JP4293934B2 - バルブ取り外し装置 - Google Patents
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Description
特に、マンションなどの集合住宅では、表面がコンクリートやタイルなどの仕上げ材で舗装された場所にハンドホールが設けられ、そのハンドホール内にサービスバルブと称されるバルブ装置が配置されていることが多い。
このような極めて狭い空間内に配置されたバルブ装置において、弁体が弁箱に対して強固に固着していると、一般的な工具類によって弁体を取り外すのが極めて困難で、場合によっては、ハンドホール周りの仕上げ材を剥がし、作業空間を広げて取り外す必要があり、その場合には、作業完了後に新たな仕上げ材を使用して補修する必要がある。
したがって、そのバルブ装置が、たとえ狭いハンドホール内に配置されていても、ハンドホール周りの仕上げ材を剥がす必要もなく、弁体を容易に取り外して弁体の取り替えやグリスの塗り替え作業などの各種作業を簡単に行うことができる。
そして、弁体の頭部を把持する把持機構が筒状体の内側に配設されて、その把持機構を操作する把持用操作部が、蓋体を密閉状態で貫通して筒状体の外側に延出されているので、筒状体の外側にある把持用操作部を操作して、筒状体の内部空間内で弁体を取り外すことができる。
したがって、弁体の取り外しにより埋設管から漏洩するガスなどの流体は、筒状体から外へ漏洩するのが抑制され、例えば、「ノーブローバッグ」と称される安全バッグを使用することにより、流体の通流を停止することなく弁体の取り替え作業などを行うことができる。
そして、特に、上記第3の特徴構成に関連して述べたように、たとえ装置本体を構成する筒状体の内部空間を密閉空間に構成する場合であっても、その把持機構を操作する把持用操作部が筒状体の外側に延出されているので、筒状体の外側から把持機構を操作して弁体の頭部を確実に把持することができる。
このバルブ取り外し装置は、例えば、地中に埋設されたガス管のバルブ装置から弁体を取り外すためのもので、特に、マンションなどの集合住宅で使用されるサービスバルブ用として最適なものである。
マンションなどの集合住宅では、図1に示すように、埋設管の一例であるガス管Pが地中に埋設され、その表面がコンクリートやタイルなどの仕上げ材Tで舗装されている場所において、開閉蓋H1を有するハンドホールHが設けられ、そのハンドホールH内にサービスバルブと称されるバルブ装置Vが配置されている。
そして、弁体V2の回動を円滑に行うため、弁体V2にはグリスGが塗布されていて、グリスGの塗り替え作業時には、弁体V2を矢印Lで示す引き抜き方向へ引き抜いて弁箱V1から取り外すのであるが、このグリスGが経年によって劣化し、弁体V2が弁箱V1に対して強固に固着してしまう事態が多発する。
装置本体1には、この装置本体1をサービスバルブVの弁箱V1に固定する固定機構Aと、弁体V2の頭部V3を把持する把持機構Bと、弁箱V1に当接して反力を受ける反力受け部材Cなどを備えている。
装置本体1の上方には、合計2つの貫通孔9aを有するフランジ9が取り付けられ、そのフランジ9の貫通孔9aにそれぞれ棒状体10が挿通されている。各棒状体10の下端は中筒6に固定され、その上方部分はフランジ9の貫通孔9aを貫通して上方に延出されてカラー11が外嵌され、その上方部分に設けられた雄ねじ10aに操作用のナット部材12が螺合されている。
つぎに、外筒8を下方へスライドさせると、図4に示すように、各爪体7が溝V1a内に挿入され、その後、操作用のナット部材12を回転操作して棒状体10を上方へ引き上げる。それによって、爪体7が上方へ引き上げられて、図5に示すように、各爪体7が溝V1aに下方から係合するとともに、装置本体1の下端に配設されたシール部材5が弁箱V1の上面に当接して上下から挟み付けて装置本体1を弁箱V1に固定する。
なお、装置本体1を弁箱V1から取り外すには、上述した手順と逆の手順によって容易に取り外すことができる。
第1把持部材16は、下方へ延出する一対の延出部16aを備え、各把持ローラ13が、第1軸14を介してその一対の延出部16a間にわたって第1軸14周りで回動自在に取り付けられている。
したがって、各把持ローラ13は、両軸14,15の軸心方向視において、内側下方に位置する第1軸14周りで回動自在に第1把持部材16に取り付けられ、かつ、外側上方に位置する第2軸15によって、第2把持部材17に対し長孔17b内で相対移動自在に保持されている。
そして、第1把持部材16と第2把持部材17は、上下方向に相対移動自在に構成されて、第1把持部材16には操作用ロッド18が、第2把持部材17には操作用筒状体19がそれぞれ連設されて、その操作用筒状体19内に操作用ロッド18が挿通配置されている。
筒状体19上方の内周面には雌ねじ19aが設けられ、その雌ねじ19aに把持用ナット部材23が螺合されて、把持用ナット部材23の下端面が、ベアリング25を介して操作用ロッド18を下方へ押し付けるように構成されている。
そして、蓋体4に突設の筒体4aには、その外周面に雄ねじ4bが設けられ、その筒体4aの雄ねじ4bに引き抜き用ナット部材20が螺合され、そのナット部材20の上面にベアリング21が埋設されるとともに、ナット部材20よりも上方位置において、操作用筒状体19にクランブ部材22が固定されている。
なお、24は必要な箇所に配設されたシール部材である。
その後、操作用ロッド18と筒状体19を下降させ、図5に示すように、一対の把持ローラ13を弁体頭部V3の横側方に位置させて把持用ナット部材23を締め付ける。すると、図6に示すように、操作用ロッド18が下方へ移動して弁体V2に押し付けられると同時に、操作用筒状体19が上方へ引き上げられ、両把持ローラ13が第1軸14周りで互いに近接する方向、換言すると、弁体頭部V3を把持する方向へ移動して弁体頭部V3を強固に把持する。
その状態で、操作用ナット部材20を回転操作してナット部材20を上方へ移動させると、ベアリング21がクランプ部材22の下面に当接して、操作用筒状体19とロッド18を介して把持機構Bを上方へ持ち上げる。
したがって、たとえグリスGの経年劣化によって弁体V2が弁箱V1に強固に固着していても、弁体V2が弁箱V1から簡単に引き離され、いったん引き離されると、その後は、操作用筒状体19とロッド18を人為的に上方へ引き抜くことで、弁体V2を弁箱V1から楽に取り外すことができる。
したがって、その後、一般に「ノーブローバッグ」と称される安全バッグを使用することにより、ガスの通流を停止することなく、かつ、外部へガスを漏洩させることもなく、弁体V2の取り替え作業やグリスGの塗り替え作業をはじめとして、各種のメンテナンス作業を安全に行うことができる。
(1)先の実施形態では、「ノーブローバッグ」と称される安全バッグを使用してガスの通流を停止することなく弁体V2の取り替え作業などを行う例を示したが、装置本体1自体にガス漏洩防止機能を付加することにより、安全バッグを使用せずに各種の作業を行うこともできる。
その一例を示したのが図9で、この別の実施形態では、装置本体1を構成する円筒体2の中間にガス密閉用のバッグ26を挿入するバッグ挿入部27が設けられていて、弁体V2を円筒体2の上端近くにまで持ち上げた後、仮想線で示すように、バッグ26を膨らませることにより、円筒体2を密閉できるように構成されている。
したがって、その後、蓋体4を取り外して弁体V2を取り出し、例えば、新たな弁体V2を把持機構Bにより把持し、逆の手順によって新たな弁体V2に取り替えることができる。
また、埋設管の一例として都市ガス用のガス管Pを示したが、都市ガス以外の各種流体を通流する埋設管に適用することもできる。
2 筒状体
3 開口
4 蓋体
5 当接部としてのシール部材
7 係合部
13 把持部材
18,19 把持用操作部
A 固定機構
B 把持機構
C 反力受け部材
D 固定用操作部
L 弁体の引き抜き方向
P 埋設管
V バルブ装置
V1 弁箱
V2 弁体
V3 弁体の頭部
Claims (4)
- 埋設管に設けられたバルブ装置の弁体を引き抜き方向に引き抜いて弁箱から取り外すためのバルブ取り外し装置であって、
そのバルブ取り外し装置の装置本体が、前記弁箱に装置本体を固定する固定機構と、前記弁体の頭部を把持する把持機構と、前記弁箱に当接して反力を受ける反力受け部材を備え、
前記固定機構により装置本体を前記弁箱に固定した状態で、前記把持機構と反力受け部材が、前記引き抜き方向に相対移動自在に構成され、前記把持機構により弁体の頭部を把持し、かつ、前記反力受け部材を弁箱に当接させた状態で、前記把持機構を前記引き抜き方向へ移動させて前記弁体を取り外すように構成されているバルブ取り外し装置。 - 前記固定機構が、前記弁箱に対して下方から係合する係合部と、前記弁箱の上面に当接する当接部と、それら係合部と当接部を互いに遠近方向に移動操作する固定用操作部により構成されている請求項1に記載のバルブ取り外し装置。
- 前記装置本体が、その軸心方向の一端部に開口を有し他端部に蓋体を有する筒状体で構成され、前記固定機構の当接部が、その筒状体の前記開口周りに配設されたシール部材により構成され、前記固定機構の係合部と固定用操作部が前記筒状体の外側に配設されるとともに、前記把持機構が前記筒状体の内側に配設されて、前記把持機構を操作する把持用操作部が、前記蓋体を密閉状態で貫通して前記筒状体の外側に延出されている請求項2に記載のバルブ取り外し装置。
- 前記把持機構が、前記弁体の頭部を横側方から把持する把持部材を備え、その把持部材が、前記把持機構の前記引き抜き方向への移動に伴って前記頭部を把持する方向へ移動操作される請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルブ取り外し装置。
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