JP4291039B2 - 超音波トロッカー穿刺システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、患者の体壁に外套管を穿刺するための超音波トロッカー穿刺システムに関する。
【0002】
【従来技術の説明】
従来の一般的なトロッカーシステムでは、患者の体壁(腹壁)に留置される外套管と、この外套管の内孔に内挿され、先端に鋭利な内針(穿刺針)を有するハンドピースユニットとが着脱自在に組み付けられる。内針を患者の体壁に穿刺する場合には、例えば気腹装置によって気腹用ガスを腹腔内に導入して腹腔内を気腹して腹腔内に内腔を十分確保しておく。ハンドピースユニットの内針は、ハンドピースユニットが外套管に一体的に組み付けられた状態で患者の体壁に穿刺されて体腔内に導入される。この内針が体腔内に導入される際に、外套管は内針とともに患者の体壁に穿刺されて体腔内に導入される。内針および外套管が体腔内に導入された状態で、外套管から内針を引き抜いて外套管を体壁に留置する。この外套管は、各種病変部の観察を行うためのスコープや処置を行うための処置具の案内管として使用される。
【0003】
このようなトロッカーシステムは、従来から様々な形態のものが知られている。例えば特許文献1には、ハンドピースユニットと外套管とを一体的に組み付けた状態でハンドピースユニットの内針を超音波振動させながら患者の体壁に導入する超音波トロッカーシステムが開示されている。この超音波トロッカーシステムは、超音波発振装置からの出力により内針を超音波振動させて、この内針の超音波振動によって内針を比較的軽い力で安全かつ容易に体壁に穿刺することができる。このため、内針および外套管を体壁に穿刺した後に内針を外套管から抜去すると、外套管を体壁に留置することができる。
【0004】
また、特許文献2には、体壁に留置される外套管と、外形寸法が比較的小さい内針との間に先端部が略円錐状に先細状に形成されたダイレータが介挿される改良された超音波トロッカーシステムが開示されている。この超音波トロッカーシステムの外套管と内針とダイレータとを組み付けた状態では、外套管の先端部からダイレータの先細状の先端部が突出し、ダイレータの先端部から内針の穿刺針が突出している。このような状態で、超音波トロッカーシステムの内針を超音波振動を用いて体壁に穿刺した後、ダイレータと外套管とを把持し、患者の体壁をダイレーションして外套管を体壁に導入して留置する。
【0005】
上述したように、従来の超音波トロッカーシステムの内針および外套管を体壁に穿刺するには、気腹装置によって気腹用ガスを腹腔内に導入して腹腔を気腹させて内腔を十分確保しておく。その後、内針を超音波発振装置からの出力による超音波振動により体壁に穿刺した後に外套管を穿刺するのが一般的である。ところで、既存の気腹装置には、患者の安全を確保するため、トロッカー穿刺時に腹腔内の圧力が過圧状態になると腹腔内の圧力を下げるように腹腔内のガスを外部に放出(開放)するリリーフ弁が作動する。また、気腹装置は、このリリーフ弁を強制的に開放して腹腔内のガスを放出するためのスイッチを備え、腹腔内の圧力を下げる機能を有する。
【0006】
【特許文献1】
特公平5−57863号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−177293号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トロッカーの穿刺中に腹腔内の圧力が急激に下がると、腹腔が小さくしぼんでしまうことがある。腹腔がしぼんだ状態となると、体壁と臓器との間の距離が小さくなる。このため、穿刺時に内針の先端が臓器などに接触することを避けるため、術者は外套管を穿刺する作業を慎重に行う必要がある。そうすると、術者はトロッカーシステムを操作し難くなるので、術者にとって好ましい状態ではない。
【0009】
また、別の問題もある。上述した超音波トロッカーシステムの内針を体壁に穿刺するために用いられる超音波発振装置の出力を停止させるには、まず、内針の先端を体壁に穿刺したことをユーザーが目視や手に伝わる感覚で確認する。その後、フットスイッチとして設けられた超音波出力スイッチなどの電気エネルギー出力制御機器をオフにする。この出力制御機器をオフにすると、内針への超音波発振装置からの出力が停止される。したがって、内針の先端が体壁に穿刺されたことを術者が目視で確認した後、超音波振動出力を停止するまでには、若干のタイムラグを要する。内針の先端が体壁に穿刺された後、超音波発振装置の出力をさらに早いタイミングで速やかに停止させることが可能となれば、より一層安全なシステムを構築することができる。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波振動による体壁への穿刺の安全性や操作性を向上させる超音波トロッカー穿刺システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の超音波トロッカー穿刺システムは、気腹用ガスを供給し、患者の腹腔内を気腹させる気腹装置と、患者の体壁に穿刺される内針と、この内針の基端部に接続され、前記内針の先端に向けて超音波振動を伝達する超音波トランスデューサーとを有するハンドピースユニットと、前記超音波トランスデューサーに超音波発振用エネルギーを供給する超音波発振装置と、前記ハンドピースユニットの内針が内挿された状態で、前記内針で穿刺された体壁に導入されて留置される外套管とを備えている。そして、この超音波トロッカー穿刺システムは、前記気腹装置と超音波発振装置との間で互いに通信する通信手段と、前記気腹装置に設けられ、腹腔内への気腹用ガスの供給によって変化する腹腔内の状態を計測する計測手段と、この計測手段における計測結果に基づいて超音波発振装置の出力を制御する制御手段とをさらに備えていることを第1の特徴とする。
このような構成を有するので、腹腔内の状態変化の計測結果に基づいて超音波発振装置の出力が制御される。
【0012】
また、超音波トロッカー穿刺システムは、前記ハンドピースユニットの内部に前記気腹用ガスのガス通路を設け、前記内針の先端部にこのガス通路内の気腹用ガスを流出させるガス流出口を設けるとともに、前記超音波トランスデューサーの駆動時に前記内針の先端部のガス流出口からの気腹用ガスの流出状態を計測し、この計測結果に基づいて前記超音波トランスデューサーの駆動を停止させる判断を行う制御手段をさらに備えていることを第2の特徴とする。
このような構成を有するので、超音波トロッカーシステムの内針が体壁に穿刺されている間は超音波発振し続け、内針が体壁に穿刺されて気腹用ガスの流出状態が変化したことが計測されると、術者が操作をしなくとも素早く速やかに超音波出力が停止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、この実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システム1は、超音波トロッカーシステム2と、気腹システム3と、超音波トロッカーシステム2および気腹システム3の間の信号を伝達する通信手段として通信ケーブル4とを備えている。超音波トロッカーシステム2は、後述する内針23と外套管26とを穿刺した後、外套管26を留置するためのシステムである。また、気腹システム3は、後述する内針23を穿刺するときに腹腔内を気腹させるためのシステムである。
【0015】
超音波トロッカーシステム2は、超音波トロッカーのハンドピースユニット8と、このハンドピースユニット8にエネルギーを供給する超音波発振装置9とで主に構成されている。この超音波発振装置9には、この超音波発振装置9を術者が操作するための出力制御機器(超音波出力スイッチ)10が接続されている。この出力制御機器10は、例えばフットスイッチやハンドスイッチとして設けられていることが好適である。
【0016】
図2に示すように、ハンドピースユニット8は、術者が把持する把持部を兼ねる超音波振動子収納部13を備えている。この超音波振動子収納部13の内部には、外観が円柱状に形成され、超音波発振装置9から供給されるエネルギーを超音波振動(機械的振動)に変換するランジュバン型超音波振動子(超音波トランスデューサー)14が配設されている。この超音波振動子14は、ドーナツ状の複数の圧電素子15が並設され、各圧電素子15の間に電極(図示せず)が配設され、各電極にリード線16が接続されている。これらのリード線16はまとめられて図1に示すケーブル17に内挿されている。
【0017】
一方、この超音波振動子14の先端部には、超音波振動子14で生じる超音波振動を拡大するホーン部21の基端部が配設されている。このホーン部21は、例えば略円錐台状など、先細に設けられていることが好適である。圧電素子15と電極とを上述した超音波振動子14の基端部から先端部にかけて貫通し、ホーン部21の基端部に螺着されたボルト22が配設されている。このように、ボルト22のボルト締めによって圧電素子15と電極とは、強固に密着した状態にある。
【0018】
そして、ホーン部21の先端には、超音波振動子14から伝達される超音波を伝達する超音波振動伝達部材として、超音波トロッカー内針(プローブ)23が例えば螺合接続によって着脱自在に連結されている。ここでは、この内針23の基端部に雄ネジ部24が設けられ、ホーン部21の先端部に雌ネジ部(図示せず)が設けられている。このため、内針23の基端部の雄ネジ部24とホーン部21の先端部の雌ネジ部とが螺合されている。したがって、超音波振動子14で発生させられた超音波振動がホーン部21を介して内針23の先端部まで伝達される。なお、この実施の形態においては内針23に雄ネジ部24を設け、ホーン部21に雌ネジ部(図示せず)を設けているが、雄ネジ部と雌ネジ部とを逆に設けても良い。
【0019】
また、図1に示すように、ホーン部21に接続された内針23は、その外周にシース25が密着した状態に被覆されている。このシース25の外周には、体壁(腹壁)Hに留置されるトロッカー外套管26が配設される。この外套管26の内周は、内針23にシース25を被覆した状態でのシース25の外周よりも僅かに大径に形成されている。このため、シース25を外周に被覆した内針23と、外套管26とは、着脱可能に組み付けられる。
【0020】
シース25は、外套管26と内針23との間の接触を防止して超音波振動時に例えば両者の間に生じる金属音などの発生を防止する。また、内針23と外套管26との間を埋めて、超音波振動による体壁Hの穿刺時に腹腔内の気腹用ガスが内針23と外套管26との間から抜けるのを防止する。また、シース25は、外套管26からシース25および内針23を抜去するときの滑り性を確保する。このため、シース25は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、滑り性の良い材料で形成されている。
【0021】
図3に示すように、超音波トロッカーシステム2の超音波発振装置9は、その筐体27の内部に中央演算処理装置(以下、第1のCPUという)30を備えている。この第1のCPU30には、上述した超音波出力スイッチ10との間にこの超音波出力スイッチ10のON/OFFの切り換えを検知する第1のスイッチ検知回路31が配設されている。また、第1のCPU30には、超音波トロッカーのハンドピースユニット8の超音波振動子14との間に変圧器32が配設されている。すなわち、第1のCPU30は、第1のスイッチ検知回路31からの信号に基づいて超音波振動子14を超音波振動させるための超音波振動用エネルギー(電力)を変圧器32から供給する。そのとき、第1のCPU30は、変圧器32を制御し、超音波振動子14に入力するエネルギーを制御する。さらに、第1のCPU30と、第1のスイッチ検知回路31との間には、超音波発振装置9からの信号を後述する気腹装置40に通信する通信手段として上述した通信ケーブル4がの一端が配設されている。
【0022】
また、図1に示すように、気腹システム3は、気腹装置40と、この気腹装置40に一端が接続された気腹用ガスチューブ41と、この気腹用ガスチューブ41の他端が接続され、体壁Hに穿刺されるトロッカー外套管42とを備えている。
【0023】
図3に示すように、超音波トロッカーシステム2の気腹装置40は、その筐体43の内部に中央演算処理装置(以下、第2のCPUという)44を備えている。この第2のCPU44には、好ましくは逆止弁からなる開閉弁46が接続されている。この開閉弁46には、さらに気腹用ガスのガスボンベ45がチューブ48を介して接続されている。第2のCPU44で開閉弁46が開閉制御されることによって、ガスボンベ45からの気腹用ガスの供給(開放)/供給停止(閉塞)が制御される。
【0024】
また、この開閉弁46には、腹腔内が所定の圧力以上になったときに開放し、それ以外のときに閉塞するリリーフ弁(安全弁)50がチューブ51を介して接続されている。このチューブ51には、腹腔内の圧力を計測する計測手段として圧力センサー(計測器)53が設けられている。この圧力センサー53の計測結果(計測値)は、腹腔内の圧力を監視する監視手段として第1の論理回路55に入力される。
【0025】
第1の論理回路55は、上述した通信ケーブル4に接続された例えばNOT回路56を備えている。このNOT回路56には、上述した通信ケーブル4を介して超音波出力スイッチ10のON/OFFを検出する超音波発振装置9の第1のスイッチ検知回路31からの信号が入力される。このNOT回路56には、さらに直列にNOR回路57が接続されている。また、このNOR回路57には、上述した圧力センサー53が接続されている。このため、第1の論理回路55は、超音波出力スイッチのON/OFFと、圧力センサー53の計測結果とを比較(監視)して信号を出力する。圧力センサー53は、ここでは、腹腔内が過圧状態か正常状態かを比較する。
【0026】
この第1の論理回路55のNOR回路57からの信号の出力先には、第2の論理回路としてOR回路60が配設されている。このOR回路60には、腹腔内の気腹用ガスや、その他の気体を強制的に排出するための筐体43外の排煙用スイッチ62が筐体43内の第2のスイッチ検知回路63を介して接続されている。このOR回路60の出力先には、上述したリリーフ弁50が接続されている。このため、リリーフ弁50は、排煙用スイッチ62がONに切り換えられると、第2のスイッチ検知回路63およびOR回路60を通して強制的に開放される。排煙用スイッチ62がOFFに切り換えられると、第2のスイッチ検知回路63およびOR回路60を通してリリーフ弁50が閉塞される。また、OR回路60は、第1の論理回路55に接続されているので、リリーフ弁50は、第1の論理回路55からの信号の出力にも基づいて開閉される。
【0027】
なお、圧力センサー53による圧力の計測結果は、気腹装置40あるいは超音波発振装置9のいずれか、あるいは両者に例えばブザーなどの「音」や、表示パネルを点滅させる「光」などを設けてユーザーに知らせる告知手段を備えていることが好適である。ここでは、例えば、腹腔内が正常状態および過圧状態になったときに「光」および「音」でユーザーが認知するように、気腹装置40に告知手段が設けられている。
【0028】
次に、この実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システム1の作用について説明する。
まず、気腹装置40の外套管42を患者の体壁Hに留置しておく(図1参照)。その後、気腹用ガスを気腹装置40のガスボンベ45からチューブ48、開閉弁46、気腹用ガスチューブ41および外套管42を通して患者の腹腔内に気腹用ガスを送気して腹腔内を気腹させる(加圧する)。このとき、気腹装置40の圧力センサー53で腹腔内の圧力状態を逐一計測する。圧力センサー53により計測された腹腔内の圧力が正常状態となると、気腹装置40の表示パネルが点灯(点滅)して、その旨がユーザーに認知される。
【0029】
腹腔内の圧力が正常状態であるとき、外套管26に組み付けられたハンドピースユニット8の内針23の先端を体壁Hに適当に圧接する。その後、超音波発振装置9の超音波出力スイッチ(フットスイッチ)10をOFF(待機状態)からONに切り換えると、第1のスイッチ検知回路31にその信号が伝達される。このスイッチ検知回路31の出力は、通信ケーブル4を通して気腹装置40のNOT回路56(第1の論理回路55)に送信(伝達)される。
【0030】
気腹装置40の第1の論理回路55では、超音波出力スイッチ10の状態(ON/OFF)と、圧力センサー53による腹腔内の圧力が過圧状態か正常状態かとの2つを比較する。ここで、腹腔内の圧力が過圧状態か正常状態かの判断は、例えば正常値を6mmHg〜10mmHgと設定した場合、13mmHg(正常値の中心値である8mmHgに対して5mmHg)以上に上昇したときに過圧状態と判断するようにユーザーが設定することが好適である。また、他に、事前に規定値が気腹装置40に設定されていても良い。
【0031】
次に、第1および第2の論理回路(監視手段)55,60のロジックについて図4を用いて説明する。まず、気腹装置40の排煙用スイッチ62がOFFの状態(リリーフ弁50が閉塞された閉塞状態)では、第2のスイッチ検知回路63は排煙用スイッチ62がOFFであるとする信号をOR回路(第2の論理回路)60に送信する。
【0032】
超音波発振装置9の超音波出力スイッチ10が例えばOFFのとき、第1のスイッチ検知回路31は、超音波出力スイッチ10がOFFであるとする信号を第1のCPU30に向けて伝達する。また、通信ケーブル4を介して気腹装置40の第1の論理回路55にその信号を通信する。超音波出力スイッチ10がOFFであるとする信号は、NOT回路56を介してNOR回路57に伝達される。
【0033】
このとき、上述した圧力センサー53で腹腔内が過圧状態であると検知されると、この圧力センサー53によると過圧状態にあるとする計測信号が第1の論理回路55のNOR回路57に伝達される。
【0034】
NOR回路57は、超音波出力スイッチ10がOFFであるとする信号と、圧力センサー53によると過圧状態にあるとする計測信号との両者によって、リリーフ弁50を解放させるための信号をOR回路60に出力する。このため、OR回路60からの出力によって、リリーフ弁50が患者の安全を確保するために解放される。すると、腹腔内の気腹用ガスが体外に排出されて過圧状態がオートマチックに解除される。
【0035】
また、圧力センサー53で腹腔内の圧力が正常状態にあると検知されると、この圧力センサー53によると正常状態にあるとする検知信号が第1の論理回路55のNOR回路57に伝達される。
【0036】
NOR回路57は、超音波出力スイッチ10がOFFであるとする信号と、圧力センサー53によると正常状態にあるとする計測信号との両者によって、リリーフ弁50を閉塞状態に保つ信号をOR回路60に出力する。OR回路60には、排煙用スイッチ62がOFFの状態の信号が入力されているので、OR回路60からの出力によって、リリーフ弁50が閉塞状態を保つ。すなわち、腹腔内の圧力が正常状態にあるので、腹腔内の安全は確保されており、リリーフ弁50を開放する必要がない。
【0037】
一方、超音波出力スイッチ10がONのとき、第1のスイッチ検知回路31は、超音波出力スイッチ10がONであるとする信号を第1のCPU30に向けて伝達する。また、通信ケーブル4を介して第1の論理回路55にその信号を通信する。第1のCPU30は、変圧器32を制御して超音波振動を生じさせるための所望のエネルギーを超音波振動子14に向けて供給する。気腹装置40の第1の論理回路55では、超音波出力スイッチ10がONであるとする信号をNOT回路56を介してNOR回路57に伝達する。
【0038】
このとき、上述した圧力センサー53で腹腔内が過圧状態であると検知されると、この圧力センサー53による過圧状態にあるとする計測信号が第1の論理回路55のNOR回路57に伝達される。
【0039】
しかし、NOR回路57は、超音波出力スイッチ10がONである信号によって、リリーフ弁50を閉塞状態に保つための信号をOR回路60に出力する。OR回路60には、排煙用スイッチ62がOFFの状態の信号が入力されているので、OR回路60からの出力によって、リリーフ弁50が閉塞状態を保つ。すなわち、内針23による体壁への超音波穿刺を優先して行うようにリリーフ弁50は、その閉塞状態を保つ。ところで、過圧状態のときにリリーフ弁50を開放(解除)しないで閉塞状態を保つといっても、内針23の体壁Hへの穿刺時間は数秒であるため、腔が十分大きい(広い)腹腔内においては、安全に穿刺を行うことができる。また、超音波振動子14を振動させた状態で内針23および外套管26を患者の体壁Hに穿刺する場合、気腹用ガスを腹腔内から抜いてしまうと腹腔が急速に狭まることがあることが防止される。このため、このようなロジックにすることによって、超音波振動子14を振動させた状態で体壁と臓器との間の距離が急激に近づいてしまうことが防止される。
【0040】
また、圧力センサー53で腹腔内の圧力が正常状態にあると検知されると、この圧力センサー53による正常状態にあるとする検知信号が第1の論理回路55のNOR回路57に伝達される。
【0041】
NOR回路57は、超音波出力スイッチ10がONで、圧力センサー53によると正常状態にあるとする計測信号との両者によって、リリーフ弁50を閉塞状態に保つ信号をOR回路60に出力する。OR回路60には、排煙用スイッチ62がOFFの状態の信号が入力されているので、OR回路60からの出力によって、リリーフ弁50が閉塞状態を保つ。すなわち、腹腔内の圧力が正常状態にあるので、腹腔内の安全は確保されており、リリーフ弁50を開放する必要がない。
【0042】
内針23の体壁Hへの穿刺を目視や手の感覚で確認した後、超音波出力スイッチ10を速やかにOFFにすると、第1のスイッチ検知回路31は、超音波出力スイッチ10がOFFであるとする信号を第1のCPU30に向けて伝達する。すると、第1のCPU30は、変圧器32から超音波振動子14へのエネルギーの供給を停止させる。
【0043】
そして、内針23をガイドとして外套管26を体壁Hに穿刺した後、内針23を抜去するため、シース25を被覆したハンドピースユニット8を外套管26内から引き抜く。そうすると、外套管26のみが体壁Hに留置される。
【0044】
以上説明したように、この実施の形態に関わる超音波トロッカー穿刺システム1によれば、以下の効果が得られる。
第1のCPU30で超音波振動子14を振動させる出力をしているときには、腹腔内の圧力が正常状態、過圧状態に関わらず、リリーフ弁50が自動的に開放されることがない。このため、外套管26を体壁Hに安全に穿刺して留置することができる。すなわち、腹腔内が過圧状態となっても、超音波振動子14を振動させる出力をしているときには、勝手にリリーフ弁50が開放されて腹腔内の圧力が下がることがない。したがって、超音波発振装置9の出力の有無、および腹腔内の圧力に基づいて腹腔内の圧力を所望の状態に制御することができる。すなわち、超音波トロッカーシステム2の内針23の体壁Hへの穿刺時に腹腔内が過圧状態となっていても安全に穿刺することができる超音波トロッカー穿刺システム1を提供することができる。そうすると、内針23を体壁に超音波穿刺するときに、安全に行うことができる。
【0045】
次に、第2の実施の形態について図5および図6を用いて説明する。この実施の形態では、超音波出力の出力信号を気腹装置40に対してシリアル、もしくはパラレルに通信できる超音波トロッカー穿刺システム1について説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0046】
図5に示すように、超音波出力スイッチ10と第1のCPU30との間には、第1のスイッチ検知回路31が設けられている。第1のCPU30には、超音波出力スイッチ10のON/OFFの状態を出力する第1のスイッチ検知回路31から超音波出力の出力信号が入力される。さらに、第1のCPU30には、超音波発振装置9の筐体27内に気腹装置40との間の通信を行うための無線の第1の通信回路4aが設けられている。
【0047】
一方、気腹装置40の筐体43内には、超音波発振装置9の第1の通信回路4aと通信を行う無線の第2の通信回路4bが設けられている。この第2の通信回路4bには、第2のCPU44が接続されている。第2のCPU44には、開閉弁46、リリーフ弁50、圧力センサー53および、間に第2のスイッチ検知回路63を有する排煙用スイッチ62がそれぞれ接続されている。そして、第2のCPU44には、圧力センサー53からの計測値(計測結果)と、排煙用スイッチ62のON/OFFの状態を出力する第2のスイッチ検知回路63から排煙用スイッチ62の出力信号とが入力される。このため、第2のCPU44は、圧力センサー53および第2のスイッチ検知回路63など、各種信号に基づいて開閉弁46およびリリーフ弁50を開閉制御する。
【0048】
図6にこの気腹装置40の第2のCPU44の処理フローを示す。図6に示すように、第2のCPU44は、排煙用スイッチ62のON/OFFを第2のスイッチ検知回路63を介して検出する(S1)。
【0049】
排煙用スイッチ62がOFF(NO)であるとき、腹腔内の圧力が過圧状態か正常状態かを圧力センサー53による計測結果に基づいて判断する(S2)。このときの判断基準は、例えば第1の実施の形態で説明した通りである。
【0050】
腹腔内の圧力が過圧状態でない(NO)と判断すると、患者の腹腔内は安全な範囲内であるので、排煙用スイッチ62のON/OFFを第2のスイッチ検知回路63を介して再び検出する(S1)。このとき、上述した告知手段によって腹腔内の状態がユーザーに認識される。腹腔内の圧力が正常状態にあるときには、その旨がユーザーに「光」および「音」で知らされる。腹腔内の圧力が正常状態にあるときには、開閉弁46を閉めるように制御しても良く、過圧状態になる(近づく)までさらに気腹用ガスを腹腔内に導入するようにしても良い。すなわち、腹腔内の圧力が正常状態のときに気腹用ガスの導入を続行するか停止するかは、第2のCPU44に予め設定される。
【0051】
一方、腹腔内の圧力が過圧状態である(YES)と判断すると、第2のCPU44は、開閉弁46を閉じる制御を行う。そして、第2のCPU44で、超音波出力スイッチ10のON/OFFを第1のスイッチ検知回路31を介して第1のCPU30で検出することを第1のCPU30に要求する。このとき、第1のCPU30は、検出した結果(信号)を第1のCPU30から第2のCPU44に向けて第1の通信回路4aおよび第2の通信回路4bを用いて送信する。その後、第2の通信回路4bから第2のCPU44に超音波出力スイッチの出力信号が受け渡される。そして、第2のCPUは、超音波出力スイッチ10のON/OFFを判断する(S3)。
【0052】
第2のCPU44は、超音波出力信号がOFFの状態(超音波出力が出力されていない)(NO)であると判断すると、リリーフ弁50を自動的に開放して腹腔内の気腹用ガスを外部に排出する(S4)。
【0053】
一方、第2のCPU44は、超音波出力が発振されている(YES)と判断すると、再び排煙用スイッチ62のON/OFFを判断する(S1)。なお、必要のために、ユーザーが排煙用スイッチ62をONに切り換えると、リリーフ弁50が強制的に開放されて腹腔内のガスが排出される(S4)。すなわち、排煙用スイッチ62がONに切り換えられると、腹腔内の圧力が過圧状態か正常状態かに関わらず、リリーフ弁50が強制的に開放される。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態によれば以下の効果が得られる。
この超音波トロッカー穿刺システム1では、第2のCPU44、すなわちソフトウェアで開閉弁46およびリリーフ弁50を処理(制御)することができる。このため、第1の実施の形態で説明した超音波トロッカー穿刺システム1よりも設計が柔軟でありかつ、保守、修正も容易に行うことができる。また、第2のCPU44で開閉弁46およびリリーフ弁50を制御することによって、腹腔内の圧力(気腹圧)を所望のように制御することができる。他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0055】
次に、第3の実施の形態について図7および図8を用いて説明する。この実施の形態は第2の実施の形態の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0056】
図7は、第2の実施の形態で説明した圧力センサー53(図5参照)の代わりに流量センサー(計測器)54を備えたことを示す。他の構成は、第2の実施の形態と同様である。このため、流量センサー54は、腹腔内に導入される気腹用ガスの流量を所定の間隔(時間)をもって測定することができる。なお、この流量センサー54は、腹腔内からリリーフ弁50を通して外部に排出されるガス流量を計測することもできる。この流量センサー54の計測結果は、第2のCPU44に入力される。第2のCPU44は、入力された流量センサー54の計測結果および第2のスイッチ検知回路63からの信号など、各種信号に基づいて開閉弁46およびリリーフ弁50を開閉制御する。
【0057】
図8にこの気腹装置40の第2のCPU44の処理フローを示す。第2の実施の形態で説明した処理フローと同一のフローについては説明を省略する。
【0058】
排煙用スイッチ62がOFF(NO)であるとき、腹腔内に送気された気腹用ガスの流量が過送気状態か正常状態かを流量センサー54による計測結果に基づいて判断する(S12)。このときの判断基準は、第2のCPU44に適宜に設定されている。
【0059】
腹腔内が過送気状態でない(正常状態)(NO)と判断すると、患者の腹腔内は安全な範囲内であるので、排煙用スイッチ62のON/OFFを第2のスイッチ検知回路63を介して再び検出する(S1)。
【0060】
一方、腹腔内が過送気状態である(YES)と判断すると、第2のCPU44は、開閉弁46を閉じる制御を行う。そして、第2のCPU44で、超音波出力スイッチ10のON/OFFを第1のスイッチ検知回路31を介して第1のCPU30で検出することを第1のCPU30に要求する。このとき、第1のCPU30は、検出した結果(信号)を第1のCPU30から第2のCPU44に向けて第1の通信回路4aおよび第2の通信回路4bを用いて送信する。その後、第2の通信回路4bから第2のCPU44に超音波出力スイッチの出力信号が受け渡される。そして、第2のCPUは、超音波出力スイッチ10のON/OFFを判断する(S3)。
他のフローは第2の実施の形態と同様である(図6参照)。
【0061】
以上説明したように、この実施の形態によれば以下の効果が得られる。
この超音波トロッカー穿刺システム1では、第2のCPU44、すなわちソフトウェアで開閉弁46およびリリーフ弁50を処理(制御)することができる。このため、第1の実施の形態で説明した超音波トロッカー穿刺システム1よりも設計が柔軟でありかつ、保守、修正も容易に行うことができる。
【0062】
なお、第2の実施の形態では圧力センサー53(図5参照)を用い、第3の実施の形態では流量センサー54(図7参照)を用いたが、両者を同時に使用することが好適である。このとき、腹腔内の過圧状態と過送気状態とをそれぞれ判断するので、第2のCPU44で開閉弁46およびリリーフ弁50を開閉制御するときの腹腔内の状態をより的確に判断することができる。
【0063】
次に、第4の実施の形態について図9および図10を用いて説明する。この実施の形態は、第1および第3の実施の形態の変形例である。このため、第1および第3の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0064】
図9に示すように、ハンドピースユニット8は、第1の実施の形態と同様に、超音波振動子14と内針23とで構成されている。この内針23の外周には、シース25が被覆されている。そして、このようなハンドピースユニット8が外套管26に内挿されて組み付けられた状態で内針23が体壁Hに超音波穿刺される。
ハンドピースユニット8は、超音波振動子14の基端部に口金65を備え、内針23の先端部近傍に側孔23aを備えている。また、ハンドピースユニット8の口金65および側孔23aは、ハンドピースユニット8の内部の連通路で連通されている。この実施の形態では、超音波振動子14および内針23には、内針23の中心軸上に連通路が形成されている。
【0065】
超音波振動子14の基端部に設けられた口金65には、気腹装置40から延びた気腹用ガスチューブ41が接続されている。このため、ガスボンベからの気腹用ガスが気腹用ガスチューブ41を介して口金65からハンドピースユニット8の連通路に流入される。そして、連通路に流入された気腹用ガスは、内針23の先端部近傍に設けられた側孔23aからハンドピースユニット8の外部に流出(送気)される。
【0066】
図10は、超音波発振装置9および気腹装置40の回路構成を示す。図10に示すように、この実施の形態では、第1の実施の形態で説明した圧力センサー53の代わりに開閉弁46から腹腔内に流れる気腹用ガスの流量を計測する流量センサー(計測器)54が配設されている。なお、この流量センサー54は、腹腔内からリリーフ弁50を通して外部に排出されるガス流量を計測することもできる。さらに、この実施の形態では、第2の論理回路60の出力が分岐されて、通信ケーブル4を介してこの出力を第1のCPU30に入力するためのフィードバック回路が形成されている。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0067】
次に、この実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システム1の作用について説明する。
【0068】
内針23の体壁への穿刺よりも前から気腹用ガスを内針23の先端部近傍の側孔23aから流出させておく。その後、体壁に内針23の先端を適当に押し付けた後、超音波出力スイッチ10をONに切り換えて内針23の先端での超音波穿刺を開始する。
【0069】
体壁を内針23の先端が通過している間は、気腹用ガスは腹腔内に流れない。しかし、内針23の先端が体壁を貫通し、側孔23aも腹腔内(体腔内)に入るや否や、気腹用ガスが内針23の側孔23aから噴出する。
【0070】
このとき、図10に示す監視手段(第1の論理回路)55には、内針23の側孔23aからの気腹用ガスの流出量の変動を計測した流量センサー54からの信号が入力される。流量センサー54の計測信号は、第2の論理回路(OR回路)60によって、気腹装置40から超音波発振装置9の第1のCPU30にフィードバックされる。第1のCPU30は、フィードバックされた信号に基づいて変圧器32を制御する。ここでは、流量センサー54により計測された計測結果の変動量が所定の時間内に所定の値(基準値)よりも大きくなったときには、変圧器32から超音波振動子14へのエネルギーの供給を強制的に停止させる。一方、変動量が小さいときには、そのまま変圧器32から超音波振動子14へのエネルギーの供給を続ける。
【0071】
このため、内針23の先端が体壁を貫通した直後には、気腹用ガスの流量の変動が大きくなるので、気腹用ガスの流出量の流量変化によって超音波出力を自動的に停止することができる。すなわち、流量センサー54で計測した所定時間における流量の変動に伴って、超音波出力の出力を続行するか、停止するかを自動的に制御することができる。このため、内針23を体壁Hに穿刺した後は、内針23の先端が超音波振動していないので、万一臓器などに内針23の先端が接触しても、臓器損傷などを最小限に防ぐことができる。
【0072】
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
内針23の先端が体壁Hを貫通するや否や超音波出力を停止することができ、かつ、内針23の先端部近傍(側孔23a)から気腹用ガスを導入することができる。このため、内針23の先端が体壁Hを貫通したことを術者が監視する必要がなく、かつ、その後に超音波出力スイッチ10をOFFに切り替える手間を省くことができる。そうすると、ユーザーは患者の処置に集中することができるので、誤操作を防止することができる。すなわち、内針23の先端における超音波振動による臓器の損傷を防止することができる。
【0073】
したがって、腹腔内の状態変化(ガス流量変化)に基づいて超音波発振装置9の出力を制御することにより、超音波振動による穿刺の安全性や操作性を向上させることができる。
【0074】
なお、この実施の形態では、流量センサー54を用いて内針23の側孔23aから流出される気腹用ガスの流量を計測して超音波出力を続行するか停止するかを気腹装置40の第2のCPU44と超音波発振装置9の第1のCPU30との間の通信によって制御した。他に、流量センサー54でなく、圧力センサー53(図3参照)を用いた回路構成で同様に制御しても良い。ガス流量よりもガス圧力の変化の方が応答が早いので、より迅速に超音波出力の続行/停止を判断させることができる。
【0075】
さらに、流量センサー54だけでなく、圧力センサー53をも配設しても良い。そうすると、流量および圧力の両者を計測して、内針23の先端の体壁Hへの穿刺状態が判断される。このため、例えば、内針23の先端が皮下に入り込んだ場合などは、気腹用ガスは側孔23aから流出するが、気腹用ガスチューブ41内の圧力は急激に上昇する。したがって、流量および圧力の両者の結果に基づいて判断すると、腹腔内に内針23の先端が穿刺されたか否かをより明確に判断することができる。
【0076】
以上説明したように、上述した実施の形態によれば、腹腔内の状態変化に基づいて超音波発振装置の出力を制御することにより、超音波振動による穿刺の安全性や操作性を向上させることができる超音波トロッカー穿刺システムを提供することができる。
【0077】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0078】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0079】
[付記]
(付記項1) 体壁に穿刺される内針と、
この内針に超音波振動を発生可能な超音波振動子とを有するトランスデューサーと、
前記内針を長手方向に沿ってカバーするシースと、
体壁に導入され留置される外套管と、
前記トランスデューサーにエネルギーを供給する超音波発振装置と、
腹腔を気腹する気腹装置と
を備えた超音波トロッカーシステムにおいて、
前記気腹装置と前記超音波発振装置とは通信可能な通信手段を有し、
前記気腹装置には腹腔内の状態変化を検知する検知手段を有し、
前記気腹器の検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0080】
(付記項2) 付記項1において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、圧力状態を検知する手段を有し、
前記気腹器の圧力検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0081】
(付記項3) 付記項1において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、流量を検知する手段を有し、
前記気腹器の流量検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0082】
(付記項4) 付記項1において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、圧力状態を検知する手段と流量を検知する手段を有し、
前記気腹器の圧力検知結果、および流量検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0083】
(付記項5) 付記項1において、
前記気腹装置には腹腔内の検知結果を音や光によって告知する手段を有する。
【0084】
(付記項6) 付記項1において、
気腹器の検知結果に応じてリリーフ弁の開閉制御を行う。
【0085】
(付記項7) 体壁に穿刺される内針と、
この内針に超音波振動を発生可能な超音波振動子とを有するトランスデューサーと、
前記内針を長手方向に沿ってカバーするシースと、
体壁に導入され留置される外套管と、
前記トランスデュサーにエネルギーを供給する超音波発振装置と、
腹腔を気腹する気腹装置と
を備えた超音波トロッカーシステムにおいて、
内針およびトランスデューサーには気腹ガスの流入・流出経路を備え、
前記気腹装置と前記超音波発振装置とは通信可能な通信手段を有し、
前記気腹装置には腹腔内の状態変化を検知する検知手段を有し、
前記気腹器の検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0086】
(付記項8) 付記項7において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、圧力状態を検知する手段を有し、
前記気腹器の圧力検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0087】
(付記項9) 付記項7において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、流量を検知する手段を有し、
前記気腹器の流量検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0088】
(付記項10) 付記項7において、
前記気腹装置には腹腔内の検知は、圧力状態を検知する手段と流量を検知する手段を有し、
前記気腹器の圧力検知結果、および流量検知結果に応じて前記超音波出力の出力を制御する手段と
を備えた超音波トロッカーシステム。
【0089】
(付記項11) 付記項7において、
前記気腹装置には腹腔内の検知結果を音や光によって告知する手段を有する。
【0090】
(付記項12) 患者の腹腔内を気腹させる気腹用ガスを供給する気腹装置と、
この気腹装置から気腹用ガスを供給して腹腔内を気腹させた状態で患者の体壁を通して腹腔内と体外とを連通させるようにその先端から体壁に穿刺される内針と、
この内針の基端部に接続され、前記内針の先端に向けて超音波振動を伝達する超音波トランスデューサーと、
この超音波トランスデューサーに超音波発振用エネルギーを供給する超音波発振装置と、
前記内針が内挿された組み付け状態と、抜去された抜去状態とに切り換え可能で、前記組み付け状態のときに体壁に導入されて留置される外套管と
を具備する超音波トロッカー穿刺システムにおいて、
前記気腹装置は、
前記超音波発振装置から超音波トランスデューサーへの超音波発振用エネルギーの供給の有無を前記超音波発振装置との間で通信可能な通信手段と、
前記気腹装置から患者の腹腔内への気腹用ガスの供給に基づく腹腔内の状態を計測する計測手段と、
この計測手段の計測結果および前記通信手段で前記超音波発振装置から前記気腹装置に通信される超音波発振用エネルギーの供給の有無に基づいて、腹腔内の状態を選択的に制御する制御手段と
をさらに具備することを特徴とする超音波トロッカー穿刺システム。
【0091】
(付記項12の課題)
超音波トロッカーシステムの内針の体壁への穿刺時に腹腔内が過圧状態となっていても安全に穿刺することができる超音波トロッカー穿刺システムを提供する。
【0092】
(付記項13) 前記計測手段は、気腹用ガスによる腹腔内の圧力状態を検知する圧力検知手段を備えていることを特徴とする付記項12に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0093】
(付記項14) 前記計測手段は、気腹用ガスによる腹腔内に流れる気腹用ガスの流量を検知する流量検知手段を備えていることを特徴とする付記項12に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0094】
(付記項15) 前記計測手段は、気腹用ガスによる腹腔内の圧力状態と、腹腔内に流れる気腹用ガスの流量とを計測する計測器を備えていることを特徴とする付記項12に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0095】
(付記項16) 前記制御手段は、前記超音波発振用エネルギーが出力されているときに腹腔内の気腹用ガスの外部への排出を防止するように閉塞させ、前記超音波発振用エネルギーが停止されているときに腹腔内の状態に基づいて開閉させるリリーフ弁に接続されていることを特徴とする付記項12ないし付記項15のいずれか1に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0096】
(付記項17) 前記リリーフ弁は、前記超音波発振用エネルギーの供給が停止され、腹腔内の状態が過圧状態のときに開き、正常状態のときに閉塞した状態を保つことを特徴とする付記項16に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0097】
(付記項18) 前記制御手段は、前記リリーフ弁の開閉を制御するソフトウェアを備えていることを特徴とする付記項16もしくは付記項17に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0098】
(付記項19) 前記制御手段は、前記リリーフ弁の開閉を選択する論理回路を備えていることを特徴とする付記項16もしくは付記項17に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0099】
(付記項20) 前記気腹装置には、前記計測手段による計測結果を音または光で知らせる告知手段を備えていることを特徴とする付記項12ないし付記項19のいずれか1に記載の超音波トロッカー穿刺システム。
【0100】
(付記項21) 開閉弁を開放してボンベから腹腔内に気体を流入させる工程と、
腹腔内に気体が流入されたときに腹腔内の状態を計測器で検知した信号に基づいて前記開閉弁を開閉する工程と、
所定の信号が受け渡されている間は閉じる信号を、所定の信号の受け渡しが停止し、かつ、腹腔内の圧力が過圧状態にあることを前記圧力センサーで検知した間は開ける信号を出力し、安全弁を開閉する工程と
を具備することを特徴とする気腹圧制御方法。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、超音波振動による体壁への穿刺の安全性や操作性を向上させる超音波トロッカー穿刺システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムの概略構成を示す図。
【図2】 第1の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける超音波トロッカーのハンドピースユニットを示す概略的な分解図。
【図3】 第1の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける超音波発振装置および気腹装置の構成を示すブロック回路図。
【図4】 第1の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおけるリリーフ弁のロジックを説明する図。
【図5】 第2の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける超音波発振装置および気腹装置の構成を示すブロック回路図。
【図6】 第2の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける第2のCPUにおけるフローチャート。
【図7】 第3の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける超音波発振装置および気腹装置の構成を示すブロック回路図。
【図8】 第3の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける第2のCPUにおけるフローチャート。
【図9】 第4の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける概略構成を示す図。
【図10】 第4の実施の形態に係わる超音波トロッカー穿刺システムにおける超音波発振装置および気腹装置の構成を示すブロック回路図。
【符号の説明】
4…通信ケーブル、9…超音波発振装置、23…超音波トロッカー内針、26…トロッカー外套管、28…第1のスイッチ検知回路、30…第1のCPU(中央演算処理装置)、31…第1のスイッチ検知回路、32…変圧器、40…気腹装置、41…気腹用ガスチューブ、42…外套管、44…第2のCPU(中央演算処理装置)、45…ガスボンベ、46…開閉弁、48…チューブ、50…リリーフ弁、51…チューブ、53…圧力センサー、55…第1の論理回路(監視手段)、60…第2の論理回路、63…第2のスイッチ検知回路

Claims (2)

  1. 気腹用ガスを供給し、患者の腹腔内を気腹させる気腹装置と、
    患者の体壁に穿刺される内針と、この内針の基端部に接続され、前記内針の先端に向けて超音波振動を伝達する超音波トランスデューサーとを有するハンドピースユニットと、
    前記超音波トランスデューサーに超音波発振用エネルギーを供給する超音波発振装置と、
    前記ハンドピースユニットの内針が内挿された状態で、前記内針で穿刺された体壁に導入されて留置される外套管と
    を具備する超音波トロッカー穿刺システムにおいて、
    前記気腹装置と超音波発振装置との間で互いに通信する通信手段と、
    前記気腹装置に設けられ、腹腔内への気腹用ガスの供給によって変化する腹腔内の状態を計測する計測手段と、
    この計測手段における計測結果に基づいて超音波発振装置の出力を制御する制御手段と
    をさらに具備することを特徴とする超音波トロッカー穿刺システム。
  2. 気腹用ガスを供給し、患者の腹腔内を気腹させる気腹装置と、
    患者の体壁に穿刺される内針と、この内針の基端部に接続され、前記内針の先端に向けて超音波振動を伝達する超音波トランスデューサーとを有するハンドピースユニットと、
    前記超音波トランスデューサーに超音波発振用エネルギーを供給する超音波発振装置と、
    前記ハンドピースユニットの内針が内挿された状態で、前記内針で穿刺された体壁に導入されて留置される外套管と
    を具備する超音波トロッカー穿刺システムにおいて、
    前記ハンドピースユニットの内部に前記気腹用ガスのガス通路を設け、前記内針の先端部にこのガス通路内の気腹用ガスを流出させるガス流出口を設けるとともに、
    前記超音波トランスデューサーの駆動時に前記内針の先端部のガス流出口からの気腹用ガスの流出状態を計測し、この計測結果に基づいて前記超音波トランスデューサーの駆動を停止させる判断を行う制御手段をさらに具備することを特徴とする超音波トロッカー穿刺システム。
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