JP4297860B2 - 小型滑走艇用内燃機関 - Google Patents

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    • B63B34/10Power-driven personal watercraft, e.g. water scooters; Accessories therefor

Description

本発明は、水上を走行する小型滑走艇に搭載される内燃機関に関する。
小型滑走艇は、ハルとデッキとで囲まれた船体内にジェット推進ポンプを駆動する内燃機関が搭載され、デッキ上に操縦者等乗員が搭乗するので、内燃機関が略密閉状態で収容されるハルとデッキとで構成される船体内空間は狭い。
そのため、内燃機関としてはコンパクトなものが要求される。
一方、内燃機関のピストンの往復動に伴う振動のうち2次振動を防止する2次バランサは、そのバランサシャフトをクランクシャフトと平行に配置して連動回転するようにしているが、このバランサシャフトをクランクシャフトの側方に配置させることで、内燃機関がバランサシャフト分膨出している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−35201号公報
同特許文献1におけるバランサシャフトは、クランクケースとシリンダブロックの割り面にクランクシャフトと平行に配置され、クランクケースとシリンダブロックの互いに対向するリブの割り面に形成されるクランクシャフト軸受にクランクシャフトが回転自在に挟持され、その同じ1対のリブに形成されたバランサシャフト軸受にバランサシャフトが回転自在に挟持されている。
バランサシャフトは前記1対のリブの両バランサシャフト軸受に両端を軸支されており、同1対のリブは、平行で常に等距離離れており、同1対のリブの両バランサシャフト軸受間は、両クランクシャフト軸受間と同じ距離ある。
したがって、このバランサシャフトにより膨出して内燃機関が拡大する部分は、少なくともこの両クランクシャフト軸受間の距離に亘って存在して内燃機関の小型化を妨げている。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、バランサシャフトによる内燃機関の拡大する部分を極力狭い範囲に抑え内燃機関の小型化を図った小型滑走艇用内燃機関を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の小型滑走艇用内燃機関は、ハルとデッキとで囲まれた船体内にジェット推進ポンプを駆動する内燃機関が搭載され、前記デッキ上に乗員が搭乗する小型滑走艇にクランクシャフトが船体長手方向である前後方向に指向して搭載される小型滑走艇用内燃機関において、該内燃機関のクランクケースとシリンダブロックの割り面にクランクシャフトとともに2次振動を防止するバランサシャフトが互いに平行に配置され、前記クランクケースと前記シリンダブロックに、互いに対向して前後方向に複数立設されたリブの割り面に前記クランクシャフトが回転自在に挟持されるクランクシャフト軸受が形成され、前記前後方向に複数のリブのうち選択された前後1対のリブの割り面に前記バランサシャフトが回転自在に挟持されるバランサシャフト軸受が形成され、前記前後1対のリブの少なくとも一方のリブにおいて前記クランクシャフト軸受よりも前記バランサシャフト軸受が他方のリブに近づく方向に偏倚し、前記バランサシャフトに一体に形成されるバランサウエイトは、前記偏倚したバランサシャフト軸受により分割され、分割された一方のバランサウエイトが片持ち支持され、他方の両持ち支持されるバランスウエイトがさらに分割され、前記片持ち支持されたバランスウエイトは前記偏倚したバランサシャフト軸受を挟んで反対側に隣り合うバランスウエイトより軸方向幅が大きいことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の小型滑走艇用内燃機関において、前記両持ち支持され分割されたバランスウエイトのうち前記片持ち支持されるバランスウエイトから遠い側のバランスウエイトは、近い側のバランスウエイトより軸方向幅が大きく、かつ前記片持ち支持されるバランスウエイトより軸方向幅が小さいことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の小型滑走艇用内燃機関において、前記バランサシャフトには、同バランサシャフトを回転自在に挟持する最前側の外壁をなすリブの内面に沿ってドリブンギアが形成されることを特徴とする。
請求項1記載の小型滑走艇用内燃機関によれば、クランクシャフトの側方に平行に配置されるバランサシャフトは、その前後1対のリブの両クランクシャフト軸受間より狭い間隔の両バランサシャフト軸受によって軸支されるので、バランサシャフトによる内燃機関の拡大する部分を極力狭い範囲に抑え小型化を図ることができ、空きスペースを利用して補機類などを配置できる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図17に基づいて説明する。
本実施の形態に係る小型滑走艇用内燃機関20を搭載した小型滑走艇1の側面図を図1に、同平面図を図2に、その断面図を図3に図示する。
本小型滑走艇1は、下側の船底を形成するハル3と上側のデッキ4により内部に空間を形成して浮体構造をなす船体2が構成され、船体2内の空間に内燃機関20が収容され、船体2上のデッキ4の中央のシート5に乗員が1人〜3人鞍乗りに着座し、シート5の前方のバーハンドル6を操作して操縦する小型鞍乗り型船舶である。
この小型滑走艇1の推進手段は、内燃機関20により駆動されるジェット推進ポンプ10であり、ハル3の後部に配置されている。
ジェット推進ポンプ10は、軸流式ポンプで、船底に開口した取水口12から船体後端に開口した噴流口に設けられたノズル13に至る流路にインペラ11が介装された構造(図17参照)をしており、インペラ11のシャフト15が内燃機関20のクランクシャフト21に継手56を介して連結されている。
したがって、内燃機関20によりシャフト15を介してインペラ11が回転駆動されると、船底の取水口12から吸引された水が噴射口からノズル13を経て噴出され、その反作用で船体2が推進され小型滑走艇1は水上を滑走する。
ジェット推進ポンプ10による推進力は、バーハンドル6に付設されたスロットルレバー7の操作で制御され、操作ハンドル6の操舵で操作ワイヤを介して前記ノズル13が回動操作され、ノズル13の出口の方向を変えることで進路方向を変更する。
内燃機関20は、船体2内の略中央でシート5の下方に配置され、船体2の前部は収納室8を有し、収納室8と内燃機関20との間には燃料タンク9が設けられている。
内燃機関20は、DOHC型4ストロークサイクルの直列4気筒内燃機関であり、クランクシャフト21を船体2の前後方向に指向させて縦置きに船体2内に配置される。
内燃機関20本体は、図6を参照して上下割りされたシリンダブロック22とクランクケース23が割り面24にクランクシャフト21を回転自在に軸支するように接合され、シリンダブロック22の上にシリンダヘッド25を重ね合わせ、さらにその上にシリンダヘッドカバー26を被せている。
また、クランクケース23の下にはオイルパン27が取り付けられている。
なお、本明細書において船体の進行方向を向いたときを基準に左右を決める。
シリンダブロック22の右側面の下端前後にマウントブラケット22a,22aが斜め上方に向けて突設されており(図6,図9参照)、一方クランクケース23に左側面から前後一対のマウントブラケット23a,23aが割り面24に平行に突設されている(図6,図10参照)。
したがって、内燃機関20の左右に突設されたマウントブラケット22aとマウントブラケット23aとは互いに鈍角の角度を持って突出しており、図4に図示するように、船体内2のハル3の左右に設けられた架台28L,28Rに、それぞれマウントブラケット22a,23aが防振ラバー部材29,29を介して同じ水平高さで取り付けられて内燃機関20が架設支持されている。
したがって、シリンダブロック22とクランクケース23の割り面24は、左側マウントブラケット23aの突出方向と平行であり、よって水平線Hに対して左上がりに角度を有して傾斜している(図4,図6参照)。
内燃機関20は、シリンダブロック22のシリンダ22bが割り面24に垂直に延出形成され、その延長方向にシリンダヘッド25,シリンダヘッドカバー26が設けられるとともに、オイルパン27も割り面24に垂直方向にクランクケース23に取り付けられるので、図4(および図6)に示すように内燃機関20は、全体的に右側に傾いて船体2に搭載される。
図6に示すように、右傾したシリンダ22b内をピストン30が往復動し、コネクティングロッド31を介してクランクシャフト21が回転される。
シリンダ22bに重ねられたシリンダヘッド25は、ピストン30の頂面に対向して燃焼室32が形成され、同燃焼室32に開口を有して吸気ポート33Iと排気ポート33Eが左右に延出形成されている。
吸気ポート33Iの開口を開閉する吸気バルブ34Iと、排気ポート33Eの開口を開閉する排気バルブ34Eをそれぞれ摺動させるカムシャフト35I,35Eが、シリンダヘッド25とシリンダヘッドカバー26との合わせ面位置に設けられている。
内燃機関20本体の左側には、吸気ポート33Iに連通するサージタンク40とインタークーラ41とが接続配置され、エンジン20の右側には、排気ポート33Eに連通する排気マニホールド42が接続されている(図4,図5参照)。
図5に示すように、内燃機関20の後方にはターボチャージャ43が配設され、ターボチャージャ43は、そのタービン部43Tに排気マニホールド42の排気出口が接続され、コンプレッサ部43Cに前記インタークーラ41との接続配管44が接続される。
ジェット推進ポンプ10の正圧側から冷却水を導く冷却水導入ホース45から一方に分岐した冷却水ホース41aがインタークーラ41に接続され、インタークーラ41から他方に延出した冷却水ホース41bがターボチャージャ43に接続されている(図17参照)。
冷却水導入ホース45から他方に分岐した冷却水ホース46は、内燃機関20の前側の後記するオイルクーラ100に向かって延びている(図17参照)。
なお、ターボチャージャ43のタービン部43Tでタービンホイールを回転させた排気は、図1および図2に示すように、また図17を参照して、排気管47a,逆流防止室47b(転覆時にターボチャージャ等へ水が侵入しないように水の逆流を防止する室),ウォータマフラ47c,配管47dを順次経て水中に通じるウォータチャンバ47eに至り、水中内へと排出される。
前記したように、クランクシャフト21は、シリンダブロック22とクランクケース23の割り面24の各軸受に回転自在に軸支されるが、同軸受に2次振動を打ち消す2軸のバランサシャフト36L,36Rがクランクシャフト21の左右に回転自在に軸支される。
クランクシャフト21の4つの気筒に対応する4対のクランクウエブ21w間の3つのクランクジャーナル21jと前後2つのクランクジャーナル21jの計5つのクランクジャーナル21jが、シリンダブロック22とクランクケース23の上下両側にそれぞれ形成された前後方向に垂直な壁をなす5つのリブ22r、23rに形成された半円弧状の軸受にメタルベアリングを介して挟まれて回転自在に軸支される(図7および図9参照)。
図9のシリンダブロック22の下面図に示すように、クランクシャフト21をその軸受で軸支する5つのリブ22rのうち中央のリブ22rcを除いた4つのリブ22rが左右両端に至るまで屈曲することなく平坦であるのに対して、中央のリブ22rcは、その左右端部が屈曲してクランクシャフト21を軸支する軸受部より前方(図9において左方)に偏倚している。
この中央のリブ22rcの前方に偏倚した左右部分に、バランサシャフト36L,36Rの後側軸受部が設けられ、バランサシャフト36L,36Rの前側軸受部は、最前側の外壁をなすリブ22rの左右部分に設けられている。
すなわち、バランサシャフト36L,36Rは、クランクシャフト21の左右に平行に並んで最前側のリブ22rの軸受と中央のリブ22rcの軸受にメタルベアリングを介して回転自在に前後を軸支され、シリンダブロック22の前側に偏って配設されている。
そして、バランサシャフト36L,36Rは、そのバランスウエイトが中央のリブ22rcにより分割され、中央のリブ22rcとその前隣りのリブ25rとの間にバランスウエイト36Lw,36Rwを有するとともに、中央のリブ22rcより後方に片持ち状態に突出したバランスウエイト36Lw,36Rwを備えている。
シリンダブロック22は、バランサシャフト36L,36Rが配設される前側の左右幅が大きく、バランサシャフト36L,36Rがない後側は狭くなっている。
そして、バランサシャフト36L,36Rは、後部が中央のリブ22rcの前方に偏倚した軸受部に軸支されているので、できるだけバランサシャフト36L,36Rの後部を前方へ位置させ、その分シリンダブロック22の後側の左右幅の狭い部分を大きく確保して、内燃機関20本体の小型コンパクト化を図っている。
また、後部バランスウエイト36Lw,36Rwが両持ちでなく片持ち支持されているので、バランサシャフト36L,36Rの全長を短くし後端部に軸受を必要としない分、よりシリンダブロック22の後側の左右幅の狭い部分を大きく確保でき、益々内燃機関20本体の小型コンパクト化を可能にしている。
なお、シリンダブロック22の割り面24に接合されるクランクケース23も、シリンダブロック22の5つのリブ22rに対応して5つのリブ23rを有し(図7参照)、中央のリブ23rcは左右が前方に偏倚している。
そして内燃機関20の本体の後側の左右幅の狭い部分を大きく確保して、内燃機関20の後側左右の空きスペースを利用して補機類を配置して、内燃機関20全体のコンパクト化を図ることができる。
図7および図9に示すように、シリンダブロック22およびクランクケース23の最前側の外壁をなすリブ22r,23rの内面に沿って回転するクランクシャフト21のクランクウエブ21wの外周にドライブギア21gが形成されている。
一方、バランサシャフト36L,36Rも最前側の外壁をなすリブ22r,23rの内面に沿ってドリブンギア36Lg,36Rgが形成されている。
そして左側バランサシャフト36Lのドリブンギア36Lgとクランクシャフト21のクランクウエブ21w外周のドライブギア21gとが直接噛合っている。
他方、図6に示すように、右側バランサシャフト36Rのドリブンギア36Rgの斜め左寄り上方には、中間軸37がシリンダブロック22のリブ22rに支持され、同中間軸37に回転自在に軸支された中間ギア37gが右側バランサシャフト36Rのドリブンギア36Rgと噛合うと同時にクランクシャフト21のクランクウエブ21w外周のドライブギア21gとも噛合っている。
したがって、左右のバランサシャフト36L,36Rは、クランクシャフト21の回転により、互いに反対方向に回転し、クランクシャフト21の2倍の回転速度で回転して2次振動を打ち消すように働く。
クランクシャフト21の回転を左右のバランサシャフト36L,36Rに伝達するドライブギア21g,中間ギア37g,ドリブンギア36Lg,36Rgのギア機構は、最前側の外壁をなすリブ22r,23rの内面に沿ってシリンダブロック22およびクランクケース23の内側に配設され、シリンダブロック22およびクランクケース23のマウントブラケット22a,23aと前後方向同一位置で側面視において重なる位置にある。
したがって、シリンダブロック22およびクランクケース23における回転動力を伝達するギア機構の周囲およびバランサシャフト36L,36Rの軸受部の剛性が、特別な構造を付加することなく十分高く確保される。
クランクシャフト21のシリンダブロック22およびクランクケース23の内側のクランクウエブ21wにドライブギア21gを備えているので、ドライブギアを単独で備える従来構造に比較してクランクシャフト21自体を短くし内燃機関20の全長を短く抑えることができる。
クランクシャフト21のシリンダブロック22およびクランクケース23の外壁をなすリブ22r,23rより外側に突出した部分には、図9に示すようにワンウェイクラッチ50を介してスタータ用ドリブンギア51がリブ22r,23rの外面に沿って設けられるとともに、同スタータ用ドリブンギア51より前方にACジェネレータ54のアウタロータ54rが取り付けられる(図7参照)。
ワンウェイクラッチ50を介したスタータ用ドリブンギア51を、従来のようにクランクウエブと一体でなく単独で設けられたドライブギアに並べて互いに干渉を避けて配置するよりもスタータ用ドリブンギア51自体が小さくてすむ。
図6に2点鎖線で示すように、スタータ用ドリブンギア51には、減速ギア軸52に回転自在に支持された小径ギア52aが噛み合い、小径ギア52aと一体の大径ギア52bが左側バランサシャフト36Lの上方に位置するスタータモータ53の駆動軸に嵌着したドライブギア53aに噛み合っている。
一方、クランクシャフト21の後部は、図7に示すように、シリンダブロック22およびクランクケース23の後壁の軸受部にベアリング55を介して軸支されて後方に突出しており、この後端部が前記ジェット推進ポンプ10のインペラ11に接続されるシャフト15に継手56を介して連結される。
図7を参照して、シリンダブロック22およびクランクケース23の後壁と最後側のリブ22r,23rとの間はカムチェーン室57が形成されていて、カムチェーン室57でクランクシャフト21にはドライブスプロケット58が嵌着され、上方の前記カムシャフト35I,35Eの後端部に嵌着されたドリブンスプロケット59,59との間にカムチェーン60が架渡されている。
クランクケース23の下面には、図10に図示するように、前後方向に長尺矩形の開口を有し、その開口周縁に合せ面23bが形成されており、この合せ面23bに合せてオイルパン27が下方から取り付けられる。
矩形の合せ面23bには、ねじ孔23pが形成され、図11および図12に示すように、オイルパン27の矩形の周縁合せ面27bに形成された取付孔27pにボルト61を貫通してねじ孔23pに螺入しオイルパン27がクランクケース23に取り付けられる。
図10を参照して、クランクケース23の下面に沿って前後方向にメインオイル通路23Cが貫通してクランクケース23の前壁に開口しており、5つのリブ23rのオイル通路23Cをまたぐ左右にボルト孔23dが形成されていて、同ボルト孔23dを貫通した締付ボルト38がシリンダブロック22に螺入してクランクケース23とシリンダブロック22を締付け結合する(図6参照)。
なお、メインオイル通路23Cの左右に左右バランサシャフト36L,36Rの軸受にオイルを供給する左右バランサ用オイル通路23L,23Rが、メインオイル通路23Cに平行に設けられて、左右バランサ用オイル通路23L,23Rともにクランクケース23の前壁に開口している(図6参照)。
また、クランクケース23の矩形の合せ面23b内には、後半部に前後方向に長尺の長方形状をした4辺からなる枠壁70が形成されており、枠壁70内は上底面71を有して下方を開放している(図10参照)。
枠壁70の下端面は、オイルパン27との合せ面23bと同一高さにある。
一方、オイルパン27の内部には、図11および図12に示すように、クランクケース23の枠壁70のうち右辺を除く3辺の側壁に対応して前側壁,後側壁,左側壁の3側壁からなる枠壁72が底面から立設されている。
枠壁72の前側壁に円開口を有して前方へ真っ直ぐオイル回収通路73が延設され、オイル回収通路73はオイルパン27の前壁に開口して(図6参照)後記するオイルポンプ90に連通する。
図12に示すように、枠壁72の開放された右側開口の3辺(前側壁,後側壁,底壁)の内縁部には溝条72aが形成されている。
この溝条72aに長尺矩形のオイルストレーナ74が略鉛直姿勢で嵌合される。
オイルストレーナ74は、図13ないし図15に図示するように、帯状に長いオイルスクリーン75の周縁部をストッパフレーム76とスクリーンカバー77が左右から挟持して、その挟持部をゴム部材78が囲繞している。
ストッパフレーム76は、偏平矩形の枠部76aの対向する長尺辺を3箇所クロスメンバ76bが連結して大きく4つの開口を備えた形状をしており、スクリーンカバー77はストッパフレーム76の枠部76aに対応する枠部77aから四角錐状に一方に偏って膨出したカバー部77bとからなり、このカバー部77bの下片の一部が矩形に欠損して開口77cを形成している。
スクリーンカバー77の枠部77aが、オイルスクリーン75の周縁部をストッパフレーム76の枠部76aとの間で挟み、かつ同枠部76aの背後に廻り込んでかしめつけてオイルスクリーン75を張設している。
以上のオイルストレーナ74が、右側にスクリーンカバー77のカバー部77bを突出させてオイルパン27内の枠壁72の開放された右側開口の3辺の溝条72aにゴム部材78を介して嵌合される(図12参照、オイルストレーナ74を2点鎖線で示す)。
オイルストレーナ74が溝条72aに嵌合された状態で、オイルパン27がクランクケース23に取り付けられると、クランクケース23側の枠壁70とオイルパン27側の枠壁72がその端面どうしを突き合わせ、オイルストレーナ74の上端ゴム部材78が枠壁70の右側壁に当接して、オイルパン27内の空間を枠壁70,72、上底面71、オイルパン底面およびオイルスクリーン75が仕切って直方体状のキャビティ79が形成される。
キャビティ79は、枠壁72の前側壁の開口からオイル回収通路73に連通している。
前記したように、内燃機関20は、全体的に右側に傾いて船体2に搭載されるので、オイルパン27内にあって画成された直方体状のキャビティ76は、より低い位置にある右側開口をオイルストレーナ74のオイルスクリーン75が仕切っている。
すなわち、オイルパン27内に溜まったオイルは、右側に偏って溜り、キャビティ76の右側開口を仕切るオイルストレーナ74を常にオイル内に沈ませた状態とすることができる。
オイルパン27内に溜まったオイルは、オイルストレーナ74のスクリーンカバー77の開口77cから吸入され、オイルスクリーン75を通ってキャビティ79に流入するが、その際オイルストレーナ74が常にオイル内に沈んだ状態にあるので、エアの吸い込みが少ない。
オイルストレーナ74が略鉛直姿勢でキャビティ76を仕切っているので、従来の水平姿勢でオイルパンが装着されるよりもオイルパン27の左右幅を狭めることができ、小型滑走艇1の船底の中央の左右上がりに形成された形状に合わせることが容易となり、内燃機関20の位置を幾らか低く搭載することができる。
また、従来の水平姿勢でオイルパンを装着するときはその上下にある程度の上下幅を持った空間を必要とするが、本オイルストレーナ74のように垂直姿勢で装着されると、オイルパン27の上下幅を小さくしても、オイルストレーナ74の左右に十分な空間を備えることができ、オイルパン27自体の上下幅を小さくし、内燃機関20の全高を低くすることができ、益々小型滑走艇1の船底への搭載が容易となる。
このオイルストレーナ74により仕切られるキャビティ79は、クランクケース23に形成された枠壁70と上底面71およびオイルパン27に形成された枠壁72とオイルパン底面とで画成されるので、特別専用部品を必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
また、オイルストレーナ74もクランクケース23とオイルパン27に挟持される構造なので、組付け性に優れている。
以上のシリンダブロック22、クランクケース23およびオイルパン27の前面には同一平面をなす合わせ面22f,23f,27fが形成され(図6参照)、同合わせ面22f,23f,27fにオイルタンク80のタンク本体81が接合される。
なお、オイルタンク80は、このタンク本体81とタンク本体81の前面に被せられるタンクカバー88とから構成されている。
図4および図7に示すように、タンク本体81は、シリンダブロック22、クランクケース23およびオイルパン27の前面の合わせ面22f,23f,27fに接合する合わせ面81rとタンクカバー88との合わせ面81fを平行に有し、合わせ面81rより前方に膨出してACジェネレータ54や減速ギア52a,52bを覆うACGカバー部82が形成され、そのACGカバー部82の上方および左右側方にかけて全体で縦長のオイル収容部83が形成され、さらにオイル収容部83の右側にクランクシャフト21より高い位置で一部張り出すように水冷式のオイルクーラ収容部85が形成されている。
なお、図4は、シリンダブロック22、クランクケース23およびオイルパン27の前面にタンク本体81を取り付けた状態の前面図である。
オイル収容部83の上部空間にはブリーザ室84が設けられている。
図7に示すように、前記ACジェネレータ54のアウタロータ54rは、カップリング62aとともにボルト63によりクランクシャフト21の先端部に固着されている。
カップリング62aは、次記するオイルポンプ90のポンプ軸95の後端のカップリング62bと連結される。
このカップリング62a,62b部分を覆うカップリングカバー部82aがACGカバー部82の中央に後方に突出して形成されて、このカップリングカバー部82aに固定されてACジェネレータ54のインナステータ54sが支持されている。
このACジェネレータ54を前方から覆うACGカバー部82の前方にオイルポンプ90が設けられる。
オイルポンプ90は、前記タンク本体81に前方から接合される第1ケース92と、さらに前方から接合されてボルト94により第1ケース92とともにタンク本体81に取り付けられる第2ケース93とを有し、これら前後の第1,第2ケース92,93をクランクシャフト21と同軸に貫通したポンプ軸95が、ACGカバー部82を貫通し、その後端に前記カップリング62bが後方よりボルト95aにより固着されている。
このポンプ軸95における第1ケース92内の軸部にインナロータが嵌着されてスキャベンジングポンプ90Sが設けられ、第2ケース93内の軸部にインナロータが嵌着されてフィードポンプ90Fが設けられている。
したがって、クランクシャフト21の回転が、カップリング62a,62bを介してポンプ軸95の回転に伝達されてスキャベンジングポンプ90Sとフィードポンプ90Fが駆動される。
図4および図7を参照して、タンク本体81の下部には、オイルパン27のオイル回収通路73に連結するオイル回収通路86が形成され、オイル回収通路86は、第1ケース92の後面にその一部が形成されて上方に延びてスキャベンジングポンプ90Sに至っている。
したがって、スキャベンジングポンプ90Sの駆動により、オイルパン27に溜まった潤滑油がオイルストレーナ74を通ってオイル回収通路73を前方に吸入され、オイル回収通路86
を通って上方のスキャベンジングポンプ90Sに至る。
図7を参照して、スキャベンジングポンプ90Sの上方には、第1ケース92の後面とタンク本体81の前面により共通の回収オイル吐出路87が形成されていて、回収オイル吐出路87の上端は、オイルタンク80のオイル収容部83に開口している。
したがって、スキャベンジングポンプ90Sの駆動により吐出された回収オイルは、回収オイル吐出路87を通って、オイルタンク80のオイル収容部83に回収される。
また、図7に示すように、第1ケース92の前面と第2ケース93の後面とで、供給オイル吸入路96がフィードポンプ90Fの下方に形成されるとともに、供給オイル吐出路98がフィードポンプ90Fの上方に形成される。
供給オイル吸入路96の下端は、オイル収容部83の底面に近い高さに開口しており、上端はフィードポンプ90Fの吸込口に連通しており、途中にスクリーンオイルフィルタ97が介装されている。
供給オイル吐出路98は、フィードポンプ90Fの吐出口から上方に延びた後、後方に屈曲して、タンク本体81に形成された横孔98aに連結される。
横孔98aは、同じタンク本体81に形成された縦孔98bに連通して上方に向かっており、この縦孔98bの上端は、後記するオイルフィルタ110の取付面に環状になって開口しており、オイルフィルタ110のオイル入口111に連通している(図8参照)。
したがって、フィードポンプ90Fが駆動されると、オイルタンク80のオイル収容部83の下部から供給オイル吸入路96を通って潤滑油が吸い上げられ、供給オイル吐出路98に吐出され、タンク本体81に形成された横孔98aおよび縦孔98bを上方に圧送されてオイルフィルタ110に至る。
なお、供給オイル吐出路98の途中にはリリーフバルブ99がオイル収容部83との間で介装されており、供給オイルの吐出圧が大き過ぎるときは、余分なオイルをオイル収容部83に戻すようにしている。
図4および図8に示すように、水冷式のオイルクーラ100は、タンク本体81の前面に縦長に画成されたオイルクーラ収容部85に突設される。
オイルクーラ100は、オイルが通る複数枚の熱交換用プレート100aと、このプレート100a内に上部で連通する上流側パイプ100bと、プレート100a内に下部で連通する下流側パイプ100cとからなり、タンク本体81側に形成された上穴と下穴に、それぞれ上流側パイプ100bと下流側パイプ100cが連結されてオイルクーラ100はタンク本体81に取り付けられる。
このオイルクーラ100は、図8に示すようにタンクカバー88の一部により前方から覆われて内部のオイルクーラ収容部85に冷却水が流入・流出され、オイルクーラ100内のオイルが冷却される。
タンク本体81において、オイルクーラ100の上流側パイプ100bが連結される上穴は、図8に示すように、上流側パイプ100bの後方で切換弁105aを備えるオイルサーモスタット105の一方の出口に連通し、オイルクーラ100の下流側パイプ100cが連結される下穴は、オイルクーラ100の下流側油路である下方へ延びるオイル縦通路107に連通している。
オイルサーモスタット105のもう1つ別の出口は、オイルクーラ100を迂回してオイル縦通路107に連結するバイパス油路106に連通している。
また、図8に示すように、オイルサーモスタット105の入口は、同オイルサーモスタット105の上方に取り付けられたオイルフィルタ110のオイル出口112とオイルクーラ100の上流側油路113を介して連通している。
オイルフィルタ110は、前記したようにフィードポンプ90Fにより圧送されたオイルがオイル入口111から流入されて、ろ過されたオイルがオイル出口112に流出する。
オイルサーモスタット105は、切換弁105aの移動により潤滑油が所定温度以上のとき、オイルクーラ100側を開放してバイパス油路106側を閉じ、潤滑油が所定温度未満であると、バイパス油路106側を開放してオイルクーラ100側を閉じる。
バイパス油路106には、低圧用オイルスイッチ115が取付けられて油圧の異常低下を検出するとともに、オイルクーラ100およびバイパス油路106より下流のオイル縦通路107には、高圧用オイルスイッチ116が取付けられて油圧の異常上昇を検出するようになっている。
図8に示すように、低圧用オイルスイッチ115は、バイパス油路106に右側に突出するように取付けられているのに対して、高圧用オイルスイッチ116は、上下方向に延びるオイル縦通路107にオイルクーラ100の下方空間を利用して前方に突出するように取付けられている。
図4に破線で示すように、オイル縦通路107は、タンク本体81の下部で左方に屈曲してオイル横通路108に連通し、同オイル横通路108は後方に向かって3本の分岐路を有し、中央に内燃機関20のメインギャラリにオイルを供給するメインギャラリ用供給路109c、左右端にそれぞれ左右のバランサシャフト36L,36Rの軸受部にオイルを供給する左バランサ用供給路109lと右バランサ用供給路109rが設けられている(図10参照)。
図7に示すように、メインギャラリ用供給路109cは、前記クランクケース23のメインオイル通路23Cに連結され、メインオイル通路23Cからクランクシャフト21の各軸受部へリブ23r内の通路に分配されてオイルが供給される。
左バランサ用供給路109lと右バランサ用供給路109rは、前記左バランサ用オイル通路23Lと右バランサ用オイル通路23Rにそれぞれ連結され(図10参照)、左右バランサシャフト36L,36Rの軸受にオイルが供給される。
さらに、メインオイル通路23Cから上方のカムシャフト35I,35Eの軸受へオイルが供給されるとともに、ターボチャージャ43にもオイルが供給され、それぞれオイルパン27に戻る循環経路が形成されている。
以上の潤滑油の循環経路図を図16に示し、全体を説明する。
オイルパン27に溜まった潤滑油は、スキャベンジングポンプ90Sの駆動により吸引され、オイルストレーナ74を経てろ過されてオイル回収通路73,86を通ってスキャベンジングポンプ90Sに吸入され、スキャベンジングポンプ90Sから吐出された潤滑油は、オイルタンク80内に回収される。
オイルタンク80内に回収された潤滑油は、フィードポンプ90Fの駆動により吸引され、スクリーンオイルフィルタ97を経てフィードポンプ90Fに吸入され、フィードポンプ90Fから吐出された潤滑油は、横孔98aおよび縦孔98bを通って途中リリーフバルブ99を経てオイルフィルタ110に流入しろ過されてオイルサーモスタット105に至る。
オイルサーモスタット105は、潤滑油が所定温度以上のとき切換弁105aがオイルクーラ100側を開放して潤滑油がオイルクーラ100を流れて冷却され、他方潤滑油が所定温度未満のとき切換弁105aがバイパス油路106側を開放して潤滑油がバイパス油路106を流れて冷却されずに下流のオイル縦通路107に流れる。
なお、バイパス油路106には低圧用オイルスイッチ115が取付けられ、オイル縦通路107には高圧用オイルスイッチ116が取付けられている。
オイル縦通路107を下方に流れる潤滑油は、下端のオイル横通路108で3本の分岐路に分岐してクランクケース23の下部を後方へ流れる。
左右のバランサ用供給路109l,109rに分岐した潤滑油は、それぞれ左右のバランサ用オイル通路23L,23Rを通って、左右バランサシャフト36L,36Rの軸受に供給される。
中央のメインギャラリ用供給路109cに分岐した潤滑油は、メインオイル通路23Cを通りながら、さらに分岐してクランクシャフト21の各軸受部に供給される。
なお、クランクシャフト21の各軸受部に供給された潤滑油は、クランクシャフト21内に形成された油路を通ってコネクティングロッド31の大端部との連結部に供給される。
また、メインオイル通路23Cからは上方に向かってカムシャフト用オイル供給路120が形成されていて、カムシャフト用オイル供給路120を上昇した潤滑油は、左右のカムシャフト35I,35Eの各軸内油路に流れ、軸内油路から各軸受および各カム面に供給される。
クランクシャフト21,左右バランサシャフト36L,36Rおよび左右カムシャフト35I,35E等を潤滑した潤滑油は、最終的にオイルパン27に戻る。
さらに、メインオイル通路23Cからはオイルフィルタ121を介してターボチャージャ43にターボ用オイル供給管122が延出しており、メインオイル通路23Cに流れた潤滑油の一部は、ターボ用オイル供給管121を通ってターボチャージャ43に供給される。
ターボチャージャ43に供給された潤滑油は、軸受を潤滑するのとタービン側で熱を遮断して冷却するのと分流し、2つの流れは2本のオイル排出管123,124によってオイルパン27に戻される。
一方、小型滑走艇1に搭載される本内燃機関20の冷却系は、小型滑走艇1を浮かべている水を利用しており、図17に冷却水の循環経路を示し説明する。
前記したように、ジェット推進ポンプ10のインペラ11の下流正圧側の冷却水取込み口131から冷却水導入ホース45を介して冷却水が導入され、冷却水導入ホース45の分岐した一方の冷却水ホース46を通った冷却水は、ジェット推進ポンプ10より上方にあるオイルクーラ100のオイルクーラ収容部85に、その下部の冷却水流入部85aから流入され、潤滑油を冷却した後、上部の冷却水流出部85bから流出し内燃機関20のシリンダブロック22のウォータジャケットを循環して内燃機関20を冷却して船外に排出される。
冷却水導入ホース45から分岐した他方の冷却水ホース41aを通った冷却水は、インタークーラ41に流入して吸気を冷却し、その後ターボチャージャ25に流れてターボチャージャ25を冷却した後、排気管47aに至り、排気管47aを冷却するとともに、排気を取り込んで、逆流防止室47b,ウォータマフラ47c,配管47dを順次経て水中に通じるウォータチャンバ47eに至り、水中内へと排出される。
前記した潤滑系において、オイルサーモスタット105は、潤滑油が所定温度以上のときオイルクーラ100側を開放して潤滑油を冷却することで、内燃機関20の冷却を促進することができる。
一方で、潤滑油が所定温度未満のときはバイパス油路106側を開放して潤滑油がオイルクーラ100を通らずにバイパスして冷却されず暖機運転を促進するとともに、冷間時に過冷却が未然に防止される。
小型滑走艇1は、ジェット推進ポンプ10の正圧側から導入した冷却水を内燃機関20の冷却に用いており、オイルクーラ100もこの冷却水を利用しているので、冷間時に過冷却になり易く、潤滑油がオイルクーラを通ると益々過冷却となり易くなるため、過冷却のおそれがある所定温度未満ではオイルサーモスタット105により潤滑油がオイルクーラ100を通らずにバイパスするようにして冷間時の過冷却を未然に防止するようにしている。
過冷却が未然に防止されることで、燃焼室32内の燃料がクランクケース23内に侵入してオイルに混じったとしてもオイル温度の上昇に伴い蒸発が促進されてダイリューションを起こすのを防止してオイル劣化を抑制することができる。
バイパス油路106は、オイルサーモスタットがバイパス油路106側を開放しているときはもとより、オイルクーラ100側を開放してバイパス油路106側を閉じたときでもバイパス油路106の下流側で連通しているので、バイパス油路106には常時潤滑油が充填された状態にあり、同バイパス油路106に低圧用オイルスイッチ115を設けることで、油圧の異常低下を常に安定して検出することができる。
オイルクーラ100の下流側のオイル縦通路107に高圧用オイルスイッチ116が設けられ、より下流の各軸受等の潤滑対象における油路の詰りなどによる油圧の異常上昇を検出することができる。
上記低圧用オイルスイッチ115および高圧用オイルスイッチ116による油圧の異常が検出されたときは、注意を喚起すべく警告を発するなどの処置を行うようにする。
オイルクーラ100は、従来に比べ熱交換用プレート100aの寸法が短く小型化されており、オイルクーラ100の下部が上方に変位してクランクシャフト21より高い位置にあり、オイルクーラ収容部85自体もその下部がクランクシャフト21より高い位置にある。
したがって、図8に示すように、タンク本体81に突設されたオイルクーラ100の下方に空間が形成され、同空間を利用して補機類の配置が可能であり、本内燃機関20では高圧用オイルスイッチ116が突設されている。
高圧用オイルスイッチ116は、オイルクーラ100を前方から覆うタンクカバー88の一部の直ぐ下に突設されているので、タンクカバー88に上方を覆われて、上方から水が高圧用オイルスイッチ116に掛かるのを防止している。
図17は、冷却水の循環経路を示すが、内燃機関20とジェット推進ポンプ10との相対高さは略実際に則して図示しており、クランクシャフト21とインペラ11の回転軸がシャフト15で連結されて略同じ高さにある。
同図17を参照して、前記したように冷却水は、ジェット推進ポンプ10のインペラ11の下流正圧側の冷却水取込み口131から取り込まれ、冷却水導入ホース45および冷却水ホース46を通ってオイルクーラ収容部85の下部の冷却水流入部85aからオイルクーラ収容部85に流入されるが、オイルクーラ収容部85の冷却水流入部85aはクランクシャフト21より高い位置にあり、一方、ジェット推進ポンプ10の正圧側の冷却水取込み口131はクランクシャフト21より低い位置か同じ高さ位置にあって、オイルクーラ収容部85に至る冷却水導入ホース45および冷却水ホース46の冷却水経路も、全てオイルクーラ収容部85の下部の冷却水流入部85aより低い位置にある。
したがって、小型滑走艇1を陸上に上げた場合、タンクカバー88に覆われたオイルクーラ収容部85内の水は、冷却水流入部85aから流出し冷却水ホース46および冷却水導入ホース45を通ってジェット推進ポンプ10の正圧側の冷却水取込み口131から流れ出て自然と排出される。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関を搭載した小型滑走艇の側面図である。 同平面図である。 図1におけるIII-III線で切断した断面図である。 一部断面一部省略した船体および内燃機関の正面図である。 同内燃機関の斜視図である。 同内燃機関の一部断面一部省略した正面図である。 同内燃機関の側断面図である。 同内燃機関の一部切欠き一部省略した右側面図である。 クランクシャフトを断面としてシリンダブロックを下面から見た図である。 クランクケースを下面図である。 オイルパンの下面図である。 同オイルパンの上面図である。 オイルストレーナの側面図である。 同上面図である。 図13におけるXV-XV線で切断した断面図である。 潤滑油の循環経路を示す図である。 冷却水の循環経路を示す図である。
符号の説明
20…内燃機関、21…クランクシャフト、22…シリンダブロック、22rc…リブ、36L,36R…バランサシャフト、37…中間軸、37g…中間ギア。

Claims (6)

  1. ハルとデッキとで囲まれた船体内にジェット推進ポンプを駆動する内燃機関が搭載され、前記デッキ上に乗員が搭乗する小型滑走艇にクランクシャフトが船体長手方向である前後方向に指向して搭載される小型滑走艇用内燃機関において、
    該内燃機関のクランクケースとシリンダブロックの割り面にクランクシャフトとともに2次振動を防止するバランサシャフトが互いに平行に配置され、
    前記クランクケースと前記シリンダブロックに、互いに対向して前後方向に複数立設されたリブの割り面に前記クランクシャフトが回転自在に挟持されるクランクシャフト軸受が形成され、
    前記前後方向に複数のリブのうち選択された前後1対のリブの割り面に前記バランサシャフトが回転自在に挟持されるバランサシャフト軸受が形成され、
    前記前後1対のリブの少なくとも一方のリブにおいて前記クランクシャフト軸受よりも前記バランサシャフト軸受が他方のリブに近づく方向に偏倚し
    前記バランサシャフトに一体に形成されるバランサウエイトは、前記偏倚したバランサシャフト軸受により分割され、分割された一方のバランサウエイトが片持ち支持され、他方の両持ち支持されるバランスウエイトがさらに分割され、
    前記片持ち支持されたバランスウエイトは前記偏倚したバランサシャフト軸受を挟んで反対側に隣り合うバランスウエイトより軸方向幅が大きいことを特徴とすることを特徴とする小型滑走艇用内燃機関。
  2. 前記両持ち支持され分割されたバランスウエイトのうち前記片持ち支持されるバランスウエイトから遠い側のバランスウエイトは、近い側のバランスウエイトより軸方向幅が大きく、かつ前記片持ち支持されるバランスウエイトより軸方向幅が小さいことを特徴とする請求項1記載の小型滑走艇用内燃機関。
  3. 前記バランサシャフトには、同バランサシャフトを回転自在に挟持する最前側の外壁をなすリブの内面に沿ってドリブンギアが形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の小型滑走艇用内燃機関。
  4. 前記クランクシャフトの最前側の外壁をなすリブの内面に沿って回転するクランンクウエブの外周にドライブギアが形成されることを特徴とする請求項3記載の小型滑走艇用内燃機関。
  5. 前記バランサシャフトは、前記クランクシャフトの左右に2軸配置され、
    一方のバランサシャフトに形成されたドリブンギアが前記クランクシャフトの前記ドライブギアに噛合い、他方のバランサシャフトに形成されたドリブンギアが前記クランクシャフトの前記ドライブギアに中間ギアを介して噛合っていることを特徴とする請求項4記載の小型滑走艇用内燃機関。
  6. 前記バランサシャフトには、前記バランスウエイトが形成される部分を除き、その反対側部分が中空筒状に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の小型滑走艇用内燃機関。
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