JP4468491B2 - 超音波トラカールシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、腹腔に穿刺される超音波トラカールシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより、腹腔内臓器などを観察したり、必要に応じ内視鏡の鉗子チャンネル内に挿通させた鉗子を用いて生体内組織を採取して患部を詳しく診断することのできる医療用内視鏡が広く用いられている。前記内視鏡には口腔等から挿脱できるように挿入部が軟性で、かつ湾曲可能な構造の柔軟性を有する内視鏡と、挿入部が硬性で略直線状の硬性内視鏡がある。この硬性内視鏡は、観察部位への狙撃制が良好であるという特徴を有し、一般的にトラカールの刺入に案内されて体腔内等に挿入される。
【0003】
例えば、特公平5−57863号公報には細長で高周波振動を伝達する伝達部材の先端側に穿刺用の刃先を設け、かつこの伝達部材の後端側頭部に形成したカバー内の密封室内に高周波振動発生手段を収容し、この高周波振動発生手段に外部の高周波発生装置からコネクタによる電気的接続手段を介して高周波電力を供給可能とした中針を形成して、熟練を余り必要とすることなく、安全性を十分確保できる穿刺針が示されている。
【0004】
一般的な超音波トラカールは、1つのシステムとして、トラカール内針となる超音波伝達部材を備えた1本のハンドピースと、外套管となる直径の異なる複数のトラカールチューブと、これら複数種のトラカールチューブに対応して、超音波伝達部材の先端外径部分からトラカールチューブの先端外径近傍までの組織をスムーズに押し広げる超音波振動をしない先細状部材である先細状アダプタとで構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように構成した超音波トラカールを生体に穿刺した場合、超音波伝達部材はスムーズに挿入されていくが、超音波振動しない先細状アダプタの側面が抵抗となって、結果として超音波振動による挿入性を十分に生かすことができないという不具合がある。
【0006】
特に、超音波トラカールを、腹壁に穿刺した場合、筋層、脂肪層に対しては比較的容易に挿入して組織を押し広げることができるが、表皮から最遠部である腹膜部近傍において、先細状アダプタの先端部が貫通し難いことがわかっている。このため、超音波振動している超音波伝達部材の先端部が腹膜近傍において移動することなく、長時間同一組織下に停滞してしまうことによって、超音波伝達部材の先端部と生体組織との間に過度の摩擦熱が加わって熱傷を生じさせるという問題があった。
【0007】
また、先細状アダプタ部材は、組織をスムーズに押し広げるための部材であるので、先端角を鋭利に形成することによって挿入性を容易に向上させることができる。しかし、先端角を鋭利に形成すると、先細状アダプタ部材の軸方向長さが腹腔厚さに比較して長くなってしまう。このため、この構成の超音波トラカールで穿刺を行った場合、トラカールチューブ先端部が腹腔内に導入されたとき既に、超音波伝達部材の先端部が腹腔内臓器に近接、あるいは接触してしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入性が良好で、かつ安全性の高い超音波トラカールシステムを提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波トラカールシステムは、 内視鏡下外科手術において体腔内に向けて穿刺するための超音波トラカールシステムにおいて、超音波振動が伝達されて腹腔壁に穿刺させるためのトラカール内針と、このトラカール内針が挿入される外套管と、前記外套管の内周面と前記トラカール内新針の外周面との間に当該トラカール内針を覆設して配置され、滑り性の高い材質で構成された先細状部材と、前記先細状部材の先端部に外径寸法が先端側にいくにしたがって徐々に細径になる第1テーパー部と、この第1テーパー部より先端側に位置して先端にいくにしたがって外径寸法が徐々に細径になる第2テーパー部と、を具備し、前記第2テーパー部のテーパー角を前記第1テーパー部のテーパー角より小さい角度であって当該超音波トラカールシステムを腹腔壁に穿刺する際において、前記トラカール内針に続いて前記第2テーパー部が腹膜を破った後前記第1テーパー部が腹膜に対する抵抗体となる角度に設定した。
【0010】
この構成によれば、先細状部材の最先端部に第1テーパ部のテーパー角より小さく設定して設けた第2テーパ部が第1テーパ部に比べてスムーズに腹腔内に挿入される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波トラカールシステムの概略構成を示す説明図、図2は振動子収納部材の内部構成を示す説明図、図3は超音波トラカールの先端部の構成を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の超音波トラカールシステム10は、後述する超音波振動子を備えた超音波トラカールハンドピース(以下ハンドピースと略記する)1と、外套管であり細長な挿入部2aを備えたトラカールチューブ2と、超音波振動子にエネルギーを供給する超音波発振装置3と、エネルギー出力の制御を行うフットスイッチやハンドスイッチなどの出力制御機器4とで主に構成されている。
【0013】
図2に示すように前記ハンドピース1は、把持部を兼ねる振動子収納部材1aを有し、この振動子収納部材1aの内部に前記超音波発振装置3から供給されるエネルギーを微小な機械的振動に変換する超音波振動子1bを備えている。この超音波振動子1bの先端部には微小な機械的振動を拡大するホーン1cが設けられており、このホーン1cの先端部にトラカール内針となる超音波伝達部材5が螺合接続によって着脱自在な構成になっている。このことによって、超音波振動子1bの機械的振動がホーン1cを介して超音波伝達部材5の先端部まで伝達される。なお、本実施形態においては超音波伝達部材5に雄ネジ5bを設け、ホーン1cに雌ネジ(不図示)を設けているが、雄ネジと雌ネジとを逆の構成で設けるようにしてもよい。
【0014】
図1及び図3に示すように前記ホーン1cに接続された超音波伝達部材5は、先端部に先細状部6aを設けた先細状部材である先細状アダプタ6を介してトラカールチューブ2内に挿通されている。この先細状アダプタ6は、テフロンなどの滑り性の高い摺動部材で形成されている。
【0015】
前記先細状アダプタ6の先細状部6aには外径寸法が先端にいくにしたがって徐々に外周径寸法より細径になるテーパー角をθ1で形成した第1テーパ部61と、この第1テーパ部61より先端側に位置して先端にいくにしたがって徐々に前記第1テーパ部61の細径部よりさらに細径になるテーパー角をθ2で形成した第2テーパ部62とが設けられている。
【0016】
前記第1テーパ部61のテーパー角θ1と第2テーパ部62のテーパー角θ2との間に
テーパー角θ1>テーパー角θ2
の関係を設定している。すなわち、前記第2テーパ部62は、前記第1テーパ部61より鋭利に形成されている。また、第2テーパ部62の軸方向の長さ寸法は、前記第1テーパ部61の軸方向の長さ寸法より長めに設定されている。
【0017】
上述のように構成した超音波トラカールシステム10の作用を説明する。
図3に示すようにハンドピース1から延出する超音波伝達部材5は、先端側に第1テーパ部61及び第2テーパ部62を形成した先細状部6aを有する先細状アダプタ6を介してトラカールチューブ2の先端部から突出している。
【0018】
超音波トラカールシステム10をこの状態で生体体壁に穿刺した場合、前記先細状アダプタ6の第2テーパ部62のテーパー角θ2が第1テーパ部61のテーパー角θ1より小さく形成されているため、この先細状アダプタ6の第2テーパ部62は前記超音波伝達部材5の先端部5aに続いて腹膜を破って、腹腔内にスムーズに挿入されていく。そして、前記第1テーパ部61が腹膜に到達したとき、超音波伝達部材5が体腔内の目的部位に到達する。
【0019】
このとき、テーパー角θ1をテーパー角θ2より大きく形成すると共に、挿入部軸方向の長さ寸法を第2テーパ部62の挿入部軸方向の長さ寸法より短く形成した第1テーパ部61が抵抗部となって、超音波伝達部材5の先端部5a,第2テーパ部62及びトラカールチューブ挿入部2aの先端部を腹腔内臓器に対して比較的安全な距離を保った状態で配置させる。
【0020】
このように、先細状アダプタの先端部に形成される先細状部に、先端側から順に、先端側にいくにしたがって徐々に細径になるテーパー角をθ2で形成した第2テーパ部と、先端側にいくにしたがって徐々に細径になるテーパー角をθ1で形成した第1テーパ部とを設け、第2テーパ部のテーパー角θ2を第1テーパ部のテーパー角θ1より小さく設定したことにより、第2テーパ部を第1テーパ部に比べて鋭利に形成して腹膜を破り易く、体腔内にスムーズに挿入される先細状アダプタを構成することができる。このことにより、短時間に超音波伝達部材を体腔内に挿入することにより、超音波伝達部材と生体組織との間に発生する摩擦による熱損傷が抑制される。
【0021】
また、第1テーパ部のテーパー角θ1を第2テーパ部のテーパー角θ2より大きく設定したことにより、第1テーパ部では超音波伝達部材,第2テーパ部及びトラカールチューブ挿入部の先端部を腹腔内臓器に対して比較的安全な距離を保った状態で配置するストッパの役目をすることができる。このことにより、超音波伝達部材,第2テーパ部及びトラカールチューブ挿入部の先端部で腹腔内臓器が傷つけられることを防止している。
【0022】
なお、図4に示すように第2テーパ部62のテーパー角θ2を0度に設定することにより、第2テーパ部62の代わりに前記第1のテーパ部61の先端側の細径部と同じ外径寸法の円筒部63を設けることによって、前記第1実施形態の効果に加えて、超音波伝達部材5を体腔内に挿入する際の挿入力量を更に軽減することができる。
【0023】
また、図5に示すように円筒部63の先端面に形成するテーパ部63aのテーパー角θ3を超音波伝達部材5の先端部5aの先端テーパー角θ4よりも鋭角に形成することによって、すなわち、
前記テーパ部63aのテーパー角θ3と、先端部5aの先端テーパー角θ4との間に
先端テーパー角θ4>テーパー角θ3
の関係を設定している。
【0024】
このことによって、前記第1実施形態の効果に加えて、超音波伝達部材を体腔内に挿入する際の挿入力量をまた更に軽減することができる。
【0025】
さらに、図6に示すように第2テーパ部62の軸方向の長さ寸法L2を第1テーパ部の軸方向の長さ寸法L1より極めて長く構成にすることによって、前記第1実施形態の効果に加えて、超音波伝達部材を体腔内に挿入する際の挿入力量を軽減することができると共に、筋層から腹膜にかけての比較的厚めの組織を容易に貫通することができる。また、第2テーパ部が体腔内に急激に挿通されたとき、第1テーパ部がストッパの役目を果たして腹腔内臓器を超音波伝達部材の先端部などで傷付けることを防止することができる。
【0026】
図7は本発明の第2実施形態に係る超音波トラカールの先端部の他の構成を示す説明図である。
超音波トラカールを生体組織に挿入するとき、先細状アダプタ6の先端部の最大外径寸法が挿入性を左右する。一方、先細状アダプタ6は挿入性を考慮して全体を滑り性の良いテフロン等の摺動部材で形成していた。しかし、摺動部材では強度的な問題があるので肉厚を厚肉にして強度的な問題に対処するようにしていたが、外径寸法が太径になるという不具合が残されてしまう。そこで、本実施形態においては前記第1実施形態で滑り性の高い摺動部材で形成した先細状アダプタを、図に示すように先細状部6aの先端側部を構成する金属部65と摺動部材66との2部材で構成している。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0027】
このように、本実施形態の先細状部は、第2テーパ部及び第1テーパ部の一部を金属部材で形成する一方、第1テーパ部の残りの部分及び残り全体を摺動部材66で形成しているため、これまでの全体を摺動部材で形成した場合の第2テーパ部の肉厚に比べて、金属部材で形成した第2テーパ部の肉厚を約半分程度の肉厚にして強度的余裕を図ると共に、第2テーパ部の外径寸法の大幅な小径化を図ることができる。このことによって、前記第1実施形態の効果に加えて、超音波伝達部材5を体腔内に挿入する際の挿入力量を更に軽減される。
【0028】
また、挿入時に組織を最も強い力でダイレーションする部位である第1テーパ部が摺動部材で構成されているため、組織との摺動性を妨げることを防止することができる。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0029】
図8は本発明の第3実施形態に係る超音波トラカールの先端部の別の構成を示す説明図である。
本実施形態においては同図(a),(b)に示すように先細状部6aの第1テーパ部61に組織を切り裂くための凸部64aを設けたり、あるいは同図(c)に示すように先細状部6aの第1テーパ部61に挿入抵抗を減らす凹部64bを設けている。このことにより、挿入時に第1テーパ部61に設けた凹部64b又は凸部64aが確実に生体組織に噛み合って、挿入抵抗を減じて生体組織を押し広げるダイレーションを行う。
【0030】
このように、先細状部の第1テーパ部に凸部又は凹部を設けることによって、挿入の際の挿入抵抗が減少し、ダイレーションを効果的に行うことができる。
【0031】
図9及び図10は本発明の第4実施形態に係り、図9は先細状アダプタの他の構成を示す説明図、図10は先細状アダプタをトラカールチューブに組み合わせた状態を示す説明図である。
図9(a)に示すように本実施形態の先細状アダプタ67の基端部には手の平になじむ形状の把持部68が設けられている。また、図10に示すように前記先細状アダプタ67は、トラカールチューブ2と組み合わせて使用される。このとき、前記把持部68は、前記トラカールチューブ2の上端面から突出した状態になる。なお、前記先細状アダプタ67には図示しないがエア漏れなどを防止するゴム製のシールド部が設けられている。
【0032】
上述のように組み合わせて使用される先細状アダプタ67とトラカールチューブ2との作用を説明する。
穿刺時に超音波伝達部材5の先端部5aが腹腔内に挿入され、先細状アダプタ67の第2テーパ部62が完全に腹腔内に挿入されたことが確認されたとき、超音波振動によって発熱している超音波伝達部材5が腹腔内臓器と接触することを防止するため、超音波出力を一旦停止させ、その後、ダイレーションを行うことがある。このとき、本実施形態ではハンドピース1及びこのハンドピース1に接続されている超音波伝達部材5をトラカールチューブ2より引き抜いた後、先細状アダプタ67の基端部に設けた把持部68及びトラカールチューブ2の太径の基端部2bとを把持することによって、確実に力量をコントロールして安全なダイレーションを行うことができる。
【0033】
なお、図9(b)に示すように第2テーパ部62に螺旋状の凸部69を形成することにより、更に確実に安全なダイレーションを行うことができる。前記凸部69の代わりに溝部を設けるようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
図11及び図12は本発明の第5実施形態に係り、図11は先細状アダプタの別の構成を示す説明図、図12は先細状アダプタの作用を説明する図である。
図11(a),(b)に示すように本実施形態の先細状アダプタ70の先端部の先細状部6aの第2テーパ部62にはスリット71が複数形成されている。 一方、超音波伝達部材5の先端部にはこの超音波伝達部材5の外周部より太径な太径部75aを備えた太径先端部75が形成されている。この太径先端部75の最大外径寸法Dは前記第2テーパ部62の内径寸法dより小さく形成されている。このため、超音波伝達部材5の太径先端部75が先細状アダプタ70の先端面から突出した状態に配置される。
【0035】
一方、穿刺時には、図12に示すように第2テーパ部62に形成されているスリット71は、生体組織から働く力によってスリット幅を狭めて第2テーパ部62が太径先端部75の太径部より内側に位置するように変形してスムーズに穿刺されていく。
【0036】
このように、先細状アダプタの先細状部の先端側を構成する第2テーパ部に形成したスリット71は生体組織から働く力によってスリット幅を狭めて、太径先端部の太径部より内側に位置することにより、穿刺時、第2テーパ部が生体組織の抵抗を受けることなく、スムーズに挿入することができる。
【0037】
上述した実施形態において、例えば超音波トラカールシステムが太径で挿入力量が相当量必要な場合等には図13に示すように先細状アダプタ6を回転させるローラ7aを備えるアダプタ回転機構部7をさらに設けることによって、穿刺時先細状アダプタ6を回転させながら挿入していくことにより、先細状アダプタと生体組織との間に発生する摩擦力を低減させて挿入力量を低下させることができる。また、図14に示すように先細状アダプタ6を超音波振動させるための超音波振動子8をさらに先細状アダプタ6の基端部に設けることによって、穿刺時先細状アダプタ6を超音波振動させることによって、先細状アダプタと生体組織との間に発生する摩擦力を低減させて挿入力量を低下させることができる。
【0038】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0039】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0040】
(1)超音波振動が伝達されて腹腔壁に穿刺させるトラカール内針と、
このトラカール内針が挿入される異なった直径寸法を有する複数種類の外套管と、
前記複数種類の外套管と前記トラカール内針との間に、前記外套管とトラカール内針とを隔絶した状態で取り付けられる複数種類の先細状部材とを有する超音波トラカールシステムにおいて、
前記先細状部材の先端部に外周面が先端側にいくにしたがって外径寸法が徐々に細径になる第1テーパ部と、
この第1テーパ部より先端側に位置して先端側にいくにしたがって外径寸法が徐々に細径になる第2テーパ部とを設け、
前記第2テーパ部のテーパー角を前記第1テーパ部のテーパー角より小さく設定した超音波トラカールシステム。
【0041】
(2)前記第2テーパ部のテーパー角の角度を0度に設定した付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0042】
(3)前記第2テーパ部のテーパー角の角度を、トラカール内針の先端部のテーパー角の角度より小さく設定した付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0043】
(4)前記第2テーパ部の軸方向の長さ寸法が、前記第1テーパ部の軸方向の長さより極めて長く設定した付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0044】
(5)前記先細状部材を滑り性を有する部材で形成した付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0045】
(6)前記第1テーパ部及び前記第2テーパ部を設けた先細状部材の先端部の一部を金属部材で形成した付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0046】
(7)前記第1テーパ部の表面に凸凹部を有する付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0047】
(8)前記第2テーパ部にらせん状の凸部又は溝部を設けた付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0048】
(9)前記先細状部材に気密用のシール部材を設けた付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0049】
(10)前記先細状部材の基端部に把持用の突起部を設けた付記1記載の超音波トラカールシステム。
【0050】
(11)超音波振動が伝達されて腹腔壁に穿刺させるトラカール内針と、
このトラカール内針が挿入される異なった直径寸法を有する複数種類の外套管と、
前記複数種類の外套管と前記トラカール内針との間に、前記外套管とトラカール内針とを隔絶した状態で取り付けられる複数種類の先細状部材とを有する超音波トラカールシステムにおいて、
トラカール内針の外径寸法が、先細状部材の先端部の外径寸法より大きい超音波トラカールシステム。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入性が良好で、かつ安全性の高い超音波トラカールシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波トラカールシステムの概略構成を示す説明図
【図2】振動子収納部材の内部構成を示す説明図
【図3】超音波トラカールの先端部の構成を示す説明図
【図4】先細状アダプタの先端部の他の構成を説明する図
【図5】超音波伝達部材の先端部の先端テーパー角と先細状アダプタの先端部のテーパー角との関係を説明する図
【図6】先細状部に軸方向長さ寸法の大きく異なる第1テーパ部及び第2テーパ部を設けた先細状アダプタを説明する図
【図7】本発明の第2実施形態に係る超音波トラカールの先端部の他の構成を示す説明図
【図8】本発明の第3実施形態に係る超音波トラカールの先端部の別の構成を示す説明図
【図9】図9及び図10は本発明の第4実施形態に係り、図9は先細状アダプタの他の構成を示す説明図
【図10】先細状アダプタをトラカールチューブに組み合わせた状態を示す説明図
【図11】図11及び図12は本発明の第5実施形態に係り、図11は先細状アダプタの別の構成を示す説明図
【図12】先細状アダプタの作用を説明する図
【図13】超音波トラカールシステムの応用例の1例を示す説明図
【図14】超音波トラカールシステムの応用例の他の例を示す説明図
【符号の説明】
2…トラカールチューブ
5…超音波伝達部材
6…先細状アダプタ
10…超音波トラカールシステム
6a…先細状部
61…第1テーパ部
62…第2テーパ部
Claims (1)
- 内視鏡下外科手術において体腔内に向けて穿刺するための超音波トラカールシステムにおいて、
超音波振動が伝達されて腹腔壁に穿刺させるためのトラカール内針と、
このトラカール内針が挿入される外套管と、
前記外套管の内周面と前記トラカール内新針の外周面との間に当該トラカール内針を覆設して配置され、滑り性の高い材質で構成された先細状部材と、
前記先細状部材の先端部に外径寸法が先端側にいくにしたがって徐々に細径になる第1テーパー部と、
この第1テーパー部より先端側に位置して先端にいくにしたがって外径寸法が徐々に細径になる第2テーパー部と、
を具備し、
前記第2テーパー部のテーパー角を前記第1テーパー部のテーパー角より小さい角度であって当該超音波トラカールシステムを腹腔壁に穿刺する際において、前記トラカール内針に続いて前記第2テーパー部が腹膜を破った後前記第1テーパー部が腹膜に対する抵抗体となる角度に設定したことを特徴とする超音波トラカールシステム。
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