JP4289750B2 - トナー補給容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真写真複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置にトナーを補給するためのトナー補給容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真画像形成装置は、一様に帯電された感光ドラムに選択的な露光を行うことによって感光ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する。その後、トナーが無くなる都度、トナーを補給しなければならない。ここで、電子写真画像形成装置にトナーを補給するためのトナー補給容器には、収納したトナーを画像形成装置本体のトナー受け入れ容器に一度に全量補給する一括補給型容器と、画像形成装置本体に容器を装着した後、そのまま該容器を据え置く据え置き型容器とに大別される。尚、据え置き型容器はトナーを使い切るまで徐々に現像装置にトナーを補給するものである。
【0003】
近年、画像形成装置のコンパクト化を図るため、トナー補給容器は据え置き型が使用される傾向にある。そして、トナー補給容器を交換する際に容器内に残留するトナーが排出開口から飛散するのを防止するためにシャッタ部材を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、シャッター部材とトナー排出開口間のシール性を維持するため、又、落下衝撃等によるトナー補給容器本体内のトナー洩れを防止するため、封止部材として柔らかい弾性体で構成されたパッキン部材をトナー排出開口を囲むようにトナー補給容器本体の外側表面に貼付した場合、シャッタ部材の開閉方向と交差するパッキン部材の開口部縁端がトナー排出開口開閉時のシャッタ部材との摺擦により捲れ上がり、シャッタ部材の開封強度が上昇してしまう場合があり、最悪の場合にはパッキン部材が破損してしまう可能性がある。
【0005】
又、シャッタ部材の開閉方向と交差するパッキン部材の外縁端がトナー排出開口開閉時やトナー補給容器本体へのシャッタ部材組み込み時のシャッタ部材との摺擦により捲れ上がり、同様に開封強度が上昇してしまう場合もある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、トナー排出開口を封止する容器シャッタの開封時におけるパッキン部材の捲れと破損を防ぐことができるトナー補給容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、電子写真画像形成装置本体が備えるトナー補給装置にトナーを供給するためのトナー補給容器において、
前記電子写真画像形成装置本体に供給するためのトナーを収納するトナー補給容器本体と、該トナー補給容器本体に収納されているトナーを排出するためトナー補給容器本体の円筒面に設けられたトナー排出開口と、前記トナー補給容器本体に沿って移動し前記トナー排出開口を開封可能に封止するための容器シャッタと、前記トナー排出開口の周囲の円筒面に固定されて該トナー排出開口の周囲と前記容器シャッタ間で圧縮されることによってシール性を維持するパッキン部材と、を有し、
前記容器シャッタは、前記トナー補給装置に設けられたトナー補給口を開閉する本体シャッタの凹部に係合し、前記本体シャッタと連動して開閉するように構成され、
前記容器シャッタにおける前記トナー補給容器本体側の面に設けられ、かつ前記容器シャッタにおけるシャッタ閉じ方向下流側の端部から前記シャッタ閉じ方向下流側に延出し、前記容器シャッタと前記本体シャッタとの間に形成される隙間を覆うためのシール部材、を有し、
前記容器シャッタ及び前記シール部材の前記シャッタ閉じ方向下流側の端部は、前記容器シャッタの開閉時において前記トナー排出口の前記容器シャッタの開閉方向と交差する縁端上を通過するように構成され、
前記パッキン部材の前記容器シャッタの開閉方向と交差する開口部縁端が少なくとも前記容器シャッタ及び前記シール部材に接触しないように、前記容器シャッタの開閉方向と交差する縁端近傍の前記パッキン部材の固定面がトナー排出開口内へ向かって下るように傾斜していることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
以下に説明する各実施の形態は、電子写真画像形成装置本体にトナーを供給するためのトナー補給容器に関するものであって、該トナー補給容器は、トナーを収納するトナー収納部と、該トナー収納部に収納されたトナーを排出するためのトナー排出開口と、該トナー排出開口を開封可能に封止するための開閉部材と、画像形成装置本体に装着された際に前記トナー排出開口を開放するために前記開閉部材を移動させるための駆動力を受ける駆動力受け部とを有している。
【0025】
<実施の形態1>
(電子写真画像形成装置)
図28は本発明の実施の形態1に係るトナー補給容器を装着した電子写真画像形成装置の縦断面図である。
【0026】
図28に示す電子写真画像形成装置において、操作者によって原稿101が原稿台ガラス102の上に置かれ、光学部103の複数のミラーとレンズにより感光ドラム104上に原稿101の光像が結像される。
【0027】
一方、給送カセット105〜108に積載された記録媒体(用紙、OHPシート等であって、以下、用紙と称する)Pのうち、不図示の操作部から操作者が入力した情報に基づいたサイズの用紙Pを選択する。そして、送り出しローラ105A〜108Aのうち、選択された給送カセット(105〜108)に応じたローラ(105A〜108A)が回転する。そして、給紙カセット105〜108から送り出された1枚の用紙Pを搬送部109を経由してレジストローラ110間で搬送する。レジストローラ110は、感光ドラム104の回転と光学部103のスキャンのタイミングとを同期させて用紙Pを感光ドラム104へ搬送する。そして、用紙Pは、転写手段111によって感光ドラム104上のトナー像の転写を受け、トナー像が転写された用紙Pは分離手段112によって感光ドラム104から分離される。そして、用紙Pは搬送部113によって搬送されて定着部114に至り、定着部114で熱と圧力によってトナー像が用紙P上に定着される。その後、
1)片面コピーの場合、用紙Pは反転部115を通過して排出ローラ116によってトレー117へ排出される。
2)多重コピーの場合、用紙Pは反転部115のフラッパー118によって搬送部119,120へ搬送され、レジストローラ110まで達する。その後、前記と同様に用紙Pは画像形成部と搬送部113及び定着部114を通ってトレー117へ排出される。
3)両面コピーの場合、用紙Pは反転部115を通って一旦排出ローラ116によってその一部が機外へ排出される。その後、用紙Pの終端がフラッパー118を通過した後、排出ローラ116を逆回転させる。そして、用紙Pを再度機内へ搬送する。この用紙Pは、搬送部119,120へ搬送されてレジストローラ110まで至り、前記と同様に用紙Pは画像形成部と搬送部113及び定着部114を通ってトレー117へ排出される。
【0028】
以上の構成を有する電子写真画像形成装置において、感光ドラム104の周りには、現像装置201とクリーニング手段202及び一次帯電手段203が配置されている。現像装置201は感光ドラム104に形成された静電潜像をトナーを用いて現像するものであり、装置本体124には現像装置201にトナーを供給するためのトナー補給容器1が取り外し可能に装着されている。
【0029】
ここで、現像装置201は、感光ドラム104との間に微小隙間(約300μm)を設けて配置された現像ローラ201aを有しており、現像に際しては現像ブレード201bによって現像ローラ201a周面に薄層のトナー層が形成される。そして、現像ローラ201aに現像バイアスを印加することによって、感光ドラム104に形成された静電潜像が現像される。
【0030】
又、帯電手段203は、感光ドラム104を帯電するものであり、クリーニング手段202は感光ドラム104に残留するトナーを除去するものである。そして、現像によってトナーが減少すると、トナー補給装置100からトナーが順次補給される。
【0031】
ここで、トナー補給容器1の交換について説明する。
【0032】
先ず、トナー補給装置100内のトナーが無くなったことが図29に示す報知部124aに報知される。すると、操作者は、図29に示す装置本体124に開口する開口部122を覆う開閉部材121を開ける。開口部122の奥には、トナー補給容器1を取り外し可能に装着するホルダー31(具体的にはトナー補給装置本体54)が設けられている。このホルダー31にトナー補給容器1をその長手方向に沿って挿入するが、このとき、トナー補給容器1はホルダー31の長手方向に沿って設けられたガイドに導かれて所定位置まで挿入される。トナー補給容器1を挿入した後、操作者がトナー補給容器1のハンドル15を回転させると、トナー補給容器1内のトナーが現像装置201に供給される。そして、操作者が開閉部材121を閉めると、電源スイッチが入って画像形成装置は駆動可能となる。
【0033】
即ち、現像装置201内のセンサ(図示せず)が現像装置201内のトナーが減少した信号を発すると、図12に示すトナー搬送スクリュー46,47が回転し、ケース48内のトナーが徐々に現像装置201に供給される。そして、現像装置201内のトナーの量が所定量に達すると、トナー搬送スクリュー46,47は停止する。この動作を繰り返す。
【0034】
やがてケース48内のトナーが減少すると、ケース48内のセンサ(不図示)がトナーが減少した信号を発し、トナー補給容器1内の搬送部材29が回転してトナーをケース48へ送り込むが、ケース48内のトナー量が所定量に達すると、搬送部材29は停止する。この動作を繰り返す。そして、ケース48内のセンサが前記信号を発してもトナーが供給されない場合には、報知部124a(図29参照)にトナー補給容器1を交換する旨の表示を行う。
【0035】
(トナー補給容器)
本実施の形態に係るトナー補給容器1(図1〜図3参照)は画像形成装置内のトナー補給装置100に装着される。このトナー補給容器1はそのまま据え置かれる所謂据え置き型(ビルトイン)のものであって、収納しているトナーを使い切るまで徐々に現像部へトナー供給する。尚、本発明は据え置き型のトナー補給容器にその適用が限定されず、例えば所謂一括供給型トナー補給容器等にも適用される。
【0036】
而して、トナー補給容器1は、図4に示すように、トナー収納部であるトナーコンテナ11、該トナーコンテナ11の長手方向の両端側にそれぞれ取り付けられた第1フランジ12と第2フランジ13、第1フランジ12に嵌入するキャップ14、第1フランジ12に回動可能に嵌合するハンドル15を有している。そして、トナーコンテナ11のトナー排出開口11aを開閉する容器シャッタ16を有している。尚、トナーコンテナ11内にはトナー搬送手段としてのトナー搬送部材29が設けられている(図5参照)。
【0037】
(トナーコンテナ)
トナーコンテナ11は、図4に示すように、長手方向と直交する断面が半円に近い円弧部11gに長方形部11hを接続した形状を有しており、その内部が1つの空間から成る中空筒状部材であって、その内部にはトナーが収納される。そして、その円弧部11gの外周面には、トナー排出開口11aが設けられており、このトナー排出開口11aの長手方向両側の周囲にはシャッタ支持部材11eが設けられている。容器シャッタ16は、シャッタ支持部材11eに支持されてトナー排出開口11aを閉鎖する閉鎖位置(図11参照)と該閉鎖位置から退避して前記トナー排出開口11aを開放する開放位置(図12参照)とを取り得る。
【0038】
又、トナーコンテナ11の両側の長手方向には直線状のガイド部11kが設けられており、このガイド部11kはトナー補給容器1を装置本体124に設けられたトナー補給装置100に着脱する際にトナー補給容器1が真直に進退するように規制するものである。
【0039】
尚、本実施の形態では、トナーコンテナ11の形状を断面の下部が半円形で上部が長方形である筒状としたが、この形状に限定されるものではない。例えば、長手方向と交差する断面が円形、楕円形、角を有する形状等であっても良い。又、トナーコンテナ11の構成及び部品点数についても特に限定はない。
【0040】
ところで、トナーコンテナ11には粉体トナーが充填されているが、トナーとしては例えば黒色トナー、色トナー、一成分磁性トナー或は一成分非磁性トナー等が適宜選択される。
【0041】
(第1及び第2フランジの構成)
第1フランジ12及び第2フランジ13はそれぞれトナーコンテナ11端部の内周に丁度嵌合する中空筒形状に成形されており、これらはトナーコンテナ11の長手方向両端に嵌合して接着固定され、その後、トナーコンテナ11が封止される。
【0042】
ここで、第1フランジ12は、端板12bと、該端板12bに続いてトナーコンテナ11の円弧部11gの中心と同一中心を有する円筒状周壁部12eを有しており、この周壁部12e内を通じて該第1フランジ12にはトナー充填口12aが設けられている。又、第2フランジ13は端板13aを有している。
【0043】
尚、第1フランジ12と第2フランジ13はトナーコンテナ11又は該トナーコンテナ11の一部と一体化した構成でも良い。即ち、第1フランジ12と第2フランジ13はトナーコンテナ11の一部を構成しており、1つのトナー収納容器本体を成している。
【0044】
更に、第1フランジ12には、容器挿入方向端部(上流側)となる位置においてトナーを充填するためのトナー充填口12aが設けられているが、該トナー充填口12aの内部には放射状のリブ12cが設けられている(図36及び37参照)。そして、その中心には、後述するトナー搬送部材29を軸支するための軸孔12dが設けられている。又、トナー充填口12aの周囲の円筒状周壁部12eには後述するハンドル15が嵌合し、トナー充填口12aはトナー充填後にキャップ14が嵌め込まれて密閉される。そして、第1フランジ12はトナーコンテナ11に接合されて一体化される。
【0045】
又、第2フランジ13の端板13aには、トナー搬送部材29をトナーコンテナ11の外部から軸支し、且つ、駆動力を伝達する駆動力受け部(例えば、カップリング)を挿入するための孔13cが形成されており、該孔13cの周囲には前記駆動力受け部の外周面を支持するための円筒状周壁部13d(図4及び図5参照)が設けられている。
【0046】
(ハンドル)
ハンドル15は円筒形を成しており、その一端は先太の一文字形の把手15eを有し、他端は、内部が空洞で2段の円筒形でトナーコンテナ11に向かう側が開放されている。このハンドル15は、中間部内周15hがトナーコンテナ11の一端に設けられた円筒状周壁部12eの一部であるハンドル支持部12fに対して手動作により回動可能に嵌合され(図7及び図8参照)。そして、このハンドル15の外周面には駆動力を伝達する係合部15aが設けられている。
【0047】
上記係合部15aは、トナー補給容器1をトナー補給装置100に挿入した際に、図6及び図10に示すようにトナー補給装置100に設けられた駆動力伝達部材21の係合部21aと係合可能なセグメントギヤ形状を有している。そして、この係合部15aはトナー補給容器1を挿入する一連の動作によって係合部21aと係合可能である。
【0048】
図6及び図10に示すように、駆動力伝達部材21は、トナー補給装置100に回転自在に支持される軸21sの両端に駆動力受側係合部21aと駆動力伝達側係合部21bを有している。ここで、係合部21a,21bはギヤであって、複数個の歯を有している。尚、本実施の形態においては、駆動力受側係合部21aはギヤ1枚で構成されている。但し、駆動力受け機構を有していれば、その構成やギヤの枚数については特に制限はない。
【0049】
又、本実施の形態においては、駆動力伝達側係合部21bは駆動力伝達側係合部21gとしてのアイドラギヤを介してセグメントギヤである駆動力受側係合部16dと噛合している。尚、本実施の形態では、駆動力伝達部材21(即ち、軸21s、係合部21a,21b及び係合部21g)は装置本体124側に設けられている。
【0050】
(トナー搬送部材)
図5に示すように、トナー搬送部材29を支持する搬送軸27は、その一端が軸孔12d(図37参照)に回転自在に軸支されている。そして、搬送軸27は他端に固定されたカップリング26aによって回転力を伝達されるよう軸支されている。そして、トナー搬送部材29は、搬送軸27に固定された可撓性部材から成る搬送翼28を有している。尚、カップリング26aはトナーコンテナ11に回転自在に支持されている。
【0051】
上記搬送翼28は、トナーコンテナ11の内周面と摺擦し、トナー搬送排出開口11aに対して先端側が回転方向に従って傾斜した爪部28aを有する複数の翼を備えている。このため、トナーコンテナ11内のトナーをトナー排出開口11aへ向かって送ることができる。
【0052】
ところで、トナー排出開口11aはトナー補給容器1の装置本体124に対する挿入方向から見て手前側(上流側)に配設されている。従って、爪部28aは全て同方向を向いている。尚、トナー排出開口11aの配設位置によっては爪部28aの向きは全て同方向ではなく、適宜各方向へ向けて配置しても良い。又、前記カップリング26aは、トナー補給容器1をトナー補給装置100に装着した際に、トナー補給装置100に設けられた駆動側カップリング44(図19参照)と噛み合い、駆動力を得てトナー搬送部材29を回転駆動する。
【0053】
尚、トナーコンテナ11内のトナーをトナー排出開口11aまで搬送可能であるならばトナー搬送部材29は必ずしも必要ではない。但し、トナー搬送部材29を設けることによってトナーを確実に供給することができる。
【0054】
次に、図9にトナー補給容器1の駆動力を受ける側の端部を示す。トナーコンテナ11の端面には、駆動力受け部材としてのカップリング26aが回転自在に支持されており、このカップリング26aの軸方向両端は軸継手を構成している。そして、トナーコンテナ11内においては、カップリング26aは搬送部材29の搬送軸27の一端と連結されている。
【0055】
トナーコンテナ11の外部には回転力受け部が設けられており、この回転力受け部は、装置本体124にトナー補給容器1を装着した際に、トナー補給装置100に設けられた回転力を伝えるためのカップリング44と連結される。この回転力受け部は図9に示すように半径方向の突起26a1で構成されており、該突起26a1間の凹部26a2に前記駆動側カップリング44の凸部44a(図19参照)が係合して連結される。
【0056】
(容器シャッタ)
図4に示すように、容器シャッタ16の長手方向の両端にはスライド部16fが設けられており、このスライド部16fはトナー排出開口11aの長手方向両側に設けられたガイド部材としてのシャッタ支持部材11eと係合する。そして、この容器シャッタ16はトナー排出開口11aを開閉可能にトナーコンテナ11の円周方向にスライド移動する。即ち、容器シャッタ16のトナー補給容器1の長手方向と直角な断面は円弧形状を成しており、トナーコンテナ11の外周面に沿う形状を有している。尚、スライド部16f及びシャッタ支持部材11eは、容器シャッタ16の円弧の中心線を含む平面で切った断面が鉤形を成していおり(図6参照)、シャッタ支持部材11eは断面鉤形で全長に亘って連続している。
【0057】
スライド部16fには、図20、図21、図39、図40及び図44に示すように、容器シャッタ16の周方向に設けられた複数の貫通孔16tに対応して鉤先16uが突片として形成されている。この鉤先16uのシャッタ支持部材11eと接する面には、図44に示すように、H又はT形に突起16u1が設けられており、この鉤先16uは弾性パッキン部材35に容器シャッタ16が一定の圧力で接触するようにばね部材としての機能を有している。従って、容器シャッタ16が開閉の際の位置によって弾性パッキン部材35から受ける加圧力が変化しても複数の鉤先16uの変形で加圧力が補償される(図21参照)。
【0058】
そして、容器シャッタ16は、トナー補給容器1をトナー補給装置100に装着する際に、図10に示すように、駆動力伝達側係合部21gとしてのギヤと係合可能な回転力を受け部としての駆動力受側係合部16dを有している。この駆動力受側係合部16dは複数個の歯を有しており、トナー補給容器1のトナー補給装置100への挿入の一連の動作で駆動力伝達側係合部21gと係合可能である。
【0059】
ところで、駆動力受側係合部16dは、容器シャッタ16の外側表面16mに刻設されている。ここで、駆動力受側係合部16dのセグメントギヤ形状の歯先円直径とこの係合部16d以外の容器シャッタ16の外径とは略同一に設定されて高さ方向のスペースが節約されている。駆動力受側係合部16dは駆動力伝達側係合部21gに対して係脱するため、該係合部16dはカップリング26aに近い側の容器シャッタ16の縁近くの外側表面に設けられている。これによって、駆動力受側係合部16dは容器シャッタ16が閉鎖位置に位置する際に駆動力伝達側係合部21gに対して係合離脱する。
【0060】
又、トナー補給容器1のトナー補給装置100への挿入の一連の動作で、トナー補給装置100に設けられた駆動力伝達側係合部21gと駆動力受側係合部16dを係合させる。そのため、容器シャッタ16のカップリング26aが設けられている側のスライド部16f(16f1)が駆動力受側係合部16dよりも短く設定されている(図4、図10、図44のA部参照)。即ち、スライド部16f1は、トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入する際に、駆動力伝達側係合部21gと直面する容器シャッタ16側の長手方向の端面16hが駆動力受側係合部16dの歯の歯すじ方向端面と一致するよう配置されることが望ましい。従って、本実施の形態においては、スライド部16f1を短くするために、切り欠き16gを設けており、この切り欠き16gによって生ずる端面の内長手方向から見る端面が前記端面16hとなる。これによって、駆動力伝達側係合部21gと容器シャッタ16の干渉が避けられる。
【0061】
尚、容器シャッタ16の肉厚が大きいときは、スライド部16f1は容器シャッタ16の円弧に沿う全長に亘って設けられる。そして、前記切り欠き16gに相当する部分は駆動力伝達側係合部21gが通過可能な凹部としても良い。
【0062】
又、容器シャッタ16は、図11に示すように、トナー補給装置100に設けられたトナー補給開口33を開閉する本体シャッタ34の面34b1間の凹部34cと係合する。そして、トナー補給容器1に設けられた容器シャッタ16のスライド移動に連動して本体シャッタ34をスライド移動させることができる。
【0063】
尚、本実施の形態における装置本体124に備えられた駆動力伝達側係合部21b,21gは図6に示すように2枚のギヤによって構成されている。但し、駆動力伝達機構を有していれば、その構成やギヤの枚数については特に制限はない。図3の示すように、容器シャッタ16にはハンドル15を常にトナーコンテナ11の長手方向に押すようにアーム状のばね部16bが設けられており、このばね部16b先端はハンドル15のフランジ15bに圧接されている。
【0064】
(トナー補給装置)
トナー補給装置100は、図11〜図13に示すように、長手方向の断面がトナーコンテナ11に倣って半円筒形の下部54aと矩形の上部54bとを有するカートリッジ受け入れ部となるトナー補給装置本体54を有している。上部54bの内周には、トナー補給容器1のガイド部11kをガイドするための突片54cがガイド部11kの両側に設けられている。この突片54cは、トナー補給装置本体54の口部に一対の他内部ではトナー補給容器1の挿入方向に上下別々に分散して設けられている。
【0065】
そして、トナー補給装置本体54の下部54aの内周には周方向にガイドレール55が設けられており、このガイドレール55に本体シャッタ34のガイド34aが係合している。このガイドレール55及びガイド34aはその長手方向の断面が鉤形であって、互いに抱き合っている。そして、ガイドレール55とガイド34aは、平行してそれぞれ2条設けられている。従って、本体シャッタ34はトナー補給装置本体54に保持されており、本体シャッタ34の突縁34bの内周の半径は容器シャッタ16の内周の半径と同一又はほぼ等しい。
【0066】
本体シャッタ34は移動方向と直交する両側に突縁34bが長手方向に沿って設けられており、該本体シャッタ34には本体シャッタ開口34dが設けられている。但し、この本体シャッタ開口34dはトナー補給開口33を開閉できれば良いために該開口34dの1つの縁34d1のみでも良い。本体シャッタ34の内周に沿う突縁34b間の長さは容器シャッタ16の内周の円弧の長さにほぼ等しいため、トナー補給容器1がトナー補給装置100に挿入されると、容器シャッタ16の長手方向に沿う両側の縁は本体シャッタ34の突縁34bの半径方向へ突出した面34b1間の凹部34cに丁度嵌合される。従って、容器シャッタ16を開閉すると本体シャッタ34は連動する。
【0067】
そこで、トナー排出開口11aとトナー補給開口33を対向するようにしておけば、容器シャッタ16を開くことによってトナーはトナー撹拌送り装置45を介して現像装置204に補給される。前記本体シャッタ開口34dは凹部34cとは本体シャッタ34の周方向に関して突縁34bを間にして隣り合っている。
【0068】
(シール部材)
トナー補給装置100にトナー補給容器1を装着すると、容器シャッタ16は本体シャッタ34の凹部34cに係合する。この凹部34cは本体シャッタ34を長手方向に貫通しており、面34b1は容器シャッタ16のためのガイドとなる。このとき、容器シャッタ16の本体シャッタ開口34dの縁の突縁34bの容器側の面と本体シャッタ34の容器側の面とは略同一面を形成する。容器シャッタ16の容器側の面には、図11〜図17に示すようにシール部材41が設けられており、このシール部材41は、本体シャッタ34のトナー排出開口11aとトナー補給開口33を開閉する側の突縁34bの容器側の面に覆い被されるよう容器シャッタ16の閉方向下流側に延出されている。尚、このシール部材41は容器シャッタ16と本体シャッタ34との隙間gにトナーが侵入するのを阻止するものであり、この目的を達成できれば材質・形状・寸法・取付方法は適宜設定可能である。
【0069】
本実施の形態では、好ましい構成として厚さが125μmのポリエステル(PET)シートを両面テープ(日東電工社製#5000NC)43(図20参照)によって容器シャッタ16に貼り付けてシール部材41とした。
【0070】
シール部材41は前述のように本体シャッタ34の突縁34bに覆い被さるよう構成されているため、トナー補給容器1の脱着時に引っ掛かったり、ぶつかったりしてトナー補給容器1の脱着を阻害しないことが望まれる。又、本体シャッタ34の容器側の面は必ずしも平滑ではないが、これに対して追従して密着することが必要である。これらの要請から、シール部材41としては可撓性のシートや弾性材料から成るシート等が好ましい。
【0071】
シール部材41の取付方法に関しては、トナー補給容器1の装着・取り外し及び容器シャッタ16の開閉を繰り返しても剥れないことが必要であり、これを満足できれば前記両面テープ43をはじめ、種々の公知の接着・接合手段が利用可能である。
【0072】
最も好ましくは、シール部材41をエラストマーで構成し、該シール部材41と容器シャッタ16とを2色成形にて一体的に成形するのが良い。この場合、シール部材41を構成するエラストマーと容器シャッタ16の材料とは相溶性のあるものを選択することが好ましい。或はシール部材41と容器シャッタ16とを同一の材質として両者を完全に一体的に成形しても良い。
【0073】
(シール部材の作用)
次に、シール部材41の作用について説明する。
【0074】
トナー補給容器1を取り外してあるときで容器シャッタ16が本体シャッタ34と係合していない状態では、トナー補給装置100は図19に示すようになっている。ここで、本体シャッタ34はトナー補給開口33を封止する位置にあり、トナー補給開口33からゴミ、その他の異物の混入を防止するようになっている。
【0075】
次に、トナー補給容器1を装着し、トナー補給を行っていくときの状況を図12に示す。ここでは、容器シャッタ16は容器のトナー排出開口11aから退避し、該トナー排出開口11aと本体シャッタ開口34d及びトナー補給開口33が連通する状態になっている。このとき、容器シャッタ16の容器側の面と本体シャッタ34の開口34d側の突縁34bの容器側の面とが略同一面を成しているため、本体シャッタ34の突縁34bとシール部材41とが当接してトナーの通路の通路外に対する密閉性を保つようになっている。又同時に、本体シャッタ34の突縁34b表面へのトナーの付着も防止する。そして、トナー補給容器1に内蔵されたトナー搬送部材29の作用により、トナー補給容器1内に収容されていたトナーは連通した開口11a,34d,33を通って受入れ装置であるトナー撹拌送り装置45側へと補給される。
【0076】
図11、図12の一部拡図である図14及び図15に示すように、シール部材41は図14に示す状態からシャッタ16,34が少し開方向へ移動し、図15に示す状態においてシール部材41の端部が本体シャッタ34の突縁34bとパッキン部材35に挟まれても、シール部材41は薄いPETシートであるためにこの部分での密閉性を損なうことはない。このため、シール部材41の厚さは50μm以上300μm以下であることが望ましい。より好ましくは75μm以上200μm以下、最も好ましくは125μmに設定するのが良い。シール部材41が厚過ぎれば、本体シャッタ34とトナー補給容器1の間のシール性を損ない。薄過ぎればシール部材41の本体の機能である容器シャッタ16の本体シャッタ34との間へのトナーの侵入を防止する作用が不十分となり、トナー補給容器1の取り扱い中及び該トナー補給容器1のトナー補給装置100への脱着時にシール部材41が捲れたりシワが寄ったり、曲がったりする不都合も生ずる。
【0077】
シール部材41がパッキン部材35に接しない位置まで退避させるように構成すれば、シール部材41について厚さの制約はなくなるが、その分だけ本体シャッタ34の移動ストロークは長くなり、トナー補給装置100及びトナー補給容器1をコンパクトに設計することが困難になる。
【0078】
次に、報知部124aにトナー無し検知が点灯するよりも前に、トナー補給容器1を取り出すときの状況とシール部材41の作用について説明する。
【0079】
トナー補給容器1内に未だ相当量のトナーが収容されており、トナー補給容器1のトナー排出開口11a、本体シャッタ開口34d、トナー補給開口33の何れもその内部はトナーで充満されている状態からトナー補給容器1を取り出すが、先ず、開口部を封止する必要がある。
【0080】
容器シャッタ16を閉じ方向に移動させると、これに係合している本体シャッタ34も一体的に容器閉方向へ移動する。このとき、図16に示すように、本体シャッタ開口34d内に充満したトナーはそのまま閉方向へと移動してトナー補給容器1内のトナー及びトナー撹拌送り装置45内のトナーとは分断されていく。閉動作の途中では、図16に示すように本体シャッタ34と容器シャッタ16の隙間gがトナー排出開口11aの真下を通過する状況となり、このとき、図17及び図18に示すように、シール部材41が無いとトナー補給容器1内のトナーは前記隙間gに向かって殺到する。しかし、図16に示す状態ではシール部材41がこの隙間gを覆っているため、隙間gの中へのトナーの侵入は阻止される。
【0081】
尚、この間にシール部材41と容器シャッタ16はパッキン部材35の復元力によって常に図中下向きの付勢力を受け、この結果、シール部材41の容器シャッタ16からの延出部41aも本体シャッタ34の容器側の面に圧接され、より高いシール性が得られるとともに、本体シャッタ34の突縁34b表面へのトナーの付着を阻止する。
【0082】
本体シャッタ34と容器シャッタ16を閉じ切った状況は図14に示すようになるが、トナー補給容器1としては、シール部材41の延出部41aのトナー補給容器1側の面にトナーが付着するものの、容器シャッタ16の外面及びトナーコンテナ11の外面へのトナーの付着が防がれる。前記シール部材41の延出部41aの内側へのトナー付着の量は微小であり、且つ、トナーコンテナ11との間で形成されるポケット状の形状の中であるため、そのトナーは外へは出て来にくく、外部へ飛散することは殆どない。
【0083】
前記シール部材41の延出部41aの延出長さは後述する理由により本体シャッタ34の突縁34bの幅と略等しくするのが好ましいが、寸法としては2mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは4mm以上8mm以下、最も好ましくは6mmに設定するのが良い。延出部41aが短過ぎると前記隙間gへのトナーの侵入を阻止する作用が不十分であるとともに、シール部材41とトナーコンテナ11とで形成される前記ポケット状の形状が浅くなってしまい、付着したトナーを保持する作用も得られない。更には、本体シャッタ34の突縁34b表面へのトナーの付着を阻止する作用も得られない。
【0084】
一方、延出部41aが長過ぎる場合には、トナー補給容器1の着脱時にこの部分が邪魔になり、トナー補給装置100の内面の各所にぶつかる等するという問題がある。又、前記パッキン部材35からの付勢力も延出部41aの最先端部へは伝達し切れなくなり、密閉性はむしろ悪くなる。シール部材41の剛性を高めれば延出部41aが長くても付勢力の伝達は行われるが、本体シャッタ34への追従性が得られず、やはり密閉性は悪くなる。又、本体シャッタ開口34dを狭くしてしまい、トナーが通過するのを妨げる可能性もある。
【0085】
図17及び図18にシール部材を設けない例を示す。
【0086】
報知部124aにトナー無し検知が点灯する前に本体シャッタ34を閉じていくと、図示のように容器シャッタ16と本体シャッタ34の隙間gはトナーに晒され、そこへトナーが侵入していく。そして、侵入したトナーによって容器シャッタ16の外面にはトナーが付着して汚れる。本体シャッタ34の面34b1間の凹部34cに侵入したトナーは出口がないために蓄積する一方であり、画像形成装置のメンテナンス時等に清掃を行わない限り、トナー補給容器1の汚れは次第にひどくなっていく。又、本体シャッタ34の突縁34bにはトナーが付着し、容器シャッタ16及び本体シャッタ34を閉じた後でこのトナーがトナー補給容器1の対向する外面へと転移してトナー補給容器1が汚れる結果となる。
【0087】
[シール部材の他の形態1]
シール部材表面に低摩擦抵抗材料を配置する。
【0088】
パッキン部材35の圧縮は、高いシール性を維持するために、圧縮率及び圧縮応力を増加させることが望ましい。即ち、圧縮率が小さいとパッキン部材35の圧縮応力も小さくなり、十分なシール性が得られず、落下衝撃等にてトナーの洩れが発生してしまう。ところが逆に、圧縮率が大きくなり過ぎるとパッキン部材35の圧縮圧力も大きくなってシール性は向上するが、摺動負荷が増大して容器シャッタ16の開閉駆動力も大きくなってしまう。
【0089】
そこで、高いシール性と低いシャッタ開閉駆動力を同時に実現するため、図20及び図21に示すように、前記シール部材41の前記パッキン部材35と向かい合う側の面に低摩擦抵抗材料として可撓性フィルム42を貼付し、該シール部材41のパッキン部材35表面との摺動摩擦抵抗を低減させている。具体的には、可撓性フィルム42の材質として、ポリエステル、2軸延ポリプロピレン(OPP)、ポリアミド、ポリエチレン、フッ素樹脂の単層又はこれらの複合層を基材として表面にシリコンオイル、シリコンワックス、シリコン系塗料等をコーティングしたものを用いる。
【0090】
好ましくは、前記可撓性フィルム42におけるシリコーンオイルのコーティング層の厚さが0.5μm〜2μmであるものを用い、より好ましくはシリコーンオイルのコーティング層の厚さが0.1μm〜0.5μmであるものを用いる。シリコーンオイルのコーティング層の厚さが厚過ぎるとトナーコンテナ11内のトナーへ悪影響を及ぼし、逆に薄過ぎるとシャッタ開閉強度低下の十分な効果が得られない。
【0091】
以上のように構成されるトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、トナー無し検知の点灯前にトナー補給容器1を取り出す操作を繰り返したが、先に説明した図20(b)に示すものと同様に容器シャッタ16の外面及びその周囲へのトナー付着と汚れはなく、蓄積も認められなかった。又、容器シャッタ16の開閉駆動力を大きくすることなく密封性能を向上することができた。
【0092】
[シール部材の他の形態2]
本実施の形態は、シール部材41の延出部41aは、トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入する際に本体シャッタ34の突縁34bの長手方向の端部から本体シャッタ34の突縁34b上へ進入する。
【0093】
そこで、容器シャッタ16が本体シャッタ34の面34b1間の凹部34cへ進入し易くするために、図27において両側(図27では右側が補給装置本体54の下部54bの陰になっている)面34b1の手前角に面取り34b2をするとともに、容器シャッタ16の対応する部分も面取り16p,16qをする(図39及び図40参照)。
【0094】
そして、図27に示すように、本体シャッタ34の突縁34bの手前角にシール部材41の延出部41aを円滑に進入させるために導入部34eが設けられている。この導入部34eは突縁34bの長手方向端部において突縁34bの容器に面する側の面から端面へ次第に下るように傾斜した斜面である。
【0095】
このような導入部34eを設けることによって、シール部材41の延出部41aが本体シャッタ34の突縁34bへ侵入する際に延出部41aの長手方向の端部の損傷を防止することができる。
【0096】
図22〜図26は本体シャッタ34の突縁34bの導入部34eから突縁34b上へシール部材41の延出部41aを更に円滑に侵入させるための構成が示されている。
【0097】
図22ではシール部材41の延出部41aの根元に長手方向に沿ってミシン目41bを施している。図25はミシン目41bを施したシール部材41の斜視図である。このミシン目41bに代えて図26に示すようにトナーコンテナ11に面する側においてシール部材41の延出部41aの根元に長手方向に条溝41cを設けても良い。尚、本例では条溝41cの断面はV字であるが、U字形であっても良い。
【0098】
以上のように構成することによって、シール部材41の延出部41aが本体シャッタ34の突縁34bへ進入する際に本体シャッタ34の導入部34eに当接してミシン目41b又は条溝41cの部分で延出部41aが折曲するため、延出部41aの長手方向の端部損傷を防止することができる。
【0099】
シール部材41は延出部41aを含めて円弧形状としたが、図23に示すようにシール部材41の延出部41a全体をその根元でトナーコンテナ11側へ向けて折曲しても良い。このように延出部41aを設けると、図14に鎖線にて示すように本体シャッタ34の突縁34bの上方に延出部41aが侵入できる。尚、このようにシール部材41の延出部41aを折曲してあっても容器シャッタ16、本体シャッタ34がトナー排出開口11a、本体シャッタ開口34dを開放する際は、延出部41aは長手方向の両端側がパッキン部材35と本体シャッタ34の突縁34bと直角方向の突縁との間に狭圧されるため、突縁34bと延出部41aは密着する。図23に示した例においては延出部41aが折曲しているため、その先端縁は容器シャッタ16の開閉時にパッキン部材35に強く摺接し、これを傷める可能性がある。図24に示す例はこのような懸念を解消したもので、シール部材41の延出部41aをトナー補給容器1の装着方向下流側に延出突片の突出部41dを設け、この部分を折曲したものである。この例では突出部41dはパッキン部材35とは接触しない位置にあり、前記問題は発生せず、最も好ましい実施の形態である。
【0100】
(ロック部材)
トナー補給容器1を画像形成装置本体124に装着する前、取り外し後、ハンドル15がトナーコンテナ11側に係止されるようにロック部材51を設けている(図7及び図8参照)。
【0101】
ロック部材51は、第1フランジ12の端板12bのきわの円筒形のロック部材嵌合部12gに回転自在でトナー補給容器1のトナー補給装置100への着脱方向(図7に示す矢印方向の両方の向き)に移動自在に嵌合している。
【0102】
ロック部材51は、ロック部材嵌合部12gに嵌合する円形のリング部51aの前記端板12bに向かった側の縁に凹部51bを有している。この凹部51bは、第1フランジ12に設けたロック突起12hと嵌合している。ロック部材51には、ハンドル15の端面15iを圧するようにアーム状のばね部51cが一体に設けられている。このばね部51cのばね力によりハンドル15が第1フランジ12の円筒形周壁部12eを設けるとともに、ハンドル15の一部を切り起して設けた抜け止め15j(図3参照)の先端を突条12iに当てている。又、ばね部51cによってロック部材51は第1フランジ12の端板12bに圧接されている。
【0103】
尚、上記ばね部51cの根元に撓みが集中して根元が白化しないように、ばね部51cは先端に向かう程細くなるように形成され、全体的に撓むようになっており、根元への応力集中を防いで根元の白化を防いでいる。このため、ばね部51cの断面が四角形の場合、先端に向かう程断面の幅及び厚みを小さくしている。従って、ばね部51cは根元から先端に向かうに従って断面積が次第に小さくなっている。
【0104】
ロック部材51の外周に設けられた係合リブ51jは、ハンドル15に設けられたトナー補給容器1の着脱方向の溝15k,15mにトナー補給容器1の着脱方向に移動自在に緩く嵌合している。又、ロック部材51の係合リブ51jとハンドル15の溝15j(図3参照)の嵌合によってハンドル15とロック部材51は互いに回転できないようになっているが、相対的に移動自在である(図37及び図38参照)。
【0105】
第1フランジ12に設けられたロック突起12hのトナー補給容器1の着脱方向の高さは、ハンドル15の溝15k,15m中を係合リブ51jが移動する行程長よりも小さく設定されている。又、ハンドル15の溝15j(図7参照)中をロック部材51の係合リブ51jが移動する行程長よりもロック突起12hのトナー補給容器1の着脱方向の高さは小さく設定されている。
【0106】
上記構成により、ロック部材51の凹部51bは第1フランジ12のロック突起12hとロック部材15のばね部51cのばね力で係合しているため、トナー補給容器1はトナー補給装置100に対して挿入・退出途中及び取り外した状態の何れにおいてもハンドル15はトナーコンテナ11に対して非回転である。但し、後述するハンドル15を定位置でトナー補給装置100へ挿入するための手段として設けた第1フランジ12の突起12hとリング部材51の凹部51bとの間で周方向に設けた寸法差によるガタ分によりハンドル15は本例では6°空転するようになっている。
【0107】
ロック部材51にはもう1つの係合リブ51jから外周方向へ向かって突出する薄片の引き抜き止め51eが設けられている。
【0108】
(ロック部材の作用)
次に、ロック部材51の作用を説明する。
【0109】
トナー補給容器1のガイド部11kをトナー補給装置本体54の突片54d間に嵌合してトナー補給装置100内へ挿入すると、容器シャッタ16と本体シャッタ34が係合し、その途中で容器シャッタ16の駆動力受側係合部16dが駆動力伝達側係合部21gと部分的に噛み合い、その直後にハンドル15の駆動力伝達側係合部15aが駆動力受側係合部21aと部分的に噛み合う。容器シャッタ16が本体シャッタ34と部分的に係合に向かうときに前記シール部材41の延出部41aが本体シャッタ34の導入部34e(図39及び図40参照)を通って突縁34b上へ進入する。
【0110】
ここで、ハンドル15を装着方向へ押し付けると、図8に示すように突片51dに設けられた突起51d1がトナー補給装置本体54の当接面54eに当接するとともに、引き抜き止め51eが当接面54fに当接する(図37及び図33参照)。そして、ハンドル15を更に押し込むと、ハンドル15、第1フランジ12、トナーコンテナ11、第2フランジ13等は図7の矢印と同方向へ更に進み、第1フランジ12のロック突起12hは図8に示すように凹部51b外へ出る。
【0111】
ここで、ハンドル15をトナー補給容器1の装着方向から見て時計回り(図8の矢印方向)に回動することができる。そして、ロック部材51はハンドル15と共に回動し、回り始めるとすぐに引き抜き止め51eがトナー補給装置本体54の下部54aの当接面54f上に一体的に設けられた溝54g(図39及び図40参照)に入る。この溝54gはトナー補給装置本体54の下部54aの周壁に沿う円弧形に延設された溝である。
【0112】
その後、トナー排出開口11a、本体シャッタ34が開閉する過程では引き抜き止め51eは溝54gに嵌入したままである。従って、トナー補給容器1をトナー補給装置100へ装着してトナー補給作業が行われている際は、トナー補給容器1をトナー補給装置100からいきなり引き抜けないようになっている。従って、容器シャッタ16と本体シャッタ34が閉まったときのみ、円弧溝54g外へ引き抜き止め51eが出るため、トナー補給容器1をトナー補給装置100から取り外すことができる。
【0113】
この際、ロック解除突起が1箇所であったり、又、複数個でも或る方向に偏って配置されていると、ロック部材51にモーメントが作用したり、ロック部材51が変形してしまってスムーズにスライドしなくなるため、複数個のロック解除突起を円周上になるべく等間隔に配置することが望ましい。本実施の形態では、2つの突起を略180°対向する位置に配置している。本例では引き抜き止め51eもロック解除突起として機能し、突起51d1と引き抜き止め51e及びロック部材51の中心をそれぞれ結ぶ半径方向の線間は約150°の中心角を成している。
【0114】
又、ロック部材51のロック解除のタイミングについては、図38に示すようにロック部材51を回り止めするためのロック突起12hは半径方向に突出してハンドル15と係合可能な突起12h1を有し、ハンドル15の当接面15cからハンドル15の係合リブ51d(引き抜き止め51eを設けた側)を受ける溝15mの端壁12b側へ向かって延出された片方の溝壁15nに突起12h1が当接するまでのハンドル15の回転角度Bは約90°となっている。又、ロック部材51の凹部51bとロック突起12hとの関係はハンドル15が6°だけ空転するように凹部51bの中心角Aにガタを持たせている。
【0115】
トナー補給容器1の内部のトナーが消費されたためにトナー補給容器1を交換する際にはハンドル15を装着時と逆は方向(トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入する方向から見て反時計回り)に元の位置まで回動させることによって、引き抜き止め51eは円弧形の溝51eから外れ、ばね部51cのばね力でロック部材51はロック部材嵌合部12g上を滑ってロック部材51も元の位置(即ち、突起12hとロック部材51のリング部51aの凹部51bとが係合する位置)に戻ることになる。
【0116】
前述のようにロック部材51はばね部51cによりトナーコンテナ11側に付勢されているため、前記ロック突起12hとロック部材51の凹部51bが係合するようスライドして再びロック状態となる。
【0117】
(トナー補給操作方法)
次に、本実施の形態に係るトナー補給容器1を用いたトナー補給操作について説明する。
【0118】
(1)トナー補給容器1の装着
装置本体124に設けられた開閉部材121を手前90°方向に開く。次に、トナー補給容器1のガイド部11kをトナー補給装置100の突片54c間の溝部54h(図11参照)に係合させる。そして、カップリング26aが設けられた側を先頭にしてトナー補給容器1をトナー補給装置100内へ挿入する。すると、先ずトナー補給容器1の容器シャッタ16とトナー補給装置100内の本体シャッタ34とが係合する。そして、駆動力伝達側係合部21gと容器シャッタ16の駆動力受側係合部16dとが係合する。そして最後に、トナー補給装置100側の駆動力受側係合部21aとハンドル15の駆動力伝達側係合部15aとが係合する。
【0119】
(2)トナー補給容器の設置/トナー補給
トナー補給容器1がトナー補給装置100に装着された状態で、操作者がハンドル15を手動にて時計回りに90°回動させる。すると、回転による駆動力がハンドル15の駆動力伝達側係合部15aからトナー補給装置100の駆動力受側係合部21aを介して伝達部材21に伝達される。更に、駆動力伝達側係合部21gから容器シャッタ16の駆動力受側係合部16dへ伝達される。このように伝達された駆動力によって、容器シャッタ16はトナーコンテナ11のシャッタ支持部材11eに係合しながら円周方向にスライド移動する。このとき、本体シャッタ34は容器シャッタ16のスライド移動に連動する。そのため、トナー補給容器1のトナー排出開口11a、本体シャッタ開口34d及びトナー補給装置100内のトナー補給開口33は同時に開放される。そして、装置本体124のカップリング44からの駆動力を受けたカップリング26aによってトナー搬送部材29が回転駆動されてトナー補給が開始される。
【0120】
尚、これらの操作中にトナーコンテナ11は回転しないため、トナー補給容器1はハンドル15の回転には連動せず、トナー補給装置100内で固定されている。
【0121】
(3)トナー補給容器の取り外し
操作者がハンドル15を反時計方向90°回転させると、(2)と同様の順序で逆向きの駆動力が伝わる。そして、容器シャッタ16はトナー排出開口11aを、又、本体シャッタ34は本体シャッタ開口34dとトナー補給開口33をそれぞれ閉じて一連のトナー補給操作が完了する。
【0122】
尚、トナー補給容器1のトナー補給装置100への装着は、カップリング26a側を先頭にして行われる。そのため、容器シャッタ16の係合部16dは装置本体124側の係合部21aを通過して奥側の係合部21gと係合する。従って、セグメントギヤ状係合部16dの歯先円直径はハンドル15のセグメントギヤ状係合部15aの歯元円直径より小さいことがより好ましい。
【0123】
このような構成とすることにより、一連のトナー補給動作においてトナーコンテナ11は不動となる。そのため、トナーコンテナ11の形状の制約はなくなる。従って、よりスペース効率の高いコンテナ形状を採用することができる。更に、容器シャッタ16をハンドル15と別部材とすることから、トナー排出開口11aの位置をハンドル15近傍とする制約もなくなる。従って、トナー補給容器1の設計自由度が高められる。
【0124】
又、本実施の形態に係るトナー補給容器1は、ハンドル15の係合部15a、駆動伝達部材21の係合部21a、そして、容器シャッタ16の係合部16dという複数の係合部を介してハンドル15の回転駆動を容器シャッタ16の駆動力受係合部16dに伝えている。そのため、これら係合部15a,16d,21aの係合比(ギヤ比)を自由に設計することが可能となる。
【0125】
このことにより、容器シャッタ16の開閉のためのスライド移動距離が長い場合には、ハンドル15の係合比(ギヤ比)を高くしてハンドル15の操作(回動)距離を短くすることができる。又、容器シャッタ16の開閉トルクが高い場合には、ハンドル15の係合比(ギヤ比)を低くしてハンドル15の操作(回転)トルクを低く抑えることもできる。
【0126】
例えば、容器シャッタ16を開閉するためのハンドル15の回転角度を90°とする。そして、トナー補給容器1をトナー補給装置100に挿入する際には、把手15eを垂直方向に位置させる。又、ハンドル15を90°時計方向へ回転させてトナーを排出した状態では、把手15eが水平方向に位置するようにしておく。このようにすれば、操作者が操作し易く、操作者がトナー補給容器1の状態を認識し易い。尚、ハンドル15の容器シャッタ16を開閉するための回転角度は、操作上60°〜120°の範囲が好適である。
【0127】
(トナー撹拌搬送装置)
トナー補給装置100にはトナー撹拌送り装置45が付設されている。図11及び図12に示すように、トナー補給開口33を下から覆うようにしてケース48がトナー補給装置本体54に固定されている。ケース48はトナー補給装置100の長手方向とほぼ同長であり、このケース48内には長手方向にトナー搬送部材としての撹拌スクリュー46,47が回転駆動されるように配設されてケース48に支持されている。
【0128】
上記撹拌スクリュー46,47は隔壁48aで仕切られており、長手方向においてトナー補給開口33とは反対側で隔壁48aに設けられた開口によって、斜め上側の撹拌スクリュー46を設けた室48Aと下側の撹拌スクリュー47を設けた室48Bは連通せしめられている。ケース48には、長手方向でトナー補給開口33と同じ側に現像器201へ通ずるトナー排出口48bが設けられている。
【0129】
上記において、トナー補給開口33からトナーが補給されると、回転しているトナー撹拌スクリュー46は室48A内をトナー補給開口33側から長手方向で室48Aの反対側へトナーを送りながらこれを攪拌し、室48Aの前記反対側では隔壁48aに設けられた不図示の開口を通じて室48Bへトナーを落とす。下側のトナー撹拌スクリュー47はトナー撹拌スクリュー46のトナー送り方向とは反対方向へトナーを攪拌しながらこれを送り、トナー排出開口48bから現像装置201へトナーを補給する。
【0130】
(定位置装着手段)
ハンドルの回動からシャッタ開閉に至る駆動力伝達経路において、高精度の部品を用いないで且つコストを掛けないで構成しようとすれば、ギヤ等のバックラッシュやその他の部位に駆動系のガタ及び歪みが生じてしまうことは避け難い。従って、入力ストロークに対する出力ストロークが1:1に対応せず、シャッタを開いてから再び閉じてもシャッタが元の位置に戻らないことがある。このような状態のトナー補給容器を装置本体から抜き出し、そのままトナー補給容器1を再び装着してシャッタの開閉を行うと、シャッタが元に戻らない分が蓄積していき、戻らない量が増大していく。
【0131】
本体シャッタと容器シャッタとを一体的に係合させる構成においては、シャッタの位置ずれによってトナー補給容器が装置本体から抜き出せなくなったり、本体シャッタの位置ずれのために新品の(シャッタが本来の位置にある)トナー補給容器が装着できなくなったりすることがある。
【0132】
このような問題は、ハンドル及びシャッタが装置本体側の中継ギヤと係合する前に予めハンドルを開方向へ所定角度回動させ、ハンドルを閉方向へ回動させる際にはこの分も含めて戻すことによってバックラッシュやガタ等によるストロークロスを吸収し、シャッタを確実に元の位置まで戻すようにすることによって解決される。
【0133】
次に、このような手段を具体的に説明する。
【0134】
図1、図2、図33及び図34に示すように、ハンドル15上にはハンドル突起61が設けられている。このハンドル突起61の形状は平面図(下方から上方に向かって見ている下視図)で示す図41〜図43に示すようにカムフォロワを成しており、作用面61aは図41〜図43の上下方向の幅が狭く、トナー補給装置本体54の上部54bの天板下面に設けられたカムである本体突起62に接触可能となっている。尚、突起61,62はカム対偶を構成している。
【0135】
本体突起62は山形のカム面を有しており、このカム面のリフトはトナー補給装置本体54の中心(下部54aの半径の中心)に対して生ずる中心角がトナー補給容器1とトナー補給装置100間の回動方向のガタを取り、トナー補給容器1をトナー補給装置100に対して所定角度の挿入位置とするのに必要な程度となっている。尚、この中心角は6°以上となっており、本実施の形態では6°に設定している。
【0136】
次に、上記ハンドル突起61と本体突起62の関係位置を作用と共に説明する。
【0137】
トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入していくと、図33及び図43に示すように、ハンドル突起61は本体突起62のリフト=0の位置で係合開始位置へ来る。このとき、ハンドル15の駆動力伝達係合部15aと本体側の駆動力受側係合部材21aとはトナー補給容器1のトナー補給装置100への挿入方向に距離L1だけ離れている。この距離L1が本体突起62で最大リフトをハンドル突起61に生じさせる行程L2に等しい。
【0138】
図33及び図43に示す状態からトナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入すると、ハンドル突起61は本体突起62上を滑ってハンドル15を回転させる。そこで、図42に示すように、ハンドル15が6°回転してハンドル突起61が本体突起62のカムトップと接触した状態においてハンドル15の係合部15aとトナー補給装置100の係合部21aの歯端が一致する。尚、これらの係合部15a,21aの歯端が一致する僅か前には本体側係合部21gに対して容器シャッタ16の係合部16dの歯端は一致しているため、係合部21gに対する係合部16dの噛み合いは極めて僅か先行する。
【0139】
更に、トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入すると、図41に示すように、ハンドル15の駆動力伝達側係合部15aとトナー補給装置100の駆動力受側係合部21aが噛み合う。
【0140】
一方、図10に示す駆動力伝達側係合部21gに対してシャッタ16の駆動力受側係合部16dも全歯幅に亘って噛み合うため、図42に示す状態から図41に示す状態へトナー補給容器1が移動する際、ハンドル15は非回転であって、図41に示すようにハンドル突起61は本体突起62のカムトップに対応した位置にある。
【0141】
上述のようにハンドル突起61が本体突起62により変位させられることによってハンドル15は6°回転する。このため、ハンドル15と第1フランジ12に設けられた係合部分にはガタを持たせてある。即ち、図7及び図8に示すように、ロック部材51の凹部51bと第1フランジ12のロック突起12h間及びハンドル15の溝15k,15mと第1フランジ12の係合リブ51dとの間にはハンドル15が6°回転し得る周方向のガタが設けられている。
【0142】
又、上記ハンドル15をハンドル突起61と本体突起62で回動させる前に容器シャッタ16を本体シャッタ34に所定位置で係合させておくため、図39及び図40に示すように、トナー補給装置本体100の下部54aの内周に容器シャッタ16の長手方向の縁(端面)と摺動する位置決め凸部63が設けられている。この凸部63は山形のカム面を有し、カムトップはトナー補給装置本体54の下部54aの周方向について容器シャッタ16が嵌入する本体シャッタ34の凹部の一端側の面34b1が所定の一定位置とされる位置と同位置にある。
【0143】
トナー補給容器1をトナー補給装置100へ挿入すると、容器シャッタ16の面取り部16qが凸部63に当たって容器シャッタ16の位置が一定位置に規制される。容器シャッタ16の片側の側縁16r1と凸部63が摺動して本体シャッタ34に向かい、本体シャッタ34の一方の面34b1の端部の面取り部34b2に容器シャッタ16の面取り部16pが当たり、容器シャッタ16に対して本体シャッタ34は位置を規制され、更に容器シャッタ16は進んで容器シャッタ16の面取り部16qが本体シャッタ34の面取り部34b3と係合して本体シャッタ34の両側の面34b1間に容器シャッタ16が侵入して図39に示すようになった状態でトナー補給装置100側の係合部21a,21gに対してトナー補給容器1側の係合部15a,16dが噛み合い、歯幅方向での所定幅が噛み合った状態で容器シャッタ16と本体シャッタ34は図40に示すようになり、容器シャッタ16の側縁16rの装着方向後方の面取り部16sが凸部63から離れた位置となる。
【0144】
この作用において、容器シャッタ16のトナーコンテナ11のトナー排出開口11aを開閉するための抵抗は、パッキン部材35が容器シャッタ16を加圧しているため、本体シャッタ34の開閉抵抗に比較すると十分大きくなっている。従って、凸部63が容器シャッタ16の位置を定め、容器シャッタ16が本体シャッタ34の位置決めを行う。
【0145】
以上の構成と作用により、本体シャッタ34と容器シャッタ16は係合された際は一定位置となっており、この状態でユーザーがハンドル15をトナー補給容器1のトナー補給装置100への挿入方向から見て時計方向へ84°回動させると、各シャッタ16,34も開く方向へ50°回動して全開する。
【0146】
トナー補給容器1をトナー補給装置100から取り外す際は、ユーザーがハンドル15を上記と逆に反時計方向へ90°回動させると、各シャッタ16,34は閉じる方向へ50°回動して元の位置へ戻る。
【0147】
ここで、ハンドル15の回動角度と各シャッタ16,34の回動角度が開と閉で対応しないが、これはギヤのバックラッシュ、ハンドル15、シャッタ16,34、シャフト等の歪みや曲がり、トナー補給容器1がトナー補給装置100に対して回動すること等が原因であり、予め6°予回動として空転させておくことによって、これらを吸収して各シャッター16,34を元の位置まで戻すことができる。
【0148】
トナー補給容器1をトナー補給装置100から引き抜く際にも、ハンドル突起61と本体突起62との係合により、装着時と同様に開方向へ6°の予回動が行われ、そのトナー補給容器1を再度使用する場合に備えるようになっている。又、万一ハンドル15を反時計方向へ90°回動させないで(例えば84°だけ回動)トナー補給容器1を取り外そうとする場合には、容器シャッタ16と本体シャッタ34とは本来の位置まで戻り切れていない可能性がある。
【0149】
しかし、トナー補給容器1を引き出すことによって容器シャッタ16の面取り部16sとトナー補給装置100の凸部63とが係合して容器シャッタ16と本体シャッタ34を強制的に本来の位置へ戻すようになっているため、前記不都合は回避される。
【0150】
図45に容器シャッタ16を閉めた状態でのトナー排出開口11aの拡大断面を示すが、図示のように、トナー排出開口11aを囲むようにトナーコンテナ11の外側表面にパッキン部材35が貼付されている。
【0151】
尚、パッキン部材35としては、柔らかい弾性体が好ましく、材質として具体的にはシリコン、ウレタン、発泡ポリエチレン等のゴムやスポンジ、好ましくは硬度20°〜70°、圧縮永久歪み10%以下、セルサイズ60〜300μm、密度が0.15〜0.50g/cm3 である低発泡ポリウレタンを用いる。又、パッキン部材35の厚さとしては、シール性や容器シャッタ16の開封強度を考慮すると好ましくは1〜5mm、より好ましくは2〜4mmである。そして、パッキン部材35は、高いシール性を維持するために容器シャッタ16と該パッキン部材35間の距離を縮める等して、好ましくは5〜50%圧縮して用い、より好ましくは30〜40%圧縮して用いる。本実施の形態では、厚さ3mmの低発泡ポリウレタンを容器シャッタ16とパッキン部材35間の距離を2mmにすることで33%圧縮して用いた。
【0152】
パッキン部材35のトナー排出開口11aの長手方向の縁に沿う開口縁端35aは容器シャッタ16と接触しないように構成されている。開口縁端35aと容器シャッタ16間の隙間距離は、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.3〜1mmになるように設定し、本実施の形態では隙間間隔を0.5mmとした。又、本実施の形態では、パッキン部材35の貼付け面をトナー排出開口11a内へ向かって傾斜させることによって容器シャッタ16に開口縁端35aを接触させないようにしているが、その傾斜角度は好ましくは10〜15°、より好ましくは20〜40°とし、本実施の形態では傾斜角度30°とした。尚、最初から開口縁端35aを容器シャッタ16に接触しない形状に構成し、それを貼付しても良い。
【0153】
尚、パッキン部材35はトナー排出開口11aの周縁に接着等で固定するが、その際、図46に示すようにパッキン部材35の開口穴側からスリット状の切り込み35bを入れておくと、トナー排出開口11aの長手方向の縁の斜面部分に追随し易くなる。又、2色成形によりトナーコンテナ11とパッキン部材35とを一体成形できれば尚好ましい。
【0154】
以上のような構成を有するトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、ハンドル15の回動による容器シャッタ16の開閉操作を数回繰り返した結果、パッキン部材35及びシール部材41の捲れ及び破損は発生しなかった。
【0155】
比較例として、図47に開口縁端35aに容器シャッタ16及びシール部材41を接触させる例を示す。このような構成を有するトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、ハンドル15の回動による容器シャッタ16の開閉操作を数回繰り返した結果、パッキン部材35の開口縁端35a及びシール部材41の捲れ及び破損が発生した。
【0156】
<実施の形態2>
図48に容器シャッタ16を閉めた状態でのトナー排出開口11aの拡大断面を示す。トナー補給容器本体11上のパッキン部材35の貼付け面が円筒面で構成されている。それ以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0157】
以上のような構成を有するトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、ハンドル15の回動による容器シャッタ16の開閉操作を数回繰り返した結果、パッキン部材35及びシール部材41の捲れ及び破損は発生しなかった。
【0158】
パッキン部材35の貼付け面が円筒面で構成されている場合、該パッキン部材35の開口縁端35aは外円方向に向かって突出し易く、平面で構成されている場合と比較して開口縁端35aと容器シャッタ16及びシール部材41が接触し易い構成になっている。本実施の形態は図23に示すようにこのような懸念をも解消したものであり、本発明の効果を得るには最も好ましい実施の形態である。
【0159】
<実施の形態3>
図49に容器シャッタ16を閉めた状態でのトナー排出開口11aの拡大断面を示す。容器シャッタ16はトナー補給容器本体11内に設けられており、トナー補給容器本体11上のパッキン部材35の貼付け面が凹面で構成されている。それ以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0160】
以上のような構成を有するトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、ハンドル15の回動による容器シャッタ16の開閉操作を数回繰り返した結果、パッキン部材35及びシール部材41の捲れ及び破損は発生しなかった。
【0161】
<実施の形態4>
図50に容器シャッタ16を閉めた状態でのトナー排出開口11aの拡大断面を示す。パッキン部材35の長手方向の外縁端35cは容器シャッタ16と接触しないように構成されている。本実施の形態では、パッキン部材35の貼付け面を約30°傾斜させることによって容器シャッタ16に外縁端35cを接触させないようにしているが、最初から外縁端35cを容器シャッタ16に接触しない形状に構成し、それを貼付しても良い。それ以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0162】
以上のような構成を有するトナー補給容器1をトナー補給装置100に装着し、ハンドル15の回動による容器シャッタ16の開閉操作を数回繰り返した結果、パッキン部材35及びシール部材41の捲れ及び破損は発生しなかった。
【0163】
以上のような構成により、容器シャッタ16をトナー補給容器本体11に組み込む際や、容器シャッタ16の開封時に該容器シャッタ16及びシール部材41がパッキン部材35に接しない位置まで退避させるように構成されている場合においても、パッキン部材35及びシール部材41の捲れ及び破損を防止することができる。
【0164】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、電子写真画像形成装置本体にトナーを供給するためのトナー補給容器を、前記電子写真画像形成装置本体に供給するためのトナーを収納するトナー補給容器本体と、該トナー補給容器本体に収納されているトナーを排出するためのトナー補給容器本体に設けられたトナー排出開口と、該トナー排出開口を開封可能に封止するための容器シャッタと、前記トナー排出開口の周囲に固定されて前記トナー排出開口と前記容器シャッタ間で圧縮されることによってシール性を維持するパッキン部材とを有し、前記パッキン部材の前記容器シャッタの開閉方向と交差する開口部縁端が少なくとも前記容器シャッタに接触しないように構成したため、容器シャッタの開封時におけるパッキン部材の捲れと破損を防ぐことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー補給容器を装着方向手前側から見た斜視図である。
【図2】トナー補給容器を装着方向反対側から見た斜視図である。
【図3】トナー補給容器を裏返して見た斜視図である。
【図4】トナー補給容器の分解斜視図である。
【図5】トナー補給容器の縦断面図である。
【図6】容器シャッタの駆動系を示す側面展開図である。
【図7】ハンドルロックを示す側面図である(ロック状態)。
【図8】ハンドルロックを示す側面図である(解除状態)。
【図9】トナー補給容器の背面図である。
【図10】トナー補給容器の駆動力伝達部材を示す斜視図である。
【図11】トナー補給容器の正断面図である(シャッタ閉)。
【図12】トナー補給容器の正断面図である(シャッタ開)。
【図13】トナー補給容器の正断面図である(シャッタ開閉中)。
【図14】図11の一部拡大図である。
【図15】図12の一部拡大図である。
【図16】図13の一部拡大図である。
【図17】図16に対応する比較例を示すトナー補給容器の正断面図である。
【図18】図13に対応する比較例を示すトナー補給容器の正断面図である。
【図19】トナー補給容器が装着されていないトナー補給装置の正断面図である。
【図20】容器シャッタの正断面図である。
【図21】図20(a)の直角方向から見た断面図である。
【図22】容器シャッタの斜視図である(ミシン目)。
【図23】容器シャッタの斜視図である(屈曲)。
【図24】容器シャッタの斜視図である(突片)。
【図25】容器シャッタのシール部材の斜視図である(ミシン目)。
【図26】容器シャッタのシール部材の斜視図である(溝)。
【図27】トナー補給装置の本体シャッタ部を示す斜視図である。
【図28】電子写真画像形成装置の縦断面図である。
【図29】電子写真画像形成装置の斜視図である。
【図30】ハンドルロック部材の側面図である。
【図31】ハンドルロック部材の正面図である。
【図32】ハンドルロック部材の底面図である。
【図33】トナー補給装置へトナー補給容器を装着する作用を示す正面図である。
【図34】トナー補給装置へトナー補給容器を装着する作用を示す正面図である。
【図35】トナー補給装置へトナー補給容器を装着する作用を示す正面図である。
【図36】ハンドルを取り外したトナー補給容器をトナー補給装置へ装着した状態を示す正面図である。
【図37】ハンドルを取り外したトナー補給容器をトナー補給装置へ挿入した状態を示す正面図である。
【図38】ハンドルロック部材の位置のトナー補給容器の正断面図である。
【図39】トナー補給装置の水平断面図である。
【図40】トナー補給装置の水平断面図である。
【図41】定位置装着手段の作用を示す模式図である。
【図42】定位置装着手段の作用を示す模式図である。
【図43】定位置装着手段の作用を示す模式図である。
【図44】容器シャッタの平面図である。
【図45】トナー排出開口の拡大断面図である(シャッタ閉)。
【図46】シャッタを取り外したトナー排出開口の水平断面図である。
【図47】トナー排出開口の拡大断面図である(シャッタ閉)。
【図48】トナー排出開口の拡大断面図である(シャッタ閉)。
【図49】トナー排出開口の拡大断面図である(シャッタ閉)。
【図50】トナー排出開口の拡大断面図である(シャッタ閉)。
【符号の説明】
1 トナー補給容器
11 トナーコンテナ(トナー補給容器本体)
11a トナー排出開口
16 容器シャッタ
35 パッキン部材
35a 開口端縁
35b 切り込み
41 シール部材
42 可撓性フィルム(低摩擦抵抗材料)
124 電子写真画像形成装置本体
Claims (6)
- 電子写真画像形成装置本体が備えるトナー補給装置にトナーを供給するためのトナー補給容器において、
前記電子写真画像形成装置本体に供給するためのトナーを収納するトナー補給容器本体と、該トナー補給容器本体に収納されているトナーを排出するためトナー補給容器本体の円筒面に設けられたトナー排出開口と、前記トナー補給容器本体に沿って移動し前記トナー排出開口を開封可能に封止するための容器シャッタと、前記トナー排出開口の周囲の円筒面に固定されて該トナー排出開口の周囲と前記容器シャッタ間で圧縮されることによってシール性を維持するパッキン部材と、を有し、
前記容器シャッタは、前記トナー補給装置に設けられたトナー補給口を開閉する本体シャッタの凹部に係合し、前記本体シャッタと連動して開閉するように構成され、
前記容器シャッタにおける前記トナー補給容器本体側の面に設けられ、かつ前記容器シャッタにおけるシャッタ閉じ方向下流側の端部から前記シャッタ閉じ方向下流側に延出し、前記容器シャッタと前記本体シャッタとの間に形成される隙間を覆うためのシール部材、を有し、
前記容器シャッタ及び前記シール部材の前記シャッタ閉じ方向下流側の端部は、前記容器シャッタの開閉時において前記トナー排出口の前記容器シャッタの開閉方向と交差する縁端上を通過するように構成され、
前記パッキン部材の前記容器シャッタの開閉方向と交差する開口部縁端が少なくとも前記容器シャッタ及び前記シール部材に接触しないように、前記容器シャッタの開閉方向と交差する縁端近傍の前記パッキン部材の固定面がトナー排出開口内へ向かって下るように傾斜していることを特徴とするトナー補給容器。 - 前記容器シャッタの前記パッキン部材と向かい合う側の面に、表面に低摩擦抵抗材料を配置したシール部材を設けたことを特徴とする請求項1記載のトナー補給容器。
- 前記パッキン部材の材質は、シリコン、またはウレタン、または発泡ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載のトナー補給容器。
- 前記パッキン部材の材質は、硬度20°〜70°、圧縮永久歪み10%以下、セルサイズ60〜300μm、密度0.15〜0.50g/cm3である低発泡ポリウレタンであることを特徴とする請求項1記載のトナー補給容器。
- 前記パッキン部材には、前記パッキン部材の開口部縁端近傍が前記傾斜した固定面に追随し易くするために、開口部内側からシャッタ開閉方向に沿ってスリット状の切り込みが設けてあることを特徴とする請求項1記載のトナー補給容器。
- 前記パッキン部材の前記容器シャッタの開閉方向と交差する外縁端が少なくとも前記容器シャッタに接触しないように構成したことを特徴とする請求項1記載のトナー補給容器。
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