JP2002071035A

JP2002071035A - 電動切換弁

Info

Publication number: JP2002071035A
Application number: JP2000256093A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Nomura; 健一野村; Masaya Sato; 雅也佐藤
Original assignee: Fujikoki Corp
Current assignee: Fujikoki Corp
Priority date: 2000-08-25
Filing date: 2000-08-25
Publication date: 2002-03-08

Abstract

(57)【要約】【課題】消費電力を低減できるとともに、騒音がほと
んど発生せず、かつ、比較的簡素な構成で、装置コス
ト、製造コストを低く抑えることのでき、流出口に対す
る弁体のシール性を一層向上できる電動切換弁を提供す
る。【解決手段】キャン１１と、このキャン１１の外周に
取り付けられたステータ１３及び前記キャン１１の内周
に配在されたロータ１７等からなるステッピングモータ
１２と、前記ロータ１７の内周側にそれと一体回動可能
に設けられた回転弁体２０と、この回転弁体２０の一端
面側に対向配置された弁シート部材３０と、を有し、
前記弁シート部材３０のシート面３０ａに複数本の流出
口３２、３３が開口せしめられるとともに、前記弁シー
ト部材３０の側面に流入口３１が開口せしめられ、前記
回転弁体２０に、前記シート面３０ａに摺接しながら回
転せしめられるとともに、その回転停止位置に応じて前
記複数本の流出口３２、３３を選択的に閉じる閉成用弁
部２０Ｂが備えられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流路の切り換えを
行う切換弁に係り、特に、空調機や冷蔵庫等の冷媒循環
系に組み込んで使用するのに好適な、ステッピングモー
タを用いた電動切換弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、１本の流路Ａを流れる流体を２
本の流路Ｂ及び流路Ｃのいずれかに任意に切り換えて流
すようにする場合、通常、流路Ａと流路Ｂ、Ｃとの間に
三方切換弁を介装する。

【０００３】具体的には、例えば、冷蔵庫においては、
圧縮機からの冷媒が導入される流路Ａと、冷媒を冷凍室
側のエバポレータに導く流路Ｂと、冷媒を冷蔵室側のエ
バポレータに導く流路Ｃと、の間に、三方切換弁が介装
され、流路Ａに導入された冷媒は、三方切換弁により流
路Ｂと流路Ｃのいずれか一方のみに択一的に流される。
つまり、前記三方切換弁においては、流路Ａ（流入口）
は常時開かれ、流路Ｂ（第１の流出口）が開けられてい
るときは、流路Ｃ（第２の流出口）が閉じられ、逆に、
流路Ｂが閉じられているときは、流路Ｃが開けられる。
従来、前記三方切換弁としては、電磁式の開閉弁を２個
組み合わせたものを用いることが多い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電磁式の三方切換弁は、少なくとも、２本の流出口のう
ちの一方を開けている期間は、それに備えられるソレノ
イドを通電励磁しておかなければならないので、消費電
力が大きいという問題があった。また、流路切換時に
は、金属製の弁体（スプール等）が勢い良く弁座（弁ケ
ース等）に衝突して停止せしめられる構造となっている
ので、大きな騒音が発生するという問題等もあった。

【０００５】上記した如くの問題を解消できる切換弁と
して、弁シート部材のシート面（弁座）に１本の流入口
と複数本の流出口を開口させるとともに、弁体（弁部）
を付勢手段（押圧ばね）により前記シート面に押し付け
ながらステッピングモータにより回転させて、前記複数
本の流出口を択一的に開閉するようにしたものが考えら
れる。

【０００６】このように、ステッピングモータにより弁
体をシート面に摺接させながら回転させるようにした電
動切換弁では、ステッピングモータを用いたことで、弁
体を正確に所要の角度だけ回転させることができるとと
もに、起動、停止、逆転の応答性がよくなり、しかも、
停止時に高い保持トルクを持つことから、切り換え時以
外は、通電することを要さない。そのため、消費電力を
従来の電磁式のもの等に比して大幅に抑えることがで
き、また、オープンループ制御を行えるので、回転位置
を検出するセンサ類が必要なフィードバック制御を行う
場合に比して、トータルシステムが簡素となり、調整、
保守、点検等が容易となる、といった効果が期待でき
る。

【０００７】かかる効果に加えて、上記ステッピングモ
ータを用いた電動切換弁では、前記流出口に対する弁体
のシール性をより向上させることが望まれている。特
に、上記電動切換弁では、弁シート部材のシート面に開
口せしめられた流入口から、前記弁シート部材と弁体と
の間の空間、つまり、弁体に向けて直接的に流体（冷
媒）が噴出せしめられるので、この流体の噴出が前記流
出口に対する前記弁体のシール性の低下を生じさせる可
能性がある。

【０００８】本発明は、上記ような課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、ステッピングモー
タにより弁体をシート面に摺接させながら回転させるよ
うにして、消費電力を低減できるとともに、騒音がほと
んど発生せず、かつ、部品点数を削減して、装置コス
ト、製造コストを低く抑えることのでき、しかも、流出
口に対する弁体のシール性を効果的に向上できるように
された電動切換弁を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明に係る電動切換弁は、基本的には、キャン
と、このキャンの外周に取り付けられたステータ及び前
記キャンの内周に配在されたロータ等からなるステッピ
ングモータと、前記ロータの内周側に該ロータと一体回
動可能に配在された回転弁体と、該回転弁体の一端側に
対向配置された弁シート部材と、を備え、前記弁シート
部材がそのシート面に複数本の流出口が開口せしめられ
るとともに、前記弁シート部材の側面に流入口が開口せ
しめられ、前記回転弁体が、前記シート面に摺接しなが
ら回転せしめられるとともに、その回転停止位置に応じ
て前記複数本の流出口を選択的に閉じる閉成用弁部を備
えていることを特徴としている。

【００１０】好ましい態様では、前記流入口は、前記弁
シート部材の高さ方向に形成された縦穴と、該縦穴から
側方に伸びる横穴と、からなり、より好ましくは、前記
弁シート部材を縦貫するように前記縦穴が形成されると
ともに、該縦穴の前記シート面側を塞ぐように、前記閉
成用弁部が接当せしめられる回転停止用ストッパの基端
側が嵌入される。

【００１１】このような構成とされることにより、流体
は流入口を形成する縦穴及び横穴を介して、回転弁体側
ではなく、それに直交する方向に噴出せしめられるの
で、回転弁体に及ぼす影響が小さくなり、そのため、流
体を回転弁体側に向けて噴出させるようにしたものに比
して、流出口に対する弁体（閉成用弁部）のシール性が
向上する。

【００１２】また、流入口を、前記弁シート部材を縦貫
する縦穴と該縦穴から側方に伸びる横穴とで形成し、前
記縦穴のシート面側を回転停止用ストッパで塞ぐように
なすことにより、弁シート部材及び回転停止用ストッパ
の加工組立が容易となり、コスト低減が図られる。他の
好ましい態様では、前記閉成用弁部に、前記シート面と
の接触面積を減じるべく凹部が設けられる。

【００１３】このようにして、シート面と閉成用弁部と
の接触面積を小さくすることより、シート面に対する閉
成用弁部の面圧が大きくなり、そのため、流出口に対す
る弁体（閉成用弁部）のシール性が一層向上する。上記
以外の好ましい態様を、以下に挙げる。

【００１４】・前記弁シート部材における前記流入口及
び流出口の一端側に、流体導入管及び流体導出管を直接
内嵌接合する。・前記弁シート部材に前記キャンの一端部を密封接合
し、前記弁シート部材と前記キャンとの間に弁室を形成
する。以上の２態様では、弁シート部材周りが簡素となるとと
もに、部品点数及び組立て時の工数が削減され、コスト
低減が図られる。

【００１５】・前記ロータと前記回転弁体との間に、該
回転弁体の閉成用弁部を前記シート面に直接押圧する付
勢部材を介装する。・前記回転弁体を、前記ロータの回転が伝達される従動
回転部材と、該従動回転部材に連動して回転せしめられ
る、前記閉成用弁部を含む連動回転部材と、で構成す
る。

【００１６】・前記従動回転部材と前記連動回転部材と
の間に、前記閉成用弁部を前記シート面に直接押圧する
付勢部材を介装する。以上の３態様では、コイルばね等の付勢部材により閉成
用弁部がシート面に直接押圧され、ロータ（の回転軸
線）の振れが前記付勢部材により吸収されて前記回転弁
体には伝わり難くされるで、流出口に対する弁体（閉成
用弁部）のシール性が一層向上する。

【００１７】・前記ロータ又は該ロータに一体回動可能
に連結された弁ホルダに、前記回転弁体を遊び間隙を介
して一体回動可能に嵌合する。・前記ロータ又は該ロータに一体回動可能に連結された
弁ホルダと前記回転弁体のうちのいずれか一方に、非円
形断面の嵌合凸部を突設し、他方に、前記嵌合凸部が遊
嵌される非円形断面の嵌合凹部を形成する。

【００１８】・前記回転弁体の従動回転部材に、前記連
動回転部材を正逆両方向に押圧して回転させるための一
対の押送片部を設け、該一対の押送片部間に前記連動回
転部材を遊嵌する。以上の３態様では、ロータや弁ホルダの振れが前記遊び
間隙により吸収されるので、弁体のシール性が一層向上
する。

【００１９】・前記一対の押送片部を、前記従動回転部
材が回転せしめられるとき、前記閉成用弁部より先に、
前記回転停止用ストッパに接当するように構成する。この態様では、回転停止時における前記閉成用弁部に作
用する衝撃が緩和され、弁体のシール性が一層向上す
る。

【００２０】・前記弁シート部材の中央に、回転支軸を
圧入固定し、この回転支軸に、前記ロータ、前記弁ホル
ダ、前記回転弁体等の回転部分を回動自在に外嵌する。・前記回転弁体の連動回転部材を前記回転支軸に回動自
在に外嵌する。以上の２態様では、回転弁体（従動回転部材、連動回転
部材）の振れが回転支軸により抑えられ、これにより、
弁体のシール性が一層向上する。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。〔第１実施形態〕図１は本発明に係る電動切換弁の第１
実施形態を示している。図示実施形態の電動切換弁１０
は、逆立有底円筒状のキャン１１と、ステッピングモー
タ１２と、を備えている。前記ステッピングモータ１２
は、前記キャン１１の外周に取り付けられたステータヨ
ーク１３、このヨーク１３内に配設されたボビン１４、
このボビン１４に巻装された巻線（コイル）１５を有
し、前記ステータヨーク１３、ボビン１４及び巻線１５
の外周は樹脂モールド１６によりモールドされ、前記キ
ャン１１の内周には、後述する中心軸線Ｏ回りに正逆両
方向に回転せしめられるプラスチックマグネットからな
るロータ１７が配在されている。

【００２２】前記キャン１１の一端部（下端部）は、大
径下半部３０Ｂと小径上半部３０Ａとからなる断面凸字
状の段付き円柱状とされた、ステンレス製あるいは黄銅
製等の弁シート部材３０の中間段差部にリング状連結部
材３７を介して溶接等により密封接合されており、この
弁シート部材３０の小径上半部３０Ａと前記キャン１１
との間に弁室３４が形成されている。

【００２３】前記弁シート部材３０には、図２、図３を
参照すればよくわかるように、そのシート面（上面）３
０ａ側中央部に、金属製の回転支軸４０の下部が圧入等
により挿着固定され、また、そのシート面（上面）３０
ａに第１の流出口３２及び第２の流出口３３が開口せし
められるとともに、その小径上半部３０Ａの前記第１の
流出口３２及び第２の流出口３３が形成されている側と
は反対側の周側面に流入口３１が開口せしめられてい
る。

【００２４】前記流入口３１は、前記弁シート部材３０
を高さ方向に縦貫するように形成された段付きの縦穴３
１ａと、該縦穴３１ａから側方（真横）に伸びる横穴３
１ｂと、からなっており、前記縦穴３１ａの前記シート
面３０ａ側を塞ぐように、後述する回転停止用ストッパ
３５の基端側が圧入されている。また、前記縦穴３１ｂ
のうち、前記弁シート部材３０の大径下半部３０Ｂに位
置する大径部には、流体導入管４６が圧入、ろー付け、
溶接等により直接内嵌接合（接合部５１）されている。

【００２５】前記第１の流出口３２及び第２の流出口３
３は、それぞれ前記弁シート部材３０を高さ方向に縦貫
するように形成された、下側から順次、大径部、中径
部、小径部からなる段付きの挿通穴からなっており、前
記弁シート部材３０の大径下半部３０Ｂに位置する大径
部には、流体導出管４７、４８が圧入、ろー付け、溶接
等により直接内嵌接合（接合部５２、５３）されてい
る。

【００２６】これら第１の流出口３２及び第２の流出口
３３は、図５を参照すればよくわかるように、後述する
回転弁体２０の閉成用弁部２０Ｂにより択一的に閉じら
れるように、前記流入口３１（回転停止用ストッパ３５
の中心軸線））と前記弁シート部材３０、回転支軸４０
等の中心軸線Ｏとを通る直線を挟んで対称配置されてい
る。

【００２７】一方、前記ロータ１７の上部には、金属製
のリング状部材１９がインサート成形により固設され、
このリング状部材１９に、円柱部２７Ａと該円柱部２７
Ａから下方に突出する断面小判形の嵌合凸部２７Ｂから
なる金属製の弁ホルダ２７の上部がカシメ加工（カシメ
部２７ａ）により一体的に連結されており、該弁ホルダ
２７（の中央に設けられた挿通穴２７Ａ）が、前記回転
支軸４０の上部に回転自在に外嵌されている。したがっ
て、前記ロータ１７と弁ホルダ２７とは、前記回転支軸
４０の中心線である回転軸線Ｏを中心として正逆両方向
に一体的に回動せしめられる。

【００２８】前記回転支軸４０の上部、つまり、前記弁
ホルダ２７と前記キャン１１の頂面との間には、座金２
９を介してカラー２８が介装されている。また、前記回
転支軸４０における前記弁シート部材３０と弁ホルダ２
７との間には、合成樹脂製の回転弁体２０（の底壁部２
７Ｃに設けられた円錐状の挿通穴２０ｃ）が回転自在に
外嵌されている。

【００２９】前記回転弁体２０は、図３に加えて図４を
参照すればよくわかるように、前記弁ホルダ２７の嵌合
凸部２７Ｂが遊び間隙Ｓを介して遊嵌される、それと相
似形（小判形）の嵌合穴２０ａを有する基体スリーブ２
０Ａと、該基体スリーブ２０Ａの下側に連設された断面
半月ないし三日月状の閉成用弁部２０Ｂと、該閉成用弁
部２０Ｂと前記基体スリーブ２０Ａとを連結する、円錐
状の挿通穴２０ｃを有する底壁部２７Ｃと、からなって
おり、前記ロータ１７及び弁ホルダ２７が正逆両方向に
回転せしめられるとき、図４（Ａ）、（Ｂ）に示される
如くに、前記弁ホルダ２７の嵌合凸部２７Ｂに押される
ようにして、それらと一体的に回動せしめられる。

【００３０】そして、前記弁ホルダ２７の嵌合凸部２７
Ｂと前記回転弁体２０の底壁部２０Ｃとの間に、前記閉
成用弁部２０Ｂを前記弁シート部材３０のシート面３０
ａに直接押圧する付勢部材としての押圧用コイルばね２
５が介装されている。前記底壁部２０Ｃと前記押圧用コ
イルばね２５との間にはばね受け座金２６が介装されて
いる。

【００３１】前記回転弁体２０の閉成用弁部２０Ｂは、
前記押圧用コイルばね２５の付勢力により、前記弁シー
ト部材３０のシート面３０ａに押しつけられており、し
たがって、前記ロータ１７が回転せしめられるときに
は、前記シート面３０ａを摺接しながら回転せしめられ
て、前記回転停止用ストッパ３５に接当して停止せしめ
られ、その回転停止位置に応じて、前記第１の流出口３
２及び前記第２の流出口３３を択一的に閉じるようにな
っている。

【００３２】前記閉成用弁部２０Ｂには、前記シート面
３０ａとの接触面積を減じるべく、その接触面（下面）
から上側に凹む、断面半月ないし三日月状の凹部２０ｂ
が形成されている。このような構成とされた本実施形態
の電動切換弁１０においては、前記閉成用弁部２０Ｂが
図５（Ａ）に示される如くの第１の回転停止位置と図５
（Ｂ）に示される如くの第２の回転停止位置との二位置
をとるようにされる。

【００３３】すなわち、初期状態では、図５（Ａ）に示
される如くの第１の回転停止位置をとり、このときは、
閉成用弁部２０Ｂが第１の流出口３１の上に乗ってこれ
を閉じた状態で回転停止用ストッパ３５の一側端面に接
当して停止せしめられており、かつ、第２の流出口３３
上には位置せず、これを閉じてはいない。そのため、か
かるときには、流入口３１から弁シート部材３０の側方
に噴出せしめられて弁室３４に導入された流体は第２の
流出口３３に流れ込む。

【００３４】前記初期状態（第１の回転停止位置）か
ら、ステッピングモータ１２（の巻線１５）に予め定め
られた設定パルス数のパルス信号を通電すると、前記ロ
ータ１７及び前記弁ホルダ２７と一緒に回転弁体２０が
前記パルス数に応じた角度α分（ここでは１８０度）、
一方向に回転（正転）せしめられ、これと一緒に、前記
回転弁体２０の閉成用弁部２０Ｂも同角度α分、前記回
転軸線Ｏを中心として、前記シート面３０ａに摺接しな
がら回転せしめられ、回転停止用ストッパ３５の他側端
面に接当して停止せしめられ、図５（Ｂ）の状態とな
る。

【００３５】これにより、閉成用弁部２０Ｂが第２の流
出口３３の上に乗ってこれを閉じた状態となり、かつ、
第１の流出口３２上には位置していない状態（第２の回
転停止位置）となる。そのため、かかるときには、流入
口３１から弁シート部材３０の側方に噴出せしめられて
弁室３４に導入された流体は第１の流出口３２に流れ込
む。

【００３６】この第２の回転停止位置から、ステッピン
グモータ１２（の巻線１５）に前記設定パルス数のパル
ス信号を前記とは逆順序で通電すると、前記ロータ１７
及び弁ホルダ２７と一緒に前記回転弁体２０が前記パル
ス数に応じた角度α分（ここでは１８０度）、他方向に
回転（逆転）せしめられ、これと一緒に、前記回転弁体
２０の閉成用弁部２０Ｂも同角度α分、前記回転軸線Ｏ
を中心として、前記シート面３０ａに摺接しながら回転
（逆転）せしめられ、回転停止用ストッパ３５に接当し
て停止せしめられ、これにより、前記弁体２０及び閉成
用弁部２０Ｂ２１、２２が図３（Ａ）に示される如くの
第１の回転停止位置に切り換えられる。

【００３７】このように本実施形態の電動切換弁１０で
は、ステッピングモータ１２により弁体２０の閉成用弁
部２０Ｂを弁シート部材３０のシート面３０ａに摺接さ
せながら所定角度回転させて、２本の流出口３２、３３
を択一的に閉じるようにされる。この場合、ステッピン
グモータ１２を用いたことで、弁体２０を正確に所要の
角度だけ回転させることができるとともに、起動、停
止、逆転の応答性がよくなり、しかも、停止時に高い保
持トルクを持つことから、切り換え時以外は、通電する
ことを要さない。そのため、消費電力を従来の電磁式の
もの等に比して大幅に抑えることができる。

【００３８】また、オープンループ制御を行えるので、
回転位置を検出するセンサ類が必要なフィードバック制
御を行う場合に比して、トータルシステムが簡素とな
り、調整、保守、点検等が容易となる。さらに、供給パ
ルス数に応じて回転角度が設定されることから、回転停
止用ストッパ３５は、必ずしも必要ではないが、これが
存在することにより、回転弁体２０の回転を確実に停止
させることができ、しかも、たとえ、回転停止用ストッ
パ３５を設けたとしても、閉成用弁部２０Ｂがストッパ
３５に接当したとき、騒音はほとんど発生しない。

【００３９】上記に加え、本実施形態の電動切換弁１０
では、流入口３１が、弁シート部材３０を高さ方向に縦
貫する縦穴３１ａと該縦穴３１ａから側方に伸びる横穴
３１ｂとで形成され、かつ、前記縦穴３１ａの前記シー
ト面３０ａ側を塞ぐように、回転停止用ストッパ３５の
基端側が嵌入されているので、流体は流入口３１を形成
する縦穴３１ａ及び横穴３１ｂを介して、回転弁体２０
側ではなく、それに直交する方向に噴出せしめられる。
このため、流体が回転弁体に及ぼす影響が小さくなり、
そのため、流体を回転弁体側に向けて噴出させるように
したものに比して、流出口３２、３３に対する弁体２０
（閉成用弁部２０Ｂ）のシール性が向上する。

【００４０】また、流入口３１を上記のように形成した
ことにより、弁シート部材３０及び回転停止用ストッパ
３５の加工組立が容易となり、コスト低減も図られる。
さらに、前記閉成用弁部２０Ｂに、前記シート面３０ａ
との接触面積を減じるべく凹部２０ｂが設けられている
ことにより、シート面３０ａと閉成用弁部２０Ｂとの接
触面積が小さくなるため、シート面に対する閉成用弁部
の面圧が大きくなり、そのため、流出口３２、３３に対
する弁体２０（閉成用弁部２０Ｂ）のシール性が一層向
上する。

【００４１】また、本実施形態の電動切換弁１０では、
以下の如くの作用効果も得られる。すなわち、前記弁シ
ート部材３０における前記流入口３１及び流出口３２、
３３の一端側（下端側）に、流体導入管４６及び流体導
出管４７、４８を直接内嵌接合し、さらに、前記弁シー
ト部材３０にキャン１１の一端部（下端部）をリング状
連結部材３７を介して溶接等により密封接合し、前記弁
シート部材３０と前記キャン１１との間に弁室３４を形
成したことにより、弁シート部材３０周りが簡素となる
とともに、部品点数及び組立て時の工数が削減され、コ
スト低減が図られる。

【００４２】前記弁ホルダ２７と前記回転弁体２０との
間に、押圧用コイルばね２５を介装して、回転弁体２０
の閉成用弁部２０Ｂを前記シート面３０ａに直接押圧す
るようにしたことにより、ロータ２０（の回転軸線）の
振れが前記押圧用コイルばね２５により吸収されて前記
回転弁体２０には伝わり難くされるで、流出口３２、３
３に対する弁体２０（閉成用弁部２０Ｂ）のシール性が
一層向上する。

【００４３】前記ロータ１７に一体回動可能に連結され
た弁ホルダ２７に、非円形断面（小判形）の嵌合凸部２
７Ｂを突設し、回転弁体２０側に前記嵌合凸部２７Ｂが
遊嵌される非円形断面の嵌合穴２０ａを形成し、弁ホル
ダ２７と回転弁体２０とを遊び間隙Ｓを介して一体回動
可能に嵌合させたことにより、ロータ１７や弁ホルダ２
７の振れが前記遊び間隙Ｓにより吸収されるので、弁体
２０のシール性が一層向上する。

【００４４】前記弁シート部材３０の中央に、回転支軸
４０を圧入固定し、この回転支軸４０に、前記ロータ１
７、前記弁ホルダ２７、前記回転弁体２０等の回転部分
を回動自在に外嵌したことにより、回転弁体２０の振れ
が回転支軸４０により抑えられ、これにより、弁体２０
のシール性が一層向上する。

【００４５】以上述べた実施形態に限らず、本発明は第
１実施形態において流出口３２、３３を同時に閉じるこ
とが可能である。即ち、前記回転弁体２０の閉成用弁部
２０Ｂを前記第１及び第２の回転停止位置から図１３に
示される第３の回転停止位置に移動させるのである。こ
のためには、該閉成用弁部２０Ｂを所定角度βだけ正転
又は逆転させればよく、したがって、かかる際には、ス
テッピングモータに所定のパルス数のパルス信号を通電
する。

【００４６】これにより、前記ロータ１７と一緒に前記
回転弁体２０の閉成用弁部２０Ｂが前記第１又は第２の
回転停止位置から前記パルス数に応じた角度β分だけ正
転又は逆転せしめられて、第３の回転停止位置にて停止
せしめられ、この閉成用弁部２０Ｂにより前記第１及び
第２の流出口３２、３３の両方が共に閉じられる。した
がって、かかるときには、流入口３１から流出口３２、
３３への流体の流出が遮断される。

【００４７】このように本実施形態の電動切換弁１０で
は、ステッピングモータ１２により弁体２０の閉成用弁
部２０Ｂを弁シート部材３０のシート面３０ａに摺接さ
せながら所定角度回転させて、２本の流出口３２、３３
を択一的に閉じるとともに、それら２本の流出口３２、
３３を同時に閉じるようにようにもなされる。この場
合、ステッピングモータ１２を用いたことで、弁体２０
を正確に所要の角度だけ回転させることができるととも
に、切り換え時以外は、通電することを要さない。その
ため、消費電力を従来の電磁式のもの等に比して大幅に
抑えることができる。

【００４８】また、２本の流出口３２、３３をパルス数
に応じて同時に閉じることができるようにされているこ
とから、例えば、当該電動切換弁１０を冷蔵庫の冷凍サ
イクルに組み込んだ場合等において、流体（冷媒）を循
環させる必要のないとき（例えばコンプレッサ停止
時）、２本の流出口３２、３３を共に閉じておくこと
で、冷媒がサイクル側に不所望に流出することが防が
れ、これによって、省エネルギー化等が図られる。

【００４９】〔第２実施形態〕図６は、本発明に係る電
動切換弁の第２実施形態の主要部（キャン１１の内周
側）を示しており、前記した第１実施形態の各部に対応
する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を
省略し、以下においては、相違点を重点的に説明する。

【００５０】本実施形態においては、弁ホルダ２７に対
する回転弁体２０の外嵌状態が異なり、弁ホルダ２７と
回転弁体２０の嵌合が深くなっている。すなわち、弁ホ
ルダ２７の嵌合凸部２７Ｂの突出長が長くされて、該嵌
合凸部２７Ｂと回転弁体２０との当接位置が回転弁体２
０の底壁部２０Ｃ近傍とされ、回転弁体２０の基体スリ
ーブ２０Ａと弁ホルダ２７の嵌合凸部２７Ｂとの間に間
隙が設けられている。また、嵌合凸部２７Ｂの中央には
押圧用コイルばね２５が挿入されるガイド穴２７ｄが形
成されている。

【００５１】かかる構成とされた第２実施形態の電動切
換弁においても、第１実施形態と略同様な作用効果が得
られることに加えて、弁ホルダ２７と回転弁体２０の嵌
合が深くされていることより、回転弁体２０をシート面
３０ａに対して、より安定して回転させることができ
る。また、本第２実施形態においても、図１３に示した
と同様にパルス数に応じて流出口３２、３３を同時に閉
じることができるのは勿論である。

【００５２】〔第３実施形態〕図７、図８は、本発明に
係る電動切換弁の第３実施形態の主要部（キャン１１の
内周側）を示しており、前記した第１実施形態の各部に
対応する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説
明を省略し、以下においては、相違点を重点的に説明す
る。

【００５３】本実施形態では、回転弁体２０’が、ロー
タ１７及び弁ホルダ２７の回転が伝達される、第１実施
形態における基体スリーブ２０Ａに相当する従動回転部
材２１と、該従動回転部材２１に連動して回転せしめら
れる、第１実施形態の閉成用弁部２０Ｂに相当する連動
回転部材２２と、に分割構成されている。

【００５４】前記従動回転部材２１は、前記弁ホルダ２
７の嵌合凸部２７Ｂが遊び間隙Ｓを介して遊嵌される、
それと相似形（小判形）の嵌合凹部２１ａと中間隔壁部
２１ｂとを有する。前記連動回転部材２２は、図７、図
８に加えて図８を参照すればよくわかるように、横断面
が扇形ないし矩形で前記回転支軸４０に回転自在に外嵌
される円錐形の挿通穴２２ｃが形成された連動嵌合部２
２Ａと、第１実施形態のものと同形状（断面半月ないし
三日月状）の閉成用弁部２２Ｂと、からなっており、前
記連動嵌合部２２Ｂは、前記従動回転部材２１の下部一
側に設けられた矩形開口を形成する一対の押送面２１
ｃ、２１ｃ間に緩く嵌合せしめられている。

【００５５】そして、前記回転弁体２０’の従動回転部
材２１における前記中間隔壁部２１ｂと前記連動回転部
材２２の連動嵌合部２２Ａとの間に、前記閉成用弁部２
２Ｂを前記弁シート部材３０のシート面３０ａに直接押
圧する付勢部材としての押圧用コイルばね２５が介装さ
れている。

【００５６】前記連動回転部材２２の閉成用弁部２２Ｂ
は、前記押圧用コイルばね２５の付勢力により、前記弁
シート部材３０のシート面３０ａに押しつけられてお
り、したがって、前記ロータ１７が回転せしめられると
きには、その回転が、前記弁ホルダ２７及び前記従動回
転部材２１を介して、前記連動回転部材２２に伝達さ
れ、これによって、前記閉成用弁部２２Ｂは、前記シー
ト面３０ａを摺接しながら回転せしめられて、前記回転
停止用ストッパ３５に接当して停止せしめられ、その回
転停止位置に応じて、前記第１の流出口３２及び前記第
２の流出口３３を択一的に閉じるようになっている。

【００５７】前記閉成用弁部２２Ｂには、第１実施形態
と同様に、前記シート面３０ａとの接触面積を減じるべ
く、その接触面（下面）から上側に凹む、断面半月ない
し三日月状の凹部２０ｂが形成されている。このような
構成とされた第２実施形態の電動切換弁においても、第
１実施形態と同様な作用効果が得られることに加えて、
回転弁体２０’が従動回転部材２１と連動回転部材２２
とに分割構成され、前記従動回転部材２１と連動回転部
材２２との間に、閉成用弁部２２Ｂを前記シート面３０
ａに直接押圧する押圧用コイルばね２５が介装されてい
るので、前記押圧用コイルばね２５により閉成用弁部２
２Ｂがシート面３０ａに直接押圧され、ロータ１７（の
回転軸線）の振れが前記押圧用付勢部材２５により吸収
されて前記閉成用弁部２２Ｂには伝わり難くされるで、
第１実施形態のものより、流出口３２、３３に対する弁
体２０（閉成用弁部２２Ｂ）のシール性が一層向上す
る。

【００５８】〔第４実施形態〕図１０、図１１は、本発
明に係る電動切換弁の第４実施形態の主要部（キャン１
１の内周側）を示しており、前記した第１実施形態の各
部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの詳細
な説明を省略し、以下においては、相違点を重点的に説
明する。

【００５９】本実施形態では、回転弁体２０’’が、ロ
ータ１７及び弁ホルダ２７の回転が伝達される、第１実
施形態における基体スリーブ２０Ａに相当する従動回転
部材２３と、該従動回転部材２１に連動して回転せしめ
られる、第１実施形態の閉成用弁部２０Ｂに相当する連
動回転部材２４と、に分割構成されている。前記従動回
転部材２３は、前記弁ホルダ２７の嵌合凸部２７Ｂが緩
く嵌合される、それと相似形（小判形）の嵌合凹部２３
ａと中間隔壁部２３ｂとを有する。

【００６０】前記連動回転部材２４は、図１０、図１１
に加えて図１１を参照すればよくわかるように、横断面
が扇形ないし矩形で前記回転支軸４０に回転自在に外嵌
される円錐形の挿通穴２４ｃが形成された円筒部２４Ａ
と、これに連設された扇形断面の閉成用弁部２４Ｂと、
からなっており、前記閉成用弁部２４Ｂは、前記従動回
転部材２３の下端から一部が突出せしめられている、内
周側に向けてハ字状に並設された一対の押送片部２３
Ｐ、２３Ｑ間に遊び間隙ｋを介して遊嵌されている。

【００６１】前記押送片部２３Ｐ、２３Ｑは、前記従動
回転部材２３が回転せしめられるとき、前記閉成用弁部
２４Ｂより先に、前記回転停止用ストッパに接当するよ
うに形成されている。そして、前記回転弁体２０’’の
従動回転部材２３における前記中間隔壁部２３ｂと前記
連動回転部材２４の円筒部２４Ａとの間に、前記閉成用
弁部２２Ｂを前記弁シート部材３０のシート面３０ａに
直接押圧する付勢部材としての押圧用コイルばね２５が
介装されている。

【００６２】前記連動回転部材２４の閉成用弁部２４Ｂ
は、前記押圧用コイルばね２５の付勢力により、前記弁
シート部材３０のシート面３０ａに押し付けられてい
る。ここで、前記従動回転部材２３が、図１２（Ａ）に
示される如くに、一方の押送片部２３Ｐが回転停止用ス
トッパ３５に接当して停止せしめられている第１の回転
停止位置（第２の流出口３３が閉）にあるとき、ステッ
ピングモータ１２（の巻線１５）に予め定められた設定
パルス数のパルス信号を通電すると、前記ロータ１７及
び前記弁ホルダ２７と一緒に回転弁体２０’’の従動回
転部材２３がが前記パルス数に応じた角度分、一方向に
回転（正転）せしめられ、このときには、前記押送片部
２３Ｐが前記連動回転部２４の閉成用弁部２４Ｂを押送
して、図１１（Ｂ）に示される如くの、第２の回転停止
位置（第１の流出口３２が閉）まで角度β（前記押送片
部２３Ｐの回転角度から前記遊び間隙ｋ分を差し引いた
角度）回転させて停止させる。この停止時には、前記前
記押送片部２３Ｑと前記閉成用弁部２４Ｂとの間に遊び
間隙ｋが形成される。

【００６３】前記従動回転部材２３が、前記第２の回転
停止位置にあるとき、ステッピングモータ１２（の巻線
１５）に前記設定パルス数のパルス信号を前記とは逆順
序で通電すると、前記ロータ１７及び弁ホルダ２７と一
緒に回転弁体２０’’の従動回転部材２３が前記パルス
数に応じた角度、他方向に回転（逆転）せしめられ、こ
のときには、前記押送片部２３Ｑが前記連動回転部２４
の閉成用弁部２４Ｂを押送して、図１１（Ａ）に示され
る如くの、第１の回転停止位置（第１の流出口３２が
閉）まで角度β（前記押送片部２３Ｑの回転角度から前
記遊び間隙ｋ分を差し引いた角度）回転させ、このとき
は、前記押送片部２３Ｐが前記回転停止用ストッパ３５
に接当して停止せしめられる。この停止時には、前記前
記押送片部２３Ｐと前記閉成用弁部２４Ｂとの間に遊び
間隙ｋが形成される。

【００６４】このような構成とされた第４実施形態の電
動切換弁においても、第１実施形態と同様な作用効果が
得られることに加えて、回転弁体２０’’が従動回転部
材２３と連動回転部材２４とに分割構成され、前記従動
回転部材２２と連動回転部材２４との間に、閉成用弁部
２４Ｂを前記シート面３０ａに直接押圧する押圧用コイ
ルばね２５が介装されているので、前記押圧用コイルば
ね２５により閉成用弁部２４Ｂがシート面３０ａに直接
押圧され、ロータ１７（の回転軸線）の振れが前記押圧
用付勢部材２５により吸収されて前記閉成用弁部２４Ｂ
には伝わり難くされるで、第１実施形態のものより、流
出口３２、３３に対する弁体２０（閉成用弁部２２Ｂ）
のシール性が一層向上する。

【００６５】また、従動回転部材２３（の一対の押送片
部２３Ｐ、２３Ｑ）と連動回転部材２４の閉成用弁部２
４Ｂとの間に遊び間隙ｋが形成されているので、ロータ
１７、弁ホルダ２７、回転弁体２０’’の従動回転部材
２３の振れが前記遊び間隙ｋにより吸収され、弁体２
０’’（閉成用弁部２４Ｂ）のシール性が第１、第２実
施形態のものより一層向上する。

【００６６】さらに、前記従動回転部材２３が回転せし
められるとき、前記押送片部２３Ｐが前記閉成用弁部２
４Ｂより先に、前記回転停止用ストッパに接当して停止
せしめられるようにされているので、回転停止時におけ
る前記閉成用弁部２４Ｂに作用する衝撃が緩和され、弁
体２０’’（閉成用弁部２４Ｂ）のシール性が第３実施
形態のものよりさらに向上する。なお、第３及び第４の
実施形態においても第１実施形態と同様に、パルス数に
応じて流出口３２、３３を同時に閉じることができるの
は勿論である。

【００６７】

【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明の電動切換弁は、ステッピングモータにより弁体をシ
ート面に摺接させながら回転させるようにして、複数本
の流出口を択一的に閉じるようにされるので、消費電力
を低減できるとともに、騒音の発生を抑えられ、さら
に、部品点数を削減できて、装置コスト、製造コストを
低く抑えることができ、しかも、流出口に対する弁体の
シール性を効果的に向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電動切換弁の第１実施形態を示す
縦断面図。

【図２】図１に示される電動切換弁の主要部の拡大断面
図。

【図３】図１に示される電動切換弁の主要部の分解斜視
図。

【図４】図２のＵ−Ｕ矢視断面図。

【図５】図１に示される電動切換弁の動作説明に供され
る、閉成用弁部周りの横断面図。

【図６】本発明に係る電動切換弁の第２実施形態の主要
部を示す縦断面図。

【図７】本発明に係る電動切換弁の第３実施形態の主要
部を示す縦断面図。

【図８】図７に示される電動切換弁の主要部の分解斜視
図。

【図９】図７のＶ−Ｖ矢視断面図。

【図１０】本発明に係る電動切換弁の第４実施形態の主
要部を示す縦断面図。

【図１１】図１０に示される電動切換弁の主要部の分解
斜視図。

【図１２】図１０に示される電動切換弁の動作説明に供
される、図９のＸ−Ｘ矢視断面図。

【図１３】本発明に係る電動切換弁の第１の実施形態の
閉成用弁部が２つの流出口を同時に閉じる横断面図。

【符号の説明】

１０電動切換弁１１キャン１２ステッピングモータ１７ロータ２０回転弁体２０Ｂ閉成用弁部２１、２３従動回転部材２２、２４連動回転部材２７弁ホルダ３０弁シート部材３０ａシート面３１流入口３１ａ縦穴３１ｂ横穴３２第１の流出口３３第２の流出口３４弁室３５回転停止用ストッパ４０回転支軸４６流体導入管４７、４８流体導出管Ｏ回転軸線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 3H053 AA02 AA25 AA33 BA01 DA04 DA12 3H062 AA07 BB28 BB30 CC02 DD03 EE07 HH04 HH08 HH09 3H067 AA13 CC02 CC15 CC22 CC32 CC43 DD03 DD12 DD32 EA01 ED11 FF12 FF17 GG02 GG23 GG24

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キャンと、このキャンの外周に取り付け
られたステータ及び前記キャンの内周に配在されたロー
タ等からなるステッピングモータと、前記ロータの内周
側に該ロータと一体回動可能に配在された回転弁体と、
該回転弁体の一端側に対向配置された弁シート部材と、
を備えた電動切換弁であって、前記弁シート部材は、そのシート面に複数本の流出口が
開口せしめられるとともに、前記弁シート部材の側面に
流入口が開口せしめられ、前記回転弁体は、前記シート
面に摺接しながら回転せしめられるとともに、その回転
停止位置に応じて前記複数本の流出口を選択的に閉じる
閉成用弁部を備えていることを特徴とする電動切換弁。
【請求項２】前記流入口は、前記弁シート部材の高さ
方向に形成された縦穴と、該縦穴から側方に伸びる横穴
と、からなっていることを特徴とする請求項１に記載の
電動切換弁。
【請求項３】前記弁シート部材に、前記閉成用弁部が
接当せしめられる回転停止用ストッパが設けられている
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の電動切換弁。
【請求項４】前記弁シート部材を縦貫するように前記
縦穴が形成されるとともに、該縦穴の前記シート面側を
塞ぐように、前記回転停止用ストッパの基端側が嵌入さ
れていることを特徴とする請求項３に記載の電動切換
弁。
【請求項５】前記閉成用弁部に、前記シート面との接
触面積を減じるべく凹部が設けられていることを特徴と
する請求項１ないし４のいずれか一項に記載の電動切換
弁。
【請求項６】前記弁シート部材における前記流入口及
び流出口の一端側に、流体導入管及び流体導出管が直接
内嵌接合されていることを特徴とする請求項１ないし５
のいずれか一項に記載の電動切換弁。
【請求項７】前記弁シート部材に前記キャンの一端部
が密封接合され、前記弁シート部材と前記キャンとの間
に弁室が形成されていることを特徴とする請求項１ない
し６のいずれか一項に記載の電動切換弁。
【請求項８】前記ロータと前記回転弁体との間に、該
回転弁体の閉成用弁部を前記シート面に直接押圧する付
勢部材が介装されていることを特徴とする請求項１ない
し７のいずれか一項に記載の電動切換弁。
【請求項９】前記回転弁体は、前記ロータの回転が伝
達される従動回転部材と、該従動回転部材に連動して回
転せしめられる、前記閉成用弁部を含む連動回転部材
と、からなっていることを特徴とする請求項１ないし７
のいずれか一項に記載の電動切換弁。
【請求項１０】前記従動回転部材と前記連動回転部材
との間に、前記閉成用弁部を前記シート面に直接押圧す
る付勢部材が介装されていることを特徴とする請求項９
に記載の電動切換弁。
【請求項１１】前記ロータに又は該ロータに一体回動
可能に連結された弁ホルダに、前記回転弁体が遊び間隙
を介して一体回動可能に嵌合せしめられていることを特
徴とする請求項１ないし１０のいずれかに記載の電動切
換弁。
【請求項１２】前記ロータ又は弁ホルダと、前記回転
弁体とのうちのいずれか一方に、非円形断面の嵌合凸部
が突設されるとともに、他方に前記嵌合凸部が遊嵌され
る非円形断面の嵌合凹部が形成されていることを特徴と
する請求項１１に記載の電動切換弁。
【請求項１３】前記回転弁体の従動回転部材に、前記
回転弁体の連動回転部材が遊び間隙を介して嵌合せしめ
られていることを特徴とする請求項９に記載の電動切換
弁。
【請求項１４】前記回転弁体の従動回転部材に、前記
連動回転部材を正逆両方向に押圧して回転させるための
一対の押送片部が設けられ、この一対の押送片部間に、
前記連動回転部材が遊び間隙を介して遊嵌されているこ
とを特徴とする請求項１３に記載の電動切換弁。
【請求項１５】前記一対の押送片部は、前記従動回転
部材が回転せしめられるとき、前記閉成用弁部より先
に、前記回転停止用ストッパに接当するようにされてい
ることを特徴とする請求項１４に記載の電動切換弁。
【請求項１６】前記弁シート部材の中央に、回転支軸
が圧入固定され、この回転支軸に、前記ロータ、前記弁
ホルダ、前記回転弁体等の回転部分が回動自在に外嵌さ
れていることを特徴とする請求項１ないし１５のいずれ
か一項に記載の電動切換弁。
【請求項１７】前記回転弁体の連動回転部材が前記回
転支軸に回動自在に外嵌されていることを特徴とする請
求項１６に記載の電動切換弁。
【請求項１８】キャンと、このキャンの外周に取り付
けられたステータ及び前記キャンの内周に配在されたロ
ータ等からなるステッピングモータと、前記ロータの内
周側に該ロータと一体回動可能に配在された回転弁体
と、該回転弁体の一端側に対向配置された弁シート部材
と、を有し、前記弁シート部材のシート面に第１及び第
２の流出口が開口せしめられ、前記回転弁体は、前記シ
ート面に摺接しながら回転せしめられるとともに、その
回転停止位置に応じて、前記第１及び第２の流出口を択
一的に閉じるとともに、それら第１及び第２の流出口を
同時に閉じることのできる閉成用弁部を備えていること
を特徴とする電動切換弁。
【請求項１９】前記閉成用弁部が、前記第１の流出口
のみを閉じる第１の回転停止位置、前記第２の流出口の
みを閉じる第２の回転停止位置、及び、前記第１及び第
２の流出口の両方を閉じる第３の回転停止位置の三位置
にて停止せしめられるようにされていることを特徴とす
る請求項１８に記載の電動切換弁。