JP4292722B2 - ネットワーク管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワーク管理システムに関し、例えば、コネクションレスのパケットを転送するネットワークにおいて、各パケットが通過したパスの情報などを取得する場合に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般のネットワーク管理システムでは、例えば、特開平10−224350号公報に記載されているように、ネットワーク管理装置が、ネットワーク上のノードを構成している各機器に対して、機器が収容している伝送路の接続情報、その伝送路を通ったパケットの情報などの取得を行い、ネットワーク管理装置が、これらの情報を元に、パケットが通過したネットワークのパス(どのパケットがどこからどこまで通ったかを示す情報)を生成し、得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のネットワーク管理システムでは、ある一連のコネクションレスのパケットの生成元から目的地までのパスを把握するときに、パケットの通過有無に関係なく、全ての機器に対して、このパケット情報を設定し、各パケットの通過情報をネットワーク管理装置側に上げるという処理が必要であった。すなわち、パケットがその機器を通らなくても機器に設定を施す必要があり、機器が無駄な処理を行う可能性がでてくる。また、ネットワーク管理装置も、パケットが通過しない機器の情報をも取得しており、無駄な処理を行っていた。
【0004】
また、ネットワーク管理装置などが、管理情報として、単に、確立されたパスの情報だけでなく、各ノードでの処理遅延時間などの情報を取得したいこともある。このような情報取得のための処理もある場合には、パケットが通過しないノードでは、一段と無駄な処理を行っていることになる。
【0005】
さらに、ネットワーク管理装置から見れば、情報を取得する相手数(ノード数)が多く、処理が煩雑になっているという課題もある。
【0006】
このような課題は、コネクションレス型のネットワークだけでなく、コネクションオリエント型のネットワークでも同様に生じている。すなわち、確立されたコネクション上の全てのノードから、ネットワーク管理装置などは、情報を取得しなければならない。
【0007】
そのため、各ノードでのネットワーク管理情報を取得する際の各ノードやネットワーク管理装置などでの処理負担を軽減できるネットワーク管理システムが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明は、導入側エッジノードからネットワークに導入され、中継ノードを適宜介して、導出側エッジノードからネットワーク外部に導出される転送信号のパス情報をパス情報取得装置が取得するネットワーク管理システムにおいて、以下のようにしたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、上記各ノードは、上記転送信号の転送経路上の前ノードなどの外部から与えられた追跡信号を常駐させる追跡信号常駐手段と、上記転送信号の所定条件での通過に応じ、自己が常駐する追跡信号を複製して、上記転送信号の送出経路に送出する追跡信号送出手段と、上記転送信号の所定条件での通過に応じ、その転送信号の、少なくとも当該ノード近傍でのパス情報を、自己が常駐する追跡信号に含め、又は、自己が常駐する追跡信号に関連付けて格納するパス情報保持手段とを有し、また、上記パス情報取得装置は、少なくとも一部のノードでの追跡信号に係るパス情報から、取得対象の上記転送信号の全体のパス情報を取得するものであり、上記パス情報取得装置は、上記追跡信号が流れた経路を流れる情報収集信号を上記導入側エッジノードに与え、上記各ノードは、自己が常駐する追跡信号に含まれている、又は、自己が常駐する追跡信号に関連付けて格納されているパス情報を情報収集信号に含めて、上記追跡信号の送出先に送出する情報収集信号処理送信手段をさらに有し、上記パス情報取得装置は、上記導出側エッジノードから返送された情報収集信号に基づき、取得対象の上記転送信号の全体のパス情報を取得する。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるネットワーク管理システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0011】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のネットワーク管理システムの全体構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態のネットワーク管理システムは、コネクションが確立されることなくパケットが送信先に向けて転送されていく、コネクションレス型のネットワークに適用されたものである。
【0012】
図1において、第1の実施形態のネットワーク管理システム1に係るネットワークNは、複数(図1では4個)のノード(パケット転送装置)2−1〜2−4が、複数(図1では5個)のリンク3−1〜3−5によって適宜に接続されて構成されているものである。
【0013】
ここで、ノード2−1及び2−4は、当該ネットワークNと、他のネットワークのノードやユーザ端末(図示せず)との接続点となっている、いわゆるエッジノードであり、図1では、エッジノード2−1から転送されるパケット(以下、転送パケットと呼ぶ)Pが当該ネットワークNに導入され、その転送パケットPがエッジノード2−4から当該ネットワークNの外部へ導出される例を示している。この転送パケットPのパス情報を収集するものである。ここで、転送パケットPは、例えば、IPパケットやATMセルなどのいずれのレイヤに係るものであっても良い。
【0014】
この第1の実施形態の場合、少なくともエッジノード2−1、2−4が、リンク5−1、5−4を介してネットワーク管理装置4に接続されている。
【0015】
ネットワーク管理装置4は、例えば、オペレータが入出力操作する図示しない入出力装置からの指示などの処理起動に従い、ネットワークNの状態を管理したり情報を収集したりするものである。ネットワーク管理装置4は、例えば、EMS(element management system)と呼ばれるものなどが該当するものである。
【0016】
第1の実施形態の場合、ネットワーク管理装置4は、転送パケットPのパス情報の収集に関し、後述する2種類の管理用パケットMP1及びMP2を生成し、転送パケットPのネットワークNへの導入側のエッジノード2−1に送出し、また、転送パケットPのネットワークNからの導出側のエッジノード2−4から2種類の管理用パケットMP1及びMP2が与えられるものである。なお、2種類の管理用パケットMP1及びMP2のそれぞれには、パス情報の収集対象の転送パケットPを特定する情報(例えば、送信元アドレス及び送信先アドレスなど)が含まれている。
【0017】
第1種類の管理用パケットMP1は、該当する転送パケットPがネットワークNを流れたパスを追跡して流れるものであり、そのパス上のノードにおいては、コピーされ、そのノードに常駐されるものである。ノードに常駐された第1種類の管理用パケットMP1には、例えば、そのノードに到来したリンクの情報や、当該ノードでの入力ポート及び出力ポートの組み合わせ情報や、そのノードからの出力リンクなどのいずれかでなるパス情報が挿入され、又は、常駐された第1種類の管理用パケットMP1に関連してパス情報が記憶された。第1種類の管理用パケットMP1の情報部に挿入された情報の一部は、各ノードに設けられている後述する追跡処理部内に設けられている処理プログラムやデータと共に、追跡用のプログラムやデータ(条件データ等を含む)を構成している。なお、以下では、第1種類の管理用パケットを追跡パケットと呼ぶ。
【0018】
第2種類の管理用パケットMP1は、ネットワーク管理装置4から、第1種類の管理用パケットMP1の送出時点から時間(例えば一定時間)をおいて送出されるものである。ネットワークNに導入された第2種類の管理用パケットMP1は、第1種類の管理用パケットMP1が通過したパスを通過していき、ノードに常駐された第1種類の管理用パケットMP1が直接的又は間接的に有するパス情報を収集して、自己(の情報部)に挿入していくものである。第2種類の管理用パケットMP2の情報部に挿入された情報の一部は、各ノードに設けられている後述する情報収集処理部内に設けられている処理プログラムやデータと共に、情報収集用のプログラムやデータを構成している。なお、以下では、第2種類の管理用パケットを情報収集パケットと呼ぶ。
【0019】
ネットワーク管理装置4は、追跡パケットMP1及び情報収集パケットMP2を利用した転送パケットPのパス情報の収集に関し、図2に示すような機能部を有する。
【0020】
図2において、ネットワーク管理装置4は、パス情報収集起動部41、追跡パケット生成送信部42、収集期間タイマ43、情報収集パケット生成送信部44及び情報収集パケット受信解析部45などを有する。
【0021】
これら各部41〜45はそれぞれ、パス情報の収集に係る転送パケットPの種類毎に並列して機能するものである。
【0022】
パス情報収集起動部41は、オペレータが入出力操作する図示しない入出力装置からの指示に従い、該当する転送パケットPのパス情報の収集を起動させるものである。ここで、どの転送パケットPのパス情報を収集するかは、送信元アドレス及び送信先アドレスなどで特定する。また、オペレータは、収集を指示する際には、収集するパス情報の内容種類を規定しても良い。例えば、転送パケットPが通過したパス自体の情報の収集を指示したり、これに加えて、各ノードでの通過処理遅延や転送パケットPのシーケンスナンバー(群)や遅延揺らぎなどの付加情報の収集を指示したりしても良い。
【0023】
なお、パス情報収集起動部41は、例えば、導入側エッジノード2−1から、同一パケット群の最初の転送パケットPが到来したことの通知を受けて、パス情報の収集を起動させるものであっても良い。
【0024】
追跡パケット生成送信部42は、パス情報収集起動部41からの転送パケットPの収集起動をかけられたときに、追跡する転送パケットPの特定情報や、収集するパス情報の内容種類を含む追跡パケットMP1を形成して導入側エッジノード2−1に送信するものである。
【0025】
収集期間タイマ43は、各ノード2−1、…、2−4でのパス情報の収集期間を計時するものであり、計時終了時に情報収集パケット生成送信部44に通知するものである。収集期間タイマ43は、例えば、追跡パケット生成送信部42が追跡パケットMP1を送信した時点から所定時間を計時する。なお、この所定時間をも、オペレータが図示しない入出力装置から指示するようにしても良い。また、情報収集パケットMP2の送出起動を、オペレータの指示を待ってかけるようにしても良い。
【0026】
情報収集パケット生成送信部44は、収集期間タイマ43からの所定時間の計時終了が通知されると、情報収集する転送パケットPの特定情報を含む情報収集パケットMP2を形成して導入側エッジノード2−1に送信するものである。
【0027】
情報収集パケット受信解析部45は、当該導出側のエッジノード2−4から情報収集パケットMP2が与えられたときに、その情報収集パケットMP2を解析して、その情報収集パケットMP2に係る転送パケットPの種類のパス情報を得るものである。情報収集パケット受信解析部45は、例えば、図示しない入出力装置を介して、得られたパス情報を出力する。
【0028】
なお、コネクションレス型のネットワークNの場合、転送パケットPは複数のパスを通過することも多く、情報収集パケット受信解析部45に、同一の転送パケットPについて複数の情報収集パケットMP2が到達することもある。そのため、情報収集パケット受信解析部45は、最初の情報収集パケットMP2が到達した以降、所定時間を待ち、その間に到達した情報収集パケットMP2をも含めて解析処理を行う。
【0029】
各ノード2−1、…、2−4は、追跡パケットMP1及び情報収集パケットMP2を利用した転送パケットPのパス情報の収集に関し、図3に示すような機能部を有する。なお、各ノード2−1、…、2−4のハードウェア構成は、従来と同様でも良く、図3は、そのハードウェアとソフトウェアとが融合した形での機能部を示している。
【0030】
各ノード2−1、…、2−4はそれぞれ、パケット判別部21、転送パケット処理部22、追跡パケット受信部23、情報収集パケット受信部24、追跡処理部25、追跡パケット送信部26、情報収集処理部27及び情報収集パケット送信部28を有する。
【0031】
導入側エッジノード2−1、中間ノード2−2〜2−4、導出側エッジノード2−4によって、一部の機能が僅かに異なっている。
【0032】
パケット判別部21は、当該ノードに到来したパケットの種別を判別して、各部に振り分けるものである。すなわち、パケット判別部21は、到来パケットが転送パケットPであれば転送パケット処理部22に与え、追跡パケットMP1であれば追跡パケット受信部23に与え、情報収集パケットMP2であれば情報収集パケット受信部24に与えるものである。
【0033】
転送パケット処理部22は、従来と同様に、転送パケットPに対する次ノードやユーザ端末への転送処理を行うものである。
【0034】
この第1の実施形態の場合、転送パケット処理部22は、今回到来した転送パケットPのパスの情報(例えば入力ポートと出力ポートの組み合わせ)を追跡処理部25に与えるものである。なお、コネクションレス型のネットワークNであるので、送信元及び送信先が同一の転送パケットPであってもネットワークの状況等によっては異なるパスが決定される。また、転送パケット処理部22は、追跡処理部25の収集情報の設定によっては、転送パケットPのシーケンスナンバーや処理遅延等の付加情報(パス情報の一種)も追跡処理部25に与えるものである。
【0035】
追跡パケット受信部23は、到来した追跡パケットMP1を受信処理して追跡処理部25に与えるものであり、情報収集パケット受信部24は、到来した情報収集パケットMP2を受信処理して情報収集処理部27に与えるものである。
【0036】
追跡処理部25は、追跡パケットMP1が与えられたときには、その追跡パケットMP1を内部に常駐させるものである。また、その追跡パケットMP1の内容が転送パケットPのシーケンスナンバーや処理遅延等の付加情報を要求している場合には、転送パケット処理部22に対して、それら情報を通知するように要求するものである。
【0037】
その後、追跡処理部25は、追跡パケットMP1が特定する転送パケットPのパス情報が最初に転送パケット処理部22から与えられたときには、常駐している追跡パケットMP1を複製し、その送信先等を転送パケットPと同じ次のノード等にいくように書き換えて追跡パケット送信部26に与えると共に、パス自体の情報や付加情報等のパス情報を常駐している追跡パケットMP1に関連して格納するものである。また、それ以降は、追跡パケットMP1が特定する転送パケットPのパス情報が与えられる毎に、今まで使用されたパスか否かを判別し、新たなパスの場合には、追跡パケットMP1の複製、出力やパス情報の格納などを行う。付加情報等は、追跡パケットMP1を複製、出力しない場合でも、必要に応じて、収集記憶する。
【0038】
追跡パケット送信部26は、追跡処理部25から与えられた追跡パケットMP1を直前に送出された転送パケットPと同じ経路(リンク)に送信するものである。
【0039】
なお、以上では、追跡パケットMP1が常駐された後の転送パケットPを追跡し、そのパス情報を格納する場合を示したが、導入側のエッジノード2−1以外のノードの追跡処理部25は、転送パケットPの到来の直後に到来した追跡パケットMP1を常駐させると共に、その際、直前に到来した転送パケットPのパス情報を格納させるようにしても良い。この場合であっても、新たな経路へ転送パケットPを送出したときには、パス情報の格納や、追跡パケットMP1の複製、出力を行う。
【0040】
ここで、追跡処理部25が処理を行うのに必要な処理プログラム(の大半)は、追跡パケットMP1に記述され、追跡処理部25はその処理プログラムの実行環境を備える構成であっても良い。
【0041】
情報収集処理部27は、情報収集パケットMP2が与えられたときには、常駐している追跡パケットMP1に関連して記憶されているパス情報を情報収集パケットMP2に挿入して情報収集パケットMP2に与えるものである。ここで、追跡パケットMP1を送出した経路(リンク)が複数ある場合には、情報収集パケットMP2も複製して各経路に送出し得るようにする。
【0042】
情報収集パケット送信部28は、追跡パケットMP1が送出された経路(リンク)へ情報収集パケットMP2を送出するものである。なお、導出側のエッジノード2−4の情報収集パケット送信部28は、情報収集パケットMP2をネットワーク管理装置4に送出する。
【0043】
ここで、情報収集処理部27が処理を行うのに必要な処理プログラム(の大半)は、情報収集パケットMP2に記述され、情報収集処理部27はその処理プログラムの実行環境を備える構成であっても良い。
【0044】
また、上記では、ネットワーク管理装置4が複数の情報収集パケットMP2の取りまとめを行うように説明したが、転送パケットPの導出側のエッジノード2−4(の情報収集処理部27)が複数の情報収集パケットMP2の取りまとめを行うようにしても良い。
【0045】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のネットワーク管理システム1のパス情報の収集動作を簡単に説明する。
【0046】
ネットワーク管理装置4は、パス情報の収集対象の転送パケットPが指定され、そのパス情報の収集が指示されたときに、追跡パケットMP1を形成して導入側のエッジノード2−1に送信する。
【0047】
エッジノード2−1は、追跡パケットMP1を常駐させ、該当する転送パケットPが到来するを待つ。転送パケットPが到来すると、追跡パケットMP1のパス情報を常駐している追跡パケットMP1に関連して格納すると共に、そのパケットの経路(例えば、行き先:リンク3−1又は3−2)に、追跡パケットMP1の複製を送出する。他のノード2−2〜2−4も、上記と同様な追跡パケットの処理を行う。
【0048】
なお、同じ経路(リンク)を通った転送パケットPに対しては追跡パケットMP1の複製、出力を実行せず、新たな経路を通った転送パケットPに対しては追跡パケットMP1の複製、出力を実行する。
【0049】
ネットワーク管理装置4は、その後、情報収集パケットMP2を導入側エッジノード2−1に送信し、各ノードは追跡パケットMP1に関連して格納したパス情報を情報収集パケットMP2に挿入し、情報収集パケットMP2を追跡パケットMP1と同じ経路(リンク)に送出する。導出側のエッジノード2−4では、情報収集パケットMP2をネットワーク管理装置4に送信し、ネットワーク管理装置4は、到来した情報収集パケットMP2を解析して、転送パケットPのパス情報を取得する。
【0050】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、ネットワーク管理装置は全て又は多くのノードと情報を授受することなく、エッジノードとの情報授受により、所定の転送パケットのパス情報を取得することができる。その結果、ネットワーク管理装置の処理負担が従来より軽減される。
【0051】
また、パス情報の収集に関し、転送パケットが通過したノードだけが収集に必要な動作を行うので、平均的に見た場合、ノードの処理負担も従来より軽減される。
【0052】
(A−4)第1の実施形態の変形実施形態
上記では、各ノードに常駐された追跡パケットMP1の消滅方法に言及しなかったが、例えば、以下の方法によって、消滅させるようにすれば良い。
【0053】
第1は、情報収集パケットMP2の送出処理が終了したときに、常駐されている追跡パケットMP1を消滅させる。第2は、情報収集パケットMP2の送出後、消滅を実行させるための消滅起動パケットをネットワーク管理装置4がエッジノード2−1に送出し、各ノードがこの消滅起動パケットが到来したときに常駐されている追跡パケットMP1を消滅させる。第3に、追跡パケットMP1内に消滅時刻や常駐時間等を書き込んでおき、時間管理によって、各ノードが自律的に常駐されている追跡パケットMP1を消滅させる。第4に、転送パケットPの最終のパケットの通過を認識し、情報収集パケットMP2の通過(最終の転送パケットPの通過前後は問わない)を条件として、各ノードが常駐されている追跡パケットMP1を消滅させる。
【0054】
上記では、追跡パケットMP1及び情報収集パケットMP2の2種類の管理用パケットを利用してパス情報を取得するものを示したが、追跡パケットMP1だけを用いてパス情報を取得するようにしても良い。
【0055】
例えば、追跡パケットMP1にそのノードに至るまでの全てのパス情報を記述するようにし、導出側のエッジノード2−4が追跡パケットMP1をネットワーク管理装置4に送出するようにすれば良い。
【0056】
(B)第2の実施形態
次に、本発明によるネットワーク管理システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら簡単に説明する。
【0057】
図4は、第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0058】
第2の実施形態のネットワーク管理システム1Aは、第1の実施形態のネットワーク管理装置(図1での符号4)に代えて、転送パケットPの送信元であるユーザ端末6が追跡パケットMP1及び情報収集パケットMP2の発信元になったものである。
【0059】
各ノード2−1、…、2−4の処理は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が異なっている。すなわち、転送パケットPの導出側エッジノード2−4は、情報収集パケットMP2が到来し、その処理が終了したときには、ネットワークNを介して、その情報収集パケットMP2がユーザ端末6に与えられるような情報収集パケットMP2の返信処理を行う。この情報収集パケットMP2の返信経路は、転送パケットPの経路の逆経路であっても良く、また、無関係な経路であっても良い。前者の場合には、返信されていく情報収集パケットMP2の到来によって、各ノードが常駐されている追跡パケットMP1を消滅させることもできる。
【0060】
第2の実施形態によれば、パス情報の収集に関し、転送パケットが通過したノードだけが収集に必要な動作を行うので、平均的に見た場合、ノードの処理負担を従来より軽減することができる。
【0061】
また、ネットワーク管理装置4ではなく、ユーザ端末5が追跡パケットや情報収集パケットの送信元になっているので、オンデマンドにパス情報をユーザが把握することが可能となる。
【0062】
なお、第1の実施形態の変形実施形態として挙げた技術思想は、第2の実施形態に対しても適用可能である。
【0063】
(C)第3の実施形態
次に、本発明によるネットワーク管理システムの第3の実施形態を、図面を参照しながら簡単に説明する。
【0064】
図5は、第3の実施形態のシステム構成を示すブロック図であり、上述した第1、第2の実施形態に係る図1、図4との同一、対応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0065】
第3の実施形態のネットワーク管理システム1Bは、第1の実施形態と同様に、ネットワーク管理装置4が、追跡パケットMP1及び情報収集パケットMP2の発信元になって、パス情報を収集するものであるが、そのパス情報の収集が、ユーザ端末6からリンク5−3を介してネットワーク管理装置4に指令され、取得したパス情報をネットワーク管理装置4がリンク5−3を介してユーザ端末6に与えるものである。
【0066】
各ノード2−1、…、2−4の動作は、第1の実施形態の各ノードでの動作と同一である。
【0067】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。Mた、ユーザから見れば、追跡パケットMP1や情報収集パケットMP2などを作成しなくても、オンデマンドにパス情報を取得できるというメリットを享受することができる。
【0068】
なお、第1の実施形態の変形実施形態として挙げた技術思想は、第2の実施形態に対しても適用可能である。
【0069】
(D)他の実施形態
上記各実施形態においては、追跡パケットMP1や情報収集パケットMP2が1個のパケットでなるものを示したが、データ量が多いならば、複数個のパケットで、上記機能を実現するように構成しても良い。
【0070】
また、上記各実施形態においては、追跡パケットMP1や情報収集パケットMP2が転送パケットPと同一レイヤに属するパケットであるものを示したが、異なるレイヤに属するパケットであっても良く、また、ネットワークが許容するならば、追跡パケットMP1や情報収集パケットMP2に相当するものをパケット以外で転送させるようにしても良い。なお、転送パケットPに相当するものもパケットに限定されるものではない。
【0071】
さらに、上記各実施形態においては、追跡パケットMP1を送出後、情報収集パケットMP2を1回だけ送出するものを示したが、追跡パケットMP1を送出後、情報収集パケットMP2を複数回送出するようにしても良い。例えば、所定時間間隔で情報収集パケットMP2を送出して、所定時間間隔でパス情報を取得するようにしても良い。この場合には、常駐された追跡パケットMP1の消滅は、情報収集パケットMP2の通過に依らない方法が好ましい。
【0072】
また、上記各実施形態においては、追跡パケットMP1をネットワーク管理装置4やユーザ端末6からネットワークNに導入するものを示したが、導入側エッジノード2−1に常備させておき、ネットワーク管理装置4やユーザ端末6が転送パケットPの特定情報を含む追跡起動だけを掛けるようにしても良い。
【0073】
さらにまた、上記各実施形態においては、コネクションレス型のネットワークNに本発明を適用したものを示し、コネクションレス型のネットワークに好適であることを示したが、コネクションオリエント型のネットワークにも本発明の技術思想を適用することができる。例えば、各ノード間で自律的に制御信号を授受し合ってコネクションを確立するものである場合には、上記実施形態での追跡パケットに相当するものをその制御信号に追跡させ、確立されたコネクションをネットワーク管理装置が取得するようにしても良い。また、上記実施形態での追跡パケットに相当するものを各ノードに常駐させ、各ノードでの処理遅延や遅延揺らぎなどのパス情報を収集できるようにしても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明のネットワーク管理システムによれば、転送信号を追跡する追跡信号を利用して転送信号に係るパス情報を取得するようにしたので、パス情報の取得処理を行うノードを必要最小限とすることができ、各ノードなどでの処理負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のネットワーク管理装置の機能的構成を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態のエッジノードの機能的構成を示す説明図である。
【図4】第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】第3の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1A、1B…ネットワーク管理システム、
2−1〜2−4…ノード、
21…パケット判別部、22…転送パケット処理部、
23…追跡パケット受信部、24…情報収集パケット受信部、
25…追跡処理部、26…追跡パケット送信部、27…情報収集処理部、
28…情報収集パケット送信部、
3−1〜3−5、5−1〜5−3…リンク、
4…ネットワーク管理装置、
41…パス情報収集起動部、42…追跡パケット生成送信部、
43…収集期間タイマ、44…情報収集パケット生成送信部、
45…情報収集パケット受信解析部、
N…ネットワーク、
P…転送パケット、
MP1…追跡パケット、
MP2…情報収集パケット。
Claims (6)
- 導入側エッジノードからネットワークに導入され、中継ノードを適宜介して、導出側エッジノードからネットワーク外部に導出される転送信号のパス情報をパス情報取得装置が取得するネットワーク管理システムにおいて、
上記各ノードは、
上記転送信号の転送経路上の前ノードなどの外部から与えられた追跡信号を常駐させる追跡信号常駐手段と、
上記転送信号の所定条件での通過に応じ、自己が常駐する追跡信号を複製して、上記転送信号の送出経路に送出する追跡信号送出手段と、
上記転送信号の所定条件での通過に応じ、その転送信号の、少なくとも当該ノード近傍でのパス情報を、自己が常駐する追跡信号に含め、又は、自己が常駐する追跡信号に関連付けて格納するパス情報保持手段とを有し、
上記パス情報取得装置は、少なくとも一部のノードでの追跡信号に係るパス情報から、取得対象の上記転送信号の全体のパス情報を取得するものであり、
上記パス情報取得装置は、上記追跡信号が流れた経路を流れる情報収集信号を上記導入側エッジノードに与え、
上記各ノードは、自己が常駐する追跡信号に含まれている、又は、自己が常駐する追跡信号に関連付けて格納されているパス情報を情報収集信号に含めて、上記追跡信号の送出先に送出する情報収集信号処理送信手段をさらに有し、
上記パス情報取得装置は、上記導出側エッジノードから返送された情報収集信号に基づき、取得対象の上記転送信号の全体のパス情報を取得する
ことを特徴とするネットワーク管理システム。 - 上記各ノードは、パス情報として、自己に至るまでのパス情報を、自己が常駐する追跡信号に含め、又は、自己が常駐する追跡信号に関連付けて格納し、
上記パス情報取得装置は、上記導出側エッジノードから取り込んだ追跡信号に基づき、取得対象の上記転送信号の全体のパス情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理システム。 - 上記パス情報取得装置がネットワーク管理装置であり、上記初期状態の追跡信号及び又は情報収集信号を、上記導入側エッジノードに与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク管理システム。
- 上記ネットワーク管理装置である上記パス情報取得装置は、ユーザ端末からの指令により、パス情報の収集に係る処理を実行することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク管理システム。
- 上記パス情報取得装置が上記転送信号の送信元であるユーザ端末であり、上記初期状態の追跡信号及び又は情報収集信号を、上記導入側エッジノードに与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク管理システム。
- 上記導入側エッジノード、上記中継ノード、及び、上記導出側エッジノードを有する上記ネットワークが、コネクションレス型のネットワークであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のネットワーク管理システム。
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