JP4297127B2 - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、この車両としては、有段の自動変速機を備える車両において、第4速ギヤ段以外の変速段に切り替えられ且つロックアップクラッチによるロックアップが解除されたときに自動変速機内とクラッチドラムの回転変動に基づいて悪路を走行しているのを判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、自動変速機の出力軸に回転数センサを設けることなく、悪路を判定することができる。
特開平10−122354号公報
上述の車両のように悪路を走行しているか否かの判定は変速機の出力軸や変速機内のクラッチドラムなどの回転変動により行なうことができるが、悪路走行を判定したときにどのように対処するかは車両の構成が異なれば異なるものとなる。したがって、車両の構成に応じてより適切な対処が望まれる。
本発明の車両およびその制御方法は、動力源の動力軸と変速機側の入力軸とを接続したりその接続を解除するクラッチなどの接続解除装置を備える車両において、動力軸と入力軸との接続が解除されている状態で悪路走行が判定されたときに対処することを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法は、上述の構成の車両において、悪路走行が判定されたときでも運転者の運転要求に応じた走行を行なうことを目的の一つとする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
動力源と、
加圧された作動流体を用いて作動し、前記動力源から動力が出力される動力軸に接続される入力軸と車軸側に接続される出力軸とを有し、該入力軸と該出力軸との間で変速比の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、
前記動力源からの動力を用いて前記作動流体を加圧する機関加圧手段と、
前記動力軸と前記入力軸との接続および接続の解除を司る接続解除手段と、
運転者によって要求される運転要求を受け付ける運転要求受付手段と、
悪路を走行しているのを判定する悪路判定手段と、
変速比の変更方向を設定する変更方向設定手段と、
前記接続解除手段により前記動力軸と前記入力軸との接続が解除されている状態で前記悪路判定手段により悪路を走行していると判定された接続解除悪路走行時には、前記動力源が運転されると共に前記変速手段の変速比が前記設定された変更方向に変更され、且つ、前記受け付けた運転要求に基づいて走行するよう前記動力源と前記変速手段と前記接続解除手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、接続解除手段により動力源の動力軸と変速手段の入力軸との接続が解除されている状態で悪路を走行していると判定された接続解除悪路走行時には、動力源が運転されると共に設定された変速比の変更方向に変速手段の変速比が変更され、且つ、運転者に要求される運転要求に基づいて走行するよう動力源と変速手段と接続解除手段とを制御する。動力源を運転して機関加圧手段を作動させ、設定された変速比の変更方向に変速手段の変速比が変更することにより、悪路走行におけるトルク変動の変速手段への作用を軽減することができる。もとより、運転者の運転要求に基づいて走行することができる。ここで、「動力源が運転される」は、動力源が運転停止されているときには始動して運転することであり、動力源が運転されているときには運転を継続することである。動力源としては、例えば内燃機関を用いることができる。また、前記変更方向設定手段は、悪路を走行しているときに変速手段が所定の確実さをもって機能する変速比への変更方向を設定するものとすることもできる。
こうした本発明の車両において、前記変速手段は、前記入力軸に取り付けられた第1プーリと、前記出力軸に取り付けられた第2プーリと、前記第1プーリと記第2プーリとに掛けられたベルトと、を備え、前記作動流体を用いて前記第1プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径と前記第2プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径とを変更することにより変速比を変更するベルト式の無段変速機であり、前記変更方向設定手段は、前記ベルトの滑りを抑制可能な方向を変更方向として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、悪路走行におけるトルク変動によるベルトの滑りを抑制することができる。
変速手段としてベルト式の無段変速機を備える態様の本発明の車両において、前記変更方向設定手段は、前記変速手段を最大変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧と前記変速手段を最小変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧とを演算し、該演算した必要圧のうち小さい方の変速比への方向を変速方向として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、悪路走行におけるトルク変動によるベルトの滑りを効果的に抑制することができる。この場合、前記変更方向設定手段は、前記第1プーリに必要な必要挟圧と該第1プーリにおける遠心作用による作動流体圧との差によって前記作動流体の必要圧を演算する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両において、前記制御手段は前記変速手段が前記設定された変更方向に最大量変更した変速比となるよう制御する手段であるものとすることもできるし、前記制御手段は前記変速手段が前記設定された変更方向に最大量変更した変速比を含む所定の範囲の変速比となるよう制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両において、前記制御手段は、前記接続解除悪路走行時に前記受け付けた運転要求が加速要求ではないときには所定の解除条件が成立するまで前記動力軸と前記入力軸との接続が行なわれないよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、悪路を走行している最中における接続解除手段による動力軸と入力軸との接続を抑制することができ、接続解除手段による接続の際に接続解除手段や変速手段に予期しないトルクが作用するのを抑制することができる。この場合、前記所定の解除条件は、前記悪路走行判定手段により悪路を走行していないと判定される条件であるものとすることもできる。また、前記所定の解除条件は、前記受け付けた運転要求が加速要求である条件であるものとすることもできる。
また、本発明の車両において、車軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備え、前記制御手段は、前記受け付けた運転要求に基づいて走行するよう前記動力源と前記変速手段と前記接続解除手段とに加えて前記電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、接続解除悪路走行時における運転要求に対して電動機からの動力を用いて対処することができる。
本発明の車両の制御方法は、
動力源と、加圧された作動流体を用いて作動し前記動力源から動力が出力される動力軸に接続される入力軸と車軸側に接続される出力軸とを有し該入力軸と該出力軸との間で変速比の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、前記動力源からの動力を用いて前記作動流体を加圧する機関加圧手段と、前記動力軸と前記入力軸との接続および接続の解除を司る接続解除手段と、を備える車両の制御方法であって、
前記接続解除手段により前記動力軸と前記入力軸との接続が解除されている状態で悪路を走行しているときには、前記接続解除手段により前記動力軸と前記入力軸との接続が解除されている状態で前記悪路判定手段により悪路を走行していると判定された接続解除悪路走行時には、前記動力源が運転されると共に悪路を走行しているときに前記変速手段が所定の確実さをもって機能する変速比の変更方向に該変速手段の変速比が変更され、且つ、前記受け付けた運転要求に基づいて走行するよう前記動力源と前記変速手段と前記接続解除手段とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法では、接続解除手段により動力源の動力軸と変速手段の入力軸との接続が解除されている状態で悪路を走行していると判定された接続解除悪路走行時には、動力源が運転されると共に悪路を走行しているときに変速手段が所定の確実さをもって機能する変速比の変更方向に変速手段の変速比が変更され、且つ、運転者に要求される運転要求に基づいて走行するよう動力源と変速手段と接続解除手段とを制御する。動力源を運転して機関加圧手段を作動させ、変速手段が所定の確実さをもって機能する変速比の変更方向に変速手段の変速比が変更することにより、悪路走行におけるトルク変動の変速手段への作用を軽減することができる。もとより、運転者の運転要求に基づいて走行することができる。ここで、「動力源が運転される」は、動力源が運転停止されているときには始動して運転することであり、動力源が運転されているときには運転を継続することである。動力源としては、例えば内燃機関を用いることができる。
こうした本発明の車両の制御方法において、前記変速手段は、前記入力軸に取り付けられた第1プーリと、前記出力軸に取り付けられた第2プーリと、前記第1プーリと記第2プーリとに掛けられたベルトと、を備え、前記作動流体を用いて前記第1プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径と前記第2プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径とを変更することにより変速比を変更するベルト式の無段変速機であり、前記所定の確実さとして前記ベルトの滑りを抑制する確実さをもって前記変速手段が機能する変速比の変更方向に該変速手段の変速比を変更するよう前記変速手段を制御する、ことを特徴とするものとすることもできる。こうすれば、悪路走行におけるトルク変動によるベルトの滑りを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22からの動力をトルクコンバータ30や前後進切換機構35,ベルト式の無断変速機としてのCVT40,ギヤ機構65,デファレンシャルギヤ66を介して前輪69a,69bに出力する前輪駆動系21と、モータ57からの動力をギヤ機構67,デファレンシャルギヤ68を介して後輪69c,69dに出力する後輪駆動系56と、前輪69a,69bおよび後輪69c,69dのブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ61と、装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関として構成されており、その出力軸であるクランクシャフト23はトルクコンバータ30に取り付けられている。エンジン22は、クランクシャフト23に取り付けられたクランクポジションセンサ23aからのクランクポジション信号などのエンジン22の状態を検出する各種センサからの信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などがエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により行なわれる。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
トルクコンバータ30は、周知のロックアップクラッチ付きの流体式トルクコンバータとして構成されており、必要に応じてエンジン22のクランクシャフト23に接続されたタービンランナー31と前後進切換機構35を介してCVT40のインプットシャフト41に接続されたポンプインペラ32とをロックアップクラッチ33によりロックアップする。トルクコンバータ30のロックアップクラッチ33は、後述するCVT用電子制御ユニット(以下、CVTECUという)46により駆動制御される油圧回路47により作動する。
前後進切換機構35は、ダブルピニオンの遊星歯車機構とブレーキB1とクラッチC1とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構は、外歯歯車のサンギヤ36と、このサンギヤ36と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ37と、サンギヤ36に噛合する複数の第1ピニオンギヤ38aと、この第1ピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数の第2ピニオンギヤ38bと、複数の第1ピニオンギヤ38aおよび複数の第2ピニオンギヤ38bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア39とを備え、サンギヤ36にはトルクコンバータ30の出力軸34が、キャリア39にはCVT40のインプットシャフト41が、各々連結されている。遊星歯車機構のリングギヤ37は、ブレーキB1によりケースに接続されており、ブレーキB1をオンオフすることにより、リングギヤ37を自由に回転するものとしたり、その回転を禁止したりする。遊星歯車機構のサンギヤ36とキャリア39は、クラッチC1により接続されており、クラッチC1をオンオフすることにより、サンギヤ36とキャリア39とを連結したり切り離したりする。前後進切換機構35は、ブレーキB1をオフすると共にクラッチC1をオンすることによりトルクコンバータ30の出力軸34の回転をそのままCVT40のインプットシャフト41に伝達して車両を前進させたり、ブレーキB1をオンすると共にクラッチC1をオフすることによりトルクコンバータ30の出力軸34の回転を逆方向に変換してCVT40のインプットシャフト41に伝達して車両を後進させたりする。また、ブレーキB1をオフすると共にクラッチC1をオフすることによりトルクコンバータ30の出力軸34とCVT40のインプットシャフト41とを切り離すこともできる。
CVT40は、溝幅が変更可能でインプットシャフト41に接続されたプライマリープーリー43と、同じく溝幅が変更可能で駆動軸としてのアウトプットシャフト42に接続されたセカンダリープーリー44と、プライマリープーリー43およびセカンダリープーリー44の溝に架けられたベルト45と、を備え、CVTECU46により駆動制御される油圧回路47によりプライマリープーリー43およびセカンダリープーリー44の溝幅を変更することにより、インプットシャフト41の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト42に出力する。なお、プライマリープーリー43およびセカンダリープーリー44の溝幅の変更は、こうした変速比の変更だけでなく、CVT40の伝達トルク容量を調節するためのベルト45の狭圧力の制御としても行なわれる。CVTECU46には、インプットシャフト41に取り付けられた回転数センサ48からのインプットシャフト41の回転数Ninやアウトプットシャフト42に取り付けられた回転数センサ49からのアウトプットシャフト42の回転数Noutが入力されており、CVTECU46からは油圧回路47への駆動信号が出力されている。また、CVTECU46は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってCVT40の変速比を制御すると共に必要に応じて回転数センサ48からのインプットシャフト41の回転数Ninや回転数センサ49からのアウトプットシャフト42の回転数NoutなどCVT40の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
油圧回路47は、その一例を示す図2に示すように、低圧バッテリ(例えば、定格電圧が12Vの二次電池)51から電力供給を受けるモータ54により駆動する電動オイルポンプ55とエンジン22のクランクシャフト23にベルト27を介して取り付けられた機械式オイルポンプ29との駆動により発生する油圧を調整するレギュレータバルブ104,106と、油量を調整するデューティソレノイド108,110,112,114,116と、CVT40の変速比の変更を行なうためにプライマリープーリー43の溝幅を変更する変速用コントロールバルブ118,120と、CVT40のベルト45の狭圧力を変更するためにセカンダリープーリー44の溝幅を変更するベルト狭圧用コントロールバルブ122と、クラッチC1をオンオフするためのクラッチコントロールバルブ124やシフトバルブ126,図示しないシフトレバーに連動するピストン128aを有するマニュアルバルブ128と、トルクコンバータ30のロックアップクラッチ33をオンオフするロックアップバルブ130と、により構成されている。レギュレータバルブ104は、機械式オイルポンプ29または電動オイルポンプ55からのライン油圧を調圧してデューティソレノイド108,110,112,114,116やベルト狭圧用コントロールバルブ122,クラッチコントロールバルブ124に供給する。変速用コントロールバルブ118は、デューティソレノイド108からの油圧とデューティソレノイド110からの油圧とによりライン油圧とプライマリープーリー43とのラインを開閉する。変速用コントロールバルブ120は、デューティソレノイド108からの油圧とデューティソレノイド110からの油圧とによりプライマリープーリー43とドレインとのラインを開閉する。したがって、デューティソレノイド108のデューティ比とデューティソレノイド110のデューティ比とを制御することにより、変速用コントロールバルブ118を開方向に制御すると共に変速用コントロールバルブ120を閉方向に制御してライン油圧をプライマリープーリー43に作用させてCVT40をアップシフトしたり、変速用コントロールバルブ118を閉方向に制御すると共に変速用コントロールバルブ120を開方向に制御してプライマリープーリー43に作用するライン油圧を抜いてCVT40をダウンシフトすることができる。ベルト狭圧用コントロールバルブ122は、レギュレータバルブ104からの油圧とデューティソレノイド112からの油圧とによりライン油圧とセカンダリープーリー44とのラインを開閉する。したがって、デューティソレノイド112のデューティ比を制御することにより、ベルト狭圧用コントロールバルブ122の開閉を調節してセカンダリープーリー44に作用する油圧を調節してベルト45の狭圧力を調節することができる。シフトバルブ126は、デューティソレノイド114からの油圧とデューティソレノイド116からの油圧とによりクラッチコントロールバルブ124からの油圧とマニュアルバルブ128とのラインを開閉し、マニュアルバルブ128は、図示しないシフトレバーの位置に応じてシフトバルブ126からの油圧とクラッチC1とのラインやシフトバルブ126からの油圧とブレーキB1からのラインを開閉する。シフトレバー81が「D」レンジに位置しているとき、すなわち、操作者が通常の前進走行を選択しているときにはシフトバルブ126からの油圧とクラッチC1とのラインを開いてクラッチC1をオンし、シフトバルブ126からの油圧とブレーキB1とのラインを閉じると共にブレーキB1に作用する油圧を抜いてブレーキB1をオフする。そして、デューティソレノイド114のデューティ比とデューティソレノイド116のデューティ比とを制御することにより、クラッチC1に作用する油圧を調節してクラッチC1を半係合にしたり完全に係合(オン)させたりする。一方、シフトレバーが「R」レンジに位置しているとき、すなわち、操作者が後進走行を選択しているときにはシフトバルブ126からの油圧とクラッチC1とのラインを閉じると共にクラッチC1に作用する油圧を抜いてクラッチC1をオフし、シフトバルブ126からの油圧とブレーキB1とのラインを開いてブレーキB1をオンする。また、デューティソレノイド114のデューティ比とデューティソレノイド116のデューティ比とを制御することにより、クラッチC1に作用する油圧を調節してクラッチC1を半係合にしたり完全に係合(オン)させたりする。レギュレータバルブ104は、機械式オイルポンプ29または電動オイルポンプ55からのライン油圧を調圧してロックアップバルブ130に供給する。ロックアップバルブ130は、レギュレータバルブ104からの油圧とデューティソレノイド110からの油圧とによりトルクコンバータ30のロックアップクラッチ33をオンオフする。
モータ57は、発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ58を介してエンジン22のクランクシャフト23に掛けられたベルト27を介して駆動するオルタネータ28やこのオルタネータ28への電力ラインに出力端子が接続された高圧バッテリ(例えば定格電圧として42Vの二次電池)50に接続されてオルタネータ28や高圧バッテリ50からの電力の供給を受けて駆動したり、回生制御により発電した電力により高圧バッテリ50を充電したりする。モータ57は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)59によって駆動制御されている。このモータECU59には、モータ57を駆動制御するために必要な信号、例えばモータ57の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ57aからの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータ57に印加される相電流などが入力されており、モータECU59からはインバータ58のスイッチング素子へのスイッチング信号が出力されている。また、モータECU59は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってインバータ58へのスイッチング制御信号を出力することによりモータ57を駆動制御すると共に必要に応じてモータ57の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、高圧バッテリ50と低圧バッテリ51は、電圧を変換するDC/DCコンバータ52を介して接続されており、高圧バッテリ50側からの電力が電圧変換されて低圧バッテリ51側へ供給されるようになっている。また、高圧バッテリ50と低圧バッテリ51はバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)53により図示しない両バッテリ50,51の出力端子に取り付けられた図示しない電圧センサからの端子間電圧や電流センサからの充放電電流,温度センサからの電池温度などに基づいて残容量(SOC)や入出力制限などが計算されて管理されている。
ブレーキアクチュエータ61は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ60bの圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが前輪69a,69bや後輪69c,69dに作用するようブレーキホイールシリンダ64a〜64dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、前輪69a,69bや後輪69c,69dに制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ64a〜64dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。ブレーキアクチュエータ61は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)62により制御されている。ブレーキECU62は、図示しない信号ラインにより、前輪69a,69bや後輪69c,69dに取り付けられた図示しない車輪速センサからの車輪速や図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに前輪69a,69bや後輪69c,69dのいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに前輪69a,69bや後輪69c,69dのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。ブレーキECU62は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ61を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ61の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ87からの車速V,勾配センサ88からの勾配θ,ブレーキブースタ60内の圧力を検出する圧力センサ60aからの負圧Pなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、クランクシャフト23にギヤ25を介して取り付けられたスタータモータ26への駆動信号やオルタネータ28への駆動信号,電動オイルポンプ55のモータ54への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジンECU24やCVTECU46,バッテリECU53,モータECU59,ブレーキECU62と通信しており、各種制御信号やデータのやり取りを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者のアクセルペダル83の操作に応じて、主としてエンジン22からの動力を前輪69a,69bに出力して走行し、必要に応じてモータ57からの動力を後輪69c,69dに出力して4輪駆動により走行する。4輪駆動により走行する場合の例としては、例えばアクセルペダル83が大きく踏み込まれた急加速時や車輪がスリップしたときなどが挙げられる。また、走行中にブレーキペダル85が踏み込まれたときなどの減速時には、クラッチC1の接続を解除しエンジン22をCVT40から切り離した状態でエンジン22を停止すると共にモータ57を回生制御し、モータ57による回生制動を利用して後輪69c,69dに制動力を付与すると共にモータ57によって回生される電力により高圧バッテリ50を充電することにより、システム全体のエネルギ効率を向上させている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、クラッチC1をオフすると共にエンジン22の運転を停止した状態で走行しているときの動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時走行制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、クラッチC1をオフすると共にエンジン22の運転を停止した状態で走行している最中に所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。クラッチC1をオフすると共にエンジン22の運転を停止する状態としては、上述したように、走行中にブレーキペダル85が踏み込まれたときなどの減速時に行なわれる。なお、ブレーキペダル85が踏み込まれたときには、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される図示しない駆動制御ルーチンにより、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPや車速センサ87からの車速Vとに基づいて所定の分配比により、モータ57を回生制御することによる制動力とブレーキアクチュエータ61を駆動制御することにより生じる油圧ブレーキによる制動力との和としての制動力が車両に作用する。
エンジン停止時走行制御ルーチンが実行されると、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ87からの車速V,エンジン22の回転数Ne,インプットシャフト41の回転数Nin,アウトプットシャフト42の回転数Noutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neについては、クランクポジションセンサ23aにより検出されたクランクポジションにより演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、インプットシャフト41の回転数Ninやアウトプットシャフト42の回転数Noutについては、回転数センサ48や回転数センサ49により検出されたものをCVTECU46から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、アウトプットシャフト42の回転数Noutを微分して微分値dNoutを演算し(ステップS110)、演算した微分値dNoutの絶対値が一定時間に亘って閾値Nref未満であるか否かを判定する(ステップS120)。この微分値dNoutの絶対値が一定時間に亘って閾値Nref未満であるか否かの判定は、前輪69a,69bの回転変動が一定時間に亘って大きいか否かの判定と同義であり、実施例では、これをもって車両が悪路を走行しているか否かを判定している。これは、悪路では、路面の凹凸により前輪69a,69bや後輪69c,69dの回転変動が大きくなることに基づく。したがって、一定時間としては、1秒や3秒や5秒などを用いることができる。また、閾値Nrefとしては、アスファルトやコンクリートによる舗装が施された道路を走行しているときに生じる前輪69a,69bの回転変動による微分値dNoutの絶対値より大きく、でこぼこ道を走行しているときに生じる前輪69a,69bの回転変動による微分値dNoutの絶対値より小さな値を用いることができ、実験などにより求めることができる。
アウトプットシャフト42の回転数Noutの微分値dNoutの絶対値が一定時間に亘って閾値Nref未満のときには、エンジン22の始動条件が成立しているか否かを判定する(ステップS130)。エンジン22の始動条件としては、例えばアクセルペダル83が踏み込まれることによる加速要求が生じた条件やブレーキペダル85の踏み込みにより車速Vが閾値Vref(例えば10km/hや5km/hなどの低速)未満に至って次の加速要求に備える必要が生じた条件、高圧バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Slow(例えば、10%や20%などの低い値)に至ってモータ57によるモータ走行を継続することができない状態に至る可能性が生じた条件などを挙げることができる。エンジン22の始動条件が成立していないときには、クラッチC1をオフしてエンジン22の運転を停止した状態を継続すると判断し、これで本ルーチンを終了する。
一方、エンジン22の始動条件が成立しているときには、エンジン22を始動するようエンジンECU24に指示を出力すると共にスタータモータ26を駆動し(ステップS140)、車速Vとアクセル開度AccとからCVT40の変速比γを設定し(ステップS150)、CVT40が設定した変速比γとなるよう油圧回路47を駆動制御すると共にCVT40を設定した変速比γとしたときのインプットシャフト41の回転数Ninにエンジン22の回転数Neが同期するようエンジン22の回転数Neを調整することによりクラッチC1の入出力側の回転数同期を行なう同期制御を実行し(ステップS160)、クラッチC1の入出力側の回転数同期が行なわれたときにクラッチC1の入出力側が滑らかに接続されるようクラッチC1の係合制御を実行して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。ここで、クラッチC1の入出力側の回転数同期を行なう同期制御は、CVT40の変速制御とエンジン22の回転数制御とにより行なわれ、CVT40の変速制御はCVTECU46により実行され、エンジン22の回転数制御はエンジンECU24により実行される。また、クラッチC1の係合制御は、油圧回路47を駆動制御するCVTECU46により行なわれる。なお、こうしたCVT40の変速制御やエンジン22の回転数制御、クラッチC1の係合制御は、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
ステップS120でアウトプットシャフト42の回転数Noutの微分値dNoutの絶対値が一定時間に亘って閾値Nref未満ではないと判定されたときには、悪路を走行していると判断し、まず、エンジン22を始動するようエンジンECU24に指示を出力すると共にスタータモータ26を駆動する(ステップS180)。ここで、エンジン22を始動するのは、CVT40を変速制御する際の油圧を確保する必要があることと、運転者による加速要求がなされたときに迅速に対応するためである。
そして、CVT40の変速比γを最小変速比γminとしたときにプライマリープーリー43に必要な油圧である必要油圧PminとCVT40の変速比γを最大変速比γmaxとしたときにプライマリープーリー43に必要な油圧である必要油圧Pmaxとを計算する(ステップS190)。ここで、プライマリープーリー43に必要な必要油圧Pを求めるのは、悪路走行のときにはアウトプットシャフト42からCVT40にトルク入力されるため、プライマリープーリー43で挟圧を保証する必要が生じるからである。プライマリープーリー43の必要油圧Pの計算は、図6に例示する必要油圧計算処理により行なわれる。必要油圧計算処理では、まず、車速Vと必要油圧を計算しようとしている変速比γ(この場合、最大変速比γmaxと最小変速比γmin)とを入力し(ステップS300)、入力した車速Vや変速比γとに基づいて次式(1)によりインプットシャフト41の角速度ωを計算する(ステップS310)。式(1)中、Dwはタイヤ径であり、Gdはギヤ機構65およびデファレンシャルギヤ66のギヤ比である。続いて、式(2)によりアウトプットシャフト42に入力されたトルクのうちCVT40を介してプライマリープーリー43に伝達される伝達トルクTを計算する(ステップS320)。ここで、式(2)中、Toutは、アウトプットシャフト42から入力されるトルクである。伝達トルクTを計算すると、計算した伝達トルクTに基づいて図5に例示する必要挟圧設定用マップからプライマリープーリー43における必要挟圧Pdを求めると共に(ステップS330)、式(3)によりプライマリープーリー43における遠心油圧Pcを計算し(ステップS340)、必要挟圧Pdから遠心油圧Pcを減じてプライマリープーリー43における必要油圧Pを計算する(ステップS350)。伝達トルクは、変速比γにクラッチC1の引きずりとプライマリープーリー43のイナーシャとの和を乗じることにより計算されるため、変速比γが変化することにより変化する。このため、図5の必要挟圧設定用マップには、こうした変速比γの変化に伴って伝達トルクも変化することを考慮し、実際に必要な挟圧として示した。なお、図5中、破線Aは変速比γが最小変速比γminであるときの伝達トルクに対する必要挟圧力であり、破線Bは変速比γが最大変速比γmaxであるときの伝達トルクに対する必要挟圧力である。これから解るように、実際に必要な挟圧力は、二つの破線A,Bの中間値となる。また、式(3)中、ρは作動オイルの密度であり、rは変速比γのときのプライマリープーリー43におけるベルト45の半径である。
ω=V・Dw・Gd・γ (1)
T=Tout/(Gd・γ)+I・ω2 (2)
Pc=∫∫ρ・r・ω2drdr (3)
こうして必要油圧Pminと必要油圧Pmaxとを計算すると、計算した必要油圧Pminと必要油圧Pmaxとを比較して(ステップS200)、必要油圧Pmax,Pminのうち小さい方に対応する変速比、即ち、必要油圧Pmaxの方が小さいときには最大変速比γmax,必要油圧Pminの方が小さいときには最小変速比γminを目標変速比γ*に設定し(ステップS210,S220)、CVT40の変速比γが設定した目標変速比γ*になるよう油圧回路47を駆動制御すると共にエンジン22のアイドリング回転数Nidl以上の範囲でCVT40の変速比γを設定した目標変速比γ*としたときのインプットシャフト41の回転数Ninにエンジン22の回転数Neが同期するようエンジン22の回転数Neを調整することによりクラッチC1の入出力側の回転数同期を行なう同期制御を実行する(ステップS230)。そして、アクセル開度Accが閾値Aref未満であるか否かを判定し(ステップS240)、アクセル開度Accが閾値Aref未満のときには、クラッチC1の係合制御を実行することなく本ルーチンを終了し、アクセル開度Accが閾値Aref以上のときにはクラッチC1の係合制御を実行して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。プライマリープーリー43の遠心油圧Pcや回転数,伝達トルクが値4と値1のときの挟圧と変速比γとの関係の一例を図6に示す。図6および上述の式(2),(3)から解るように、低車速では、回転数の二乗で変化する伝達トルクTを小さくするためにアップシフトする方が有利な場合が多く、高車速では、遠心油圧Pcがベルト45の半径rの三乗で変化するためダウンシフトする方が有利な場合が生じるのが解る。実施例では、必要油圧Pmaxと必要油圧Pminのうち小さい方に対応する変速比にすることにより、悪路走行におけるCVT40の状態をより有利な状態とすることができる。また、クラッチC1の入出力側の回転数同期を行なうのは、アクセル開度Accが閾値Aref以上とされて加速要求が生じたときに迅速にクラッチC1をオンしてエンジン22からの動力により走行することができるようにするためである。したがって、閾値Arefは、運転者の加速要求の有無を判定する程度のアクセル開度Accとして設定されており、例えば7%や10%などを用いることができる。また、アクセル開度Accが閾値Aref未満のときにはクラッチC1の係合制御を行なうことなく本ルーチンを終了するのは、クラッチC1をオンとしない方がエンジン22側のイナーシャによる影響がないため、悪路走行によりプライマリープーリー43やセカンダリープーリー44に作用するトルクを小さくしておくことができるからである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、クラッチC1をオフしてエンジン22をCVT40側から切り離してエンジン22の運転を停止した状態で悪路を走行しているときには、エンジン22を始動し、CVT40を最小変速比γminとした場合と最大変速比γmaxとした場合とのプライマリープーリー43の必要油圧Pmin,Pmaxを計算すると共に計算した必要油圧Pmin,Pmaxのうちの小さい方の変速比となるようCVT40をアップシフトあるいはダウンシフトすることにより、悪路走行によりプライマリープーリー43やセカンダリープーリー44に作用するトルクを小さくすることができる。これにより、CVT40の破損などを抑止することができる。しかも、クラッチC1の入出力側の回転数同期を行なうから、アクセル開度Accが閾値Aref以上とされて加速要求が生じたときに迅速にクラッチC1をオンしてエンジン22からの動力により走行することができる。これにより、運転者の運転要求に応じた走行を行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、クラッチC1をオフしてエンジン22の運転を停止した状態で悪路を走行しているときには、エンジン22を始動してCVT40をアップシフトしたりダウンシフトするものとしたが、電動オイルポンプ55からの油圧により油圧回路47を駆動することができれば、エンジン22の始動を伴わずに電動オイルポンプ55の駆動により発生する油圧を用いてCVT40をアップシフトしたりダウンシフトするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、クラッチC1をオフしてエンジン22の運転を停止した状態で悪路を走行しているときには、エンジン22を始動してCVT40をアップシフトしたりダウンシフトしてCVT40の変速比γを最小変速比γminや最大変速比γmaxとしたが、推定悪路入力トルクがベルト伝達許容トルクを超えないようにすればよいから、変速比γを最小変速比γminから予め定められた範囲内としたり最大変速比γmaxから予め定められた範囲内としたりするものとしてもよい。この場合の範囲としては、CVT40の変速可能範囲のうち最小変速比γminや最大変速比γmaxを含む10%や20%あるいは30%の範囲などを用いることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、クラッチC1をオフしてエンジン22の運転を停止した状態で悪路を走行しているときには、エンジン22を始動してCVT40をアップシフトしたりダウンシフトしたりして変速比γを最小変速比γminや最大変速比γmaxとすると共に加速要求の有無に拘わらずにクラッチC1の係合制御に備えてクラッチC1の入出力側の回転数同期を行なうものとしたが、加速要求がなされてからクラッチC1の入出力側の回転数同期を行なってクラッチC1の係合制御を行なうものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、クラッチC1を有する前後進切換機構35を備えるものとしたが、エンジン22をCVT40側から切り離すことができればよいから、トルクコンバータ30とエンジン22との間にクラッチを設けたり、前後進切換機構35とCVT40との間にクラッチを設けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ57により後輪69c,69dを駆動する後輪駆動系56を備えるものとしたが、モータ57以外の駆動源により後輪69c,69dを駆動する後輪駆動系を備えるものとしてもよいし、後輪駆動系56を備えないものとしても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 油圧回路47の構成の一例を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時走行制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 必要油圧計算処理の一例を示すフローチャートである。 必要挟圧設定用マップの一例を示す説明図である。 プライマリープーリー43の遠心油圧Pcや回転数,伝達トルクが値4と値1のときの挟圧と変速比γとの関係の一例を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、21 前輪駆動系、22 エンジン、23 クランクシャフト、23a クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 ギヤ、26 スタータモータ、27 ベルト、28 オルタネータ、29 機械式オイルポンプ、30 トルクコンバータ、31 タービンランナー、32 ポンプインペラ、33 ロックアップクラッチ、34 出力軸、35 前後進切換機構、36 サンギヤ、37 リングギヤ、38a 複数の第1ピニオンギヤ、38b 複数の第2ピニオンギヤ、39 キャリア、40 CVT、41 インプットシャフト、42 アウトプットシャフト、43 プライマリープーリー、44 セカンダリープーリー、45 ベルト、46 CVT用電子制御ユニット(CVTECU)、47 油圧回路、48,49 回転数センサ、50 高圧バッテリ、51 低圧バッテリ、52 DC/DCコンバータ、53 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 モータ、55 電動オイルポンプ、56 後輪駆動系、57 モータ、57a 回転位置検出センサ、58 インバータ、59 モータECU、60 ブレーキブースタ、60a 圧力センサ、60b ブレーキマスターシリンダ、61 ブレーキアクチュエータ、62 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、64a〜64d ブレーキホイールシリンダ、65 ギヤ機構、66 デファレンシャルギヤ、67 ギヤ機構、68 デファレンシャルギヤ、69a,69b 前輪、69c,69d 後輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、88 勾配センサ、104,106 レギュレータバルブ、108,110,112,114,116 デューティソレノイド、118,120 変速用コントロールバルブ、122 ベルト狭圧用コントロールバルブ、124 クラッチコントロールバルブ、126 シフトバルブ、128 マニュアルバルブ、128a ピストン、130 ロックアップバルブ、B1 ブレーキ、C1 クラッチ。

Claims (8)

  1. 動力源と、
    加圧された作動流体を用いて作動し、前記動力源から動力が出力される動力軸に接続される入力軸に取り付けられた第1プーリと車軸側に接続される出力軸に取り付けられた第2プーリと前記第1プーリおよび前記第2プーリに掛けられたベルトとを有し、前記作動流体を用いて前記第1プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径と前記第2プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径とを変更することにより変速比を変更するベルト式の無段変速機と、
    前記動力源からの動力を用いて前記作動流体を加圧する機関加圧手段と、
    前記動力軸と前記入力軸との接続および接続の解除を司る接続解除手段と、
    車軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    運転者によって要求される運転要求を受け付ける運転要求受付手段と、
    悪路を走行しているのを判定する悪路判定手段と、
    前記無段変速機を最大変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧と前記無段変速機を最小変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧とを演算し、該演算した必要圧のうち小さい方の変速比への方向を前記無段変速機の変速方向として設定する変更方向設定手段と、
    前記接続解除手段により前記動力軸と前記入力軸との接続が解除されている状態で前記悪路判定手段により悪路を走行していると判定された接続解除悪路走行時には、前記動力源が運転されると共に前記無段変速機の変速比が前記設定された変更方向に変更され、且つ、前記受け付けた運転要求に基づいて走行するよう前記動力源と前記無段変速機と前記接続解除手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記変更方向設定手段は、前記第1プーリに必要な必要挟圧と該第1プーリにおける遠心作用による作動流体圧との差によって前記作動流体の必要圧を演算する手段である請求項記載の車両。
  3. 前記制御手段は、前記無段変速機が前記設定された変更方向に最大量変更した変速比となるよう制御する手段である請求項1または2記載の車両。
  4. 前記制御手段は、前記無段変速機が前記設定された変更方向に最大量変更した変速比を含む所定の範囲の変速比となるよう制御する手段である請求項1または2記載の車両。
  5. 前記制御手段は、前記接続解除悪路走行時に前記受け付けた運転要求が加速要求ではないときには所定の解除条件が成立するまで前記動力軸と前記入力軸との接続が行なわれないよう制御する手段である請求項1ないしいずれか記載の車両。
  6. 前記所定の解除条件は、前記悪路走行判定手段により悪路を走行していないと判定される条件である請求項記載の車両。
  7. 前記所定の解除条件は、前記受け付けた運転要求が加速要求である条件である請求項または記載の車両。
  8. 動力源と、加圧された作動流体を用いて作動し前記動力源から動力が出力される動力軸に接続される入力軸に取り付けられた第1プーリと車軸側に接続される出力軸に取り付けられた第2プーリと前記第1プーリおよび前記第2プーリに掛けられたベルトとを有し前記作動流体を用いて前記第1プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径と前記第2プーリの前記ベルトが掛けられた位置における半径とを変更することにより変速比を変更するベルト式の無段変速機と、前記動力源からの動力を用いて前記作動流体を加圧する機関加圧手段と、前記動力軸と前記入力軸との接続および接続の解除を司る接続解除手段と、車軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
    前記接続解除手段により前記動力軸と前記入力軸との接続が解除されている状態で悪路を走行しているときには、前記動力源が運転され、前記記無段変速機を最大変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧と前記無段変速機を最小変速比としたときに前記第1プーリに作用させるべき前記作動流体の必要圧とを演算し該演算した必要圧のうち小さい方の変速比への方向を前記無段変速機の変速方向として設定すると共に前記無段変速機の変速比が該設定した変更方向に変更され、且つ、運転者によって要求される運転要求に基づいて走行するよう前記動力源と前記無段変速機と前記接続解除手段と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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