JP4297584B2 - 電動切換弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路の切り換えを行う切換弁に係り、特に、空調機や冷蔵庫等の冷媒循環系に組み込んで使用するのに好適な、ステッピングモータを用いた電動切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、1本の流路Aを流れる流体を2本の流路B及び流路Cのいずれかに任意に切り換えて流すようにする場合、通常、流路Aと流路B、Cとの間に三方切換弁を介装する。
【0003】
具体的には、例えば、冷蔵庫においては、圧縮機からの冷媒が導入される流路Aと、冷媒を冷凍室側のエバポレータに導く流路Bと、冷媒を冷蔵室側のエバポレータに導く流路Cと、の間に、三方切換弁が介装され、流路Aに導入された冷媒は、三方切換弁により流路Bと流路Cのいずれか一方のみに択一的に流される。つまり、前記三方切換弁においては、流路A(流入口)は常時開かれ、流路B(第1の流出口)が開けられているときは、流路C(第2の流出口)が閉じられ、逆に、流路Bが閉じられているときは、流路Cが開けられる。
従来、前記三方切換弁としては、電磁式の開閉弁を2個組み合わせたものを用いることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電磁式の三方切換弁は、少なくとも、2本の流出口のうちの一方を開けている期間は、それに備えられるソレノイドを通電励磁しておかなければならないので、消費電力が大きいという問題があった。
また、流路切換時には、金属製の弁体(スプール等)が勢い良く弁座(弁ケース等)に衝突して停止せしめられる構造となっているので、大きな騒音が発生するという問題等もあった。
【0005】
上記した如くの問題を解消できる切換弁として、弁シート部材のシート面(弁座)に1本の流入口と複数本の流出口を開口させるとともに、弁体を押圧ばねにより前記シート面に押し付けながらステッピングモータにより回転させて、前記複数本の流出口を択一的に開閉するようにしたものが考えられる。
【0006】
このように、ステッピングモータにより弁体をシート面に摺接させながら回転させるようにした電動切換弁では、ステッピングモータを用いたことで、弁体を正確に所要の角度だけ回転させることができるとともに、起動、停止、逆転の応答性がよくなり、しかも、停止時に高い保持トルクを持つことから、切り換え時以外は、通電することを要さない。そのため、消費電力を従来の電磁式のもの等に比して大幅に抑えることができ、また、オープンループ制御を行えるので、回転位置を検出するセンサ類が必要なフィードバック制御を行う場合に比して、トータルシステムが簡素となり、調整、保守、点検等が容易となる、といった効果が期待できる。
【0007】
かかる効果に加えて、上記した電動切換弁では、前記流出口に対する前記弁体のシール性の向上が要求されている。
本発明は、上記ような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ステッピングモータにより弁体をシート面に摺接させながら回転させるようにして、消費電力を低減できるとともに、騒音がほとんど発生せず、かつ、部品点数を削減して、装置コスト、製造コストを低く抑えることのでき、しかも、流出口に対する弁体のシール性を向上した信頼性の高い電動切換弁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る電動切換弁は、基本的には、キャンと、このキャンの外周に取り付けられたステータ及び前記キャンの内周の加圧室に配在されたロータ等からなるステッピングモータと、前記ロータの内周側にそれと一体回動可能に遊嵌された回転弁体と、この回転弁体の一端面側に対向配置された弁シートを有する弁シート部材と、を備え、前記弁シート部材には、前記シート面に1本の流入口と複数本の流出口が形成され、前記回転弁体の一端面側には、前記シート面に摺接しながら回転せしめられるとともに、その回転停止位置に応じて前記複数本の流出口を択一的に閉じる閉成用凸部が設けられている。そして、前記弁シート部材の中央に形成された前記流入口に、前記回転弁体の回転支軸としての管軸が圧入固定されており、前記管軸は、前記流入口に導入された流体を前記加圧室に導く導出路を兼ねることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の好ましい態様では、前記回転弁体が、前記加圧室からの流体を前記複数本の流出口に択一的に導く導入路を備えている。
【0010】
更に、本発明の好ましい具体的な態様では、前記回転弁体が、断面扇形状の前記閉成用凸部によって連結される内筒部と外筒部とを有し、前記内筒部に前記管軸が内嵌されるとともに、前記内筒部と前記外筒部との間が前記導入路とされ、前記ロータと前記回転弁体のうちのいずれか一方に、キー状凸部が突設されるとともに、他方に前記キー状凸部が遊嵌されるキー溝が形成されていることを特徴としている。
【0011】
前記した如くの構成とされた本発明に係る電動切換弁は、前記弁シート部材のシート面に、例えば、1本の流入口と2本の流出口とが開口せしめられ、前記回転弁体が前記シート面に摺接しながら回転せしめられるとともに、前記回転弁体にその回転停止位置に応じて前記2本の流出口を閉じるための閉成用凸部が突設され、かつ、必要に応じて、前記弁シート部材に、前記閉成用凸部が接当せしめられる回転停止用ストッパが設けられているので、初期状態(第1の回転停止位置)では、例えば、前記閉成用凸部が2本の流出口のうちの一方(第2の流出口)の上に乗ってこれを閉じた状態で回転停止用ストッパに接当して停止せしめられており、かつ、2本の流出口のうちの他方(第1の流出口)及び流入口上には前記閉成用凸部が位置せず、これらを閉じてはいない状態となる。
【0012】
そのため、かかるときには、流入口に導入された流体は、前記弁シート部材のシート面上に流出することなく、前記回転弁体に形成された導出路(管軸)を通じてその上方に設けられた加圧室に導かれ、この加圧室の流体の圧力により前記回転弁体が前記弁シート部材側に押圧されてそのシート面に前記閉成用凸部が圧接せしめられ、かつ、前記加圧室の流体は前記回転弁体に設けられた導入路を通じて、第1の流出口に流れ込む。
【0013】
前記初期状態(第1の回転停止位置)から、ステッピングモータ(の巻線)に所定数のパルス信号を通電すると、前記ロータ及び回転弁体が前記パルス数に応じた角度分、一方向に回転(正転)せしめられ、これと一緒に、前記閉成用凸部も同角度分、前記ロータ及び回転弁体の回転軸線を中心として、前記シート面に摺接しながら回転せしめられ、回転停止用ストッパに接当して停止せしめられる。
【0014】
これにより、閉成用凸部が2本の流出口のうちの他方(第1の流出口)の上に乗ってこれを閉じた状態となるとともに、第2の流出口及び流入口上には位置していない状態(第2の回転停止位置)となる。
そのため、かかるときには、前記加圧室の流体が前記導入路を通じて、第2の流出口に流れ込む。
【0015】
この第2の回転停止位置から、ステッピングモータ(の巻線)に所定のパルス数のパルス信号を前記とは逆順序で通電すると、前記ロータ及び回転弁体が前記パルス数に応じた角度分、他方向に回転(逆転)せしめられ、これと一緒に、前記閉成用凸部も同角度分、前記ロータ及び回転弁体の回転軸線を中心として、前記シート面に摺接しながら回転(逆転)せしめられ、回転停止用ストッパに接当して停止せしめられ、これにより、前記弁体及び閉成用凸部が前記第1の回転停止位置に切り換えられる。
【0016】
このように本発明の電動切換弁では、ステッピングモータにより回転弁体に設けられた閉成用凸部を弁シート部材のシート面に摺接させながら所定角度回転させて、複数本の流出口を択一的に閉じるようにされる。この場合、ステッピングモータを用いたことで、弁体を正確に所要の角度だけ回転させることができるとともに、起動、停止、逆転の応答性がよくなり、しかも、停止時に高い保持トルクを持つことから、切り換え時以外は、通電することを要さない。そのため、消費電力を従来の電磁式のもの等に比して大幅に抑えることができる。
【0017】
また、オープンループ制御を行えるので、回転位置を検出するセンサ類が必要なフィードバック制御を行う場合に比して、トータルシステムが簡素となり、調整、保守、点検等が容易となる。
【0018】
さらに、供給パルス数に応じて回転角度が設定されることから、回転停止用ストッパは、必ずしも必要ではないが、これを設けることにより、回転弁体の回転を確実に停止させることができ、しかも、たとえ、回転停止用ストッパを設けたとしても、閉成用凸部がストッパに接当したとき、騒音はほとんど発生しない。
【0019】
上記に加え、本発明の電動切換弁では、前記流入口に導入された流体が前記弁シート部材のシート面上に流出することなく、前記回転弁体に形成された導出路を通じてその上方に設けられた加圧室に導かれるとともに、前記加圧室から前記回転弁体に設けられた導入路を通じて、前記複数本の流出口に択一的に導かれるようにされていて、前記加圧室の圧力により前記回転弁体を前記弁シート部材側に押圧するようにされているので、前記弁シート部材と前記弁体との間に流体(冷媒)が噴出せしめられることはなく、そのため、回転弁体が浮き上がり難くされて、流出口に対する弁体のシール性が損なわれ難くされ、信頼性が高められるとともに、押圧ばね等が不要となるので、部品点数が削減され、装置コスト、製造コストを低く抑えることができる。
【0020】
さらに、例えば、前記ロータにキー状凸部を突設するとともに、前記回転弁体に前記キー状凸部が遊嵌されるキー溝を形成する等して、前記ロータと前記回転弁体との間に、遊び間隙を有する嵌合部を設けてそれらを一体回動可能に連結することにより、ロータに作用する磁力の強弱に起因して、ロータの回転軸線が振れる場合が生じたとしても、前記嵌合部の遊び間隙で吸収され、その結果、前記振れが回転弁体に伝わり難くされ、そのため、弁体の前記流体入出口に対する前記弁体のシール性を一層向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る電動切換弁の一実施形態を示している。図示実施形態の電動切換弁10は、逆立有底円筒状のキャン11と、ステッピングモータ12と、を備えている。前記ステッピングモータ12は、前記キャン11の外周に取り付けられたステータヨーク13、このヨーク13内に配設されたボビン14、このボビン14に巻装された巻線(コイル)15を有し、前記ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15の外周は樹脂モールド16によりモールドされ、前記キャン11の内周には、後述する中心軸線O回りに正逆両方向に回転せしめられるフェライト系プラスチックマグネットからなるロータ17が配在されている。
【0022】
また、前記キャン11の下面開口側(下端鍔状部)には、有底短円筒状の受け部材42(の鍔状部)が溶接(溶接部44)により密封接合されており、この受け部材42内に、テフロン等の合成樹脂材料からなる断面凸字状の弁シート部材30が収容固定されている。
【0023】
前記弁シート部材30には、図2、図3を参照すればよくわかるように、扇形状の回転停止用ストッパ35が設けられ、そのシート面30aには、その中央部に段付きの流入口31が開穿されるとともに、前記流入口31を挟んでその両側に180度間隔をあけて第1の流出口32及び第2の流出口33が開穿されている。前記第1の流出口32及び第2の流出口33は、前記回転軸線Oを中心とした同一円周上に位置せしめられている。
【0024】
また、前記流入口31、第1の流出口32、及び第2の流出口33は、前記弁シート部材30の上半部を厚み方向(上下方向)に貫くように形成されており、前記弁シート部材30の下半部は、図4に図1のIV−IV矢視断面図が示されているように、断面概略Y字状の仕切り壁39により3つの部屋61、62、63に仕切られており、各部屋61、62、63にそれぞれ前記流入口31、第1の流出口32、及び第2の流出口33が開口せしめられている。
【0025】
そして、前記3つの部屋61、62、63及び前記流入口31、第1の流出口32、及び第2の流出口33に連通するように、前記受け部材42の底部に形成された3個の透孔42a、42a、42aにそれぞれ導管46、47、48の先端部が挿入されている。
【0026】
ここでは、前記導管46、47、48の先端部付近に前記透孔42a、42a、42aに係止される膨出部49、49、49が形成されている。この膨出部49は、当該電動切換弁10の組立て時に、前記導管46、47、48を前記透孔42aに上から落とし込むようにして挿入した際に抜け落ちるのを阻止するために形成されているもので、前記導管46、47、48が前記膨出部49、49、49で前記透孔42a、42a、42aに係止されることにより、該導管46、47、48を前記受け部材42にロー付け等で接合固定する際に、他の管保持手段等が不要となるとともに、3本の導管46、47、48を同時にロー付け等で接合固定できるので、組立て作業性が格段に向上する。なお、弁シート部材30と受け部材42の底部間にはパッキン36が介装されている。
【0027】
本実施形態においては、前記キャン11と受け部材42との溶接部(鍔状部)44と前記弁シート部材30との間には、金属製、例えばステンレス製のリング状部材37が圧入されている。このリング状部材37は、必要に応じて設けられ、前記弁シート部材30を前記受け部材42に押圧固定する固定手段として機能するとともに、、弁シート部材30に前記キャン11と受け部材42との溶接時に熱による悪影響を及ぼさないようにするための断熱手段としても機能するのである。
【0028】
前記樹脂モールド16の下端部には固定用凸部18が突設され、該固定用凸部18は、前記ステータヨーク13、ボビン14、巻線15、及び樹脂モールド16からなる外装部の回り止め、位置決め、及び、当該電動切換弁10の取り付けを行うための断面L形の取り付け板45の上板部45aに挿入係止されている。
【0029】
前記弁シート部材30の中央部に形成されている前記流入口31には、金属製、例えばステンレス製の管軸40の下部が垂直に圧入固定されている。該管軸40の中間部には、合成樹脂製の回転弁体20が回転自在に外嵌されている。
【0030】
この回転弁体20は、内筒部23と、外筒部24と、それらを連結する断面扇形状の閉成用凸部21とからなっており、それら内筒部23、外筒部24、及び閉成用凸部21は同一高さ(上下端面が面一)となっている。 前記閉成用凸部21は、前記弁シート部材30のシート面30aに摺接しながら回転せしめられて前記回転停止用ストッパ35に接当して停止せしめられ、その回転停止位置に応じて、前記第1の流出口32及び前記第2の流出口33を択一的に閉じるようになっている。
【0031】
前記内筒部23には、前記管軸40が内嵌されるとともに、前記内筒部23と前記外筒部24との間に形成される空間(前記閉成用凸部21以外の空隙)が導入路29(後述)となっている。
【0032】
前記回転弁体20は、前記ロータ17の下部に一体回動可能に緩く内嵌せしめられている。すなわち、前記ロータ17の内周側にキー状凸部27が突設されるとともに、前記回転弁体20の前記閉成用凸部21に前記キー状凸部27が遊嵌されるキー溝25が形成されている。
【0033】
一方、前記ロータ17の上部には、隔壁18が形成されている。該隔壁18には、その中央に前記管軸40が遊挿される挿通穴19が形成されるとともに、該挿通穴19周りに複数個の透孔26、26が形成されている。
前記回転弁体20の上端と前記隔壁18との間及び前記隔壁18と前記キャン11との間の空間は後述するように加圧室51、52となっている。
【0034】
このような構成とされた本実施形態の電動切換弁10においては、前記閉成用凸部21が図3(A)に示される如くの第1の回転停止位置と図3(B)に示される如くの第2の回転停止位置との二位置をとるようにされる。
【0035】
すなわち、初期状態では、図3(A)に示される如くの第1の回転停止位置をとり、このときは、閉成用凸部21が第2の流出口33の上に乗ってこれを閉じた状態で回転停止用ストッパ35の一側端面に接当して停止せしめられており、かつ、第1の流出口32及び流入口31上には位置せず、これらを閉じてはいない。
【0036】
そのため、かかるときには、流入口31に導入された流体は、前記弁シート部材30のシート面30a上に流出することなく、前記回転弁体20の内筒部23に内挿された、導出路としての管軸40を通じてその上方に設けられた加圧室52、51に導かれ、この加圧室52、51の流体の圧力により前記回転弁体20が前記弁シート部材30側に押圧されてそのシート面30aに前記閉成用凸部21が圧接せしめられ、かつ、前記加圧室52、51の流体は前記回転弁体20に設けられた導入路29を通じて、第1の流出口32に流れ込む。
【0037】
前記初期状態(第1の回転停止位置)から、ステッピングモータ(の巻線)12に所定数のパルス信号を通電すると、前記ロータ17及び回転弁体20が前記パルス数に応じた角度α分、一方向に回転(正転)せしめられ、これと一緒に、前記閉成用凸部21も同角度α分、前記ロータ17及び回転弁体20の回転軸線Oを中心として、前記シート面30aに摺接しながら回転せしめられ、回転停止用ストッパ35に接当して停止せしめられる。
【0038】
これにより、図3(B)に示される如くに、閉成用凸部21が第1の流出口32の上に乗ってこれを閉じた状態となるとともに、第2の流出口33及び流入口31上には位置していない状態(第2の回転停止位置)となる。
そのため、かかるときには、前記加圧室52、51の流体が前記導入路29を通じて、第2の流出口33に流れ込む。
【0039】
この第2の回転停止位置から、ステッピングモータ(の巻線)12に所定のパルス数のパルス信号を前記とは逆順序で通電すると、前記ロータ17及び回転弁体20が前記パルス数に応じた角度α分、他方向に回転(逆転)せしめられ、これと一緒に、前記閉成用凸部21も同角度α分、前記ロータ17及び回転弁体20の回転軸線Oを中心として、前記シート面30aに摺接しながら回転(逆転)せしめられ、回転停止用ストッパ35に接当して停止せしめられ、これにより、前記回転弁体20及び閉成用凸部21が前記第1の回転停止位置に切り換えられる。
【0040】
このように本実施形態の電動切換弁10では、ステッピングモータ12により弁体20の一端面側に突設した閉成用凸部21を弁シート部材30のシート面30aに摺接させながら所定角度回転させて、2本の流出口32、33を択一的に閉じるようにされる。この場合、ステッピングモータを用いたことで、回転弁体20を正確に所要の角度だけ回転させることができるとともに、起動、停止、逆転の応答性がよくなり、しかも、停止時に高い保持トルクを持つことから、切り換え時以外は、通電することを要さない。そのため、消費電力を従来の電磁式のもの等に比して大幅に抑えることができる。
【0041】
また、オープンループ制御を行えるので、回転位置を検出するセンサ類が必要なフィードバック制御を行う場合に比して、トータルシステムが簡素となり、調整、保守、点検等が容易となる。
【0042】
さらに、供給パルス数に応じて回転角度が設定されることから、回転停止用ストッパ35は、必ずしも必要ではないが、これを設けることにより、回転弁体20の回転を確実に停止させることができ、しかも、たとえ、回転停止用ストッパを設けたとしても、閉成用凸部21がストッパに接当したとき、騒音はほとんど発生しない。
【0043】
上記に加え、本実施形態の電動切換弁10では、前記流入口31に導入された流体が前記弁シート部材30のシート面30a上に流出することなく、前記回転弁体20に形成された導出路(管軸40)を通じてその上方に設けられた加圧室52、51に導かれるとともに、前記加圧室52、51から前記回転弁体20に設けられた導入路29を通じて、前記2本の流出口32、33に択一的に導かれるようにされていて、前記加圧室52、51の圧力により前記回転弁体20を前記弁シート部材30側に押圧するようにされているので、前記弁シート部材30と前記弁体20との間に流体(冷媒)が噴出せしめられることはなく、そのため、回転弁体20が浮き上がり難くされて、流出口32、33に対する弁体20のシール性が損なわれ難くされ、信頼性が高められるとともに、押圧ばね等が不要となるので、部品点数が削減され、装置コスト、製造コストを低く抑えることのできる。
【0044】
さらに、前記ロータ17にキー状凸部27を突設するとともに、前記回転弁体20に前記キー状凸部27が遊嵌されるキー溝25を形成して、前記ロータ17と前記回転弁体20との間に、遊び間隙を有する嵌合部を設けてそれらを一体回動可能に連結したことにより、ロータ17の回転軸線が振れたとしても、前記嵌合部の遊び間隙で吸収され、その結果、前記振れが回転弁体20に伝わり難くされ、そのため、弁体20の前記流出口32、33に対するシール性を一層向上させることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の電動切換弁は、ステッピングモータにより弁体をシート面に摺接させながら回転させるようにして、複数本の流出口を択一的に閉じるようにされるので、消費電力を低減できるとともに、騒音の発生を抑えられ、さらに、回転弁体が浮き上がり難くされて、流出口に対する弁体のシール性が損なわれ難くされ、信頼性が高められるとともに、押圧ばね等が不要となるので、部品点数が削減され、装置コスト、製造コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動切換弁の一実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示される電動切換弁の主要部の分解斜視図。
【図3】図1のIII−III矢視断面図。
【図4】図1のIV−IV矢視断面図。
【符号の説明】
10 電動切換弁
11 キャン
12 ステッピングモータ
17 ロータ
20 回転弁体
21 閉成用凸部
29 導入路
30 弁シート部材
30a シート面
31 流入口
32 第1の流出口
33 第2の流出口
35 回転停止用ストッパ
40 管軸(導出路)
51、52 加圧室
O 回転軸線
Claims (4)
- キャンと、このキャンの外周に取り付けられたステータ及び前記キャンの内周の加圧室に配在されたロータ等からなるステッピングモータと、前記ロータの内周側にそれと一体回動可能に遊嵌された回転弁体と、この回転弁体の一端面側に対向配置された弁シートを有する弁シート部材と、を備えた電動切換弁であって、
前記弁シート部材には、前記シート面に1本の流入口と複数本の流出口が形成され、前記回転弁体の一端面側には、前記シート面に摺接しながら回転せしめられるとともに、その回転停止位置に応じて前記複数本の流出口を択一的に閉じる閉成用凸部が設けられており、
前記弁シート部材の中央に形成された前記流入口に、前記回転弁体の回転支軸としての管軸が圧入固定されており、前記管軸は、前記流入口に導入された流体を前記加圧室に導く導出路を兼ねることを特徴とする電動切換弁。 - 前記回転弁体は、前記加圧室からの流体を前記複数本の流出口に択一的に導く導入路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電動切換弁。
- 前記回転弁体は、断面扇形状の前記閉成用凸部によって連結される内筒部と外筒部とを有し、前記内筒部に前記管軸が内嵌されるとともに、前記内筒部と前記外筒部との間が前記導入路とされていることを特徴とする請求項2に記載の電動切換弁。
- 前記ロータと前記回転弁体のうちのいずれか一方に、キー状凸部が突設されるとともに、他方に前記キー状凸部が遊嵌されるキー溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動切換弁。
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