本発明の第1実施形態に係る遊技機について説明する。なお、遊技機として、パチンコ機を一例に挙げて以下説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がプラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、主として、始動口56Bと、センター役物64と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
センター役物64は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、演出図柄表示装置(図柄表示装置)62と、演出役物200と、ランプ類66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
センター役物64の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、演出役物200の構成について詳細に説明する。
図5乃至図9に示すように、演出役物200は、上側ケーシング202を備えている。上側ケーシング202は、枠部材、遊技盤あるいはセンター役物などに固定されている。上側ケーシング202の上面には、駆動モータ176が取り付けられている。上側ケーシング202の中央部には、回転軸204が回転可能に支持されている。上記駆動モータ176は、所定の歯車減速機構(図示省略)を介して上記回転軸204に機械的に接続されており、回転軸204の回転駆動を可能にしている。このように、上側ケーシング202は、回転軸204の軸受として機能するとともに、駆動モータ176の取付台としても機能している。なお、駆動モータ176は、装飾駆動基板114により駆動制御される。
図12に示すように、上側ケーシング202の内部には、上側円板部材(支持部材)206が収容されている。上側円板部材206は、回転軸204に固定されており、回転軸204の軸回りの回転と共に回転する。また、上側円板部材206には、3個の演出カード部材(演出表示部)208A、208B、208C(以下、適宜、「208A」と表現する)が軸回転可能に支持されている。すなわち、上側円板部材206の円周上の等間隔(開き角度120度)に位置には、演出カード部材208Aの上側軸部212(取付軸、図5参照)を回転可能に支持する孔部209が形成されている。このため、図7乃至図9に示すように、上側円板部材206が回転軸204と共に回転軸204の軸回りに回転すると、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、上側円板部材206に支持されているため、上側円板部材206の回転と共に回転軸204の軸回りに回転する。また、同時に、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、上側円板部材206の回転とは独立して、自身の上側軸部212の軸回りに軸回転することが可能になる。すなわち、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、上側円板部材206の回転と連動して回転すると共に、上側円板部材206の回転とは独立して自身の上側軸部で軸回転することができる。なお、演出カード部材208A、208B、208Cは、3個に限られるものではなく、4個以上の複数の演出カード部材が上側円板部材206に支持された構成にしてもよい。
ここで、各演出カード部材208A、208B、208Cの構成について詳細に説明する。3個の演出カード部材208A、208B、208Cのうち、演出カード部材208Aを例に挙げて説明する。なお、他の演出カード部材208B、208Cの構成は、上記演出カード部材208Aの構成と同じ構成であるため、説明を省略する。
図5乃至図9に示すように、演出カード部材208Aは、全体として、平板状に形成されており、その表面部214X及び裏面部214Yにそれぞれ異なる演出表示となる描画が形成されている。なお、表面部214X及び裏面部214Yには、LEDなどの発光体178(図4参照)を設け、発光制御するようにしてもよい。また、演出カード部材208Aの上辺の端面(上端部)であって上辺の中心部には、上側円板部材206に回転可能に支持される上側軸部212が形成されている。この上側軸部212は、演出カード部材208Aの上端部側に取付固定されていてもよいし、上側円板部材206側に取付固定されていてもよい。上側軸部212が演出カード部材208Aの上端部側に取付固定されている構成では、上側軸部212の先端部は、上側円板部材206に挿入されて回転可能に支持される。一方、上側軸部212が上側円板部材206側に取付固定されている構成では、上側軸部212の先端部は、演出カード部材208Aの上端部側に挿入されて回転可能に支持される。
また、図10乃至図12に示すように、演出カード部材208Aの下辺の端面(下端部)であって下辺の中心部には、後述する下側円板部材(支持部材)210に回転可能に支持される下側軸部(取付軸)216が形成されている。この下側軸部216は、演出カード部材208Aの下端部側に取付固定されていてもよいし、下側円板部材210側に取付固定されていてもよい。下側軸部216が演出カード部材208Aの下端部側に取付固定されている構成では、下側軸部216の先端部は、下側円板部材210に挿入されて回転可能に支持される。一方、下側軸部216が下側円板部材210側に取付固定されている構成では、下側軸部216の先端部は、演出カード部材208Aの下端部側に挿入されて回転可能に支持される。
また、演出カード部材208Aの下辺の端面(下端部)であって下辺の両端部には、ガイド軸218S、218Tがそれぞれ取付固定されている。一方のガイド軸218Sは、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するものであり、他方のガイド軸218Tは、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するものである。このガイド軸218S、218Tのうち、演出カード部材208Aの回転方向前側と反対側となる回転方向後側に位置するガイド軸218Tは、演出カード部材208Aが反転動作するときに、下側円板部材210に形成されたガイド溝(反転案内部)220上を案内されるようにして通過する。
演出カード部材208Aの下側には、下側円板部材210が配置されている。下側円板部材210は、回転軸204に固定されており、回転軸204の軸回りの回転と共に回転する。また、下側円板部材210には、上述したとおり、3個の演出カード部材208Aが軸回転可能に支持されている。すなわち、下側円板部材210の円周上の等間隔(開き角度120度)に位置には、演出カード部材208Aを回転可能に支持する下側軸部216が取り付けられている。このため、下側円板部材210が回転軸204と共に回転軸204の軸回りに回転すると、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、下側円板部材210に支持されているため、下側円板部材210の回転と共に回転軸204の軸回りに回転する。また、同時に、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、下側円板部材210の回転とは独立して、下側軸部216の軸回りに軸回転することが可能になる。すなわち、3個の演出カード部材208A、208B、208Cは、下側円板部材210の回転と連動して回転すると共に、下側円板部材210の回転とは独立して下側軸部216で軸回転することができる。なお、演出カード部材208Aが3個ではなく、4個以上の複数の演出カード部材を配置する場合には、演出カード部材の個数に対応した個数の下側軸部216が下側円板部材210に設けられる。
ここで、下側円板部材210の表面には、演出カード部材208Aを反転動作させるためのガイド溝220が形成されている。このガイド溝220は、演出カード部材208Aと対応する部位に形成されている。ガイド溝220は、平面視(図11及び図12参照)にて所定の曲率を描くようにして湾曲状に形成されており、一方側端部220Xと、他方側端部220Yと、を有している。ガイド溝220の一方側端部220X及び他方側端部220Yは、下側円板部材210の縁部に開放した開口端部となっている。また、ガイド溝220は、下側円板部材210に取り付けられた下側軸部216の外周を囲むようにして形成されている。換言すれば、ガイド溝220の一方側端部220Xは、下側軸部216に関して下側円板部材210の円周方向一方側に位置し、ガイド溝220の他方側端部220Yは、下側軸部216に関して下側円板部材210の円周方向他方側に位置している。このため、下側軸部216は、ガイド溝220の一方側端部220Xと他方側端部220Yとの円周方向に沿って中間部に位置している。また、ガイド溝220の溝幅方向両側には、溝を形成するための凸部が設けられており、ガイド溝220と下側円板部材210の他の領域とを区画している。
なお、他のガイド溝220についても、上記したガイド溝220と同様の構成をしており、また、対応する下側軸部216との位置関係も、上記したガイド溝220と下側軸部216との位置関係と同様である。
また、下側円板部材210は、下側ケーシング222に収容されている。下側ケーシング222は、枠部材、遊技盤あるいはセンター役物などに固定されている。
図6、図7、図8、図13、図14及び図15に示すように、下側ケーシング222には、演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りに回転するときに、演出カード部材208Aの回転移動軌跡を変更させるための移動軌跡変更部材(演出反転部、回転軌道変更部)224が設けられている。
移動軌跡変更部材224は、下側円板部材210の外周面と離間して配置され下側円板部材210の外周面との間に所定のスペースを設けるとともに、演出カード部材208Aの退避経路232を形成する退避経路区画部材226と、演出カード部材208Aの回転移動方向の進路上に配置され退避経路区画部材226との間で退避経路232を形成すると共に演出カード部材208Aを当該退避経路232に導くための退路経路誘導部材228と、で構成されている。
退避経路区画部材226は、下側円板部材210の外周面と離間しているため、下側円板部材210の回転動作に支障を及ぼすことはない。また、退避経路区画部材226の径方向外側に突出した部位には、上記退避経路232の外郭を形成する退避部230が形成されている。この退避部230には、演出カード部材208Aの回転移動経路234から退避するときに前側のガイド軸218Sが進入する第1退避経路232Aを形成するための第1内壁面230Aと、第1退避経路232Aに退避した前側のガイド軸218Sを回転移動経路234に戻すための第2退避経路232Bを形成するための第2内壁面230Bと、が形成されている。なお、第1退避経路232Aと第2退避経路232Bとで、上記した退避経路232が構成されている。
退避経路誘導部材228は、ブロック状に形成されており、回転軸204の軸回りに回転する演出カード部材208Aの回転移動を阻止するものである。また、退避経路誘導部材228には、2つの誘導傾斜面228A、228Bが形成されている。一方の誘導傾斜面228Aは、退避経路区画部材226の第1内壁面230Aとの間で第1退避経路232Aを区画形成するものである。他方の誘導傾斜面228Bは、退避経路区画部材226の第2内壁面230Bとの間で第2退避経路232Bを区画形成するものである。そして、一方の誘導傾斜面228Aは、回転移動経路234を進行する演出カード部材208Aを第1退避経路232Aに誘導するものである。また、他方の誘導傾斜面228Bは、第1退避経路232Aに誘導した演出カード部材208Aを再度、回転移動経路234に戻すためのものである。
このように、図13に示すように、表面部214Xが遊技者側(前面側)に位置し裏面部214Yが裏側に位置した演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りを回転すると、回転移動経路234を進行するが、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが退避経路誘導部材228の一方の誘導傾斜面228Aに衝突する。このとき、回転軸204の軸回りの回転が継続されると、演出カード部材208Aは、上側円板部材206及び下側円板部材210から回転駆動力が伝達されるため、回転移動しようとするが、退避経路誘導部材228の一方の誘導傾斜面228Aに回転移動が阻止される。
そして、図14に示すように、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが一方の誘導傾斜面228Aに誘導されながら、第1退避経路232Aを移動するとともに、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220に沿って移動する。このとき、演出カード部材208Aは、上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに回転する。これにより、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが退避経路区画部材226の退避部230の先端部(第1退避経路232Aの先端部)まで進行し、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の中央部まで進行する。このときの状態では、演出カード部材208Aが上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに約90度回転しているため、演出カード部材208Aは、下側円板部材210に対して略直交し、下側円板部材210から退避経路区画部材226の退避部230にかけて跨るようにして配置されている。
次に、図15に示すように、演出カード部材208Aが上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに約90度回転した状態で、演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りを回転すると、演出カード部材208Aが回転軸204からの回転駆動力を受けて、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが退避経路誘導部材228の他方の誘導傾斜面228Bに誘導されながら第2退避経路232Bを進行し、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220を進行する。これにより、演出カード部材208Aは、回転移動経路234に戻りながら、上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに回転する。そして、演出カード部材208Aの後側のガイド軸218Tが回転移動経路234に戻った時点で、演出カード部材208Aは、上側軸部212及び下側軸部216の軸回りをさらに約90度回転し終える。この結果、演出カード部材208Aは、第1退避経路232Aに進入する前の状態から、上側軸部212及び下側軸部216の軸回りを約180度回転したことになり、反転動作したことになる。このため、演出カード部材208Aの表面部214Xと裏面部214Yとが入れ替わり、裏面部214Yが遊技者側(前面側)に位置して遊技者に視認可能になり、表面部214Xが裏側に位置して遊技者に視認不可能になる。
なお、「演出反転部」及び「回転軌道変更部」とは、上記した退避経路区画部材226と上記した退路経路誘導部材228とを有する移動軌跡変更部材224を含んだ包括的な概念である。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、識別図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、及び遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、識別図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、識別図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)と、駆動モータ176と、発光体178と、が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて、発光体178及び各種LED・ランプ172(66)の発光制御を実行し、遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて、駆動モータ176を駆動制御する。また、装飾駆動基板114のROM115を備えている。ROM115には、遊技状態(例えば、遊技者にとって有利な遊技となる大当り遊技や、遊技者が大当り遊技を期待するリーチ遊技などの状態)に対応させて発光体178が発光するための発光パターンのプログラムが記憶されている。また、ROM115には、遊技状態(例えば、遊技者にとって有利な遊技となる大当り遊技や、遊技者が大当り遊技を期待するリーチ遊技などの状態)に対応させて演出カード部材208A、208B、208Cが回転移動するように駆動モータ176を制御するためのプログラムが記憶されている。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ類66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、本発明の第1実施形態のパチンコ機の作用及び効果について説明する。
なお、以下の作用・効果の説明では、3個の演出カード部材208A、208B、208Cのうち、1個の演出カード部材208Aを例にとり、説明する。他の演出カード部材208B、208Cの作用・効果については、演出カード部材208Aの作用・効果と同様であるため、説明を省略する。
特定の遊技状態(遊技者にとって賞球払い数が多くなるなどの有利な遊技状態、例えば、大当り遊技、リーチ遊技など)が成立した場合には、装飾駆動基板114から駆動モータ176に対して駆動を指示するための制御信号が出力される。また、飾駆動基板114から発光体178に対して発光を指示するための制御信号が出力される。なお、遊技状態を決定するための抽選処理は、主制御基板102による乱数の取得により実行されるが、かかる抽選処理は、従来から周知慣用の技術であるため、詳細な説明は省略する。
装飾駆動基板114からの制御信号を受けて駆動モータ176が駆動すると、回転軸204が軸回りに回転する。回転軸204が軸回りに回転すると、上側円板部材206及び下側円板部材210が回転軸204と共に軸回りに回転する。これにより、上側円板部材206及び下側円板部材210に回転可能に支持されている演出カード部材208Aに回転軸204の回転駆動力が伝達され、演出カード部材208Aが円周方向に沿って回転移動経路234上を移動する。これにより、遊技者は、演出カード部材208Aの表面部214Xに表示された演出表示(所定のキャラクタ)を視認することができる。
図13に示すように、演出カード部材208Aが円周方向に沿って回転移動経路234上を移動していくと、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが退避経路誘導部材228の一方の誘導傾斜面228Aに衝突する。このときも、駆動モータ176が駆動され続けるため、回転軸204の軸回りの回転が継続される。これにより、演出カード部材208Aは、退避経路誘導部材228に衝突した状態で、上側円板部材206から回転駆動力が伝達されるため、回転方向前側のガイド軸218Sが避経路誘導部材228の一方の誘導傾斜面228Aによって径方向外側に逃がされる。この結果、図14に示すように、演出カード部材208Aの回転方向前側のガイド軸218Sが一方の誘導傾斜面228Aに沿って第1退避経路232Aに導かれ、演出カード部材208Aが第1退避経路232A上を径方向外側に向かって移動していく。このように、回転軸204の回転駆動力は、避経路誘導部材228によって径方向外側に向かう力に変換される。これにより、演出カード部材208Aの上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに軸回転する力が発生する。
図14に示すように、演出カード部材208Aの上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに軸回転する力が発生すると、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220に進入する。そして、演出カード部材208Aの上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに軸回転していくと、演出カード部材208Aには、回転軸204から作用する回転方向に向う回転駆動力と、演出カード部材208Aの上側軸部212及び下側軸部216の軸回りの軸回転力と、が同時に作用している力学状態になる。これにより、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが第1退避経路232Aを移動していくとともに、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の一方側端部220Xから進入してガイド溝220上を移動していく。そして、演出カード部材208Aの上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに約90度回転したときに、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが第1退避経路232Aの先端部近傍に位置し、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の略中央部に位置するようになる。この状態では、演出カード部材208Aは、下側円板部材210及び上側円板部材206に対して略直交し、下側円板部材210から退避経路区画部材226の退避部230にかけて跨るようにして配置される。また、この状態では、演出カード部材208Aの先端部側が遊技者側に向いているため、表面部214Xと裏面部214Yに描かれた演出表示は、遊技者に視認不可能あるいは視認困難な状態になる。
次に、図15に示すように、演出カード部材208Aが上側軸部212及び下側軸部216の軸回りに約90度回転した状態で、演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りの回転を継続すると、演出カード部材208Aが回転軸204からの回転駆動力を受け続ける。しかしながら、演出カード部材208Aの回転方向前側のガイド軸218Sが第1退避経路232Aの先端部で行き止まり状態となるため、演出カード部材208Aに対して作用する回転軸204からの回転駆動力が演出カード部材208Aの上側軸部212と下側軸部216の軸回りの回転力に変換される。これにより、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがさらにガイド溝220を進む。また同時に、演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りに回転移動しようとするため、回転方向前側に位置するガイド軸218Sは、第2退避経路232Bを回転移動経路234側に向って移動する。そして、最終的に、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがさらにガイド溝220を移動して他方側端部220Yに至り、ガイド溝220を通り抜ける。演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の他方側端部を通過した時点で、演出カード部材208Aの回転方向前側に位置するガイド軸218Sが回転移動経路234上に位置することになる。なお、このとき、演出カード部材208Aは、さらに約90度だけ上側軸部212と下側軸部216の軸回りに回転した状態になっている。
以上のように、図15に示すように、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の一方側端部220Xに進入する直前を基準として、演出カード部材208Aの回転方向後側に位置するガイド軸218Tがガイド溝220の他方側端部220Yを通過した時点において、演出カード部材208Aは、上側軸部212と下側軸部216の軸回りに約180度だけ回転したことになる。この結果、演出カード部材208Aは、反転動作した状態になり、その裏面部214Yが前面側(遊技者側)に位置し、表面部214Xが裏面側(遊技者側と反対側)に位置することになる。このようにして、演出カード部材208Aの表面部214Xと裏面部214Yとが入れ替わり、裏面部214Yが遊技者側(前面側)に位置して遊技者に視認可能になり、表面部214Xが裏側に位置して遊技者に視認不可能になる。
なお、演出カード部材208Aが反転動作した状態、すなわち、演出カード部材208Aの裏面部214Yが遊技者側(前面側)に位置し、表面部214Xが裏側に位置した状態で、演出カード部材208Aが回転移動経路234上を移動する。そして、回転移動経路234を1周(1回転)すると、再度、上述した退避経路区画部材226及び退避経路誘導部材228の作用により、演出カード部材208Aが反転動作されて、表面部214Xが遊技者側(前面側)に位置し、表面部214Xが遊技者側と反対側(裏面側)に位置することになる。このような演出カード部材208Aの反転動作が回転移動経路234を1回転する度に繰り返される。
また、演出カード部材208Aの表面部214X及び裏面部214Yには、複数の発光体178(図4参照)が設けられており、装飾駆動基板114により所定の発光パターンに基づいて発光制御されている。これにより、演出カード部材208Aの表面部214X及び裏面部214Yに描かれた演出表示の演出と発光体178の発光による演出とが有機的に統一されて、遊技演出を向上させる。
第1実施形態によれば、1個の演出カード部材208Aに対して表面部214Xと裏面部214Yの2つの演出表示を表現することができる。また、演出カード部材208Aは、3個存在するので、合計6種類の演出表示を実行することができる。そして、各演出カード部材208A、208B、208Cは、回転軸204の軸回りに回転移動すると同時に、上側軸部212と下側軸部216の軸回りに軸回転するため、演出カード部材208Aの回転軸204の軸回りの回転動作と、上側軸部212及び下側軸部216の軸回りの反転動作と、の2つの回転動作を実現することができる。この結果、演出カード部材208A、208B、208Cの回転動作に斬新性を与えることができるとともに、1個の演出カード部材208Aの演出表示の種類が増加することにより、演出役物200により遊技演出効果を高めることができる。これにより、演出役物200の構成を大型化することなく、また、演出役物200の設置スペースを広げることなく、限られたスペースで、遊技性を格段に向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図16及び図17に示すように、第2実施形態は、退避経路誘導部材228が退避経路区画部材226の退避部230側に移動可能となるように設けられている。具体的には、退避経路誘導部材228には、ソレノイドなどの駆動機構180が取り付けられており、駆動機構180により退避経路誘導部材228が退避経路区画部材226の退避部230側に移動可能に構成されている。ソレノイドは、従来から知られているものであり、自身の伸縮作用により退避経路誘導部材228を移動可能にする。このため、退避経路誘導部材228は、演出カード部材208Aの回転移動経路234上に位置する第1ポジションと、退避経路区画部材226の退避部230側に移動して演出カード部材208Aの回転移動経路234上から退避している第2ポジションと、の2つのポジションをとることが可能になる。
駆動機構180は、装飾駆動基板114により駆動制御される。また、装飾駆動基板114のROM115には、駆動機構180を駆動させるための動作プログラムが記憶されている。具体的には、図17に示すように、駆動機構180の動作プログラムは、賞球数が増加する大当り遊技や大当り遊技に当選するリーチ遊技などのように遊技者に有利となる第1特別遊技状態のときには、演出カード部材208Aが回転移動経路234上(第1ポジジョン)に位置し、大当り遊技に当選しないリーチ遊技や時短遊技などのように遊技者に特別有利にならないが通常遊技よりは期待できる第2特別遊技状態のときには、演出カード部材208Aが退避部230側(第2ポジション)に移動して回転移動経路234上には位置していないように制御される。このときの回転軸204の回転駆動は、例えば、大当りの当選確率が低いままの通常遊技の状態では、回転軸204が回転せず、上記第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態の場合に、回転軸204が回転駆動するように装飾駆動基板114により駆動モータ176が駆動制御される。なお、退避経路誘導部材228の初期位置(大当りの当選確率が低いままの通常遊技の状態での位置)は、演出カード部材208Aの回転移動経路234上に位置する第1ポジションでもよいし、あるいは、退避経路区画部材226の退避部230側に移動して演出カード部材208Aの回転移動経路234上から退避している第2ポジションでもよい。なお、以下の作用・効果の説明では、退避経路誘導部材228の初期位置(大当りの当選確率が低いままの通常遊技の状態での位置)が演出カード部材208Aの回転移動経路234上に位置する第1ポジションである場合を基準にして説明する。
第2実施形態によれば、大当りの当選確率が低いままの通常遊技の状態では、回転軸204が軸回りに回転されず、演出カード部材208Aが停止している状態となる。
そして、図17乃至図20に示すように、大当り遊技に当選しないリーチ遊技や時短遊技などのように遊技者に特別有利にならないが通常遊技よりは期待できる第2特別遊技状態のときには、装飾駆動基板114により駆動機構180が駆動制御されて、退避経路誘導部材228が第1ポジションから第2ポジションに移動する。これにより、回転移動経路234上に位置していた退避経路誘導部材228が退避部230側に移動して、回転移動経路234上から退避する。また同時に、第2特別遊技状態では、装飾駆動基板114により駆動モータ176が駆動制御されて、回転軸204が軸回りに回転する。これにより、演出カード部材208Aが回転移動経路234上を移動する。ここで、演出カード部材208Aが回転移動経路234上を移動するが、回転移動経路234上に退避経路誘導部材228が位置していないので、退避経路誘導部材228が演出カード部材208Aの回転移動の障害にならず、演出カード部材208Aは、回転軸204の回転移動が停止するまでの間、回転移動経路234上を移動し続ける。すなわち、演出カード部材208Aのガイド軸218Tがガイド溝220に進入することはなく、演出カード部材208Aは、反転動作することはない。これにより、遊技者は、演出カード部材208Aの表面部214Xを視認することができるため、3個の演出カード部材208A、208B、208Cの表面部214Xに表示された合計3種類の演出表示を楽しむことができる。
ここで、図17、図21、図22、図23に示すように、賞球数が増加する大当り遊技や大当り遊技に当選するリーチ遊技などのように遊技者に有利となる第1特別遊技状態になったときには、装飾駆動基板114により駆動機構180が駆動制御されて、退避経路誘導部材228が第2ポジションから第1ポジションに移動する。これにより、回転移動経路234上から退避していた退避経路誘導部材228が回転移動経路234上に移動することになる。また同時に、第1特別遊技状態では、装飾駆動基板114により駆動モータ176が駆動制御されて、回転軸204が軸回りに回転する。これにより、演出カード部材208Aが回転移動経路234上を移動する。ここで、演出カード部材208Aが回転移動経路234上を移動するが、回転移動経路234上に退避経路誘導部材228が位置しているので、退避経路誘導部材228が演出カード部材208Aの回転移動の障害になり、演出カード部材208Aは、やがて退避経路誘導部材228に接触して回転移動が阻止される。そして、回転軸204の軸回りの回転駆動を継続すると、第1実施形態で示した作用と同様の作用を経て、演出カード部材208Aが反転動作する。これにより、演出カード部材208Aの裏面部214Yが前面側(遊技者側)に位置し、表面部214Xが裏面側(遊技者側と反対側)に位置することになる。このため、1つの演出カード部材208Aが回転軸204の軸回りを1回転する度に表面部214Xと裏面部214Yとが交互に表れ、遊技者に視認可能になる。そして、演出カード部材208Aは、合計3個存在するため、それぞれの演出カード部材208Aの表面部214Xと裏面部214Yとが交互に入れ替わり、合計6種類の演出表示を視認することができる。
以上のように、遊技状態に合わせて、退避経路誘導部材228のポジジョンを第1ポジジョンと第2ポジションとの間で切り替え制御することにより、遊技者に視認可能となる演出表示の種類を増減させることができる。この結果、遊技演出の幅を広めることができ、また、演出カード部材208Aの動作及び演出によって遊技状態を予想することもできるため、遊技性を一層高めることができる。
なお、上記第1特別遊技状態が終了して通常遊技状態に変化すると、装飾駆動基板114により機構モータ176の駆動が停止され、回転軸204の軸回りの回転が停止する。これにより、停止した状態で前側(遊技者側)に位置する演出カード部材208Aの表面部214X(裏面部214Y)のみが遊技者に視認される。
一方、上記第1特別遊技状態が終了して上記第2特別遊技状態に変化すると、回転軸204の軸回りの回転は継続されるとともに、装飾駆動基板114により駆動機構180が駆動制御されて退避経路誘導部材228が第1ポジジョンから第2ポジジョンに移動する。これにより、退避経路誘導部材228が回転移動経路234上に位置することがなくなるため、演出カード部材208Aの回転移動に支障が発生せず、演出カード部材208Aの回転移動がそのまま継続する。これにより、遊技者は、反転動作しない演出カード部材208Aの表面部214X又は裏面部214Yのいずれか一方のみの演出表示を楽しむことができる。
なお、発光体178の発光パターンについては、第1特別遊技状態、第2特別遊技状態、通常遊技状態でそれぞれ異なっており、現在実行されている遊技状態に応じた発光パターンに基づいて装飾駆動基板114により発光制御が実行される。