JP4296235B2 - モルタル吹付け機とこれを用いた補修工法 - Google Patents

モルタル吹付け機とこれを用いた補修工法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物の補修等のため粘性の高いモルタルを吹付けるモルタル吹付け機とこれを用いた補修工法に関する。
トンネルや高架橋のコンクリート剥落事故を契機にコンクリート構造物の補修に対するニーズが高まっている。コンクリート構造物の補修は従来主に、(1)左官ごてにより塗り付ける「左官仕上げ」、または(2)「圧縮空気による吹付け」により施工されている。
左官仕上げは、作業員により表面を「こて」で数回ならすため、特に上向きの施工箇所においては、(1)作業能率が悪いばかりでなく、(2)補修面とモルタルとの付着性能が低い問題点がある。
また、圧縮空気による吹付けは、図10に模式的に示すように、ミキサ、アジテ−タ付きホッパー、モルタルポンプ、コンプレッサ、吹付けガン1、等を備え、モルタルを大量の圧縮空気により吹付けガン1から吹き出し、トンネル内面等に吹付けるようになっている。しかし、「圧縮空気による吹付け」は、大量の圧縮空気を使用するため、(3)コンプレッサの動力が大きくなるばかりでなく、(4)微細なモルタルを含む粉塵が大量の圧縮空気により周囲を汚染するため、作業環境が極めて悪い問題点があった。また、(5)ノズル先端での圧縮空気の調整に高度な技術が必要であることと、(6)ミキサ、アジテ−タ付きホッパー、モルタルポンプ、コンプレッサ、等の複数の機材を移動しながら施工するため、作業が繁雑であり作業能率が低い問題点もあった。
上述した問題点を解決するため、例えば、特許文献1の「投射施工装置」、特許文献2及び特許文献3の「混合物投射施工方法およびその装置」、等の圧縮空気を用いずにライニングができるコンクリート吹付機が提案されている
図11は、かかるコンクリート吹付機の原理を示す図である。この図に示すように、これらのコンクリート吹付機のヘッド部は、高速で回転するインペラ2と、コンクリートと急結剤を攪拌しながらインペラ2に供給する攪拌スクリュー3とを備え、遠心力によりコンクリートをインペラの接線方向に投射して吹き付けるようになっていた。従って、このコンクリート吹付機では、空気を全く使用せずに機械的にコンクリートの吹き付けができ、これにより粉塵の発生を少なくし、良好な作業環境を得ることができる。
更に、本願発明と同一の発明者等は、図10の装置を改良し、図12に模式的に示す「コンクリート吹付機」を創案し出願した(特許文献4)。
このコンクリート吹付機は、軸心を中心に高速回転するインペラ2と、該インペラを間隔を隔てて囲むケーシング4と、該ケーシングに設けられインペラの回転中心に向けて生コンクリートを供給するコンクリート供給管5と、該コンクリート供給管に隣接してケーシングに設けられたコンクリート吐出管6と、該コンクリート吐出管の開放端の外側に設けられコンクリート吐出管を通過したコンクリートに向けて液体急結剤を噴射する急結剤供給ノズル7とからなるヘッド部を備えたものである。なお、この図で、8はコンクリート用パイプ、8aは生コンクリート、9は急結剤、2aはブレードである。
一方、補修用モルタルは、ビニロン繊維と硅砂を含むプレミックスモルタルに液体ポリマーを混合して練りまぜたものであり、粘性が高いばかりでなく粘着力が強い。そのため、上述したコンクリート吹付機を転用してコンクリートの代わりに補修用モルタルを吹付けた場合、以下の問題点があった。
(1)モルタルに含まれるビニロン繊維により、配管内が詰まりやすい。
(2)モルタルの粘性と粘着力により、「モルタルだれ」(または「ペーストだれ」)が発生しやすく、長時間連続運転ができない。特に補修工事で主となる天端部(上向き)への吹付け(天端吹き)におけるモルタルだれや、ケーシングからのモルタルだれが発生しやすい。
(3)「モルタルだれ」を低減しようとすると、スポット性が低下する。補修吹付けにおいては、溶接金網等の格子状鉄筋の間を吹付けることとなり、そのためには吹付け範囲を極力狭めたスポット性が必要となるが、このスポット性とモルタルだれの対策が相反する関係にあり、両立が困難である。
(4)インペラを高速回転させると騒音を発しやすい。インペラを高速回転させるほど、スポット性を高めることができるが、サイレン音に近い騒音を発しやすく、作業環境が悪化する。
さらに、従来のコンクリート吹付機は、コンクリートを吹付けるヘッド部分の重量が重く、ロボットハンドのような機械を用いて移動させる必要があるため、手持ちでの使用は不可能であり、作業性が悪い問題点があった。
これらの問題点を解決するため、本願発明と同一の発明者等は、図13に模式的に示す「モルタル吹付機とこれを用いた補修工法」を創案し出願した(特許文献5)。
このモルタル吹付け機は、軸心を中心に高速回転するインペラ12と、該インペラを間隔を隔てて囲むケーシング14と、該ケーシングに設けられインペラの回転中心に向けてモルタルを供給するモルタル供給パイプ16とを備えたモルタル吹付け機において、前記インペラ12は、回転軸の軸線方向に間隔を隔てた2枚のインペラリング12aと、その間に周方向に間隔を隔てて取り付けられた複数のブレード13とからなり、前記ケーシング14は、前記インペラで投射されたモルタルと直接接触しないように前記モルタル供給パイプに隣接して設けられた投射口14aを有する、ことを特徴とするものである。
実公平6−45519号公報 特開平4−83096号公報 特開平6−248887号公報 特開平11−71997号公報 特開2003−213931号公報
上述した特許文献5のモルタル吹付け機は、従来の「左官仕上げ」や「圧縮空気による吹付け」に比較して、粉塵の発生が少なく、施工後のモルタルの曲げ強度、圧縮強度、および付着強度が高く、作業能率が高い優れた特徴を有している。
しかし、このモルタル吹付け機は、吹付け機本体と駆動モータが一体であり、重量が大きく(例えば約10kg以上)、そのため手持ちで使用した場合、使用者に過酷な労働を強いることになり、長時間(例えば1日4時間以上)の使用が困難であった。また、使用者は重いモルタル吹付け機を持った状態で作業するため、吹付け方向や回転速度等の調整が作業中にし難く作業性が悪かった。
また、このモルタル吹付け機では、吹付け本体を分解して内部を清掃できるものの、駆動モータと一体であるため、水等で丸洗いができず、かつ重いため、吹付け後の清掃がしにくい問題点があった。
さらに、このモルタル吹付け機では、補修用モルタル(ビニロン繊維と硅砂を含むプレミックスモルタルに液体ポリマーを混合して練りまぜたモルタル)を用いる必要があり、液体ポリマー等を含まない安価なモルタルでは、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度が得られない問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、手持ちで使用することができ、手持ち部分が軽量であり、過酷な労働を強いることなく長時間容易に使用でき、作業中に吹付け方向や回転速度等を容易に調整することができ、吹付け後に水等で丸洗いして容易に清掃ができるモルタル吹付機とこれを用いた補修工法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、液体ポリマーを含まない安価なモルタルを用いて、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度を得ることができるモルタル吹付機とこれを用いた補修工法を提供することにある。
本発明によれば、軸心を中心に回転可能なインペラと、該インペラを内部に回転可能に支持しかつその外面を間隔を隔てて囲むケーシングと、該ケーシングに取り付けられインペラの回転中心に向けてモルタルを供給するためのモルタル供給パイプと、前記インペラを一端部に支持し軸心を中心に回転可能な回転軸と、ケーシングに取り付けられ前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の他端部に前記フレキシブルシャフトを着脱可能に取り付けるカップリングとを有する吹付け機本体と、該吹付け機本体と間隔を隔てて位置し前記インペラを回転駆動するための駆動モータと、前記インペラと駆動モータを連結し回転駆動力を伝達する可撓性を有する細長いフレキシブルシャフトとを備えことを特徴とするモルタル吹付け機が提供される。
上記本発明の構成によれば、インペラを回転駆動するための駆動モータが、吹付け機本体と間隔を隔てて位置し、可撓性を有する細長いフレキシブルシャフトで連結されて回転駆動力を伝達するので、駆動モータを別の場所(背負い子や床面)に設置し、使用者は吹付け本体部のみを保持するだけで運転できる。従って、手持ち部分の重量を大幅に低減でき(例えば約5kg以下)、そのため手持ちで使用した場合でも、過酷な労働を強いることなく長時間容易に使用できる。
また本発明の構成により、ケーシングに取り付けられた軸受でインペラを回転可能に支持したままで、カップリングによりフレキシブルシャフトを回転軸から分離することができる。従って、吹付け後にフレキシブルシャフトを回転軸から分離し、吹付け機本体のみを水等で丸洗いすることができ、容易に清掃ができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記インペラは、回転軸の軸線方向に間隔を隔てた2枚のインペラリングと、その間に周方向に間隔を隔てて取り付けられた複数のブレードとからなり、
前記ケーシングは、前記インペラで投射されたモルタルと直接接触しないように前記モルタル供給パイプに隣接して設けられた投射口を有する。
この構成によれば、インペラの高速回転によるブレードの打撃により、モルタル供給パイプから供給されるモルタルを圧縮空気を用いずに投射するので、粉塵の発生を少なくし、モルタルの付着性能を高め、複数の機材を移動しながら施工する必要がなく、小型・軽量化が可能であり、必要動力が小さく、運転が容易であり、作業能率を高めることができる。
また、インペラを間隔を隔ててケーシングで囲み、このケーシングに、インペラで投射されたモルタルと直接接触しないようにモルタル供給パイプに隣接して設けられた投射口を有するので、粘性が高く、粘着力が強い補修用モルタルに適用することができ、配管内の詰りを防ぎ、モルタルだれを防止できる。
さらに、2枚のインペラリングを有し、その間にモルタルが供給され高速回転するブレードで打撃するので、幅方向のスポット性を高めることができ、かつ騒音の発生が少なく、粉塵の低減と共に作業環境を改善することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、使用者が背負いその背面に前記駆動モータを取り付け可能な背負い子と、該背負い子に取り付けられ駆動モータの回転速度を制御する速度制御器とを備える。
この構成により、使用者が背負い子を背負うことで、駆動モータを背負いながら自由に移動でき、かつ速度制御器で駆動モータの回転速度を変化させて、作業中に吹付け方向や回転速度等を容易に調整することができる。
本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記駆動モータを支持し移動可能な移動台車を備える。
この構成により、移動台車をフレキシブルシャフト又は牽引用の紐またはロッドで引き回すことで駆動モータを自由に移動でき、使用者は吹付け本体部のみを保持して作業でき、手持ち部分の重量を大幅に低減できる。
前記ケーシングに取り付けられ外部に吹き付けられるモルタルに向けて液体急結剤を噴射する急結剤噴射ノズルを備える。
この構成により、急結剤噴射ノズルから外部に吹き付けられるモルタルに向けて液体急結剤を噴射し、壁面等に衝突する前にモルタルと液体急結剤を効率よく混合し、モルタルを短時間に硬化させることができる。従って、液体ポリマーを含まない安価なモルタルを用いて、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度を得ることができる。
さらに本発明によれば、上述したモルタル吹付け機を用い、圧縮空気なしでコンクリート構造物の補修を行うことを特徴とする補修工法が提供される。
この工法により、従来の「左官仕上げ」、「圧縮空気による吹付け」、および「コンクリート吹付機」と比較して、粉塵の発生を低減し、モルタルの付着性能を高め、小型・軽量化したヘッド部を作業員が手持ちで移動しながら施工することができ、運転が容易であり、作業能率を高めることができ、粘性が高く、粘着力が強い補修用モルタルに適用することができ、配管内の詰りを防ぎ、モルタルだれを防止できると共に、スポット性を高めることができ、騒音の発生が少なく、粉塵の低減と共に作業環境を改善することができる。
上述したように、本発明のモルタル吹付機とこれを用いた補修工法は、手持ちで使用することができ、手持ち部分が軽量であり、過酷な労働を強いることなく長時間容易に使用でき、作業中に吹付け方向や回転速度等を容易に調整することができ、吹付け後に水等で丸洗いして容易に清掃ができ、かつ液体ポリマーを含まない安価なモルタルを用いて、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度を得ることができる、等の優れた効果を有する。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明のモルタル吹付け機の使用状態を示す図である。この図に示すように、 本発明のモルタル吹付け機は、吹付け機本体20、駆動モータ32及びフレキシブルシャフト34からなる。なお40は、モルタル供給用のフレキシブルパイプである。
駆動モータ32は、吹付け機本体20と間隔を隔てて位置し、吹付け機本体20内で軸心を中心に回転可能に支持されたインペラ12を回転駆動する。フレキシブルシャフト34は、可撓性を有する細長いシャフトであり、インペラ12と駆動モータ32を連結し、駆動モータ32からインペラ12に回転駆動力を伝達する。このフレキシブルシャフト34は、例えば所望のトルクを伝達可能なワイヤ、コイルバネを用いることができる。またフレキシブルシャフト34として例えば、株式会社昌和発条製作所から市販されているサンエスフレックスシャフトを用いることができる。
図2は、本発明のモルタル吹付け機を構成する駆動モータと背負い子を示す図である。この図において、(A)は正面図、(B)は側面図である。この例において、発明のモルタル吹付け機は、更に背負い子36と速度制御器38を備える。
背負い子36は、薄肉の軽量金属で構成され、使用者が背負い、その背面に駆動モータ32を取り付けられるようになっている。
また、速度制御器38 は、背負い子36の腰部に取り付けられ、切換スイッチまたは調整ダイヤルで、駆動モータ32の回転速度を制御するようになっている。
この構成により、使用者が背負い子36を背負うことで、駆動モータ32を背負いながら自由に移動でき、かつ速度制御器38で駆動モータ32の回転速度を変化させて、作業中に吹付け方向や回転速度等を容易に調整することができる。
図3は、本発明のモルタル吹付け機を構成する吹付け機本体の外形図、図4は 図3の断面拡大図、図5は図4のA-A断面図である。
図3乃至図5に示すように、吹付け機本体20は、軸心Z-Zを中心に回転可能なインペラ12と、インペラ12を内部に回転可能に支持しかつその外面を間隔を隔てて囲むケーシング14と、ケーシング14に取り付けられインペラ12の回転中心に向けてモルタルを供給するためのモルタル供給パイプ16とを有する。モルタル供給パイプ16にはフレキシブルパイプ40が連結される。
図4において、吹付け機本体20は、インペラ12を一端部(図で右端部)に支持し、軸心Z-Zを中心に回転可能な回転軸22と、ケーシング14に取り付けられ回転軸22を回転可能に支持する軸受24a,24bと、回転軸22の他端部(図で左端部)にフレキシブルシャフト34を着脱可能に取り付けるカップリング26とを備える。なおこの図で21はオイルシールである。
カップリング26は、この例ではジョースパイダ形カップリングであり、1対の継手本体26aの間に星型の緩衝ゴム26bを把持し、軸方向に3つに分割可能に構成されている。
この構成により、ケーシング14に取り付けられた軸受24a,24bでインペラ12を回転可能に支持したままで、カップリング26によりフレキシブルシャフト34を回転軸22から分離することができる。従って、吹付け後にフレキシブルシャフト34を回転軸22から分離し、吹付け機本体20のみを水等で丸洗いすることができ、容易に清掃ができる。
図5において、吹付け機本体20は、ケーシング14に取り付けられ外部に吹き付けられるモルタルに向けて液体急結剤を噴射する急結剤噴射ノズル28を備える。液体急結剤には、周知のアルカリフリー急結剤、例えば、メイコSA163を用いる。
この構成により、急結剤噴射ノズル28から外部に吹き付けられるモルタルに向けて液体急結剤を噴射し、壁面等に衝突する前にモルタルと液体急結剤を効率よく混合し、モルタルを短時間に硬化させることができる。従って、液体ポリマーを含まない安価なモルタルを用いて、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度を得ることができる。
インペラ12は、駆動モータ32にフレキシブルシャフト34を介して連結されその軸心を中心に高速回転するようになっている。この回転速度は、好ましくは約3000rpmから約7000rpmの範囲で、速度制御器38により任意に調節できるようになっている。
ケーシング14は、インペラ12の回転を阻害しないように、インペラ12を間隔を隔てて囲んでいる。モルタル供給パイプ16は、ケーシング12に連結して設けられインペラ12の回転中心に向けて図4,5では上から下にモルタルを供給するようになっている。このモルタルは、従来の圧縮空気による吹付けの場合と同様に、ミキサ、アジテータ付きホッパー、およびモルタルポンプからフレキシブルパイプ40を介して供給される。なお、本発明の吹付け機本体20には、コンプレッサからの高圧空気ラインはなく、フレキシブルシャフト34とフレキシブルパイプ40のみが接続される。
インペラ12は、回転軸の軸線方向に間隔を隔てた2枚のインペラリング12aと、その間に周方向に間隔を隔てて取り付けられた複数(この例では2つ)のブレード13とからなる。ブレード13は、スポット性を高めると共にモルタルだれを防止するために、この例では断面がU字状の打撃面を有している。U字状の打撃面の開口角度θは、好ましくは約60°前後であるのがよい。またU字状の打撃面の代りにV字状の打撃面であって同様の効果が得られる。
ケーシング14は、モルタル供給パイプ16に隣接して設けられた投射口14aを有する。投射口14aはこの例では、開口幅がケーシング14の側面カバーの間、開口高さがケーシング上端からほぼ中央付近までの矩形開口であり、インペラ12のブレード13で投射されたモルタルとほとんど直接接触しないように構成されている。
またモルタル供給パイプ16のモルタル吐出口16aは、騒音を効果的に低減するように、2枚のインペラリング12aの外縁より内側に抱き込まれている。
さらに本発明の吹付け機本体20は、ケーシング14とインペラリング12aの隙間に侵入したモルタルに外向きの遠心力を付与し、ケーシングとの隙間への侵入を低減し、必要動力を小さくするために、複数(この例では2枚)のサイドフィン15を備える。このサイドフィン15は、インペラリング12aの幅方向外面に取り付けられ、放射状に延び、その高速回転によりモルタルに外向きの遠心力を付与する。
また本発明の吹付け機本体20は、投射口14aからのモルタルだれを防止するために、可撓性のリップシート17を備える。この可撓性のリップシート17は、投射口14aのモルタル供給パイプに近接する位置に取付けられ、インペラ12の外縁部と接触してその隙間からのモルタルだれを防止する。
さらに本発明の吹付け機本体20は、縦方向下方のスポット性を高めるために、可撓性の反射シート18を備える。この反射シート18は、投射口14aのモルタル供給パイプから離れた位置に取付けられ、インペラで投射されたモルタルを所望の方向に反射させるようになっている。
図6は、上述したモルタル吹付け機を用いた補修工法を示す図である。この図において、41は電源、42はモルタルミキサ、43はモルタルポンプ、44は液体急結剤ポンプ、45は液体急結剤、46は電源である。
この構成により、使用者が背負い子36を背負うことで、駆動モータ32を背負いながら自由に移動でき、かつ速度制御器で駆動モータの回転速度を変化させて、作業中に吹付け方向や回転速度等を容易に調整することができる。
図7は、本発明の補修工法を示す別の図である。この例では、駆動モータ32を支持し床面を移動可能な移動台車48を備える。その他の構成は、図6と同様である。
この構成により、移動台車48をフレキシブルシャフト34又は牽引用の紐またはロッド(図示せず)で引き回すことで駆動モータ32を自由に移動でき、使用者は吹付け本体部のみを保持して作業でき、手持ち部分の重量を大幅に低減できる。
上述した本発明の構成によれば、インペラ12の高速回転によるブレード13の打撃により、モルタル供給パイプ16から供給されるモルタルを圧縮空気を用いずに投射するので、粉塵の発生を少なくし、モルタルの付着性能を高め、複数の機材を移動しながら施工する必要がなく、小型・軽量化が可能であり、必要動力が小さく、運転が容易であり、作業能率を高めることができる。
また、インペラ12を間隔を隔ててケーシング14で囲み、このケーシングに、インペラで投射されたモルタルと直接接触しないようにモルタル供給パイプに隣接して設けられた投射口14aを有するので、粘性が高く、粘着力が強い補修用モルタルに適用することができ、配管内の詰りを防ぎ、モルタルだれを防止できる。
さらに、2枚のインペラリング12aを有し、その間にモルタルが供給され高速回転するブレード13で打撃するので、幅方向のスポット性を高めることができ、かつ騒音の発生が少なく、粉塵の低減と共に作業環境を改善することができる。
また本発明の構成によれば、インペラ12を回転駆動するための駆動モータ32が、吹付け機本体20と間隔を隔てて位置し、可撓性を有する細長いフレキシブルシャフト34で連結されて回転駆動力を伝達するので、駆動モータ32を別の場所(背負い子や床面)に設置し、使用者は吹付け本体部のみを保持するだけ運転できる。従って、手持ち部分の重量を大幅に低減でき(例えば約5kg以下)、そのため手持ちで使用した場合でも、過酷な労働を強いることなく長時間容易に使用できる。
本発明の補修工法では、上述したモルタル吹付け機を用い、圧縮空気なしでコンクリート構造物の補修を行う。従って、この工法により、従来の「左官仕上げ」、「圧縮空気による吹付け」、および「コンクリート吹付機」と比較して、粉塵の発生を低減し、モルタルの付着性能を高め、小型・軽量化したヘッド部を作業員が手持ちで移動しながら施工することができ、運転が容易であり、作業能率を高めることができ、粘性が高く、粘着力が強い補修用モルタルに適用することができ、配管内の詰りを防ぎ、モルタルだれを防止できると共に、スポット性を高めることができ、騒音の発生が少なく、粉塵の低減と共に作業環境を改善することができる。
モルタルとしてプレミックスタイプの補修用モルタル(ポリマーセメント)を用い、本発明の補修工法と従来の空気吹付けとを比較した。得られたモルタルの曲げ強度、圧縮強度、付着強度を図8(A)(B)(C)に示す。
図8(A)から、本発明による曲げ強度は、従来の空気吹付けに比較し約13%の強度増が確認された。また、図8(B)から、本発明による圧縮強度は、従来の空気吹付けに比較し約9%の強度増が確認された。さらに、図8(C)から、本発明による付着強度は、従来の空気吹付けに比較し約31%の強度増が確認された。さらに、単位容積質量も従来に比べて約9%増であることが確認された。
従って、本発明によるモルタルは、ポリマーセメントを用いた場合、従来の空気吹付けに比較し、曲げ強度、圧縮強度、付着強度、および単位容積質量のすべてにおいて格段に優れていることが確認された。
次にポリマーセメントの代わりに、安価なSECモルタルとSEC早強モルタルを用い、同様の試験を実施した。得られたモルタルの曲げ強度、圧縮強度、付着強度を図9(A)(B)(C)に示す。なおこの試験で使用した細骨材は、2.5mm以下の富士川産川砂を用いた。
図9(A)から、SECモルタルとSEC早強モルタルの曲げ強度は、ポリマーセメントに比較し若干低いが実用可能であることが確認された。また、図9(B)から、SECモルタルとSEC早強モルタルの圧縮強度は、ポリマーセメントに比較し約35%の強度増が確認された。さらに、図9(C)から、SECモルタルとSEC早強モルタルの付着強度は、ポリマーセメントに比較し約20%の強度増が確認された。
従って、本発明によるモルタルは、安価なSECモルタルとSEC早強モルタルを用いを用いた場合でも、ポリマーセメントに比較し、十分な曲げ強度、圧縮強度、および付着強度を有していることが確認された。
なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明のモルタル吹付け機の使用状態を示す図である。 本発明のモルタル吹付け機を構成する駆動モータと背負い子を示す図である。 本発明のモルタル吹付け機を構成する吹付け機本体の平面図と断面図である。 図3の断面図の拡大図である。 図4のA-A断面図である。 図1〜図5のモルタル吹付け機を用いた補修工法を示す図である。 本発明の補修工法を示す別の図である。 本発明の補修工法の実施例を示す図である。 本発明の補修工法の別の実施例を示す図である。 従来の圧縮空気による吹付けの模式図である。 空気を用いない従来のコンクリート吹付機のヘッド部の構成図である。 従来のコンクリート吹付機のヘッド部の別の模式図である。 従来のモルタル吹付け機を示す図である。
符号の説明
1 吹付けガン、2 インペラ、2a ブレード、3 攪拌スクリュー、
4 ケーシング、5 コンクリート供給管、6 コンクリート吐出管、
7 急結剤供給ノズル、8 コンクリート用パイプ、
8a 生コンクリート、9 急結剤、
12 インペラ、12a インペラリング、
13 ブレード、14 ケーシング、14a 投射口、15 サイドフィン、
16 モルタル供給パイプ、16a 吐出口、17 リップシート、18 反射シート、
20 吹付け機本体、21 オイルシール、22 回転軸、
24a,24b 軸受、
26 カップリング(ジョースパイダ形カップリング)、
26a 継手本体、26b 緩衝ゴム、28 急結剤噴射ノズル、
32 駆動モータ、34 フレキシブルシャフト、
36 背負い子、38 速度制御器、
40 フレキシブルパイプ、41 電源、
42 モルタルミキサ、43 モルタルポンプ、
44 液体急結剤ポンプ、45 液体急結剤、
46 電源、48 移動台車

Claims (6)

  1. 軸心を中心に回転可能なインペラと、該インペラを内部に回転可能に支持しかつその外面を間隔を隔てて囲むケーシングと、該ケーシングに取り付けられインペラの回転中心に向けてモルタルを供給するためのモルタル供給パイプと、前記インペラを一端部に支持し軸心を中心に回転可能な回転軸と、ケーシングに取り付けられ前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の他端部に前記フレキシブルシャフトを着脱可能に取り付けるカップリングとを有する吹付け機本体と、
    該吹付け機本体と間隔を隔てて位置し前記インペラを回転駆動するための駆動モータと、
    前記インペラと駆動モータを連結し回転駆動力を伝達する可撓性を有する細長いフレキシブルシャフトとを備えことを特徴とするモルタル吹付け機。
  2. 前記インペラは、回転軸の軸線方向に間隔を隔てた2枚のインペラリングと、その間に周方向に間隔を隔てて取り付けられた複数のブレードとからなり、
    前記ケーシングは、前記インペラで投射されたモルタルと直接接触しないように前記モルタル供給パイプに隣接して設けられた投射口を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモルタル吹付け機。
  3. 使用者が背負いその背面に前記駆動モータを取り付け可能な背負い子と、該背負い子に取り付けられ駆動モータの回転速度を制御する速度制御器とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のモルタル吹付け機。
  4. 前記駆動モータを支持し移動可能な移動台車を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のモルタル吹付け機。
  5. 前記ケーシングに取り付けられ外部に吹き付けられるモルタルに向けて液体急結剤を噴射する急結剤噴射ノズルを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のモルタル吹付け機。
  6. 請求項1乃至に記載のモルタル吹付け機を用い、圧縮空気なしでコンクリート構造物の補修を行うことを特徴とする補修工法。
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