JP4296480B2 - 検出物質の安定化方法およびその試薬 - Google Patents

検出物質の安定化方法およびその試薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血清、尿、血漿、唾液、髄液等の生体試料中の特定成分などの測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、検出物質を安定化する方法およびその試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体試料中の特定成分を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法として、例えばクレアチニンとクレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼとの反応で生成する過酸化水素をペルオキシダーゼの共存下、色源体と反応させ生成する発色体を検出物質として定量し、クレアチニン濃度を求める方法などがある。この場合、例えば水素供与体、カップラーを色源体として用いた場合は、これらの酸化カップリング反応により生成するキノン系色素が検出物質となる。しかし、これら検出物質には次のような問題がある。
【0003】
まず、ペルオキシダーゼの反応が律速となり、過剰の過酸化水素が一時的にも生じる場合、既に生成した検出物質が過酸化水素により還元され褪色が起こるという問題がある。その結果として、測定値の正確性または精密性を損なうことになる。二点目として、検出物質の溶解性不良に起因し、特に検出物質の濃度が高くなるに従い、発色感度が低下する問題がある。その結果として定量性が損なわれことになる。三点目として、検体中のビリルビン、アスコルビン酸などの還元物質、または測定試薬中の反応に関わる酵素から持ち込まれる遷移金属により、検出物質が還元され褪色が起こるという問題がある。その結果として、測定値の正確性または精密性を損なうことになる。四点目として、色源体が試薬保存中に空気中の酸素または試薬中の酸化物により、非特異的に酸化され試薬ブランクが上昇するという問題がある。その結果として、測定の精密性が損なわれることになる。
【0004】
これらの問題に対し、試薬のpHを7以上とする方法がある(例えば、特許文献1参照。)。また安定化剤として1−アリールセミカルバジドを添加する方法(例えば、特許文献2参照。)、シクロデキストリンおよびその修飾体を添加する方法(例えば、特許文献3および4参照。)、アミノスルホン酸化合物を添加する方法(例えば、特許文献5参照。)、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤を添加する方法(例えば、特許文献6参照。)、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を添加する方法(例えば、特許文献参7照。)、γ−シクロデキストリン及び非イオン界面活性剤等を添加する方法(例えば、特許文献8参照。)、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドまたは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を添加する方法(例えば、特許文献9参照。)、膨潤性層状粘土鉱物を添加する方法(例えば、特許文献10参照。)、ホウ酸又はホウ酸塩を添加する方法(例えば、特許文献11参照。)、Bicineを添加する方法(例えば、特許文献12参照。)、テトラゾリウム化合物を添加する方法(例えば、特許文献13参照。)等がある。または水素供与体、カップラーを別々に処方し、かつペルオキシダーゼを含有していない方の試薬にカタラーゼまたはペルオキシダーゼを処方する方法(例えば、特許文献14参照。)等がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭52−152290号公報
【特許文献2】
特開昭53−126996号公報
【特許文献3】
特開昭58−187858号公報
【特許文献4】
特開昭60−194363号公報
【特許文献5】
特開昭62−64955号公報
【特許文献6】
特開平7−51095号公報
【特許文献7】
特開平7−234221号公報
【特許文献8】
特開平8−89291号公報
【特許文献9】
特開平9−19296号公報
【特許文献10】
特開平9−184836号公報
【特許文献11】
特開平11−46795号公報
【特許文献12】
特開2000−97927号公報
【特許文献13】
特開2000−210100号公報
【特許文献14】
特開昭63−246665号公報
【0006】
しかしながら、これらの方法では十分な効果が得られるに至っていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このことから、本発明が解決しようとする課題は測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、検出物質または色源体を安定化し、測定の正確性、精密性、定量性を向上させかつ高感度な測定法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討した結果、試薬中にカリックスアレン誘導体を共存させることにより検出物質または色源体を安定化し、測定の正確性、精密性、定量性を向上させかつ高感度化を達成することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1)測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、試薬中にカリックスアレン誘導体を共存させることを特徴とする検出物質の安定化方法。
(2)試薬中にさらに非イオン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を共存させることを特徴とする(1)の検出物質の安定化方法。
(3)試薬中にさらに鉄錯体を共存させることを特徴とする(1)の検出物質の安定化方法。
(4)測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、試薬中にカリックスアレン誘導体を共存させることを特徴とする検出物質の安定化試薬。
(5)試薬中にさらに非イオン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を共存させることを特徴とする(4)の検出物質の安定化試薬。
(6)試薬中にさらに鉄錯体を共存させることを特徴とする(4)の検出物質の安定化試薬。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において「安定化」とは、検出物質の褪色を抑制すること、発色感度の低下を抑制するかまたは感度が向上すること、また色源体が非特異的に酸化または還元されることによる試薬ブランクの変動を低減することを意味する。
【0010】
本発明の一実施態様として、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、色源体等からなるクレアチニン測定試薬において、カリックスアレン誘導体を共存させることによる検出物質の安定化方法がある。また、ウリカーゼ、ペルオキシダーゼ、色源体等からなる尿酸測定試薬において、カリックスアレン誘導体を共存させることによる検出物質の安定化方法がある。
【0011】
本発明で用いるカリックスアレン誘導体とは、フェノールを基本骨格とし、フェノールの4〜8分子をメチレン基で環状に重合させた「カリックスアレン」に親水性基を導入し水溶性としたものである。例えば、硫酸カリックス(4)アレン、硫酸カリックス(6)アレン、硫酸カリックス(8)アレンが市販されている。カリックスアレン誘導体の濃度としては特に限定されないが、検出物質の生成量または色源体の濃度などを考慮して設定され、反応液中で0.05〜5mmol/L、好ましくは0.1〜2mmol/Lである。
【0012】
本発明で用いるカリックスアレン誘導体により、(1)検出物質の褪色を低減する。(2)検出物質の溶解性を向上させ、発色感度が上昇する。(3)検体中のビリルビン、アスコルビン酸などの還元物質の影響を低減する。(4)色源体の非特異的酸化による試薬ブランクの上昇を抑制する、等の効果が得られ、その結果として、測定の特異性、精密性を向上させることができる。
【0013】
本発明の検出物質とは、光学的方法により検出可能な物質であり、加えて当該物質が酸化還元反応などにより生成する前の色源体も本発明の安定化の対象となる。このような検出物質としては例えばカプラーと水素供与体が酸化縮合することによって生成するキノン色素、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンなどの酸化発色色素、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−フェノチアジンなどのロイコ体が酸化された色素、テトラゾリウム化合物の還元色素であるホルマザン、などが挙げられる。
【0014】
色源体としては、水素供与体として、N−エチル−N−スルホプロピル−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3−メチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−スルホプロピルアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−2,5−ジメチルアニリン等が挙げられる。また、カップラーとして4−アミノアンチピリン、MBTH、NCP等が挙げられる。
【0015】
また、ロイコ体としては、4,4’−ベンジリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−ビス[N−エチル−N−(3−スルホプロピルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル]メタン、1−(エチルアミノチオカルボニル)−2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、N−カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン塩、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩等が挙げられる。
【0016】
また、テトラゾリウム塩としては、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩、2,5−ジフェニル−3−(1−ナフチル)−2H−テトラゾリウム塩、3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル]−ビス[2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム]塩、3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル]−ビス(2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム)塩、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、3,3’−(1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル)−ビス(2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム)塩、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩等が挙げられる。
【0017】
本発明では、さらに界面活性剤を共存させることで、検出物質とカリックスアレン誘導体との相互作用により得られる効果を更に高めることができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤または/および両性イオン界面活性剤が好適に用いられ、検出物質の測定時、または色源体、カリックスアレン誘導体の存在する溶液中に添加することで更なる効果が得られる。
【0018】
本発明で用いる非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類として例えばエマルゲン104P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン147、エマルゲン130K、ノニオンK−204、ノニオンK−215、ノニオンK−220、ノニオンK−230、NIKKOL BL−2、NIKKOL BL−4.2、NIKKOL BL−9EX、NIKKOL BL−21、NIKKOL BL−25、ポリオキシエチレンセチルエーテル類として、エマルゲン210、エマルゲン220、NIKKOL BC−2、NIKKOL BC−5.5、NIKKOL BC−7、NIKKOL BC−10TX、NIKKOL BC−15TX、NIKKOL BC−20TX、NIKKOL BC−23、NIKKOL BC−25TX、NIKKOL BC−30TX、NIKKOL BC−40TX、ノニオンP−208、ノニオンP−210、ノニオンP−213、ポリオキシエチレンステアリルエーテル類として、エマルゲン306P、エマルゲン320P、NIKKOL BS−2、NIKKOL BS−4、NIKKOL BS−20、ノニオンS−206、ノニオンS−207、ノニオンS−215、ノニオンS−220、ポリオキシエチレンオレイルエーテル類としては、エマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲン409P、エマルゲン420、エマルゲン430、NIKKOL BO−2、NIKKOL BO−7、NIKKOL BO−10TX、NIKKOL BO−20、NIKKOL BO−50、ノニオンE−206、ノニオンE−215、ノニオンE−230、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル類としては、NIKKOL BB−5、NIKKOL BB−10、NIKKOL BB−20、NIKKOL BB−30等が挙げられる。
【0019】
また、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル類としては、エマルゲン707、NIKKOL BT−5、NIKKOL BT−7、NIKKOL BT−9、アデカトールSO−80、アデカトールSO−105、アデカトールSO−120、アデカトールSO−135、アデカトールSO−145、アデカトールSO−160、エマルゲン705、エマルゲン707、エマルゲン709等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類としては、エマルゲン810、エマルゲン840S、エマルゲン909、エマルゲン910、エマルゲン930、エマルゲン950、トリトンX−100、トリトンX−114、NIKKOL NP−5、NIKKOL NP−7.5、NIKKOL NP−10、NIKKOL NP−15、NIKKOL NP−20、NIKKOL OP−10、NIKKOL OP−30、等が挙げられる。ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル類としてはエマルゲンA60、エマルゲンA90、エマルゲンB66等が挙げられる。オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー類としては、エマルゲンPP−150、エマルゲンPP−230、エマルゲンPP−250、エマルゲンPP−290、NIKKOL PBC−34、NIKKOL PBC−44、等が挙げられる。ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレンデシルエーテル類としては、エマレックスDAPE0207、エマレックスDAPE0210、エマレックスDAPE0212、エマレックスDAPE0215、エマレックスDAPE0220、エマレックスDAPE0220等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、レオドールTW−L120、レオドールTW−L106、レオドールTW−P120、レオドールTW−S120、レオドールTW−O120、レオドール460、エマノーン1112、エマノーン3115、エマノーン3170、エマノーン3299、エマノーン3130
ポリオキシエチレンステロール類としては、NIKKOL BPS−10、NIKKOL BPS−20、NIKKOL BPS−30、NIKKOL BPSH−25、NIKKOL DHC−30等が挙げられる。その他には、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)コラミド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)デオキシコラミド、n−オクタノイル−N−メチルグルコアミド、n−ノナノイル−N−メチルグルコアミド、n−デカノイル−N−メチルグルコアミド、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノラウレート、シュークロースモノコレート、ジギトニン等が挙げられる。
【0020】
本発明で用いる非イオン界面活性剤の濃度は特に限定されないが、反応液中で0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0021】
本発明で用いる両性イオン界面活性剤としては、例えばアルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアラニン、アルキルアミンオキサイド、これらの誘導体等が挙げられる。これらのアンヒトール20BS、アンヒトール24B、アンヒトール86B、アンヒトール20Z、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、等が挙げられる。
【0022】
両性イオン界面活性剤の濃度は特に限定されないが、反応液中で0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0023】
また、これらの界面活性剤は単独または2種以上または非イオン性界面活性剤と両性イオン界面活性剤とを組み合わせて用いることができる。また、非イオン界面活性剤のHLBは特に限定されないが、好ましくは単独でのHLBが15以下、さらには14以下が検出物質の溶解性または検出物質とカリクスアレン誘導体との相互作用に対する影響が少ない点で好ましい。また、2種以上の活性化剤を組み合わせて用いられるが、非イオン性界面活性剤の組み合わせの場合は各界面活性剤の(HLB)×(添加量)を界面活性剤の添加量の総和で割った総HLBが12〜14であるのが好ましい。さらには12.5〜13.5が好ましい。中でも約13が好ましい。本発明のカリックスアレン誘導体、検出物質またはその前駆体との混合方法は特に限定されず、カリックスアレン誘導体存在下、検出物質の測定の直前に混合してもよいし、あらかじめ検出物質の前駆体と混合して使用できる。
【0024】
本発明では、さらに鉄錯体を共存させることで、検出物質とカリクスアレン誘導体との相互作用により得られる効果を更に高めることができる。鉄錯体としては、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)、塩化第一鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム等が挙げられ、検出物質の測定時に添加することで更なる効果が得られる。鉄錯体の濃度としては、反応液中で0.005〜0.1mmol/L、好ましくは0.01〜0.05mmol/Lである。
【0025】
また、従来から用いられている緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、GOOD緩衝液などが挙げられる。一方、GOOD緩衝液にはMES、Bis−Tris、ACES、BES、MOPS、PIPES、TES、HEPES、Tricine、Bicine、POPSO、TAPS、CHES、CAPSなどが例示される。該緩衝液のpHは5〜9の範囲で調整される。さらには6〜8が好ましい。中でも6.5〜7.5が好ましい。
【0026】
本発明において、防腐剤などを反応に影響を及ぼさない範囲で添加してもよい。防腐剤としては、アジ化物、キレート剤、抗生物質、抗菌剤などが挙げられる。
【0027】
本発明において、診断用試薬として必要な他の試薬が含まれていてもよい。クレアチニン測定試薬としては、一般にクレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ等の酵素が含有される。尿酸測定試薬としては、一般にウリカーゼ、ペルオキシダーゼ等の酵素が含有される。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。
(実施例1)
下記の尿酸測定試薬に、カリックスアレン(6)硫酸塩を試薬中終濃度で2mmol/Lになるように調製して測定試薬とし、下記測定条件で、試料として精製水および尿酸10mg/dL水溶液を測定し、各々の吸光度より感度(尿酸10mg/dL水溶液測定吸光度より精製水測定吸光度を差し引いた吸光度)を検討した。比較例として、カリックスアレン(6)硫酸塩に換えて、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、クラスターデキストリンを各々試薬中終濃度で2mmol/Lになるように調製した測定試薬およびカリックスアレン(6)硫酸塩を添加しない試薬(無添加)で同様の検討を行なった。
【0029】
(試薬の調製)
下記組成からなる尿酸測定試薬をそれぞれ調製した。
PIPES−NaOH 50mM pH7.0
ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレンデシルエーテル(エマレックスDAPE0207:日本エマルジョン社製) 0.1%
ウリカーゼ(東洋紡社製UAO−211) 0.3U/mL
ペルオキシダーゼ(東洋紡社製PEO−301) 2U/mL
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−2,5−ジメチルアニリン(同仁化学社製) 0.4g/L
4−アミノアンチピリン 0.1g/L
【0030】
(測定法)
日立7170形自動分析機を用いた。試料4μLに第一試薬 270μL添加し37℃にて5分間インキュベーション後、波長600nmにおける吸光度を測定した。
【0031】
【表1】
Figure 0004296480
【0032】
結果 表1に示す。比較例に対し実施例では感度の向上が確認された。発色体の褪色が抑制されたものと考える。
【0033】
(実施例2)
下記のクレアチニン測定試薬の第一試薬に、カリックスアレン(6)硫酸塩、またはカリックスアレン(8)硫酸塩を各々試薬中終濃度で2mmol/Lになるように調製して測定試薬とし、調製直後および35℃、7日間保存後の試薬について下記測定条件で測定した。試料としては精製水およびクレアチニン5mg/dL水溶液を測定し、試薬ブランク(精製水測定吸光度)および感度(クレアチニン5mg/dL水溶液測定吸光度より精製水測定吸光度を差し引いた吸光度)を求めた。比較例として、カリックスアレン(6)硫酸塩等に換えて、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、クラスターデキストリンを各々試薬中終濃度で2mmol/Lになるように調製した測定試薬およびカリックスアレン(6)硫酸塩等を添加しない試薬(無添加)で同様の検討を行なった。
【0034】
(試薬の調製)
下記組成からなるクレアチニン測定試薬をそれぞれ調製した。
第一試薬
PIPES−NaOH 50mM pH7.5
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
ザルコシンオキシダーゼ(東洋紡社製SAO−341) 10U/mL
クレアチンアミジノヒドロラーゼ(東洋紡社製CRH−221) 30U/mL
カタラーゼ(東洋紡社製CAO−509) 50U/mL
10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩 0.04g/L
第二試薬
PIPES−NaOH 50mM pH7.5
クレアチニンアミドヒドロラーゼ(東洋紡社製CNH−311) 300U/mL
ペルオキシダーゼ(東洋紡社製PEO−301) 20U/mL
【0035】
(測定法)
日立7170形自動分析機を用いた。試料4μLに第一試薬 180μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を90μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で660nmにおける吸光度を測定した。
クレアチニン濃度未知試料のクレアチニン濃度の算出は、精製水および5mg/dLクレアチニン水溶液の測定吸光度より算出して求めた。
【0036】
【表2】
Figure 0004296480
【0037】
結果 表2に示す。比較例では35℃、7日間保存後の試薬ブランクの上昇、感度の低下があるが、実施例では試薬ブランク、感度とも良好な安定性を示す。また、調製直後の感度は比較例に対し高くなっている。
【0038】
(実施例3)
実施例2のクレアチニン測定試薬の第一試薬に、カリックスアレン(8)硫酸塩を試薬中終濃度で2mmol/Lになるように調製し、第一試薬、第二試薬とも界面活性剤としてエマルゲン420(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、トリトンX−100(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸)を0.1%になるように添加し、実施例2に示す測定条件で測定した。試料としては精製水およびクレアチニン5mg/dL水溶液を測定し、感度(クレアチニン5mg/dL水溶液測定吸光度より精製水測定吸光度を差し引いた吸光度)を求めた。比較例として、カリックスアレン(8)硫酸塩等を添加しない試薬(無添加)で同様の検討を行なった。
【0039】
【表3】
Figure 0004296480
【0040】
結果 表3に示す。界面活性剤添加による感度の向上は、比較例よりも実施例において顕著に認められる。界面活性剤によりカリックスアレン(8)硫酸塩添加効果が高められたものと考えられる。
【0041】
(実施例4)
実施例2の調製直後の試薬(第一試薬、第二試薬とも)に各々トリトンX−100を0.1%になるように添加し、実施例2に示す測定条件で、試料としてクレアチニン5mg/dL水溶液の10段階希釈系列を測定し、直線性を検討した。結果は図1に示すが、各直線性はクレアチニン最大濃度を100%として相対感度で示した。
【0042】
結果 図1に示す。比較例では直線性の湾曲傾向を認めるが、実施例では良好な直線性を示す。
【0043】
(実施例5)
実施例2に示すクレアチニン測定試薬の第一試薬、第ニ試薬にトリトンX−100を0.1%になるように添加し、第一試薬にカリックスアレン(6)硫酸塩またはカリックスアレン(8)硫酸塩を各々試薬中終濃度で0、0.5、1、2、4、8mmol/Lになるように調製し、第二試薬に鉄錯体としてフェロシアン化カリウムを0、40mg/Lになるように調製して測定試薬とした。実施例2に示す測定条件で、試料として市販管理血清QAPトロールIX(国際試薬株式会社)を測定しその測定値を理論値(市販のクレアチニン測定試薬 ダイヤカラー・リキッドCRE−S(東洋紡製)で測定した時の測定値)に対する相対%を算出した。
【0044】
【表4】
Figure 0004296480
【0045】
【表5】
Figure 0004296480
【0046】
結果 表4、5に示す。比較例では管理血清値は理論値に対し高めに回収されるが、実施例では回収率は良好化しする。これはカリックスアレン硫酸塩により非特異反応が低減され、フェロシアン化カリウムにより更に低減されることを意味する。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、検出物質または色源体を安定化し、測定の正確性、精密性、定量性を向上させかつ高感度な測定法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4における直線性の検討結果を示す。

Claims (6)

  1. 測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、試薬中にカリックスアレン誘導体を共存させることを特徴とする検出物質の安定化方法。
  2. 試薬中にさらに非イオン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1項記載の検出物質の安定化方法。
  3. 試薬中にさらに鉄錯体を共存させることを特徴とする請求項1項記載の検出物質の安定化方法。
  4. 測定対象物質を、当該物質の酸化還元反応の結果生成する検出物質を測定することにより測定する方法において、試薬中にカリックスアレン誘導体を共存させることを特徴とする検出物質の安定化試薬。
  5. 試薬中にさらに非イオン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項4項記載の検出物質の安定化試薬。
  6. 試薬中にさらに鉄錯体を共存させることを特徴とする請求項4項記載の検出物質の安定化試薬。
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