JP2004137684A - ベルト式吹付け機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主フレーム9の直下に配置されたコンクリート圧送管7は直管状をなしており、その先端部側には主プーリ2のインペラ2a側に向けて落下ガイドするためのエルボ状ガイドカバー20がピン21を支点に回動可能に取付けられている。コンクリート圧送管7の後部及びコンクリート供給管8の上部には、エルボ状のアタッチメント23が着脱可能に取付けられ、両管7,8同士を接合している。アタッチメント23を取外せば、別の場所でアタッチメント23の内部に付着したコンクリート除去作業を行うことができる。投射ヘッド1の前カバー1aを取外し、固定スリーブ6及び主プーリ2の前カバーをはずし、ガイドカバー20をピン21を支点に後傾させて圧送管7の前部開口を大きくあけることで、ホース24などにより、水をジェット噴射することによって圧送管7の内部に付着したコンクリートを容易に除去することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式吹付け機に関し、特にコンクリート圧送管先端に付着したコンクリートの清掃を容易にした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式吹付け機は、コンクリートに遠心力を与えることにより、コンクリートを吹付け面に向かって投射する装置であり(例えば、特許文献1を参照)、従来から一般に使用されている圧縮空気を搬送媒体とした吹付け装置と比較して、エアレス方式であるため、粉塵の発生やリバウンドロス等の問題を解消し、また吹付け面を平滑に仕上げることができ、このため、小断面トンネルから大断面トンネルに至る種々のトンネルの覆工や、その他の壁面防護工などに好適であるとされている。
【0003】
このようなベルト式吹付け機は、基本的には、図4,5に示すように、投射ヘッド1の中心位置に回転可能に軸受された主プーリ2と、主プーリ2の周囲にあって投射ヘッド1に回転可能に配置された4つの補助プーリ3と、主プーリ2と各補助プーリ3間に略Ω状に巻掛けられて主プーリ2を回転させるベルト4と、投射ヘッド1の上部中心に配置され、コンクリートの投射方向を定める投射ガイド5とを備えている。補助プーリ3の一つには投射ヘッド1の背面に結合した駆動モータMが軸結され、その回転駆動によりベルト4が各補助プーリ3間を移動するとともに、主プーリ2を回転駆動する。
【0004】
主プーリ2は、その内周に複数のインペラ2aを固定したドラム状のものであり、投射ヘッド1の背面を貫通して固定された固定スリーブ6の外周に回転自在に軸承されており、ベルト4によってその外周をΩ形に塞がれている。固定スリーブ6の内部にはこれの後部を貫通してコンクリート圧送管7が連結され、その先端よりコンクリート及び急結剤の混合物を吐出する。
【0005】
吐出されたコンクリート及び急結剤の混合物は、主プーリ2の回転軸中心を貫通するコンクリート圧送管7を通じて主プーリ2内部のインペラ2aで囲われた空間内に落し込まれて主プーリ2の回転方向に搬送され、主プーリ2におけるベルト4がとぎれる位置である投射ガイド5の基部と左右の補助プーリ3の間で解放される結果、遠心力の作用により混合物を投射ガイド5と一方の補助プーリ3との隙間を投射口Dとして目的位置に向けて投射する。
【0006】
圧送管7の先端には、下部側に向けたエルボ7aが固定配置され、また後端は同じく固定配置されたエルボ7bを介して鉛直方向に延びるコンクリート供給管8に接続され、コンクリート供給管8は図示しないコンクリート圧送ポンプに接続されていた。
【0007】
コンクリート供給管8の上端部には急結剤供給用の枝管8aが接合され、圧送管7に至る直前でコンクリートに対し、急結剤が混合される。
【0008】
圧送管7の先端側エルボ7aはコンクリートをインペラ2aによって仕切られた空間内に落し込むためのものであり、また、後端側エルボ7bは、投射ヘッド1を支持した主フレーム9に対する干渉をさける目的で設けられるものであるが、次に述べる課題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−168095
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、投射直前位置でコンクリートに急結剤が混合されるため、エルボ7a,7bの位置でコンクリートが滞留することにより、この部分が固化して閉塞されやすく、しかもこの部分は曲げられた位置であるため、閉塞時の除去洗浄作業が面倒であるという課題があった。また、作業終了後に残コンクリートを除去する際にも各エルボ7a,7bが邪魔となり、清掃作業が面倒で、メンテナンス性が低下していた。
【0011】
本発明は以上の課題を解決するものであり、その目的は、圧送管位置でのコンクリートによる閉塞時、あるいは投射作業後における残コンクリートの洗浄作業を容易にし、メンテナンス性を向上できるようにしたベルト式吹付け機を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、投射ヘッドの中心位置に回転可能に軸受された主プーリと、主プーリの周囲に配置されそれぞれが回転可能に軸受された複数の補助プーリと、主プーリと各補助プーリ間に巻掛けられてモータ駆動により回転可能なベルトとを備え、主プーリの回転軸中心からコンクリートを供給するコンクリート圧送管と、コンクリート圧送管により供給されたコンクリートを投射ヘッドの上部より投射するベルト式吹付け機において、前記コンクリート圧送管は直管状をなしているとともに、その先端部にはコンクリートを主プーリのインペラ側に向けて落下する際のガイドとするためのエルボ状のガイドカバーが傾動可能に取付けられていることを特徴とするものである。従って、本発明では、清掃時に、コンクリート圧送管の先端部に取り付けられたガイドカバーを後傾させてコンクリートの除去清掃を行うことができ、メンテナンスが簡単となる。
【0013】
また、本発明においては、前記コンクリート圧送管の後部に連結され該コンクリート圧送管に対して取り外し可能なアタッチメントを備えることが好ましく、この場合には、清掃時に、コンクリート圧送管の後部側のアタッチメントを取外すことにより、コンクリートの除去清掃作業をさらに容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明においては、前記アタッチメントに、急結剤供給のための枝管が接合されていることにより、アタッチメントより先の部分のみがコンクリートが固化しやすい部分となり、また、これは取外して独自にコンクリートの除去清掃作業を行うことができる。
【0015】
さらに、本発明において、前記ガイドカバーは蛇腹状をなし、蛇腹の扇形中心を基点に折畳み展開可能であって、展開時において下方に向けてエルボ状に形成され、かつ折畳み時にはコンクリート圧送管の開口部に直線上に位置するものであることにより、コンクリートの除去清掃時にコンクリート圧送管の開口を直線上にすることができ、さらに清掃作業を簡単に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき図面を参照して詳細に説明する。 なお、本発明の要部以外は従来と同一であるため、従来と同一箇所には同一符号を付し、異なる箇所あるいは新たに説明を付加する箇所にのみ新たな符号を用いて説明する。
【0017】
図1は、ベルト式吹付け機の全体を示すものであり、投射ヘッド1の背面は、これに結合した前述の主フレーム9と、主フレーム9の後端に連結した連結ブロック10と、連結ブロック10の後部に配置され投射ヘッド1を揺動するための油圧モータ11と、連結ブロック10の後部をこれより前方部分を左右に首振り移動可能に支持したガイドブーム12と、ガイドブーム12の後端に設けられベースマシン側に設けた図示しないアームに固定される連結プレート13と、連結ブロック10の側面とプレート13との間に両端が支持され連結ブロック10より前方部分を左右に首振り移動するための油圧シリンダ14とを備えており、油圧モータ11の回転駆動により投射ヘッド1を揺動させ、油圧シリンダ14の伸縮動作により投射ヘッド1を左右に首振り移動させるほか、連結プレート13に結合したアームの操作により前後進させるなど、投射位置に対する投射ヘッド1の位置決め操作を可能としている。
【0018】
そして、主に図2に示すように、主フレーム9の直下に配置されたコンクリート圧送管7は直管状をなしており、その先端部側には主プーリ2のインペラ2a側に向けて落下ガイドするためのエルボ状ガイドカバー20がピン21を支点に回動可能に取付けられている。
【0019】
また、コンクリート圧送管7の後部及びコンクリート供給管8の上部には、それぞれ環状をしたジョイント22を介してエルボ状のアタッチメント23が着脱可能に取付けられ、両管7,8同士を接合している。
【0020】
アタッチメント23は、コンクリート圧送管7と同径の水平管23aと、水平管23aの後部に一体化されたエルボ23bと、エルボ23bの下端に一体化され、かつコンクリート供給管8と同径の垂直管23c及び垂直管23cの外周に斜めに接続した急結剤供給用の枝管23dとからなっており、各ジョイント22によりコンクリート圧送管7及びコンクリート供給管8に強固に連結され、また各ジョイント22をゆるめることで両管7,8より簡単に取外すことが可能となっている。
【0021】
以上の構成において、コンクリートの投射作業状態では、図2(a)に示すように、エルボ状ガイドカバー20を前傾姿勢に固定しておき、各ジョイント22を介して圧送管7とアタッチメント23及びコンクリート供給管8を接続し、供給管8を通じてコンクリートを供給しつつ、枝管23dを通じて急結剤を供給合流させ、コンクリート圧送管7に送る。
【0022】
送られたコンクリート及び急結剤の混合物は、ガイドカバー20により下方に向けて吐出され、主プーリ2のインペラ2aで仕切られた区画内に落し込まれつつ、主プーリ2の回転により投射口Dを通じて順次投射位置に向けて投射される。
【0023】
この作業において、コンクリートの詰まりが生じやすい箇所は、コンクリートと急結剤が混合され、流路が曲げられる位置、すなわち、アタッチメント23のエルボ23bの位置、及び圧送管7の先端位置に設けたガイドカバー20の位置である。従って、投射作業中にこれらの位置で詰まりが生じた場合、あるいは投射作業完了後は、図2(b)に示すように、各ジョイント22をゆるめてアタッチメント23を取外せば、別の場所でアタッチメント23の内部に付着したコンクリート除去作業を行うことができる。
【0024】
他方、同図2(b)に示すように、投射ヘッド1の前カバー1aを取外し、固定スリーブ6及び主プーリ2の前カバーをはずし、ガイドカバー20をピン21を支点に後傾させて圧送管7の前部開口を大きくあけることで、例えばホース24などにより、水をジェット噴射することによって圧送管7の内部に付着したコンクリートを容易に除去することができる。また、同時に固定スリーブ6の内外、主プーリ2の内外、補助プーリ3、ベルト4、投射ガイド5などに付着したコンクリートも除去清掃できる。
【0025】
清掃作業後は、前記とは逆の手順で組立作業を行えば、再び図2(a)に示すように各部が連結し、再びコンクリート及び急結剤の混合物の投射作業を行うことができる。
【0026】
図3は、圧送管7の先端に位置するガイドカバーの他の実施形態を示すものである。ガイドカバー30は、蛇腹状をなしたもので、コンクリート投射作業時には蛇腹の扇形中心を基点に下方に向けて展開することにより、コンクリートを下部側にガイドする。また、清掃時には、上方に向けて折畳むことにより、圧送管7を直線上に開口させることができる。本実施形態では、清掃時における圧送管7の開口を大きく取ることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によるベルト式吹付け機にあっては、圧送管位置でのコンクリートによる閉塞時、あるいは投射作業後の残コンクリートの洗浄作業を容易に行え、メンテナンス性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるベルト式吹付け機の斜視図である。
【図2】(a),(b)は同吹付け機の投射作業時及び分解清掃時を示す側断面図である。
【図3】同吹付け機における圧送管の他の実施形態を示す側断面図である。
【図4】従来のベルト式吹付け機の正断面図である。
【図5】図4のA−A線における側断面図である。
【符号の説明】
1 投射ヘッド
2 主プーリ
3 補助プーリ
4 ベルト
5 投射ガイド
6 固定スリーブ
7 コンクリート圧送管
8 コンクリート供給管
20,30 ガイドカバー
22 ジョイント
23 エルボ状アタッチメント
23d 枝管
Claims (4)
- 投射ヘッドの中心位置に回転可能に軸受された主プーリと、主プーリの周囲に配置されそれぞれが回転可能に軸受された複数の補助プーリと、主プーリと各補助プーリ間に巻掛けられてモータ駆動により回転可能なベルトとを備え、主プーリの回転軸中心からコンクリートを供給するコンクリート圧送管と、コンクリート圧送管により供給されたコンクリートを投射ヘッドの上部より投射するベルト式吹付け機において、
前記コンクリート圧送管は直管状をなしているとともに、その先端部にはコンクリートを主プーリのインペラ側に向けて落下する際のガイドとするためのエルボ状のガイドカバーが傾動可能に取付けられていることを特徴とするベルト式吹付け機。 - 前記コンクリート圧送管の後部に連結され該コンクリート圧送管に対して取り外し可能なアタッチメントを備えることを特徴とする請求項1に記載のベルト式吹付け機。
- 前記アタッチメントには、急結剤供給のための枝管が接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト式吹付け機。
- 前記ガイドカバーは蛇腹状をなし、蛇腹の扇形中心を基点に折畳み展開可能であって、展開時において下方に向けてエルボ状に形成され、かつ折畳み時にはコンクリート圧送管の開口部に直線上に位置するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベルト式吹付け機。
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