JP4289745B2 - 電磁切換弁の駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は油圧回路等の液圧回路に用いられる電磁切換弁を駆動する駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
液圧装置には、弁ボディ内に摺動可能に挿入され、スプリングによって中立状態に付勢されるスプールを、電磁ソレノイドの励磁により、プッシュピンを介して押圧して移動させ、液圧回路の流路を切り換える電磁切換弁が多く使用されている。
【0003】
このような電磁切換弁は、図11に示すようなJIS記号で表わされ、(a)は電磁ソレノイドSOLが弁ボディの片側にある2位置切り換えの電磁切換弁、(b)は電磁ソレノイドSOLが弁ボディの両側にある3位置切り換えの電磁切換弁である。
【0004】
この種の電磁切換弁の従来の駆動回路には、図7及び図9に示すようなものがある。これらは、電磁ソレノイドが弁ボディの片側にある電磁切換弁を駆動する例であるが、電磁ソレノイドが弁ボディの両側にある電磁切換弁を駆動する場合は、コントロール回路以外の回路をもう一組設ければよい。
【0005】
図7に示す駆動回路は基本的なものであり、電圧Vccの電源端子1と0V端子2の間に、電磁切換弁の電磁ソレノイド3とnチャネルMOS FET によるスイッチング素子4とを直列に接続し、電磁ソレノイド3に並列にサージアブソーバであるバリスタ5を接続している。そして、スイッチング素子4のゲートにコントロール回路6が出力するスイッチ制御信号SW1を印加する。
【0006】
コントロール回路6は、外部から与えられる図8の(a)に示すような励磁指令に応じて、同図の(b)に示すように、励磁指令がONの間中ONになるスイッチ制御信号SW1を出力し、スイッチング素子4をONにし続ける。したがって、電磁ソレノイド3には、同図の(c)に示すようなソレノイド電流isが流れ、スプールの切換完了後も電源電圧Vccによる定格のソレノイド電流isが流れ続ける。
【0007】
そして、励磁指令がOFFになると、スイッチ制御信号SW1もOFFになり、電磁ソレノイド3への電圧印加を断ち、電磁ソレノイド3に逆起電圧が発生するがそれはバリスタ5に吸収され、ソレノイド電流isは図8の(c)に示すように急速に0になる。
【0008】
ところで、電磁切換弁の切換時間短縮のためには、電磁ソレノイドの駆動力の増加、あるいはスプール等の可動物の質量低減が必要である。
しかし、スプール等の可動物の質量は、その機械的性質の要求から低減が困難であるので、電磁ソレノイドの駆動力の増加が一般に採られる方法である。
電磁ソレノイドの駆動力を増加させると、ソレノイドの大型化や消費電力の増加を招くことになる。
【0009】
ことに、図7に示したような駆動回路では、上述のようにスプールの切換完了後も電源電圧Vccによる定格のソレノイド電流isが流れ続けるが、切換完了状態では、スプールをスプリングの付勢力に抗して切換状態に保つために必要な電力より大きな電力が電磁ソレノイドに印加され続けることになり、その印加電力の殆どがジュール熱となって放熱されてしまい、無駄な電力を消費していた。
【0010】
そこで、図7におけるバリスタ5に代えて、図9に示すように還流ダイオード7を電磁ソレノイド3に並列に接続し、コントロール回路6によって、図10に示すように制御することが行われている。
すなわち、励磁指令がONになると、スイッチ制御信号SW1をONにしてスイッチング素子4をONにし、電磁ソレノイド3に所定時間だけ定格電流を流してスプールを切り換え、切換完了後はスプールが切換状態を保つために充分なソレノイド吸引力となるように、スイッチ制御信号SW1をパルス幅変調(PWM)し、スイッチング素子4を高速でON/OFFさせ、電磁ソレノイド3に流す電流isをPWM制御して、消費電力を低減する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電磁切換弁の駆動回路にあっては、PWM制御時には、スイッチング素子4がOFFの期間は電磁ソレノイド3に流れ続けようとする電流を還流ダイオード7を経由して還流させている。
【0012】
そのため、電磁ソレノイドの励磁をOFFにするときには、還流ダイオード7を通して還流するソレノイド電流がゼロになるまでに、そのソレノイド電流による磁気エネルギーをコイル抵抗でジュール熱として消費しきるだけの時間がかかり、図10の(c)に示すように、励磁指令がOFFになってからソレノイド電流isがゼロになるまでに時間遅れτが生じ、電磁ソレノイドをOFFにした時の切換速度が遅くなるという問題がある。
【0013】
この発明は、従来の電磁切換弁の駆動回路におけるこのような問題を解決するためになされたものであり、電磁ソレノイドの大型化や消費電力の増加を招かずに、電磁切換弁の切換速度の高速化を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、弁ボディ内に摺動可能に挿入されたスプールを、電磁ソレノイドの励磁による駆動力によって移動させて流路を切り換える電磁切換弁の駆動回路を、次のように構成したものである。
電源の両端子間に、電磁ソレノイドと第1のスイッチング素子とを直列に接続し、その電磁ソレノイドに、還流ダイオードと第2のスイッチング素子との直列回路と、サージアブソーバとをそれぞれ並列に接続する。
【0015】
そして、励磁指令がONの間だけ上記第2のスイッチング素子をONにし、励磁指令がONになってからスプールによる切り換えが完了するまでは上記第1のスイッチング素子をONにし続け、その後励磁指令がOFFになるまでは第1のスイッチング素子を所定の周期でON/OFFして電磁ソレノイドに流れる電流をパルス幅変調制御するコントロール回路を設ける。
【0016】
また、弁ボディ内に摺動可能に挿入されたスプールを、その両側に設けた第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノイドのいずれか一方の励磁による駆動力によって移動させて流路を切り換える電磁切換弁の駆動回路を、次のように構成する。
【0017】
電源の両端子間に、上記第1の電磁ソレノイドと第3のスイッチング素子との直列回路、上記第2の電磁ソレノイドと第4のスイッチング素子との直列回路、還流ダイオードと第2のスイッチング素子との直列回路、及びサージアブソーバをそれぞれ並列に接続した回路と、第1のスイッチング素子とを直列に接続する。
さらに、上記第1の電磁ソレノイドと第3のスイッチング素子との接続点、及び上記第2の電磁ソレノイドと第4のスイッチング素子との接続点と、上記電源の上記第1のスイッチング素子側の端子との間にそれぞれ保護ダイオードを接続する。
【0018】
そして、励磁指令がONの間だけ上記第3のスイッチング素子又は第4のスイッチング素子のいずれか一方と、上記第2のスイッチング素子をONにし、励磁指令がONになってからスプールによる切り換えが完了するまでは上記第1のスイッチング素子をONにし続け、切換完了後励磁指令がOFFになるまでは第1のスイッチング素子を所定の周期でON/OFFして、上記第1又は第2の電磁ソレノイドに流れる電流をパルス幅変調制御するコントロール回路を設ける。
【0019】
この発明による電磁切換弁の駆動回路は、スプールの移動による切換完了までは電磁ソレノイドに定格電流を流してスプールを駆動し、切換完了後はスプールが切換状態を保つために充分なソレノイド吸引力となるように、PWM制御により電磁ソレノイドに流れる電流を低減する。そのPWM制御により電磁ソレノイドへの電圧印加がOFFになる期間は、電磁ソレノイドのコイルに蓄えられた磁気エネルギーによる電流を還流ダイオードを経由して再びコイルへ流す。
【0020】
そして、電磁ソレノイドの励磁を解除した時には、還流ダイオードを経由する還流回路を断って電磁ソレノイドに逆起電力を生じさせ、そのコイルに蓄えられた磁気エネルギーをバリスタ等のサージアブソーバで吸収することによりソレノイド電流を素早く低減させ、応答遅れが生じないようにする。
このようにして、消費電力の低減と高速切換(高応答)を両立させることができる。
【0021】
なお、電磁ソレノイドにコイル抵抗が通常の1/2から1/4程度のソレノイドを用いることにより、コイル・インダクタンスに起因する起電力の応答が速くなり、切換時間をより短縮することができる。
【0022】
【実施形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による電磁切換弁の駆動回路の第1の実施例を示す回路図である。これは、図7及び図9に示した従来例と同様に、弁ボディの片側に電磁ソレノイドを設けた電磁切換弁の駆動回路であり、図7及び図9と対応する部分には同一の符号を付している。
【0023】
まずその構成を説明すると、電圧Vccの電源端子1と0V端子2の間に、電磁切換弁の電磁ソレノイド3とnチャネルMOS FET (電界効果トランジスタ)によるスイッチング素子(以下「第1のスイッチング素子」という)4とを直列に接続する。さらに、その電磁ソレノイド3に、還流ダイオード7とpチャネルMOS FET による第2のスイッチング素子9との直列回路と、サージアブソーバであるバリスタ5とをそれぞれ並列に接続する。
【0024】
そして、制御指令に応じて第1,第2のスイッチ制御信号SW1,SW2を出力するコントロール回路10を設け、その第1のスイッチ制御信号SW1を第1のスイッチング素子4のゲートに印加し、第2のスイッチ制御信号SW2を第2のスイッチング素子9のゲートに印加する。
【0025】
次に、図2の波形図を参照してこの実施形態の作用を説明する。
コントロール回路10は、図2の(a)に示す励磁指令がON(ハイレベル)になると、そのONの間中同図の(c)に示すように第2のスイッチ制御信号SW2をON(ハイレベル)にして、第2のスイッチング素子9をONにする。
【0026】
また、第1のスイッチ制御信号SW1は、同図の(b)に示すように、励磁指令がONになってからスプールによる切り換えが完了するまでの所定時間はON(ハイレベル)になり、第1のスイッチング素子4をONにして電磁ソレノイドに定格電流を流す。その後、励磁指令がOFFになるまでは高速でON/OFFを繰り返し、第1のスイッチング素子4を所定の周期でON/OFFし、電磁ソレノイド3に流れる電流isをパルス幅変調(PWM)制御する。
【0027】
なお、第1のスイッチング素子4がOFFの期間は、電磁ソレノイド3にそのコイル・インダクタンスによって流れ続けようとする電流が、第2のスイッチング素子9および還流ダイオード7を経由して還流するため、電磁ソレノイド3は励磁状態を維持する。
【0028】
また、コントロール回路10による第1のスイッチ制御信号SW1の切り換えは、スプールによる切り換えが完了するまでの時間を予め実験によって求め、それより幾分長い時間を設定しておき、第1のスイッチ制御信号SW1をON信号の立上りからその予め設定した所定時間経過後に高速のON/OFF信号に切り換えるようにすることができる。
【0029】
あるいは、電磁切換弁に切換完了を検知するセンサを設けておき、その検知信号をコントロール回路10に入力させ、それによってコントロール回路10が、第1のスイッチ制御信号SW1をON信号から高速でのON/OFF信号に切り換えるようにすればなおよい。
【0030】
このように、電磁ソレノイド3を起動してから設定時間経過後または切換完了が確認された後は、電磁ソレノイド3に流す電流をPWM制御することにより、見かけ上、Vcc×Ton/(Ton+Toff)となる電圧を電磁ソレノイド3に印加することになり、電磁ソレノイド3による消費電力の低減を図ることができる。(但し、Vcc:電源電圧、Ton:第1のスイッチング素子4のON時間、Toff:第1のスイッチング素子4のOFF時間)
【0031】
そして、励磁指令が解除される(OFFになる)と、第1のスイッチ制御信号SW1がOFF(ローレベル)になり、第1のスイッチング素子4をOFFにして、電磁ソレノイド3への電圧印加を断つ。また、第2のスイッチ制御信号SW2も同時にOFFになり、第2のスイッチング素子9がOFFになるため、還流ダイオード7を経由しての電流の還流も停止し、電磁ソレノイドの両端に逆起電圧が生じて急速に電流の流れを止める。その逆起電圧は、サージアブソーバであるバリスタ5によって吸収され、第1,第2のスイッチング素子4,9が過電圧から保護される。
【0032】
したがって、電磁ソレノイド3に流れるソレノイド電流isの波形は、図2の(d)に示すようになる。
このように、この実施形態によれば、電磁ソレノイドの起動後、電磁切換弁の切換完了までの短時間は定格電流を流してスプールを高速で駆動し、切換完了後はスプールが切換状態を保つために充分なソレノイド吸引力となるように、電磁ソレノイドに流れる電流をPWM制御することにより、ソレノイド電流を低減して電力消費量を節減することができる。
【0033】
その、PWM制御による電流低減時には、電磁ソレノイド3への電圧印加がOFFになったとき、ソレノイド電流を還流ダイオード7を経由して再び電磁ソレノイド3へ還流させて、その励磁状態を維持する。
そして、電磁ソレノイド3をOFFにした時には、還流ダイオード7による還流回路も断ち、電磁ソレノイド3に逆起電圧を生じさせ、ソレノイド電流を素早く低減させ、高速応答を実現することができる。
【0034】
さらに、電磁ソレノイドにコイル抵抗の低いソレノイドを使用することによりコイル・インダクタンスによる電流応答の遅れを減少し、励磁時の電流応答が速く切換時間の短い電磁弁とすることが可能になる。しかし、電磁ソレノイドに電源電圧を印加し続けると、ジュール熱によりコイル温度が上昇して焼損の恐れがあるが、PWM制御をすることにより、ソレノイド電流の電流値を低減させ、焼損を防ぎつつ高応答を可能にすることができる。
コイル抵抗Rの小さなソレノイドは、W=Vcc2/Rにより消費電力が増すが、切換完了後にはPWM制御によって印加電圧の実効値を低減するので、発熱を抑制することができる。
【0035】
図3は、この発明による電磁切換弁の駆動回路の第2の実施形態を示す回路図である。この実施形態は、第1のスイッチング素子14をpチヤネルMOS FET にして、電圧Vccの電源端子1と電磁ソレノイド3との間に接続した点と、第2のスイッチング素子19をnチヤネルMOS FET にした点が、図1に示した第1の実施形態と相違するだけである。
【0036】
コントロール回路10の機能も前述の第1の実施形態と同様であり、励磁指令に対する第1,第2のスイッチ制御信号SW1,SW2の波形、及びソレノイド電流isの波形も、図2の(a)乃至(d)に示したのと同じであるから、その動作ならびに作用・効果等の説明は省略する。
【0037】
図4は、この発明による電磁切換弁の駆動回路の第3の実施形態を示す回路図である。この実施形態は、弁ボディ内に摺動可能に挿入されたスプールを、その両側に設けた第1の電磁ソレノイド3aと第2の電磁ソレノイド3bのいずれか一方の励磁による駆動力によって移動させて流路を切り換える電磁切換弁の駆動回路に、この発明を実施したものである。
【0038】
すなわち、電圧Vccの電源端子1と0V端子2との間に、第1の電磁ソレノイド3aと第3のスイッチング素子15aとの直列回路、第2の電磁ソレノイド3bと第4のスイッチング素子15bとの直列回路、還流ダイオード7と第2のスイッチング素子9との直列回路、及びサージアブソーバであるバリスタ5をそれぞれ並列に接続した回路と、第1のスイッチング素子4とを直列に接続する。
第1のスイッチング素子4はnチャネルMOS FET 、第2から第4の各スイッチング素子9,15a,15bはpチャネルMOS FET である。
【0039】
さらに、第1の電磁ソレノイド3aと第3のスイッチング素子15aとの接続点、及び第2の電磁ソレノイド3bと第4のスイッチング素子15bとの接続点と、電源の第1のスイッチング素子側の端子である0V端子2との間に、それぞれ保護ダイオード16a,16bを接続している。
【0040】
コントロール回路20は、図5の(a)及び(b)に示すように、励磁指令aがON(ハイレベル)になると、そのONの間だけ第3のスイッチ制御信号SWaをON(ハイレベル)にして、第3のスイッチング素子15aをONにする。また、励磁指令bがON(ハイレベル)になると、そのONの間だけ第4のスイッチ制御信号SWbをON(ハイレベル)にして、第4のスイッチング素子15bをONにする。
【0041】
また、図5の(d)に示すように、励磁指令a又bがONの間は、第2のスイッチ制御信号SW2もON(ハイレベル)にして、第2のスイッチング素子9をONにする。
【0042】
さらに、同図(c)に示すように、励磁指令a又はbがONになってからスプールによる切り換えが完了するまでの所定時間あるいは切換完了を確認するまで、第1のスイッチ制御信号SW1をON(ハイレベル)にして、第1のスイッチング素子4をONにし、第1の電磁ソレノイド3aまたは第2の電磁ソレノイド3bに定格電流を流す。切換完了後、励磁指令a又はbがOFFになるまでは、第1のスイッチ制御信号SW1を高速でON/OFFさせ、第1のスイッチング素子4を所定の周期でON/OFFさせて、第1の電磁ソレノイド3a又は第2の電磁ソレノイド3bに流れるソレノイド電流をPWM制御する。
【0043】
その間の第1のスイッチング素子4がOFFの期間は、第1の電磁ソレノイド3a又は第2の電磁ソレノイド3bにそのコイル・インダクタンスによって流れ続けようとするソレノイド電流を、第2のスイッチング素子9及び還流ダイオード7を経由して還流させ、第1の電磁ソレノイド3a又は第2の電磁ソレノイド3bの励磁状態を維持する。
【0044】
そして、励磁指令a又はbがOFF(ローレベル)になると、全てのスイッチ制御信号がOFF(ローレベル)になり、第1乃至第4のスイッチング素子4,9,15a,15bが全てOFFになるので、第1の電磁ソレノイド3a又は第2の電磁ソレノイド3bへの電圧印加が断たれ、還流ダイオード7を経由する還流回路も断たれるので、第1の電磁ソレノイド3a又は第2の電磁ソレノイド3bに逆起電圧が発生し、図5の(e)に示すようにソレノイド電流が急速に減少する。また、その逆起電圧は、保護ダイオード16a又は16b及び電源を通してサージアブソーバであるバリスタ5に吸収され、各スイッチング素子が過電圧から保護される。
【0045】
図6は、この発明による電磁切換弁の駆動回路の第4の実施形態を示す回路図である。この実施形態も、弁ボディの両側に電磁ソレノイドを設けた電磁切換弁の駆動回路にこの発明を適用したものであり、図3及び図4と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0046】
この図6に示す電磁切換弁の駆動回路においては、第1のスイッチング素子14をpチャネルのMOS FET にし、第3,第4のスイッチング素子25a,25bをnチャネルのMOS FET にして、いずれも電源端子1,2に対する接続関係を図4に示した駆動回路と逆にすると共に、第2のスイッチング素子19をnチャネルのMOS FET にした点が、図4に示した駆動回路と相違するだけである。
【0047】
コントロール回路20の機能も前述の第3の実施形態と同様であり、励磁指令a又はbに対する第1乃至第4のスイッチ制御信号SW1,SW2,SWa,SWbの波形、およびソレノイド電流の波形も、図5の(a)乃至(e)に示したのと同じであるから、その動作ならびに作用・効果等の説明は省略する。
【0048】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による電磁切換弁の駆動回路を用いれば、電磁ソレノイドによる消費電力を低減でき、しかも切換時の高速応答が可能になる。ソレノイドの励磁指令が解除されたときには還流ダイオードの電流通過を止め、サージアブソーバの設定電圧まで逆起電圧を発生させて、ソレノイドの消磁を早めることにより、消費電力の低減と高速消磁とを実現できる。
さらに、負荷となる電磁ソレノイドに、コイル抵抗の低いもの(通常のコイル抵抗の1/2から1/4程度)を使用することにより、コイル・インダクタンスに起因する起電力の応答が速くなり、切換完了までに要する時間が一層短縮され、且つ消費電力の少ない電磁弁を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電磁切換弁の駆動回路の第1の実施形態を示す回路図である。
【図2】同じくそのコントロール回路の入出力信号とソレノイド電流の波形図である。
【図3】この発明による電磁切換弁の駆動回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【図4】この発明による電磁切換弁の駆動回路の第3の実施形態を示す回路図である。
【図5】同じくそのコントロール回路の入出力信号とソレノイド電流の波形図である。
【図6】この発明による電磁切換弁の駆動回路の第4の実施形態を示す回路図である。
【図7】従来の電磁切換弁の駆動回路の基本例を示す回路図である。
【図8】同じくそのコントロール回路の入出力信号とソレノイド電流の波形図である。
【図9】従来の電磁切換弁の駆動回路の改善例を示す回路図である。
【図10】同じくそのコントロール回路の入出力信号とソレノイド電流の波形図である。
【図11】電磁切換弁のJIS記号を示す図である。
【符号の説明】
1:電源端子 2:0V端子
3,3a,3b:電磁ソレノイド
4,14:第1のスイッチング素子
5:バリスタ(サージアブソーバ)
7:還流ダイオード
9,19:第2のスイッチング素子
10,20:コントロール回路
16a,16b:保護ダイオード
15a,25a:第3のスイッチング素子
15b,25b:第4のスイッチング素子
Claims (2)
- 弁ボディ内に摺動可能に挿入されたスプールを、電磁ソレノイドの励磁による駆動力によって移動させて流路を切り換える電磁切換弁の駆動回路であって、
電源の両端子間に、前記電磁ソレノイドと第1のスイッチング素子とを直列に接続し、その電磁ソレノイドに、還流ダイオードと第2のスイッチング素子との直列回路と、サージアブソーバとをそれぞれ並列に接続し、
励磁指令がONの間だけ前記第2のスイッチング素子をONにし、前記励磁指令がONになってから前記スプールによる切り換えが完了するまでは前記第1のスイッチング素子をONにし続け、その後前記励磁指令がOFFになるまでは該第1のスイッチング素子を所定の周期でON/OFFして前記電磁ソレノイドに流れる電流をパルス幅変調制御するコントロール回路を設けたことを特徴とする電磁切換弁の駆動回路。 - 弁ボディ内に摺動可能に挿入されたスプールを、その両側に設けた第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノイドのいずれか一方の励磁による駆動力によって移動させて流路を切り換える電磁切換弁の駆動回路であって、
電源の両端子間に、前記第1の電磁ソレノイドと第3のスイッチング素子との直列回路、前記第2の電磁ソレノイドと第4のスイッチング素子との直列回路、還流ダイオードと第2のスイッチング素子との直列回路、及びサージアブソーバをそれぞれ並列に接続した回路と、第1のスイッチング素子とを直列に接続し、前記第1の電磁ソレノイドと第3のスイッチング素子との接続点、及び前記第2の電磁ソレノイドと第4のスイッチング素子との接続点と、前記電源の前記第1のスイッチング素子側の端子との間にそれぞれ保護ダイオードを接続し、
励磁指令がONの間だけ前記第3のスイッチング素子又は第4のスイッチング素子のいずれか一方と、前記第2のスイッチング素子をONにし、前記励磁指令がONになってから前記スプールによる切り換えが完了するまでは前記第1のスイッチング素子をONにし続け、切換完了後前記励磁指令がOFFになるまでは該第1のスイッチング素子を所定の周期でON/OFFして、前記第1又は第2の電磁ソレノイドに流れる電流をパルス幅変調制御するコントロール回路を設けたことを特徴とする電磁切換弁の駆動回路。
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