JP2005074014A - トロッカーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】出血が生じたときにも外套管を留置した状態で使用可能な使い勝手の良いトロッカーシステムを提供する。
【解決手段】トロッカーシステム1は、トロッカー外套管4と、このトロッカー外套管4に着脱自在に内挿されるトロッカー内針6とが組み付けられた状態で生体の体壁に穿刺される。外套管4は、この外套管4自体を超音波振動させる超音波振動子を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、体腔内への挿入器具の案内管として使用されるトロッカー外套管を生体の体壁に穿刺して留置するためのトロッカーシステムに関する。
従来の一般的なトロッカーシステムは、先端に鋭利な穿刺針を有する内針と、患者に穿刺されて留置されるトロッカー外套管とが着脱自在に組み付けられて使用される。内針はトロッカー外套管に内挿され、内針と外套管とが一体的に組み付けられた状態で患者の体壁に穿刺されて体腔内に導入される。その後、外套管から内針が抜去されて外套管のみが生体の体壁に留置される。留置された外套管は、各種病変部の観察を行なうためのスコープや、処置を行なうための処置具の案内管として使用される。
このようなトロッカーシステムについて、従来から様々な形態のものが知られている。例えば特許文献1には、内針とトロッカー外套管とが一体的に組み付けられた状態で内針を超音波振動させながら内針と外套管とを患者の体壁に導入する超音波トロッカーシステムが開示されている。このシステムでは、内針を超音波振動させることによって一体的に組み付けられた内針および外套管を比較的軽い力で患者の体壁に穿刺して導入することができる。
また、特許文献2には、外径寸法が比較的小さい内針とトロッカー外套管との間に先端部が略円錐状で先細状に形成されたダイレータが介挿される改良された超音波トロッカーシステムが開示されている。このシステムでは、組み付けられたときに外套管の先端からダイレータの先細状の先端が突出する。ダイレータの先細状の先端からは、さらに内針の穿刺針が突出する。この状態で内針を超音波振動させながら一体的に組み付けられた内針、ダイレータおよび外套管を患者の体壁に穿刺する。その後、ダイレータおよび外套管を術者が保持して患者の体壁をダイレーションして外套管を患者の体壁に導入する。
特公平5−57863号公報 特開2002−177293号公報
例えば特許文献1や特許文献2に開示された従来のトロッカーシステムを用いて内針とともにトロッカー外套管を体壁に穿刺した後、外套管を体壁に留置したとき、外套管を留置した直後には出血が生じていないものの、術中の激しい操作によって外套管の近傍に出血が生じる場合がある。このような場合、外套管を一旦体壁から抜去して出血点を確認し、超音波あるいは高周波の手術具などを利用して出血部位を止血する。その後、再び従来のトロッカーシステムを用いて外套管を体壁に留置する。したがって、術中に外套管の近傍で出血が生じた場合、外套管の抜去および再留置作業など、非常に面倒な手間(作業)が必要となるので、手術の短時間化を妨げる要因となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出血が生じたときにも外套管を留置した状態で使用可能な使い勝手の良いトロッカーシステムを提供することにある。
このような課題を解決するために、この発明のトロッカーシステムは、トロッカー外套管と、前記トロッカー外套管に内挿される内針とからなる。そして、このトロッカーシステムは、前記トロッカー外套管の少なくとも一部を超音波振動させる超音波振動子を前記トロッカー外套管に設けたことを第1の特徴とする。
トロッカーシステムは、このような構成を有し、外套管自身が超音波振動素子を備え、外套管を超音波振動させることで、生体組織への効率的な超音波振動の伝達が可能である。このため、体壁に対する穿刺時や術中などに外套管から出血が確認された場合、外套管自体を超音波振動させることによって他の器具を必要とせずに、速やかに止血行為が行なえる。このため、使い勝手の良いトロッカーシステムの提供が可能となる。
また、前記超音波振動子は、前記トロッカー外套管に対して着脱可能であることを第2の特徴とする。
このような構成を有するので、外套管を留置したり、止血したりするときにのみ超音波振動子を外套管に装着し、処置具やスコープを単に案内するときには取り外すことができる。このため、外套管によって体腔内に案内された処置具やスコープの操作性の向上が図れる。
そして、前記内針および前記トロッカー外套管の少なくとも1つに、前記内針を超音波振動させる振動手段を設けたことを第3の特徴とする。
このような構成を有するので、外套管に内挿された状態で内針および外套管を組み付けた一体部材を生体の体壁に穿刺するときの刺入性の向上が図れる。
本発明によれば、出血が生じたときにも外套管を留置した状態で使用可能な使い勝手の良いトロッカーシステムを提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
まず、第1の実施の形態について図1および図2を用いて説明する。
図1および図2に示すように、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1は、トロッカー外套管4と、この外套管4に着脱自在に内挿される内針6とを備えている。外套管4の内径は、内針6の外径よりも僅かに大きく形成されている。このため、外套管4に内針6を着脱自在に内挿することができる。
外套管4の基端部からは、短いケーブル8が延出されている。このケーブル8の先端部には、コネクタ受部11が設けられている。このコネクタ受部11には、コネクタ13が着脱自在に接続される。このコネクタ13は、後述する超音波振動子を振動させるために超音波発振用のエネルギーを供給する超音波発振装置10から延出された長いケーブル12の先端部に設けられている。このため、超音波発振装置10から長いケーブル12、コネクタ13、コネクタ受部11、および短いケーブル8を介して外套管4を超音波振動させるためのエネルギーが供給される。
この超音波発振装置10には、超音波発振用エネルギーの供給のON/OFFを制御する出力制御機器として、フットスイッチやハンドスイッチなどが着脱可能に接続されている。この実施の形態では、超音波発振装置10には、この超音波発振装置10から着脱可能に延出されたケーブル16を介して例えばフットスイッチ15が接続されている。このため、フットスイッチ15を踏むと、ケーブル16を介して超音波発振装置10に対して超音波発振装置10から超音波振動子にエネルギーを供給させる信号を伝達することができる。
図2に示すように、内針6は、略円柱状の内針挿入部22と、この内針挿入部22の基端部に一体的に設けられた取手部24とを同一軸上に備えている。取手部24の外径は、内針挿入部22の基端部の外径よりも拡大されている。この取手部24は、例えば丸頭状や丸皿頭状に形成されている。一方、内針挿入部22の先端部と基端部との間は、同一の径を有する円柱状に形成されている。この内針挿入部22の先端部は、例えば丸みを帯びた鈍形状に形成されている。このため、生体の体壁にトロッカーシステム1を穿刺したときに体腔内の臓器を内針挿入部22の先端部によって損傷させることが防止される。なお、この内針6は、例えばステンレスやチタン合金などの金属材や、硬質樹脂などのプラスチック材等によって形成されている。この実施の形態では、以下、内針6がプラスチック材によって形成されているものとして説明する。
外套管4は、外套管振動部(超音波振動部)32と、ホーン部34と、外套管挿入部36とを基端部から先端部に向けて順次備え、同一の軸を中心軸としてそれぞれ円筒状に形成されている。これら外套管振動部32、ホーン部34および外套管挿入部36を合わせた外套管4の全長は、内針挿入部22の全長よりも短く形成されている。すなわち、外套管4に内針6が内挿されてトロッカーシステム1が形成された状態では、外套管挿入部36の先端部に対して内針挿入部22の先端部が突出した状態となる。これら外套管振動部(超音波振動部)32、ホーン部34および外套管挿入部36の内径は、内針挿入部22の先端部と基端部との間の外径よりも僅かに大きく形成されている。すなわち、外套管4には、内針挿入部22が着脱自在に内挿される。外套管4に内針挿入部22が内挿されたときには、内針6の取手部24が外套管振動部32の上端に当接される。内針取手部24の外径と外套管振動部32の上端の外径とはほぼ一致する。このため、術者がこのシステム1を保持する場合、内針取手部24と外套管振動部32とを一緒に握ることができる。
外套管振動部32は、超音波発振装置10から外套管4に供給されるエネルギーを超音波振動(機械的振動)に変換するランジュバン型超音波振動子(超音波トランスデューサー)を備えている。この超音波振動子は、互いに同一の内径および外径を有するドーナツ状の複数の圧電素子40と、各圧電素子40間に挟持された電極(図示せず)とを備えている。各電極にはリード線の一端が電気的に接続され、各リード線の他端は上述した短いケーブル8に内挿されてコネクタ受部11の電極(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。なお、複数のリード線は、1本のケーブル8に内挿されることによって外套管振動部32の外部に延出されている。
超音波振動子は、互いに隣接する電極を挟持するように第1の固定部材42で固定されている。第1の固定部材42は、外套管挿入部36およびホーン部34のそれぞれの内径と同じ内径を有する筒状に形成されている。この第1の固定部材42の上端部には、径方向外方に向かって突出したフランジ部42aが一体的に形成されている。一方、第1の固定部材42の下端部は、ホーン部34の上端面近傍に当接されている。第1の固定部材42の外周面には、上述した超音波振動子が配設されている。超音波振動子の最も下側の圧電素子40の下面は、ホーン部34に当接されている。最も上側の圧電素子40の上面は、第1の固定部材42のフランジ部42aの下面に当接されている。なお、第1の固定部材42は、絶縁性を有する材料で形成されている。
ホーン部34の上端面には、超音波振動子の圧電素子40が当接された状態にある。また、ホーン部34の上端面近傍には、上述した第1の固定部材42が径方向に移動することを防止する凹部42bが形成されている。この凹部42bは、第1の固定部材42の内周面がホーン部34の内周面に一致するように形成されている。この凹部42bに第1の固定部材42の下端部が配設されることによって、第1の固定部材42が外套管4に対して径方向に移動することが防止される。すなわち、超音波振動子が外套管4の径方向に移動することが防止された状態でホーン部34の上端面に配設されている。
このホーン部34の外周面は、上端から下端側に向けて一定の外径を維持した後、さらに下端に向けて外径が次第に小径となるように滑らかに形成されている。このホーン部34の下端には、外套管挿入部36が一体的に形成されている。この外套管挿入部36のホーン部34に対して遠位側にある先端部は、体壁への穿刺を容易にするため、先端に向かうほど薄肉に形成されている。なお、これらホーン部34および外套管挿入部36は、例えばチタン合金など生体適合性に優れているとともに超音波振動の伝達性が高い金属材で形成されている。
また、外套管振動部32の上述した第1の固定部材42のフランジ部42aの上面には、弁44が配設されている。この弁44は、ホーン部34の外周面と、弁44の上面との間を挟持する第2の固定部材46によって密閉性を確保している。すなわち、第2の固定部材46は、弁44、第1の固定部材42、および超音波振動子を間に挟んでいる。この第2の固定部材46によって、超音波振動子は、隣接する圧電素子40間が強固に挟持されている。すなわち、超音波振動子は、ホーン部34に強固に密着されている。このため、超音波振動子によって発生させた振動を超音波振動子(外套管振動部32)からホーン部34を通して外套管挿入部36の先端部に向けて効率的に超音波振動を伝達することができる。なお、弁44は、体腔内(腹腔内)の気腹用ガスの導入口や、処置具類の導入口として使用されるとともに、体腔内のガスが外部に漏れ出すことを防ぐ気体漏洩防止部材として用いられる。
次に、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1の作用について説明する。
まず、超音波発振装置10から延びた長いケーブル12のコネクタ13を外套管4から延びた短いケーブル8のコネクタ受部11に接続する。術者は、外套管4の基端部から先端部に向けて内針挿入部22の先端部を内挿し、内針6の取手部24を外套管振動部32の上端に当接させる。すなわち、外套管4と内針6とを組み合わせてトロッカーシステム1を形成する。
トロッカーシステム1を穿刺する部位の患者の皮膚を切開し、外套管4と内針6とを組み合わせたトロッカーシステム1の内針挿入部22の先端部を、切開した位置の体壁(皮膚)に適当な力で押し付ける。このとき、術者は、内針6の取手部24と外套管振動部32の上端とを一緒に握る。
この状態で術者がフットスイッチ15を踏むと、超音波発振装置10から延出された長いケーブル12、コネクタ13、コネクタ受部11、および短いケーブル8を介して外套管振動部32の内部の超音波振動子に対し、超音波振動を発生させるためのエネルギーを供給する。この場合、超音波振動子(圧電素子40)は微小振動する。この微小振動は、超音波振動子に接触したホーン部34の上端部に伝達されてこのホーン部34で拡大される。拡大された振動は、ホーン部34の下端部に一体的に形成された外套管挿入部36の基端部から先端部まで伝達される。
また、圧電素子40を振動させることによって発生させた超音波振動を図示しない超音波振動伝達手段によって内針6に伝達することも応用例として適宜可能である。
トロッカーシステム1をさらに体壁に対して押し込むと、超音波振動が伝達されている外套管挿入部36の外周面と、生体組織とが接触する。このように、外套管挿入部36の外周面に生体組織が接触すると、超音波振動が生体組織に直接伝達される。このため、体壁に対するシステム1の穿刺がより滑らかに行なえる。このとき、外套管振動部32を超音波振動させると、外套管挿入部36に発生する熱(凝固熱)によって、外套管挿入部36の外周面に接触した出血部位を確実に凝固させることができる。このため、生体組織から出血が発生しても、その出血部位を容易に止血することができる。また、外套管挿入部36に熱が発生した状態で体壁に穿刺されるので、外套管挿入部36の外周面に接触した部位の出血を防止することができる。したがって、生体組織からの出血を防止した状態で外套管挿入部36を体壁に穿刺することができる。
外套管挿入部36の先端部が患者の体壁を貫通し、外套管4を体壁に対して所望の位置まで挿入したら、フットスイッチ15を解放して超音波発振装置10からのエネルギーの供給を止める。そうすると、外套管振動部32の振動が止まり、外套管挿入部36の振動が止められて外套管4が所望の位置で体壁に対して係止される。この状態で外套管4の基端部から内針6の先端部を抜去する。したがって、生体の体壁には、外套管4が留置される。
その後、超音波発振装置10から延出された長いケーブル12のコネクタ13と、外套管4から延出された短いケーブル8のコネクタ受部11とを分離する。超音波発振装置10から延出された長いケーブル12のコネクタ13を例えば鉗子などの超音波手術器具(図示せず)に設けられたコネクタ受部に接続する。体壁に留置した外套管4の内孔にこのようなスコープ(内視鏡)や鉗子を挿入して体腔内を観察したり、処置したりする。このため、超音波手術器具を用いて速やかに体腔内を処置することができる。
このとき、外套管挿入部36の外周面に当接した視認することができない体壁周辺位置から出血が生じたら、再び超音波発振装置10から延びた長いケーブル12のコネクタ13を外套管4から延びた短いケーブル8のコネクタ受部11に接続する。フットスイッチ15を短時間踏むことによって、外套管振動部32を超音波振動させて外套管挿入部36に超音波振動を伝達して外套管挿入部36に熱を発生させる。この外套管挿入部36の外周面を出血部位に接触させて熱を出血部位に伝達して出血部位を凝固して止血する。そして、再び外套管4の外套管挿入部36の内孔にスコープや鉗子を挿入して体腔内を観察したり、処置したりする。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
外套管4に超音波振動子を設けたので、生体組織に接触する外套管4自体を直接超音波振動させることができる。このように、生体組織に接触する外套管4自体を超音波振動させるので、内針6を超音波振動させるよりも、生体組織に外套管4が接触した状態で伝達される超音波振動エネルギーの伝達効率を向上させることができる。
また、外套管4が生体の体壁に留置されて出血部位を観察することができない場合であっても、外套管4自体を超音波振動させることによって出血部位に凝固熱を与えて出血部位を止血することができる。
したがって、この実施の形態によれば、超音波振動する外套管4の外周面が生体組織に直接接触するので、生体組織へのエネルギー伝達効率が良く、出血があったときにも外套管4を体壁に留置した状態で外套管4を超音波振動させて出血部位を止血可能な、使い勝手の良いトロッカーシステムを提供することができる。
外套管4と内針6とを組み合わせてトロッカーシステム1を形成した場合、外套管挿入部36の先端部からは、内針挿入部22の先端部が突出している。この内針挿入部22の先端部の形状は、上述したように鈍形状であっても良く、鋭利な形状であっても良く、使用目的によって異なる。例えば、体腔内を気腹させるためには、臓器の損傷防止のため、上述した鈍形状を内針挿入部22の先端部に有する内針6を用いる。体腔内を気腹させた状態で体壁にさらに外套管4を穿刺して留置する場合には、穿刺が容易で、内針挿入部22の先端部が臓器に接触する可能性が低下するので、鋭利な形状を内視鏡挿入部22の先端部に有する内針6を用いることが一般的である。この内針6は、安全機構を備えたタイプのもの(例えば、特許第3195333号公報参照)であったり、鋭利な刃先を利用して皮膚を切開するようなタイプのものを用いても良い。
なお、この実施の形態では、内針6がプラスチック材で形成されていることを説明したが、金属材で形成されていても良い。このとき、内針挿入部22の外周面を例えばPTFEなどの樹脂材で被覆することが好ましい。そうすると、金属材の外套管4の超音波振動が内針挿入部22に伝達されたときに発生する金属材同士の摩擦を抑制することができる。
また、この実施の形態では、ガス漏れ防止用の弁44は、2つ以上備えていても良い。2つ以上備えている場合、より効果的にガス漏れが防止される。一方、気腹を必要としない、例えば胸腔鏡下手術の場合、弁44は設けられていなくとも構わない。すなわち、気腹を必要としない場合、外套管4の基端部(上部)が開放されていても良い。
その他、図3に示すように、外套管4から短いケーブル8を除去し、外套管4の外周面にコネクタ受部11aが設けられていても構わない。上述したように、短いケーブル8が設けられている場合、コネクタ受部11の着脱時の取り回しは便利である。しかし、術中、外套管4を超音波振動させる頻度は少ないので、ケーブル8が邪魔になることがある。そうした場合、外套管4の外周面にコネクタ受部11aが設けられていると、ケーブル8が邪魔になることがない。このため、構成上好ましい。
外套管4の外套管振動部32には、気腹ガスの流入量を制御するコック50を有していても良い。このコック50は、気腹を伴う手術の場合のみ必要である。このため、胸腔鏡下手術や吊り上げ手術などの場合、コック50は不要となる。
次に、第2の実施の形態について図4および図5を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図4(A)および図4(B)に示すように、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1におけるホーン部34の下端部には、雄ネジ部34aが形成され、外套管挿入部36の基端部には、雌ネジ部36aが形成されている。これらホーン部34の下端部および外套管挿入部36の基端部は、雄ネジ部34aおよび雌ネジ部36aが互いにネジ締結されてネジ締結部52が形成されている。このため、外套管4は、外套管振動部32およびホーン部34の一体部材と、外套管挿入部36とがネジ締結部52によって着脱可能である。
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1の作用について図5を用いて説明する。この実施の形態では、特に胸腔鏡下手術時に使用されるトロッカーシステム1の作用について説明する。胸腔鏡下手術では、気腹ガスを使用する必要がないのでガス漏れを防止する弁44などは不要となる。
外套管振動部32およびホーン部34の一体部材と、外套管挿入部36とをそれぞれ雄ネジ部34aおよび雌ネジ部36aで互いにネジ締結してネジ締結部52を形成する。すなわち、超音波振動部32で発生可能な超音波振動を外套管挿入部36に伝達可能なトロッカー外套管4を形成する(S1)。
外套管4に内針6を内挿し、内針6の取手部24を外套管4の外套管振動部32の上端に当接させる。すなわち、外套管4と内針6とを組み合わせてトロッカーシステム1を形成する(S2)。
患者にトロッカーシステム1を穿刺する位置の皮膚を切開し、外套管4と内針6とを組み合わせたトロッカーシステム1の内針6の先端部を、切開した皮膚の体壁H(図4(B)参照)に適当な力で押し付ける。フットスイッチ15を踏んで外套管振動部32を超音波振動させながらトロッカーシステム1を体壁Hに穿刺する(S3)。
体腔内に外套管挿入部36の先端部が貫通したら、フットスイッチ15を解放し、超音波振動を止める。外套管挿入部36の外周面に体壁Hが接触していることを確認して外套管4から内針6を抜去する(S4)。
外套管振動部32およびホーン部34の一体部材と、外套管挿入部36との間のネジ締結部52のネジ締結を解除し、体壁Hに外套管挿入部36のみが留置された状態とする(S5)。この外套管挿入部36の内孔に鉗子やスコープ(内視鏡)を挿入して体腔内を観察したり、処置したりする(S6)。このとき、出血が生じたら、再び外套管振動部32およびホーン部34の一体部材を外套管挿入部36の基端部にネジ締結する。この状態でフットスイッチ15を短時間踏むことによって、外套管挿入部36を超音波振動させて外套管挿入部36に熱を発生させて外套管挿入部36を出血部位に接触させて出血部位を止血する。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
例えばスコープや鉗子を用いて胸腔内を処置する場合、胸腔内と生体外部とを連通させる筒体(外套管挿入部36)のみが必要となるので、体壁Hに残された外套管挿入部36を利用して、スコープや鉗子の挿入や抜去を行なうことができる。このため、この外套管挿入部36を通して処置を行なうことができる。
外套管4は、内針挿入部22が内挿される内孔を有するので、外套管振動部32を残したままでも処置を行なうことができる。しかし、外套管挿入部36の外表面に接触する部位から出血がないときには外套管振動部32が処置に不要となる。このとき、外套管振動部32(外套管振動部32とホーン部34とを合わせた一体部材)と外套管挿入部36とをネジ締結部52によって分離することができる。このため、外套管振動部32を体壁Hへの穿刺時に使用し、手術時に不要な外套管振動部32を取り外すことができるので、手術用の処置具の操作性を大きく向上させることができる。
なお、腹腔鏡下手術で使用する場合は、外套管挿入部36の振動の腹部にガス漏れ防止用の弁を設置して同様に使用することができる。
次に、第3の実施の形態について図6を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図6に示すように、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1における外套管挿入部36の外周面には、生体との接触部位を限定するための外套管カバー56が配設されている。外套管カバー56は、例えばPTFEなど、生体に対する滑り性、耐熱温度(耐熱性)が高く、生体適合性を有する材料が使用されている。この外套管カバー56は、この実施の形態では、外套管挿入部36の先端部近傍から外套管振動部32の第2の固定部材46の下端部までを覆う。外套管挿入部36の先端部は、金属材が外周面に露出されている。すなわち、外套管挿入部36の先端部の外周面には、外套管カバー56が配設されていない。このため、生体組織と金属材の外套管挿入部36との接触面積を限定し、生体組織に与える超音波振動エネルギーをコントロールすることができる。
次に、第4の実施の形態について図7および図8を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図7および図8に示すように、この実施の形態に係わるトロッカーシステム1の内針6は、超音波発振装置10に接続可能である。
図8に示すように、この内針6の内針挿入部22は、取手部24に連結された内針振動部(振動手段)72と、この内針振動部72の先端部に例えばネジ締結により固定されたプローブ74とを有する。このプローブ74は、超音波振動の伝達性や生体適合性が高い、例えばチタン合金などの金属材で形成されている。内針振動部72には、図示しないが、複数の圧電素子と、各圧電素子間に配設された電極とを有するランジュバン型超音波振動子が内蔵されている。各電極には、リード線の一端が接続されている。これらリード線は、1つに纏められてケーブル76の内部に導かれ、リード線の他端がコネクタ受部78に接続されている。
超音波発振装置10から延びた長いケーブル12は、二又に分岐され、それぞれ分岐されたケーブル12a,12bの先端部にはコネクタ13,82が設けられている。1つのコネクタ13は、外套管4から延びたケーブル8に設けられたコネクタ受部11に接続され、他方のコネクタ部82は、内針6の取手部24から延びたケーブル76に設けられたコネクタ受部78に接続される。したがって、外套管4および内針6をともに同時に超音波振動させることができる。
外套管4と内針6との両者を組み合わせてトロッカーシステム1を使用した場合、外套管挿入部36の先端部から露出する内針6の先端部も超音波振動する。このため、第1ないし第3の実施の形態で説明したトロッカーシステム1よりも体壁Hへの穿刺性(挿入性)を高くすることができ、かつ、熱の発生量が大きくなるので、出血部位の止血能を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、超音波発振装置10からケーブル12を分岐することを説明したが、超音波発振装置10から2つのケーブルを延出させ、内針6および外套管4にそれぞれ接続して用いてもまったく同等の性能を発揮することができる。
また、内針挿入部22と外套管挿入部36との間の摩擦力を低下させるため、プローブ74の基端部から先端部近傍までの外周面に例えばPTFEなど、滑り性、耐熱温度(耐熱性)が高い材料を配設しても良い。そうすると、外套管挿入部36の発熱量は、外套管4のみを超音波振動させる場合に近くなるので、外套管4および内針6を接触させた場合よりも発熱量が下がる。このため、止血能が下がるが、トロッカーシステム1に生じる摩擦や発熱量を低く抑えることができる。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
[付記]
(付記項1) 体壁に穿刺される内針と、この内針と挿通可能な経路と、生体組織に挿入可能な挿入部とを備えた外套管において、外套管自身の少なくとも一部が超音波振動することを特徴とした超音波外套管。
(付記項2) 体壁に穿刺される内針と、この内針と挿通可能な経路と、生体組織に挿入可能な挿入部とを備えた外套管において、外套管自身に超音波振動を発生する素子を備え、少なくとも一部が超音波振動することを特徴とした超音波外套管。
(付記項3) 付記項2の超音波外套管であって、ガス漏れ防止弁を備える。
(付記項4) 付記項2の超音波外套管であって、超音波出力を伝達するケーブルと接続する為のコネクタ部を備える。
(付記項5) 内針と外套管とを組み付けた状態で外套管を超音波振動させ、
外套管から生体組織に超音波振動を伝達しながら内針および外套管を体壁に導入し、
超音波振動を止めて外套管を体壁に留置した状態で内針を外套管に対して抜去する、
ことを特徴とする外套管留置方法。
(付記項6) 内針と外套管とを組み付けた状態で外套管を超音波振動させ、
前記外套管から生体組織に超音波振動を伝達させながら前記内針および前記外套管を体壁に導入し、
前記外套管の超音波振動を止めて外套管を体壁に留置した状態で前記内針を外套管に対して抜去し、
前記外套管の超音波振動子内蔵部を体壁に対する挿入部に対して取り外す、
ことを特徴とする外套管留置方法。
第1の実施の形態に係わるトロッカーシステムの構成を示す概略図。 第1の実施の形態に係わるトロッカーシステムにおける外套管および内針を分離した状態を示す概略図。 第1の実施の形態に係わるトロッカーシステムにおける外套管からケーブルを除去した状態を示し、外套管に内針を内挿した状態を示す概略図。 第2の実施の形態に係わるトロッカーシステムを示し、(A)は、外套管の概略的な縦断面図およびこの外套管に接続される超音波発振装置を示す概略図、(B)は、概略的な分解斜視図。 第2の実施の形態に係わるトロッカーシステムの処置のための処置フローチャート。 第3の実施の形態に係わるトロッカーシステムを示す概略図。 第4の実施の形態に係わるトロッカーシステムを示す概略図。 第4の実施の形態に係わるトロッカーシステムを分解した状態を示す概略図。
符号の説明
1…トロッカーシステム、4…トロッカー外套管、6…内針、10…超音波発振装置、22…内針挿入部、24…内針取手部、32…外套管振動部(超音波振動子内蔵部)、34…ホーン部、36…外套管挿入部、40…圧電素子

Claims (3)

  1. トロッカー外套管と、前記トロッカー外套管に内挿される内針とからなるトロッカーシステムにおいて、
    前記トロッカー外套管の少なくとも一部を超音波振動させる超音波振動子を前記トロッカー外套管に設けたことを特徴とするトロッカーシステム。
  2. 前記超音波振動子は、前記トロッカー外套管に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のトロッカーシステム。
  3. 前記内針および前記トロッカー外套管の少なくとも1つに、前記内針を超音波振動させる振動手段を設けたことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のトロッカーシステム。
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