JP4296048B2 - データ配信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のデータを収集し、収集した各種のデータに応じて各種の情報を配信するテレメータによるデータ配信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレメータは、テレメータ親局装置と少なくとも1つのテレメータ子局装置とが電話回線等の通信回線を介して接続されている。テレメータ子局装置は、大気発生源や水質汚濁などの環境データ等を測定する各種の測定器が接続され、測定結果をテレメータ親局装置が収集し、解析するシステムである。
【0003】
このようなテレメータによるデータ配信システムは、前記各種の測定器が測定した環境データ等の測定データを収集し、解析し、その結果、異常がある場合に、その旨の情報をテレメータ親局装置からテレメータ子局装置へ配信し、これを受信したテレメータ子局装置はその旨の情報に応じて必要な措置を行う。
ここで、その旨の情報に応じた必要な措置とは、テレメータ子局装置がその旨の情報を音声情報や画像情報として放送し、または、環境データ改善のための操作が実行されて措置が完了した旨をテレメータ親局装置へ送信し、または、これらの組合せなどのことである。
また、テレメータやテレメータによるデータ配信システムに関する従来技術として、例えば特許文献1〜特許文献3がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−59868号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−46256号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平9−27094号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、異常等の緊急連絡すべき情報がある場合の配信の際に、例えば異常がある旨を音声情報により配信を行う場合、配信を行っている期間、即ち音声が発せられる時間分、電話回線等の通信回線を接続した状態となり、接続した時間の課金が多くなってしまうという問題点があった。
さらに、このような音声情報による同様の配信内容を複数のテレメータ子局装置に配信する場合、すなわち一斉配信を行う場合には、テレメータ親局装置が順次に各テレメータ子局装置と回線接続を行って、各々に同様の音声情報の配信を行う必要があり、全てのテレメータ子局装置に配信が為されるまでに時間が掛かってしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は上記従来技術に鑑みて為されたもので、異常等の緊急連絡すべき情報がある場合の配信の際にその旨を音声情報により配信を行うような場合、電話回線等の通信回線を接続した状態の時間を短縮することができ、従って、接続時間による課金を少なくすることができ、さらに、音声情報による一斉配信を行う場合にも、全てのテレメータ子局装置に配信が為されるまでの時間を短縮することのできるテレメータによるデータ配信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来の問題点を解決するため請求項1記載の発明は、データ配信システムであって、親局と少なくとも1つの放送装置が通信回線を介して接続されたデータ配信システムであって、前記親局の配信機能が配信する文章の内容をあらかじめ任意の文章を記憶したメモリを参照して文字データとして配信する手段と、該配信された文字データを受信した前記少なくとも1つの放送装置は、該受信した文字データをあらかじめ任意の文章を記憶したメモリを参照して音声データに変換する手段と、該変換した音声データを音声出力する手段と、より構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記従来の問題点を解決するため請求項2記載の発明は、テレメータによるデータ配信システムであって、親局が少なくとも1つの子局より各種のデータを収集し、該収集した各種のデータに応じて各種の情報を通信回線を介して配信するテレメータによるデータ配信システムであって、前記親局の配信機能が配信する文章の内容をあらかじめ任意の文章を記憶したメモリを参照して文字データとして配信する手段と、該配信された文字データを受信した前記少なくとも1つの子局は、該受信した文字データをあらかじめ任意の文章を記憶したメモリを参照して音声データに変換する手段と、該変換した音声データを音声出力する手段と、より構成されたことを特徴とする。
【0011】
上記従来の問題点を解決するため請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のテレメータによるデータ配信システムであって、前記少なくとも1つの子局は、各種のデータを収集するテレメータ子局と、前記親局からの配信を受信して音声出力を行う同報装置と、より構成されたことを特徴とする。
【0012】
上記従来の問題点を解決するため請求項4記載の発明は、データ配信システムの放送装置であって、親局より通信回線を介して配信された各種のデータを受信し、該受信した各種のデータに基づいて放送を行う放送装置であって、前記配信された各種のデータのうち、文字データに該当するデータを抽出し、該抽出したデータは、あらかじめ任意に設定された文字データメモリを参照して、該参照に基づいて、音声データに変換され、該変換された音声データを音声出力する、ことを特徴とする。
【0013】
上記従来の問題点を解決するため請求項5記載の発明は、前記請求項4記載のデータ配信システムの放送装置であって、前記親局は、少なくとも1つの子局が各種の測定を行った測定結果を収集し、該収集した各種の測定結果を解析するテレメータの親局であって、前記配信される各種のデータは前記解析の結果に基づいた放送文章データを含み、該放送文章データが前記文字データである、ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るテレメータによるデータ配信システムの実施例を示す。
親局(テレメータ親局)1と、少なくとも1つの子局2とが電話回線(公衆回線)などの通信回線6を介して接続されている。子局2は、テレメータ子局4と、同報装置3と、大気発生源や水質汚濁などの環境データ等を測定する各種の測定器51、52、53、・・・、5n、とより構成される。
【0015】
そして、各種の測定器51、52、53、・・・、5n、の測定結果を各々のテレメータ子局4が収集し、そしてテレメータ親局1が各テレメータ子局4より収集し、解析し、その結果、異常がある場合に、その旨の情報をテレメータ親局1から必要な子局2へ配信し、これを受信した子局2はその旨の情報に応じて必要な措置を行う。
ここで、その旨の情報に応じた必要な措置とは、同報装置3がその旨の情報を音声情報や画像情報として放送し、または、テレメータ子局2が環境データ改善のための操作が実行されて措置が完了した旨をテレメータ親局1へ送信し、または、これらの組合せなどを行うことである。
なお、親局(テレメータ親局)1と、子局2の詳細については後述する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態に係る親局側のハードブロック図の実施例を示す。
親局1は、モデムを含む送受信部21と、各種の測定データを記憶して解析するデータ収集サーバ23と、システム全体のデータの送受信に関するデータを記憶するメモリ24と、表示部26と、操作部25と、より構成され、また、時計部28やプリンタ27を外部接続、若しくは内部に備えた構成とし、これらの全体を制御する親局制御部22を備えている。
【0017】
送受信部21は、通信回線6を介して子局2と接続され、モデム機能を介してテレメータ子局4が収集した各種の測定データを収集し、データ収集サーバ23に蓄積記憶する。また、必要な場合に同報装置3に対して放送等の各種の指令を配信する。
メモリ24は、文章メモリテーブル241と、配信メモリテーブル242と、子局メモリテーブル243と、等の幾つかのメモリテーブルを有している。
なお、各メモリテーブル(241、242、243)の詳細については後述する。
【0018】
データ収集サーバ23は、メモリ機能とサーバ機能を有し、各種の測定データを蓄積記憶し、この蓄積記憶した測定データに基づいて各種の処理や演算等の解析を行う。
時計部28は、例えばFM電波等の時刻情報に基づいて時刻補正を行い、親局1と子局2とのシステム全体の実時間を管理する。
プリンタ27は、データ収集サーバ23やメモリ24に記憶された各種データを必要に応じてプリントアウトする。
これらの各種の動作は親局制御部22やデータ収集サーバ23のサーバ機能に基づいて、あらかじめプログラミングされた自動動作や、操作部25の操作入力による動作指令に基づいて為され、必要な場合は、表示部26に各種の表示が為される。
【0019】
図3は本発明の実施の形態に係る子局側のハードブロック図の実施例を示す。
テレメータ子局4は、モデムを含む送受信部41と、各種の測定器51、52、53、・・・、5n、とのインタフェースを行うデータ入出力部46と、各測定データを記憶するデータ収集メモリ43と、操作部45と、これらを制御する子局制御部42と、より構成される。
操作部45は、各測定器51、52、53、・・・、5n、の保守、調整や親局1への必要なデータ送信を操作入力により行うものである。
【0020】
同報装置3は、通信回線6を介して親局1から配信された音声情報や画像情報等の各種の情報を受信する受信部31と、これら各種の情報を音声信号や画像信号に変換して出力する変換制御部32と、変換された音声信号を音声出力するスピーカ37と、変換された画像信号を画像出力する表示部36と、メモリ34と、操作部35と、より構成される。
また、LED38は、放送や指令の情報の場合等、重要な情報、若しくは緊急の情報の場合等、設定に応じて受信した際に点灯し、注意喚起が促される機能となるものである。このような機能は、表示部36に割込み情報として重要な情報、若しくは緊急の情報である旨を表示させることでも代用できる。
【0021】
メモリ34は、文章メモリテーブル341と、受信メモリテーブル342と、等の幾つかのメモリテーブルを有している。
前記受信した音声情報や画像情報等の各種の情報は、受信メモリテーブル342に記憶され、また、直ぐに音声出力または画像出力が必要な放送や指令の情報の場合は、記憶と共に音声出力や画像出力が為される。
また、受信メモリテーブル342に記憶された情報は、操作部35の操作入力により必要な場合に出力することができる。
ここで、前記受信した音声情報について、変換制御部32で音声信号に変換する場合、受信したデータがテキストデータ等の文章データである場合には、文章メモリテーブル341を参照して音声信号に変換し、スピーカ37より音声出力が為される。
なお、各メモリテーブル(341、342)の詳細については後述する。
【0022】
図4は本発明の実施の形態に係る文章メモリテーブルの実施例を示す。この実施例では、親局1のメモリ24にある文章メモリテーブル241、及び、子局2の同報装置4のメモリ34にある文章メモリテーブル341、に同様なメモリテーブルを用いている。
この文章メモリテーブル241、341は、文節番号M41と、状態M42と、内容M43と、放送時間M44と、より構成される。
【0023】
例えば、文節番号M41「03」には、文節であることを示す状態M42「B」と、その文節の音声内容を示す内容M43「光化学スモッグ警報です。」と、その音声の出力時間を示す放送時間M44「5s(5秒)」が登録されている。
例えば、文節番号M41「30」には、文節であることを示す状態M42「B」と、その文節の音声内容を示す内容M43「**窓を閉めてください。」(*はスペース)と、その音声の出力時間を示す放送時間M44「4s(4秒)」が登録されている。
例えば、文節番号M41「51」には、繰り返し回数であることを示す状態M42「K」と、その繰り返しの回数を示す内容M43「3回」と、が登録されている。なお、放送時間M44はヌル(登録なし)である。
例えば、文節番号M41「90」には、一連の文節の組合せであることを示す状態M42「T」と、その一連の文節の組合せによる音声及び繰り返し回数の内容を示す内容M43「01、30、51」と、その音声の出力時間を示す放送時間M44「9s(9秒)×3(回)」が登録されている。
【0024】
本実施例により、各テレメータ子局4に接続された各種の測定器51、52、53、・・・、5n、の測定結果を、テレメータ親局1が各テレメータ子局4の各々より収集して解析し、解析の結果、異常がある場合に、自動的に必要な子局2へ必要な配信の形態(配信区分や放送区分)にて配信することができる。
【0025】
例えば、各テレメータ子局4に接続された各種の測定器51、52、53、・・・、5n、のうち、二酸化炭素濃度を測定する測定器の測定結果が、任意に設定された濃度の閾値以上の値となった場合に異常と判定する解析をプログラミングしておき、さらに、該異常である場合に、「警報」の放送を「一斉配信」として文節番号M41「90」を配信するように設定しておくことで、当該異常が発生した場合(測定結果の解析により異常の判定が為された場合)、自動的に「警報」の放送を「一斉配信」として配信を行うこととなる。
このような動作プログラミングをデータ収集サーバ23のメモリ機能とメモリ24の各メモリテーブルとリンクさせることで実行することができるものである。
【0026】
図5は本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の子局メモリテーブルの実施例を示す。この実施例では、親局1のメモリ24にある子局メモリテーブル243、に用いている。
この子局メモリテーブル243は、子局No(番号)M51と、グループNo(番号)M52と、子局位置M53と、測定器M54と、より構成される。
【0027】
例えば、子局番号M51「03−123−4567」は子局の同報装置に設定された電話番号であり、その子局が属する幾つかの子局のグループを示すグループ番号M52「0001」と、その子局が設置されている住所や場所等を示す子局位置M53「○○会社屋上」と、その子局に接続されている測定器50、51、52、・・・、5nをフラグ等の印(図面では丸印)で示した測定器M54と、が登録されている。
また、例えば、子局番号M51「03−987−6543」はグループ番号M52「0001」であり、子局番号M51「03−123−4567」と同じグループに属している。
【0028】
図6は本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の配信メモリテーブルの実施例を示す。この実施例では、親局1のメモリ24にある配信メモリテーブル242、に用いている。
この配信メモリテーブル242は、配信コードM61と、放送区分M62と、配信日時M63と、解除日時M64と、放送内容M65と、配信区分M66と、配信子局M67と、より構成される。
【0029】
例えば、配信コードM61「XYZ01」のコードが付されて親局1より子局2の同報装置3にデータが配信された場合、その配信は警報であることを示す放送区分M62「警報」と、その配信が為された日時を示す配信日時M63「030529PM0200(例えば03年5月29日午後2時0分を示す)」と、その配信が解除された場合にその解除した日時を示す解除日時M64「030529PM0253(例えば03年5月29日午後2時53分を示す)」と、その配信の内容をデータ化した放送内容M65「03、30、51」と、その配信が一斉配信か、グループ配信か、個別配信か、の何れかであることを示す配信区分M66「一斉」と、その配信がどの子局に対して行われたかを示す配信子局M67「ALL」と、により配信され、その配信に関する情報を記憶蓄積する。
【0030】
そして、この配信コードM61「XYZ01」の放送内容M65は前述した図4の文章メモリテーブル241を参照するので、「03、30、51」は「光化学スモッグ警報です。**窓を閉めてください。(3回繰り返し)」の旨の信号として、全子局(配信子局M67「ALL」)に対して警報(放送区分M62「警報」)の放送が一斉配信(配信区分M66「一斉」)されたものである。また、この警報は解除日時M64により、例えば03年5月29日午後2時53分に解除の旨の配信が為されたものである。
【0031】
図7は本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の表示部の表示画面の実施例を示す。この実施例は、親局1の表示部26に操作部25の操作に基づいて、文章メモリテーブル241と子局メモリテーブル243の必要なデータを読出し、編集を行い、編集したデータの配信を実行することで配信メモリテーブル242に書き込みが為される場合の表示画面例である。
【0032】
この表示画面例においては、文章メモリテーブル241の内容を表示する画面G72と、放送(指令)の文節を表示する画面G71と、この画面G71に基づいた放送(指令)内容を表示する画面G73と、前記画面G71に基づいた放送時間の合計値を表示する画面G74と、配信区分(一斉/グループ/個別、等)の設定を表示する画面G75と、放送区分(警報/注意報/予報、等)の設定を表示する画面G76と、等より画面の構成が為される。
【0033】
画面G72は文章メモリテーブル241の内容がスクロール表示され、任意の文節番号を順次選択することで、画面G71に入力表示が為され、画面G73にその内容が表示され、画面G74には放送時間の合計値が演算されて表示される。例えば、まず、文章メモリテーブル241の文節番号M41「03」を選択し、次に文節番号M41「30」を選択し、さらに次に文節番号M41「51」を選択することで、本実施例による表示画面が表示される。なお、画面G71は操作により直接入力しても良い。
【0034】
つぎに、画面G75の配信区分を選択する。一斉配信を選択する場合は全子局に対する配信であるが、グループ配信や個別配信を選択する場合、子局メモリテーブル243を読み出して表示し、必要なグループ番号M52や子局番号M51を選択して登録する。
なお、この子局メモリテーブル243の読み出し表示は、ウィンドウ表示やポップアップ表示等による。
【0035】
つぎに、画面G76の放送区分が選択される。この選択は、文節番号M41「03」を選択したことによる内容M43「光化学スモッグ警報です。」の内容に従って自動的に選択されるか、若しくは、操作者の入力操作でも良い。
そして、このように編集した表示画面に基づいて配信の実行を行うことで、放送内容のデータが、必要な子局へ配信され、且つ、配信メモリテーブル242へ蓄積記憶される。
【0036】
ここで、画面G73への入力操作により文章メモリテーブル241への登録更新を行うことができる。
例えば、内容M74に相当する任意の内容を画面G73に書き込み、状態M42を設定して登録実行を行うことで、文節番号M41に新たな文節番号が付与されて文章メモリテーブル241に登録更新される。
また、文章メモリテーブル241が登録更新された場合はその旨を一斉配信することことで、各子局2の同報装置3の文章メモリテーブル341を親局側と同様に登録更新することができる。
【0037】
図8は本発明の実施の形態に係る同報装置の受信メモリテーブルの実施例を示す。この実施例では、子局2の同報装置3のメモリ34にある受信メモリテーブル342、に用いている。
この受信メモリテーブル342は、配信コードM81と、放送区分M82と、受信日時M83と、解除/措置完了日時M84と、放送内容M85と、配信区分M86と、より構成される。
【0038】
このメモリテーブル構成は前述した図6の配信メモリテーブルとほぼ同様の構成となり、配信日時M63と受信日時M83、解除日時M64と解除/措置完了日時M84、配信子局M67に対応するテーブルが無い、の3点が相違する。
このうち、配信日時M63と受信日時M83、解除日時M64と解除/措置完了日時M84、の2点については、親局1が配信を開始した時間と子局2の同報装置3がその配信を受信した時間にずれが生じているためである。
そこで、この2点については、時間に関するデータを含めて親局1より配信することにより同一の配信日時M63と受信日時M83、同一の解除日時M64と解除/措置完了日時M84、とすることができる。
また、時間に関するデータを含めて親局1より配信することにより配信日時M63と受信日時M83を、配信コードM61とM81に代替することができる。
【0039】
なお、解除/措置完了日時M84については、親局1からの配信により解除の旨の信号を受信するまで放送区分M82に関する状態が継続するか、若しくは、放送内容M85の内容に従って必要な措置を実施した場合に措置完了の旨を操作部35(若しくは操作部45)より入力操作することとなる。
すなわち、受信された配信コードM81「XYZ01」の放送内容M85は前述した図4の文章メモリテーブル341を参照するので、「03、30、51」は「光化学スモッグ警報です。**窓を閉めてください。(3回繰り返し)」の旨の信号として、自分の子局を含めて全子局に対して警報の放送が一斉配信されたものであり、この警報に従って、当該子局2の同報装置3のスピーカ37より音声出力の放送が為され、当該子局2が位置する場所の窓を閉める等の必要な措置を行い、そして、措置完了の旨の入力操作を行うものである。
そして、解除の旨の信号を受信した場合には、窓を閉めるという措置が不要となり、解除/措置完了日時M84にその日時(解除の旨の信号を配信した日時、または、受信した日時)が記憶される。
【0040】
図9は本発明の実施の形態に係る同報装置の表示部の表示画面の実施例を示す。この実施例は、子局2の同報装置3の表示部36に、文章メモリテーブル341と受信メモリテーブル342の必要なデータが読出されて表示が為される場合の表示画面例である。
【0041】
まず、放送(指令)に関するデータの配信を受信した場合に、その放送のデータを受信メモリテーブル342に蓄積し、且つ、音声信号に変換されて音声出力が為される。
その際、音声出力と同時に表示部36へも放送内容を表示するように設定しておくことができる。この設定は、例えば放送区分M82「警報」の場合や、配信区分M86「一斉」の場合を強調的に表示させるなど任意に設定することができる。
また、操作部35の操作に基づいて、以前に受信した方法内容を表示し、例えば画面中の「再生(点線枠)」のポップアップ表示部分をクリックすることで、再放送の実行を行うように設定しておき、重要な放送などの任意の放送の音声出力を再度行うことができる。
【0042】
図10は本発明の実施の形態に係る配信データのデータフォーマットの実施例を示し、図10(a)は配信データその1、図10(b)は配信データその2、を示す。
これらの配信データフォーマットは、前述した図6の配信メモリテーブルのテーブル項目とリンクしており、配信データその1は、任意の放送や指令により配信され、この任意の放送や指令が解除されると配信データその2が配信されるものである。
【0043】
(a)配信データその1は、子局2(同報装置3)毎の電話番号毎、すなわち配信子局M67にて回線接続が為されると、配信コードM61、放送区分M62、配信日時M63、放送内容M65、配信区分M66、より構成されるデータフォーマットとして配信される。
また、(b)配信データその2は、子局2(同報装置3)毎の電話番号毎、すなわち配信子局M67にて回線接続が為されると、配信コードM61、フラグ等の解除信号の旨のデータ、解除日時M64、より構成されるデータフォーマットとして配信される。
なお、配信日時M63や解除日時M64は、配信を受信する子局(同報装置)毎に配信を開始した時間と受信した時間とのずれが生じる場合があるため、必要に応じて配信することとなる。
【0044】
前述した図10の配信データフォーマットを構成する手段が親局制御部22若しくはデータ収集サーバ23のサーバ機能に含まれており、データ収集サーバ23の各種測定結果の解析結果と文章メモリテーブル241と子局メモリテーブル243とをリンクすることで、配信データとすることができるものである。
このことは、前述した図6の配信メモリテーブルについて、この配信メモリテーブルが無い場合でも、本システムは上述した動作を実行することができることを示す。
若しくは、配信メモリテーブルには一斉配信や警報や異常データである場合の自動配信の場合の配信等の場合のみ蓄積記憶し、他の配信(例えばグループ配信や個別配信や編集して配信した場合等)は蓄積記憶しなくとも良いことを示す。
すなわち、親局1に配信メモリテーブルが無い(配信の記録を残さない)、若しくは一部の配信のみ記憶する場合においても、配信を受信した子局2側の受信メモリテーブルが配信(配信して受信した記録)を蓄積記憶しておくことができるために、配信メモリテーブルが必要無い、若しくは少ないメモリ容量で良いことを示す。
【0045】
ここで、前述した図5の子局メモリテーブルにおいて、子局番号M51にはあらかじめ優先順位を設定しておくことで、親局1からの一斉配信が行われる場合に、優先順位の順に従って各同報装置3への配信を順次行うこととなる。
また、この優先順位の設定をグループ番号M52毎に設定したり、同一のグループ番号を有するグループの先頭の子局番号M51を優先順位を高くする、といった設定とすることもできる。
【0046】
このように優先順位を設定することで、一斉配信またはグループ配信を行う場合に各同報装置3の電話番号(子局番号M51)に対しての回線接続が、優先順位の高い方から順番で行われることとなる。
さらにその際、何らかの理由(通話中や通信中、回線エラー、等)で回線が塞がっている場合、次の優先順位の電話番号に対して回線接続を行い、その後、優先順位を検索して優先順位の高い電話番号への回線接続が為される、すなわち、優先順位は高いが前回時点では回線が塞がっていた同報装置3に、再度、優先して配信を行う、といった一斉配信やグループ配信を行うことができる。
【0047】
以上、詳細に説明した本発明に係る実施例によれば、テレメータによるデータ配信システムは、例えば、親局(テレメータ親局)1と、複数の子局2とが通信回線6を介して接続されており、各子局2にはそれぞれテレメータ子局4と同報装置3が含まれ、また各テレメータ子局には、大気発生源や水質発生源などの環境データ等を測定する各種の測定器51、52、53、・・・、5n、が必要に応じて接続されている。
そして、各種の測定器51、52、53、・・・、5n、の測定結果を各テレメータ子局4がデータ収集メモリ43に記憶蓄積し、テレメータ親局1は各テレメータ子局4の各々のデータ収集メモリ43にアクセスして、各測定結果を収集して解析する。
そして、解析の結果、異常がある場合には、その異常の状態に基づいて、放送や指令等の配信を行う。
【0048】
この配信を行う際、異常である解析結果に基づいて自動で配信されるか、若しくは、親局の操作部25の操作入力に基づいて配信されるか、の「自動と手動による2通りの配信」がある。
また、配信を行う際、異常である解析結果によって、全子局に配信する一斉配信なのか、一部の区域に配信するグループ配信なのか、固有の子局のみの個別配信であるのか、の「配信区分による3通りの配信」がある。
またさらに、配信を行う際、異常である解析結果によって、放送や指令の重要度の高い警報の配信なのか、重要度が中程度の注意報の配信なのか、重要度の低い予報の配信であるのか、の「放送区分による3通りの配信」がある。
このような各種の配信の組合せによって、より有効な配信が為されることを上述の各実施例により開示している。
【0049】
図11は本発明の実施の形態に係るデータ配信システムの実施例を示す。
上述した詳細に説明した本発明に係る各実施例より、親局1と同報装置3との間のデータ配信に着目したデータ配信システムについて説明する。
親局1の配信機能に関するブロックとして、前述した図2のデータ収集サーバ23と操作部25の機能を有する放送(指令)入力手段113と、親局制御部22とデータ収集サーバ23のサーバの機能を有する編集手段112と、メモリ24と、モデムを含み送受信部21の送信機能である送信手段111と、より構成され、メモリ24は文章メモリテーブル241を有する。
【0050】
同報装置3の放送(指令)機能に関するブロックとして、モデムを含む受信部31と、メモリ34と、前述した図3の変換制御部32の文字データを音声データに変換する機能である変換手段114と、スピーカ37と、より構成され、メモリ34は文章メモリテーブル341と受信メモリテーブル342を有する。
【0051】
そして親局1と少なくとも1つの同報装置3は通信回線6を介して接続され、親局1の配信機能が配信する文章の内容を文章メモリテーブル241を参照して選択、入力して文字データとして編集し、これを配信する。
配信されたデータを受信した同報装置3は、この受信したデータを受信メモリテーブル342に記憶蓄積し、且つ、文字データを文章メモリテーブル341を参照して音声データに変換し、スピーカ37より放送、指令として音声出力する。
【0052】
ここで、配信の際の回線接続について詳述する。
送信手段111のモデム機能は、編集手段112から受け取った情報をもとに、送信先である同報装置3へ電話するためのコマンドを発行する。
同報装置3の受信部31のモデム機能がこれを受信し、回線接続完了の信号が返送されると、文章メモリテーブル241を参照して選択、入力して文字データとして編集したデータ(テキストデータ)を送信し、送信終了後、受信部31のモデム機能に対して回線切断コマンドを発行する。
回線切断後、次の送信先である同報装置3が存在するか否かをサーチし、未送信先が存在すれば、引き続き同様の回線接続の処理を行い、回線接続が為されると前記文字データとして編集したデータ(テキストデータ)を送信する。
以降、未送信先がなくなるこの動作を実行する。
【0053】
また、同報装置3の放送(指令)機能においては、受信部31で受信した電文(配信されて受信したデータ)を解析し、必要に応じて、受信した電文から放送(指令)の文章が含まれる部分を抽出し、文章メモリテーブル341を参照し、変換手段114にて合成音声などの音声信号に変換し、スピーカ37に出力する。本実施例により、音声信号を通信回線に出力することなく音声伝達を行うことができる。
【0054】
なお、同報装置3の放送(指令)機能としては、スピーカ37の出力のオン、オフを操作入力に基づいて、例えば、スピーカオン状態であれば、変換した音声信号を繰り返し出力する、といった動作を行うこともできる。
また、スピーカオフの操作入力が行われると、音声出力を停止し、再度スピーカオンの操作入力が行われると、最新に変換した音声信号(すなわち、最新に受信した放送、指令の文章)よりスピーカ出力を行う、という再放送等を行うことができる。
さらにまた、同報装置の入力操作により、音声出力のオンオフ操作を行うことで、放送や指令の音声出力と、親局からの配信を受信する動作とを同時に行うことができる。
【0055】
以上、詳細に説明したように本発明に係る実施例においては、測定データ等の各種のデータを収集し、収集した各種のデータに応じて各種の情報を配信するデータ配信システム及びテレメータシステムであって、各種の情報を効率良く配信することのできるテレメータシステム及びデータ配信システムを実現することができる。
【0056】
また、一般加入者電話回線等の回線交換によって相手先との接続を行う通信回線を経由した音声伝達手段において、複数の相手先に対して同一の音声信号による放送や指令を短時間で効率的に配信することができる。
これは、電文(送信されるデータ)中のテキストデータを合成音声等へ変換する機能を具備することによって、通信回線上を経由したテキスト形式の伝達内容を合成音声等による擬似音声で出力することで、音声信号そのものを送信するのに比べて短時間で送信を完了することができるものである。
そのため音声そのもの送受信する場合に比べて、通信回線を占有時間が短く時間課金制の回線料金を安価にすることができる。
【0057】
また、同報装置に親局と同等の文章ファイル(文章メモリテーブル)を保持し、且つ、配信されて受信したデータを記憶しておくことで、回線切断状態であっても、再度放送内容の確認や再放送(再指令)の音声出力を通信回線の再接続を行うことなくすることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、異常等の緊急連絡すべき情報の配信の際にその旨を音声情報により配信を行うような場合、電話回線等の通信回線を接続した状態の時間を短縮することができ、従って、接続時間による課金を少なくすることができ、さらに、音声情報による一斉配信を行う場合にも、全てのテレメータ子局装置に配信が為されるまでの時間を短縮することのできるテレメータによるデータ配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るテレメータによるデータ配信システムの実施例。
【図2】本発明の実施の形態に係る親局側のハードブロック図の実施例。
【図3】本発明の実施の形態に係る子局側のハードブロック図の実施例。
【図4】本発明の実施の形態に係る文章メモリテーブルの実施例。
【図5】本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の子局メモリテーブルの実施例。
【図6】本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の配信メモリテーブルの実施例。
【図7】本発明の実施の形態に係るテレメータ親局の表示部の表示画面の実施例。
【図8】本発明の実施の形態に係る同報装置の受信メモリテーブルの実施例。
【図9】本発明の実施の形態に係る同報装置の表示部の表示画面の実施例。
【図10】本発明の実施の形態に係る配信データのデータフォーマットの実施例を示し、(a)は配信データその1、(b)は配信データその2。
【図11】本発明の実施の形態に係るデータ配信システムの実施例。
【符号の説明】
1:親局(テレメータ親局)、2:子局、3:同報装置、4:テレメータ子局、51〜5n:測定器、6:通信回線、
21:送受信部(モデム)、22:親局制御部、23:データ収集サーバ、24:親局メモリ、25:操作部、26:表示部、27:プリンタ、28:時計部、241:文章メモリテーブル、242:配信メモリテーブル、243:子局メモリテーブル、
31:受信部(モデム)、32:変換制御部、34:メモリ、35:操作部、36:表示部、37:スピーカ、38:LED、341:文章メモリテーブル、342:受信メモリテーブル、
41:送受信部(モデム)、42:子局制御部、43:データ収集メモリ、45:操作部、46:データ入出力部、
111:送信手段、112:編集手段、113:放送(指令)入力手段、114:変換手段。
Claims (5)
- 親局と少なくとも1つの子局が通信回線を介して接続されたデータ配信システムであって、
前記親局は、前記少なくとも1つの子局の個別番号や位置情報を記憶する子局メモリテーブルと、
あらかじめ任意の文章を記憶した文章メモリテーブルと、
前記少なくとも1つの子局に配信する文章の内容を前記文章メモリテーブルを参照して配信データとして記憶する配信メモリテーブルと、
前記配信メモリテーブルに記憶した配信データを配信する手段とを有し、
該配信された配信データを受信した前記少なくとも1つの子局は、前記親局へ送信するデータを操作入力するための操作部と、
前記受信した配信データを記憶する受信メモリテーブルと、
前記親局の前記文章メモリテーブルと同等の文章を記憶した文章メモリテーブルと、
前記受信した配信データを前記親局と同等の文章を記憶した文章メモリテーブルを参照して音声データに変換する手段と、
該変換した音声データを音声出力する手段とを有し、
前記受信メモリテーブルに記憶されたデータは前記操作部の所定の操作に応じて出力されることを特徴とするデータ配信システム。 - 親局が少なくとも1つの子局より各種のデータを収集し、該収集した各種のデータに応じて各種の情報を通信回線を介して配信するテレメータによるデータ配信システムであって、
前記親局は、前記少なくとも1つの子局の個別番号や位置情報を記憶する子局メモリテーブルと、
あらかじめ任意の文章を記憶した文章メモリテーブルと、
前記少なくとも1つの子局に配信する文章の内容を前記文章メモリテーブルを参照して配信データとして記憶する配信メモリテーブルと、
前記配信メモリテーブルに記憶した配信データを配信する手段とを有し、
該配信された配信データを受信した前記少なくとも1つの子局は、前記親局へ送信するデータを操作入力するための操作部と、
前記受信した配信データを記憶する受信メモリテーブルと、
前記親局の前記文章メモリテーブルと同等の文章を記憶した文章メモリテーブルと、
前記受信した配信データを前記親局と同等の文章を記憶した文章メモリテーブルを参照して音声データに変換する手段と、
該変換した音声データを音声出力する手段とを有し、
前記受信メモリテーブルに記憶されたデータは前記操作部の所定の操作に応じて出力されることを特徴とするテレメータによるデータ配信システム。 - 前記少なくとも1つの子局は、各種のデータを収集するテレメータ子局と、前記親局からの配信を受信して音声出力を行う同報装置と、より構成されたことを特徴とする前記請求項2記載のテレメータによるデータ配信システム。
- 親局より通信回線を介して配信された各種のデータを受信し、該受信した各種のデータに基づいて放送を行う子局であって、
該子局は、前記親局へ送信するデータを操作入力するための操作部と、
前記受信した配信データを記憶する受信メモリテーブルと、
前記親局の前記文章メモリテーブルと同等の文章を記憶した文章メモリテーブルと、
前記受信した各種のデータを前記親局と同等の文章を記憶した文章メモリテーブルを参照して音声データに変換する手段と、
該変換した音声データを音声出力する手段とを有し、
前記受信メモリテーブルに記憶されたデータは前記操作部の所定の操作に応じて出力されることを特徴とするデータ配信システムの子局。 - 前記親局は、少なくとも1つの子局が各種の測定を行った測定結果を収集し、該収集した各種の測定結果を解析するテレメータの親局であって、
前記配信される各種のデータは前記解析の結果に基づいた放送文章データを含み、該放送文章データが前記文字データである、
ことを特徴とする前記請求項4記載のデータ配信システムの子局。
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