞可能な可動子と、可動子の軸方向位置に配置された固定子と、可動子をシート部から離間する方向に移動するように電磁力を発生させるコイルと、可動子をシート部に向かって付勢する板状ばね部材と、を備えている。これにより、第一従来電磁弁の作動時においては、コイルへの通電により可動子が固定子に吸引されて、可動子がシート部から離間する方向に移動し、シート孔を介してブレーキ液が流れるようになっている。
又、従来から、例えば、下記特許文献2に開示された電磁弁(以下、「第二従来電磁弁」と称呼する。)も知られている。第二従来電磁弁は、コイルへの通電により可動鉄心が固定鉄心に吸引されて、可動鉄心の端部に設けられたバルブ部がバルブシートと接離して流路を開閉するようになっている。第二従来電磁弁では、バルブシートに調心用のテーパ面が設けられるとともに、このテーパ面の一部に段差部が設けられる。これにより、第二従来電磁弁においては、粘度の高い流体においても十分な流量が得られ、良好なシール性が得られるようになっている。
上記第一従来電磁弁においては、可動子(弁体)をシート部(弁座)から離間する方向に移動させてシート孔(弁孔)を介してブレーキ液(流体)を流す場合、可動子(弁体)とシート部(弁座)との間に形成される環状の隙間を流体が流れるときの流路断面積がシート孔(弁孔)を流体が流れる流路断面積以上としなければならない。換言すれば、上記第一従来電磁弁においては、環状の隙間を流体が流れる流路断面積がシート孔(弁孔)を流体が流れる流路断面積未満となるように、可動子(弁体)の移動量を小さくすることができない。ここで、本明細書、特許請求の範囲及び要約書において、流路断面積とは、流体の流れ方向に対して直交する断面において流体が流れる面積をいう。
一般に、図9にて破線により吸引力線図を示すように、コイルによって磁化された固定子が電磁力によって可動子を吸引する吸引力は、可動子の移動量が増大するにつれて急激に小さくなる。一方、図9にて一点鎖線により流量線図を示すように、弁孔を流れる流体の流量は、可動子の移動量が増大に伴って増大する。尚、流量は、弁孔の流路断面積によって決定されるので、可動子の移動量が一定以上に増大しても流量の増加は生じない。そして、このような吸引力及び流量と可動子の移動量との関係に基づいて、電磁弁における可動子の移動量は、図9に示すように、電磁弁に要求される要求流量に応じて決定される。
ところで、上記第一従来電磁弁においては、上述したように、環状の隙間によって決定される流路断面積をシート孔(弁孔)の流路断面積以上とするためには、可動子(弁体)の移動量を大きくする必要がある。これに対して、上記第二従来電磁弁では、バルブシート(弁座)に段差部(溝部)が設けられているので、バルブシート(弁体)に設けられた弁孔に向けた流体の流路即ち流路断面積を確保することができる。その結果、可動鉄心(可動子)が移動した際に形成される流体の合計された流路断面積を大きくすることができる。
しかしながら、上記第二従来電磁弁においては、増粘した流体の流動性を確保することを目的として補助的に段差部(溝部)が形成されており、段差部(溝部)の流路断面積を決定する形状(溝深さ及び溝幅)については何ら規定されていない。このため、段差部(溝部)が形成された場合であっても、流路断面積を確保するために可動子の移動量を大きくする必要がある。従って、上記第二従来電磁弁の場合においても、固定鉄心(固定子)による吸引力が小さくなる領域まで可動鉄心(可動子)を移動させる必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、可動子を固定子による吸引力が大きい状態で移動させることができる電磁弁を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る電磁弁の発明は、筒状のスリーブと、スリーブの一端側にて液密に固定されて、流体を流入させる流入路及び流体を流出させる流出路を有する筒状のバルブボディーと、スリーブの他端側にて液密に固定された柱状の固定子と、スリーブの内部にて、固定子とバルブボディーとの間に配置されて、スリーブの軸線に沿って移動する可動子と、可動子をスリーブの軸線に沿って付勢する付勢部材と、スリーブの外周に設けられて、可動子に対して付勢部材が発生する付勢力に抗した電磁力を通電により固定子に発生させるコイルと、バルブボディーの内部に固定されて、凹状の円錐面を有する弁座及び弁座に連通する弁孔を有するシート部材と、可動子と一体にスリーブの軸線に沿って移動し、球面を有して弁座の円錐面に対して着座及び離座する弁体と、弁座の円錐面の一部に円錐面に連通して弁座の径方向に延在するように設けられた溝部と、を備えた電磁弁であって、流入路から弁孔を介して流出路に向けて流体が流れる吐出流路における弁孔の流体が流れる流路断面積である弁孔流路断面積は、流入路及び流出路の流体が流れる流路断面積よりも小さくなっており、弁体が可動子とともに弁座の円錐面から離座する方向にて移動したときに弁体と弁座の円錐面との間に環状に形成される隙間を流体が流れる流路断面積である隙間流路断面積と、溝部の流体が流れる流路断面積である溝部流路断面積と、の和が、弁孔流路断面積以上となるように溝部の溝深さ及び溝部の溝幅が決定され、決定された溝深さ及び溝幅を有するように溝部が弁座に設けられる。
これによれば、隙間流路断面積と溝部流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となるように決定された溝深さ及び溝幅を有する溝部が弁座に設けられる。ここで、吐出流路において、流体の流量は、弁孔の弁孔流路断面積に依存する。従って、溝部流路断面積を有する溝部が弁座に形成されることにより、隙間流路断面積を弁孔流路断面積よりも小さくすることができる。これにより、弁体と一体に弁座の円錐面から離座する方向にて移動する可動子の移動量を、隙間流路断面積が弁孔流路断面積以上となるまで可動子を移動させる場合に比して、小さくすることができる。その結果、コイルへの通電により固定子が発生する電磁力即ち吸引力が大きい状態で、固定子は、可動子を移動させることができる。
従って、固定子は、可動子を応答性良く移動させることができる。これにより、コイルの小型化を実現することができるとともに、低電力化を達成することができる。又、可動子の移動量が小さくすることができるので、弁体が弁座の円錐面に着座する際の当接に伴う衝撃を低減することができる。その結果、弁体及び弁座の円錐面の変形や摩耗を低減することができ、電磁弁の耐久性を向上させることができる。又、弁体及び弁座の円錐面の変形や摩耗を低減することができることにより、弁体と弁座とによるシール性を長期間に渡り良好に維持することができ、良好な流量特性を発揮することができる。更に、弁座に溝部を設けることができるので、可動子(弁体)の移動量が小さい場合であっても、流体を必要な流量で弁孔に流すことができる。従って、例えば、オリフィスとして作用する弁孔の弁孔流路断面積を大きくして大流量が要求される場合であっても、この要求に対応して溝部の溝深さ及び溝幅を決定することができる。これにより、電磁弁は、可動子の移動量を小さくできるとともに、流体を適切な流量に制御して吐出することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び各変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一の符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
本実施形態の電磁弁10は、図1に示すように、通電時に開弁し(連通状態)、非通電時に閉弁する(遮断状態)常閉型の電磁弁である。電磁弁10は、筒状のハウジング11を備えている。ハウジング11は、筒状のスリーブ12と、このスリーブ12の一端側(図1にて上下方向下側)に液密に固定された円筒状のバルブボディー13と、を備えている。
スリーブ12は、非磁性体材料から形成されている。スリーブ12は、他端側(図1にて上下方向上側)に固定子14が液密に固定されている。固定子14は、磁性体材料から柱状に形成されている。又、スリーブ12は、内部にて、固定子14とバルブボディー13との間に配置されて、スリーブ12即ちハウジング11の軸線Joに沿って移動する可動子としてのプランジャー15を収容している。プランジャー15は、磁性体材料から柱状に形成されている。ここで、固定子14のプランジャー15に対向する面(図1にて上下方向下側)には、近接するプランジャー15と当接して、プランジャー15の移動を規制するストッパ部14aが設けられている。
又、スリーブ12は、固定子14とプランジャー15との間に圧縮状態で組み付けられて、プランジャー15をスリーブ12(即ちハウジング11)の軸線Joに沿って付勢する付勢部材としてのスプリング16を収容している。より具体的に、スプリング16は、プランジャー15の一端側(図1にて上下方向上側)に設けられた収容穴15aの内部に収容される。これにより、プランジャー15は、スプリング16の付勢力により、スリーブ12(即ちハウジング11)の軸線Joに沿ってバルブボディー13に向けて付勢される。
スリーブ12の外周には、コイル17が組み付けられている。コイル17は、ヨーク17aを備えており、通電されることにより、固定子14にプランジャー15に対してスプリング16の荷重(付勢力)に抗した電磁力(吸引力)を発生させる。
バルブボディー13は、図1に示すように、磁性体材料から軸線Joに沿って延出する有底筒状に形成されている。バルブボディー13の開放端側(図1にて上下方向上側)には、環状の突部13aが形成されており、スリーブ12の一端側に挿入されて液密に固定されている。本実施形態においては、バルブボディー13の開放端側と底側との間の中央部分における周方向に、流体を流入させる流入路13bが設けられている。又、本実施形態においては、バルブボディー13の底側(図1にて上下方向下側)に、流体を流出させる流出路13cが設けられている。更に、バルブボディー13の内部且つ底側(図1にて上下方向下側)には、シート部材18が液密に固定されている。
シート部材18は、非磁性体材料から柱状に形成されている。シート部材18は、図1に示すように、軸線Joと同軸となるように、弁座18a、弁孔18b及び流出孔18cが形成されている。弁座18aは、プランジャー15と一体に移動する後述の弁体19と当接(着座又は離座)可能とされている。弁座18aは、図1、図2及び図3に詳細に示すように、軸線Joに沿った断面形状が弁体19に向けて凹状となる円錐面18a1を有する円錐状に形成されている。これにより、弁体19が弁座18aに着座した場合、弁体19と弁座18aとの軸線が一致するように、調心されるようになっている。
本実施形態における弁孔18bは、弁座18aに対して弁体19が離座することにより、バルブボディー13に設けられた流入路13bから流入した流体を流出孔18cに流すものである。弁孔18bの内径は、図1に示すように、流入路13bの内径及び流出孔18cの内径に比して小さくなっている。又、図3に具体的に示すように、弁孔18bの最小内径Rvは、弁体19が弁座18aに着座したときに、後述する弁体19の先端部19bと弁座18aの円錐面18a1とが当接して流体の流れを遮断するシール部分18a2の直径(シール径Rs×2)よりも小さくなっている。
ところで、電磁弁10においては、流体は、流入路13b、弁孔18b、及び、流出路13c(流出孔18c)から形成される流路を流れて吐出される。尚、以下の説明において、流入路13b、弁孔18b、流出孔18c及び流出路13cから形成される流路を「吐出流路」と称呼する。
このため、弁孔18bが上述したように、吐出流路において最小の内径を有することにより、弁孔18bを流体が流れるときの流路断面積(以下、この流路断面積を「弁孔流路断面積」と称呼する。)は、吐出流路において最も小さい。これにより、弁孔18bは、吐出流路を流れる流体に対して、所謂、オリフィスとして作用する。従って、電磁弁10は、流入路13bから流入し、弁孔18bを介して流出孔18cから流出する流体の流量を調整するようになっている。
弁体19は、図1に示すように、非磁性体材料から軸線Joの方向に突出する球面を有するように形成されている。弁体19は、突部19aがプランジャー15の他面側(図1にて上下方向下側)に形成された取付穴15bに対して固定され、プランジャー15と一体に軸線Joの方向に沿って移動するようになっている。弁体19の先端部19bは、球状に形成されており、弁座18aに対して着座又は離座する。本実施形態における電磁弁10は、コイル17に通電されない場合に弁体19(先端部19b)がシート部材18の弁座18aに着座する常閉型の電磁弁である。
電磁弁10においては、図1、図2、図3及び図4に示すように、弁座18aの円錐面18a1の一部に一以上の溝部18dが設けられる。尚、本実施形態においては、図2に示すように、弁座18aに溝部18dを四つ設ける。この場合、溝部18dは、弁座18aの円錐面18a1の一部に、周方向に沿って均等な間隔によって設けられる。
溝部18dは、図2及び図3に示すように、弁座18aの円錐面18a1に連通して弁座18aの径方向に延在するように設けられている。溝部18dは、溝底18d1及び互いに対向する一対の溝壁18d2を有している。弁座18aの径方向に延在する溝部18dにおいて、溝長さ(図1にて左右方向)については、図2、図3及び図4に示すように、シート部材18の外周面からシール部分18a2に届かない位置となるように、円錐面18a1に連通するように設けられている。そして、溝部18dは、シート部材18の上面18eから溝底18d1までの距離を表す溝深さ(図3にて上下方向)及びシート部材18の径方向(図2にて上下左右方向)における一対の溝壁18d2間の距離を表す溝幅が以下の説明のように決定されて設けられる。
先ず、溝部18dは、流体が流れるとき、溝深さ及び溝幅によって決定される流路断面積(以下、この流路断面積を「溝部流路断面積」と称呼する。)により、流体を弁孔18bに向けて流す。尚、本実施形態においては、溝部18dが四つ設けられる。従って、溝部流路断面積は、四つの溝部18dの流路断面積の和となる。又、弁座18aにおいては、図4に示すように、弁体19の先端部19bが弁座18aの円錐面18a1から離座する方向に移動したときに、弁座18aの円錐面18a1と弁体19の先端部19bの球面との間に環状の隙間Xが形成される。従って、流体は、環状の隙間Xによって決定される流路断面積(以下、「隙間流路断面積」と称呼する。)により流れる。
ここで、電磁弁10が流入路13bから流入した流体を流出路13cから吐出する場合において、上述したように、吐出流路では弁孔18bにおける弁孔流路断面積が最小となる。従って、電磁弁10が要求される流量で流体を吐出するためには、溝部18d及び環状の隙間Xがオリフィスとして作用しないようにする必要がある。即ち、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積よりも小さくなると、溝部18d及び環状の隙間Xがオリフィスとして作用してしまう。従って、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積以上になる必要がある。
そこで、溝部18dの溝深さ及び溝幅を決定する場合、溝部流路断面積がオリフィスとして作用する弁孔18bの弁孔流路断面積以上となるように、溝深さ及び溝幅が決定される。このため、溝深さ及び溝幅は、以下に示す拘束条件を満たすように決定される。
先ず、溝部18dの溝深さについては、溝部18dの溝底18d1が以下の拘束条件を満たすように決定される。具体的に、図4に示すように、溝部18dの溝底18d1は、着座状態において弁体19の先端部19bと弁座18aの円錐面18a1との周状のシール部分18a2を含み軸線Joに直交する第一平面H1よりも、弁体19が弁座18aから離座する方向(図4にて上下方向上側)に位置している必要がある。又、図4にて破線により示すように、弁体19が弁座18aから離座する方向に移動すると、形成される隙間のうち、最小の隙間Xが環状に形成される。そして、弁体19が弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動して隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときに形成される隙間のうち、最小の隙間Xm(以下、この隙間Xmを「特定隙間Xm」と称呼する。)が存在する。この場合、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積に等しいとすると、溝部流路断面積がゼロとなる。従って、溝部18dの溝底18d1は、特定隙間Xmとなる弁座18aの円錐面18a1上の特定点18a3(円錐面上の点)を含み軸線Joに直交する第二平面H2よりも、弁体19が弁座18aに着座する方向(図4にて上下方向下側)に位置している必要がある。
このように、溝部18dの溝深さを決定する場合には、溝底18d1の軸線Joに沿った形成位置が上述した拘束条件を満たすように決定される。即ち、溝底18d1は、軸線Joに沿って、弁体19と弁座18aとによって形成されるシール部分18a2を含む第一平面H1よりも弁体19の離座方向であり、且つ、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときに形成される特定隙間Xmとなる弁座18aの特定点18a3(円錐面上の点)を含むH2よりも弁体19の着座方向に設けられる。そして、このように溝底18d1が設けられることにより、溝部18dの溝深さが決定される。
次に、溝部18dの溝幅については、溝部18dの溝壁18d2が以下の拘束条件を満たすように決定される。具体的に、図2及び図3に示すように、シール部分18a2の直径(シール径Rs×2)よりも、互いに対向する一対の溝壁18d2間の距離即ち溝幅が小さくなるように決定される。このように、溝部18dの溝深さ及び溝幅は、上記拘束条件を満たし、且つ、プランジャー15の移動量Sが隙間流路断面積の弁孔流路断面積と等しくなるときの移動量未満にて溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となるように、決定される。
ところで、弁座18aには、上述したように、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となるように、溝深さ及び溝幅の決定された溝部18dが設けられる。これにより、上述した特定隙間Xmよりも小さな隙間Xにおける隙間流路断面積であっても、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となる。これにより、弁体19即ちプランジャー15の移動量Sは、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときのプランジャー15の移動量未満に小さくなる。
プランジャー15の移動量Sが、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときのプランジャー15の移動量未満に小さくなると、図5に示すように、固定子14とプランジャー15と間隔を小さくすることができる。ここで、図6にて破線により吸引力線図を示すように、コイル17に通電されて固定子14がプランジャー15を吸引する吸引力は、固定子14とプランジャー15との間隔が小さいほど大きくなる。換言すれば、固定子14が発生する吸引力は、プランジャー15の移動量Sが小さいほど大きくなる。従って、図6に示すように、プランジャー15の移動量Sが、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときのプランジャー15の移動量未満に小さい場合には、固定子14は、吸引力が大きい領域でプランジャー15を吸引して弁体19を弁座18aから離座させることができる。
一方、図6にて一点鎖線により流量線図を示すように、弁座18aに溝部18dを設けない電磁弁(以下、「比較品」と称呼する。)では、弁孔を流れる流体の流量は、上述したように、プランジャー15の移動量が増加するにつれて徐々増加し、その後、プランジャー15の移動量に拘わらず一定になる。このため、比較品においては、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときのプランジャー(可動子)の移動量S1以上となるように大きくしなければ、要求流量を達成することができない。
これに対し、電磁弁10においては、弁座18aに溝部18dが設けられる。そして、弁座18aに溝部18dを設けることにより、プランジャー15(弁体19)の移動量Sが比較品の移動量S1よりも小さくても、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和を弁孔流路断面積以上となる。従って、図6にて太実線により電磁弁10の流量線図を示すように、プランジャー15(弁体19)の移動量Sが比較品のプランジャーの移動量S1(即ち、隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときのプランジャー15の移動量に相当)未満で小さいときであっても、吐出流路を経て吐出される流体の流量を十分に確保することができる。
以上の説明からも理解できるように、実施形態の電磁弁10においては、流入路13bから弁孔18bを介して流出路13cに向けて流体が流れる吐出流路における弁孔18bの流体が流れる流路断面積である弁孔流路断面積は、流入路13b及び流出路13cの流体が流れる流路断面積よりも小さくなっており、弁体19が可動子であるプランジャー15とともに弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動したときに弁体19と弁座18aの円錐面18a1との間に環状に形成される隙間Xを流体が流れる流路断面積である隙間流路断面積と、溝部18dの流体が流れる流路断面積である溝部流路断面積と、の和が、弁孔流路断面積以上となるように溝部18dの溝深さ及び溝部18dの溝幅が決定され、決定された溝深さ及び溝幅を有するように溝部18dが弁座18aに設けられる。
これによれば、隙間流路断面積と溝部流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となるように決定された溝深さ及び溝幅を有する溝部18dが凹状の円錐面18a1を有する弁座18aに設けられる。ここで、吐出流路において、流体の流量は、弁孔18bの弁孔流路断面積に依存する。従って、溝部流路断面積を有する溝部18dが弁座18aに形成されることにより、隙間流路断面積を弁孔流路断面積よりも小さくすることができる。これにより、弁体19と一体に弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動するプランジャー15の移動量Sを、隙間流路断面積が弁孔流路断面積以上となるまでプランジャー15を移動させる場合に比して、小さくすることができる。その結果、コイル17への通電により固定子14が発生する電磁力即ち吸引力が大きい状態で、固定子14は、プランジャー15を移動させることができる。
従って、固定子14は、プランジャー15を応答性良く移動させることができる。これにより、コイル17の小型化を実現することができるとともに、低電力化を達成することができる。又、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができるので、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座する際の当接に伴う衝撃を低減することができる。その結果、弁体19及び弁座18aの円錐面18a1の変形や摩耗を低減することができ、電磁弁10の耐久性を向上させることができる。又、弁体19及び弁座18aの円錐面18a1の変形や摩耗を低減することができることにより、弁体19と弁座18aとによるシール性を長期間に渡り良好に維持することができ、良好な流量特性を発揮することができる。更に、弁座18aに溝部18dを設けることができるので、プランジャー15(弁体19)の移動量Sが小さい場合であっても、流体を必要な流量で弁孔18bに流すことができる。従って、例えば、オリフィスとして作用する弁孔18bの弁孔流路断面積を大きくして大流量が要求される場合であっても、この要求に対応して溝部18dの溝深さ(溝底18d1)及び溝幅(対向する一対の溝壁18d2)を決定することができる。これにより、電磁弁10は、プランジャー15の移動量Sを小さくできるとともに、流体を適切な流量に制御して吐出することができる。
又、この場合、溝深さは、溝部18dを構成する溝底18d1のスリーブ12の軸線Joに沿った位置に対応しており、溝底18d1は、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座したときに形成されて流体の流れを遮断する周状のシール部分18a2を含み、スリーブ12の軸線Joに直交する第一平面H1と、弁体19が弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動することによって隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときに弁体19と弁座18aの円錐面18a1との間に形成される隙間のうち、最小の隙間である特定隙間Xmとなる弁座18aの円錐面18a1上の特定点18a3(円錐面上の点)を含み、スリーブ12の軸線Joに直交する第二平面H2と、の間に位置するように設けられる。
これによれば、シール部分18a2におけるシール性を確保するとともに、隙間流路断面積を小さくする溝部流路断面積を有するように、溝底18d1の位置即ち溝部18dの溝深さを決定することができる。従って、隙間流路断面積を小さくすることができるので、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができる。その結果、固定子14は、吸引力の大きい状態で、プランジャー15を移動させることができる。これにより、応答性良く弁体19を弁座18aに対して着座又は離座させることができる。又、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができるので、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座する際の衝撃を低減して、耐久性及びシール性を長期間に渡り維持することができる。
又、これらの場合、溝幅は、溝部18dを構成して互いに対向する一対の溝壁18d2の間の距離に対応しており、溝壁18d2は、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座したときに形成されて流体の流れを遮断する周状のシール部分18a2の直径よりも小さな距離となるように設けられる。
これによれば、隙間流路断面積を小さくする溝部流路断面積を有するように、対向する溝壁18d2の間の距離即ち溝部18dの溝幅を決定することができる。従って、隙間流路断面積を小さくすることができるので、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができる。その結果、固定子14は、吸引力の大きい状態で、プランジャー15を移動させることができる。これにより、応答性良く弁体19を弁座18aに対して着座又は離座させることができる。又、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができるので、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座する際の衝撃を低減して、耐久性及びシール性を長期間に渡り維持することができる。
又、これらの場合、プランジャー15は、弁体19が弁座18aの円錐面18a1から離座する方向にて移動することによって形成される隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときの移動量未満の移動量Sでスリーブ12の軸線Joに沿って移動する。
これによれば、プランジャー15の移動量Sを隙間流路断面積が弁孔流路断面積と等しくなるときの移動量未満に小さくすることができるので、固定子14は、吸引力の大きい状態で、プランジャー15を移動させることができる。これにより、応答性良く弁体19を弁座18aに対して着座又は離座させることができる。又、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができるので、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座する際の衝撃を低減して、耐久性及びシール性を長期間に渡り維持することができる。
(第一変形例)
上記実施形態においては、溝部18dの溝底18d1の断面形状を直線となるように設けた。しかしながら、溝部18dの溝底18d1の断面形状については、必ずしも直線である必要はない。溝底18d1の断面形状については、図7に示すように、例えば、円弧状であっても良い。この場合、シール部分18a2の近傍、例えば、軸線Joから弁体19の弁体半径Rbに相当する位置までは、少なくとも溝底18d1が上記拘束条件を満たし、弁体19の弁体半径Rbに相当する位置よりも外側については、特定隙間Xm以上の隙間Xであれば上記拘束条件を満たす必要はない。尚、溝底18d1の断面形状については、流体が溝部18dを流れる際に抵抗を生じないように滑らかに流れる形状、例えば、弁孔18bから離間するほど溝深さが浅くなるようなテーパや流線型のような形状が好ましい。
上記実施形態においては、溝部18dの溝底18d1の断面形状を直線となるように設けた。しかしながら、溝部18dの溝底18d1の断面形状については、必ずしも直線である必要はない。溝底18d1の断面形状については、図7に示すように、例えば、円弧状であっても良い。この場合、シール部分18a2の近傍、例えば、軸線Joから弁体19の弁体半径Rbに相当する位置までは、少なくとも溝底18d1が上記拘束条件を満たし、弁体19の弁体半径Rbに相当する位置よりも外側については、特定隙間Xm以上の隙間Xであれば上記拘束条件を満たす必要はない。尚、溝底18d1の断面形状については、流体が溝部18dを流れる際に抵抗を生じないように滑らかに流れる形状、例えば、弁孔18bから離間するほど溝深さが浅くなるようなテーパや流線型のような形状が好ましい。
(第二変形例)
上記実施形態においては、バルブボディー13に対して、図1にて上下方向上側に流入路13bを設け、図1にて上下方向下側に流出路13cを設けるようにした。しかしながら、流入路及び流出路については、これに限定されるものではなく、上記実施形態における流入路13bを流出路とし、上記実施形態における流出路13cを流入路とすることも可能である。即ち、この場合においては、吐出流路における流体の流れ方向が逆向きになる。このように、吐出流路における流体の流れ方向が逆になっても、電磁弁10においては、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態においては、バルブボディー13に対して、図1にて上下方向上側に流入路13bを設け、図1にて上下方向下側に流出路13cを設けるようにした。しかしながら、流入路及び流出路については、これに限定されるものではなく、上記実施形態における流入路13bを流出路とし、上記実施形態における流出路13cを流入路とすることも可能である。即ち、この場合においては、吐出流路における流体の流れ方向が逆向きになる。このように、吐出流路における流体の流れ方向が逆になっても、電磁弁10においては、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(第三変形例)
電磁弁10は、コイル17への通電が遮断された非通電時において、弁体19の先端部19bが弁座18aから離座する常開型の電磁弁とすることも可能である。この場合には、スプリング16が、例えば、プランジャー15の他端側(図1にて上下方向下側)とバルブボディー13の突部13aの先端部(図1にて上下方向上側)との間、又は、プランジャー15の他端側(図1にて上下方向下側)とシート部材18の上面18eとの間にて、圧縮状態で組み付けられる。
電磁弁10は、コイル17への通電が遮断された非通電時において、弁体19の先端部19bが弁座18aから離座する常開型の電磁弁とすることも可能である。この場合には、スプリング16が、例えば、プランジャー15の他端側(図1にて上下方向下側)とバルブボディー13の突部13aの先端部(図1にて上下方向上側)との間、又は、プランジャー15の他端側(図1にて上下方向下側)とシート部材18の上面18eとの間にて、圧縮状態で組み付けられる。
電磁弁10が常開型の電磁弁であっても、溝部流路断面積と隙間流路断面積との和が弁孔流路断面積以上となるように、弁座18aに溝部18dを設けることにより、プランジャー15の移動量を小さくすることができる。又、プランジャー15の移動量が小さくなることにより、固定子14による吸引力が大きい領域でプランジャー15を吸引することができる。その結果、コイル17への通電に応じて、プランジャー15を応答性良く着座させることができる。従って、電磁弁10が常開型の電磁弁であっても、上記実施形態及び各変形例と同様の効果が得られる。
ところで、上記各実施形態及び各変形例において説明した電磁弁10は、例えば、車両のブレーキ制御システムを構成する電磁弁に適用することができる。以下、電磁弁10を適用することができるブレーキ制御システムを図8を用いて簡単に説明する。
ブレーキ制御システムにおいて、電磁弁10はアクチュエータ5に組み込まれる。ブレーキ制御システムは、シリンダ機構23として、マスタシリンダ(M/C)230と、マスタピストン231,232と、マスタリザーバ233と、を備えている。ホイールシリンダ24,25,26,27は、それぞれ、左後輪RL、右後輪RR、左前輪FL、右前輪FRに配置されて、制動力を付与する。マスタシリンダ230とホイールシリンダ24〜27は、アクチュエータ5を介して接続されている。
ブレーキ制御システムにおいては、運転者がブレーキ操作部材21を踏み込むと、倍力装置22により踏力が倍力され、マスタシリンダ230内のマスタピストン231,232が押圧される。これにより、第一マスタ室230a及び第二マスタ室230bに同圧のマスタシリンダ圧が発生する。マスタシリンダ圧は、アクチュエータ5を介してホイールシリンダ24〜27に伝達される。
アクチュエータ5は、ブレーキ制御装置6の指示に応じて、ホイールシリンダ24〜27の液圧(以下、ホイール圧と称呼する。)を制御する装置である。具体的に、アクチュエータ5は、図11に示すように、油圧回路50を備えている。油圧回路50は、第一配管系統50aと、第二配管系統50bと、を備えている。第一配管系統50aは、左後輪RL及び右後輪RRに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。第二配管系統50bは、左前輪FL及び右前輪FRに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。
第一配管系統50aは、主管路Aと、差圧制御弁51と、増圧弁52,53と、減圧管路Bと、減圧弁54,55と、調圧リザーバ56と、還流管路Cと、補助管路Dと、を備えており、これらをブレーキ制御装置6が制御して、所謂、自動ブレーキ制御や横滑り防止制御を行うことができる。この場合、上記実施形態及び各変形例で示した電磁弁10は、差圧制御弁51、増圧弁52,53及び減圧弁54,55のそれぞれに適用することができる。
車両のブレーキ制御システムの差圧制御弁51、増圧弁52,53及び減圧弁54,55に上述した電磁弁10が適用された場合、例えば、自動ブレーキ制御や横滑り防止制御に伴って、電磁弁10の開閉作動回数が増大することが考えられる。ところで、電磁弁10においては、上述したように、プランジャー15即ち弁体19は、移動量Sが小さく、且つ、固定子14による吸引力の大きい領域で着座又は離座することができる。
これにより、車両のブレーキ制御システムにおいて自動ブレーキ制御や横滑り防止制御によって電磁弁10の開閉作動回数が増大しても、プランジャー15の移動量Sを小さくすることができるので、弁体19が弁座18aの円錐面18a1に着座する際の当接に伴う衝撃を低減することができる。その結果、弁体19及び弁座18aの円錐面18a1の変形や摩耗を低減することができ、電磁弁10の耐久性を向上させることができる。又、弁体19及び弁座18aの円錐面18a1の変形や摩耗を低減することができることにより、弁体19と弁座18aとによるシール性を長期間に渡り良好に維持することができ、良好な流量特性を発揮することができる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及び上記各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態及び各変形例においては、付勢部材として、スプリング16を用いた。この場合、スプリング16を用いることに代えて、例えば、ゴム材料を用いることも可能である。この場合においても、プランジャー15は、ゴム材料によってスリーブ12の軸線Jo方向に付勢されるので、弁体19を弁座18aの円錐面18a1に対して着座又は離座させることができる。
1…逆止弁、5…アクチュエータ、6…ブレーキ制御装置、7…ダンパ、8…モータ、10…電磁弁、11…ハウジング、12…スリーブ、13…バルブボディー、13a…突部、13b…流入路、13c…流出路、14…固定子、14a…ストッパ部、15…プランジャー、15a…収容穴、15b…取付穴、16…スプリング、17…コイル、17a…ヨーク、18…シート部材、18a…弁座、18a1…円錐面、18a2…シール部分、18a3…特定点、18b…弁孔、18c…流出孔、18d…溝部、18d1…溝底、18d2…溝壁、18e…上面、19…弁体、19a…突部、19b…先端部、H1…第一平面、H2…第二平面、Jo…軸線、Rb…弁体半径、Rs…シール径、Rv…最小内径、S…移動量、X…隙間、Xm…特定隙間、50…油圧回路、51…差圧制御弁(電磁弁)、52,53…増圧弁(電磁弁)、54,55…減圧弁(電磁弁)
Claims (4)
- 筒状のスリーブと、
前記スリーブの一端側にて液密に固定されて、流体を流入させる流入路及び前記流体を流出させる流出路を有する筒状のバルブボディーと、
前記スリーブの他端側にて液密に固定された柱状の固定子と、
前記スリーブの内部にて、前記固定子と前記バルブボディーとの間に配置されて、前記スリーブの軸線に沿って移動する可動子と、
前記可動子を前記スリーブの軸線に沿って付勢する付勢部材と、
前記スリーブの外周に設けられて、前記可動子に対して前記付勢部材が発生する付勢力に抗した電磁力を通電により前記固定子に発生させるコイルと、
前記バルブボディーの内部にて固定されて、凹状の円錐面を有する弁座及び前記弁座に連通する弁孔を有するシート部材と、
前記可動子と一体に前記スリーブの前記軸線に沿って移動し、球面を有して前記弁座の前記円錐面に対して着座及び離座する弁体と、
前記弁座の前記円錐面の一部に前記円錐面に連通して前記弁座の径方向に延在するように設けられた溝部と、を備えた電磁弁であって、
前記流入路から前記弁孔を介して前記流出路に向けて前記流体が流れる吐出流路における前記弁孔の前記流体が流れる流路断面積である弁孔流路断面積は、前記流入路及び前記流出路の前記流体が流れる流路断面積よりも小さくなっており、
前記弁体が前記可動子とともに前記弁座の前記円錐面から離座する方向にて移動したときに前記弁体と前記弁座の前記円錐面との間に環状に形成される隙間を前記流体が流れる流路断面積である隙間流路断面積と、前記溝部の前記流体が流れる流路断面積である溝部流路断面積と、の和が、前記弁孔流路断面積以上となるように前記溝部の溝深さ及び前記溝部の溝幅が決定され、
決定された前記溝深さ及び前記溝幅を有するように前記溝部が前記弁座に設けられる電磁弁。 - 前記溝深さは、前記溝部を構成する溝底の前記スリーブの前記軸線に沿った位置に対応しており、
前記溝底は、
前記弁体が前記弁座の前記円錐面に着座したときに形成されて前記流体の流れを遮断する周状のシール部分を含み、前記スリーブの前記軸線に直交する第一平面と、
前記弁体が前記弁座の前記円錐面から離座する方向にて移動することによって前記隙間流路断面積が前記弁孔流路断面積と等しくなるときに前記弁体と前記弁座の前記円錐面との間に形成される隙間のうち、最小の隙間である特定隙間となる前記弁座の前記円錐面上の点を含み、前記スリーブの前記軸線に直交する第二平面と、の間に位置するように設けられる請求項1に記載の電磁弁。 - 前記溝幅は、前記溝部を構成して互いに対向する一対の溝壁の間の距離に対応しており、
前記溝壁は、
前記弁体が前記弁座の前記円錐面に着座したときに形成されて前記流体の流れを遮断する周状のシール部分の直径よりも小さな距離となるように設けられる請求項1又は請求項2に記載の電磁弁。 - 前記可動子は、
前記弁体が前記弁座の前記円錐面から離座する方向にて移動することによって形成される前記隙間流路断面積が前記弁孔流路断面積と等しくなるときの移動量未満の移動量で前記スリーブの前記軸線に沿って移動する請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の電磁弁。
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-
2016
- 2016-10-25 JP JP2016209018A patent/JP2018071584A/ja active Pending
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