JP4295466B2 - 固体電解質 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全固体型の各種二次電池、湿式太陽電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、エレクトロクロミック素子など各種の電気化学素子に適用可能な固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一次電池、二次電池などの各種の電気化学素子を作製する場合、2枚の電極の間に固体電解質を形成するためにプロピレンカーボネートなどの有機溶剤を主成分としたいわゆる電解液を使用することが知られているが、使用時に素子の破損により液が飛散したり、また使用中に液漏れが発生する場合があるなどの問題点があった。
これらの欠点を改良するものとして、高分子固体電解質などの固体電解質が提案され、近年、ポリフッ化ビニリデンを用いた高分子固体電解質が提案されている。例えば、特表平8−507407号公報にはポリフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体の事実上フィルムからなり、該フィルム内に中間沸点溶媒を用いたリチウム塩溶液を均一に含有するリチウムイオン電池用固体電解質が提案されている。しかし、このポリフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体中には、その製造条件によっては微量のフッ化水素が含まれていることがあり、これにより電気化学素子の耐久性に問題が生じることがあった。
【0003】
共重合体中に含まれるフッ化水素の除去法としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体をDMF、アセトンなどの良溶媒に溶解し、水やアルコールなどの溶媒中で再沈殿する方法があるが、非常に煩雑な操作を必要とし、工業的に実施するにはコストアップにつながることになる。
また、共重合体中に含まれる微量のフッ化水素を除去しないで素子に適用した場合は、各種二次電池、湿式太陽電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、エレクトロクロミック素子など耐久性を必要とする電気化学素子では、溶媒の加水分解を引き起こし、初期性能を維持することが難しくなる場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、その目的は、簡便な方法により電気化学素子を製造することが可能で、高いイオン伝導性を具備するとともに、素子の耐久性を向上させ、多くの用途に展開可能な固体電解質を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のような従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の固体電解質が上記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物からなる高分子マトリックス中に、支持電解質、有機溶媒および25℃、水溶液中での共役酸のpKaが5〜11の第3級アミン化合物を含有してなる固体電解質に関する。
本発明においては、前記第3級アミン化合物が、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、4,4’−ビピリジル、2,6−ルチジンおよびイソキノリンから選ばれる化合物であることが好ましい。
また本発明においては、前記有機溶媒がリン酸エステル系化合物あるいはリン酸エステル系化合物を含有する溶媒であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の固体電解質は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物からなる高分子マトリックス中に、支持電解質、有機溶媒および25℃、水溶液中での共役酸のpKaが5〜11の第3級アミン化合物を含有してなるものである。
【0007】
まず、本発明において高分子マトリックスとして使用するポリフッ化ビニリデン系高分子化合物について説明する。
本発明において高分子マトリックスとして使用するポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、あるいはフッ化ビニリデンと他の重合性モノマー、好適にはラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合させる他の重合性モノマー(以下、共重合性モノマーという。)としては、具体的には、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレンなどを例示することができる。
【0008】
これらの共重合性モノマーは、フッ化ビニリデン100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲で使用することができる。また、これらの共重合性モノマーを2種類以上添加することもできる。例えば、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+テトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+エチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+プロピレンなどの組み合わせで共重合させても良い。
【0009】
共重合性モノマーとしては、好適にはヘキサフロロプロピレンが用いられる。本発明においては、特にフッ化ビニリデンにヘキサフロロプロピレンを1〜25質量%共重合させたフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を高分子マトリックスとする固体電解質として好ましく用いることができる。また共重合比の異なる2種類以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して使用しても良い。
通常、これらのフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体は重合時のモノマーの分解等により、フッ化水素を含有する。水洗により大部分のフッ化水素は除去されるものの微量に残存し、通常、10〜100質量ppm程度、より典型的には数十ppmオーダーで含まれる。
【0010】
さらに、本発明においては高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から選ばれる高分子化合物を1種類以上混合して使用することもできる。ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に混合される他の高分子化合物は50質量%以下が好ましい。
【0011】
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の数平均分子量は、通常10,000〜2,000,000であり、好ましくは100,000〜1,000,000の範囲のものが好適に使用することができる。
【0012】
本発明において用いられる支持電解質としては、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類が使用できる。
塩類としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩;環状4級アンモニウム塩;4級ホスホニウム塩などが使用でき、特にLi塩が好ましい。
【0013】
塩類の具体例としては、ハロゲンイオン、SCN-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C25SO23-から選ばれる対アニオンを有するLi塩、Na塩、あるいはK塩が挙げられ、Li塩が特に好ましい。
【0014】
またハロゲンイオン、SCN-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C25SO23-から選ばれる対アニオンを有する4級アンモニウム塩、具体的には、(CH34NBF4、(C254NBF4、(n−C494NBF4、(C254NBr、(CH34NSO3CF3、(C254NSO3CF3、(n−C494NSO3CF3、(C254NClO4、(n−C494NClO4、CH3(C253NBF4、(CH32(C252NBF4、さらには
【0015】
【化1】
Figure 0004295466
【0016】
等が挙げられる。
またハロゲンイオン、SCN-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C25SO23-から選ばれる対アニオンを有するホスホニウム塩、具体的には、(CH34PBF4、(C254PBF4、(C374PBF4、(C494PBF4等が挙げられる。
また、これらの混合物も好適に用いることができる。
【0017】
支持電解質の使用量は任意であるが、通常、有機溶媒中に0.01M以上、好ましくは0.05M以上、さらに好ましくは0.1M以上存在していることが望ましく、一方、通常20M以下、好ましくは10M以下、さらに好ましくは5M以下であることが望ましい。
また固体電解質中には、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上含有することが好ましく、一方、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下であることが好ましい。
【0018】
次に、有機溶媒について説明する。
本発明において用いられる有機溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒を使用することができる。具体的には、リン酸エステル系化合物、無水酢酸、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、リン酸エステル系化合物、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、ポリエチレングリコール等が好ましい。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合しても使用しても良い。
【0019】
特に本発明において用いられる有機溶媒としては、リン酸エステル系化合物あるいはリン酸エステル系化合物を含有する溶媒が好ましい。リン酸エステル系化合物としては、具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルなどを挙げることができ、好ましくはリン酸トリエチル、リン酸トリメチルが好ましい。また、これらを2種類以上使用することもできる。
溶媒の使用量は特に制限はないが、通常、固体電解質中に20質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、かつ80質量%以下、好ましくは70質量%以下の量で含有させることができる。
【0020】
次に第3級アミン化合物について説明する。
本発明において用いられる第3級アミン化合物は、固体電解質においてプロトン受容体として働き、25℃、水溶液中での共役酸のpKaが5〜11の範囲にあるものである。かかる第3級アミン化合物としては、第3級アミン(RN)またはこれらの誘導体を例示することができる。また、これらのモノアミン類の他、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のポリアミンも用いることができる。前記Rとしては、各々個別に、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を表し、各々同一でも異なってもよい。かかる炭化水素基としては、鎖状、分岐状、環状、飽和、不飽和のいずれでもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基などを例示することができ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ナフチル基などを挙げることができる。
【0021】
具体的な化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、4,4’−ビピリジル、2,6−ルチジン、イソキノリンなどの第3級アミンが好ましい。
【0022】
第3級アミン化合物の量としては、特に限定されなく適宜選択されるところであるが、通常、固体電解質の全質量に対して1質量ppm以上が好ましく、さらに好ましくは10質量ppm以上、特に好ましくは50質量ppmである。一方、10000質量ppm以下が好ましく、さらに好ましくは5000質量ppm以下、特に好ましくは1000質量ppm以下である。
なお、固体電解質の使用条件によっては、第3級アミン化合物の量が1質量ppm未満のときは溶媒の加水分解を抑制する効果に劣る場合があり、10000質量ppmより多いとフッ化ビニリデン系高分子化合物の高温化での変性が生じる場合がある。
【0023】
本発明の固体電解質は、イオン伝導度が、通常室温で1×10-7S/cm以上、好ましくは1×10-6S/cm以上、さらに好ましくは1×10-5S/cm以上を示す。イオン伝導度は、複素インピーダンス法などの一般的な手法で求めることができる。
【0024】
次に本発明の固体電解質を製造する方法について説明する。
本発明の固体電解質は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物、支持電解質、有機溶媒および25℃、水溶液中での共役酸のpKaが5〜11の第3級アミン化合物を、公知の方法により所望の形状、例えばシートやフィルム状に形成することにより容易に得ることが出来る。この場合の方法としては特に限定されないが、好適にはキャスト法によりフィルム状態で得る方法を挙げることができる。
【0025】
キャスト法については、高分子マトリックスと電解液を混合し、さらに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、キャスト法に用いられる通常のコータにて塗布し、乾燥することで成膜することができる。コータとしては、ドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、グラビアコータ、スプレイコータ、カーテンコータを用いることができ、粘度および膜厚により使い分けることができる。塗工装置により、膜厚は調整でき、通常、25μm以上の膜厚とすることが好ましい。また、膜厚の上限は特に限定されなく、任意に選択されるところであるが、例えばキャスト法により製造する場合、通常500μm程度となる。また、固体電解質中の溶媒量としては前記乾燥条件を選択することにより適宜調整することができる。
【0026】
固体電解質を各種電気化学素子に適用する場合、素子の種類などにより固体電解質層の形状や厚さは、用途により適宜選択されて特に限定されないが、厚さについては通常1μm以上が好ましく、特に好ましくは10μm以上である。一方、3mm以下が好ましく、特に好ましくは1mm以下である。
【0027】
また、本発明の固体電解質については、腰のあるフィルムとすることが可能であり、その場合、通常、25℃におけるその引張弾性率が5×104N/m2以上、好ましくは1×105N/m2以上、最も好ましくは5×105N/m2以上である特性を有することが望ましい。なお、この引張弾性率は、通常用いられる引張り試験機で、2cm×5cmの短冊状サンプルによって測定を行った場合の値である。
【0028】
【発明の効果】
本発明の固体電解質は、全固体型の各種二次電池、湿式太陽電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、エレクトロクロミック素子などの電気化学素子の電解質として使用でき、特に固体電解質と電極との密着性が改善されているとともに、高いイオン伝導性、機械強度、経時安定性を有することから、より高性能な電気化学素子を簡便に製造することが可能でき、例えば、薄膜型二次電池、高エネルギー電池などの電解質として好適に用いることができる。また、本発明の固体電解質は電気化学素子に使用した場合でも、液漏れなどのトラブルの発生が無く、難燃性や耐久性にも優れるなどの特徴を有している。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
【0030】
[実施例1]
フィルム状固体電解質の作製
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2g、ピリジン50mgおよびLiBF40.3gを、リン酸トリエチル2gおよびアセトン6gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のアセトンを蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルが48.8%含まれることが判った。
この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は3×106N/m2であった。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、1×10-4S/cmの良好な数値を得た。
【0031】
耐久性試験
このフィルム状固体電解質を100℃のオーブン中に置き、1000時間後、フィルムをジメチルスルフォキシド−d6((CD32SO;重DMSO)に溶解し、NMRスペクトルを測定し、残留溶媒の加水分解を観察した。結果を表1に示した。表1より、固体電解質中に含まれる溶媒の加水分解が発生しておらず、耐久性に優れることが明らかである。
【0032】
[実施例2]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2801)2g、4,4’−ビピリジル50mgおよびリチウム トリフロロメタンスルフォンイミド(LiTFSI)0.5gを、リン酸トリエチル8gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを50質量%蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルが46.8%含まれることが判った。
この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は4×106N/m2であった。
またこの固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、2×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0033】
[実施例3]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751と2801の混合物、混合比1:1)2g、イソキノリン50mgおよびLiTFSI0.5gを、リン酸トリエチル8gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルが47.5%含まれることが判った。
この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は3×106N/m2であった。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、1.8×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0034】
[実施例4]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2g、イソキノリン50mgおよびLiSO3CF30.3gを、リン酸トリエチル8gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを蒸発させ、300μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は3×106N/m2であった。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルが45.3%含まれることが判った。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、1×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0035】
[実施例5]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2g、4,4’−ビピリジル50mgおよびLiSO3CF30.3gをリン酸トリエチル8gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを蒸発させ、300μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は5×106N/m2であった。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルが40.5%含まれることが判った。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、8×10-5S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0036】
[実施例6]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2g、4,4’−ビピリジル50mgおよびLiTFSI0.5gを、リン酸トリエチル6gとリン酸トリブチル2gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを30質量%蒸発させ、300μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は1×106N/m2であり、自立性があることが確認された。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルとリン酸トリブチルが48.9%(質量比1.0/0.9)含まれることが判った。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、1×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0037】
[実施例7]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2g、イソキノリン50mgおよびLiBF40.3gを、リン酸トリエチル8gとプロピレンカーボネート3gの混合溶液に加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして混合溶媒の50質量%を蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は3×106N/m2であり、自立性があることが確認された。
得られたフィルムの1H−NMRスペクトル測定の結果、フィルム中にリン酸トリエチルとプロピレンカーボネートが47.6%(質量比1.0/0.5)含まれることが判った。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、3×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。この固体電解質についても実施例1と同様に、耐久性に優れることが明らかである。
【0038】
[比較例1]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2751)2gとLiBF40.3gを、リン酸トリエチル2gおよびアセトン6gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のアセトンを蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は3×106N/m2であった。
この固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、1×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。表1から明らかなように、比較例1のフィルム状固体電解質中に含まれる溶媒の加水分解物量が多く、実施例1に比べて、耐久性に劣るものであった。
【0039】
[比較例2]
ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)(商品名:アトフィナ・ジャパン製KYNAR2801)2gとLiTFSI0.5gを、リン酸トリエチル8gに加熱溶解し、均一な溶液を得、室温に冷却した後ガラス基板上にドクターブレード法で塗布し、次いで加熱乾燥をして溶液中のリン酸トリエチルを50質量%蒸発させ、200μm厚の均一なフィルム状固体電解質を得た。この固体電解質はガラス基板から容易に剥離し、取り扱うことができ、引張弾性率は4×106N/m2であり、自立性があることが確認された。
またこの固体電解質を、複素インピーダンス法にてイオン伝導度測定したところ、2×10-4S/cmの良好な数値を得た。
このフィルム状固体電解質について実施例1と同様の耐久性試験を行った結果を表1に併記した。表1から明らかなように、比較例1のフィルム状固体電解質中に含まれる溶媒の加水分解物量が多く、実施例1に比べて、耐久性に劣るものであった。
【0040】
【表1】
Figure 0004295466

Claims (3)

  1. ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物からなる高分子マトリックス中に、支持電解質、有機溶媒および25℃、水溶液中での共役酸のpKaが5〜11の第3級アミン化合物を含有してなる固体電解質。
  2. 第3級アミン化合物が、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、4,4’−ビピリジル、2,6−ルチジンおよびイソキノリンから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 有機溶媒がリン酸エステル系化合物あるいはリン酸エステル系化合物を含有する溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
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