JP4290493B2 - シート装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、シートバックを「起立姿勢」と「前倒姿勢」との間で起倒可能としたシート装置に関し、さらに詳しくは係る姿勢変更を可能とするヒンジ機構の構造に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
例えば、車両用のリヤシートにおいては、シートバックをシートクッション側へ倒伏(前倒)させる場合、該シートバックを車体床面側へ連結するヒンジ機構が単一の枢支軸しか持たない構造であると(例えば、特許文献1参照)、該シートバックを略水平に倒伏させる時には、該シートバックとシートクッションとの干渉を回避すべく該シートクッションを前方側へ跳ね上げることが必要となる。
【0004】
一方、このようなシートバックの略水平への前倒をシートクッションの跳ね上げを伴うことなく実現する手法として、ヒンジ機構に上下二つの枢支軸を備え、シートバックの前倒時には該シートバック2を上側の枢支軸を中心として倒伏させることで該シートバックのシートクッションとの干渉を回避してこれを略水平に前倒させることを可能とする技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−104029号公報(段落「0022」〜「0023」、図3)
【特許文献2】
特開2003−40011号公報(段落「0012」〜「0015」、図1〜図3)。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シート装置においては、シートバックを前倒させる場合の前倒形態として、シートバックをシートクッション上に重ねた状態で前倒させる形態(従って、この前倒形態では、シートバック2の上面は水平よりも前上がりの姿勢となる)と、倒伏したシートバックの上面が略水平となるような前倒形態とがあり、これらの前倒形態は、例えば倒伏後に予定している使用条件(例えば、倒伏したシートバックの上面側をスルー通路として利用する場合とか、倒伏したシートバック2の上面をテーブルとして利用する場合等)に応じて使用者が適宜選択したいという要求がある。
【0007】
しかるに、従来のシート装置は、単一の倒伏形態を実現することを目的とするものとか、前方への倒伏と後方への倒伏との選択を可能としたものであって、上述のようなシートバックの倒伏形態を選択可能とすることを目的としたヒンジ機構、及びこれを備えたシート装置は未だ提案されていない。
【0008】
そこで本願発明は、シート装置において、シートバックの前方への倒伏形態を二段階に選択可能としその使用上の利便性を高めることを主たる目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願発明では、シートバックを車体床面との間に配置したヒンジ機構を介してシート前後方向に傾倒可能に取付け、該シートバックを略起立した「起立姿勢」とシート前方へ前倒した「前倒姿勢」の間で姿勢変更可能としたシート装置において、上記ヒンジ機構が、車体床面側に固定された固定ブラケットと所定長さをもつ中間部材の一端側とを枢支する第1枢支軸と、該中間部材の他端側と上記シートバックの基端部側に固定されたバック支持ブラケットとを枢支する第2枢支軸とを備える一方、上記中間部材に揺動自在に支持され且つ操作レバーの操作によってその揺動方向の一方側においては上記バック支持ブラケットに係合し、他方側においては上記固定ブラケットに係合するように上記バック支持ブラケット側と上記固定ブラケット側とに択一的に係合されることで上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動と、上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動とを択一的に規制するロックプレートを備え、該ロックプレートによって上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動が規制された状態においては上記第2枢支軸が上記第1枢支軸よりも高位に位置するように構成するとともに、上記ロックプレートを、上記バック支持ブラケット側又は上記固定ブラケット側への係合状態において上記操作レバーに連動して作動するカムの押圧作用によって係合離脱方向への動作を規制することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本願発明に係るシート装置によれば、上記ロックプレートによって上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動が規制された状態では、上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動が許容され、上記シートバックは該固定ブラケットと上記中間部材とを枢支する低位の上記第1枢支軸を中心として前倒される一方、上記ロックプレートによって上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動が規制された状態では、上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動が許容され、上記シートバックは上記中間部材と上記バック支持ブラケットとを枢支する高位の上記第2枢支軸を中心として前倒される。
【0012】
従って、上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動が規制された前倒形態においては、上記シートバックが低位の上記第1枢支軸を中心として前倒されることから、該シートバックの前方にシートクッションが存在していると該シートバックがシートクッションと干渉し該シートバックを略水平に前倒させることができないが、該シートクッションを上記シートバックの前方から排除することで上記シートバックを車体床面に可及的に近づけてこれを略水平まで前倒させることができる。
【0013】
これに対して、上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動が規制された前倒形態においては、上記シートバックが上記第1枢支軸よりも高位に位置する上記第2枢支軸を中心として前倒されることから、該第2枢支軸の位置が高い分だけ、該シートバックの前方にシートクッションが存在していてもこれに邪魔されることなく上記シートバックを上記シートクッションの上側に重ねた状態で前倒させることができる。
【0014】
このように、この発明のシート装置においては、上記ロックプレートによって、上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動と、上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動とを択一的に規制することで、上記シートバックの前倒姿勢を二段階に設定することができることから、該シートバックを前倒させた状態での使用上の利便性が向上し、延いてはシート装置としての商品価値の向上が図れるものである。
【0015】
また、この発明では、上記ロックプレートを、上記中間部材に揺動自在に支持され且つその揺動方向の一方側においては上記バック支持ブラケットに係合し、他方側においては上記固定ブラケットに係合するように構成しているので、簡単且つ安価な構成によって相対回動の択一的規制を実現することができ、シート装置の低コスト化が促進される。
【0016】
さらに、この発明では、上記ロックプレートを、操作レバーの操作によって上記バック支持ブラケット側と上記固定ブラケット側とに択一的に係合する構成としているので、シート装置の操作性の向上が図れる。
【0017】
また、この発明では、上記ロックプレートを、上記バック支持ブラケット側又は上記固定ブラケット側への係合状態において係合離脱方向へ動作するのを上記操作レバーに連動して作動するカムの押圧作用によって規制するようにしているので、例え上記ロックプレートと上記バック支持ブラケット又は上記固定ブラケットとの係合力を比較的低く設定しても良好な係合状態を確保することができ、また上記カムの押圧作用を解除して上記ロックプレートの相対回動規制対象を上記固定ブラケットと上記バック支持ブラケットの間で変更するときには上記ロックプレートの係合解除を小操作力で軽快に行うことができ、これらの結果、安定した操作が可能となり、操作性の更なる向上が図れる。
【発明の実施の形態】
【0018】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0019】
I:第1の実施形態
図1〜図3には、本願発明の第1の実施形態に係るシート装置Zの使用形態を示している。このシート装置Zは、シートクッション1とシートバック2とを備えて構成される。
【0020】
上記シートクッション1は、その前端部1aがヒンジ機構3により車体床面G側に連結される一方、その後端部1bには支持脚10を設けている。そして、このシートクッション1は、通常時には、図1に示すように、上記支持脚10を上記車体床面Gに当接させ該支持脚10と上記ヒンジ機構3とによって車体床面G側に支持される一方、図2に示すように、次述のシートバック2を略水平に前倒させるときには該シートバック2との干渉を回避すべく、上記ヒンジ機構3回りにシート前方側へ跳ね上げられて倒立した姿勢に保持される。尚、上記ヒンジ機構3は、上記シートクッション1側に設けた支持アーム7と上記車体床面G側に設けた固定ブラケット9とを支持軸8によって枢支して構成される。
【0021】
上記シートバック2は、本願発明の要旨をなすヒンジ機構4を介して上記車体床面G側に支持されたものであって、シート装置Zの通常の使用時には、図1に示すようにその基端部2aが上記ヒンジ機構4を介して上記車体床面Gに連結されるとともに、その先端部2b側はここに設けたキャッチ機構5を介して車体側部材6に連結固定されることで、やや後方へ傾倒した「起立姿勢」にその姿勢が保持される。
【0022】
これに対して、必要に応じて上記シートバック2はこれをシート前方側へ倒伏させてこれを「前倒姿勢」に設定することができるが、その場合、その前倒角度によって二つの姿勢、即ち、図2に示すように上記シートクッション1を前方へ跳ね上げた状態でその跡部へ略水平に延出するように倒伏する「第1の前倒姿勢」と、図3に示すように通常状態に在る上記シートクッション1の上側へ重なるように倒伏する「第2の前倒姿勢」とを適宜選択できるようになっている。
【0023】
そして、このような上記シートバック2の「第1の前倒姿勢」と「第2の前倒姿勢」の間における選択は次述のヒンジ機構4の機能によって実現される。
【0024】
以下、このヒンジ機構4の具体的構造及び機能等を、上記各姿勢との関連の下で、図4〜図7を参照して詳細に説明する。尚、上記ヒンジ機構4は上記シートバック2の左右両側にそれぞれ配置され且つ相互に連動して作動するようになっている。
【0025】
上記ヒンジ機構4は、図4に示すように、上記車体床面G側に固定配置される固定ブラケット11と、上記シートバック2の基端部2aに取り付けられたバック支持ブラケット13と、所定の長軸方向寸法をもつ略菱形のプレート体で構成されその長軸側の両端部12a,12bにそれぞれ上記固定ブラケット11とバック支持ブラケット13とがリンク連結される中間部材12とを備え、該固定ブラケット11と上記中間部材12の一端12aとを第1枢支軸21により、上記中間部材12の他端12bと上記バック支持ブラケット13とを第2枢支軸22により、それぞれ枢支して構成されている。
【0026】
従って、上記中間部材12は上記第1枢支軸21を中心として矢印a−b方向に回動自在とされるとともに、上記バック支持ブラケット13は上記シートバック2と一体的に上記第2枢支軸22を中心として矢印c−d方向に回動自在とされている。このように、それぞれ相対回動自在とされた上記固定ブラケット11と中間部材12とバック支持ブラケット13の三者間には、これら三者間の相対回動を択一的に規制して、上記シートバック2の上記第1枢支軸21回りの回動と上記第2枢支軸22回りの回動とを選択できるようにするために次述の規制手段Xが備えられている。
【0027】
上記規制手段Xは、次述のロックプレート14とカム15とスプリング16及び操作レバー17を備えて構成されるが、この規制手段Xの択一機能を実現するために、上記固定ブラケット11と上記バック支持ブラケット13にはそれぞれ以下のような構成が付加されている。
【0028】
即ち、上記固定ブラケット11は、上記第1枢支軸21を中心とする円弧状の外周面のうち、上記第1枢支軸21よりも所定寸法だけシート後方寄りに位置する部位に外方へ向かって拡開開口する略台形状の嵌合凹部11aが形成されるとともに、該嵌合凹部11aに連続してシート前方側へ弧状に延びる部位は摺接部11bとされている。
【0029】
また、上記バック支持ブラケット13は、その一側に上記シートバック2の基端部2aが締結固定される平板状のバック固定部13aが設けられる一方、上記第2枢支軸22を中心とする円弧状の外周面のうち、上記バック固定部13aに近い部位には外方へ向かって拡開開口する略台形状の嵌合凹部13bが形成されるとともに、該嵌合凹部13bに連続してシート前方側へ弧状に延びる部位は摺接部13cとされている。
【0030】
そして、この場合、上記固定ブラケット11側の上記嵌合凹部11aと上記バック支持ブラケット13側の上記嵌合凹部13bとは、上記シートバック2を「起立姿勢」に姿勢設定した状態において、これら両者が、上記第1枢支軸21と第2枢支軸22の略中央位置を通って該第1枢支軸21と第2枢支軸22の対向方向に略直交する方向へ延びる直線(仮想)を挟んで略線対称に対応するように、これら両者の相対位置が設定されている。
【0031】
一方、上記ロックプレート14は、略Y字形の形状をもつプレート体で一体構成され、その直状の基端部は支点ピン23によって上記中間部材12の短軸方向の一端部に枢支され、該支点ピン23を中心として矢印e−f方向(即ち、上記第1枢支軸21と第2枢支軸22の対向方向)に揺動自在とされている。また、このロックプレート14のY状の二つの端部は、上記固定ブラケット11の嵌合凹部11a及び上記バック支持ブラケット13の嵌合凹部13bにそれぞれ嵌合可能な略台形状のロック爪14a,14bとされている。そして、上記ロックプレート14は、上記支点ピン23を中心として矢印e−f方向に回動することで、上記第1ロック爪14aが上記バック支持ブラケット13の上記嵌合凹部13bに嵌合して上記バック支持ブラケット13を上記中間部材12に対して非回動とする「第1ロック位置」と、上記第2ロック爪14bが上記固定ブラケット11の上記嵌合凹部11aに嵌合して上記中間部材12を上記固定ブラケット11に対して非回動とする「第2ロック位置」とを選択できるようになっている。
【0032】
さらに、上記ロックプレート14のY状の先端面には、上記第1ロック爪14aに対応する第1カム受け面14cと、上記第2ロック爪14bに対応する第2カム受け面14dとがそれぞれ設けられている。そして、この各カム受け面14c,14dには、次述のカム15が当接可能とされている。
【0033】
上記カム15は、上記中間部材12の短軸方向の他端部に回転自在に取り付けられた支点ピン24に固着されている。また、この支点ピン24には所定長さをもつレバー体で構成される操作レバー17の一端が固着されている。従って、上記操作レバー17を上記支点ピン24を中心として矢印i−j方向へ回動操作することで、上記支点ピン24に固着された上記カム15もこれと一体的に矢印g−h方向へ回動する。
【0034】
そして、図4に示すように、上記操作レバー17が矢印i方向に回動操作され、上記カム15が矢印g方向へ回動したとき、該カム15の先端が上記ロックプレート14の第1カム受け面14cに摺接係合し該ロックプレート14を矢印e方向へ回動させてこれを「第1ロック位置」に設定するとともに、その押圧作用によって上記ロックプレート14を「第1ロック位置」で固定保持する。尚、この時の上記操作レバー17のレバー位置を「第1操作位置」という。
【0035】
これに対して、図6に示すように、上記操作レバー17が矢印j方向に回動操作され、上記カム15が矢印h方向へ回動したときには、該カム15の先端が上記ロックプレート14の第2カム受け面14dに摺接係合し該ロックプレート14を矢印f方向へ回動させてこれを「第2ロック位置」に設定するとともに、その押圧作用によって上記ロックプレート14を「第2ロック位置」で固定保持する。尚、この時の上記操作レバー17のレバー位置を「第2操作位置」という。
【0036】
さらに、このような上記操作レバー17の回動操作による上記ロックプレート14のロック位置の切換操作を節度をもって確実に且つ良好な操作感覚で行うようにするために、次述のスプリング16が設けられている。即ち、このスプリング16は、引張コイルバネで構成され、その一端は上記中間部材12の短軸方向の一端寄り(即ち、上記支点ピン23の近傍)に設けたバネ受け12cに、その他端は上記操作レバー17の支点ピン24寄りの端部に設けたバネ受け17aに、それぞれ掛止されている。
【0037】
この場合、上記操作レバー17が図4に示すように「第1操作位置」に設定された状態では、上記スプリング16の他端(即ち、上記操作レバー17のバネ受け17a)が上記支点ピン23と支点ピン24とを結ぶ直線よりも上記固定ブラケット11寄りに位置し、また上記操作レバー17が図6に示すように「第2操作位置」に設定された状態では、上記スプリング16の他端(即ち、上記操作レバー17のバネ受け17a)が上記支点ピン23と支点ピン24とを結ぶ直線よりも上記バック支持ブラケット13寄りに位置するように設定され、上記支点ピン23と支点ピン24を結ぶ直線上に上記スプリング16の思案点が存在している。
【0038】
従って、例えば上記操作レバー17を図4に示す「第1操作位置」から図6に示す「第2操作位置」側へ操作する場合には、上記バネ受け17aが上記固定ブラケット11寄り側から上記直線を越えて上記バック支持ブラケット13寄りへ移動すると上記スプリング16のバネ力によって上記操作レバー17は「第2操作位置」へ強制的に設定され、逆に上記操作レバー17を図6に示す「第2操作位置」から図4に示す「第1操作位置」側へ操作する場合には、上記バネ受け17aが上記バック支持ブラケット13寄り側から上記直線を越えて上記固定ブラケット11寄りへ移動すると上記スプリング16のバネ力によって上記操作レバー17は「第1操作位置」へ強制的に設定され、これによって上記操作レバー17の上記「第1操作位置」及び「第2操作位置」への切換操作が節度をもって行われるものである。
【0039】
一方、上述のように、上記ヒンジ機構4は上記シートバック2の左右両側にそれぞれ配置され、これら各ヒンジ機構4が連動して作動することで上述の如き上記シートバック2の姿勢変更が可能とされるものである。また、このシートバック2の姿勢変更操作を一対のヒンジ機構4,4の何れの側からもできるようにするため、該各ヒンジ機構4,4を同一構造とするとともに、上記第2枢支軸22を左右一対のヒンジ機構4,4に跨がるような長軸としている。さらに、上記各ヒンジ機構4,4・・においては、上記操作レバー17の上記支点ピン24の近傍位置に係合ピン25を設けるとともに、上記第2枢支軸22に揺動レバー18を固着し、該揺動レバー18の係合長穴26に上記係合ピン25を係入させている。従って、上記左右一対のヒンジ機構4,4の何れの側において上記操作レバー17が操作されても、この操作レバー17の操作力は当該ヒンジ機構4に伝達されることは勿論のこと、他方のヒンジ機構4側にも伝達され、該一対のヒンジ機構4,4が同時に連動して作動し上記シートバック2の姿勢変更が実現されるものである。
【0040】
続いて、上記ヒンジ機構4の具体的な作動を、上記シートバック2の姿勢変更操作に対応させて説明する。
【0041】
シートバック2の「起立姿勢」(図1参照)は、上記ヒンジ機構4の上記操作レバー17を「第1操作位置」に設定した場合(以下、「第1の場合」という)と、「第2操作位置」に設定した場合(以下、「第2の場合」という)の何れにおいても可能である。
【0042】
「第1の場合」
図4は、上記操作レバー17を「第1操作位置」に設定し、上記シートバック2を「起立姿勢」とした「第1の場合」における作動状態を示している。尚、このシートバック2を「起立姿勢」に設定した状態では、該シートバック2のシート前後方向の傾動は、該シートバック2の先端部2b側を上記キャッチ機構5によって車体側部材6側に連結することで規制されており(図1参照)、上記ヒンジ機構4は上記シートバック2の基端部2a側の固定支持を行うようになっている。
【0043】
この状態では、上記操作レバー17が「第1操作位置」に設定されていることから、上記カム15が矢印g方向に回動し、このカム15の回動力を受けて上記ロックプレート14は矢印e方向に回動し、その第1ロック爪14aが上記バック支持ブラケット13の嵌合凹部13bに嵌合した「第1ロック位置」に設定されているとともに、このロックプレート14の位置は上記カム15の押圧作用によって固定保持されている。
【0044】
また、この状態では、上記ロックプレート14を介して上記バック支持ブラケット13と中間部材12とが一体化され、上記シートバック2は上記第1枢支軸21を中心として前倒可能な状態となっている。しかし、上記シートバック2の前倒動作の中心が下位に位置する上記第1枢支軸21であり、該シートバック2はこれを前倒させた場合、図2に示す「第1の前倒姿勢」、即ち、前倒されたシートバック2の上面(即ち、背面)が略平行に延出する姿勢に設定されるので、該シートバック2と上記シートクッション1との干渉を回避することが必要となる。
【0045】
従って、上記操作レバー17を「第1ロック位置」に設定した状態での「起立姿勢」からシートバック2を前倒させたい場合には、先ず、上記シートクッション1を前方へ跳ね上げてこれを倒立した姿勢に設定し(図1参照)、上記シートバック2の前方側にその配置スペースを確保する。しかる後、上記キャッチ機構5を解除して上記シートバック2の先端部2bを上記車体側部材6側から離脱させ、上記シートバック2をそのまま前倒させる。すると、上記中間部材12が上記バック支持ブラケット13と一体化されていることから、図5に示すように、上記シートバック2は、上記中間部材12及び上記バック支持ブラケット13とともに上記第1枢支軸21を中心として前倒動作し、図2に示す「第1の前倒姿勢」に姿勢設定される。
【0046】
尚、このシートバック2の前倒動作時には、図5に示すように上記ロックプレート14の第1ロック爪14aは上記バック支持ブラケット13側の上記嵌合凹部13bに嵌合したままであるが、第2ロック爪14bは上記固定ブラケット11の摺接部11b上を摺動し該固定ブラケット11側との非嵌合状態が維持される。また、上記ロックプレート14の第1ロック爪14aの上記バック支持ブラケット13の嵌合凹部13bへの嵌合状態は、上記操作レバー17が「第1ロック位置」のまま維持されることから、上記カム15による上記ロックプレート14の回動規制作用も維持され、回動操作途中でこれが嵌合離脱するということが確実に防止され、高い作動上の信頼性が確保される。
【0047】
また、このように上記カム15によって上記ロックプレート14の回動規制を行うように構成したことで、例え上記ロックプレート14と上記バック支持ブラケット13又は上記固定ブラケット11との係合力を比較的低く設定しても良好な係合状態を確保することができ、また上記カム15の押圧作用を解除して上記ロックプレート14の相対回動規制対象を上記固定ブラケット11と上記バック支持ブラケット13の間で変更するときには上記ロックプレート14の係合解除を小操作力で軽快に行うことができ、これらの結果、安定した操作が可能となり、操作性の向上が図れる。
【0048】
「第2の場合」
図6は、上記操作レバー17を「第2操作位置」に設定し、上記シートバック2を「起立姿勢」とした「第2の場合」における作動状態を示している。
【0049】
この状態では、上記操作レバー17が「第2操作位置」に設定されていることから、上記カム15が矢印h方向に回動し、このカム15の回動力を受けて上記ロックプレート14は矢印f方向に回動し、その第2ロック爪14bが上記固定ブラケット11の嵌合凹部11aに嵌合した「第2ロック位置」に設定されているとともに、このロックプレート14の位置は上記カム15の押圧作用によって固定保持されている。
【0050】
また、この状態では、上記ロックプレート14を介して上記固定ブラケット11と中間部材12とが一体化され、上記シートバック2は上記第2枢支軸22を中心として前倒可能な状態となっている。この場合、上記シートバック2の前倒動作の中心が上位に位置する上記第2枢支軸22であることから、該シートバック2はこれを前倒させた場合、図3に示す「第2の前倒姿勢」、即ち、前倒されたシートバック2が上記シートクッション1の上に重なる姿勢であることから、該シートクッション1は通常姿勢のままこれを保持する。
【0051】
従って、上記操作レバー17を「第2ロック位置」に設定した状態での「起立姿勢」からシートバック2を前倒させたい場合には、上記キャッチ機構5を解除して上記シートバック2の先端部2bを上記車体側部材6側から離脱させ、上記シートバック2をそのまま前倒させる。すると、上記中間部材12が上記固定ブラケット11と一体化されていることから、図7に示すように、上記シートバック2は上記バック支持ブラケット13と一体的に上記第2枢支軸22を中心として前倒動作し、図3に示す「第2の前倒姿勢」に姿勢設定される。
【0052】
尚、このシートバック2の前倒動作時には、図7に示すように上記ロックプレート14の第2ロック爪14bは上記固定ブラケット11側の上記嵌合凹部11aに嵌合したままであるが、第1ロック爪14aは上記バック支持ブラケット13の摺接部13c上を摺動し該バック支持ブラケット13側との非嵌合状態が維持される。また、上記ロックプレート14の第2ロック爪14bの上記固定ブラケット11の嵌合凹部11aへの嵌合状態は、上記操作レバー17が「第2ロック位置」のまま維持されることから、上記カム15による上記ロックプレート14の回動規制作用も維持され、回動操作途中でこれが嵌合離脱するということが確実に防止され、高い作動上の信頼性が確保される。
【0053】
II:第2の実施形態
図8には、本願発明の第2の実施形態に係るシート装置Zに備えられたヒンジ機構4を示している。尚、この実施形態のシート装置Zの全体構成及びシートバック2の姿勢変更形態は全て第1の実施形態の場合と同様であるので、これらについては図1〜図3、及び第1の実施形態の該当説明を援用することでその説明を省略し、ここでは上記ヒンジ機構4についてのみ説明をする。
【0054】
上記ヒンジ機構4は、図8に示すように、上記車体床面G側に固定配置される固定ブラケット11と、上記シートバック2の基端部2aに取り付けられたバック支持ブラケット13と、所定長さのプレート体で構成されその長軸側の両端部12a,12bにそれぞれ上記固定ブラケット11とバック支持ブラケット13とがリンク連結される中間部材12とを備え、該固定ブラケット11と上記中間部材12の一端12aとを第1枢支軸21により、上記中間部材12の他端12bと上記バック支持ブラケット13とを第2枢支軸22により、それぞれ枢支して構成されている。
【0055】
従って、上記中間部材12は上記第1枢支軸21を中心として矢印a−b方向に回動自在とされるとともに、上記バック支持ブラケット13は上記シートバック2と一体的に上記第2枢支軸22を中心として矢印c−d方向に回動自在とされている。このように、それぞれ相対回動自在とされた上記固定ブラケット11と中間部材12とバック支持ブラケット13の三者間には、これら三者間の相対回動を択一的に規制して、上記シートバック2の上記第1枢支軸21回りの回動と上記第2枢支軸22回りの回動とを選択できるようにするために次述の規制手段Xが備えられている。
【0056】
上記規制手段Xは、次述のロックプレート14と操作レバー17及びスプリング32を備えて構成されるが、この規制手段Xの択一機能を実現するために、上記固定ブラケット11と上記バック支持ブラケット13にはそれぞれ以下のような構成が付加されている。
【0057】
即ち、上記固定ブラケット11は、上記第1枢支軸21を中心とする円弧状の外周面のうち、上記第1枢支軸21の略直上に位置する部位に外方へ向かって拡開開口する略台形状の嵌合凹部11aが形成されるとともに、該嵌合凹部11aに連続してシート前方側へ弧状に延びる部位は摺接部11bとされている。
【0058】
また、上記バック支持ブラケット13は、その一側に上記シートバック2の基端部2aが締結固定される平板状のバック固定部13aが設けられる一方、上記第2枢支軸22を中心とする円弧状の外周面のうち、上記バック固定部13aに近い部位には外方へ向かって拡開開口する略台形状の嵌合凹部13bが形成されるとともに、該嵌合凹部13bに連続してシート前方側へ弧状に延びる部位は摺接部13cとされている。
【0059】
そして、この場合、上記固定ブラケット11側の上記嵌合凹部11aと上記バック支持ブラケット13側の上記嵌合凹部13bとは、上記シートバック2を「起立姿勢」に姿勢設定した状態において、これら両者が、上記第1枢支軸21と第2枢支軸22の略中央位置を通って該第1枢支軸21と第2枢支軸22の対向方向に略直交する方向へ延びる直線(仮想)を挟んで略線対称に対応するように、これら両者の相対位置が設定されている。
【0060】
一方、上記ロックプレート14は、略Y字形の形状をもつプレート体で一体構成され、その直状の基端部は回動軸31によって上記中間部材12の短軸方向の一端部に枢支され、該回動軸31を中心として矢印n−m方向(即ち、上記第1枢支軸21と第2枢支軸22の対向方向)に揺動自在とされている。また、このロックプレート14のY状の二つの端部は、上記固定ブラケット11の嵌合凹部11a及び上記バック支持ブラケット13の嵌合凹部13bにそれぞれ嵌合可能な略台形状のロック爪14a,14bとされている。
【0061】
従って、上記ロックプレート14は、上記回動軸31を中心として矢印n−m方向に回動することで、図10に示すように、上記第1ロック爪14aが上記バック支持ブラケット13の上記嵌合凹部13bに嵌合して上記バック支持ブラケット13を上記中間部材12に対して非回動とする「第1ロック位置」と、図8に示すように、上記第2ロック爪14bが上記固定ブラケット11の上記嵌合凹部11aに嵌合して上記中間部材12を上記固定ブラケット11に対して非回動とする「第2ロック位置」とを選択できるようになっている。
【0062】
ところで、この実施形態のものにおいては、上記ロックプレート14が「第2ロック位置」に設定されていることを常態とし、必要に応じてこれを「第1ロック位置」に切換設定するようにしたものであって、このような構成は、上記ロックプレート14を「第1ロック位置」と「第2ロック位置」の間で択一的に選択するようにした上記第1の実施形態の構成と異なる点である。
【0063】
尚、後述のように、上記ロックプレート14の「第1ロック位置」は上記シートバック2を「第1の前倒姿勢」(図2参照)に姿勢設定する場合のロック位置であり、「第2ロック位置」は上記シートバック2を「第2の前倒姿勢」(図3参照)に姿勢設定する場合のロック位置であり、従って、この実施形態のものは上記シートバック2を「第2の前倒姿勢」に設定することを常態とするものである。このように「第2の前倒姿勢」を常態としたのは、実際の使用上においては、「第1の前倒姿勢」よりも「第2の前倒姿勢」の方が使用頻度が高い姿勢と考えられるからである。
【0064】
上述のようなロックプレート14の姿勢設定を実現するために上記操作レバー17とスプリング32とが備えられたものである。即ち、上記回動軸31には操作レバー17が固着され、該操作レバー17の回動操作によって上記回動軸31を介して上記ロックプレート14が矢印n−m方向へ回動されるようになっている。さらに、上記回動軸31には、捩りバネで構成された上記スプリング32(特許請求の範囲中の「付勢手段Y」に該当する)が取付けられるとともに、該スプリング32の一端は上記中間部材12に、他端は上記操作レバー17に、それぞれ掛止され、該スプリング32の付勢力によって上記操作レバー17及び上記ロックプレート14を一体的に矢印m方向へ回動付勢するようになっている。
【0065】
従って、上記操作レバー17の非操作時には、図6に示すように、上記ロックプレート14が常時「第2ロック位置」に位置設定され、上記固定ブラケット11と上記中間部材12とが一体化され且つこの状態が保持される。これに対して、上記操作レバー17に矢印n方向への回動操作力が加えられると、図10に示すように、上記操作レバー17と一体的に上記ロックプレート14も矢印n方向へ回動し、その第2ロック爪14bが上記固定ブラケット11の嵌合凹部11aから係合離脱し、これに代わって上記第1ロック爪14aが上記バック支持ブラケット13の嵌合凹部13bに嵌合し、上記中間部材12とバック支持ブラケット13とが一体化される。尚、上記操作レバー17に対する矢印n方向への操作力を解除すると、該操作レバー17は上記スプリング32の付勢力によって矢印m方向へ復帰回動し、上記ロックプレート14の「第2ロック位置」への位置設定が可能な状態となる。
【0066】
一方、上述のように、上記ヒンジ機構4は上記シートバック2の左右両側にそれぞれ配置され、これら各ヒンジ機構4が連動して作動することで上述の如き上記シートバック2の姿勢変更が可能とされるものである。また、このシートバック2の姿勢変更操作を一対のヒンジ機構4,4の何れの側からもできるようにするため、該各ヒンジ機構4,4を同一構造とするとともに、上記第2枢支軸22を左右一対のヒンジ機構4,4に跨がるような長軸としている。
【0067】
さらに、上記各ヒンジ機構4,4においては、上記回動軸31に揺動レバー33を取り付けるとともに該揺動レバー33の先端部に係合ピン35を設けている。また、上記第2枢支軸22には、係合長穴36を備えた揺動レバー34を取付け、該係合長穴36に上記揺動レバー33の係合ピン35を係入させている。
【0068】
従って、上記左右一対のヒンジ機構4,4の何れの側において上記操作レバー17が操作されても、この操作レバー17の操作力は当該ヒンジ機構4に伝達されることは勿論のこと、他方のヒンジ機構4側にも伝達され、該一対のヒンジ機構4,4が同時に連動して作動し上記シートバック2の姿勢変更が実現されるものである。
【0069】
続いて、上記ヒンジ機構4の具体的な作動を、上記シートバック2の姿勢変更操作に対応させて説明する。
【0070】
シートバック2の「起立姿勢」(図1参照)は、上記ヒンジ機構4の上記操作レバー17の非操作状態を維持することで実現される。即ち、上記操作レバー17の非操作状態においては、図8に示すように上記ロックプレート14が「第2ロック位置」に設定されており、上記シートバック2は上記第2枢支軸22回りに前倒可能な状態となっている。しかし、該シートバック2の先端部2bは、その先端部2bに設けたキャッチ機構5によって車体側部材6に掛止されている(図1参照)ことから、その前倒が阻止されている。従って、上記シートバック2は、「起立姿勢」に姿勢設定され且つこれが保持されるものである。
【0071】
この状態から、上記シートバック2を前倒させる場合には、先ず、上記キャッチ機構5の掛止状態を解除し、しかる後、上記シートバック2に対して前倒方向の回動力を加える。すると、上記シートバック2は、上記バック支持ブラケット13が上記第2枢支軸22を中心として矢印c方向へ回動し、図9に示すように、該バック支持ブラケット13と一体的に前倒される。この場合、上記シートバック2の回動中心は上記第1枢支軸21よりも上位に位置する上記第2枢支軸22であることから、上記シートバック2は、図3に示すように、その前方に位置する上記シートクッション1の上側に重なる状態で前倒され、「第2の前倒姿勢」に姿勢設定される。
【0072】
一方、上記シートバック2を上記「第2の前倒姿勢」ではなく、上記「第1の前倒姿勢」、即ち、図2に示すように前倒されたシートバック2の背面が略水平となる前倒姿勢に設定する必要がある場合には、図8に示す「起立姿勢」において、上記操作レバー17を矢印n方向へ回動させる。すると、図10に示すように、上記操作レバー17の回動に追従して上記ロックプレート14が「第2ロック位置」から「第1ロック位置」側へ切り換わり、上記中間部材12と上記固定ブラケット11の一体化状態が解除される一方、上記中間部材12と上記バック支持ブラケット13とが一体化され、該バック支持ブラケット13は上記中間部材12とともに上記第1枢支軸21を中心として矢印a方向へ回動可能とされる。
【0073】
従って、先ず、上記シートクッション1を前方へ跳ね上げて起立した姿勢に保持し、さらに上記キャッチ機構5の掛止状態を解除した後、上記シートバック2に前倒方向への回動力をかけることで、図11に示すように上記シートバック2は、上記第1枢支軸21回りに前倒し、図2に示すように跳ね上げられた上記シートクッション1の跡部に倒伏した「第1の前倒姿勢」に姿勢設定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係るシート装置の通常の使用状態における側面図である。
【図2】 図1に示したシートの第1の倒伏姿勢における側面図である。
【図3】 図1に示したシートの第2の倒伏姿勢における側面図である。
【図4】 図1に示したヒンジ機構の第1の操作形態時における構造拡大図である。
【図5】 図4の状態からシートバックを倒伏させた状態におけるヒンジ機構の構造拡大図である。
【図6】 図1に示したヒンジ機構の第2の操作形態時における構造拡大図である。
【図7】 図6の状態からシートバックを倒伏させた状態におけるヒンジ機構の構造拡大図である。
【図8】 本願発明の第2の実施形態に係るシート装置におけるヒンジ機構の第2の操作形態時の構造拡大図である。
【図9】 図8の状態からシートバックを倒伏させた状態におけるヒンジ機構の構造拡大図である。
【図10】 本願発明の第2の実施形態に係るシート装置におけるヒンジ機構の第1の操作形態時の構造拡大図である。
【図11】 図10の状態からシートバックを倒伏させた状態におけるヒンジ機構の構造拡大図である。
【符号の説明】
1はシートクッション、2はシートバック、3はヒンジ機構、4はヒンジ機構、5はキャッチ機構、6は車体側部材、7は支持アーム、8は支持軸、9は固定ブラケット、10は支持脚、11は固定ブラケット、12は中間部材、13はバック支持ブラケット、14はロックプレート、15はカム、16はスプリング、17は操作レバー、18は揺動レバー、21は第1枢支軸、22は第2枢支軸、23は支点ピン、24は支点ピン、25は係合ピン、26は係合長穴、31は回動軸、32はスプリング、33は揺動レバー、34は揺動レバー、35は係合ピン、36は係合長穴、Zはシート装置である。
Claims (1)
- シートバックを車体床面との間に配置したヒンジ機構を介してシート前後方向に傾倒可能に取付け、該シートバックを略起立した「起立姿勢」とシート前方へ前倒した「前倒姿勢」の間で姿勢変更可能としたシート装置であって、
上記ヒンジ機構が、車体床面側に固定された固定ブラケットと所定長さをもつ中間部材の一端側とを枢支する第1枢支軸と、該中間部材の他端側と上記シートバックの基端部側に固定されたバック支持ブラケットとを枢支する第2枢支軸とを備える一方、
上記中間部材に揺動自在に支持され且つ操作レバーの操作によってその揺動方向の一方側においては上記バック支持ブラケットに係合し、他方側においては上記固定ブラケットに係合するように上記バック支持ブラケット側と上記固定ブラケット側とに択一的に係合されることで上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動と、上記中間部材と上記バック支持ブラケットとの間の相対回動とを択一的に規制するロックプレートを備え、該ロックプレートによって上記固定ブラケットと上記中間部材との間の相対回動が規制された状態においては上記第2枢支軸が上記第1枢支軸よりも高位に位置するように構成されるとともに、
上記ロックプレートが、上記バック支持ブラケット側又は上記固定ブラケット側への係合状態において上記操作レバーに連動して作動するカムの押圧作用によって係合離脱方向への動作が規制されていることを特徴とするシート装置。
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