JP4295238B2 - 圧電音響発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動発生源としての圧電駆動体及び振動増幅器としての板状の弾性体を具備する圧電音響素子と、その圧電音響素子で発生・増幅させた振動をパネルに伝えそのパネルを音響発生源として利用する圧電音響発生装置に関する。
近年、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯情報端末)等の携帯電子機器において、小型化、軽量化が加速度的に進行しており、それらの発音源として好適な音響発生装置の登場が待たれている。そのような音響発生装置は、小型化、軽量化に適い、高い音響変換効率を実現し広い再生周波数帯域を有するものである必要があるが、従来より、そのような要求に応えるべく技術開発が進められ、提案がなされている。
例えば、特許文献1には、圧電素子(変換器、圧電バイモルフ)がパネル上の支柱に固定された構造の音響発生装置が記載されている(特許文献1のFig.1参照)。これは、自らは駆動力を有さず振動を発生しない小さな支柱部材を介して、パネル上に圧電素子を固定した構造を有し、圧電素子が振動発生源(駆動源)であり再生周波数特性を決定する振動板の機能を兼ねているものである。
又、特許文献2には、液晶表示装置とその保護パネルを有する機器に音圧を発生させる音響発生装置が記載されている。これは、液晶保護パネルの特定の箇所に固定した支柱上に、圧電バイモルフ素子と弾性体板とを一定の間隔を持って並行に配置したものであり、単独の圧電バイモルフ素子を振動発生源(駆動源)とした場合の周波数特性を改善するために、それ自身は駆動力を有さず振動を発生しない弾性体板を組み合わせて、平坦な周波数特性を実現しようとするものである。
更に、特許文献3には、携帯電話機等の表示面を覆う透明なパネルを振動させて音波を発生させるための圧電アクチュエータの構造が記載されている.これはパネル上に固定した板状の圧電振動板に衝撃吸収材を配設することにより、落下等の衝撃による破損を防止しようとするものである。
国際公開第01/54450号パンフレット 特開2005−26754号公報 特開2004−104327号公報
しかしながら、上記した従来の音響発生装置においては、圧電バイモルフ素子を弾性体板の機能を発現するものとして評価した場合、圧電バイモルフ素子を構成する圧電セラミックス材料は振動時のエネルギー損失が大きいため、音響発生効率が充分ではない、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、音響発生効率が高くエネルギー損失の小さな音響発生装置を提供することにある。研究が重ねられた結果、従来の音響発生装置のような、圧電バイモルフ素子が駆動源としてだけでなく音響発生の周波数特性を決定する弾性体板の役割を果たしている構造では、音響発生効率の向上に限界があると考えられた。そして、振動をパネルに伝えてパネルから音響を発生させる音響発生装置において、振動を発生させるための駆動源及び所望の周波数特性を実現するための振動板の機能を分離することにより、上記目的が達成されることが見出され、本発明が完成した。
先ず、本発明によれば、交互に積層された複数の圧電層と複数の電極層とで構成される柱状の圧電駆動体と、その圧電駆動体に一部分が固定され少なくとも一端が自由端である板状の弾性体(弾性体板ともいう)と、を具備する圧電音響素子が提供される。
本発明に係る圧電音響素子において、板状の弾性体は、少なくとも一端が自由端となるように支持されることから、それに用いられる材料は耐衝撃性が高いものであることが好ましく、具体的には、板状の弾性体に用いる好ましい材料として金属又は樹脂を示すことが出来る。
本発明に係る圧電音響素子における柱状の圧電駆動体は、電界誘起歪みに基づく圧電層の変位の繰り返しによって振動発生源となるものであり、板状の弾性体は、振動発生源の役割は有さず圧電駆動体によって加振されて専ら共振周波数を低くする又は周波数特性を平坦化する振動板としての役割を担うものである。
圧電駆動体(圧電層)の発現する変位は、電界誘起歪みの縦効果及び電界誘起歪みの横効果の何れでもよく限定されない。電界誘起歪みの縦効果とは、圧電層の分極方向と同じ方向に電界を加えたときに圧電駆動体(圧電層)も同じ方向に伸縮するように変形する現象をいい、電界誘起歪みの横効果とは、圧電層の分極方向と同じ方向に電界を加えたときに圧電駆動体(圧電層)がその方向とは垂直方向に伸縮するように変形する現象をいう。
又、本発明に係る圧電音響素子は、圧電と表現されているが、上記の如く電界によって誘起される歪みを利用する音響素子であって、狭義の意味での、印加電界に概ね比例した歪み量を発生する圧電効果を利用する音響素子に限定されず、印加電界の二乗に概ね比例した歪み量を発生する電歪効果、強誘電体材料全般にみられる分極反転、反強誘電体材料にみられる反強誘電相−強誘電相間の相転移、等の現象を利用する音響素子も含まれる。作製にあたり分極処理が行われるか否かについても、圧電音響素子の主構成要素である圧電層にかかる材料の性質に基づいて適宜決定される。尚、圧電層とは圧電材料(同様に狭義ではない)が層状をしたものをいう。
本発明に係る圧電音響素子は、限定されるものではないが、圧電駆動体にかかる複数の圧電層のそれぞれの厚さが、5〜200μmであることが好ましい。より好ましくは5〜100μmである。このように圧電層を薄くすることにより、一定の厚さ(高さ又は幅)で、圧電層をより多く(数十〜数百オーダーで)積層することが出来、例えば、トータルの厚さが同じで、1層の圧電層がより厚く、積層数がより少ない圧電駆動体と比較すると、同一駆動電圧でも電界強度が高くなり、相対的により大きな変位量と高い発生力を得ることが出来る。又、変位量と発生力が同じならば、より低い駆動電圧にすることが出来、省エネルギー化が図れる。圧電駆動体にかかる複数の圧電層の層数は、限定されるものではないが、2〜100層であることが好ましい。圧電音響素子として適用するに十分な発生力が得られるからである。
圧電駆動体にかかる複数の電極層の厚さは、限定されるものではなく用途に応じて適宜の厚さとされることとなるが、圧電層の表面に均一な電極層を形成することが可能な限りにおいて、10μm以下とすることが好ましい。より好ましくは5μm以下の厚さで形成する。10μmよりも厚くなると、電極自体の変形が困難となって、圧電駆動体としての変位(振動)が妨げられエネルギー損失が増大するおそれがあるからである。
本発明に係る圧電音響素子は、限定されるものではないが、少なくとも圧電駆動体が焼成一体化されて形成されることが好ましい。振動発生のために繰り返し変位を生じても圧電層と電極層との剥がれ等の構造的変化が生じ難く、長期の信頼性に優れ、振動発生源として安定した質の振動を板状の弾性体に伝え得て、その板状の弾性体のもたらす所望の周波数特性を安定して実現し得るからである。又、圧電駆動体の形状は、柱状である限りにおいて制限はなく、この圧電音響素子を利用する本発明に係る圧電音響発生装置におけるパネルとの関係において形状を定めればよい。好ましい形状として角柱状である直方体形が例示される。
本発明に係る圧電音響素子において、板状の弾性体の形状は、所望の(再生)周波数特性に基づき決定されるものであり、それ以外の条件で制限はなく、円形、楕円形、正方形等、あるいは非対称な形状であってもよいが、より好ましい形状は長方形である。又、板状の弾性体は、振動板としての機能を果たすために少なくとも一端が自由端であるように圧電駆動体に固定されるものであり、その限りにおいて板状の弾性体と柱状の圧電駆動体との接続態様は制限されず、例えば、板状の弾性体が長方形である場合に、その長手方向の一方の端において圧電駆動体に固定され、他方の端を自由端とする態様や、同じく板状の弾性体が長方形である場合に、その長手方向の中心において圧電駆動体に固定され、両方の端を自由端とする態様が示される。
本発明に係る圧電音響素子において、板状の弾性体の数は限定されず、1枚であっても2枚以上の複数であってもよい。2枚以上の場合には、特許文献1のFig.9及びFig.12aの如き態様をとることが出来る。
次に、本発明によれば、上記に記載の圧電音響素子と、その圧電音響素子の圧電駆動体を介して固定されたパネルと、を具備するとともに、圧電駆動体の複数の電極層に一層おきに接続された一対の信号入力部を備え、その信号入力部に電気信号が入力されることにより、パネルから音響を発生する圧電音響発生装置が提供される。
パネルは、本発明に係る圧電音響発生装置においては音響発生源の役割を担うものとして特定されるが、パネルの具体的態様は、この圧電音響発生装置を適用する(例えば)携帯電子機器の設計によって特定されるべきものである。通常、液晶画面を見ながら音声を聴くことが好ましいことからパネルとして液晶保護パネルを用いる態様が例示される。但し、限定されるものではなく、携帯電子機器の所定の場所に設けた、当該携帯電子機器のケースの一部等であってもよい。
本発明に係る圧電音響発生装置は、少なくとも一端が自由端になるように板状の弾性体の一部分が圧電駆動体に固定され、パネルが圧電駆動体を介して固定されていれば、具体的態様の制限はないが、好ましい態様として、板状の弾性体と(板状の)パネルとの支柱部分を圧電駆動体とするものを例示出来る。
本発明に係る圧電音響発生装置においては、一対の信号入力部に電気信号を入力するための配線パターンが、パネルに形成されていることが好ましい。
本発明に係る圧電音響素子は、柱状の圧電駆動体と板状の弾性体とを具備するものであり、圧電駆動体が振動発生源(駆動源)の機能を有し、一方、板状の弾性体は振動発生源の役割は有さず、一端が自由端であり専ら振動を増幅し周波数特性を平坦化する、又は低音域における音響特性を向上させる、等のための振動板としての役割を担う。本発明に係る圧電音響素子は、このように、振動発生機能部分と、所望の周波数特性を実現するための音響周波数特性形成機能部分と、を完全に分離することにより、エネルギー損失を抑え、高い音響発生効率を実現し得る。
本発明に係る圧電音響発生装置は、パネルが本発明に係る圧電音響素子の圧電駆動体を介して固定され、パネルから音響を発生するものである。板状の弾性体を振動発生源(駆動源)とせず、例えばパネルと板状の弾性体とを支柱で固定し、その支柱部分を、振動発生源である柱状の圧電駆動体とすることにより、圧電駆動体が発生させた微小な振動を、板状の弾性体で増幅するとともに、所望の音響周波数特性を実現出来る。小型で音響変換効率の高い音響発生装置を実現するためには、振動発生源で発生する振動の共振周波数が、再生周波数帯の比較的低音域に合致することが望ましいが、本発明に係る圧電音響発生装置は、このような周波数特性を実現し得るものである。又、本発明に係る圧電音響発生装置は、パネルから音響を発生するために入力する電気信号にかかる配線パターンが、パネル自体に形成されており、リード線等を用いていないので、リード線等を用いた場合に生じ得る振動エネルギーの損失及び圧電駆動体の振動特性への影響を抑制することが出来る。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
図1は、本発明に係る圧電音響素子を具備する本発明に係る圧電音響発生装置の一の実施形態を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1の一部(圧電駆動体)を拡大して示す部分拡大斜視図である。図1に示される圧電音響発生装置10は、角柱状の圧電駆動体20及びその圧電駆動体20の(図中における)上部で固定された(例えば)金属製の弾性体板11(板状の弾性体)からなる圧電音響素子17と、圧電駆動体20の(図中における)下部で固定された(例えば)アクリル製のパネル12とを備え、パネル12から音響18を発生する装置である。
長方形状の弾性体板11は、その概ね中心部分で圧電駆動体20により固定されており、その両端が自由端であり、容易に振動させ易くなっている。圧電音響発生装置10(圧電音響素子17)において、圧電駆動体20の(例えば)14層からなる電極層48,49に、一層おきに接続された一対の信号入力部としての共通電極78,79へ電気信号が入力されると、それに導通した対向する電極層48,49間に電圧が印加され電界が形成される。そして、電極層48,49で挟まれた圧電層44に、電界誘起歪みに基づく変位が生じ、この変位の繰り返しによって、圧電層44を積層してなる圧電駆動体20全体が振動を発生する。圧電層44の分極方向は積層方向と同じS1方向(図2参照)であり、それと同じ方向に電界を加えたときに、圧電駆動体20(圧電層44)もS1方向と同じS2方向に伸縮する。即ち、圧電駆動体20において、圧電層44の変位は、電界誘起歪みの縦効果に基づくものである。
弾性体板11は、自らは振動を発生させず、圧電駆動体20の起こす振動によって加振され、周波数特性を平坦化する等の役割を担う。圧電音響発生装置10では、共通電極78,79(一対の信号入力部)に電気信号を入力するための配線パターン21,22が、パネル12に形成されているから、圧電駆動体20自らが起こす振動及びそれによる弾性体板11の振動によって、電気信号にかかる配線部分の振動・揺れは生じない。
圧電音響発生装置10では、交互に積層された複数の圧電層44と複数の電極層48,49とで構成される柱状の圧電駆動体20は、焼成一体化されて形成されている。一方、圧電駆動体20の上部に金属板である弾性体板11を固定する手段、及び、圧電駆動体20の下部にアクリル板であるパネル12を固定する手段は、接着である。
次に、図3は、上記圧電音響発生装置10とは圧電音響素子の圧電駆動体のみが異なる態様の圧電音響発生装置における、その圧電駆動体を拡大して示す部分拡大斜視図である。この圧電音響発生装置において採用されている角柱状の圧電駆動体30において、(例えば)8層からなる電極層48,49に、一層おきに接続された一対の信号入力部としての共通電極78,79へ電気信号が入力されると、それに導通した対向する電極層48,49間に電圧が印加され電界が形成される。そして、圧電駆動体20と同様に、電極層48,49で挟まれた圧電層44に、電界誘起歪みに基づく変位が生じ、この変位の繰り返しによって、圧電層44を積層してなる圧電駆動体20全体が振動を発生する。圧電駆動体30では、圧電層44の分極方向は積層方向と同じS3方向(図3参照)であり、それと同じ方向に電界を加えたときに、圧電駆動体30(圧電層44)は、S3方向に直交するS4方向に伸縮する。即ち、圧電駆動体30において、圧電層44の変位は、電界誘起歪みの横効果に基づくものである。
次に、本発明の圧電音響素子及び圧電音響発生装置を製造する方法について説明する。先ず、板状の弾性体の製造方法について説明する。板状の弾性体は、その製造方法を限定せず、例えば市販の所望の厚さの金属板を打抜加工や切断加工、あるいはエッチング加工等で作製することが出来る。
次に、圧電駆動体の製造方法について説明する。複数の圧電層及び電極層からなる圧電駆動体は、公知の各種の膜形成法やシート積層法が適宜に採用され、圧電層及び電極層を順次形成し積層することにより作製出来る。膜形成法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布、電気泳動等の厚膜形成手法、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法が適宜に選択される。尚、共通電極の形成、及びパネル上への配線パターンの形成にも同様の手段が採用される。
特に、圧電層を形成するには、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布等による厚膜形成手法、又はドクターブレード法、リバースロールコーター法等のシート成形法が好適に採用される。
上記方法で形成された電極層及び圧電層は、それぞれの層の形成の都度、焼成(熱処理)を施してもよく、又、全ての層を形成し更に共通電極を形成した後に、同時に焼成して、各層が同時に一体化するようにしてもよい。このように形成された電極層及び圧電層を一体化するための焼成(熱処理)温度は、一般に800℃〜1400℃程度の温度が採用され、好ましくは900℃〜1200℃℃の範囲の温度が有利に選択される。又、圧電層を焼成する場合には、高温時に圧電層の組成が不安定とならないように、圧電層を形成する圧電材料の蒸発源とともに雰囲気制御を行ないながら、焼成することが好ましい。
このようにして得られた圧電駆動体に、接着剤を用いて板状の弾性体を固定すれば、本発明に係る圧電音響素子が得られる。接着剤は、熱可塑性、熱硬化性、合成ゴム系の何れでもよく使用雰囲気等に基づき選択出来る。例えば、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂を採用することが好ましい。
次に、パネルの製造方法について説明する。パネルは、その製造方法を限定せず、例えば市販の所望の厚さのガラス板、又はアクリル等の樹脂系材料からなる薄板、等を成形、打抜、切断加工により所定形状に加工することで作製することが出来る。
先に作製した圧電音響素子に、接着剤や接着テープを用いてパネルを固定し、導電材料を用いて圧電音響素子の圧電駆動体の共通電極に導通するようにパネル上に配線パターンを形成すれば、本発明に係る圧電音響発生装置が得られる。パネルを固定するための接着剤は、圧電駆動体と板状の弾性体との接着に用いたものと同様のものを採用出来る。
以上、製造方法について説明したが、続いて、以下に、本発明の圧電音響素子及び圧電音響発生装置に用いられる材料について説明する。先ず、板状の弾性体を形成する材料について説明する。弾性とは塑性に対する弾性を意味し、板状の弾性体の材料は、物体に外から力を加えれば変形しその力を取り除けば元の形に戻ろうとする性質を備えたものであれば限定されるものではない。例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属材料、アルミナやジルコニア等のセラミックス材料、ポリイミド等の樹脂材料が用いられる。より好ましいのは金属材料である。
次に、圧電駆動体を構成する圧電層及び電極層の材料について説明する。先ず、圧電層を形成する圧電材料としては、高い圧電定数、高い電気機械結合係数を有する材料が好ましく、具体的には、ジルコン酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、チタン酸ナトリウムビスマス、鉄酸ビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、銅タングステン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、あるいはこれらのうちの2種以上からなる複合酸化物を挙げることが出来る。
又、これらの圧電材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ、銅等の酸化物が固溶されていてもよい。
更に、上記した材料に、ビスマス酸リチウム、ゲルマン酸鉛等を添加した材料、例えばジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛の複合酸化物に、ビスマス酸リチウム乃至ゲルマン酸鉛を添加した材料を採用出来る。これらの材料は、その圧電層の低温焼成を実現しつつ高い材料特性を発現出来る。
次に、電極層を形成する材料は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、若しくはこれらの合金が用いられる。又、これらに圧電層あるいはシム板と同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよく、この場合は、5〜30体積%程度の割合で分散させることが好ましい。尚、配線パターンも同様の材料を選択することが出来る。
次に、パネルを形成する材料について説明する。パネルの材料は、音響を発生し得るものであれば限定されるものではない。例えば、アクリル、ABS、ポリカーボネート等の樹脂材料、燐酸−珪酸ガラス等のガラス材料、カーボン繊維材料、アルミニウム、ステンレス等の金属材料、等が用いられる。
本発明の圧電音響素子及びそれを利用した圧電音響発生装置は、ノート型パソコンや、電話・カメラ・GPS・ラジオ・テレビ等の機能を選択的に備えた携帯電子機器に組み込まれ、一般的なスピーカの代わりに使用される。例えば、携帯電子機器の液晶保護パネルを本発明に係る圧電音響発生装置におけるパネルとして採用し、本発明に係る圧電音響発生装置を携帯電子機器に組み込むことにより、液晶画面を保護するパネル自体から良質の音響を発生させることが出来る。
本発明に係る圧電音響発生装置の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1の一部(圧電駆動体)を拡大した部分拡大斜視図である。 本発明に係る圧電音響発生装置の他の実施形態を模式的に示す図であり、一部を拡大した部分拡大斜視図である。
符号の説明
10…圧電音響発生装置、11…弾性体板(板状の弾性体)、12…パネル、17…圧電音響素子、18…音響、20,30…圧電駆動体、21,22…配線パターン、44…圧電層、48,49…電極層、78,79…共通電極。

Claims (1)

  1. 交互に積層された複数の圧電層と複数の電極層とで構成される柱状の圧電駆動体と、その圧電駆動体に一部分が固定され少なくとも一端が自由端である板状の弾性体と、を具備し、その板状の弾性体が、前記柱状の圧電駆動体の一端面に備わり、前記板状の弾性体に用いる材料が、金属又は樹脂である圧電音響素子と、
    その圧電音響素子の前記圧電駆動体を介して固定されたパネルと、
    を具備するとともに、
    前記圧電駆動体の複数の電極層に一層おきに接続された一対の信号入力部を備え、その一対の信号入力部に前記電気信号を入力するための配線パターンが、前記パネルに形成され、
    前記信号入力部に電気信号が入力されることにより、前記圧電音響素子の柱状の圧電駆動体が伸縮し振動して、前記パネルから音響を発生する圧電音響発生装置。
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