JP4884944B2 - トナーカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成用のトナーを現像装置に補給するべく画像形成装置に着脱自在に装着されるトナー充填用のカートリッジ容器を備えたトナーカートリッジおよびこのトナーカートリッジが着脱自在に装着される画像形成装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているようなトナーカートリッジ(特許文献1ではトナーコンテナ)が知られている。このトナーカートリッジは、画像形成装置に設けられた現像装置にトナーを補給するためのものであり、着脱自在に画像形成装置に装着され、充填されたトナーが消費されてしまうと新品と交換される。
かかるトナーカートリッジは、その底部にシャッタ筒体(特許文献1では相対回転ユニット)を有し、このシャッタ筒体を操作することによってトナーカートリッジ内のトナーのシャッタ筒体を介した排出を止めたり、シャッタ筒体を介してトナーを現像装置へ補給したりし得るようになされている。
かかるシャッタ筒体には、一側部に円弧状のトナー供給開口がそれぞれ設けられているとともに、当該トナー供給開口と径方向の反対側であって、長手方向にずらせた位置にトナー排出開口が設けられている。かかるシャッタ筒体内には、筒心方向に延びるスクリュー部材が設けられ、このスクリュー部材の軸心回りの駆動回転でトナー供給開口からシャッタ筒体内に導入されたトナーが排出開口へ向けて搬送される。
一方、トナーカートリッジの底部には、シャッタ筒体が僅かな隙間を介して嵌め込まれる断面視で円弧状を呈した円弧底板が設けられているとともに、この円弧底板におけるシャッタ筒体のトナー供給開口に対応した部分に補給開口が設けられている。
そして、円弧底板に嵌め込まれたシャッタ筒体を筒心回りに所定角度だけ正逆回動操作することにより、シャッタ筒体は、供給開口を下方に向けるとともに、円弧底板の補給開口をシャッタ筒体の円弧壁面で閉止した閉止位相と、供給開口を上方に向けるとともに、円弧底板の補給開口がシャッタ筒体の排出開口と対向した開通位相との間で位相変化することになる。
従って、シャッタ筒体が閉止位相に位相設定された状態(すなわち、供給開口が閉止された状態)の新品のトナーカートリッジを画像形成装置に装着した後、当該トナーカートリッジからトナーを現像装置へ補給するに際しては、シャッタ筒体が回動操作されて開通位相に位相変化させられる。こうすることによって、シャッタ筒体の排出開口がトナーカートリッジの円弧底板の補給開口に対向して当該補給開口が開放状態になる。
この状態でスクリュー部材を軸心回りに駆動回転させることにより、供給開口を介してシャッタ筒体内に供給されたトナーカートリッジ内のトナーは、スクリュー部材により排出開口へ向けて搬送され、補給開口を通って現像装置へ補給される。
トナーカートリッジ内のトナーが消費されて当該トナーカートリッジが空になったときは、シャッタ筒体が筒心回りに逆方向に回転操作され、これによって排出開口がシャッタ筒体の円弧壁面により閉止される。こうすることでトナーカートリッジの画像形成装置からの取り出し作業時に内部に残留したトナーの排出開口を介した漏洩が防止される。
ところで、特許文献1に記載されているようなトナーカートリッジにおいては、シャッタ筒体の外径寸法が、円弧底板の曲率径寸法より若干短めに設定され、これによってシャッタ筒体の外周面と円弧底板の内面との間に隙間が形成されている。かかる隙間の存在でシャッタ筒体の回動操作が容易になる。
しかしながら、シャッタ筒体の外周面と円弧底板の内面との間に隙間が形成されていると、トナーカートリッジ内のトナーがこの隙間を介して外部に漏洩することがある。かかる不都合を解消するべく、シャッタ筒体の外周面にシール部材を貼設することが考えられる。こうすることでシール材のシール効果により前記隙間からのトナーの漏洩が防止される。
因みに、特許文献2には、特許文献1のものと類似したシャッタ筒体が採用されたトナーカートリッジが記載されているが、特許文献2のトナーカートリッジにおいては、シャッタ筒体を受ける受け部材(特許文献2では切欠円筒部2b,3b)側にシール部材が貼着されている。
特開2003−280344号公報 特開平3−210584号公報
ところで、トナーの漏洩を確実に防止するには、シール部材の面圧を大きくする必要がある。このためにシール部材の厚みを前記隙間の寸法以上に厚くしたり、シール部材の固さを固く(すなわち、弾性力を大きく)したりして面圧を大きくすればよいが、こうすると、使用時にシャッタ筒体の操作性が悪化したり、シャッタ筒体の組み付け作業時の作業性が悪化したりするという新たな問題点が提起される。
さらに、シール部材を厚くすると、シャッタ筒体を筒心回りに正逆回転させることによる当該シャッタ筒体の開閉操作時に、当該シール部材が、摺接している相手側の縁部に引っ掛かり、これによってシール部材が削れてしまってシール機能が損なわれるという問題も生じる。
本発明は、従来のかかる状況に鑑みなされたものであって、シャッタ筒体の回動操作の容易性を確保した上で、トナーの補給時の漏洩を確実に防止することが可能であり、しかもシール部材が削れてしまうような不都合の発生を有効に防止することができるトナーカートリッジを提供することを目的としている。
本発明の一局面に係るトナーカートリッジは、画像形成用のトナーを現像装置に補給するべく所定の装置本体に着脱自在に装着される、トナー充填用のカートリッジ容器を備えたトナーカートリッジであって、前記カートリッジ容器は、曲率中心線に沿って延びる断面視で円弧状の円弧底板と、この円弧底板に装着される所定の操作手段の操作により開閉動作が可能なシャッタ機構とを有し、前記円弧底板には、前記カートリッジ容器内のトナーを払い出す払出口が開口され、前記シャッタ機構は、前記操作手段の操作で前記円弧底板に摺接状態で筒心回りに回動可能に装着されるシャッタ筒体と、このシャッタ筒体内に導入されたトナーを前記払出口へ向けて搬送する搬送手段とを有し、前記シャッタ筒体には、前記カートリッジ容器内のトナーを受け入れる受入口と、この受入口から離間した位置で、かつ、径方向の反対側に前記シャッタ筒体内のトナーを前記払出口へ向かわせる送出口とが開口され、前記シャッタ筒体は、前記送出口の周辺の周面を第1周面とし、前記第1周面以外の周面を第2周面とするとき、前記第1周面の筒心からの径寸法の方が前記第2周面のそれより短く設定された偏心部と、前記搬送手段によって前記送出口へ向かわされたトナーの内の送出口から排出されなかったトナーを前記カートリッジ容器内へ戻す戻し口とを有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、操作手段の操作によりシャッタ機構の構成要素であるシャッタ筒体を筒心回りに正逆回動操作させることにより、当該シャッタ筒体を、その受入口がカートリッジ容器内に向くともに、その送出口がカートリッジ容器の円弧底板に設けられた払出口に対向する開通位相と、シャッタ筒体の周面が送出口を閉止した閉止位相との間で位相変化させ得るようになる。
従って、トナーカートリッジが装置本体に装着されるまでは、シャッタ筒体が閉止位相に位相設定され、これによる送出口の閉止でカートリッジ容器内のトナーが送出口を介して外部に漏洩することが防止される。
一方、トナーカートリッジが装置本体に装着された状態で、操作手段の操作によりシャッタ筒体を開通位相に位相変更することにより、シャッタ筒体の送出口が払出口と対向するため、この状態で搬送手段を駆動させることによりカートリッジ容器内に充填され、かつ、受入口からシャッタ筒体内に入り込んだトナーは送出口へ向けて搬送され、送出口からカートリッジ容器の円弧底板に設けられた払出口を介して現像装置へ補給される。
そして、シャッタ筒体は、送出口の周辺の第1周面の筒心からの径寸法の方が第1周面以外の周面である第2周面のそれより短く設定された偏心部を有しているため、シャッタ筒体は、開通位相と閉止位相との間で位相変化するべく筒心回りに回動操作されるに際し、偏心部の存在で周面が全体的に円弧底板の内面と摺接することはなく、従って、操作手段によるシャッタ筒体の回動操作が容易になり、シャッタ筒体の開閉操作の操作性が向上する。
更に、かかる構成によれば、搬送手段の駆動によって受入口からシャッタ筒体内に導入されたトナーは、搬送手段の駆動で送出口へ向けて搬送され、当該送出口および払出口を介して現像装置に補給されるとともに、送出口から導出されなかったトナーは、戻し口を介してカートリッジ容器内に戻される。
このように、シャッタ筒体に一旦導入されたトナーを戻す戻し口を設けることにより、一旦シャッタ筒体内に導入されて搬送手段により送出口へ向けて搬送されたトナーの内の送出口から導出されなかったものがシャッタ筒体の端部に押し込められて堆積し、この堆積の成長で送出口が詰まってしまうような不都合の発生が有効に防止される。
上記の構成において、前記偏心部は、前記径寸法が前記送出口からその周方向の周辺に向けて漸増していることが好ましい。
かかる構成によれば、シャッタ筒体における偏心部と他の部分との間に段差が存在する場合に比べて、段差が円弧底板の払出口の縁部に引っ掛かるようなことが起こらないため、円弧底板の内面に摺接しながらのシャッタ筒体の筒心回りの回転がスムーズになる。
上記の構成において、前記シャッタ筒体の偏心部周りには、前記送出口に対応したトナーを通過させる通過孔の穿設されたシール部材が、前記通過孔を前記送出口に対向させた状態で積層されていることが好ましい。
かかる構成によれば、シャッタ筒体の偏心部には、送出口に対応したトナー通過用の通過孔の穿設されたシール部材が積層されているため、トナーカートリッジから現像装置にトナーを補給するに際し、このシール部材のシール効果によってトナーの漏洩がより有効に防止される。
このように、シャッタ筒体に一旦導入されたトナーを戻す戻し口を設けることにより、一旦シャッタ筒体内に導入されて搬送手段により送出口へ向けて搬送されたトナーの内の送出口から導出されなかったものがシャッタ筒体の端部に押し込められて堆積し、この堆積の成長で送出口が詰まってしまうような不都合の発生が有効に防止される。
また、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記現像装置から供給されたトナーにより周面に所定の画像情報に基づくトナー像が形成される像担持体を備えた画像形成装置であって、上記のいずれかに記載のトナーカートリッジを備えることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、画像形成装置は、上記に記載のトナーカートリッジの作用効果を享受し得るものになる。
本発明(トナーカートリッジ)によれば、シャッタ筒体にはその送出口の周りの周面の筒心からの距離が送出口以外の周面の径寸法より短く設定されることにより形成された偏心部が設けられているため、シャッタ筒体は、開通位相と閉止位相との間で位相変化するべく筒心回りに回動操作されるに際し、偏心部の存在で周面が全体的に円弧底板の内面と摺接することはなく、従って、操作手段によるシャッタ筒体の回動操作が容易になり、シャッタ筒体の開閉操作の操作性を向上させることができる。
また、シャッタ筒体の偏心部には、送出口に対応したトナー通過用の通過孔の穿設されたシール部材が積層されているため、トナーカートリッジから現像装置にトナーを補給するに際し、このシール部材のシール効果によってトナーの漏洩をより有効に防止することができる。
また、シャッタ筒体には、一旦導入されたトナーを戻す戻し口が設けられているため、シャッタ筒体内に導入されて搬送手段により送出口へ向けて搬送されたトナーの内の送出口から導出されなかったものがシャッタ筒体の端部に押し込められて堆積し、この堆積の成長で送出口が詰まってしまうような不都合の発生を有効に防止することができる。
また、本発明(画像形成装置)によれば、画像形成装置上記のいずれかに記載のトナーカートリッジの作用効果を享受することができる。
図1は、本発明に係るトナーカートリッジが適用されたプリンタの一実施形態を示す外観視の斜視図であり、図1(A)は、メンテナンスリッドが閉止された状態、図1(B)は、メンテナンスリッドが開放された状態、図1(C)は、メンテナンスリッドが開放されてトナーカートリッジが取り外された状態をそれぞれ示している。なお、図1において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
図1に示すように、プリンタ(画像形成装置)10は、カラー印刷が可能に構成されたものであり、外観視で略立方体状を呈した筐体としてのプリンタ本体11内に後述する各種の機器が装着されることによって構成されている。前記プリンタ本体11は、全体的に丸みを帯びた形状とされ、ユーザーに対して視覚的に優しく、かつ、コンパクトな印象を与え得るようにデザインされている。
かかるプリンタ本体11は、上面に排紙トレイ161が設けられ、ユーザーが対面する前面上部にメンテナンスリッド112が設けられ、このメンテナンスリッド112の下部に挿脱自在の用紙カセット121が配設され、これらによってユーザビリティを考慮した極めて使用し易いものになっている。
前記排紙トレイ161は、印刷処理が施された用紙Pを受けるものであり、プリンタ本体11の上面後方で前方を向いて形成された排紙口162から排出される用紙Pを受け得るように前方に向かって円弧状で先上がりに傾斜した傾斜面によって形成されている。
前記メンテナンスリッド112は、普段は図1(A)に示すように閉止され、後に詳述するトナーカートリッジ30の新旧交換時に、図1(B)および図1(C)示すように、開放される。かかるメンテナンスリッド112は、プリンタ本体11の一対の側板111の前方位置間で用紙カセット121より若干上方位置に架設された支持軸122a回りに回動自在に軸支され、当該支持軸122a回りに正逆回動することでプリンタ本体11の前面開口110を閉止した閉止姿勢S1(図1(A))と、プリンタ本体11の前面開口110を開放した開放姿勢S2(図1(B)および図1(C))との間で姿勢変更可能になっている。
このようなメンテナンスリッド112には、前記支持軸122a回りに回動自在に軸支された手差しトレイ122が設けられている。この手差しトレイ122は、印刷用の用紙Pを手差しでプリンタ10へ供給するときに使用されるものであり、メンテナンスリッド112が閉止姿勢S1(図1(A)に実線で表示)に姿勢設定された状態で支持軸122a回りに時計方向に回動されることにより、図1(A)に二点鎖線で示すように、当該メンテナンスリッド112から引き出される。
前記トナーカートリッジ30は、ブラックトナーが充填されたブラック用カートリッジ30K、シアントナーが充填されたシアン用カートリッジ30C、マゼンタトナーが充填されたマゼンタ用カートリッジ30Mおよびイエロートナーが充填されたイエロー用カートリッジ30Yの4種類が採用されている。かかるブラック〜イエロー用カートリッジ30K,30C,30M,30Yは、プリンタ本体11内で前面開口110に臨んで左から右へ向かってブラック用カートリッジ30K、シアン用カートリッジ30C、マゼンタ用カートリッジ30Mおよびイエロー用カートリッジ30Yの順に並設されている。
従って、ユーザーは、メンテナンスリッド112を開放することにより、図1(B)に示すように、ブラック〜イエロー用カートリッジ30K,30C,30M,30Yと対面することになる。この状態で新旧交換のためにブラック〜イエロー用カートリッジ30K,30C,30M,30Yをプリンタ本体11内から取り除くと、図1(C)に示す状態になる。
前記用紙カセット121は、印刷用の用紙Pを貯留するためのものであり、プリンタ本体11に対して挿脱可能に装着されている。図1に示す例では、用紙カセット121は2段で設けられているが、2段であることに限定されるものではなく、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。
図2は、プリンタ10の内部構造の一実施形態を示す側面断面視の説明図である。なお、図2におけるYによる方向表示は、図1の場合と同様(−Y:前方、+Y:後方)である。図2に示すように、プリンタ10は、用紙Pを後述する画像形成部13へ送り込む給紙部12と、この給紙部12から送り込まれた用紙Pを搬送しながら当該用紙Pにトナー像を転写する画像形成部13と、この画像形成部13で用紙Pに転写されたトナー像に対し定着処理を施す定着部14と、定着部14で定着処理の施された用紙Pの排出先を切り換える排出先切換え部15と、印刷処理が完了した用紙Pを排出する排紙部16とがプリンタ本体11に装着されることによって構成されている。
前記給紙部12は、プリンタ本体11内の下部に挿脱自在に装着された複数枚の用紙Pが貯留可能な前記用紙カセット121と、用紙Pを手差しで給紙するときに用いられる前記手差しトレイ122とを備えて構成されている。
前記各用紙カセット121の前側上方位置にはピックアップローラ123がそれぞれ設けられ、このピックアップローラ123の駆動によって用紙カセット121に貯留されている用紙Pが1枚ずつピックアップされて画像形成部13に向けて送り出される。
前記画像形成部13は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ってトナー像が形成される左右方向(図2の紙面に直行する方向)に延びた軸心回りに回転可能な感光体ドラム(像担持体)131と、この感光体ドラム131の周面に帯電処理を施すことにより同周面に一様な電荷を形成させる帯電ローラ132と、この帯電ローラ132により一様な電荷の付与された感光体ドラム131の周面に画像情報に基づくレーザー光を照射することにより同周面に静電潜像を形成させる露光装置133と、静電潜像の形成された感光体ドラム131の周面にトナーを供給することにより同周面にトナー像を形成させる回転式現像装置20と、この回転式現像装置20にトナーを供給するトナーカートリッジ30と、前記感光体ドラム131の周面に形成されたトナー像が転写される転写ベルト134と、感光体ドラム131上のトナー像を静電的に引き剥がして転写ベルト134の表面に転写させる一次転写ローラ135と、転写ベルト134上のトナー像を静電的に引き剥がして給紙部12から送り込まれた用紙Pに転写させる二次転写ローラ136と、転写ベルト134へ転写後の感光体ドラム131の周面を清浄化処理するドラムクリーニング装置137と、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面に清浄化処理を施すベルトクリーニング装置138とを備えている。
前記帯電ローラ132は、図略の電源から印加された高圧電圧によって周面に所定の極性の電荷が形成される。かかる帯電ローラ132の周面が感光体ドラム131の周面に当接されていることにより、当該感光体ドラム131の周面に一様な電荷が形成される。
前記露光装置133は、前記帯電ローラ132によって一様に帯電された感光体ドラム131の周面に、図略のコンピュータ等から入力された画像データに基づくレーザー光を照射するものであり、このレーザー光の照射によって感光体ドラム131の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に回転式現像装置20からのトナーが供給されることにより、感光体ドラム131の周面にトナー像が形成され、このトナー像が周回している転写ベルト134に転写される。
前記回転式現像装置20は、側面視(図2の紙面に直行する方向からみた状態)で円形に形成された回転枠体21と、この回転枠体21に周方向で等ピッチに装着された4つの現像器22とを備えている。前記回転枠体21は、感光体ドラム131の後方位置で当該感光体ドラム131の軸心と平行に、かつ、略同一高さレベルで配設された枠体軸211回りに回転可能に軸支されている。かかる回転枠体21は、枠体軸211から径方向に向けて突設された4枚の仕切板212によって周方向に均等に4区画に区分され、各区画に現像器22が装着されている。
前記現像器22は、ブラックトナーが充填されるブラック用現像器22Kと、シアントナーが充填されるシアン用現像器22Cと、マゼンタトナーが充填されるマゼンタ用現像器22Mと、イエロートナーが充填されるイエロー用現像器22Yとの4種類が存在する。そして、感光体ドラム131の周面にイエロートナーでトナー像を形成させるときは、回転枠体21の枠体軸211回りの回転によってイエロー用現像器22Yが感光体ドラム131と対向する位置に設定され、この状態で感光体ドラム131が回転することによりその周面にイエローのトナー像が形成される。このイエローのトナー像は、周回している転写ベルト134に直ちに転写される。
感光体ドラム131の周面にマゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像を形成されるときもイエローのときと同様であり、対象の色のトナーの充填された現像器22が感光体ドラム131の周面と対向され、これによって転写ベルト134への転写処理によりトナー像が消滅した感光体ドラム131の周面には次の色のトナー像が順次転写されていく。
そして、転写ベルト134の周回と感光体ドラム131のトナー像形成動作とを適正に同期させることにより、転写ベルト134の表面には、カラー画像が形成される。このカラー画像が給紙部12から給紙された用紙Pに二次転写ローラ136の作用で転写されることにより用紙Pに対しカラー印刷が行われることになる。
なお、二次転写ローラ136の直上流側の位置にはレジストローラ対124が設けられ、給紙部12から画像形成部13へ送り込まれた用紙Pは、このレジストローラ対124によって搬送タイミングが調整される。かかるレジストローラ対124による搬送タイミングのタイミング調整によって転写ベルト134上のカラー画像が用紙P上の適正な位置に転写される。
前記トナーカートリッジ30と各現像器22との間には可撓性材料からなるトナー移送パイプ27と、このトナー移送パイプ27の先端に付設されたトナー装填筒28とが配設されている。各トナーカートリッジ30内のトナーは、対応した現像器22に対しトナー移送パイプ27およびトナー装填筒28を介して補給される。
前記トナー装填筒28は、図略の昇降手段の駆動で昇降可能とされている。そして、現像器22にトナーを補給するに際しては、対象となる現像器22が図2における右上に位置した状態で、トナー装填筒28が昇降手段の駆動により図2に二点鎖線で示すように下降される。
そして、トナー装填筒28の先端が所定の開口を覆ったフィルム製の蓋の切り込みを押し広げて現像器22内に挿入される。この状態でトナー装填筒28の先端の補給口が開口される。従って、トナー移送パイプ27内を搬送されたトナーは、この補給口を介して現像器22内に補給される。そして、一の現像器22へのトナーの補給が完了すると、回転式現像装置20が90°回転されて次の現像器22に対し同様の操作でトナーの補給が行われる。
前記転写ベルト134は、前記一次転写ローラ135と、この一次転写ローラ135の若干後方位置に設けられたアイドルローラ134cと、感光体ドラム131の下方の若干後方側に設けられた図略の駆動モータの駆動で駆動回転する駆動ローラ134aと、感光体ドラム131の下方の前方位置で駆動ローラ134aと対向配置された従動ローラ134bとに掛け回されている。前記従動ローラ134bは、コイルスプリング等の付勢部材134dの付勢力によって駆動ローラ134aから離間する方向に向けて付勢され、これによって転写ベルト134の緊張状態が維持される。そして、前記二次転写ローラ136は、駆動ローラ134aの直下位置で転写ベルト134を介して当該駆動ローラ134aと対向配置されている。
前記二次転写ローラ136には、転写ベルト134上のトナー画像を電気的に転移させるバイアス電圧が図略の電源から印加されている。従って、転写ベルト134と二次転写ローラ136との間を通過する用紙Pには、転写ベルト134上のトナー画像が転写されることになる。
そして、駆動ローラ134aとアイドルローラ134cとの間には、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面を清浄化処理するベルトクリーニング装置138が設けられている。このベルトクリーニング装置138によって清浄化処理が施された転写ベルト134は、次の転写処理を受けるために感光体ドラム131へ向かうことになる。
前記定着部14は、画像形成部13で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、ハロゲンランプ等の通電発熱体により加熱される定着ローラ141と、下部でこの定着ローラ141に対向配置され、周面が定着ローラ141の周面に押圧当接される加圧ローラ142とを備えている。
そして、前記画像形成部13で転写ベルト134により転写処理の施された用紙Pは、転写ベルト134と二次転写ローラ136とに挟持された状態で転写ベルト134の周回に誘導されて定着部14に導入され、定着ローラ141と加圧ローラ142との間を通過するときの加熱によりトナー像が当該用紙Pに定着処理される。
定着処理後の用紙Pは、第1排出ローラ対143の駆動により排紙搬送路101へ導出され、第2排出ローラ対102の順駆動で排紙搬送路101を上昇させられ、排紙口162を通ってプリンタ本体11の頂部に設けられた排紙トレイ161へ排出される。
前記排出先切換え部15は、用紙Pに対して両面印刷処理を施す場合に利用されるものであり、片面の定着処理が完了して定着部14から一旦排紙搬送路101へ送り出された用紙Pを表裏逆転させた状態で再度画像形成部13へ返送する。
かかる排出先切換え部15は、排紙搬送路101の下端部に第1排出ローラ対143の下方のものと周面同士が互いに当接するように対向配置された返送ローラ151と、この返送ローラ151の下部から定着部14の下を通ってレジストローラ対124の前方側へ延びた返送搬送路152とを備えている。
そして、用紙Pに両面印刷を施すに際しては、片面印刷が完了した定着処理後の用紙Pを、その後端が第1排出ローラ対143を通過するまで排紙搬送路101へ導出し、引き続き第2排出ローラ対102が逆駆動される。こうすることで片面印刷の完了した用紙Pは、返送ローラ151の駆動に誘導されて返送搬送路152へ逆送され、この返送搬送路152を通って表裏が逆転した状態でレジストローラ対124へ向かわせられるため、以後、画像形成部13において当該用紙Pの裏面側に印刷処理が施される。
前記トナーカートリッジ30は、回転式現像装置20のブラック用現像器22K、シアン用現像器22C、マゼンタ用現像器22Mおよびイエロー用現像器22Y(図1(B))に対してそれぞれ各カラーのトナーを補給するべく当該各カラーのトナーを貯留するものである。かかるトナーカートリッジ30は、ブラック〜イエロー用現像器22K,22C,22M,22Yに対応して4台が採用されている。これら4台のトナーカートリッジ30は、図1(B)および図1(C)に示すように、プリンタ本体11内の前方の略中段位置に左右方向に延びるように設けられた台座17の上に着脱可能に装着されている。
以下、トナーカートリッジ30について詳細に説明する。図3は、トナーカートリッジ30の一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図であり、図4は、その組み立て斜視図である。因みに図3および図4においては、4つのトナーカートリッジ30の内のシアン〜イエロー用カートリッジ30C,30M,30Yのいずれかを例に挙げて示している。ブラック用カートリッジ30Kについては、その容量が他のものより大きめに設定されているが、基本的な構造はシアン〜イエロー用カートリッジ30C,30M,30Yと同様である。また、図3および図4において、XおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず図3に示すように、トナーカートリッジ30は、トナーが充填される略直方体状を呈したカートリッジ容器31と、このカートリッジ容器31に内装されて内部のトナーを攪拌する攪拌部材32と、カートリッジ容器31に内装されて開閉動作を行うとともに内部のトナーを前記トナー移送パイプ27(図2)へ向けて送り出すシャッタ機構40と、前記攪拌部材32およびシャッタ機構40にトナーの攪拌動作およびトナーの送り出し動作を行わせるとともに、シャッタ機構40に対して開閉動作を行わせるべく構成されたギヤ機構34と、トナーカートリッジ30のプリンタ本体11に対する装着状態をロックするロックプレート35とを備えている。
前記カートリッジ容器31は、底板311と、この底板311の左縁部から立設された左側板312と、底板311の右縁部から立設された右側板313と、底板311の前縁部から立設された前方板314と、底板311の後縁部から立設された後方板315とを備えている。これら底板311、左側板312、右側板313、前方板314および後方板315によって囲繞された空間にトナーを貯留するトナー充填空間Vが形成されている。
前記底板311は、左方位置に形成された正面視で上に向かって凹の円弧状を呈する小円弧底板(円弧底板)311aと、右方位置に形成された正面視で小円弧底板311aより大きい上に向かって凹の円弧状を呈する大円弧底板311bとからなっている。小円弧底板311aの最下位レベルは、大円弧底板311bの最下位レベルより若干上方に位置するようにレベル設定されている。かかる小円弧底板311aの最下位置おける前後方向の略中央部には、前後方向に長尺の払出開口(払出口)311cが設けられている。
前記後方板315における前記小円弧底板311aに対応した部分の壁面は、下端部から上方に向けて所定距離分だけが前方に向かって膨出した膨出板315aとされ、これによって小円弧底板311aに対応した前方板314と膨出板315aとの間の内寸法は、大円弧底板311bに対応した前方板314と後方板315との間の内寸法より短めになっている。
そして、前方板314における小円弧底板311aの曲率中心に対応した位置には、前記シャッタ機構40の構成要素である後述のシャッタ筒体41の前端を装着するためのシャッタ筒体装着孔316aが穿設されているとともに、膨出板315aには、シャッタ筒体41の後端を装着するために凹設された前記シャッタ筒体装着孔316aと同心のシャッタ筒体装着凹部316bが設けられている。
また、前方板314および後方板315における大円弧底板311bの曲率中心に対応した位置には、前記攪拌部材32を装着するための攪拌部材装着孔317がそれぞれ穿設されている。そして、前記ギヤ機構34は、前方板314の外面側に装着され、シャッタ筒体装着孔316aおよび攪拌部材装着孔317を介してシャッタ筒体41および攪拌部材32と連係するようになっている。
かかるカートリッジ容器31の上面開口は、上部蓋体318によって一体的に閉止されるとともに、ギヤ機構34は、カートリッジ容器31の前方板314側に装着される正面蓋体36により覆われて保護される。
前記攪拌部材32は、カートリッジ容器31の前記一対の攪拌部材装着孔317に軸心回りに回転自在に嵌挿される攪拌軸321と、トナー充填空間V内においてこの攪拌軸321の両側部から径方向に向けて突設された前後方向一対の攪拌アーム322と、これら一対の攪拌アーム322の先端部間に架設された攪拌シート323とを備えている。前記攪拌軸321の前方板314から外部に突出した部分の先端側には、周面の一部が扁平に切削されることにより形成したDカット面321aが形成されている。
前記攪拌アーム322は、攪拌軸321の軸心から先端までの長さ寸法が大円弧底板311bの曲率半径の内寸法より若干短めに設定され、これによってトナー充填空間V内で攪拌軸321回りに一体回転することができる。また、前記攪拌シート323は、可撓性を有する材料によって形成され、攪拌アーム322と直交する方向(図3に示す例では正面視で反時計方向)に向けて延びるように設けられている。
従って、攪拌軸321が軸心回りに時計方向に向けて回転されることにより、攪拌シート323は、先端縁部が右側板313および大円弧底板311bに摺接しながら攪拌軸321回りに回転し、これによってカートリッジ容器31のトナー充填空間V内に充填されているトナーが攪拌されることになる。
前記ギヤ機構34は、プリンタ本体11内の所定の駆動モータからの駆動力が伝達される駆動ギヤ341と、この駆動ギヤ341に噛合する第1従動ギヤ342と、この第1従動ギヤ342の後面側に同心で一体回転可能に固定された第2従動ギヤ343と、この第2従動ギヤ343に噛合する第3従動ギヤ344と、この第3従動ギヤ344と同心で相対回転する第1セクトギヤ345と、この第1セクトギヤ345に噛合した状態で前記第2従動ギヤ343と同心で相対回転する第2セクトギヤ346と、この第2セクトギヤ346と同心で、かつ、前記第2従動ギヤ343と噛合する第4従動ギヤ347とを備えている。
前記駆動ギヤ341は、正面蓋体36の内面側におけるカートリッジ容器31の前方板314から左方下部に外れた位置から前方に向けて突設された突設軸341a回りに回転自在に軸支されている。かかる駆動ギヤ341の後面側には継手突起341bが突設され、プリンタ本体11内の図略の駆動手段からの駆動力がこの継手突起341bを介して駆動ギヤ341へ伝達される。
前記第1従動ギヤ342および第2従動ギヤ343の中心位置には、これら第1および第2従動ギヤ342,343を正面蓋体36の第2突設軸342bに外嵌連結するための連結孔342aが穿設されている。第2従動ギヤ343は、第2突設軸342bに外嵌された状態で第3従動ギヤ344および第4従動ギヤ347の双方に対して噛合し、第2従動ギヤ343が第2突設軸342b回りに回転することによって第3従動ギヤ344および第4従動ギヤ347を同時に同一方向に向けて回転させる。
前記第3従動ギヤ344は、その中心位置から後方に向かって同心で突設された軸筒344aを有している。この軸筒344aは、内径寸法が前記攪拌軸321の径寸法より僅かに大きく径設定されているとともに、軸孔が前記攪拌軸321のDカット面321aと対応するように正面視でD字状に形成されている。従って、軸筒344aを攪拌軸321に外嵌することにより、攪拌軸321は第3従動ギヤ344と一体回転することになる。
前記第1セクトギヤ345は、第2セクトギヤ346を介して前記シャッタ機構40に開閉動作を行わせるものである。かかる第1セクトギヤ345は、第2セクトギヤ346と対向した縁面に所定の角度範囲でギヤ歯が形成されているとともに、ギヤ歯の形成されていない周面から略上方に向かって突設された操作ノブ(操作手段)37を有している。この操作ノブ37は、第1セクトギヤ345の前面よりさらに前方に向かって突出して設けられ、これによって正面蓋体36を貫通してその前面側に位置することができる(図4参照)。
かかる第1セクトギヤ345の中心位置には、前記第3従動ギヤ344の軸筒344aに摺接状態で外嵌される外嵌孔345aが穿設され、これによって第1セクトギヤ345は、操作ノブ37の操作で軸筒344a回りに正逆回動する。
また、第1セクトギヤ345の裏面側(後面側)には、前記外嵌孔345aと同心で同一径寸法の孔を備えた偏心状態の円形カム345bが設けられている。この円形カム345bは、前記ロックプレート35を操作するためのものであり、操作ノブ37が最右方に操作された状態で下方に向かう偏心量が最大になるように設置位相が設定されている。
前記第2セクトギヤ346は、その周縁面に第1セクトギヤ345のギヤ歯と対応したギヤ歯を有し、操作ノブ37の操作による第1セクトギヤ345の正逆回転に応じて逆方向に回転するようになっている。かかる第2セクトギヤ346の中心位置には、前記第4従動ギヤ347の後述する嵌入軸347aに外嵌される外嵌孔346aが穿設されている。また第2セクトギヤ346の後面側には、前記外嵌孔346aと同心で内径寸法が同一の装着筒346bが突設されている。この装着筒346bは、前記シャッタ筒体41の前端を支持した状態でカートリッジ容器31の前方板314のシャッタ筒体装着孔316aに嵌入するためのものである。
前記第4従動ギヤ347には、中心位置から同心で後方に向かって突設された嵌入軸347aと、同後方に向かって突設された支持軸347bとが設けられている。前記嵌入軸347aは、前記第2セクトギヤ346の外嵌孔346aに相対回転可能に嵌入されるものであり、前記支持軸347bは、前記正面蓋体36の支持孔347gに嵌入されるものである。
前記嵌入軸347aは、その端面から後方へ向かって同心で突設された当該嵌入軸347aより若干小径の小径軸347cと、この小径軸347cの後面から後方に向かって同心で突設された十字軸347dとを備えている。十字軸347dには、その先端から同心で後方に向かって突設された扁平な角軸347eが設けられている。この角軸347eの後端には径方向で互いに反対方向(上下方向)に向けて突設された一対の係止爪347fが設けられている。
かかる嵌入軸347a、小径軸347c、十字軸347d、角軸347eおよび係止爪347fの機能については、シャッタ機構40との関連で後に詳述する。
前記ロックプレート35は、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11に装着され、かつ、操作ノブ37の操作によりシャッタ機構40が開放された状態で当該トナーカートリッジ30をプリンタ本体11に対し抜け止めするためのものであり、第1セクトギヤ345とカートリッジ容器31の前方板314との間に挟持されている。
かかるロックプレート35は、矩形状を呈する平板によって形成され、中央部分に前記第1セクトギヤ345の円形カム345bに外嵌される被案内孔351が穿設されているとともに、下縁部の中央位置には、下方に向けて突設された係止突起352が設けられている。
そして、ロックプレート35は、操作ノブ37が開放位置(図8(A)参照)に位置設定されることにより円形カム345bによって下方へ向けて押圧される。この押圧によって係止突起352が台座17に穿孔された図略のロック孔に嵌り込み、これによってトナーカートリッジ30が台座17から抜け止めされる。
一方、操作ノブ37を左方へ倒すことにより(図8(C)および図8(D)参照)、円形カム345bが攪拌軸321回りに偏心回動し、これによってロックプレート35が上昇して係止突起352がロック孔から外れるため、トナーカートリッジ30の台座17に対するロック状態が解除される。
前記正面蓋体36は、ギヤ機構34を覆って外観視を美麗にするとともに、ギヤ機構34の一部を支持するものである。かかる正面蓋体36は、正面視の形状がカートリッジ容器31の前方板314の形状と対応し、かつ、若干大きめに形状設定されている。
このような正面蓋体36は、前面側に前記第2従動ギヤ343および第3従動ギヤ344に対応した正面視で二瘤状の膨出部361が形成されている。この膨出部361の右側上部には、前記操作ノブ37が貫通されて正面蓋体36の前面側に引き出されるノブ引出開口362が設けられている。このノブ引出開口362の下端部からは、反時計方向に向けて第1セクトギヤ345の中心(すなわち軸筒344aの軸心)を曲率中心とした円弧状の円弧開口363が設けられ、この円弧開口363によって正面蓋体36の前面側に突出した操作ノブ37をノブ引出開口362の位置から反時計方向に向けて回動させることができる。
また、正面蓋体36の上部の左右の縁部には、角が切り欠かれた状態で凹没した摘み凹部365がそれぞれ設けられている。これら一対の摘み凹部365は、いずれも指先を差し入れ得るように寸法設定されている。従って、図4に示すように、一方の摘み凹部365に親指を入れるとともに、他方の摘み凹部365に人差し指を入れて正面蓋体36を摘むことにより、台座17に装着されたトナーカートリッジ30を台座17から容易に取り外すことができる。
そして、本実施形態においては、一対の摘み凹部365における前方縁部には、互いに反対方向に向けて突設された突出摘み片366がそれぞれ設けられている。従って、一方の摘み凹部365に親指を差し入れるとともに、他方の摘み凹部365に人差し指を差し入れて正面蓋体36を摘持すると、各指は突出摘み片366に引っ掛かるため、トナーカートリッジ30の引き出し操作が容易になる。
また、本実施形態においては、正面蓋体36の左右の摘み凹部365に対応した位置から後方に向かって突設された環状係止片367がそれぞれ設けられている。一方、カートリッジ容器31の前方板314には、左右の縁部に前記各環状係止片367に対応して当該環状係止片367に嵌り込む係止突起314aがそれぞれ互いに反対方向に向かって突設されている。従って、正面蓋体36をカートリッジ容器31の前面側に装着することにより、図4に示すように、係止突起314aが環状係止片367に嵌り込み、正面蓋体36は、これによる係止でカートリッジ容器31に対して外れ止めされ、正面蓋体36のカートリッジ容器31に対する装着状態が安定する。
以下、図5を基に、必要に応じて図3および図4を参照しながらシャッタ機構40について説明する。図5は、シャッタ機構40の一実施形態を示す斜視図であり、図5(A)は、分解斜視図、図5(B)は、組み立て斜視図である。なお、図5におけるXおよびYによる方向表示は図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図5に示すように、シャッタ機構40は、前記小円弧底板311aに摺接状態で嵌め込まれる円筒状のシャッタ筒体41と、このシャッタ筒体41に内装されるスパイラルフィーダ(搬送手段)42と、前記シャッタ筒体41の各所に付設されるシール用部材43とを備えている。
前記シャッタ筒体41は、外径寸法が前記カートリッジ容器31の小円弧底板311aの曲率径寸法より若干短めに設定されているとともに、長さ寸法がカートリッジ容器31の前方板314と膨出板315aとの間の内寸法より若干短めに設定されている。これによってシャッタ筒体41が小円弧底板311aに装着された状態でその周面と小円弧底板311aの内面との間並びに前方板314および後方板315との間に僅かな隙間が形成されている。
かかるシャッタ筒体41には、長手方向周面の略後半位置にトナー充填空間V内のトナーをシャッタ筒体41内へ受け入れる受入口411が開口されているとともに、前方位置にシャッタ筒体41内のトナーをトナー充填空間Vへ戻す戻し口412が開口され、これら受入口411および戻し口412間に筒状のシャッタ部413が形成されている。このシャッタ部413には、トナーを現像器22へ向けて払い出す送出口414が開口されている。
前記受入口411および戻し口412は、シャッタ筒体41の周面が断面視で半円状に切り欠かれることによって形成され、いずれも同一径方向に向かって開口されている。これに対し、前記送出口414は、受入口411および戻し口412に対しシャッタ筒体41の径方向の反対側に設けられている。図5(A)に示した状態では、受入口411および戻し口412は、シャッタ筒体41の上面側に設けられているのに対し、送出口414は、シャッタ筒体41の下面側に設けられている。また、送出口414は、シャッタ部413に形成されている結果、受入口411から長手方向に離間した位置に設けられている。
かかるシャッタ筒体41の前端面には、前方に向かって同心で僅かに突設された突設筒片415(図5(A))が設けられている。この突設筒片415には、前端から後方に向かって切り欠かれることによって形成した複数の切欠き溝415aが設けられている。一方、前記第2セクトギヤ346の装着筒346bには、周面から前記切欠き溝415aに対応した複数の突片346cが径方向の外方に向けて突設されている。そして、これらの各突片346cを対応した各切欠き溝415aに嵌め込むことによって第2セクトギヤ346が同心で軸心回りに一体回転可能にシャッタ筒体41に装着される。
前記スパイラルフィーダ42は、前後長が前記シャッタ筒体41の前後長より若干短めに設定され、これによってシャッタ筒体41内に装着された状態でシャッタ筒体41から前後にはみ出さないようになされている。かかるスパイラルフィーダ42は、前後方向に長尺のフィーダ軸421と、このフィーダ軸421に同心で螺旋条に付設されたスパイラルフィン422と、フィーダ軸421の前端に同心で固定された先端筒体423と、フィーダ軸421の後端に同心で固定された円板424とを備えている。
前記先端筒体423には、前端開口を閉止する円形壁が設けられている。この円形壁には、前記第4従動ギヤ347の十字軸347dに対応する4つの切込み溝423aが設けられている。また、先端筒体423には、前記第4従動ギヤ347の第2従動ギヤ343委の先端の係止爪347fに対応した係止孔423bが設けられている。
さらに先端筒体423には、係止孔423bより前方位置にフランジ423cが設けられている。このフランジ423cは、外径寸法が前記突設筒片415の内径寸法より若干大きめに設定され、これによって後端開口からシャッタ筒体41内に挿入されたスパイラルフィーダ42がシャッタ筒体41から前方へ向けて抜け出るのが防止される。
そして、スパイラルフィーダ42が、図5(A)に一点鎖線の矢印で示すように、シャッタ筒体41の後端開口から当該シャッタ筒体41内に挿入され、かつ、第2セクトギヤ346の装着筒346bがシャッタ筒体41の前端の突設筒片415に嵌め込まれることにより、突片346cが切欠き溝415aに嵌め込まれ、これによって第2セクトギヤ346がシャッタ筒体41に一体回転可能に連結される。
第2セクトギヤ346がスパイラルフィーダ42に連結された状態で第4従動ギヤ347の小径軸347cを第2セクトギヤ346の外嵌孔346aに挿入することにより、十字軸347dがスパイラルフィーダ42の先端筒体423の切込み溝423aに嵌り込むとともに、係止爪347fが係止孔423bに嵌り込む。これによって第4従動ギヤ347は、図5(B)に示すように、外れ止め状態でシャッタ筒体41内のスパイラルフィーダ42に装着される。
従って、第4従動ギヤ347が駆動回転すると、この駆動回転は、十字軸347dおよび先端筒体423を介してフィーダ軸421に伝達され、これによってスパイラルフィーダ42がフィーダ軸421回りに一体回転する。この場合、第2セクトギヤ346は、その装着筒346bが第4従動ギヤ347の小径軸347cに摺接状態で外嵌されているため、第4従動ギヤ347と共回りすることはない。
そして、前記シャッタ筒体41の後面開口は、円形軸支部材44が嵌め込まれることでフィーダ軸421の後端部を軸支している。この円形軸支部材44は、径寸法がシャッタ筒体41の内径寸法と略同一に設定され、若干の圧入状態でシャッタ筒体41に嵌め込まれる。
かかる円形軸支部材44は、中心位置に前記フィーダ軸421の後端を嵌入するための軸受孔441を有しているとともに、外周面から互いに反対方向に向けて突出した径方向一対の係止突片442を備えている。各係止突片442は、互いに対向する方向に向けて弾性変形可能とされている。
一方、シャッタ筒体41には、前記一対の係止突片442に対応した位置にこれら一対の係止突片442を嵌め込むための一対の係止孔416が穿設されている。従って、係止突片442をシャッタ筒体41の後端開口に嵌め込むことにより一旦弾性変形した各係止突片442が対応した係止孔416に弾性変形が元に復帰した状態でそれぞれ嵌り込み、これによって円形軸支部材44が、図5(B)に示すように、シャッタ筒体41に抜け止め状態で装着される。
前記シール用部材43は、カートリッジ容器31の小円弧底板311aに装着された状態で各所の隙間からカートリッジ容器31内のトナーが漏洩するのを防止するためのものであり、発泡性ウレタン樹脂等の発泡性合成樹脂によって形成されたスポンジ状のものでる。かかるスポンジ状のものとしては、例えば、高密度マイクロセルウレタンシート等を使用することができる。かかるシール用部材43は、シャッタ筒体41のシャッタ部413に所定の接着剤や粘着剤(テープの両面に粘着剤が塗布された、いわゆる両面テープを含む)を介して貼着されるシールシート(シール部材)431と、シャッタ筒体41の前端面に貼着される筒体前端シール用部材432と、スパイラルフィーダ42の前端に嵌め込まれるフィーダ前端シール用部材433とが備えられている。
前記シールシート431は、シャッタ部413の送出口414回りに貼設されるものであり、シャッタ筒体41が閉止位相U2(送出口414がカートリッジ容器31の払出開口311cから外れた位相、図7(B)参照)に設定された状態で送出口414からのトナーの漏洩を防止するためのものである。
かかるシールシート431は、前後長がシャッタ部413の前後長より僅かに短く設定されているとともに、シャッタ部413の周方向へ向かう長さは、シャッタ部413の周長の略3/4とされている。これによってシャッタ部413に貼着された状態で送出口414の反対側の周面にはシールシート431が貼着されていない。そして、シールシート431の中央部には、送出口414と同一形状の前後方向に長尺の矩形孔(通過孔)431aが穿設されている。
前記筒体前端シール用部材432は、シャッタ筒体41の前端とカートリッジ容器31の前方板314との間の隙間を介してトナー充填空間V内からのトナーの漏洩を防止するためのものである。かかる筒体前端シール用部材432は環状に形成され、内径寸法がシャッタ筒体41の前記突設筒片415の外径寸法と略同一に設定されているとともに、外径寸法がシャッタ筒体41の外径寸法と略同一に設定されている。また、筒体前端シール用部材432の筒心方向の厚み寸法は、突設筒片415のシャッタ筒体41からの突出量より若干厚めに設定されている。

前記フィーダ前端シール用部材433は、シャッタ筒体41内のトナーの漏洩を防止するものであり、環状に形成されている。かかるフィーダ前端シール用部材433は、内径寸法がスパイラルフィーダ42の先端筒体423の内径寸法より僅かに小さく寸法設定されているとともに、外径寸法がシャッタ筒体41の突設筒片415の内径寸法より僅かに小さく寸法設定されている。そして、シャッタ筒体41がトナーカートリッジ30に装着された状態で、フィーダ前端シール用部材433がトナーカートリッジ30のシャッタ筒体装着孔316a周りの前方板314に圧縮当接し、これによってシャッタ筒体41内のトナーがシャッタ筒体装着孔316aから外部に漏洩するのが防止される。
以下、図6および図7を基に必要に応じて図5を参照しながらシャッタ部413に形成された偏心部417について説明する。
図6は、シャッタ筒体41の偏心部417を説明するためのシャッタ筒体41の断面図である。また、図7は、シャッタ部413の偏心部417を説明するための図5(B)のVI−VI線拡大断面図であり、図7(A)は、シャッタ筒体41が開通位相U1に位相設定された状態、図7(B)は、シャッタ筒体41が閉止位相U2に位相設定された状態をそれぞれ示している。
因みに、偏心部417は、送出口414の周辺に位置するシャッタ部413の外周面(第1周面)に設けられ、かつ、シャッタ筒体41の外径寸法を部分的に減径させることによって形成された凹没部である。
まず、図6に示すように、偏心部417は、外面が断面視で円弧状を呈し、シャッタ筒体41の筒心O1と送出口414の周方向の中心点とを結ぶ直線Lにおける送出口414と反対側の延長線上に曲率中心O2が位置設定されている。そして、シャッタ筒体41の筒心シャッタ筒体41の外径寸法をR1、内径寸法をR2とし、偏心部417の外面の曲率外径寸法をR3とするとともに、筒心O1と曲率中心O2との間の中心間距離をL1とした場合、曲率外径寸法R3は、以下の不等式を満足するように設定されている。
R1+L1>R3>R2+L1・・・(1)
(1)式の意味するところは、偏心部417の外面(第1周面)がシャッタ筒体41の周面(第2周面)より筒心O1側に寄っており、結果としてシャッタ筒体41の周面に対して相対的に凹没しているとともに、その凹没量は、シャッタ筒体41の内周面にまでは到達しないということである。
従って、偏心部417の外面とシャッタ筒体41の筒心O1との間の距離L2は、シャッタ筒体41の外径寸法R1より短く、かつ、シャッタ筒体41の内径寸法R2より大きくなっている。すなわち、以下の不等式が成立する。
R1>L2>R1・・・(2)
この場合、距離L2を筒心O1を中心とした半径としてとらえると、当該半径は、前記直線Lから離間するに従い漸増しているということができる。従って、偏心部417の厚み寸法dは、
d=L2−R2・・・(3)
となり、距離L2(すなわち半径)の増大に伴って厚くなる。
以下、図7に基づきシャッタ筒体41の送出口414の開閉状態について説明する。図7に示すように、偏心部417は、前記のように、シャッタ部413における送出口414近傍が径方向の内側に向かって偏心されることにより形成されている。具体的には、偏心部417は、当該偏心部417の周面と筒心O1との間の距離L2がシャッタ部413の他の部分のそれより短く設定されている。これによって偏心部417の前後の端部には、シャッタ部413の他の部分と一線を画するように段差部417a(図5(A))が形成されている。
一方、前記シールシート431は、図5(A)に示すように、平面視で十字状に形成され、前後寸法が前記一対の段差部417a間の距離より僅かに短めに設定されているとともに、図5(A)における左右寸法(すなわち、図5(B)に示すようにシャッタ部413に巻き付けられた状態での巻き付き方向の寸法)がシャッタ部413の周長の略3/4に設定されている。また、シールシート431の厚み寸法は、図7に示すように、偏心部417以外の部分におけるシャッタ筒体41と小円弧底板311aとの間の隙間寸法より若干に厚めに設定されている。因みに、図7(A)では、図示の都合上シールシート431と小円弧底板311aとの間に隙間が存在するように示しているが、本実施形態においては、隙間の最大寸法が1mmに設定されているのに対し、シールシート431の厚み寸法が2mmに設定されているため、隙間が存在しない状態になっている。
従って、シールシート431の貼着されたシャッタ筒体41が、カートリッジ容器31の小円弧底板311a上に装着され、かつ、開通位相U1に位相設定された状態(すなわち、シャッタ部413の送出口414およびシールシート431の矩形孔431aがカートリッジ容器31の払出開口311cに対向した状態)では、図7(A)に示すように、シールシート431は、カートリッジ容器31の内壁面の内の左接点T1および右接点T2の2個所のみに当接し、シールシート431の下半分の周面と小円弧底板311aとの間には、三日月状の隙間T3が形成された状態になっている。この状態でカートリッジ容器31内のトナーは、スパイラルフィーダ42の駆動回転により送出口414、矩形孔431aおよび払出開口311cを介して現像器22(図2)へ補給される。
因みに、カートリッジ容器31内からの現像器22へのトナーの補給時に、シールシート431と小円弧底板311aとの間に隙間T3が形成されていても、このときにはカートリッジ容器31内のトナーが送出口414、矩形孔431aおよび払出開口311cを介して現像器22へ向けて導出される状態であるので、トナーの漏洩に関して特に問題はない。
ついで、シャッタ筒体41を閉止位相U2に位相変更させるべく、操作ノブ37を右から左へ倒し(図8(C))、当該シャッタ筒体41をフィーダ軸421回りに時計方向に90°回転させるときには、シールシート431は、カートリッジ容器31に対して左接点T1と右接点T2との2個所しか当接していないため、全周面が当接している場合に比較しシャッタ筒体41の回転操作(すなわち、操作ノブ37の操作)が軽くなって容易になる。
シャッタ筒体41が、図7(B)に示すように、開通位相U1から閉止位相U2に位相変更された状態では、払出開口311cがシールシート431によって閉止された状態になっているため、カートリッジ容器31内のトナーが払出開口311cを介して外部へ漏洩することが防止される。
そして、シャッタ筒体41が閉止位相U2に位相設定された状態では、シャッタ筒体41のシャッタ部413における払出開口311cに対応した部分は、偏心部417から外れているため、払出開口311cは、圧縮弾性変形したシールシート431によって隙間なく閉止され、これによってカートリッジ容器31内のトナーの払出開口311cを介した漏洩が確実に防止される。
図8は、操作ノブ37の操作とシャッタ筒体41の位相変化との関連を説明するための説明図であり、図8(A)および図8(B)は、操作ノブ37がシャッタ筒体41を開通位相U1に位相設定させた状態、図8(C)および図8(D)は、操作ノブ37がシャッタ筒体41を閉止位相U2に位相設定させた状態をそれぞれ示している。なお、図8(A)および図8(C)は、正面蓋体36が取り除かれた状態でのギヤ機構34の正面図であり、図8(B)および図8(D)は、シャッタ筒体41の開閉状態を示す断面図である。
まず、図8(A)に示すように、操作ノブ37が正面視でカートリッジ容器31の右方へ傾倒し、これによってシャッタ筒体41が開通位相U1に位相設定された状態においては、第1セクトギヤ345の円形カム345bの最大偏心部分が攪拌軸321の軸心を起点として下方に向いているため、被案内孔351がこの円形カム345bに外嵌されたロックプレート35はロック位置へ下降し、これによる係止突起352のロック孔425への嵌入によって、トナーカートリッジ30は、台座17にロックされてプリンタ本体11から外れ止めされた状態になっている。
また、シャッタ筒体41が開通位相U1に位相設定された状態では、図8(B)に示すように、円筒状のシャッタ筒体41の送出口414がシールシート431の矩形孔431aを介してカートリッジ容器31の小円弧底板311aの払出開口311cと対向し、これによってカートリッジ容器31内のトナーがこれら送出口414、矩形孔431aおよび払出開口311cを通って払い出し可能の状態になっている。
従って、この状態で図略の駆動モータにより駆動ギヤ341を駆動回転させると、この回転は、第1従動ギヤ342および第2従動ギヤ343を介して第3従動ギヤ344および第4従動ギヤ347に伝達されてこれらが回転する。そして、第3従動ギヤ344の攪拌軸321回りの一体回転は、攪拌部材32(図4)に伝達されてカートリッジ容器31内のトナーの攪拌に供されるとともに、第4従動ギヤ347の支持軸347b回りの一体回転は、スパイラルフィーダ42に伝達されてシャッタ筒体41内のトナーを送出口414へ向かわせる。これによってカートリッジ容器31内のトナーが効率的に排出されることになる。
ついで、トナーカートリッジ30内のトナーが消費されてしまったことにより新たなトナーカートリッジ30と交換するに際しては、図8(A)に示す右方へ倒されていた操作ノブ37が左方に向けて操作される。このとき、第1セクトギヤ345は、攪拌軸321回りに反時計方向に向けて相対回動する。この回動によって第1セクトギヤ345と噛合している第2セクトギヤ346が時計方向に向けて当該シャッタ筒体41と一体回動することになる。
この第2セクトギヤ346の回動によって、シャッタ筒体41が筒心回りに時計方向に当該第2セクトギヤ346と一体回動するため、シャッタ筒体40のシールシート431が、図8(D)に示すように、カートリッジ容器31の小円弧底板311aの払出開口311cを閉止する。
そして、操作ノブ37の左方への傾動操作においては、シャッタ筒体41のシールシート431は、シャッタ筒体41に肉薄となった偏心部417が形成されていることにより左接点T1および右接点T2の2点のみで小円弧底板311aに当接されているため、シールシート431の表面が全体的に小円弧底板311aの内面に当接されている場合に比較し、シャッタ筒体41は回動し易くなっており、従って、操作ノブ37をより軽く操作することができ、操作ノブ37の操作性を向上させることができる。
一方、操作ノブ37の左方への傾倒操作による第1セクトギヤ345の攪拌軸321回りの反時計方向へ向かう回動によって、円形カム345bが反時計方向に攪拌軸321回りに偏心回転し、これによるロックプレート35の上昇によって係止突起352が、図8(C)に示すように、ロック孔425から外れてロック状態が解除されるため、トナーカートリッジ30をプリンタ本体11から取り外すことができる。
以上詳述したように、本発明に架かるトナーカートリッジ30は、画像形成用のトナーを現像器22に補給するべくプリンタ10のプリンタ本体11に着脱自在に装着される、トナー充填用のカートリッジ容器31を備えたものであり、カートリッジ容器31は、断面視で円弧状の曲率中心線に沿って延びる小円弧底板311aと、この小円弧底板311aに装着される所定の操作ノブ37の操作により開閉可能なシャッタ機構40とを有しているとともに、小円弧底板311aには払出開口311cが設けられている。
シャッタ機構40は、操作ノブ37の操作で小円弧底板311aに摺接状態で筒心回りに回動可能に装着されるシャッタ筒体41と、このシャッタ筒体41内のトナーを払出開口311cへ向けて搬送するスパイラルフィーダ42とを有している。
そして、シャッタ筒体41には、カートリッジ容器31内のトナーを受け入れる受入口411と、この受入口411から離間した位置で、かつ、径方向の反対側にシャッタ筒体41内のトナーを払出開口311cへ向かわせる送出口414とが開口され、シャッタ筒体41は、送出口414の周りの周面の筒心からの距離が送出口414以外の周面の径寸法より短く設定されることにより形成された偏心部417を有している。
かかる構成によれば、操作ノブ37の操作によりシャッタ機構40の構成要素であるシャッタ筒体41を筒心回りに正逆回動操作させることにより、当該シャッタ筒体41を、その受入口411がカートリッジ容器31内に向くとともに、その送出口414がカートリッジ容器31の小円弧底板311aに設けられた払出開口311cに対向する開通位相U1と、シャッタ筒体41の周面が送出口414を閉止した閉止位相U2との間で位相変化させることができる。
従って、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11に装着されるまでは、シャッタ筒体41が閉止位相U2に位相設定され、これによる送出口414の閉止でカートリッジ容器31内のトナーが送出口414を介して外部に漏洩することを防止することができる。
一方、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11に装着された状態で、操作ノブ37の操作によりシャッタ筒体41を開通位相U1に位相変更することにより、シャッタ筒体41の送出口414が払出開口311cと対向するため、この状態でスパイラルフィーダ42を駆動させることによりカートリッジ容器31内に充填され、かつ、受入口411からシャッタ筒体41内に入り込んだトナーは送出口414へ向けて搬送され、送出口414からカートリッジ容器31の小円弧底板311aに設けられた払出開口311cを介して現像器22へ補給される。
そして、シャッタ筒体41は、その送出口414の周りの周面の筒心からの距離が送出口414以外の周面の径寸法より短く設定されることにより形成された偏心部417を有しているため、シャッタ筒体41は、開通位相U1と閉止位相U2との間で位相変化するべく筒心回りに回動操作されるに際し、偏心部417の存在で周面が全体的に小円弧底板311aの内面と摺接することはなく、従って、操作ノブ37によるシャッタ筒体41の回動操作が容易になり、シャッタ筒体41の開閉操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、シャッタ筒体41の偏心部417には、送出口414に対応したトナーを通過させる矩形孔431aの穿設されたシールシート431が、矩形孔431aを送出口414に対向させた状態で積層されているため、トナーカートリッジ30から現像器22にトナーを補給するに際し、このシールシート431のシール効果によってトナーが漏洩することを有効に防止することができる。
さらに、シャッタ筒体41には、スパイラルフィーダ42によって送出口414へ向かわされたトナーの内の送出口414から排出されなかったものをカートリッジ容器31内へ戻す戻し口412が設けられているため、スパイラルフィーダ42の駆動によって受入口411からシャッタ筒体41内に導入されたトナーは、スパイラルフィーダ42の駆動で送出口414へ向けて搬送され、当該送出口414および払出開口311cを介して現像器22に補給されるとともに、送出口414から導出されなかったトナーを戻し口412を介してカートリッジ容器31内に戻すことができる。
このように、シャッタ筒体41には、一旦導入されたトナーを戻す戻し口412が設けられているため、一旦シャッタ筒体41内に導入されてスパイラルフィーダ42により送出口414へ向けて搬送されたトナーの内の送出口414から導出されなかったものがシャッタ筒体41の端部に押し込められて堆積し、この堆積の成長で送出口414が詰まってしまうような不都合の発生を有効に防止することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、画像形成装置としてプリンタ10を例に挙げて説明したが、本発明は、画像形成装置がプリンタ10であることに限定されるものではなく、複写機であってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、現像装置として回転式現像装置20が採用され、この回転式現像装置20に対応して1台の感光体ドラム131が適用されているが、本発明は、現像装置として回転式現像装置20を採用することに限定されるものではなく、通常の現像装置と4台の感光体ドラムを採用するものであってもよい。
(3)上記の実施形態において、ギヤ機構34の適所にストッパを設け、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11に装着されていないときはこのストッパのロック作用で閉止位相U2位相設定されているシャッタ筒体41を開通位相U1へ位相変更させ得ないようにする一方、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11へ装着されることにより、前記ストッパのロックが解除されるようにしてもよい。こうすることで、トナーカートリッジ30がプリンタ本体11へ装着される前に誤って操作ノブ37が操作されることによりカートリッジ容器31内のトナーが払出開口311cを介して外部に漏洩するような不都合の発生が防止される。
(4)上記の実施形態において、カートリッジ容器31の小円弧底板311aの下面側における払出開口311cに対応した位置に、さらに開閉可能なシャッタ部材を設け、トナーカートリッジ30をプリンタ本体11に押し込むことによって当該押し込み動作と連動して自動的にシャッタ部材が開放される一方、トナーカートリッジ30をプリンタ本体11から引き出すことによってシャッタ部材が自動的に閉止されるようにしてもよい。こうすることで、カートリッジ容器31内のトナーは、シャッタ筒体41とシャッタ部材とで二重にガードされるため、カートリッジ容器31からのトナーの漏洩をさらに確実に防止することができる。
(5)上記の実施形態においては、シャッタ筒体41にシールシート431が貼着されているが、シャッタ筒体41の外周面と小円弧底板311aの内面との間の密着摺動性が良好である場合には、特にシールシート431を設けなくてもよい。
(6)上記の実施形態においては、シールシート431がシャッタ筒体41の送出口414を境にして周方向の互いに反対方向へ向けて同一量だけ延設されているが、こうする代わりに少なくとも払出開口311cを閉止する側のみを長くしておけばよく、反対側は短くてもよい。
(7)上記の実施形態においては、シールシート431がシャッタ筒体41に積層された例について説明したが、本発明は、シールシート431がシャッタ筒体41に設けられることに限定されるものではなく、当該シャッタ筒体41が対向配置されるカートリッジ容器31の小円弧底板311a側に設けてもよい。
本発明に係るトナーカートリッジが適用されたプリンタの一実施形態を示す外観視の斜視図であり、図1(A)は、メンテナンスリッドが閉止された状態、図1(B)は、メンテナンスリッドが開放された状態、図1(C)は、メンテナンスリッドが開放されてトナーカートリッジが取り外された状態をそれぞれ示している。 プリンタの内部構造の一実施形態を示す側面断面視の説明図である。 トナーカートリッジの一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図である。 図3に示すトナーカートリッジの組み立て斜視図である。 シャッタ機構の一実施形態を示す斜視図であり、図5(A)は、分解斜視図、図5(B)は、組み立て斜視図である。 シャッタ筒体の偏心部を説明するためのシャッタ筒体の断面図である。 シャッタ部の偏心部を説明するための図5(B)のVI−VI線拡大断面図であり、図7(A)は、シャッタ筒体が開通位相に位相設定された状態、図7(B)は、シャッタ筒体が閉止位相に位相設定された状態をそれぞれ示している。 操作ノブの操作とシャッタ筒体の位相変化との関連を説明するための説明図であり、図8(A)および図8(B)は、操作ノブがシャッタ筒体を開通位相に位相設定させた状態、図8(C)および図8(D)は、操作ノブがシャッタ筒体を閉止位相U2に位相設定させた状態をそれぞれ示している。なお、図8(A)および図8(C)は、正面蓋体が取り除かれた状態でのギヤ機構の正面図であり、図8(B)および図8(D)は、シャッタ筒体の開閉状態を示す断面図である。
10 プリンタ(画像形成装置)
101 排紙搬送路 102 排出ローラ対
11 プリンタ本体 110 前面開口
111 側板 112 メンテナンスリッド
12 給紙部 121 用紙カセット
122 トレイ 122a 支持軸
123 ピックアップローラ 124 レジストローラ対
13 画像形成部 131 感光体ドラム(像担持体)
132 帯電ローラ 133 露光装置
134 転写ベルト 134a 駆動ローラ
134b 従動ローラ 134c アイドルローラ
134d 付勢部材 135 一次転写ローラ
136 二次転写ローラ 137 ドラムクリーニング装置
138 ベルトクリーニング装置
14 定着部 141 定着ローラ
142 加圧ローラ 143 排出ローラ対
15 排出先切換え部 151 返送ローラ
152 返送搬送路 16 排紙部
161 排紙トレイ 162 排紙口
17 台座 20 回転式現像装置
21 回転枠体 211 枠体軸
212 仕切板 22 現像器
22K ブラック用現像器 22C シアン用現像器
22M マゼンタ用現像器 22Y イエロー用現像器
27 トナー移送パイプ 28 トナー装填筒
30 トナーカートリッジ
30K ブラック用カートリッジ
30C シアン用カートリッジ
30M マゼンタ用カートリッジ
30Y イエロー用カートリッジ
31 カートリッジ容器 311 底板
311a 小円弧底板(円弧底板)
311b 大円弧底板 311c 払出開口(払出口)
312 左側板 313 右側板
314 前方板 314a 係止突起
315 後方板 315a 膨出板
316a シャッタ筒体装着孔
316b シャッタ筒体装着凹部
317 攪拌部材装着孔 318 上部蓋体
32 攪拌部材 321 攪拌軸
321a カット面 322 攪拌アーム
323 攪拌シート 34 ギヤ機構
341 駆動ギヤ 341a 突設軸
341b 継手突起 342 第1従動ギヤ
342a 連結孔 342b 突設軸
343 第2従動ギヤ 344 第3従動ギヤ
344a 軸筒 345 セクトギヤ
345a 外嵌孔 345b 円形カム
346 セクトギヤ 346a 外嵌孔
346b 装着筒 346c 突片
347 従動ギヤ 347a 嵌入軸
347b 支持軸 347c 小径軸
347d 十字軸 347e 角軸
347f 係止爪 347g 支持孔
35 ロックプレート 351 被案内孔
352 係止突起 36 正面蓋体
361 膨出部 362 ノブ引出開口
363 円弧開口 365 凹部
366 突出摘み片 367 環状係止片
37 操作ノブ(操作手段) 40 シャッタ機構
41 シャッタ筒体 411 受入口
412 戻し口 413 シャッタ部
414 送出口 415 突設筒片
415a 切欠き溝 416 係止孔
417 偏心部 417a 段差部
42 スパイラルフィーダ(搬送手段)
421 フィーダ軸 422 スパイラルフィン
423 先端筒体 423a 切込み溝
423b 係止孔 423c フランジ
424 円板 425 ロック孔
43 シール用部材 431 シールシート(シール部材)
431a 矩形孔(通過孔) 432 筒体前端シール用部材
433 フィーダ前端用シール用部材
44 円形軸支部材 441 軸受孔
442 係止突片 P 用紙
S1 閉止姿勢 S2 開放姿勢
T1 左接点 T2 右接点
T3 隙間 U1 開通位相
U2 閉止位相 U2 閉止位置
V トナー充填空間

Claims (4)

  1. 画像形成用のトナーを現像装置に補給するべく所定の装置本体に着脱自在に装着される、トナー充填用のカートリッジ容器を備えたトナーカートリッジであって、
    前記カートリッジ容器は、曲率中心線に沿って延びる断面視で円弧状の円弧底板と、この円弧底板に装着される所定の操作手段の操作により開閉動作が可能なシャッタ機構とを有し、
    前記円弧底板には、前記カートリッジ容器内のトナーを払い出す払出口が開口され、
    前記シャッタ機構は、前記操作手段の操作で前記円弧底板に摺接状態で筒心回りに回動可能に装着されるシャッタ筒体と、このシャッタ筒体内に導入されたトナーを前記払出口へ向けて搬送する搬送手段とを有し、
    前記シャッタ筒体には、前記カートリッジ容器内のトナーを受け入れる受入口と、径方向の反対側に前記シャッタ筒体内のトナーを前記払出口へ向かわせる送出口とが開口され、
    前記シャッタ筒体は、前記送出口の周辺の周面を第1周面とし、前記第1周面以外の周面を第2周面とするとき、前記第1周面の筒心からの径寸法の方が前記第2周面のそれより短く設定された偏心部と、前記搬送手段によって前記送出口へ向かわされたトナーの内の送出口から排出されなかったトナーを前記カートリッジ容器内へ戻す戻し口とを有していることを特徴とするトナーカートリッジ。
  2. 前記偏心部は、前記径寸法が前記送出口からその周方向の周辺に向けて漸増していることを特徴とする請求項1記載のトナーカートリッジ。
  3. 前記シャッタ筒体の偏心部周りには、前記送出口に対応したトナーを通過させる通過孔の穿設されたシール部材が前記通過孔を前記送出口に対向させた状態で積層されていることを特徴とする請求項1または2記載のトナーカートリッジ。
  4. 前記現像装置から供給されたトナーにより周面に所定の画像情報に基づくトナー像が形成される像担持体を備えた画像形成装置であって、請求項1乃至のいずれかに記載のトナーカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
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