JP4296020B2 - 劣化触媒の再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、不飽和アルデヒドから不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に使用されるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒の成形体を、プラント運転の使用により劣化した劣化触媒を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒は、アクロレインあるいはメタクロレイン等の不飽和アルデヒドからそれぞれに対応するアクリル酸あるいはメタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に対して有用な触媒であり、工業的に用いられている。
【0003】
このような気相接触酸化反応に用いられる触媒は、プラント運転で比較的長時間使用され、触媒性能の劣化がある程度進行した時点で新しい触媒と交換されるが、従来、使用済みの触媒は、一部有用金属が回収される程度で、他は廃棄処分されるというのがほとんどである。
【0004】
ところで、これらの気相接触酸化反応に用いられるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒の性能劣化は、複合酸化物触媒の表面に炭素含有化合物が蓄積されることによる活性の低下とともに、モリブデンの昇華による活性成分の損失によって生じるものと考えられる。
【0005】
上記触媒の再生方法として、従来、特開平5−245382号公報、特許第2702864号公報、特許第2610090号公報、特開平6−233938号公報等に示されたものがある。
【0006】
例えば、特開平5−245382号公報では、アンチモン、鉄、ビスマス、モリブデン、バナジウム、タングステン及び/又はウラニュウムの中の少なくとも1つの元素と解膠可能な担体から成る失活した金属酸化物触媒の再生法として、劣化触媒を水の存在下で摺り潰し、担体を解膠する酸を加え、そのスラリーを噴霧乾燥して得られた流動性金属酸化物粒子を500〜800℃に加熱して再生する方法を提案している。この方法は磨耗及び破砕抵抗が高く、又、流動性が著しく優れている再生触媒を得るために、劣化触媒を水の存在下で摺り潰し、担体を解膠する酸を加える処方を採用している。しかしながら、このように劣化触媒を乾式で粒子化して成形工程で成形しその後焼成して劣化触媒を再生する場合、劣化触媒を水の存在下で摺り潰し、担体を解膠する酸を加える工程は不必要である。さらに劣化触媒を水の存在下で摺り潰し、担体を解膠する酸を加えることにより触媒構造が破壊し、成形工程を経て触媒を再生した場合、細孔径が小さくなる等触媒構造を復元できない。触媒細孔径が小さくなると、反応条件下で反応原料あるいは反応生成物の拡散が阻害されて転化率の低下あるいは逐次反応の進行による選択率の低下という弊害が生じると考えられる。
【0007】
また、特開平6−233938号公報には、使用前の新鮮な形態で、基本成分としてモリブデン、タングステン、バナジウム及び銅元素の酸化物を含有する触媒の再生方法が記載されている。その方法は、酸化剤又は酸化方法の作用及び酢酸及び/又はそのアンモニウム塩が添加されたアンモニア水溶液の溶解作用、その後の乾燥及びか焼により再生する方法であり、金属含有量がそれぞれ初期の値になるように補充するというものである。しかしながら、この方法では、触媒活性成分の再生に酸化処理工程やアンモニア水溶液による溶解工程が必要であり、再生処理が煩雑で工業的な実施にはあまり適当ではない。
【0008】
また、特許第2702864号公報や特許第2610090号公報には、触媒活性が低下したモリブデン−バナジウム系酸化触媒をおもに触媒を反応器に充填した状態で少なくとも3容量%の分子状酸素及び少なくとも0.1容量%の水蒸気を含有する混合ガスで260℃〜450℃の温度範囲で熱処理することで活性低下の一因である蓄積された炭素含有化合物を除去する再生方法が提案されている。しかしながら、この方法は、簡便であるが性能の回復効果としては十分でないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の課題は、不飽和アルデヒドから不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に使用されるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒について、プラント運転で使用した後の劣化触媒のより有効な再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、前記反応に用いるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒の成形体を、プラント運転での使用により劣化した劣化触媒を乾式で粉砕する粉砕工程、粉砕工程で得られた粉体を成形する成形工程、成形工程で得られた成形体を焼成する焼成工程を経て劣化触媒を再生する方法を見出したのである。
【0011】
さらに、成形工程の成形前に、粉砕工程で得られた粉体を、水性スラリー状にもどして再乾燥させてから、再生することにより、新触媒に相当する十分な性能を有することが可能であることを見出したのである。
【0012】
さらに、成形工程の成形前に、該複合酸化物触媒の前駆体を混合する方法や、二酸化ケイ素を添加することが再生触媒の強度を向上させるうえで効果があることを見出したのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をさらに詳しく説明する。この発明が対象にする劣化触媒は、アクロレインあるいはメタクロレイン等の不飽和アルデヒドからそれぞれに対応するアクリル酸あるいはメタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に使用されるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒についてプラント運転で使用した触媒であり、次の各工程を経て再生される。
【0014】
<粉砕工程>
再生効果を向上させるうえで、当該劣化触媒を一度粉砕する工程である。この工程の再生に及ぼす効果は明らかではないが、粒子間の組成の格差を均一にする効果と再生の際のモリブデン添加効果あるいは拡散効果を向上させ、より有効に再生することができるものと考えられる。粉砕方法としては、乾式で種々の方法をとることが可能であるが、粉砕後の平均粒子径として5μm〜100μm、より好ましくは10μm〜60μmである。ただし、最適粒子径は、その後の工程に依存するものであり、後工程で引き続き成形工程を行う場合、成形の際の粒子のハンドリングおもに流れ性をよくするために、あるいは触媒の2次構造を保持するためには、平均粒子径として20μm〜60μm程度がよく10μm未満の微粉が極力少ないことが好ましい。また、後工程で一度水性スラリーにもどしてから該スラリーを乾燥させた上で再生する方法をとる場合には、スラリー中の固形物の沈降を抑制するために、平均粒子径として10μm〜30μm程度がよく100μm以上の粗粉が極力少ないことが好ましい。
【0015】
<水性スラリー化工程>
この工程は、必要に応じて採用することが可能である。この工程の前には、スラリー化のために一度粉砕工程を経てから実施される。スラリー濃度については、特に制限はないが、高濃度すぎるとハンドリング性が悪化し、また低濃度すぎると乾燥工程でエネルギーコストがかかり経済性の悪化が考えられるため、通常はスラリー原料の粒子重量/スラリー重量として20重量%〜50重量%とすることが多い。またスラリーの分散性の向上あるいはスラリーを乾燥する際の粒子形状保持のために適宜有機結合剤を添加することが好ましい。有機結合剤としては種々のものがあるが、一般的に用いられるものはポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、あるいは各種セルロースなどである。有機結合剤の添加量としては粉砕粒子に対し0.5重量%〜5重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜3重量%である。これは、添加量が少なすぎる場合は、その添加効果が十分でなく、多すぎる場合は焼成工程において異常発熱を起こす恐れがあるためである。乾燥方法としては種々の方法をとることが可能であるが、一般的には乾燥時の前駆体粒子の均一性を高めるうえでスプレードライヤーなどによる噴霧乾燥法が採用される。
【0016】
<成形工程>
この工程は、再生触媒の前駆体粉末を成形する工程である。成形方法としては種々の方法が考えられ、打錠成形あるいは押し出し成形等があげられる。押し出し成形の際には、予め必要量の水を添加し、また必要に応じて成形助剤として有機結合剤を添加した上で成形を行ってもよい。打錠成形の際にも必要に応じ成形助剤として有機結合剤を添加してもよい。上記有機結合剤としては、種々のものがあげられるが、一般的には前述のようなポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、あるいは各種セルロースなどである。有機結合剤の添加量としては粉砕粒子に対し1重量%〜10重量%が好ましく、より好ましくは2重量%〜6重量%である。この有機結合剤の添加量が少なすぎる場合は、その添加効果が十分でなく、多すぎる場合は焼成工程において異常発熱を起こす恐れがある。
【0017】
<焼成工程>
再生効果を向上させるうえで、再生工程の最後に加熱処理する工程である。この工程の再生に及ぼす効果はあきらかではないが、反応の際に、蓄積された炭素含有化合物を燃焼除去する効果と触媒内のモリブデン成分を十分に熱拡散させる効果があるものと考えられる。焼成条件としては、5%以下の分子状酸素を含有する不活性ガス雰囲気下250℃〜450℃がよく、より好ましくは350℃〜400℃である。これは、焼成温度が低すぎる場合は、焼成による上記効果が十分でなく、高すぎる場合はモリブデン元素が昇華により失われる恐れがあるからである。また前工程で有機結合剤を添加する場合、この焼成工程において異常発熱をおこすことが考えられるため昇温の際は適宜より低温状態で保持するか、あるいは昇温速度を制御することが望ましい。なお、雰囲気ガス中の酸素の含有割合が5%を超えて多いと、再生された触媒の活性が不十分となることがある。酸素含有量は0%でもよいが、好ましいのは0.05%以上である。酸素含有量があまり少ないと、劣化触媒に付着した炭素含有化合物の除去が不十分となる恐れがある。より好ましい酸素含有量は、有機結合剤を用いない場合は0.1%〜2%、用いる場合は0.5%〜4.5%である。
【0018】
<触媒強度の向上>
焼成工程で得られた触媒の強度向上のため焼成工程前に複合酸化物触媒の前駆体を混合することが好ましい。触媒強度が向上する機構は明らかではないが、焼成工程で前駆体から複合酸化物触媒へ転化するときに触媒構造を強化させる効果があるものと考えられる。複合酸化物触媒の前駆体は複合酸化物触媒製造工程で得られた噴霧乾燥前の水性スラリー、噴霧乾燥粒子あるいは焼成前の成形体の粉砕粉体等、その製造方法、形態に依存しない。また複合酸化物触媒前駆体と劣化触媒の混合方法は種々の方法が考えられ、前駆体の形態が粉体である場合は成形工程の前に劣化触媒粉体と混合する方法あるいは水性スラリー化工程で混合する方法等が、また前駆体の形態が水性スラリーである場合は水性スラリー化工程でスラリー同士を混合する方法等が考えられる。混合する前駆体の量は特に制限はないが、触媒強度向上効果を得るためには再生触媒に対して20重量%以上の前駆体を含有するのが望ましい。
【0019】
また焼成工程で得られた触媒の強度向上のために水性スラリー化工程で二酸化ケイ素を添加することも好ましい。触媒強度が向上する機構は明らかではないが、二酸化ケイ素微粒子表面に存在するシラノール基の水素結合架橋のバインダー効果が触媒構造を強化させる効果があるものと考えられる。添加する二酸化ケイ素の量としては、再生触媒に対し0.5重量%〜10重量%であるが、より好ましくは3重量%〜6重量%である。二酸化ケイ素の添加量が少なすぎる場合は、その添加効果が十分でなく、多すぎる場合は二酸化ケイ素が触媒活性点を覆い触媒性能に影響を及ぼす恐れがある。
【0020】
【実施例】
<触媒性能試験>
触媒50mlを内径20mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付反応管に充填し、アクロレイン濃度4%、スチーム濃度46%、及び空気濃度50%の原料ガスを0℃基準の空間速度870/hにて通過させて、アクロレインの接触酸化反応を実施した。生成物の分析はガスクロマトグラフィー法により、常法に従って行った。
【0021】
<落下強度試験>
垂直に立てた内径25mm、長さ5mのステンレス鋼製パイプの上部から触媒100gを落下させ、厚さ2mmのステンレス鋼製の板で受け止めた後、目開き4mmの篩で割れた触媒を篩分し、篩上に残った触媒の重量を測定した。
【0022】
<未使用新触媒の調製>
塩基性炭酸ニッケル(NiC03−2Ni(0H)2−4H20)8.76kgを純水9Lに分散させる。これに二酸化ケイ素(商品名カープレックス#67)1.92kg及び三酸化アンチモン5.76kgを加えて十分に攪拌する。このスラリーを加熱濃縮乾燥し、得られた固体を800℃で3時間焼成する。これを粉砕して60メッシュ以下とする。これを粉体Aとする。回転攪拌翼付溶解糟中の純水9.1Lを80℃に加熱し、パラモリブデン酸アンモニウム2.4kg、メタバナジン酸アンモニウム323g、パラタングステン酸アンモニウム311g、及び硫酸銅192g及び上記で得た粉体Aの全量を順次攪拌しながら加える。これをスラリーBとする。この触媒成分を含むスラリーBを加熱乾燥し、粉体Cを得る。得られた粒子(粉体C)を回転式の打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を酸素ガス1%を含有する窒素ガス雰囲気下400℃/5時間焼成を行って、触媒とした。この触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0023】
<劣化触媒の作製>
上記未使用新触媒を内径25mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付反応管に充填し、アクロレイン濃度4%、スチーム濃度46%、及び空気濃度50%の原料ガスを0℃基準の空間速度870/hにて通過させて、アクロレインの接触酸化反応を反応浴温250℃にて2年間継続した。これにより反応管から触媒を抜き出し、使用済の劣化触媒とした。この使用済の劣化触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0024】
参考例1
上記劣化触媒1000gをハンマーミルにて乾式粉砕し、粉砕粒子を得た。この粉砕粒子の粒度分布をレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(セイシン企業(株)製、LMS−24)にて測定したところ、平均粒径は20μmであった。次に、この粉砕粒子300gを打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を、酸素ガス1%を含有する窒素ガス雰囲気下400℃/5時間焼成を行って、再生触媒とした。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0025】
<比較例1>
上記劣化触媒を酸素ガス1%を含有する窒素ガス雰囲気下400℃/5時間の焼成を行って再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0026】
実施例1
上記使用済の劣化触媒1000gをハンマーミルにて乾式粉砕し、粉砕粒子を得た。この粉砕粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒径10μmであった。次に、純水900mlにポリビニルアルコール5%水溶液160gを添加してから先に得た粉砕粒子800gを添加し、水性スラリーを得た。次に、この水性スラリーをスプレードライヤーにて出口温度130℃に制御して乾燥させた。この乾燥粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒子径は51μmであった。次にこの乾燥粒子300gを打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を、酸素ガス4%を含有する窒素ガス雰囲気下で400℃/4時間焼成を行って、再生触媒とした。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0027】
<比較例2>
5Lのボールミル容器に上記使用済の劣化触媒800g、直径10mmのアルミナ製ボール1000ml、純水900ml及びポリビニルアルコール5%水溶液160gを入れて85rpmで17時間容器を回転して劣化触媒を湿式粉砕し、目開き106μmの篩でボールを分離して水性スラリーを得た。この水性スラリー中の粉砕粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒径6μmであった。次に、この水性スラリーをスプレードライヤーにて出口温度130℃に制御して乾燥させた。この乾燥粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒子径は53μmであった。次にこの乾燥粒子300gを打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を、酸素ガス4%を含有する窒素ガス雰囲気下で400℃/5時間焼成を行って、再生触媒とした。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0028】
参考例2
上記使用済の劣化触媒1000gをハンマーミルにて乾式粉砕し、粉砕粒子を得た。この粉砕粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒径20μmであった。次にこの粉砕粒子210gと前記未使用触媒の調製で得られた粉体C90gとを十分に混合させた。次に、この混合粒子を打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を、酸素ガス4%を含有する窒素ガス雰囲気下で400℃/5時間焼成を行って、再生触媒とした。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0029】
参考例3
参考例2の劣化触媒粉砕粒子から150gを分取し、この粒子と前記未使用触媒の調製で得られた粉体C150gとを十分に混合させた以外は、参考例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0030】
参考例4
参考例2の劣化触媒粉砕粒子から90gを分取し、この粒子と前記未使用触媒の調製で得られた粉体C210gとを十分に混合させた以外は、参考例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0031】
参考例5
参考例2の劣化触媒粉砕粒子から30gを分取し、この粒子と前記未使用触媒の調製で得られた粉体C270gとを十分に混合させた以外は、参考例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0032】
実施例2
上記使用済の劣化触媒3000gをハンマーミルにて乾式粉砕し、粉砕粒子を得た。この粉砕粒子の粒度分布を参考例1と同様の方法で測定したところ、平均粒径10μmであった。次に、この粉砕粒子640gと未使用触媒160g相当の前記未使用触媒の調製スラリーBとを攪拌混合させ、混合後スラリー中の水分が900mlになるよう純水を添加して水性スラリーを得た。次に、この水性スラリーをスプレードライヤーにて出口温度130℃に制御して乾燥させた。次にこの乾燥粒子300gを打錠成形機にて径5mm、高さ4mmに成形した。最後に成形品を、酸素ガス4%を含有する窒素ガス雰囲気下で400℃/5時間焼成を行って、再生触媒とした。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0033】
実施例3
実施例2の劣化触媒粉砕粒子から400gを分取し、この粒子と未使用触媒400g相当の前記未使用触媒の調製スラリーBを攪拌混合させた以外は、実施例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0034】
実施例4
実施例2の劣化触媒粉砕粒子から240gを分取し、この粒子と未使用触媒560g相当の前記未使用触媒の調製スラリーBを攪拌混合させた以外は、実施例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0035】
実施例5
実施例2の劣化触媒粉砕粒子から80gを分取し、この粒子と未使用触媒720g相当の前記未使用触媒の調製スラリーBを攪拌混合させた以外は、実施例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0036】
実施例6
実施例2の劣化触媒粉砕粒子から640gを分取し、この粒子と未使用触媒160g相当の前記未使用触媒の調製スラリーBを攪拌混合させ、二酸化ケイ素24gを添加した以外は、実施例2と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0037】
実施例7
二酸化ケイ素の添加が48gであること以外は、実施例6と同様の方法で再生触媒を得た。この再生触媒を用いて触媒性能試験及び落下強度試験を実施したところ、表1に示す結果が得られた。
【0038】
表1は、反応浴温250℃における反応評価であり、アクロレイン転化率、アクリル酸選択率、アクリル酸収率の定義は、次のとおりである。
アクロレイン転化率(モル%)=(反応したアクロレインのモル数/供給したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸選択率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/反応したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/供給したアクロレインのモル数)×100
また、落下強度の定義は、次の通りである。
落下強度(%)=(篩上に残った触媒重量/落下させた触媒重量)×100
【0039】
【表1】
Figure 0004296020
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、不飽和アルデヒドから不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に使用されるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒について、プラント運転で使用した後の劣化触媒を新触媒と同等レベルの性能を有するまで、再生することができる。

Claims (7)

  1. 不飽和アルデヒドの気相接触酸化反応により不飽和カルボン酸を製造する工程に用いられるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒の成形体からなり、プラント運転の使用により劣化した劣化触媒を、乾式で粉砕する粉砕工程、この粉砕工程で得られた粉体を、水性媒体を用いてスラリー化する水性スラリー化工程、この水性スラリー化工程で得られたスラリーを乾燥して前駆体粉末を得る乾燥工程、この乾燥工程で得られた前駆体粉末を成形する成形工程、及びこの成形工程で得られた成形体を焼成する焼成工程を経て再生触媒を得る、劣化触媒の再生方法であり、
    上記水性スラリー化工程において、有機結合剤を添加する劣化触媒の再生方法。
  2. 上記有機結合剤の添加量は、上記水性スラリー化工程に供される粉体に対し、0.5重量%〜5重量%である請求項1記載の劣化触媒の再生方法。
  3. 不飽和アルデヒドの気相接触酸化反応により不飽和カルボン酸を製造する工程に用いられるモリブデン−バナジウム系複合酸化物触媒の成形体からなり、プラント運転の使用により劣化した劣化触媒を、乾式で粉砕する粉砕工程、この粉砕工程で得られた粉体を、水性媒体を用いてスラリー化する水性スラリー化工程、この水性スラリー化工程で得られたスラリーを乾燥して前駆体粉末を得る乾燥工程、この乾燥工程で得られた前駆体粉末を成形する成形工程、及びこの成形工程で得られた成形体を焼成する焼成工程を経て再生触媒を得る、劣化触媒の再生方法であり、
    上記水性スラリー化工程において、二酸化ケイ素を、得られる再生触媒に対して0.5重量%〜10重量%となるように添加する劣化触媒の再生方法。
  4. 上記焼成工程の焼成条件が、0.05%以上5%以下の分子状酸素を含む不活性ガス雰囲気下250℃〜450℃であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の劣化触媒の再生方法。
  5. 上記粉砕工程における粉砕後の平均粒子径が5μm〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の劣化触媒の再生方法。
  6. 上記粉砕工程における粉砕後の粉体の平均粒子径が5μm〜60μmであることを特徴とする請求項5に記載の劣化触媒の再生方法。
  7. 上記成形工程の成形前に、複合酸化物触媒の前駆体を添加することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の劣化触媒の再生方法。
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