以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態であるプリンタの全体構成について説明する。ただし、これに限定されるものではない。本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも適用可能である。
図1に示すように、プリンタの装置本体(画像形成装置本体)100には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
具体的には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2上の潜像を可視画像化する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード5などで構成されている。各感光体2に対向した位置には、それぞれ、感光体2の表面に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置6が設けられている。本実施形態では、露光装置6としてLEDユニットを用いている。
各現像装置4の上方には、それぞれ、画像形成用の粉体であるトナーを収容した粉体収容器としてのトナーカートリッジ30が着脱可能に装着されている。各トナーカートリッジ30は、対応する現像装置4内のトナーと同じ色のトナーが収容されており、現像装置4内のトナーが所定量を下回ると、トナーカートリッジ30からトナーが補給されるようになっている。なお、本実施形態では、画像形成用の粉体としてトナーから成る一成分現像剤を用いているが、これに限らず、トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いる構成にも本実施形態を適用可能である。
各感光体2の下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、中間転写体(像担持体)としての無端状のベルトから成る中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は周回走行(回転)するように構成されている。
各感光体2に対向した位置に、それぞれ、一次転写手段としての一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11は、それぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。二次転写ローラ12は、中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。また、二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。ベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
装置本体100の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ15や、給紙トレイ15から用紙Pを給送する給紙ローラ16等が設けてある。ここで、用紙Pには、厚紙、はがき、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等が含まれる。また、記録媒体として、OHPシートやOHPフィルム等を用いることも可能である。
装置本体100の上部には、用紙を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙をストックするための排紙トレイ18が設けられている。
また、装置本体100内には、用紙Pを給紙トレイ15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。この搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙を二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のレジストローラ19が設けられている。また、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙に画像を定着する定着装置20が設けられている。
また、図1に示すように、本実施形態に係るプリンタは、装置本体100の上部に設けられた第1カバーとしての上部カバー101と、上部カバー101よりも内側(下方)に設けられた第2カバーとしての中間カバー102とを備える。上部カバー101と中間カバー102は、それぞれ、装置本体100に設けられた支軸103、104を中心に回転することで開閉可能に構成されている。
中間カバー102には、複数のトナーカートリッジ30を装着可能な容器装着部120が形成されている。また、中間カバー102の内側(下方)に形成されたユニット装着部130には、各色のプロセスユニット1Y、1M、1C、1Bkが収容可能となっている。上部カバー101を開いた状態にすると、各トナーカートリッジ30を中間カバー102に対して上方から着脱可能な状態となる。
さらに、図2に示すように、中間カバー102を開いた状態にすると、各トナーカートリッジ30をプロセスユニット1Y、1M、1C、1Bkの上方から一体的に退避させることができる。また、このとき、中間カバー102と一緒に各露光装置6が各感光体2の上方から退避するため、各プロセスユニット1Y、1M、1C、1Bkを上方から着脱可能な状態となる。
図3は、現像装置4とトナーカートリッジ30の概略断面図である。
図3に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像ハウジング40と、トナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する搬送部材としての搬送スクリュー44等を有する。搬送スクリュー44は、回転軸の外周に螺旋状の羽根を設けて構成されている。搬送スクリュー44が回転すると、軸方向にトナーを搬送するようになっている。現像装置4は、搬送スクリューを2つ有しても良く、導光部材などを有していてよい。
現像ローラ41は、金属製の芯金と、その芯金の外周に配設された導電性ゴムで構成されている。本実施形態では、芯金の外径をφ6、導電性ゴムの外周をφ12、ゴム硬度Hs75に設定している。また、導電性ゴムは、体積抵抗値を約105〜107Ω程度に調整されている。導電性ゴムとしては、例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム等を使用可能である。
供給ローラ42には、一般に、スポンジローラなどが用いられる。スポンジローラとしては、金属製の芯金の外周に、カーボンを混合して半導電化させた発泡ポリウレタンを付着したものが適当である。本実施形態では、芯金の外径をφ6、スポンジ部分の外径をφ12に設定している。供給ローラ42は、現像ローラ41に対して当接している。供給ローラ42と現像ローラ41とが当接して形成されるニップ部は、通常約1mm〜3mm程度に設定されている。
現像ブレード43は、例えば、厚さ0.1mm程度のSUSなどの金属板で構成される。現像ブレード43は、その先端側で現像ローラ41の表面に当接している。本実施形態では、現像ブレード43を厚さ0.1mmのSUS材で構成し、当接圧45N/m、ニップ部の位置を現像ブレード43の先端から0.2mm、現像ブレード43の支持端部から自由端(先端)までの長さ(自由長)を14mmに設定することで、現像ローラ41上に安定したトナーの薄層を形成できるようにしている。
トナーカートリッジ30は、トナーを収容する容器本体31と、トナーを排出するために容器本体31に設けられた排出口32と、排出口32を開閉するためのシャッター33と、容器本体31内のトナーを排出口32へ搬送する搬送部材としての搬送スクリュー34と、容器本体31内のトナーを撹拌する撹拌部材としてのアジテータ35等を備える。
搬送スクリュー34は、回転軸の外周に螺旋状の羽根を設けて構成されている。アジテータ35は、搬送スクリュー34の回転軸と平行に配設された回転軸に、平面状の変形可能な羽根を設けて構成されている。アジテータ35の羽根は、例えば、PETフィルム等から成る可撓性の材料で構成される。
トナーカートリッジ30が装着される中間カバー102には、トナーカートリッジ30の排出口32と連結される連通口102aが形成されている。また、現像装置4の上部には、連通口102aと連結される受入口49が形成されている。そして、トナーカートリッジ30を中間カバー102に装着した状態にすると、排出口32が連通口102aを介して現像装置4の受入口49と連結され、トナーカートリッジ30から現像装置4へトナーを補給可能な状態となるように構成されている。
また、トナーカートリッジ30を装着した状態では、排出口32と連通口102aとの間に両者間からのトナー漏れを防止する連結シールSが介在するようになっている。本実施形態では、連結シールSは中間カバー102側に設けられているが、トナーカートリッジ30側に設けることも可能である。連結シールSの中央には、排出口32から受入口49へトナーを通過させる通過孔S1が形成されている。
なお、本実施形態では、装置本体100に対し、トナーカートリッジ30を単独で着脱可能に構成しているが、この構成に限定されることはない。例えば、トナーカートリッジ30を現像装置4や感光体2等と一体的に構成し、プロセスユニットとして交換可能にしてもよい。あるいは、トナーカートリッジ30を現像装置4と一体的に構成し、現像ユニットとして交換することもできる。
以下、図4、図5に基づき、トナーカートリッジの構成について説明する。
図4は、トナーカートリッジの上ケースを取り外した状態の斜視図、図5は、トナーカートリッジの外観斜視図である。
なお、各トナーカートリッジ30は、異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっているため、以下、1つのトナーカートリッジ30の構成について説明する。
図5に示すように、トナーカートリッジ30は、上ケース31aと下ケース31bを接合して成る容器本体31を備える。両ケース31a,32の接合方法には、振動溶着や超音波溶着などの溶着、もしくは、両面粘着テープや接着剤などによる接着などの方法が用いられる。
上ケース31aと下ケース31bを接合することによって形成される内部空間に、トナーや、上記搬送スクリュー34及びアジテータ35が収容されている。
上ケース31a及び下ケース31bの長手方向の一端側の側面には、カバー部としてのギヤカバー47が設けられている。ギヤカバー47内には、搬送スクリュー34やアジテータ35に駆動力を伝達する駆動伝達手段としての複数のギヤが収容されている。
また、ギヤカバー47が設けられている容器本体31の一端側には、排出口32を開閉するシャッター33が設けられている。シャッター33は、容器本体31に回転可能に設けられており、シャッター33が回転することで、排出口32が開放された状態と閉鎖された状態とに切換可能となっている。なお図5に示したシャッター33は、排出口32を開放させた状態を示している。
図4において、符号34a、35a、36は、上記ギヤカバー47内に収容される複数のギヤである。これらのギヤのうち、符号34aと符号35aで示すギヤは、下ケース31bの一端側の側面から外部に突出した搬送スクリュー34とアジテータ35の各回転軸に設けられた搬送駆動ギヤと撹拌駆動ギヤである。また、符号36で示すギヤは、搬送駆動ギヤ34a及び撹拌駆動ギヤ35aと噛み合って回転トルクを伝達するトルク伝達ギヤである。
本実施形態では、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着すると、搬送駆動ギヤ34aが、装置本体100に設けられている本体側駆動ギヤと噛み合う状態となる。この状態で、本体側駆動ギヤが回転駆動すると、搬送駆動ギヤ34a、トルク伝達ギヤ36及び撹拌駆動ギヤ35aは、それぞれ、図4の矢印で示す方向に回転し、搬送スクリュー34とアジテータ35とが回転するようになっている。
以下、トナーカートリッジ30の構成についてさらに詳しく説明する。
図6及び図7は、トナーカートリッジ30のギヤカバー47を取り外した状態を示す側面図である。
本実施形態において、トルク伝達ギヤ36は、図6に示すように、撹拌駆動ギヤ35aと噛み合わない非噛合位置と、図7に示すように、他のギヤ34a,35aと噛み合ってトルク伝達を行う噛合位置との間で移動可能に構成されている。
具体的に、トルク伝達ギヤ36は、搬送スクリュー34(又は搬送駆動ギヤ34a)の回転軸340を中心に回転可能に設けられたシャッター33を有するシャッター部としての外側シャッター部60に保持されている。トルク伝達ギヤ36は、外側シャッター部60が回転することで、図6に示す非噛合位置と図7に示す噛合位置とに切り換えられるようになっている。
図8に示すように、外側シャッター部60には、少なくとも上記したシャッター33、被当接部63、リング部65が一体的に設けられている。また、被当接部63は、装置本体100側に設けられた当接部HTと接触する接触面63aを有している。本実施形態において当接部HTは、プロセスユニットに設けられている。
被当接部63は、回転軸340と平行する方向に沿って配置されている。被当接部63は、トナーカートリッジ30を装置本体100へ装着する際に、装置本体100側に設けてある当接部HTと接触すると、外側シャッター部60のシャッター33を開く方向(時計回り)へ回転させる(図7参照)。リング部65は、回転軸340と直交する方向に沿って設けられ、リング部内に回転軸340や後述する内側シャッター50などが配置される。
したがって、トナーカートリッジ30を装着する際に、外側シャッター部60の被当接部63に当接部HTが接触すると、シャッター33が搬送スクリュー34の回転軸340を中心に開方向(時計回り)に回転する。この場合、図7に示すように、トルク伝達ギヤ36が噛合位置に配設された状態では、シャッター33によって排出口32が開放される。
また、図6又は図7に示すように、付勢手段としての引張バネ61の一端部が、外側シャッター部60に設けてある取付部62に引っ掛けて取り付けられ、当該引張バネ61の他端部が、上ケース31aの側面に設けられた取付部37に引っ掛けて取り付けられている。この引張バネ61による引張力(付勢力)によって、外側シャッター部60はトルク伝達ギヤ36を撹拌駆動ギヤ35aから離間させるように付勢されている。従って、外側シャッター部60が当接部HTと接触しない状態では、図6に示すように引張バネ61によって外側シャッター部60が上方に引っ張られて、閉方向(反時計回り)へ回転しトルク伝達ギヤ36は非噛合位置に配設される。このときシャッター33は、外側シャッター部60の閉方向への回転に伴って、閉方向(反時計回り)に移動して排出口32を閉鎖する。
次に、図8に示した外側シャッター部60について、図8、図9を参照しながら詳しく説明する。図9は、トナーカートリッジ30の外側シャッター部60の構成を説明する部分拡大正面図である。
本実施形態の外側シャッター部60は、装置本体100に設けてある当接部HTと当接する被当接部63に特長がある。
従来のトナーカートリッジを装置本体へ装着する際、当接部HTに座屈荷重が加わって撓みが生じて、当接部HTが被当接部から離れる位置に移動すると、被当接部は当接部と接触せずに空振りし、シャッターが開かないという問題があった。
本実施形態の被当接部63は、当接部HTが被当接部63から離れる位置へ移動することを規制する規制部材64を有している。規制部材64は、被当接部63の端部と連続する。
本実施形態において当接部HTが被当接部63から離れる位置とは、回転軸340の軸方向の容器本体31側(内方側(矢印方向))の位置を指している。したがって、図示例の規制部材64は、被当接部63において回転軸340の軸方向の容器本体31側の端部(内方側端部)に設けられている。
しかし、規制部材64は、被当接部63の回転軸340の軸方向の装置本体100側の端部(前方側端部)に設けてよい。また、規制部材64は、被当接部63において回転軸340の軸方向と直交する側の端部に設けてもよい。
図示例の規制部材64は、被当接部63の接触面63aから外方側(当接部HT側)に向かって傾斜する形状を有している。規制部材64は、接触面63aの端部からシャッター33に亘って傾斜しており、接触面63aの端部からトナーカートリッジ30の装着方向(図9の上下方向)に対して下方側に傾斜している。
本実施形態の規制部材64は、装着方向に対して下方側へ傾斜しているため、トナーカートリッジ30を装置本体100へ装着する際、当接部HTに座屈荷重が加わって撓みが生じていても、当接部HTと接触した際に、該当接部HTを被当接部63側へ案内できる。
本実施形態の規制部材64は、図示した形状に限らない。例えば図10(A)〜図10(C)に示した形状で実施することもできる。
図10(A)に示す規制部材64Aは、被当接部63の接触面63aから外方側(当接部HT側)に向かって湾曲する形状を有している。
図10(B)に示す規制部材64Bは、被当接部63の接触面63aから外方側(当接部HT側)に向かって屈曲する形状を有している。
図10(C)に示す規制部材64Cは、被当接部63の接触面63aから外方側(当接部HT側)に向かって鋭角に屈曲する形状を有している。規制部材64Bと規制部材64Cは、接触面63aに対する屈曲角度が相違している。なお、屈曲角度は適宜設計変更が可能である。
次に、図11〜図13を参照しながら、本実施形態に係るシャッター機構の構成を説明する。図11は本実施形態に係るシャッター機構の構成を説明する側面図である。図11は、トナーカートリッジ30からギヤカバー47や搬送駆動ギヤ34a等の各ギヤが取り外された状態となっている。
図12は、排出口32を閉鎖状態から開放状態にする際の外側シャッターと内側シャッターの動作流れを説明する図である。図13は排出口32を開放状態から閉鎖状態にする際の外側シャッターと内側シャッターの動作流れを説明する図である。なお図12、図13は、説明の関係上、要部のみを記載し簡略化している。
図11に示すように、容器本体31内には、排出口32を内側から開閉するための内側シャッター50が配設されている。このように、本実施形態は、排出口32を内側から開閉するシャッター50(以下、「内側シャッター」という)と、排出口32を外側から開閉する上記したシャッター33(以下、「外側シャッター」という)とを有する二重シャッター構造となっている。
内側シャッター50は、円筒状に形成されており、その周壁には現像剤出口51が設けられている。内側シャッター50が回転軸340を中心に回転することで、現像剤出口51が排出口32と重なり合った開放状態(図12(C))と、内側シャッター50の周壁が排出口32と重なった(現像剤出口51と排出口32が重ならない)閉鎖状態(図12(A))とに切換可能である。
内側シャッター50は、容器本体31の円筒状のシャッター収容部38の内壁面に回転可能に保持されている。シャッター収容部38は、容器本体31の内壁面と一体化される構成であっても良いし、容器本体31とは別部材として構成されていても良い。
次に、内側シャッター50の駆動について説明する。内側シャッター50は、トナーを排出する現像剤出口51と、内側シャッター50を回転させる駆動力を受ける突起52を有している。内側シャッター50の駆動は、トナーカートリッジ30に設けられた内側シャッター50を付勢する引張ばね53と、内側シャッター50に設けられた突起52と、装置本体100側に設けられた水平方向に移動可能な移動部材111等で行われる。
突起52は、下ケース31bから露出した内側シャッター50の端部に設けられており、内側シャッター50の軸方向へ突出している。この突起52と下ケース31bの側面に設けられた取付部39との間には、引張ばね53が引っ掛けて取り付けられている。
移動部材111は、水平方向に延在する長手状の部材であって、装置本体100に移動可能に設けられている。移動部材111は、装置本体100に設けられた駆動機構によって水平方向に往復移動可能に構成されている。移動部材111の駆動機構としては、ソレノイドやカム機構などの移動量のばらつきが小さい手段を用いるのが望ましい。また、移動部材111は、突起52に当接可能な突形状112を有する。
移動部材111が図の左方向(矢印F方向)へ移動すると、移動部材111の突形状112が、引張ばね53の付勢力に抗して内側シャッター50の突起52を押し、内側シャッター50が図の時計回りに回転する。その結果、現像剤出口51が図12(C)に示すように下方を向くように配設され、排出口32が開放状態となる。本実施形態では内側シャッター50を開放状態にするタイミングを、トナーカートリッジの装着完了後とすることが好ましい。
次に、移動部材111が図の右方向(矢印G方向)へ移動すると、突起52を押す力がなくなるため、内側シャッター50は引張ばね53の付勢力によって図の反時計回りに回転する。その結果、現像剤出口51は、図13(C)に示すように右側を向くように配設され、排出口32が閉鎖状態となる。
なお、外側シャッター33の駆動は、上述したように外側シャッター部60の被当接部63が当接部HTと接触して回転することにより行われる。
外側シャッター33は、トナーカートリッジ30が装置本体100に装着される前は、排出口32を閉鎖する下方を向く位置に配置されている(図6、図12(A)等参照)。
また、外側シャッター33は、被当接部63と当接部HTが接触して図の時計回りに回転すると、排出口32を開口する位置に配置される(図7、図12(B)等参照)。なお、被当接部63が当接部HTから離れる(トナーカートリッジ30の取外し方向へ移動する)と、外側シャッター33は前記した引張バネ61により排出口32を閉鎖する下方を向く位置に戻る(図13(C)参照)。
次に、図12(A)〜図12(C)を参照しながら、排出口32の閉鎖状態から開放状態に至る外側シャッターと内側シャッターの動作流れを説明する。
図12(A)はトナーカートリッジ30が装置本体100に装着される前における外側シャッター33と内側シャッター50の状態を示している。このとき外側シャッター33は、図示上下側に存在し、内側シャッター50の現像剤出口51は図示上右側を向く位置に存在して、排出口32を閉鎖している。
次に、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着する際、トナーカートリッジ30を装着方向(矢印D方向)へ移動させると、被当接部63と当接部HTとが接触して、外側シャッター33が図12(B)に示す通り開方向(図の時計回り)に回転する。このとき被当接部63に設けられた規制部材64は、当接部HTが被当接部63から離れる位置へ移動することを規制するので、被当接部63は当接部HTと接触して外側シャッター33を開方向へ回転できる。このとき内側シャッター50は、現像剤出口51の位置が右を向く方向にあり排出口32を閉鎖する位置にある。
トナーカートリッジ30を装置本体100に装着する際、外側シャッター33は装着動作に連動して回転し、内側シャッター50より先に排出口32を開口するが、内側シャッター50は排出口32を閉鎖している。したがって、トナーカートリッジ30の排出口32が受入口49と連結される前に内部のトナーが飛散するのを防止できる。なお、外側シャッター33の開くタイミングを、トナーカートリッジ30の装着完了前にしているのは、装着時に外側シャッター33と受入口49との干渉を避けるためである。
次に、移動部材111は、上部カバー101が閉鎖されプリンタの電源がONになったことをトリガーにして、図11に示すように駆動手段によって矢印F方向へ移動し、突形状112により突起52を矢印F方向に押す(図12(B))。
すると内側シャッター50は、図12(C)に示すように突起52の矢印F方向への移動に伴って時計回りに回転する。その結果、現像剤出口51が下方を向くように配設され、排出口32が開放状態となる。
次に、図13(A)〜図13(C)を参照しながら、排出口32を開放状態から閉鎖状態に至る外側シャッターと内側シャッターの動作流れを説明する。
図13(A)はトナーカートリッジ30が装置本体100に装着された状態における外側シャッター33と内側シャッター50の状態を示している。このとき外側シャッター33と、内側シャッター50の現像剤出口51とは排出口32を開放させる位置にある。
次に、例えば上部カバー101が開放されたことをトリガーにして、移動部材111が図11に示すように駆動手段によって矢印G方向へ移動すると、突起52を押す力がなくなる。そのため、内側シャッター50は引張ばね53の付勢力によって図の反時計回りに回転する。その結果、現像剤出口51は、図13(B)に示すように右側を向くように配設され、排出口32が閉鎖状態となる。
即ち、トナーカートリッジ30を取り外す際は、装着状態において内側シャッター50は、外側シャッター33より先に排出口32を閉じる。したがって、取り外し時における内部トナーの飛散を防止することができる。
そして、トナーカートリッジ30を装置本体100から取外すべくトナーカートリッジ30を取外し方向(矢印E方向)へ移動させると、当接部HTと被当接部63とが離間する。すると、外側シャッター33は引張ばね61によって図13(C)に示す閉方向(図の反時計回り)に回転して、排出口32を閉鎖状態にする。上記のように、外側シャッター33は取り外し動作に連動して排出口32を閉じることで、排出口32の内側にトナーが付着していても、取外し時に該トナーが飛散することを防止できる。
ところで従来、トナーカートリッジ30を装着する際、図14に示すように当接部HTは、外部からの座屈荷重により回転軸340の軸方向の装置本体100側(外方側(矢印H方向))に撓んで傾斜した状態で被当接部63と接触する場合がある。
その際、被当接部63を有する外側シャッター部60には、回転軸340の軸方向の装置本体100側(矢印J方向)に力が掛かり、該外側シャッター部60が矢印J方向(シャッター抜け方向)へ移動してしまう。すると、外側シャッター部60とシャッター収容部38との間に隙間C1が発生し、該隙間C1からトナーが漏れてしまう虞があった。
本実施形態のトナーカートリッジ30は、図11に示すように外側シャッター33の軸方向の移動を規制する止め部材70を更に有している。
止め部材70は、トナーカートリッジ30の外側シャッター部60や内側シャッター50などが配置される側面に設置される。
止め部材70は、トナーカートリッジ30の側面と連結されるベース部71と、該ベース部71から外側シャッター部60及び内側シャッター50に向かって延在する止め部72を有している。
止め部72は、外側シャッター部60のリング部65の装置本体100側の一部と、内側シャッター50の装置本体100側の一部を覆う様態で設置されている。
したがって止め部材70は、図14に示すように当接部HTが矢印H方向へ傾斜した状態で被当接部63と接触した場合でも、外側シャッター部60及び内側シャッター50が回転軸340の装置本体100側(矢印J方向)へ移動することを防止できる。すると、シャッター収容部38と外側シャッター部60とに隙間C1が生じることを防止できる。
本実施形態の止め部72は、突起52の図の反時計回り側に配置されて、内側シャッター50の反時計回り方向への回転を規制している。
即ち、内側シャッター50が閉鎖される際、引張ばね53による引張力を受けて該内側シャッター50が反時計回りへ回転した際に、止め部72が内側シャッター50の反時計回りへの回転を所定の位置で止めることができるように構成されている。したがって止め部72は、内側シャッター50の排出口32の閉鎖時における現像剤出口51の位置決め部材を兼ねることができる。なお、本実施形態において所定の位置とは、内側シャッター50の閉鎖時における現像剤出口51の位置が、図12(A)に示す右側を向く位置である。本実施形態の止め部72は、突起52と接触する側の面がテーパ面に形成されていることが好ましい。
次に、図5、図15、図16を参照しながら本実施形態のトナーカートリッジ30の長手方向の一端側の側面に設けられるギヤカバー47について説明する。図15は、ギヤカバー47を取付けたトナーカートリッジ30の側面図である。図16は、装置本体100の一方の側壁側の内部構造を示す斜視図である。
ギヤカバー47の表側には、装置本体100に対する容器側位置決め部として、第1突起部471が設けられている。また、ギヤカバー47の表側には、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着する際の容器本体31の回転を規制する回転規制部としての第2突起部472が、第1突起部471の直上位置に配置されている。第1突起部471及び第2突起部472は、カートリッジ30の装着方向に対して装置本体100側へ直交する方向に突出している。
本実施形態の第1突起部471と第2突起部472とは、着脱方向に延びる1つの軸K上に配置されている。
この第1突起部471と第2突起部472は、装置本体100に設けられたガイド部としての本体側溝140(図16参照)沿ってスライド移動可能であり、装置本体100に対して容器本体31を装着方向にガイドすると共に、装置本体100に対して容器本体31の位置決めを行える。
従来のトナーカートリッジは、装着時に容器本体が第1突起部を軸に傾くと、外側シャッター部の被当接部と装置本体に設けられた当接部とが接触できず、外側シャッターが開かない虞がある。
しかし、本実施形態のトナーカートリッジ30は、第1突起部471の直上位置に第2突起部472が存在するので、容器本体31が第1突起部471を軸に回転して傾くことを防止できる。
なお、本体側溝140は、図16に示すように取外し方向の上側の端部が外方に向かって傾斜するテーパ面に形成されている。また、本体側溝140内の装着方向の下方側には、トナーカートリッジ30側に突出する段部141が設けられている。段部141は、第1突起部471と接触する部材である。
本実施形態の第2突起部472は、着脱方向(軸K方向)に延在するリブ部473を備えている。リブ部473は、第2突起部472を補強する他、トナーカートリッジ30の本体側溝140に対する着脱方向への移動をガイドできる。また、第2突起部472には、軸K方向と直交する方向へ延在するリブ部474を有していることが好ましい。
第2突起部472は、図15では正円とされているが、この限りではなく、図18(A)に示すように着脱方向(軸K方向)に延びる長孔形状の第2突起部427Aであってよい。また、図18(B)に示すように半円弧形状の第2突起部427Bであってよい。
リブ部473は、図15に示すように第2突起部472の直径と同幅で着脱方向に延在する2つの側壁部473aを有する形状である。しかしこの限りではなく、図19(A)に示すように2つの側壁部475aが装着方向に向かって幅が狭くなる形状を有するリブ部475であってよい。また図19(B)に示すように、2つの側壁部476aの第2突起部472の軸N方向の幅が装着方向に向かって狭くなる形状を有するリブ部476であってよい。
図17は、装置本体に装着されたトナーカートリッジを搬送スクリューの位置で切断した縦断面図を示した。図17(A)は、トナーカートリッジを装置本体に装着した初期の状態を示す縦断面図である。図17(B)は、トナーカートリッジを装置本体に装着途中の状態を示す縦断面図である。なお、装着した初期の状態とは、本体側溝140内に第1突起部471のみが挿入され、第2突起部472は本体側溝140内に挿入されていない状態を指す。装着途中の状態とは、本体側溝140内に第1突起部471と第2突起部472とが挿入されている状態を指す。
本実施形態の第2突起部472は、図17(A)に示すように第1突起部471より寸法Lだけ外方へ突出している。なお、本体側溝140は、第2突起部472を挿入可能な深さに形成されている。
したがって、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着した初期において、図17(A)に示すように第1突起部471と本体側溝140との間に隙間C2が形成されるので、トナーカートリッジ30の初期装着操作がし易くなる。隙間C2は、上記した寸法Lと略同じである。
また、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着途中においては、図17(B)に示すように第2突起部472は、本体側溝140と接触しており隙間が無い。したがって、第2突起部472は、容器本体31が第1突起部471を軸に回転することを規制できる。なお、第1突起部471は、本体側溝140内の装着方向の下方側に設けられた段部141と接触して隙間が無い状態となっている。
上記してきたように、本実施形態のトナーカートリッジ30を構成する被当接部63は、当接部HTが被当接部63から離れる位置への移動を規制する規制部材64を有する構成とした。
したがって、トナーカートリッジ30を装置本体100へ装着する際、当接部HTに座屈荷重が加わって撓みが生じても、規制部材64により当接部HTが被当接部63から離れる位置へ移動することを規制するので、被当接部63は当接部HTと接触できる。
また、本実施形態のトナーカートリッジ30を構成するギヤカバー47は、容器本体31を位置決めする第1突起部の他に、容器本体31の回転を規制する第2突起部を備える構成とした。
したがって、第2突起部472により、容器本体31が回転して傾いてしまうことを防止して、被当接部63と当接部HTとを接触させることができる。
更に、本実施形態のトナーカートリッジ30を構成する第2突起部472は、第1突起部471より寸法Lだけ外方へ突出する形状を有している。したがって、トナーカートリッジ30を装置本体100へ装着する装着初期時においては、第1突起部471と本体側溝140との間に隙間C2に形成されるため、トナーカートリッジ30の装着がし易い。
また、トナーカートリッジ30を装置本体100に装着する途中においては、第2突起部472は、本体側溝140と接触して隙間が形成されない。そのため、第2突起部472は、容器本体31の回転を規制でき、被当接部63と当接部HTとを接触させることができる。
即ち本実施形態のトナーカートリッジ30及び画像形成装置は、上記した各構成を有している故に、被当接部63と当接部HTとを確実に接触させて、外側シャッター33を開く方向へ回転させることができる。
以上のとおり、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に制限されるものではない。また、本発明は、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。