以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、請求項1の発明及び各参考発明に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
A.実施例1
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1〜図9を参照して説明する。この遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102(図8を参照)等とを主要部としている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図9参照)等が配設されている。
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図2参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図2参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図1に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図9参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図2を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図8参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、可動演出装置本体700と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図2に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されている。中央装置26では、その中心位置に「変動表示手段」の具体例を構成する液晶表示装置27が配置されると共に、この液晶表示装置27の右側方の部位には、可動演出装置本体700が配置されている。尚、本明細書において、「左」、「右」等の方向は、遊技領域11の正面に位置する遊技者を基準に定める。また、可動演出装置本体700の詳細に関しては後述する。
液晶表示装置27の表示画面271は、図3(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、2つの本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。そして、各本図柄表示部272、273では、各々、「本図柄」を用いた変動表示(順次、変更される本図柄の表示)と、停止表示(停止した本図柄の表示)と、がなされる。
また、以下の説明においては、遊技者から見て右側の本図柄表示部272を、「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、遊技者から見て左側の本図柄表示部273を、「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
また、演出用表示領域271Bは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この演出用表示領域271Bには、図3(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部275〜277では、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)が表示することができる。
尚、実施例では、変動表示手段(液晶表示装置27)に表示される識別情報として、2種類の識別情報を予定している。このうちの一方の識別情報は、2つの本図柄(第1本図柄及び第2本図柄)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様(変動時間)および確定表示の態様(第1本図柄の停止図柄と、第2本図柄の停止図柄)は、主制御部140(後述する。)において決定される。また、他方の識別情報は、3つの疑似図柄(左疑似図柄表示部275に表示される左疑似図柄と、中疑似図柄表示部276に表示される中疑似図と、右疑似図柄表示部277に表示される右疑似図)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様および確定表示の態様(左疑似図柄の停止図柄と、中疑似図の停止図柄と、右疑似図の停止図柄)等は、主制御部140にて決定された本図柄の変動表示の態様(変動時間)および確定表示態様を基にして、副制御部(音声・ランプ制御部170であり、後述する。)において決定される。更に、本明細書においては、この本図柄と、後述する「疑似図柄」とを、特別図柄と称することがある。また、この「疑似図柄」と、背景画面表示部278に表示される「背景図柄」は、「本図柄」を用いた表示上の演出を盛り上げるためのものであり、以下の説明において、「疑似図柄」及び「背景図柄」を演出用図柄と称することもある。
また、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、表示画面271(表示部)において区画されているが、この表示画面271(表示部)の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、「変動表示手段」を、本図柄の表示を行うための「本図柄表示用の表示装置」と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)の表示を行うための「演出図柄表示用の表示装置」とで、構成してもよい。
尚、本実施例においては、2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。このため、後述するように、本実施例では、可動演出装置本体700によって表示する「関連識別情報」を、疑似図柄と同一の図柄等を用いて構成することで、演出の効果を高めている。
この液晶表示装置27においては、始動入賞を生ずること(始動口17に遊技球が入賞すること)を前提に、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の表示実行条件(つまり、特別図柄の変動表示を開始し、その後、停止図柄の確定表示するための条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の停止図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の停止図柄の確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の停止図柄が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否かによって、この変動時間は異なったものとされる。
本図柄表示部272、273に、大当り図柄(当否判定の結果が、大当りであることを示すための組み合わせ図柄であって、詳細は後述する。)が確定表示されると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。つまり、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定の結果(つまり、「当否判定」の結果)」を表示する。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための前提条件が成立する。そして、当該当否判定の結果についての表示実行条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図3(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、「1」の戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図3(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「当否判定」の結果を示す停止図柄(識別情報)が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が大当りであることを示す。このとき、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定(以下、「確変判定」ということもある。)の結果」も「当り」であること(以下、「確変当り」と称する)を示す。また、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。
図3に示す「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、「当否判定」の結果が「外れ」であることを示す。この場合、「確変判定」の結果も落選となる。尚、「確変当り」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(例えば、確変突入)」の表示がされ、当該遊技機1の遊技状態が確率変動モードに制御される。
3つの疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動(変動表示)を開始する。そして、図4に示すように、各疑似図柄表示部275〜277には、疑似図柄が、順次、変動表示(変更表示)される。つまり、各疑似図柄表示部275〜277では、(a)「かに」の図形と数字の「1」を複合させた疑似図柄(以下、「かに図柄」という。)と、(b)数字の「2」を用いた疑似図柄(以下、「数字図柄」ということがある。)と、(c)「マンボウ」の図形と数字の「3」を複合させた疑似図柄(以下、「マンボウ図柄」という。)と、(d)数字の「4」を用いた疑似図柄(以下、「数字図柄」ということがある。)と、(e)「三日月」の図形と数字の「5」を複合させた疑似図柄(以下、「三日月図柄」という。)と、(f)数字の「6」を用いた疑似図柄(以下、「数字図柄」ということがある。)と、(g)「太陽」の図形と数字の「7」を複合させた疑似図柄(以下、「太陽図柄」という。)と、(h)数字の「8」を用いた疑似図柄(以下、「数字図柄」ということがある。)と、(i)「太陽及び三日月」を複合させた図形に、更に、アルファベットの「J」を複合させた疑似図柄(以下、「複合天体図柄」という。)と、(j)数字の「9」を用いた疑似図柄(以下、「数字図柄」ということがある。)と、をこの順で表示した後、再び、(a)の疑似図柄に戻り、更に、(b)〜(j)の疑似図柄を表示することを順次、繰り返す。
そして、特別図柄の「変動時間」が経過したところで、全疑似図柄表示部275〜277に「疑似図柄の停止図柄」が確定表示される。これにより、これの疑似図柄表示部275〜277によっても、前述の「当否判定の結果」と、「確変判定の結果」が表示される。換言すると、これの疑似図柄表示部275〜277によっても、両本図柄表示部272、273によって表示される「当否判定の結果」及び「確変判定」の結果と、一致する結果が表示される。
ここで、図5〜図7に示すように、各疑似図柄表示部275〜277には種々の停止図柄(疑似図柄)が確定表示される。そして、確定表示される停止図柄(疑似図柄)の組み合わせて構成される「組み合わせ図柄(つまり、確定表示された識別情報)」によって、「当否判定の結果」と「確変判定」の結果とが表示される。つまり、図5には、「当否判定」が外れである(「確変判定」も「外れ」である)ことを示す「組み合わせ図柄」が例示され、図6には、「通常当り」を示す「組み合わせ図柄」が例示されている。更に、図7には、「確変当り」を示す「組み合わせ図柄」が例示されている。
尚、図5〜図7では、同一サイズの「矩形状の枠」を横方向に並べて記載することによって、3つの疑似図柄表示部275〜277を模式的に示している。そして、各枠内に表示された図形が、「各疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(停止図柄)」を示している。また、この「3つの矩形状の枠」の右側方に併記される「小型の枠」が、回転表示体(760、770)の表示面hを模式的に示している。そして、この「小型の枠」内に記載された図形が、表示面hに表示された「関連識別情報(三日月図柄、太陽図柄、若しくは、トランプの裏模様)」を示している。また、図5〜図7では、「トランプの裏模様」を「ハッチング」によって表示している。更に、「小型の枠」を破線で表示するものは、役物演出(後述する。)が実行されず、回転表示体(760、770)の表示面hが、遊技者から視認不能であることを示している。これらの点については、後述の図22〜26、図43、図46についても、同様である。
「当否判定」が外れであることを示す「組み合わせ図柄(以下、「外れ図柄」ということもある。)」は、図5に示すように、3つの疑似図柄表示部275〜277に異なる疑似図柄を表示するか、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの2つに同一の疑似図柄を表示し、残りの1つに異なる疑似図柄を表示して行われる。尚、後者の「2つの同一の疑似図柄」と、「1つの異なる疑似図柄」とを用いてなされる「外れ図柄」の確定表示は、リーチ演出(リーチ表示)を経てなされるため、「リーチ型の外れ表示」と称することがある。また、この「外れ図柄」の確定表示を前提とするリーチ演出(リーチ表示)を、「外れリーチ」と称することがある。
ここで、前述の(i)の「複合天体図柄」は、他の「複合天体図柄」ばかりでなく、部分同一の他の疑似図柄(「太陽図柄」及び「三日月図柄」)とも、同一図柄であるとする。つまり、参考発明7において、「識別情報が同一内容である場合」には、当該識別情報を構成する「識別要素」が完全同一の場合の他に、部分同一の場合も含まれる。一方、参考発明7において、「識別情報が異なる内容である場合」には、当該識別情報を構成する「識別要素」が、同一の部分を部分的にも備えない場合を指す。例えば、全疑似図柄表示部275〜277のうちの2つに、「複合天体図柄」が表示された場合に、残りの1つに、「複合天体図柄」との間で、「識別要素」の上での共通部分を備えない疑似図柄(例えば、「かに図柄」等)が表示される場合に、「当否判定の結果が外れである」旨が表示される。一方、全疑似図柄表示部275〜277のうちの2つに、「複合天体図柄」が表示された場合において、残りの1つに「複合天体図柄」が表示される場合のみならず、「太陽図柄」が表示されたり、「三日月図柄」が表示される場合にも(「識別要素」が部分同一の場合)、「当否判定の結果が当りである」旨が表示される(この場合、確変当りでもある。)。
「通常当り」であることを示す「組み合わせ図柄」は、図6に示すように、同一の「数字図柄(「2」、「4」、「6」、「8」若しくは「9」)」を3つ並べて構成される。また、「確変当り」であることを示す「組み合わせ図柄」は、図7に示すように、魚介類用いて構成される疑似図柄(「かに図柄」若しくは「マンボウ図柄」)であって、同一のものを3つ並べるか、天体を用いて構成される疑似図柄(「複合天体図柄」、「太陽図柄」若しくは「三日月図柄」)であって、同一のものを3つ並べて構成される。但し、前述の如く、天体を用いて構成される疑似図柄における「同一」には、完全同一のみならず、部分同一も含まれる。
つまり、本実施例では、識別情報を構成する個々の「構成図柄」の中に、単一の識別要素を具備するもの(「太陽図柄」と「三日月図柄」であって、以下、「単独型の疑似図柄」という。)と、複数の識別要素を具備するもの(「複合天体図柄」であって、以下、「複合型の疑似図柄」という。)と、を混在させる。そして、「複合型の疑似図柄」と「単独型の疑似図柄」との間に、同一の識別要素が存在すれば、両者を一致する疑似図柄として取り扱う。そして、このように取り扱うことにより、「複合型の疑似図柄」のリーチ表示等に接する遊技者にとっては、大当りに対する期待感が見掛け上、高まるため、遊技上の興趣がより一層、向上する。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277において図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から確定表示に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される停止図柄の組み合わせにより、「大当り(通常当り、確変当り)表示」がなされる場合と、「左右の疑似図柄を同一の疑似図柄に揃えた外れ表示(つまり、リーチ型の外れ表示)」がなされる場合には、疑似図柄の変動表示の途中に、「リーチ表示(外れリーチ)」が実行される。
この「リーチ表示(リーチ演出)」は、「疑似図柄による大当り表示」を行うことを前提に実行される変動表示の途中、若しくは、「リーチ型の外れ表示」を行うことを前提に実行される変動表示の途中に、「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに同一図柄で停留させて行われる。そして、この「リーチ表示(リーチ演出)」には、(1)「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、同一の数字図柄か、同一の魚介類図柄(「かに図柄」、若しくは、「マンボウ図柄」)を表示して行われる「通常態様のリーチ表示(リーチ演出)」と、(2)「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、同一の天体図柄(「太陽図柄」、「三日月図柄」、若しくは、「複合天体図柄」)を表示して行われる「特定態様のリーチ表示(リーチ演出)」と、がある。
変動表示の途中に「特定態様のリーチ表示(リーチ演出)」がなされると、「回転駆動条件(後述する。)」が成立し、可動演出装置本体700を用いた演出が実行される。以下、この可動演出装置本体700を用いた演出(つまり、可動演出装置を用いた演出)を、「役物演出」と称することがある。また、変動表示の途中に「通常態様のリーチ表示(リーチ演出)」がなされるか、変動表示の途中に「リーチ表示(リーチ演出)」がなされない場合には、可動演出装置本体700を用いた役物演出は実行されない。尚、可動演出装置本体700を用いた役物演出の詳細は後述する。
また、本変動表示手段(液晶表示装置27)で実行するリーチ表示の態様としては、特別図柄の変動時間が短い場合や通常の長さの場合に簡単に行われる態様と、特別図柄の変動時間が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とが存在してもよい。この場合、この発展型のリーチ(スーパーリーチ)の場合のみに、可動演出装置本体700を用いた役物演出を時間的な余裕を持った状態で実行してもよい。
更に、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行う態様を採用する場合においては、この「再抽選演出」の実行時に可動演出装置本体700を用いた役物演出を実行してもよい。この「再抽選演出」とは、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。この「再変動演出」時に可動演出装置本体700を用いた役物演出を実行してもよい。この「再変動演出」としては、例えば、本図柄表示部272、273において、「当り(通常、確変の何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。この本図柄を用いたリーチ表示(リーチ演出)は、疑似図柄を用いたリーチ表示(リーチ演出)と共に行っても、この疑似図柄を用いたリーチ表示(リーチ演出)の代わりに行ってもよい。そして、本図柄を用いたリーチ表示(リーチ演出)が実行される場合においては、そのリーチ表示が特定態様である場合に、「回転駆動条件」が成立し、可動演出装置本体700を用いた役物演出が実行されるものとしてもよい。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図3(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、始動入賞(始動口17への入賞)のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図2に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通変動表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図9参照)が配設されている。この左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sは、「第1の検出手段」の具体例を構成している。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図9参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図9参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図8参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図9参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図9参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図9参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図8参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図9参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図9参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図9参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、「可動演出装置本体700を用いた役物演出」に変更を加えるためのものであるが、その詳細に関しては後述する。尚、この操作ボタンB1、B2を、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるために用いてもよい。
図2に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図8を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10(図2参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図2参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図9参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図11参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図9参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
図9にも示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図9〜図12を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、図9を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図9に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図9〜図12を用いて、電子制御装置130を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図9及び図10に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。
主制御部140は、図10に示すように、主制御基板340を用いて構成されている。この主制御基板340には、主回路部400と、入出力回路部500とが設けられている。この主回路部400及び入出力回路部500はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部400とは、CPU(シングルチップ型)401を含む構成とされている。
CPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482等を含む構成とされている。また、CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150及び音声・ランプ制御部170が接続されている(図9参照)。また、入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
また、入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
払出制御部150は、払出制御基板(図示を省略)によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板340と同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路500aが接続されている。このため、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して、払出制御部150の入出力回路部に入力される。また、払出制御部150の入出力回路部には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図11に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。そして、主制御部140が、特別図柄の変動・停止、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
また、駆動回路部382には、第1のモータ(回転用)800を駆動するための駆動回路(第1のモータ駆動回路)と、第2のモータ(回転用)810を駆動するための駆動回路(第2のモータ駆動回路)と、ランプ装置820(照明手段の具体例を示す。)を駆動するための駆動回路(照明駆動回路)と、が搭載されている。そして、第1のモータ駆動回路で発生した駆動信号(駆動パルス)はコネクタ出力部384を通じて第1のモータ(回転用)800に出力され、第2のモータ駆動回路で発生した駆動信号(駆動パルス)はコネクタ出力部384を通じて第2のモータ(回転用)810に出力される。また、照明駆動回路で発生した駆動信号はコネクタ出力部384を通じてランプ装置820に出力される。
第1のモータ(回転用)800と、第2のモータ(回転用)810と、ランプ装置820は、可動演出装置本体700の構成部品であるが、その詳細に関しては、後述する。
可動演出装置本体700には、その作動状態を検出するための検出手段(センサS1、S2、S3、及び、スイッチSWU、SWD)が設けられている。そして、これらの検出手段(センサS1、S2、S3、及び、スイッチSWU、SWD)は、所定の信号線を用いて入出力ポート174に接続され、これらの検出手段が検出する検出信号は、音声・ランプ制御部170に入力可能となっている。また、入出力ポート174には、操作ボタンB1、B2が、操作信号伝送経路を用いて接続されている。尚、検出手段(センサS1、S2、S3、及び、スイッチSWU、SWD)と、操作ボタンB1、B2の詳細に関しては、後述する。
図柄制御部160は、図12に示すように、特別図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや特別変動表示手段27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
音声・ランプ制御部170では、変動パターン指定コマンドと、停止図柄指定コマンドを受けとると、疑似図柄の変動態様と、疑似図柄の停止図柄とを乱数等による抽選で決定する。このとき、音声・ランプ制御部170では、可動演出装置本体700を用いた演出の実行の可否や、演出の態様等を決定する。尚、これらの詳細に関しては後述する。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(3)可動演出装置の説明
次に、可動演出装置について、図13〜図21を用いて説明する。この可動演出装置本体700は、その作動を制御するための制御手段を備えている。尚、この制御手段は、音声・ランプ制御部170のCPU171と、音声・ランプ制御部170のROM173に格納された制御プログラム等によって構成されている(図11を参照)。
可動演出装置本体700は、図13及び図14に示すように、外郭を構成する筐体(筐体部)710と、この筐体710内に固定的に配置される固定支持体720と、固定支持体720に対して昇降移動可能に支持される可動支持体730とを備えている。このうち、筐体710は、上下方向に長尺で、略直方体形の容器構造とされている。この筐体710では、後面部を開口部711とする(図14を参照)と共に、内蔵部品(固定支持体720、可動支持体730等)の筐体710内への挿脱は、この開口部711を通じて行われる。
筐体710の前壁部712は、前部材の具体例を構成するものであり、その前面部(表面部)712aを遊技者の側に向けて配置される。つまり、図2に示すように、前壁部712の前面部712aは、遊技盤10の前面部と略面一な状態されている。また、前壁部712の上下方向に沿った中間位置には、前壁部712を前後に貫通する開口部が形成され、この開口部を用いて表示窓713を形成している。更に、前壁部712において開口部を除く部位、つまり、表示窓713が形成されていない非形成部位712bによって、目隠し部材の具体例を構成している。
筐体710の内部空間715(前壁部712の前方から目視して、前壁部712の後方に形成される内部空間715)は、図14に示すように、表示窓713の後方に位置する表示用空間部715aと、その上下に形成される隠蔽用空間部715b、715cとを備える構成とされる。
この表示窓713には、ハーフミラー部材716が装着されている。このハーフミラー部材716は、ランプ装置820、820(後述する。)と、駆動回路部382と、これらの駆動を制御するための制御手段(音声・ランプ制御部170のCPU171や、ROM173に格納された制御プログラム等)等と共に、視認状態選択手段の具体例を構成する。また、このハーフミラー部材716は、表示窓713の枠内に嵌合可能な外形を備えている。このハーフミラー部材716は、所謂ハーフミラー(マジックミラー)として機能するものある。そして、ハーフミラー部材716は、表示窓713の枠内の空間部分を、前壁部712の前方から隠蔽する。
尚、ハーフミラー部材71は、透明な基材(ガラス、透明な樹脂等)上に(表面及び裏面の少なくとも一方)に、クロム等の金属を蒸着したり、クロム等の金属のメッキ層を形成したり、誘電体多層膜を形成して構成したものである。尚、本実施例では、この透明な基材を表示窓713の枠内に嵌合可能な外形に構成したが、その他の外形に構成することもできる。例えば、前壁部712の前面部712aや後面部(裏面部)712c(図14に示すように、内部空間715側に位置する面)に装着され、その周縁部で、表示窓713の枠を取り囲む状態とされてもよい。
また、前壁部712の後面部712cの表示窓713近傍には、前述のランプ装置820、820が装着されている。このため、前壁部712の前方から表示用空間部715a内を視認しようとしても、表示用空間部715a内の照度が不十分であると(つまり、ランプ装置820、820が消灯状態にあると)、表示用空間部715a内を視認することができない(第2の状態となる。)。一方、表示用空間部715a内の照度が十分であると(つまり、ランプ装置820、820が点灯状態にあると)、表示用空間部715a内を視認することができる(第1の状態となる。)
固定支持体720は、筐体710の内部空間715に収納可能なサイズの略枠体を用いて構成され、左右両端側に支持レール721、721を立設させている。これらの支持レール721、721は、上下方向に沿って長尺状に形成されると共に、他方の支持レール721と対向する面に摺動溝722を形成している。つまり、支持レール721、721の摺動溝722は、固定支持体720の左右方向に対向すると共に、軸心を上下方向に向けた長尺状とされている。
可動支持体730は、軸心を上下に向け、しかも、前面部側に開口部731を備える略円筒形状に形成されている。この可動支持体730の軸心方向に沿った長さは、固定支持体720の軸心方向に沿った長さよりも、短くされ(例えば、1/3〜2/3)とされている。また、可動支持体730の両側部には、軸心を上下方向に向け、長尺状とされた突条732が設けられている。この可動支持体730は、右側の突条732を右側の支持レール721の摺動溝722に摺動可能な状態に嵌め込み、左側の突条732を左側の支持レール721の摺動溝722に摺動可能な状態に嵌め込んでいる。このため、この可動支持体730は、固定支持体720によって両側部を支持されつつ、上下にスライド可能となっている。
また、図14に示すように、可動支持体730の後面部(背面部)からは、駆動力伝達部735が可動支持体730の後方に向かって突出している。この駆動力伝達部735は、可動支持体730の軸心方向に長尺状なラックを用いて構成されている。
そして、可動支持体730の方向には、図13に示すように、前述の第2のモータ(移動用)810が配置され、この第2のモータ(移動用)810によって生ずる回転駆動力が、駆動力伝達部735で上下方向への駆動力に変換されつつ、可動支持体730に伝達され、可動支持体730は上下に移動する。つまり、駆動力伝達部735には、前述の第2のモータ(移動用)810のシャフトに一体回動可能に装着されたギア(ピニオン)811が噛合され、これにより、第2のモータ(移動用)810の回転駆動力を、上下方向への駆動力に変換されつつ、可動支持体730に伝達可能となっている。
ここで、可動支持体730と、第2のモータ(移動用)810と、駆動回路部382と、これらの駆動を制御するための制御手段(音声・ランプ制御部170のCPU171や、ROM173に格納された制御プログラム等)等と共に、「入れ換え駆動手段」の具体例を構成する。
また、図14に示すように、可動支持体730の後面部(背面部)において、その上端部側と、下端部側には、それぞれ、位置決め用突起736、737が突出している。そして、この位置決め用突起736と、可動演出装置本体700の後方側の上下に配置されたスイッチSWU、SWDと、によって、可動支持体730の移動限界が検出される。これにより、可動支持体730を確実に上限位置若しくは下限位置に停止することが可能となっている。尚、本実施例では、これらのスイッチ(SWU及びスイッチSWD)を、マイクロスイッチを用いて構成している。
つまり、第2のモータ(移動用)810が、一の方向に回転駆動されることに伴って可動支持体730が上方へ移動する場合、上方の位置決め用突起736が上方のスイッチSWUに当接すると、可動支持体730が上限位置に到達したことが確認される。このとき、第2のモータ(移動用)810の回転駆動が停止され、可動支持体730は、この上限位置で停止する。一方、第2のモータ(移動用)810が、他の方向に回転駆動されることに伴って可動支持体730が下方へ移動する場合、下方の位置決め用突起737が下方のスイッチSWDに当接すると、可動支持体730が下限位置に到達したことが確認される。このとき、第2のモータ(移動用)810の回転駆動が停止され、可動支持体730は、この下限位置で停止する。尚、可動支持体730の開口部731は表示窓713よりも、上下方向に長尺状に形成されている。このため、可動支持体730が、上限位置と下限位置との間の何れの位置に存在しても、開口部731と、表示窓713とは連通可能とされている。
可動支持体730の内部には、前述の第1のモータ(回転用)800と、回転軸751と、軸受部材753とが、可動支持体730と一体で上下動可能な状態に配置されている。つまり、回転軸751は軸心を上下に向けた状態で可動支持体730の内部に配置され、第1のモータ(回転用)800は、そのシャフトを上方に向けた状態で、可動支持体730内部の下方側に配置されている。そして、回転軸751の上端部は軸受部材753に回転可能に支持されると共に、回転軸751の下端部は、所定の継ぎ手部材754を用いて、第1のモータ(回転用)800のシャフトに接続されている。そして、第1のモータ(回転用)800が駆動し、そのシャフトが正逆何れかの方向へ回転すると、回転軸751も、このシャフトと一体で回転する構造となっている。
この第1のモータ(回転用)800と、回転軸751と、軸受部材753と、継ぎ手部材754と、駆動回路部382と、これらの駆動を制御するための制御手段(音声・ランプ制御部170のCPU171や、ROM173に格納された制御プログラム等)等は、「回転駆動手段」の具体例を構成する。また、本実施例では、第1のモータ(回転用)800としては、ステッピングモータを使用している。
この第1のモータ(回転用)800の速度制御は、図15に示すように、「駆動回路部382に供給(CPU171の制御の下で供給)される駆動パルス」の間隔を制御することで実行される。つまり、第1のモータ(回転用)800が停止状態にある場合、この駆動パルスの供給間隔を徐々に狭くすることで、第1のモータ(回転用)800の回転速度を加速する。そして、一定の回転速度に到達したら、駆動パルスの供給間隔を維持することによって、等速回転を行う。更に、徐々に、駆動パルスの供給間隔を広げていけば、第1のモータ(回転用)800の回転速度が減速される。そして、第1のモータ(回転用)800は、最終的に、駆動回路部382供給された駆動パルスの総数に応じた回転停止位置で停止する。また、第1のモータ(回転用)800は、CPU171の制御の下、右回転方向及び左回転方向のうちの何れの方向にも回転可能である。
尚、第1のモータ(回転用)800が、回転駆動を開始し、回転速度の加速状態を経て等速回転状態に達する迄の期間によって、「初期期間」の具体例を構成する。また、第1のモータ(回転用)800が、等速回転状態を維持する期間によって、「中間期間」の具体例を構成する。更に、第1のモータ(回転用)800が、回転速度の減速を開始し、回転を停止(回転駆動を終了)するまでの期間によって、「終期期間」の具体例を構成する。
回転軸751には、図13及び図14に示すように、上下に2つの回転表示体760、770が一体回転可能な状態に装着されている。また、2つの回転表示体760、770の装着位置は以下のようにされている。つまり、可動支持体730が上限位置に移動したときに、上方の回転表示体760が上方の隠蔽用空間部715b内に移動し、下方の回転表示体770が表示用空間部715aに移動する。また、可動支持体730が下限位置に移動したときに、上方の回転表示体760が表示用空間部715aに移動し、下方の回転表示体770が下方の隠蔽用空間部715cに移動するものとされている。
各回転表示体760、770は、何れも、トランプのカードを模したものであり、2つの表示板H1、H2を用いて構成されている。これらの表示板H1、H2は平面形状が略矩形の薄板によって構成され、一面を関連図柄(関連識別情報の具体例)が表示される表示面hとし、他面を回転軸751に固定するための挟持面kとしている。つまり、これらの表示板H1、H2では、1つの対角線が上下方向を向く状態(即ち、表示板H1、H2を傾けた状態)とする。そして、両表示板H1、H2の挟持面k、k同士が鏡面対称となるような状態としつつ、両表示板H1、H2の挟持面k、kで回転軸751を挟持した状態となっている。このため、両表示板H1、H2の表示面hは、表裏の関係にある位置に配置されている。
即ち、図14に示すように、各回転表示体760、770の裏面部Mを表示板H1の表示面hで構成し、各回転表示体760、770を表面部Nを表示板H2の表示面hで構成している。更に、両回転表示体760、770においては、裏面部M及び表面部Nの方向が同一の方向に向けられている。そして、両回転表示体760、770においては、その裏面部Mを構成する表示面hを、「共通型の表示面h」とし、表面部Nを構成する表示面hを、「個別型の表示面h」としている。
両回転表示体760、770の「共通型の表示面h」には、図16(a)及び(b)に示すように、「トランプの裏模様」を模した「関連図柄(以下、「共通関連図柄」という。)P」が表示されている。この共通関連図柄Pは、前述の疑似図柄の何れとも、共通部分を有しない図柄である。つまり、何れの疑似図柄と表示されても、「当否判定の結果が、外れであることを想起させる図柄」である。また、上方の回転表示体760の「個別型の表示面h」には、「太陽図柄」と同一の関連図柄Qが表示され、下方の回転表示体770の「個別型の表示面h」には、「三日月図柄」と同一の関連図柄Rが表示されている。尚、この「共通関連図柄P」と、関連図柄Q、Rは、何れも「関連識別情報」の具体例を示している。
回転軸751の「軸心を基準とする回転位置(以下、単に「回転位置」という。)が「原点位置」にあるときには、両回転表示体760、770の「共通型の表示面h(裏面部M)」が前方(遊技者の側)を指向し、「個別型の表示面h(表面部N)」が後方(遊技者と離間する側)を指向する。一方、回転軸751の「回転位置」が、この原点位置から180度回転した位置(以下、「反転位置」という。)にあるときには、両回転表示体760、770の「共通型の表示面h(裏面部M)」が後方(遊技者と離間する側)を指向し、「個別型の表示面h(表面部N)」が前方(遊技者の側)を指向する。
本実施例では、第1のモータ(回転用)800に「脱調」を生じ得ること等を考慮し、以下の検出処理を行う。つまり、本実施例では、(1)回転軸751の回転位置が「原点位置」にあるか否を判定したり、回転軸751に「原点位置」を基準とする「ずれ」を生じた場合に、この回転位置を「原点位置」に修正するための処理(以下、「原点位置検出処理」という。)と、(2)回転軸751の回転位置が「反転位置」にあるか否を判定したり、回転軸751に「反転位置」を基準とする「ずれ」を生じた場合に、この回転位置を「反転位置」に修正するための処理(以下、「反転位置検出処理」という。)と、を以下のように実行する。
つまり、図13及び図14に示すように、回転軸751において、上方の回転表示体760の装着部位と軸受部材753との間の位置には、略板状の被検出体756が一体回転可能な状態に装着されている。そして、図17(a)に示すように、回転軸751のうちで被検出体756が装着される部位からは、その半径外側方向に向かって略キー形状の係合部751bが突出している。また、被検出体756には、回転軸751を挿入(嵌合状)させる挿入孔756aが設けられ、この挿入孔756aには、前述の係合部751bが係合する溝部756bが略キー溝状に設けられている。
被検出体756は、図17(a)及び(b)に示すように、挿入孔756aを中心として構成される仮想的な円板(仮想線L1)から、その周縁側の一部を略半周回状に切り欠いて構成した「切り欠き部759a」を備える。つまり、この被検出体756は、半径の異なる2つの半円板757、758を、その直径を通過する端面で接合した構成を備えている。また、この被検出体756には、2つの被検出孔759b、759cが上下面を貫通する状態に設けられている。また、2つの被検出孔759b、759cは、挿入孔756aを通過する同一直線上{図17(b)中に仮想的に描かれた直線L2上}に位置している。そして、これらの被検出孔759b、759cと、切り欠き部759aとは、何れも、回転軸751の回転位置等を検出する際に、前述の検出手段(センサS1、S2、S3)で検出される被検出部である。
これらに被検出部の位置関係は以下のように定めされている。仮に、各被検出部の位置を、図17(b)において、挿入孔756aを中心として、半時計回りの方向を「正」とし、しかも、被検出孔759bの位置を「0度」とする「角度(図中のZを参照、以下、角度位置という。)」で定めるものとする。この場合、一方の被検出孔759bの角度位置を「0度」とすると、他方の被検出孔759cの角度位置は「180度」とされている。
また、切り欠き部759aの「角度位置」が、「180度(180度を含まない。)〜360度(360度を含まない。)」の範囲(以下、「左回転方向ズレ位置」と称することがある)となる。また、被検出部(切り欠き部759a及び被検出孔759b、759c)が存在しない角度位置は、「0度(0度を含まない。)〜180度(180度を含まない。)」の範囲(以下、「右回転方向ズレ位置」と称することがある。」となる。
一方、各検出手段を構成するセンサS1、S2、S3は、図18に示すように、何れも、発光部S11,S21、S31と、受光部S12,S22、S32と、で構成される非接触型のセンサー(光センサー)である。また、各センサS1、S2、S3を構成する発光部S11,S21、S31と、受光部S12,S22、S32とは、被検出体756を挟んで上下に対向している。更に、各センサS1、S2、S3は、回転軸751の半径外側方向に向かう1つの直線(仮想的な直線)に沿って、回転軸751に近い側から、センサS2、センサS1、センサS3の順に並んで設置されている。
本実施例では、センサS2と、回転軸751の軸心(挿入孔756a)との距離は「V2」とされ、センサS1と、回転軸751の軸心(挿入孔756a)との距離は「V1」とされている。更に、センサS3と、回転軸751の軸心(挿入孔756a)との距離は「V3」とされている。このため、被検出体756の角度位置に応じて、(1)センサS1を構成する発光部S11と、受光部S12との間に被検出孔759bを位置させ、このセンサS1によって被検出孔759bを検出することと、(2)センサS2を構成する発光部S21と、受光部S22との間に被検出孔759cを位置させ、このセンサS2によって被検出孔759cを検出することと、(3)センサS3を構成する発光部S31と、受光部S32との間に切り欠き部759aを位置させ、このセンサS3によって切り欠き部759aを検出することが可能である。換言すると、各センサS1、S2、S3は、上記(1)〜(3)に示す以外の検出(例えば、センサS2によって被検出孔759bを検出すること等)を行うことができない。
本実施例では、以上のセンサS1、S2、S3と、被検出体756とによって、図19に示すような回転位置の検出(回転軸751、つまり、回転表示体760、770の回転角度の位置検出)がなされる。つまり、図19(a)に示すように、回転表示体760、770の裏面部Mが、遊技者Yの側を向いたとき(つまり、回転表示体760、770が「原点位置」にあるとき)、センサS1が被検出孔759bを検出し(位置合わせされ)、その発光部S11から発光される光が、受光部S12に到達する。これにより、センサS1から音声・ランプ制御部170に検出信号が送信される。
図19(b)に示すように、回転表示体760、770の表面部Nが、遊技者Yの側を向いたとき(つまり、回転表示体760、770が「反転位置」にあるとき)、センサS2が被検出孔759cを検出し(位置合わせされ)、その発光部S21から発光される光が、受光部S22に到達する。これにより、センサS2から音声・ランプ制御部170に検出信号が送信される。
図19(c)に示すように、遊技者Yから見た回転表示体760、770が、「原点位置」を基準として、回転軸751の軸心回りに左回転方向にずれているとき(以下、この「原点位置」を基準とするズレ状態を「左回転方向ズレ」と称する。)、センサS3が切り欠き部759aを検出し(位置合わせされ)、その発光部S31から発光される光が、受光部S32に到達する。これにより、センサS3から音声・ランプ制御部170に検出信号が送信される。
図19(d)に示すように、遊技者Yから見た回転表示体760、770が、「原点位置」を基準にとして、回転軸751の軸心回りに右回転方向にずれているとき(以下、この「原点位置」を基準とするズレ状態を「右回転方向ズレ」と称する。)、何れのセンサS1、S2、S3からも、検出信号は送信されない。
音声・ランプ制御部170は、以上のように構成されるセンサS1、S2、S3と、被検出体756とを用いて、「原点位置検出処理」と「反転位置検出処理」とを以下の手順に従って実行される。
先ず、「原点位置検出処理」においては、図20に示すように、センサS1が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2000)、検出している場合(S2000;YES)には、回転表示体760、770が「原点位置」にあるため、そのまま処理を終了する。一方、S2000において、センサS1が検出信号を検出していない場合(S2000;NO)には、センサS2が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2005)、検出している場合(S2005;YES)には、回転表示体760、770が「反転位置」にある。このため、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、左右何れかの回転方向に180度回転させるだけの「駆動パルス」を供給する(S2010)。この後、センサS1が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2050)、検出している場合(S2050;YES)には、回転表示体760、770が「原点位置」に正しく復帰したため、そのまま処理を終了する。
また、S2010の後、S2050で否定的な判断がなされる場合には(S2050;NO)、「脱調現象」等の不具合を生じていると考えられるが、その場合、再び、S2005と、これに後続する処理を実行する。
S2005の処理で、センサS2が検出信号を検出していないと判断すると(S2015;NO)、センサS3が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2020)、検出している場合(S2020;YES)には、回転表示体760、770が「左回転方向ズレ」を生じているため、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、右回転方向に所定の回転量、回転させるだけの「駆動パルス(例えば、一個の駆動パルス)」を供給し(S2030)、この後、S2050の処理に移行する。そして、S2050の処理で肯定的な判断を得られれば、処理を終了する。但し、得られない場合は、S2050の処理で肯定的な判断を得るまでの間、S2005、S2020、S2030の処理を実行する。尚、これらの処理の間に「脱調現象」等の不具合を生じた場合には必要に応じて、他の処理(S2035の処理等)を実行する。
S2005の処理でセンサS2が検出信号を検出していないと判断し(S2015;NO)、しかも、S2020の処理でセンサS3が検出信号を検出していないと判断した場合(S2020;NO)には、回転表示体760、770が「右回転方向ズレ」を生じているため、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、左回転方向に所定の回転量、回転させるだけの「駆動パルス(例えば、一個の駆動パルス)」を供給し(S2035)、この後、S2050の処理に移行する。そして、S2050の処理で肯定的な判断を得られれば、処理を終了する。但し、得られない場合は、S2050の処理で肯定的な判断を得るまでの間、S2005、S2020、S2035の処理を実行する。尚、これらの処理の間に「脱調現象」等の不具合を生じた場合には必要に応じて、他の処理(S2030の処理等)を実行する。
「反転位置検出処理」においては、センサS2が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2100)、検出している場合(S2100;YES)には、回転表示体760、770が「反転位置」にあるため、そのまま処理を終了する。
一方、S2100において、センサS2が検出信号を検出していない場合(S2100;NO)には、センサS1が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2105)、検出している場合(S2105;YES)には、回転表示体760、770が「反転位置」にある。このため、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、左右何れかの回転方向に180度回転させるだけの「駆動パルス」を供給する(S2110)。この後、センサS2が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2150)、検出している場合(S2150;YES)には、回転表示体760、770が「反転位置」に正しく回転したため、そのまま処理を終了する。
また、S2110の後、S2150で否定的な判断がなされる場合には(S2150;NO)、「脱調現象」等の不具合を生じていると考えられるが、その場合、再び、S2105と、これに後続する処理を実行する。
S2105の処理で、センサS1が検出信号を検出していないと判断すると(S2015;NO)、センサS3が検出信号を検出しているか否かを判断し(S2120)、検出している場合(S2120;YES)には、回転表示体760、770が「左回転方向ズレ」を生じている。但し、この場合の「左回転方向ズレ」は、裏面部Mを基準とする左回転方向へのズレであり、表面部Nを基準とすれば、右回転方向へのズレである。
S2120の処理で「YES」と判断される場合(「左回転方向ズレ」を生じている場合)は、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、左回転方向に所定の回転量、回転させるだけの「駆動パルス(例えば、一個の駆動パルス)」を供給し(S2130)、この後、S2150の処理に移行する。そして、S2150の処理で肯定的な判断を得られれば、処理を終了する。但し、S2150の処理で肯定的な判断を得られない場合は、S2150の処理で肯定的な判断を得るまでの間、S2105、S2120、S2130の処理を実行する。尚、これらの処理の間に「脱調現象」等の不具合を生じた場合には必要に応じて、他の処理(S2135の処理等)を実行する。
S2105の処理でセンサS1が検出信号を検出していないと判断し(S2105;NO)、しかも、S2120の処理でセンサS3が検出信号を検出していないと判断した場合(S2120;NO)には、回転表示体760、770が「右回転方向ズレ」を生じている。但し、この場合の「右回転方向ズレ」は、裏面部Mを基準とする右回転方向へのズレであり、表面部Nを基準とすれば、左回転方向へのズレである。
S2120の処理で「NO」と判断される場合(「右回転方向ズレ」を生じている場合)は、駆動回路部382に対して、第1のモータ(回転用)800のシャフトを、右回転方向に所定の回転量、回転させるだけの「駆動パルス(例えば、一個の駆動パルス)」を供給し(S2135)、この後、S2150の処理に移行する。そして、S2150の処理で肯定的な判断を得られれば、処理を終了する。但し、得られない場合は、S2150の処理で肯定的な判断を得るまでの間、S2105、S2120、S2135の処理を実行する。尚、これらの処理の間に「脱調現象」等の不具合を生じた場合には必要に応じて、他の処理(S2130の処理等)を実行する。
(4)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件」が成立すると、液晶表示装置27の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄が確定表示される。
このとき、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。一方、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「大当りである」旨の表示がなされると、「大当りに移行するための演出表示」等を実行した後に、特別遊技を実行する。そして、この特別遊技を終了すると、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。尚、各特別図柄表示ゲームの開始前においては、ランプ装置820、820は、一律に(当否判定の結果や、「リーチ表示」の態様を問わずに)、消灯状態とされている。以下、本遊技機1における「特別図柄表示ゲーム」の特徴に関し、図22〜図26を用いて説明する。
当否判定の結果が「大当り」の場合、図22〜図24に示すように、図柄変動の途中で、疑似図柄表示部275〜277において「リーチ表示」を実行する。但し、本遊技機は、この「リーチ表示」として、「通常態様のリーチ表示」と、「特定態様のリーチ表示」とを選択的に実行する。ここで、「通常態様のリーチ表示」とは、左右の疑似図柄表示部275、277に、「数字図柄」、「かに図柄」、若しくは、「マンボウ図柄」を表示して行うリーチ表示を指す。また、「特定態様のリーチ表示」とは、左右の疑似図柄表示部275、277に、「三日月図柄」、「太陽図柄」若しくは「複合天体図柄」を表示して行うリーチ表示を指す。
大当り判定に基づく「特別図柄(本図柄、疑似図柄)の変動表示」の途中に、「通常態様のリーチ表示」を実行する場合(以下、「通常大当りパターン」という。)には、図22に示すように、当該リーチ表示の後、役物演出(可動演出装置を用いた特別の演出)を実行することなく、特別図柄(結果表示用図柄)の変動表示を継続する。そして、特別図柄(結果表示用図柄)の変動時間が経過すると、本図柄表示部272、273において、同一の本図柄を2つを揃えた大当り表示を実行すると共に、疑似図柄表示部275〜277で、同一の疑似図柄を3つを揃えた大当り表示を行う。次いで、演出用表示領域271Bで、大当り関連表示(特別遊技を実行する旨の表示等)を行った後、遊技機1は特別遊技状態に移行する。
この遊技状態に移行すると、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。この大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)t1を経過したとき、若しくは、入賞数が所定数n1に到達したときに、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t1が経過しておらず、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図9参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
1つのラウンドを終了し、大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)t2が経過した後に、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される。例えば、ラウンドの実行回数が所定の回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され、所定の回数に達すると、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了し、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。一方、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、ラウンドの実行回数が所定の回数に到達しない場合と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。
このように、遊技機の遊技状態が、特別遊技状態から通常遊技状態(大入賞口311が終始、閉鎖状態を維持する通常遊技状態)に戻されると、1回の始動入賞を契機に開始された「1回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。
このように、特別図柄表示ゲームを終了した後、当該特別図柄表示ゲーム中になされた「大当り図柄(本図柄、疑似図柄)」が、通常当り図柄である場合(本図柄にあっては、第1本図柄を「青色」とする表示、疑似図柄にあっては、「数字図柄」を用いたゾロ目図柄)、遊技機1は遊技モードは「通常確率モード」となる。一方、大当り表示の際に表示された特別図柄(本図柄、疑似図柄)が確率変動図柄である場合(本図柄にあっては、第1本図柄を「赤色」とする表示、疑似図柄にあっては、「かに図柄」若しくは「マンボウ図柄」を用いたゾロ目図柄)、遊技機1の遊技状態(遊技モード)は「確率変動モード」となる。そして、このように遊技機1の遊技状態が、「確率変動モード」に移行すると、「通常確率モード」である場合に比べて当否判定の際に、「大当り判定」がなされる確率(大当り確率)が向上する。
尚、「通常大当りパターン」に基づいて実行される「特別図柄表示ゲーム」において、ランプ装置820、820は、消灯状態のままとされる。また、この特別図柄表示ゲームを終了した後も、ランプ装置820、820は、消灯状態のままとされる。
大当り判定に基づく「特別図柄(本図柄、疑似図柄)の変動表示」の途中に、「特定態様のリーチ表示」を実行する場合(以下、「特定大当りパターン」という。)には、図23及び図24に示すように、役物演出を実行する。この役物演出は、音声・ランプ制御部170によって以下の処理が実行される。
つまり、「特定態様のリーチ表示」が実行されると、図23に示すように、ランプ装置820、820が点灯状態とされる(第2の状態から第1の状態への移行であり、図15を参照)。これにより、遊技者からは視認不可能とされていた表示用空間部715aの内部が視認可能な状態となる。このとき、何れの回転表示体760、770が、表示用空間部715a内に配置されていてもよい。但し、前述の原点位置検出処理(図20を参照)により、回転表示体760、770は「原点位置」に管理されているため(詳細は後述する。)、それらの裏面部M(トランプの裏模様を模した関連図柄P)を前方(遊技者側)に向けた状態とされる。尚、図23においては、可動支持体730が下限位置に移動し、上方の回転表示体760が表示用空間部715aに配置され、下方の回転表示体770が下方の隠蔽用空間部715cに配置された状態を示している。
次いで、第1のモータ(回転用)800の駆動を開始すると、回転表示体760、770の回転速度は徐々に加速されるが、回転の初期期間(図15を参照)においては回転速度が低速の期間が存在する。このため、遊技者は、表示用空間部715aで回転中の回転表示体(図23では、上方の回転表示体760)の表面部Nの「関連図柄」を読み取り、記憶することになる。
そして、第1のモータ(回転用)800の加速が十分に行われ、回転表示体760、770が高速回転(等速回転)に移行すると、遊技者は、表示用空間部715aで回転中の回転表示体(図23では、上方の回転表示体760)の裏面部Mと、表面部Nとに描かれた関連図柄を読み取ることが困難となる(図15を参照)。この状態で、ランプ装置820、820を消灯状態(第1の状態から第2の状態への移行)とし、遊技者から表示用空間部715a内を視認不可能な状態とする。
更に、表示用空間部715a内に配置された回転表示体760、770の入れ換えが必要な場合には、第2のモータ(移動用)810を駆動させ、可動支持体730を上方若しくは下方に移動させ、回転表示体760、770の入れ換えを行う。尚、図23においては、可動支持体730を上方に移動させ、可動支持体730を上限位置に移動し、上方の回転表示体760を上方の隠蔽用空間部715b内に移動させ、下方の回転表示体770が表示用空間部715aに移動させる具体例を示している。
この後、ランプ装置820、820を点灯状態とし(第2の状態から第1の状態への移行)、遊技者から表示用空間部715a内を視認可能な状態とする。更に、第1のモータ(回転用)800の回転速度を減速し、このモータ(回転用)800を停止させる。このとき、減速の途中においては、回転表示体(図23では、下方の回転表示体770)の回転速度が徐々に遅くなるため、遊技者にとっては、回転中の回転表示体(図23では、下方の回転表示体770)の裏面部Mと、表面部Nとに描かれた関連図柄を読み取ることが徐々に可能となる。
そして、回転表示体760、770の駆動期間が終了すると、回転表示体(図24では、下方の回転表示体770)は、表面部Nを遊技者側に向けた状態で停止する。このとき、回転表示体(図23では、下方の回転表示体770)の表面部Nに描かれている「関連図柄」は、前述の「特定態様のリーチ表示」を構成する疑似図柄(左右の疑似図柄表示部275、277に表示された疑似図柄)と、同一、若しくは、部分的に同一の図柄である。
つまり、前述の「特定態様のリーチ表示」を、左右の疑似図柄表示部275、277に「太陽図柄」若しくは「複合天体図柄」を並べて表示して構成した場合、回転表示体760、770によって「太陽図柄Q」が表示される。また、前述の「特定態様のリーチ表示」を、左右の疑似図柄表示部275、277に「三日月図柄」若しくは「複合天体図柄」を並べて表示して構成した場合、回転表示体760、770によって「三日月図柄R」が表示される。
この「特定大当りパターン」に係る「特別図柄表示ゲーム」において、回転表示体760、770の入れ換え駆動が行われる場合には、以下のような演出が実行される。つまり、回転表示体760、770の回転駆動の開始時において、遊技者に対して、共通関連図柄Pと、一方の「個別型の関連図柄(太陽図柄Q、若しくは、三日月図柄R)」を視認させておき、この後、回転表示体(760若しくは770)を一瞬、視認不可能とする。そして、この視認不可能なうちに回転表示体760、770の入れ換え駆動を実行し、共通関連図柄Pと、他方の「個別型の関連図柄(三日月図柄R、若しくは、太陽図柄Q)」を視認させる。このため、遊技者に対して、「先程、こちら(太陽図柄Q、若しくは、三日月図柄R)であったものが、何故か、こちら(三日月図柄R、若しくは、太陽図柄Q)になってしまったという、不思議な感覚(錯覚)」を与えること(つまり、イリュージョン的な演出を実行すること)ができる。
この「特定大当りパターン」に係る「特別図柄表示ゲーム」においては、このように、回転表示体760、770の回転駆動を停止した後、特別図柄の変動時間が経過する。そして、図24に示すように、本図柄表示部272、273において、同一の本図柄を2つを揃えた大当り表示を実行すると共に、疑似図柄表示部275〜277で、同一の疑似図柄を3つを揃えた大当り表示を行う。次いで、ランプ装置820、820を消灯状態とし(第1の状態から第2の状態への移行)、遊技者から表示用空間部715a内を視認不可能な状態とした後、演出用表示領域271Bで、大当り関連表示(特別遊技を実行する旨の表示等)を行う。この後、遊技機1は、前述の「通常大当りパターン」と同様な特別遊技を実行し、1回の始動入賞を契機に開始された「1回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。尚、この「特別大当りパターン」に係る「特別図柄表示ゲーム」の終了後において、遊技機1は遊技モードは、一律に「確率変動モード」となる。
当否判定の結果が「外れ」の場合、図柄変動の途中で、疑似図柄表示部275〜277において、「リーチ表示」を実行しない場合(以下、「通常外れ」の場合という。)と、「リーチ表示」を実行する場合(以下、「外れリーチ」の場合という。)と、がある。このうち、「通常外れ」の場合には、図25に示すように、特別図柄(結果表示用図柄)の変動時間が経過すると、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方で、外れ表示を実行し、1回の始動入賞を契機に開始された「1回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。この後、遊技機1は遊技モードは、「通常確率モード」若しくは「確率変動モード」となる。
「外れリーチ」の場合には、図26(a)〜(c)に示すように、「特別図柄(本図柄、疑似図柄)の変動表示」の途中に「リーチ表示」を行う。この「リーチ表示」が、図26(a)に示すように、「通常態様のリーチ表示」である場合には、役物演出(可動演出装置を用いた演出)を実行することなく、特別図柄の変動表示を継続する。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方で、外れ表示を実行し、1回の始動入賞を契機に開始された「1回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。この後、遊技機1は遊技モードは、「通常確率モード」若しくは「確率変動モード」となる。
一方、この「リーチ表示」が、図26(b)及び(c)に示すように、「特定態様のリーチ表示」である場合には、前述の「特定大当りパターンに係る特別図柄表示ゲーム」と同様に、役物演出(可動演出装置を用いたの演出)を作動を開始する。但し、「外れリーチ」においては、回転表示体760、770の駆動期間の終了時において、表示用空間部715aに配置されている回転表示体(770、770)によって、「特定態様のリーチ表示」を構成する疑似図柄(左右の疑似図柄表示部275、277に表示された疑似図柄)とは共通部分を構成しない関連図柄(仮に、中疑似図柄表示部275に表示されたとしても、3つの疑似図柄表示部275、276、277によって、大当り図柄を構成することができない関連図柄である。)が表示される。
例えば、「特定態様のリーチ表示」が、左右の疑似図柄表示部275、277に「太陽図柄」を表示して構成されたものである場合には、表示用空間部715aに配置されている回転表示体によって、「三日月図柄R」、若しくは、「共通関連図柄P」が表示される。また、「特定態様のリーチ表示」が、左右の疑似図柄表示部275、277に「三日月図柄」を表示して構成されたものである場合には、表示用空間部715aに配置されている回転表示体によって、「太陽図柄Q」、若しくは、「共通関連図柄P」が表示される。
この場合も、回転表示体760、770の回転駆動を停止した後、特別図柄の変動時間が終了する。そして、特別図柄の変動時間が終了すると、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方で、外れ表示を実行し、1回の始動入賞を契機に開始された「1回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。この後、遊技機1は遊技モードは、「通常確率モード」若しくは「確率変動モード」となる。
(5)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図27は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部400に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う。尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図2参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図28は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは液晶表示装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図27に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ481m(図14参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図29参照)に記憶した後、S100の処理に移行する。また、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図29参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S330において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図29参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aは、図29(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞に伴う一連の図柄表示遊技」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)と、遊技状態制御ジョブ(S900)とについて説明する。図30(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。即ち、図31に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図29参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図10に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図32に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図29参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS6680の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S660;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S668の処理に移行する。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図29参照)にセットする。尚、「確変(確率変動)」に関する判定を「大当りを示す図柄を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図31に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図29参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図29参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図29参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図30(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図10に示した主回路部400の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図30(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、当否判定の結果が「大当り」の場合(S840;YES)に出力される「大当り関連表示コマンド(S841)」も含まれている。この「大当り関連表示コマンド(S841)」は、大当り図柄の確定表示(大当り表示)の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
遊技状態制御ジョブ(S900)においては、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断し、セットされている場合に、遊技機1に特別遊技を実行させるための処理を行う。また、この特別遊技の実行後において、遊技機1の遊技モードを必要に応じて、「通常確率モード」から「確率変動モード」に切り換えたり、「確率変動モード」から「通常確率モード」に切り換えるための処理を行う。一方、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされていない場合には、遊技機1の遊技モードを必要に応じて、「通常確率モード」から「確率変動モード」に切り換えたり、「確率変動モード」から「通常確率モード」に切り換えるための処理を行う。
(6)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図33及び図34を用いて説明する。この図33及び34は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図30(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図33に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図33及び図34において、「白抜きの矢印」は、主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示している。また、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図33に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。また、主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。
音声・ランプ制御基板370は、図34に示すように、両第1本図柄指定コマンド(Cts1、Cts2)を受け取った後、疑似図柄の選択と、その変動態様等を決定し、この疑似図柄の指定コマンド等、種々の「演出用のコマンド」を、図柄制御部160に送信する。また、この疑似図柄の指定コマンドを送信した後に、「ボタン表示(ボタンB1、B2の操作が有効であることを表示したり、これらのボタンB1、B2の操作を促すための表示)」に係るコマンドを、図柄制御部160に送信する。
主制御部140は、前述のように、特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(S830、図34参照)。
また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り関連表示を開始するためのコマンド)」を送信する。
(7)サブ基板において行われる主要なルーチン
a.概略
次に、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160が協働して行う「演出制御(以下、「図柄・演出制御」)について説明する。
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、種々の演出に関する制御を開始する。また、音声・ランプ制御部170は、受け取った図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。尚、本実施例では、この特別図柄の表示制御に関連する「演出制御」を中心に述べ、普通図柄の表示制御に関連する「演出制御」の説明を省略する。
図35は、特別図柄の表示制御に関連する「図柄・演出制御」の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図27に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押され、このルーチンが初めて開始されると、役物初期化処理が実行される(S1002)。この役物初期化処理においては、前述の「原点位置検出処理(図20を参照)」が実行され、回転表示体760、770の裏面部M(トランプの裏模様を模した関連図柄P)が、確実に遊技者側(前方)を向いた状態とされる。また、この役物初期化処理においては、ランプ装置820、820が消灯状態にあるか否か(つまり、第2の状態にあるか否か)も判断される。
このように、役物初期化処理が実行されると、音声・ランプ制御部170においては、図柄表示制御コマンドの受信待ちの状態となる。そして、音声・ランプ制御部170が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、この変動パターン指定コマンドが、直ちに、図柄制御部160に転送され、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動表示を開始する(S1010)。このとき、音声・ランプ制御部170においては、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)の変動時間を管理するための「変動時間タイマT1」がセットされる(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、音声・ランプ制御部170が、全ての本図柄指定コマンドを全て受信する(S1020;YES)と共に、全ての本図柄指定コマンドが図柄制御部160に転送されると、演出制御処理を行う(S1100)。
この演出制御処理(S1100)においては、図36に示すうように、先ず、受信した「本図柄指定コマンド」に基づき、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドが、大当り判定に係るものであるか否かを判断し(S1105)、大当り判定に係るものある場合には(S1105;YES)、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等」として、「大当り用」を選択する(S1110)。
S1105において「NO」と判断される場合は、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、外れリーチ表示を行う場合は、その態様等」として、「外れ用」を選択する(S1120)。この場合、S1120に、疑似図柄の表示態様として、外れリーチ表示(外れリーチ演出)が選択されない場合(S1130;NO)は、リーチ表示(外れリーチ演出)を伴わない「通常タイプの演出」を実行した後(S11335)、演出制御処理(S1100)を終了して、図柄・演出制御ルーチンに復帰する。
S1110において「大当り用」の「疑似図柄の表示態様」を選択した場合と、S1130において「リーチ型の外れ表示」のための「疑似図柄の表示態様」を選択した場合には、S1140において、役物演出を実行するか否かが判断される(S1140)。つまり、これらの「疑似図柄の表示態様」に従って実行予定の「リーチ表示(リーチ演出)」の態様が、特定態様の場合には、S1140において肯定的な判断がなされる。
ここで、特定態様の「リーチ表示」とは、前述のように、左右の疑似図柄表示部275、277に、「三日月図柄」、「太陽図柄」若しくは「複合天体図柄」を表示して行うリーチ表示を指す。尚、本実施例では、「特定態様のリーチ表示」を実行する場合には、一律に、役物演出を実行するものとしたが、役物演出の実行の可否の決定方法は、これに限定されない。例えば、「特定態様のリーチ表示」を実行予定であることを前提に、音声・ランプ制御部170において、所定の抽選を行い、この抽選結果が当選である場合のみ、役物演出を実行してもよい。また、「変動パターン指定コマンドによって特定される特別図柄の変動時間」を考慮しつつ、役物演出の実行の可否を決定してもよい。例えば、この「特別図柄の変動時間」が所定時間以上である場合(例えば、可動演出装置を十分な時間、可動させることができる時間である場合)に役物演出を実行し、所定時間未満である場合に役物演出を実行しないものとしてもよい。
S1140において否定的な判断がなされる場合(S1140;NO)には、「通常態様のリーチ表示」を伴う「通常タイプの演出」を実行した後(S11335)、演出制御処理(S1100)を終了して、図柄・演出制御ルーチンに復帰する。一方、S1140において肯定的な判断がなされる場合(S1140;YES)には、S1145以下の処理に移行する。
S1145の処理においては、「演出開始タイマT2」を「リーチ時(疑似図柄によるリーチ表示の実行予定時)」にセットする(S1145)。この「演出開始タイマT2」の演出の開始時間を管理するための手段であり、本実施例では、この「演出開始タイマT2」の働きで、「特定態様のリーチ表示」の開始時に役物演出を開始可能なっている。
S1145の処理に続いて「役物演出の実行態様」が選択される(S1150)。この「役物演出の実行態様」の選択は、疑似図柄表示部275、276、277に表示される予定の停止図柄を考慮して行われ、(1)回転表示体760、770の入れ換え駆動を実行するか否か(つまり、回転駆動の停止時に、何れの回転表示体760、770を表示用空間部715a内に配置するか)、(2)回転駆動の停止時に、表示用空間部715a内に配置された回転表示体760、770を原点位置とするか、反転位置とするか(裏面部M及び表面部Nのうちの何れを前方、つまり、遊技者の側に向けるのか)、等が選択される。
S1150の処理に続いて「開始位置確認調整処理」が実行される(S1155)。この「開始位置確認調整処理」は、役物演出を開始するに際して、回転表示体760、770が所望の停止位置(原点位置)で停止しているか否かを確認すると共に、不本意にも、ズレを生じている場合に調整を行うための処理である。つまり、後述する「ランプ装置820、820を点灯処理(S1170)」の実行時、つまり、表示用空間部715a内が視認可能となったときに、当該表示用空間部715a内に配置されている回転表示体760、770の裏面部Mが、確実に前方(遊技者側)に向けるようにするためのものである。この「開始位置確認調整処理(S1155)」は、前述の「原点位置検出処理(図20を参照)」と同一の手順に従って実行される。
このS1155の処理に続いて、「演出開始タイマT2」が終了するか否かが判断され(S1160)、この「演出開始タイマT2」が終了すると(S1160;YES)、役物演出の開始時と、「特定態様のリーチ表示」の開始時とが到来する。以下、この後の処理を、図37及び図15を用いて説明する。
疑似図柄表示部275、276、277を用いて、「特定態様のリーチ表示」が実行された後(S1165)、ランプ装置820、820を点灯する(S1170)。これにより、表示用空間部715aと、その内部に配置されている回転表示体(760若しくは770)が視認可能な状態となる。
続いて、回転タイマT3をセットし、回転表示体760、770の回転駆動(第1のモータ800の回転駆動)を開始する(S1175)。この「回転タイマT3」は、回転表示体760、770の回転駆動の終期を管理するためのタイマであり、前述の「変動時間タイマT1」の終了時よりも、早期に終了するようにセットされる。つまり、本遊技機1においては、特別図柄(両本図柄及び疑似図柄)の変動表示が終了するよりも前に、回転表示体(760若しくは770)の回転駆動が停止するように制御されている。換言すると、「中疑似図柄表示部276で停止図柄を確定表示し、当否判定の結果」を表示する前に、回転表示体(760若しくは770)によって、当否判定の結果を先行表示することになる。
S1175の処理により、回転表示体(760若しくは770)は徐々に回転速度を加速するため、遊技者にとっては、回転表示体(760若しくは770)に表示された「関連図柄」を判読することが徐々に困難となる。そして、回転表示体(760若しくは770)の回転速度が等速となり、高速に落ち着いたところで(S1180)、ランプ装置820、820を消灯させ(S1185)、更に、「回転表示体(760若しくは770)の入れ換え駆動」の要否が判断される(S1190)。つまり、回転表示体(760若しくは770)を上方、若しくは、下方に移動させ、表示用空間部715a内に配置されている回転表示体(760若しくは770)の入れ換えを行うべきか否かが判断される(S1190)。
S1190の処理において、「入れ換え駆動」が必要と判断される場合は(S1190;YES)、入れ換え駆動を完了した後(S1195)、ランプ装置820、820を点灯し(S1200)、「入れ換え駆動」が不要と判断される場合は(S1190;NO)、入れ換え駆動を行うことなく、ランプ装置820、820を点灯する(S1200)。このように、本実施例では、「入れ換え駆動」の実行の要否にかかわらずに、ランプ装置820、820を一端、消灯し、この消灯中において、「入れ換え駆動」を実行する。つまり、「入れ換え駆動」が必要な場合は、表示用空間部715a内を視認不可能な状態としつつ、この「入れ換え駆動」を実行するばかりか、「入れ換え駆動」が不要な場合も、表示用空間部715a内を一端、視認不可能な状態とする。つまり、「入れ換え駆動」が不要な場合も、「ダミーの消灯」を実行する。このため、「回転表示体760、770の回転駆動の開始後に消灯状態になると、入れ換え駆動が実行されること」を、遊技者に悟られることを防止できる。
この後、ボタンB1、B2に与えられる操作を、有効な操作として取り扱う期間(以下、「有効期間」という。)が開始する(S1205)。つまり、この「有効期間」においては、ボタンB1、B2の操作に伴って、音声・ランプ制御部170に入力される操作信号が、有効なものとして取り扱われる。また、この「有効期間」が開始すると(S1205)、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に、前述の「ボタン表示」に係るコマンドが送信され、液晶表示装置27において、「ボタン表示」が実行される。例えば、背景画面表示部278に、「チャンスです。ボタンB1、B2の操作して下さい。」等の表示がなされる。尚、この「有効期間」は、回転タイマT3が終了するか(S1215)、回転タイマT3がリセットされると(S1220)、終了する。
このように、「有効期間(S1205)」の開始後、回転タイマT3が終了するまでの間に、音声・ランプ制御部170へ操作信号(ボタンB1、B2の操作によって生ずる操作信号)が入力されると(S1210;YES)、回転タイマT3を強制的に終了させ(S1220)、回転表示体760、770を停止させる(1225)。一方、回転タイマT3が終了するまでの間に、音声・ランプ制御部170へ操作信号が入力されない場合には(S1210;NO)、回転タイマT3の終了を待って(S1215;YES)、回転表示体760、770を停止させる(1225)。
この1225の処理の後、「停止位置確認調整処理」を実行し(S1235)、「図柄・演出制御ルーチン」に復帰する。この「停止位置確認調整処理」は、回転表示体760、770が所望の停止位置(S1150の処理で決定した位置であって、原点位置及び反転位置のうちの一方)で停止しているか否かを確認すると共に、不本意にも、ズレを生じている場合に調整を行うための処理である。つまり、回転表示体760、770を「原点位置」で停止させるべき場合は、この「停止位置確認調整処理」を、前述の「原点位置検出処理(図20を参照)」と同一の手順に従って実行することができる。また、回転表示体760、770を「反転位置」で停止させるべき場合は、この「停止位置確認調整処理」を、前述の「反転位置検出処理(図21を参照)」と同一の手順に従って実行することができる。
「図柄・演出制御ルーチン」に復帰した後、音声・ランプ制御部170が本図柄停止コマンドの受信すると(S1700;YES)、この本図柄停止コマンドが図柄制御部160に転送され、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動が停止する(S1710)。尚、この「音声・ランプ制御部170が本図柄停止コマンドの受信するとき」に、前述の「変動時間タイマ1」も終了する(S1710)。
このS1710の処理の後、ランプ装置820、820が点灯状態にあるとき(S1720;YES)、つまり、役物演出の実行後である場合には、ランプ装置820、820を消灯状態に戻した後(S1725)、「原点復帰処理」を実行し(S1730)、後続する処理(S1800等)に移行する。この「原点復帰処理(S1730)」は、表示用空間部715a内に配置されている回転表示体760、770の裏面部Mを、確実に遊技者側(前方)に向けるようにするためのものである。この「原点復帰処理(S1730)」は、前述の「原点位置検出処理(図20を参照)」と同一の手順に従って実行することができる。
尚、回転表示体760、770の上下方向に沿った移動に関しても、原点位置(以下、「上下原点位置」という。)を設定する場合は、この原点復帰処理(S1730)や他の復帰処理によって、回転表示体760、770を、上下原点位置に復帰させてもよい。例えば、「上方の回転表示体760が表示用空間部715a内に配置され、下方の回転表示体770が下方の隠蔽用空間部715c内に配置される場合」を、上下原点位置するときには、以下のような処理を行うことができる。つまり、仮に、S1720の処理の後に、上方の回転表示体760が上方の隠蔽用空間部715b内に配置され、下方の回転表示体770が表示用空間部715a内に配置されている場合に、前記「原点復帰処理(S1730)」や「他の復帰処理」によって、可動支持体730を下限位置に移動することによって、回転表示体760、770を上下原点位置に復帰させてもよい。
このS1710の処理の後、ランプ装置820、820が消灯状態にあるとき(S1720;NO)、つまり、役物演出の実行後でない場合には、そのまま、後続する処理(S1800等)に移行する。
S1800の処理では、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、図柄・演出制御メインルーチン(S1000)を終了する。
(8)実施例1の効果
以上の実施例1によると、可動演出装置を、各々複数の表示面(裏面部M、表面部N)を備える2つの回転表示体760、770を用いて構成する。そして、一方の回転表示体(760若しくは770)を表示用空間部715aで、遊技者方向に対して表示可能とし、他方の回転表示体(770若しくは760)を隠蔽用空間部(715b若しくは715c)に隠蔽する。そして、2つの回転表示体760、770を、液晶表示装置27での「特別図柄の変動表示」に関連させて回転駆動させると共に、必要に応じて、表示用空間部715a内に配置される回転表示体(760若しくは770)の入れ換えを可能とし、これらの回転表示体760、770を用いた演出に変化を与える。
つまり、本実施例では、筐体710の内部において、上下に2個の「トランプ状の可動物(回転表示体760、770)」を同軸上に配置し、回転駆動及び上下動(入れ換え駆動)可能とすると共に、筐体710に、1つの「トランプ状の可動物(回転表示体760若しくは770)」のみを視認可能な表示窓713を設ける。そして、特定の条件が成立すると、「ハーフミラー部材716及びランプ装置820、820等」を用いた視認制御と合わせて、「トランプ状の可動物(回転表示体760、770)」の駆動制御(回転駆動制御及び入れ換え駆動制御)を実行する。しかも、2個の回転式可動物(回転表示体760、770)は、一面に同一の図柄(共通関連図柄P)を表示し、他面に異なる図柄(個別関連図柄Q、R)を表示とする。そして、「トランプ状の可動物(回転表示体760、770)」の同一図柄側を、遊技者が表示窓713を通じて視認できる状態とした後に、視認制御(消灯)を行い、その間に、「トランプ状の可動物(回転表示体760若しくは770)」を上下動させる。これにより、遊技者の知らない間に、表示用空間部715a内に位置する「トランプ状の可動物(回転表示体760若しくは770)」を入れ換える制御を実行する。
更に、視認制御(点灯)を実行し、入れ換えられた回転式可動物(回転表示体770若しくは760)を視認可能な状態とする。このため、本実施例によると、回転式可動物(回転表示体760、770)が動き出したときと、止まるときとで、「何故か、その状態が変化してしまった」という、「イリュージョン的な演出」が実行される。
また、この可動演出装置では、回転表示体760、770の表示面(裏面部M、表面部N)を用いて、「関連図柄(関連識別情報)」の表示が可能である。つまり、表示面(裏面部M、表面部N)を用いて、「当否判定の結果」を示す情報、つまり、遊技者にとって最大の関心事を示す情報を表示することができる。よって、実施例1の可動演出装置では、遊技者の遊技機を注視する度合いが高いとき(液晶表示装置27で、特別図柄の変動表示を行っているとき)」に、遊技者にとって最大の関心事を示す情報を表示するため、十分な演出効果を期待できる。
B.実施例2
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊技機は、所謂「連続予告」の手段として、可動演出装置を用いる点が、実施例1の遊技機1と異なっている。
本実施例では、(1)「主制御部メインジョブ(図27を参照)」において、図38及び図39(a)に示すように、「予告関連処理(S340)」が付加されている点と、(2)音声・ランプ制御部170の実行する処理として、図39(b)に示すように、「予告関連処理」に対応する処理が追加されている点と、(2)演出制御処理を図40及び図40に従って行う点(図36及び図37に従って行わない点)とが、実施例1と異なる。その他の点に関しては、実施例1と同様であるため、本実施例では、これらの相違点のみを述べる。
先ず、「予告関連処理(S340)」について、図39(a)を用いて説明する。この「予告関連処理」においては、先ず、この処理の直前のS330の処理で、特別図柄当否判定乱数メモリ481a{図29(a)}に記憶した判定乱数値について、予告用の当否判定を行う(S341)。つまり、図29(b)に示す「特別図柄当否判定乱数メモリ481a」の各領域(0〜3)に記憶された記憶データ(判定乱数値)のうちで、最新の記憶データ(判定乱数値)について予告用の当否判定を行う(S341)。
この予告用の当否判定の結果が大当りである場合(S343;YES)、予告処理(大当り用)を実行するか否かの抽選を行う(S344)。この抽選は、所定の乱数を用いて行われる。そして、この抽選に当選し、予告を実行する旨の決定がなされると(S345;YES)、予告決定信号(大当り用)と、この決定時において「特別図柄保留数メモリ481b{図29(a)}に記憶されている保留数(以下、「決定時保留数N」という。)を特定するためのデータと、を出力する処理を行う(S346)。
また、予告用の当否判定の結果が外れである場合(S343;NO)、予告処理(偽りの予告のための処理であって、以下、「ガセ予告処理」ということがある。)を実行するか否かの抽選を行う(S347)。この抽選も、所定の乱数を用いて行われるが、前述のS344の抽選に比べて、抽選結果が当選となる確率は低く設定されている。このS347の抽選に当選し、予告を実行する旨の決定がなされると(S348;YES)、予告決定信号(ガセ)と、この決定時において「特別図柄保留数メモリ481b{図29(a)}に記憶されている保留数(N)」を特定するためのデータと、を出力する処理を行う(S349)。
S346若しくはS349の処理に対応して、音声・ランプ制御部170では、図39(b)に示す「決定信号受信時処理」を実行する。つまり、予告決定信号(大当り用、若しくは、ガセ)を受信すると(S3000;YES)、予告演出カウンタEの値が「0」であるか否かを判断する(S3010)。この予告演出カウンタEの値が「0」でなければ(1〜4のうちの何れかであれば、)、そのまま、「決定信号受信時処理」を終了する。
一方、予告演出カウンタEの値が「0」であれば、S346若しくはS349の処理で、音声・ランプ制御部170に送信された「決定時保留数N」を、予告演出カウンタEにセットする。この予告演出カウンタEは、現に、予告決定中であることを示すカウンタであり、予告決定中でないとき(予告演出を行わないとき)に「ゼロ」となる。また、決定信号の受信時に、既に、予告決定中である場合には、S3010の処理で決定信号受信が無視されるため、連続的な予告演出が無制限に実行されることを防止できる。
実施例2においても、「図柄・演出制御ルーチン(S1000)」は、図35に従って実行される。但し、実施例2においては、この「図柄・演出制御ルーチン(S1000)」中で実行される「演出制御処理(S1100)」が、図40及び図41に従って行われる(図36及び図37は適用されない。)。
実施例2の「演出制御処理(S1100)」においては、先ず、「予告演出カウンタE」の値が「ゼロ」であるか否かが判断される(S1305)。そして、「予告演出カウンタE」の値が「ゼロ」である場合(S1305;YES)には、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等)を選択する(「大当り用」若しくは「外れ用」)を選択する(S1315)。
このS1315で選択された表示態様が、リーチ表示を伴う表示態様である場合(大当り用の表示態様、若しくは、外れリーチ用の表示態様)には(S1440;YES)、このS1315で決定された「所定のタイミング」でリーチ表示を伴う演出(役物演出を伴わない通常演出)を実行した後(S1445)、演出制御処理(S1100)を終了し、「図柄・演出制御ルーチン(図35)」に復帰する。また、S1315で選択された表示態様がリーチ表示を伴わない表示態様である場合(通常外れ用の表示態様)には(S1440;NO)、リーチ表示を伴わない演出(役物演出を伴わない通常演出)を実行した後(S1447)、演出制御処理(S1100)を終了し、「図柄・演出制御ルーチン(図35)」に復帰する。
一方、「予告演出カウンタE」の値が「ゼロ」でない場合(S1305;NO)、「予告演出カウンタE」の値を「1」減算した後(S1320)、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様」を選択する(S1325)。但し、このS1325で選択される「表示態様」は、疑似図柄の変動途中において、必ず、「予告用のリーチ表示」を実行するものが選択される。つまり、実行中の演出の基礎となる「当否判定の結果」が「外れ」であっても、「表示態様」としては、必ず、「外れリーチ態様」が選択されるものとする。尚、「予告用のリーチ表示」に関しては後述する。
S1325において「疑似図柄の表示態様」を選択した後、「演出開始タイマT2」を「リーチ時(疑似図柄によるリーチの実行予定時)」にセットする(S1330)。この「演出開始タイマT2」も、実施例1の「演出開始タイマT2」と同様に、役物による演出の開始時間を管理するための手段である。本実施例では、この「演出開始タイマT2」の働きで、「予告用のリーチ表示」の開始時に役物演出を開始可能なっている。
S1330の処理に続いて「役物演出の実行態様」が選択される(S1335)。この「役物演出の実行態様」の選択は、疑似図柄表示部275、276、277に表示される予定の停止図柄等を考慮して行われ、(1)回転表示体760、770の入れ換え駆動を実行するか否か、(2)回転駆動の停止時に、表示用空間部715a内に配置された回転表示体760、770を原点位置とするか、反転位置とするか(裏面部M及び表面部Nのうちの何れを遊技者の側に向けるのか)、等が選択される。そして、S1340の処理に続いて「開始位置確認調整処理」が実行される(S1340)。この「開始位置確認調整処理」は、実施例1の「開始位置確認調整処理(S1155)」と同様な処理である。
このS1340の処理に続いて、「演出開始タイマT2」が終了するか否かが判断され(S1345)、この「演出開始タイマT2」が終了すると(S1345;YES)、「予告用のリーチ表示」の開始時と、役物演出(可動演出装置を用いた予告演出)の開始時とが到来する。以下、この後の処理を、図41を用いて説明する。
疑似図柄表示部275、276、277を用いて、「予告用のリーチ表示」が実行された後(S1365)、ランプ装置820、820を点灯する。これにより、表示用空間部715aと、その内部に配置されている回転表示体(760若しくは770)が視認可能な状態となる。
続いて、回転タイマT3をセットし、回転表示体760、770の回転駆動(第1のモータ800の回転駆動)を開始する(S1375)。この「回転タイマT3」は、実施例1の「回転タイマT3」と同様に、回転表示体760、770の回転駆動の終期を管理するためのタイマである。つまり、前述の「変動時間タイマT1」の終了時よりも、早期に終了するようにセットされ、本遊技機1においては、特別図柄(両本図柄及び疑似図柄)の変動表示が終了するよりも前に、回転表示体(760若しくは770)の回転駆動が停止するように制御されている。換言すると、「中疑似図柄表示部276で停止図柄を確定表示し、当否判定の結果」を表示する前に、回転表示体(760若しくは770)によって、「当否判定の結果に関する予告表示」を実行することになる。
次いで、回転表示体(760若しくは770)の回転速度が等速となり、高速に落ち着いたところで(S1380;YES)、ランプ装置820、820を消灯させ(S1385)、更に、「回転表示体(760若しくは770)の入れ換え駆動」の要否が判断される(S1390)。そして、S1390の処理において、「入れ換え駆動」が必要と判断される場合は(S1390;YES)、入れ換え駆動を完了した後(S1395)、ランプ装置820、820を点灯し(S1400)、「入れ換え駆動」が不要と判断される場合は(S1390;NO)、入れ換え駆動を行うことなく、ランプ装置820、820を点灯する(S1400)。
この後、回転タイマT3の終了を待って(S1415;YES)、回転表示体760、770を停止させ(1425)、回転表示体760、770による「予告演出」を完了する。この後、「停止位置確認調整処理」を実行し(S1435)、「図柄・演出制御ルーチン(図35)」に復帰するが、この「停止位置確認調整処理」の具体的な内容は、実施例1の「停止位置確認調整処理」と同様である。
次に、図42及び図43を用いて、実施例2で実行する「予告演出」の具体例を説明する。例えば、図42に示すように、「特別当否判定乱数メモリ481a」の「領域0〜2」に、S341の「予告用判定」で、既に「外れ」と判定された「判定用乱数値R0、R1、R2」が記憶されているとする。そして、この状態で、「特別当否判定乱数メモリ481a」の「領域3」に、「予告用判定」で「大当り」と判定されることなる「判定用乱数値R3」が記憶されたものとして、以下の説明を行う。
主制御部140では、「判定用乱数値R3」が「領域3」に記憶された後に、図39(a)に示すS344、S345、S346の処理を実行する。本具体例では、S344、S345の処理で、「予告(大当り用)を実行する旨の決定」を行う。そして、S346の処理で、予告決定信号と、決定時保留数(N=4)を示すデータとが、主制御部140から音声・ランプ制御部170に出力されるものとする。そして、この具体例では、図39(b)に示すS3030の処理で、「予告演出カウンタE」の値が「4」にセットされるため、連続した4回の「特別図柄の変動表示」に伴う、役物演出、つまり、「連続予告」が、例えば、図43に示す態様で実行される。
先ず、最も古い保留情報、つまり、「判定用乱数値R0」に基づいて実行される「特別図柄表示ゲーム」では、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動表示の途中に、「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、「数字の8」を示す「数字図柄」を停止させて、「予告用のリーチ表示(一回目のリーチ表示)」を行う。そして、この後、可動演出装置の駆動を開始し、「中疑似図柄表示部276」の停止前に、回転表示体760、770の回転を停止させ、下方の回転表示体770の表面部Nを用いて、「三日月図柄」を表示する。更に、この後、「中疑似図柄表示部276」に「数字の2」を示す「数字図柄」を停止させることで疑似図柄の変動表示を停止させ、「外れを示す疑似図柄の確定表示(一回目の確定表示)」を実行する。
次に古い保留情報、つまり、「判定用乱数値R1」に基づいて実行される「特別図柄表示ゲーム」においても、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動表示の途中に、「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、「数字の8」を示す「数字図柄」を停止させて、「予告用のリーチ表示(二回目のリーチ表示)」を行う。そして、この後、可動演出装置の駆動を開始し、「中疑似図柄表示部276」の停止前に、回転表示体760、770の回転を停止させ、下方の回転表示体770の表面部Nを用いて、「三日月図柄」を表示する。更に、この後、「中疑似図柄表示部276」に「数字の4」を示す「数字図柄」を停止させることで疑似図柄の変動表示を停止させ、「外れを示す疑似図柄の確定表示(二回目の確定表示)」を実行する。
1つ前の保留情報、つまり、「判定用乱数値R2」に基づいて実行される「特別図柄表示ゲーム」においても、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動表示の途中に、「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、「数字の8」を示す「数字図柄」を停止させて、「予告用のリーチ表示(三回目のリーチ表示)」を行う。そして、この後、可動演出装置の駆動を開始し、「中疑似図柄表示部276」の停止前に、回転表示体760、770の回転を停止させるが、この場合、下方の回転表示体770の表面部Nを用いて、「三日月図柄」を表示する。更に、この後、「中疑似図柄表示部276」に「数字の6」を示す「数字図柄」を停止させることで疑似図柄の変動表示を停止させ、「外れを示す疑似図柄の確定表示(三回目の確定表示)」を実行する。
最も新しい保留情報、つまり、「判定用乱数値R3」に基づいて実行される「特別図柄表示ゲーム」においても、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動表示の途中に、「左疑似図柄表示部275」と、「右疑似図柄表示部277」とに、「数字の8」を示す「数字図柄」を停止させて、「予告用のリーチ表示(四回目のリーチ表示)」を行う。そして、この後、可動演出装置の駆動を開始し、「中疑似図柄表示部276」の停止前に、回転表示体760、770の回転を停止させ、上方の回転表示体760の表面部Nを用いて、「太陽図柄」を表示する。更に、この後、「中疑似図柄表示部276」に「数字の8」を示す「数字図柄」を停止させることで疑似図柄の変動表示を停止させ、「大当りを示す疑似図柄の確定表示(四回目の確定表示)」を実行する。
以上の具体例では、連続4回の「特別図柄表示ゲーム」を用いて効果的な予告演出(連続予告)を実行している。つまり、連続4回の「特別図柄表示ゲーム」において実行される「リーチ表示」において、「同一のリーチ図柄(両端に、「数字の8」を示す「数字図柄」を配設したリーチ図柄」を表示する。また、連続4回の「特別図柄表示ゲーム」において実行される「確定表示」において、最終停止図柄が徐々に、リーチ図柄を構成する図柄(「数字の8」)に近づいている。しかも、連続4回の「特別図柄表示ゲーム」において「リーチ表示」が実行される毎に可動演出装置が駆動し、所定の関連図柄(三日月図柄)を停止表示する。そして、大当りに係る「特別図柄表示ゲーム」の直前に実行される「特別図柄表示ゲーム」において、前の「特別図柄表示ゲーム」の実行時とは異なる関連図柄(太陽図柄)が停止表示される。
このため、この連続予告に接する遊技者は疑似図柄表示部275〜277において実行される「連続的なリーチ表示」演出と、可動演出装置の駆動とによって、大当りの出現に対する期待感を高めることができる。そして、遊技者は、大当りに係る「特別図柄表示ゲーム」の直前に実行される「特別図柄表示ゲーム」において、前の「特別図柄表示ゲーム」の実行時とは異なる関連図柄(太陽図柄)が停止表示されたことを発見すると共に、「外れを示す疑似図柄の確定表示(三回目の確定表示)」の態様が、大当り図柄の態様に近くなっていることに気づき、この遊技者の興奮が最高に達することが期待できる。
以上の実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、予告演出用の手段として、変動表示手段(液晶表示装置27)ばかりか、変動表示手段(液晶表示装置27)とは別体の駆動物(可動演出装置)を備えるため、より効果的な予告演出を実行できる。
C.実施例3
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の遊技機は、所謂「報知手段」として、可動演出装置を用いる点が、実施例1の遊技機1と異なっている。
本実施例では、演出制御処理を図44及び図45に従って行う点(図36及び図37に従って行わない点)が、実施例1と異なる。その他の点に関しては、実施例1と同様であるため、本実施例では、これらの相違点のみを述べる。
実施例3においても、「図柄・演出制御ルーチン(S1000)」は、図35に従って実行される。但し、実施例3においては、この「図柄・演出制御ルーチン(S1000)」中で実行される「演出制御処理(S1100)」が、図44及び図45に従って、以下ように行われる。
先ず、可動演出装置を用いて、演出を実行するか否かを判定し(S1500)、を実行しない場合(S1500;NO)は、「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等)を選択する(「大当り用」若しくは「外れ用」)を選択した後(S1502)、役物演出を伴わない「通常態様の演出を実行した後(S1503)、演出制御処理(S1100)を終了し、「図柄・演出制御ルーチン(図35)」に復帰する。
一方、演出実行する場合(S1500;YES)は、受信した「本図柄指定コマンド」に基づき、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドが、大当り判定に係るものであるか否かを判断する(S1505)。そして、大当り判定に係るものある場合には(S1505;YES)、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様」として、「大当り用」を選択する(S1507)。
S1507の処理の実行後において、「100%当り報知演出(大当りの信頼度が100%の報知演出である。)」を実行するか否かを決定(抽選等で決定)し(S1510)、実行する場合(S1510;YES)には、「演出開始タイマT2」を「リーチ前(疑似図柄によるリーチの実行予定時前)」にセットする(S1515)。この「演出開始タイマT2」も、実施例1と「演出開始タイマT2」と同様に、役物演出の開始時間を管理するための手段である。そして、このS1515の処理の後、「役物演出の実行態様を選択する処理(S1520)」と、「開始位置確認調整処理(S1525)とが、この順で実行される。尚、この「開始位置確認調整処理」は、実施例1の「開始位置確認調整処理(S1155)」と同様な処理である。
このS1525の処理に続いて、「演出開始タイマT2」が終了すると(S1530;YES)、「報知演出」が開始され、「ランプ装置820、820を点灯状態とする処理(S1535)」と、「回転タイマT3をセットし、回転表示体760、770の回転駆動(第1のモータ800の回転駆動)を開始する処理(S1536)」と、「回転速度が等速となったところで、ランプ装置820、820を消灯状態とする処理(S1537、S1540)」と、がこの順に実行される。この後、「リーチ表示(S1545)」が実行され、S1630以降の処理に移行する。
S1510の処理で、「100%当り報知演出」を実行しないとされる場合(S1510;NO)、つまり、「信頼度が低い当り報知演出」を実行する場合には、「演出開始タイマT2」を「リーチ後(疑似図柄によるリーチの実行予定時後)」にセットする(S1550)。この後、「役物演出の実行態様を選択する処理(S1555)」と、「開始位置確認調整処理(S1560)とが、この順で実行される。
このS1560の処理に続いて、「演出開始タイマT2」が終了すると(S1565;YES)、「リーチ表示(S1570)」が実行され、この後、「報知演出」が開始される。つまり、「リーチ表示(S1570)」の実行後に、「ランプ装置820、820を点灯状態とする処理(S1575)」と、「回転タイマT3をセットし、回転表示体760、770の回転駆動(第1のモータ800の回転駆動)を開始する処理(S1576)」と、「回転速度が等速となったところで、ランプ装置820、820を消灯状態とする処理(S1577、S1580)」と、がこの順に実行される。そして、この後、S1630以降の処理に移行する。
S1505において、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドが、外れ判定に係るものであると判断される場合には(S1505;NO)、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様」として、「外れ用であって、しかも、リーチ表示を伴うもの(つまり、リーチ外れ用)」を選択する(S1581)。そして、このS1581の処理の後に、「100%偽り(ガセ)の報知演出(大当りの信頼度がゼロ%の報知演出である。)」を実行するか否かを決定(抽選等で決定)する(S1585)。そして、実行しない場合(S15850;NO)、つまり、「信頼度が低い当り報知演出」を実行する場合には、S1550〜S1580の処理を経て、S1630以降の処理に移行する。
一方、「100%偽り(ガセ)の報知演出を実行する場合(S1585;YES)には、「演出開始タイマT2」を「リーチ時(疑似図柄によるリーチの実行予定時)」にセットする(S1590)。この後、「役物演出の実行態様を選択する処理(S1595)」と、「開始位置確認調整処理(S1598)」とが、この順で実行される。
このS1598の処理に続いて、「演出開始タイマT2」が終了すると(S1600;YES)、「リーチ表示」と「報知演出」が同時に開始される(S1610)。つまり、「リーチ表示」の開始と同時に、「ランプ装置820、820を点灯状態とする処理を開始し(S1610)、この後、「回転タイマT3をセットし、回転表示体760、770の回転駆動(第1のモータ800の回転駆動)を開始する処理(S1611)」と、「回転速度が等速となったところで、ランプ装置820、820を消灯状態とする処理(S1612、S1620)」と、がこの順に実行される。そして、この後、S1630以降の処理に移行する。
S1630では、「回転表示体(760若しくは770)の入れ換え駆動」の要否が判断される。そして、「入れ換え駆動」が必要と判断される場合は(S1630;YES)、入れ換え駆動を完了した後(S1640)、ランプ装置820、820を点灯し(S1645)、「入れ換え駆動」が不要と判断される場合は(S1630;NO)、入れ換え駆動を行うことなく、ランプ装置820、820を点灯する(S1645)。この後、回転タイマT3の終了を待って(S1650;YES)、回転表示体760、770を停止させ(S1655)、回転表示体760、770による「報知演出」を完了する。この後、「停止位置確認調整処理」を実行し(S1660)、「図柄・演出制御ルーチン(図35)」に復帰するが、この「停止位置確認調整処理」の具体的な内容は、実施例1の「停止位置確認調整処理」と同様である。
次に、図46を用いて、実施例3で実行する「報知演出」の具体例を説明する。つまり、図46(a)は、「疑似図柄表示部275〜277でリーチ表示を行う前に、可動演出装置が駆動を開始する場合」を示している。この「役物演出の開始」によって「100%当り報知演出」が実行され、遊技者に対して、「変動表示の終了時に、大当りに係る停止図柄が確定表示される確率が100%である」旨が報知される。つまり、リーチ表示を実行する前に行われる「報知演出」は、「大当り発生の信頼度」が100%となる。
また、図46(b)は、「疑似図柄表示部275〜277でリーチ表示を行った後に、可動演出装置が駆動を開始する場合」を示している。この「役物演出の開始」によって「信頼度が低い当り報知演出」が実行される。つまり、リーチ表示を実行した後に行われる「報知演出」は、信頼度が低い(ゼロ%を含まない。)ことになる。
更に、図46(c)は、「疑似図柄表示部275〜277でリーチ表示を開始すると同時に、可動演出装置が駆動を開始する場合」を示している。この「役物演出装置の開始」によって、「100%偽り(ガセ)の報知演出」が実行される。つまり、リーチ表示の開始と同時に開始される報知演出の信頼度は、ゼロ%である。
以上の実施例3によると、実施例1の効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、報知演出用の手段として、変動表示手段(液晶表示装置27)とは別体の可動物(可動演出装置)を備える。しかも、この可動物(可動演出装置)の可動態様(可動開始時期)を、変動表示手段(液晶表示装置27)の変動表示との関係で種々選択可能とし、この可動態様(可動開始時期)に応じて、報知内容(信頼度)を異なるものとする。よって、遊技者は、変動表示手段(液晶表示装置27)と、可動物(可動演出装置)とを「かたずを飲んで」注目することになるため、本実施例によると、より効果的な演出を実行できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項1に記載した範囲を逸脱しない限り、請求項1の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、図47に示す変形例のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。
更に、各本実施例では、可動演出装置を、疑似図柄の変動表示に対応させて駆動する具体例を例示したが、可動演出装置を、本図柄の変動表示に対応させて駆動させることもできる。