JP4294797B2 - 圧縮気体の除湿装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤を用いて湿った圧縮気体を吸着除湿して乾燥する、圧縮気体の除湿装置に係わり、特に、吸着筒内を通過する圧縮気体もしくはパージ気体に対する整流構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の除湿装置においては、乾燥した気体、たとえば乾燥空気を連続して供給するため、活性アルミナ、シリカゲル、合成ゼオライトあるいは塩化リチウムなどの吸着剤を容器に充填した吸着筒が二基用意される。一方の吸着筒に湿った圧縮空気を導き吸着除湿して乾燥空気とし、所定の供給先に供給する。同時に、得られた乾燥空気の一部を他方の吸着筒に導き、前段階で吸湿して吸湿能力の低下した吸着剤から湿分を脱着し、この湿分を吸着筒からパージする再生をなす。
【0003】
このような一方の吸着筒における圧縮空気の乾燥と、他方の吸着筒における吸着剤の再生は同時に並行して行われるとともに、所定時間経過後に両吸着筒間に設けられた切換え弁を切換えて、連続的に乾燥空気を供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の装置において、吸着筒を除いて最も配置スペースをとるのは切換え弁である。すなわち、上記切換え弁は各吸着筒に亘る全長が必要であり、各吸着筒に対して湿った圧縮空気を導びくポートと、吸着筒から出たパージ空気を導びくポートを備えなければならない。
【0005】
はじめ、図8に二点鎖線で示すように、各吸着筒A,Bに亘って形成される切換え弁V0 は、各吸着筒A,Bと連通するポートa0 ,b0 を、各吸着筒A,Bの中心部oに対向して備えていた。このことから、切換え弁ポートa0 ,b0 から湿った圧縮空気が吸着筒A,Bの中央部oに対して導かれ、周部に向かって放射状に拡散される。その一方で、パージ空気が吸着筒A,B周部から中央部oに集中し、さらに各ポートa0 ,b0 に導かれることとなり、吸着剤が均一に作用をなして効率がよい。
【0006】
しかしながら、切換え弁V0 が必然的に大型化してしまい、装置の大型化に繋がることと、弁の駆動力が大きくなって、コストおよびランニングコストに悪影響を与えている。
【0007】
そこで、図8に実線で示すように、各吸着筒A,Bと連通するポートa1 ,b1 を互いの吸着筒A,B寄りの位置に変更した切換え弁V1 が用いられるようになった。したがって、可能な限り切換え弁V1 の小型化が図れるようになり、装置の小型化に結び付けられるとともに、コストおよびランニングコストの点で良好な結果が得られている。
【0008】
ところが、切換え弁ポートa1 ,b1 が各吸着筒A,Bの中心部oとずれた位置にあるところから、ポートa1 ,b1 に近い部位の吸着剤が偏重状態で作用をなし、ポートa1 ,b1 から遠い部位の吸着剤はさほど使われなくなって、寿命に差が生じてしまう。その結果、吸着筒A,Bに充填される吸着剤の量と比較して、限界に達する時期が早いものであった。
【0009】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、切換え手段の各吸着筒に連通するポートを互いの吸着筒寄りの位置にして小型化を確保したうえで、各吸着筒内の吸着剤を均一に作用させ、吸着能力の向上と長寿命化を得られ、信頼性の向上を図った圧縮気体の除湿装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明の圧縮気体の除湿装置は、吸着剤を充填する一対の吸着筒と、これら吸着筒に連通する連通路およびこの連通路に設けられる切換え手段を備え、湿った圧縮気体を一方の吸着筒へ導いて吸着除湿して乾燥させ、この乾燥気体の一部を他方の吸着筒に導いて前段階で吸湿能力が低下した吸着剤から湿分を脱着しかつパージする再生を並行して行い、両吸着筒の間で乾燥と再生を交互に切換えて連続的に乾燥気体を供給する装置において、各吸着筒の下部側に配置される上記切換え手段と、
この切換え手段から導かれた湿った圧縮気体を各吸着筒へ導く、もしくは各吸着筒を通過したパージ気体を切換え手段へ導く、各吸着筒の中心部とは外れた位置でかつ他方の吸着筒寄りの位置に開口される上記連通路と、
この連通路と各吸着筒下部との間に介在され、切換え手段から連通路を介して各吸着筒に導かれる湿った圧縮気体もしくは各吸着筒を通過し連通路を介して切換え手段に導かれるパージ気体を、吸着筒の中央部に対して集流案内する通気孔を有する整流手段とを具備し、
上記整流手段における通気孔の開口面積は、湿った圧縮気体を導入案内するための導入口と得られた乾燥気体を給出案内するための給出口にそれぞれ接続される配管の断面積以上である。
【0013】
このような課題を解決する手段を採用することにより、切換え手段の各吸着筒に連通するポートを互いの吸着筒寄りの位置から変更することがなく、各吸着筒内の吸着剤を均一に作用させて吸着能力の向上と長寿命化を得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1に、圧縮気体の除湿装置の外観を斜視図として示す。この除湿装置は、下部側の架台1と、この架台1の一側部上に取付けられる電気部品箱2と、架台1の他側部上に取付けられる2基の吸着筒(説明の都合上、以下、図の左側吸着筒をA筒と呼び、図の右側吸着筒をB筒と呼ぶ)3,4と、これらA,B筒3,4の上端部に亘って載設されるアウトレットヘッド5、およびA,B筒下端部に亘って取付けられるここではインレットヘッド15とから構成される。
【0015】
このアウトレットヘッド5は、複数本の支柱ボルト6…とナット7…を介して架台1に取付け固定され、上記インレットヘッド15は、上記架台1に取付けられる蓋板8によって遮蔽されている。上記アウトレットヘッド5の一側面には、装置内で吸着乾燥した気体を所定の供給先に給出案内するための給出口9が設けられ、かつ架台1の一側面には湿った圧縮気体を装置内へ導入案内するための導入口10が開口される。
【0016】
また、アウトレットヘッド5の中央部には湿度インジケータ11が設けられ、さらにA,B両筒3,4上端部と互いに連通するパージオリフィス12が設けられている。このパージオリフィス12とは反対側の側部に、後述するパージ弁を接続するための一対の接続口体13が設けられている。
【0017】
図2と、図3は、同じ除湿装置の断面を概略的に示しており、互いに作用が異なる状態である。上記A,B筒3,4は、上下端面が開口する筒体からなっていて、上端開口部はアウトレットヘッド5下面に設けられた凹部5aに挿嵌され、下端開口部は先に述べたインレットヘッド15上面に設けられた凹部15aに挿嵌される。
【0018】
そして、各A,B筒3,4の上端開口と下端開口からそれぞれ所定間隔を存した位置に多孔板16が設けられていて、これら多孔板16間に吸着剤17が充填される。吸着剤17として、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトなどが用いられる。
【0019】
特に、下部側の多孔板16と各A,B筒3,4下端開口との間には、後述する整流手段である整流板40が介在される。この整流板40は、上記多孔板16とは所定の間隙を存し、かつ互いに並行しており、A,B各筒3,4内径に適宜な手段を持って取付けられている。
【0020】
また、整流板40はA,B各筒3,4が載るインレットヘッド15の凹部15a面とも所定の間隔を存するように取付けられる。したがって、整流板40の周端部に多孔板16と凹部15a面と間隙を存するための図示しないスペーサを介在するとよい。
【0021】
それぞれの整流板40の中央部には、ここでは丸孔からなる通気孔40aが設けられる。これら通気孔40aの開口面積は、導入口10と給出口9に接続される入り口または出口配管の断面積以上となるよう設計されている。
【0022】
一方、上記アウトレットヘッド5における各A,B筒3,4中央部と対向する位置に逆止弁18A,18Bを収容する弁室19が形成される。これら逆止弁18A,18Bは、下部側である筒3,4内から上方への気体の流れを許容し、上部から筒3,4内である下方への気体の流れを阻止するものである。
【0023】
さらに、アウトレットヘッド5には、上記給出口9と、各弁室19とを連通する給出路20が設けられていて、逆止弁18A,18Bを開放して弁室19を出た気体を給出口9へ導くようになっている。なお、この給出路20には上記湿度インジケータ11と連通する分岐路21が分岐して設けられている。
【0024】
各弁室19の周囲でA,B両筒3,4が挿嵌される範囲内は凹陥形成されていて、先に説明したパージオリフィス(ここではアウトレットヘッド5に設けられるよう描いている)12と連通するパージ室22となっている。
【0025】
上記給出路20における給出口9とは反対側の端部は閉塞されていて、湿度センサ23が給出路20に突出して取付けられている。図2のみ示すように、上記電気部品箱2内に制御回路25が収容されていて、上記湿度センサ23と電気的に接続される。湿度センサ23は、給出路20における乾燥空気の湿度を検知して、その検知信号を制御回路25へ送るようになっている。
【0026】
上記インレットヘッド15の下面には切換え手段である切換え弁26が取付けられている。インレットヘッド15の一側部には上記導入口10が設けられ、他側部にはパージ弁27とサイレンサ28が直列に接続される。
【0027】
上記切換え弁26は、A,B両筒3,4の下方部位にあって、図の左側から右側へ、第1のポートa,第2のポートb,第3のポートc,第4のポートd,第5のポートeが順次設けられていて、弁体fが移動することにより各ポートa〜e相互の連通切換えがなされる。上記弁体fはソレノイド26Sによって駆動される。このソレノイド26Sは上記制御回路25と電気的に接続されていて、駆動制御されるようになっている。
【0028】
上記インレットヘッド15には、導入口10と切換え弁26の第3のポートcとを連通する導入路30と、A筒3の下部開口端と第2のポートbとを連通するA筒連通路31と、B筒4の下部開口端と第4のポートdとを連通するB筒連通路32と、第1のポートaと第5のポートeとを連通する逆U字状のポート連通路33および、このポート連通路33の中途部から分岐して上記パージ弁27に連通するパージ分岐路34が設けられている。A筒3の下部開口端と第2のポートbとを連通するA筒連通路31と、B筒4の下部開口端と第4のポートdとを連通するB筒連通路32は、それぞれ各筒3,4寄りの位置に開口している。
【0029】
図4に、概略の平面視で示すように、A,B筒3,4が所定間隔を存して並置され、先に説明した整流板40は各筒3,4内を閉塞するよう嵌め込まれて、この中央部にはハッチングで示す通気孔40aが設けられている。
【0030】
これに対して、上記切換え弁26は破線で示す平面形状をなし、この第2のポートbと連通する上記A筒連通路31の開口端は、A筒3における整流板40の通気孔40aよりB筒4寄りの位置にある。同様に、切換え弁26の第4のポートdと連通するB筒連通路32の開口端は、B筒4における整流板40の通気孔40aよりA筒3寄りの位置にある。
【0031】
一方、上記パージ弁27は、通常構成の電磁開閉弁であって、上記制御回路25と電気的に接続される。この制御回路25からの制御信号に応じて開閉し、パージ分岐路34から導かれるパージ気体の導通もしくは遮断をなす。ここから導出されるパージ気体はサイレンサ28に導かれて消音されたあと、外部へ放出されるようになっている。
【0032】
上記制御回路25は、上記湿度センサ23からの検知信号を受けて露点温度(圧力下露点)に換算する回路と、この露点温度と予め記憶された設定露点温度(圧力下露点)とを比較する回路、およびこの比較結果にもとづいて切換え弁26の切換え制御と、パージ弁27の開閉制御をなす回路とを備えている。
【0033】
なお、上記給出口9は上記給出路20の左側端部に設けられるのに対して、上記湿度センサ23は右側端部に取付けられる。すなわち、給出路20の一端側に給出口9が設けられ、他端側に湿度センサ23が取付けられる。
【0034】
このように構成される除湿装置であって、以下に述べるような作用をなす。なお、圧縮気体として圧縮空気を適用して説明する。
【0035】
切換え弁26の弁体fが図2に示す位置にあるとき、装置へ供給される湿った圧縮空気はインレットヘッド15の導入口10から導入路30を介して切換え弁26の第3のポートc、第4のポートdおよびB筒連通路32から整流板40の通気孔40aを介してB筒4内へ導かれる。
【0036】
B筒連通路32はB筒4の中心部から外れた位置に開口しているが、多孔板16と間隙を存して配置される整流板40は、その通気孔40aがB筒4の中心部に対向して開口しているので、湿った圧縮空気はB筒4の中心部に対して集流案内される。
【0037】
湿った圧縮空気は整流板40の通気孔40aを出た直後で多孔板16に至るまでの間に、周辺に向かって放射状に拡散する。そのまま、多孔板16からB筒4内に導かれ、よって筒4内の吸着剤17に対して均一に接触する。この状態を保持してB筒4内を上昇通過し、吸着剤17によって吸着除湿され乾燥化する、乾燥工程が行われる。
【0038】
このように、B筒4下部に、中心部に通気孔40aを有する上記整流板40を下部多孔板16と凹部15aとの間に介在配置したことから、B筒連通路32の位置がB筒4中心からずれているが、吸着剤17は充填部位に係わりなく均一に吸着作用をなし、吸着ムラがなく、高い吸着能力が得られる。
【0039】
乾燥した空気は、B筒4上部の多孔板16を介して上端開口に上昇し、さらに上部の逆止弁18Bを押し上げてアウトレットヘッド5の給出路20に導かれ、給出口9から所定の供給先に給出される。
【0040】
B筒4上端開口部から出た乾燥空気の一部はパージ室22に導かれ、パージオリフィス12によって流量を絞られてから、A筒3上部のパージ室22を介してA筒3内に案内される。そして、ここに充填される吸着剤17を通過して、前段階の乾燥工程において吸着剤17が吸着した湿分を脱着する。
【0041】
この湿分を脱着した空気であるパージ空気は、A筒3下端部において整流板40の通気孔40aを通過する。ここでもパージ空気は整流板40によってA筒3の中心部に対して集流案内される。
【0042】
すなわち、A筒3内を通過するパージ空気は整流板40の存在によりA筒3内を均一状態で導かれることとなり、吸着剤17は充填部位に係わりなく均一に脱着して、高いパージ効率が得られる。
【0043】
パージ空気が整流板通気孔40aから出たあと、A筒3中心からずれた位置にあるA筒連通路31に導かれ、第2のポートb、第1のポートaを経てポート連通路33に導かれる。第5のポートeが閉塞状態にあるところから、パージ空気はポート連通路33からパージ分岐路34に導かれる。
【0044】
パージ弁27が閉成状態にあるとき、パージ空気はここで遮断され、したがってA筒3内が圧力上昇する昇圧工程となす。パージ弁27が開放状態にあるとき、パージ空気はパージ弁27を通過してサイレンサ28に導かれ、ここで消音されてから外部へ放出される再生工程となす。
【0045】
切換え弁26の弁体fが図3に示す位置にあるとき、装置へ供給される湿った圧縮空気は、インレットヘッド15の導入口10から導入路30を介して切換え弁26の第3のポートc、第2のポートb、A筒連通路31および整流板40の通気孔40aと多孔板16を介してA筒3内へ導かれる。
【0046】
上記整流板40を備えたことにより、湿った圧縮空気はA筒3内に均等に拡散して導かれ、ここに充填される吸着剤17は充填部位に係わらず均一な吸着除湿作用をなし、乾燥化する乾燥工程となる。
【0047】
そして、上部の逆止弁18Aを押し上げてアウトレットヘッド5の給出路20に導かれ、給出口9から所定の供給先に給出される。乾燥空気の一部はパージ室22に導かれ、パージオリフィス12によって流量を絞られて、B筒4上部のパージ室22を介してB筒4内に案内される。
【0048】
さらに、B筒4内に充填される吸着剤17を通過して、前段階の乾燥工程において吸着剤17が吸着した湿分を脱着する。湿分を脱着した空気であるパージ空気は、B筒4を出たあと整流板40の通気孔40aを通過する。
【0049】
このときも、整流板40によってB筒4の中央部に対して集流案内されるところから、B筒4内の吸着剤17は充填部位に係わらず均一に作用して効率よく脱着される。
【0050】
パージ空気は整流板通気孔40aを出たあと、B筒連通路32から第4のポートdを介して第5のポートeから導出され、さらにポート連通路33に導かれる。第1のポートaが閉塞状態にあるところから、パージ空気はポート連通路33からパージ分岐路34に導かれる。
【0051】
パージ弁27が閉成状態にあるとき、パージ空気はここで遮断され、B筒4内が圧力上昇する昇圧工程となす。パージ弁27が開放状態にあるとき、パージ空気はパージ弁27を通過してサイレンサ28に導かれ、ここで消音されてから外部へ放出される再生工程となす。
【0052】
なお、上記整流板40の通気孔40a面積を、導入口10と給出口9に接続される入り口配管および出口配管の断面積よりも大としたから、通気孔40aが圧縮空気もしくはパージ空気の流通抵抗にならずにすむ。
【0053】
図5は、第2の実施の形態を示す。整流板40Aには、中央部に小径の通気孔40bが設けられ、この通気孔40bを基準として、同一径上に、かつ互いに等間隔で同直径の複数の通気孔40c…が設けられている。整流板40Aは、先に説明したものと同様、A,B筒3,4下部の多孔板16と凹部15a面との間に介在配置される。
【0054】
A,B筒連通路31,32の位置がA,B筒3,4の中心部からずれているが、整流板40Aにおける中央部の通気孔40bが湿った圧縮空気もしくはパージ空気をA,B筒3,4の中央部に対して集流案内する。そのうえで、周囲の複数の通気孔40c…がA,B筒3,4周辺に均等に導くこととなり、吸着剤は充填部位に係わらず均一作用をなす。
【0055】
当然ながら、上記整流板40Aの通気孔40b、40cの合計面積が、導入口10と給出口9に接続される入り口配管および出口配管の断面積よりも大となるから、これら通気孔40b,40cが圧縮空気もしくはパージ空気の流通抵抗にならずにすむ。
【0056】
図6は、第3の実施の形態を示す。すなわち、A,B各筒3,4の下部に先に説明した整流板40を配置したうえで、たとえばB筒4の上部(A筒3上部に備えてもよい)に第1の実施の形態の整流板40もしくは、第2の実施の形態の整流板40Aが設けられる。
【0057】
上部の整流板40,40Aは、上部の多孔板16とアウトレットヘッド5の凹部5a面との間に介在配置される。これらの間隙を保持するために、図示しないスペーサを用いるとよい。
【0058】
上部整流板40,40Aにおいては、B筒4で吸着除湿された乾燥空気もしくはB筒4に導かれるパージ空気を、B筒4の中央部に対して集流案内し、吸着剤17の均一な吸着作用を得る。
【0059】
また、A筒3の内部には、上下方向のほぼ中央部に、筒3内を上下に仕切るようにして、たとえば、図7に第4の実施の形態として示す整流板40Bが嵌め込まれる。この整流板40Bは、B筒3内に配置してもよい。
【0060】
上記整流板40Bは、中央部に円形の通気孔40bが設けられ、さらにこの周囲に放射状に複数の矩形状孔部40d…が設けられる。孔部40dを形成する切起し片40eは上面側と下面側に突出しており、筒3内において端縁に多孔板が接触配置される。
【0061】
したがって、整流板40Bの上面と下面には空間が形成されることになり、A筒3内を通過する圧縮空気もしくはパージ空気を筒3中央部に対して集流案内し、吸着剤17の均一作用が得られる。
【0062】
なお、上述の実施の形態では二基の吸着筒3,4を備えたが、これに限定されるものではなく、複数対の吸着筒を備えて、一方側と他方側を直列に連通する除湿装置にも適用できる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも各吸着筒下部と切換え手段との間に圧縮気体もしくはパージ気体を吸着筒の中央部に対して集流案内する整流手段を備えたから、切換え手段の各吸着筒に連通するポートを互いの吸着筒寄りの位置にして切換え手段および装置自体の小型化を確保したうえで、各吸着筒内の吸着剤を均一に作用させ、吸着能力の向上と長寿命化を得られ、信頼性の向上を図れるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す、除湿装置の外観斜視図。
【図2】同実施の形態を示す、除湿装置の概略の断面図。
【図3】同実施の形態を示す、除湿装置の概略の断面図で、図2とは異なる工程を説明する図。
【図4】同実施の形態を示す、吸着筒と整流板および切換え弁に連通するポートの配置関係を説明する平面図。
【図5】第2の実施の形態を示す、整流板の平面図。
【図6】第3の実施の形態を示す、除湿装置の概略の断面図。
【図7】第4の実施の形態を示す、整流板の平面図と、b−b断面図。
【図8】従来の、吸着筒と切換え弁に連通するポートの配置関係を説明する平面図。
【符号の説明】
17…吸着剤、
3…吸着筒(A筒)、
4…吸着筒(B筒)、
26…切換え弁(切換え手段)、
40,40A,40B…整流板(整流手段)。
Claims (1)
- 吸着剤を充填する一対の吸着筒と、これら吸着筒に連通する連通路およびこの連通路に設けられる切換え手段を備え、湿った圧縮気体を一方の吸着筒へ導いて吸着除湿して乾燥させ、この乾燥気体の一部を他方の吸着筒に導いて前段階で吸湿能力が低下した吸着剤から湿分を脱着しかつパージする再生を並行して行い、両吸着筒の間で乾燥と再生を交互に切換えて連続的に乾燥気体を供給する圧縮気体の除湿装置において、
各吸着筒の下部側に配置される上記切換え手段と、
この切換え手段から導かれた湿った圧縮気体を各吸着筒へ導く、もしくは各吸着筒を通過したパージ気体を切換え手段へ導く、各吸着筒の中心部とは外れた位置で、かつ他方の吸着筒寄りの位置に開口される上記連通路と、
この連通路と各吸着筒下部との間に介在され、上記切換え手段から連通路を介して各吸着筒に導かれる湿った圧縮気体もしくは各吸着筒を通過し連通路を介して切換え手段に導かれるパージ気体を、吸着筒の中央部に対して集流案内する通気孔を有する整流手段とを具備し、
上記整流手段における通気孔の開口面積は、湿った圧縮気体を導入案内するための導入口と得られた乾燥気体を給出案内するための給出口にそれぞれ接続される配管の断面積以上である
ことを特徴とする圧縮気体の除湿装置。
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