JP4289531B2 - 球技練習用投球機 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、野球やソフトボールの打撃練習や捕球練習等における球技練習用投球機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記球技練習用投球機には、従来、特開平8‐276045号公報の特に図6,7で示されたものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、上記投球機の投球機本体は、グランド上に設置される支持体と、互いに平行な軸心回りにそれぞれ回転自在となるよう上記支持体に支承される一対の入力軸と、これら各入力軸と同じ軸心上でこれら各入力軸に固定される一対の回転輪と、上記各入力軸と平行な出力軸を有し上記支持体に支持されて上記各回転輪を回転駆動可能とさせる電動機と、上記各入力軸および出力軸にそれぞれ固定されるプーリーと、これらプーリーに巻き掛けられて上記両入力軸と共に上記両回転輪を互いに逆回転させるようこれら両回転輪に上記電動機の動力を伝達する無端ベルトと、上記両回転輪の外周面の間の加速空間の後方に配設され、この加速空間に球を供給可能とするガイド手段とを備えている。
【0004】
また、上記支持体は箱形とされ、この支持体の内部空間に上記電動機、各プーリー、および無端ベルトが配設されて、雨水からの保護が図られている。
【0005】
そして、上記ガイド手段を通し、上記加速空間に供給された球は、互いに逆回転する上記両回転輪の外周面に挟まれて前方に向って加速され、投球される。例えば、野球やソフトボールの打撃練習では、打者の打撃ゾーンに向って上記投球機により球が投球され、この球が打撃される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、各入力軸と出力軸とはこれらの軸方向で互いに逆方向に向って突出させられ、その各突出端部に上記各プーリーがそれぞれ固定されている。このため、投球機の組立時や保守時に上記各プーリーに対し無端ベルトを巻き掛けようとするときには、この巻き掛け作業に、上記電動機の本体が邪魔になって、上記作業が煩雑になるおそれがある。
【0007】
しかも、上記支持体の内部空間には電動機の全体が配設されていることから、その分、上記内部空間が深くなり、このため、上記支持体の内部空間での上記無端ベルトの巻き掛け作業は、その自由度が制限されて更に煩雑になるおそれがある。
【0008】
また、上記投球機は部品点数が多いために、これら部品を単に配設すると、投球機の外形が大形になって、この投球機の持ち運びが煩雑になるおそれがある。
【0009】
また、上記電動機の本体を加減速など制御する制御手段を設ける場合、この制御手段は外力によって比較的破損し易いものである。このため、例えば、打撃された球がこの制御手段に衝突しないようにするなど、この制御手段に無意図的な外力が与えられないようこの制御手段を保護することが望まれる。
【0010】
更に、上記両回転輪を支承する支持体の強度が不足すると、上記両回転輪による投球の精度が不十分になるおそれがある。
【0011】
また、投球機の外形が大形にならないようその各部品をコンパクトに配設しようとすると、上記ガイド手段に球を投入する操作が、他の部品に邪魔されて煩雑になるおそれが生じ、つまり、投球機への球の供給操作が煩雑になるおそれが生じる。
【0012】
また、球技におけるソフトボールでは、投手はアンダースローであって、その投球された球の当初位置(以下、これを「投球位置」という)はグランドに近いため、このソフトボールの打撃練習をする場合の投球機は、その投球機本体の高さが低くされたものが用いられる。
【0013】
一方、野球の打撃練習では、比較的高い位置の「投球位置」が求められるため、この野球の打撃練習をする場合の投球機はその投球機本体の高さを高くする必要がある。
【0014】
このため、上記各球技の練習に、投球機本体の高さが同じである投球機を兼用させることはし難く、それぞれに高さが異なる投球機本体を備えた投球機を準備する必要があるという問題点がみられた。
【0015】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、投球機の投球機本体が、両外周面の間に球を挟んでこの球を投球可能とする両回転輪と、これらを駆動可能とする電動機と、この電動機の動力をプーリーを介し上記両回転輪に伝達する無端ベルトとを備えた場合に、この無端ベルトを各プーリーに組み付ける際の作業が容易にできるようにすることを課題とする。
【0016】
また、投球機の外形を小形にさせてその持ち運びが容易にできるようにすることを課題とする。
【0017】
また、電動機の本体を制御する制御手段を設ける場合、この制御手段に無意図的な外力が与えられないようにして、この制御手段が破損しないようにすることを課題とする。
【0018】
更に、上記支持体の強度を簡単な構成で向上させて、この支持体に支承された両回転輪による投球の精度を向上させることを課題とする。
【0019】
また、投球機が、上記両回転輪の外周面の間の加速空間に球を案内して供給するガイド手段を備えた場合に、上記投球機の小形化のためにその各部品をコンパクトに配設したとしても、上記投球機への球の供給操作が容易にできるようにすることを課題とする。
【0020】
また、各種球技の練習において、それぞれ異なる高さの「投球位置」が求められる場合、これら各種球技の練習に投球機が兼用されるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成されるようにすることを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の球技練習用投球機は、次の如くである。
【0022】
請求項1の発明は、投球機本体5が、グランド3上に設置される支持体11と、互いに平行な軸心17,18回りにそれぞれ回転自在となるよう上記支持体11に支承される一対の入力軸20,21と、これら各入力軸20,21と同じ軸心17,18上でこれら各入力軸20,21に固定される一対の回転輪22,23と、上記各入力軸20,21と平行な出力軸28を有し上記支持体11に支持されて上記各回転輪22,23を回転駆動可能とさせる電動機25と、上記各入力軸20,21および出力軸28にそれぞれ固定されるプーリー30,31,32と、これらプーリー30,31,32に巻き掛けられて上記両入力軸20,21と共に上記両回転輪22,23を互いに逆回転Cさせるようこれら両回転輪22,23に上記電動機25の動力を伝達する無端ベルト36と、上記両回転輪22,23の外周面の間の加速空間38の後方に配設され、この加速空間38に球2を供給可能とするガイド手段39とを備え、上記加速空間38に供給された球2が、互いに逆回転Cする上記両回転輪22,23の外周面に挟まれて前方に向って加速され、投球されるようにした球技練習用投球機において、
【0023】
上記各入力軸20,21と出力軸28とをこれらの軸方向で互いに同じ方向に向って突出させ、これら各突出端部に上記プーリー30,31,32をそれぞれ固定し、
【0024】
上記両回転輪22,23を鉛直方向に並べて設け、上記ガイド手段39を後上がり状に傾斜させ、このガイド手段39に投入された球2がこのガイド手段39を転動して上記加速空間38に供給されるようにし、上記両回転輪22,23のうち、下側の回転輪23の後方で、上記ガイド手段39の下方に上記電動機25の本体26を配設し、かつ、この電動機25の本体26を制御する制御手段44を上記電動機25の本体26とガイド手段39との間に配設し、
【0025】
上記ガイド手段39への球2の投入部分41を上記制御手段44よりも後方に位置させたものである。
【0026】
請求項2の発明は、図6〜9で例示するように、請求項1の発明に加えて、上下方向での上記グランド3と投球機本体5との間に挿抜自在に挿入されて、上面側に上記投球機本体5を着脱自在に支持する持ち上げ台51を備えたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
【0029】
図1〜5は、第1の実施の形態を示している。
【0030】
図において、符号1は投球機で、図中矢印Frはこの投球機1による球2の投球方向の前方を示している。
【0031】
上記投球機1は野球や、ソフトボール等の球技の打撃練習や捕球練習等の球技練習に用いられるものである。
【0032】
上記投球機1は、練習用のグランド3上に設置されてその任意位置にまで移動自在とされる台車4と、この台車4に支持されて打者の打撃ゾーン等に向うよう前方に上記球2を投球可能とする投球機本体5とを備えている。
【0033】
上記台車4は、上記投球機本体5をその上面側で支持する基台7と、この基台7の前部に支承される車輪装置8と、上記基台7の後部に支持されグランド3への上記車輪装置8の接地点を中心として上記基台7の後部を昇降自在とさせるねじ式の昇降装置9と、この昇降装置9の下端部に縦向きの軸心回りに回動自在に支持されて上記グランド3に食い込むようように接地させられるストッパ10とを備え、これら車輪装置8、昇降装置9、およびストッパ10によって上記基台7と共に投球機本体5がグランド3上の所定位置に設置されている。上記昇降装置9のボルトのねじ回し操作により、上記基台7と共に投球機本体5の後部を昇降させれば、この投球機本体5の傾きが調整自在とされる。
【0034】
上記車輪装置8は、上記基台7の前部下面に締結具8aにより着脱自在に締結される支承フレーム8bと、この支承フレーム8bに投球機1の幅方向、これを換言すれば、投球機1による球2の投球方向に直交する水平方向(以下、これを「幅方向」という)に延びる軸心回りに回転自在に支承され上記グランド3上に接地される左右一対の車輪8c,8cとを備えている。
【0035】
上記投球機本体5は、上記基台7上に支持される板金製で箱形状の支持体11を備えている。この支持体11は、上記「幅方向」の寸法が、上記投球方向での前後寸法と高さ寸法とに比べて小さい偏平な箱形状とされている。
【0036】
上記「幅方向」での一側方Aと他側方Bのうち、上記支持体11の一側方Aの部分を構成する一側部12は、他側方Bに向って開く開口12aを有する直方体の容器形状とされ、上記支持体11の他側方Bの部分を構成する他側部13は上記一側部12の開口12aを開閉自在に閉じる平坦なカバー板形状の他側部13とされている。また、上記一側部12に他側部13を着脱自在に締結する締結具14が設けられている。この締結具14への弛緩操作により、上記一側部12から他側部13を取り外せば(図3中二点鎖線)、上記支持体11の内部空間15のほぼ全体が上記開口12aを通して上記支持体11の他側方Bに向って開かれるようになっている。
【0037】
上記投球機本体5は、各軸心17,18が上記「幅方向」に向って互いに平行に延び、これら各軸心17,18回りにそれぞれ回転自在となるようそれぞれ一対の軸受19,19を介して上記支持体11の一側部12に支承される上下一対の入力軸20,21と、これら各入力軸20,21と同じ軸心17,18上でこれら各入力軸20,21に固定される上下一対の回転輪22,23とを備えている。
【0038】
上記の場合、各軸受19,19はピローブロックであり、これらは上記各入力軸20,21の軸方向で上記一側部12を挟み付けるようにしてこの一側部12に締結具で支持されている。また、上記各入力軸20、21の一端部は、上記一側部12から上記一側方Aに向って突出させられ、その各突出端部に上記各回転輪22,23が固定されている。また、これら各回転輪22,23は、鉛直方向に並べて設けられ、これら各回転輪22,23の外周面を含む外周部分は摩擦係数の大きいゴム製の弾性材で構成されている。
【0039】
上記投球機本体5は、上記各入力軸20,21と、これら各入力軸20,21に連動する各回転輪22,23とを共に回転駆動可能とさせる電動機25を備えている。この電動機25は上記一側部12に支持される本体26と、上記軸心17,18と平行な軸心27を有し上記本体26に支承されてこの本体26からの動力を出力する出力軸28とを備えている。
【0040】
上記各入力軸20,21の他端部と出力軸28とはそれぞれその軸方向(「幅方向」)で互いに同じ方向(他側方B)に向って突出させられ、これら各突出端部にV溝形状のプーリー30,31,32がそれぞれ固定されている。
【0041】
また、上記投球機本体5は、上記各プーリー30,31,32に対応するよう上記一側部12に支軸33を介し支承されるV溝形状のテンションプーリー34を備え、このテンションプーリー34をその径方向の一方向に向って付勢するばねである付勢手段35が設けられている。上記支軸33は、上記各軸20,21,28と平行で、これらの突出端部と同じ方向(他側方B)に向って突出させられ、上記支軸33の突出端部に上記テンションプーリー34が固定されている。
【0042】
上記投球機本体5は、上記各プーリー30,31,32とテンションプーリー34とに着脱自在に巻き掛けられ、上記付勢手段35の付勢力がテンションプーリー34を介し与えられて緊張させられる無端ベルト36を備えている。この無端ベルト36は、上記両入力軸20,21と共に上記両回転輪22,23を互いに逆回転Cさせるようこれら両回転輪22,23に上記電動機25の動力を伝達する。
【0043】
上記投球機本体5は、上記両回転輪22,23の外周面の間の加速空間38の後方に配設されてこの加速空間38に球2を供給可能とするガイド手段39を備えている。このガイド手段39は上記支持体11の一側部12に締結具40により着脱自在に締結されている。上記ガイド手段39は後上がり状に傾斜させられ、このガイド手段39に球2を投入可能とさせる投入部分41が上記ガイド手段39の後端部に形成されている。上記投入部分41を通しガイド手段39に投入された球2は、上記ガイド手段39を自重により転動して上記加速空間38に案内され(図1中矢印D)、この加速空間38に供給される。
【0044】
ここで、上記両回転輪22,23が互いに逆回転Cしておれば、上記加速空間38に供給された球2は、上記両回転輪22,23の両外周面に挟まれて前方に向って加速され、投球される(図1中矢印E)。前記昇降装置9のボルトを操作し、グランド3に対する車輪8cの接点を中心として上記台車4の基台7の後部を昇降させれば、前記のように投球機本体5の傾きが調整されて、この投球機本体5による球2の投球方向の仰角が任意に選択できる。
【0045】
上記電動機25の本体26を加減速など電子的に制御するインバータである制御手段44が設けられている。この制御手段44は直方体形状の本体45と、この本体45の一面に設けられる操作部46とを備えている。この操作部46への操作により、上記本体45を介して上記電動機25の本体26を所望状態に制御できる。
【0046】
上記電動機25の本体26と制御手段44とをその外方から一体的に覆う板金製で直方体箱形状の保護カバー48が設けられている。この保護カバー48は、上記支持体11の一側部12の外面に溶接により取り付けられている。上記保護カバー48はその後面の開口を開閉自在に閉じる開閉蓋49が設けられている。
【0047】
上記ガイド手段39内への球2の投入部分41は、上記制御手段44の本体45の後面における操作部46よりも後方に位置させられている。
【0048】
上記構成によれば、上記各入力軸20,21と出力軸28とをこれらの軸方向で互いに同じ方向に向って突出させ、これら各突出端部に上記プーリー30,31,32をそれぞれ固定している。
【0049】
このため、上記各プーリー30,31,32およびテンションプーリー34に無端ベルト36を巻き掛けようとするとき、この作業を上記各軸20,21,28,33の突出方向の外方からすれば、上記作業は、上記電動機25に邪魔されることなくできる。
【0050】
よって、上記各プーリー30,31,32およびテンションプーリー34に無端ベルト36を巻き掛ける際の作業は容易にできる。
【0051】
また、上記構成において、上記支持体11の内部空間15に上記各プーリー30,31,32、テンションプーリー34、および無端ベルト36が配設されている。また、上記回転輪22,23、電動機25の本体26、ガイド手段39、および制御手段44は上記支持体11の一側部12の上記一側方Aの外部に配設され、上記支持体11の他側部13は上記一側部12に対し着脱自在とされている。
【0052】
上記の場合、各プーリー30,31,32、テンションプーリー34、および無端ベルト36は、上記支持体11により雨水から保護される。
【0053】
そして、上記一側部12から他側部13を取り外せば(図3中二点鎖線)、上記支持体11の内部空間15は開口12aを通して他側方Bに向って開放される。
【0054】
よって、上記したように各プーリー30,31,32等を雨水から保護するようにした場合でも、上記他側部13の取り外しにより開かれた空間である開口12aを通し、上記各プーリー30,31,32とテンションプーリー34に対する無端ベルト36の取り外し(図3中二点鎖線)や、巻き掛け作業ができる。
【0055】
ここで、上記したように、支持体11は「幅方向」の寸法が、上記投球方向での前後寸法と高さ寸法とに比べて小さい偏平な箱形状であり、しかも、上記内部空間15には、両回転輪22,23や電動機25の本体26は配設されていないことから、その分、内部空間15は他側方Bの外部からみて浅くなる。
【0056】
よって、上記支持体11の他側方Bの外部から上記した各プーリー30,31,32およびテンションプーリー34に対する無端ベルト36の巻き掛け作業が、上記内部空間15でも容易にできる。
【0057】
また、上記構成において、上記両回転輪22,23のうち、下側の回転輪23の後方で、上記ガイド手段39の下方に上記電動機25の本体26を配設し、かつ、この電動機25の本体26を制御する制御手段44を上記電動機25の本体26とガイド手段39との間に配設してある。
【0058】
ここで、前記したように、加速空間38の後方に配設されるガイド手段39を後上がり状に傾斜させると、上記両回転輪22,23のうち、下側の回転輪23の後方には、上側の回転輪22の後方に比べて、より広い余剰空間が生じることとなる。
【0059】
このため、上記した下側の回転輪23の後方で、上記ガイド手段39の下側の広い余剰空間が上記電動機25の本体26と制御手段44との配設によって、有効に利用される。
【0060】
よって、上記投球機1は部品点数が多いが、上記したように広い余剰空間が有効に利用された分、投球機1の外形を小さくできて、この投球機1の持ち運びが容易にできる。
【0061】
また、上記制御手段44は、その前方から上記した下側の回転輪23で覆われ、また、その上方からガイド手段39で覆われるため、これら回転輪23やガイド手段39によって、打撃された球2が上記制御手段44に衝突することは防止される。
【0062】
よって、上記制御手段44に無意図的な外力が与えられることが防止されて、この制御手段44の破損が防止される。
【0063】
また、上記制御手段44の操作部46は、上記本体45の後面側に設けられており、このため、打撃された球2が上記操作部46に衝突することはより確実に防止されて、上記制御手段44の破損がより確実に防止される。
【0064】
また、前記したように、上記電動機25の本体26と制御手段44とをその外方から覆う箱形状の保護カバー48が設けられ、この保護カバー48が上記支持体11の一側部12に取り付けられている。
【0065】
このため、上記電動機25の本体26と制御手段44とは、上記保護カバー48により雨水や外力から保護される。
【0066】
また、上記保護カバー48は上記支持体11の一側部12に取り付けられており、ここで、上記保護カバー48は箱形状をなして強度と剛性の大きいものであるため、この保護カバー48により上記一側部12が補強される。
【0067】
よって、上記一側部12に支承されている両回転輪22,23は、上記支持体11に対し強固に支承されることとなり、その分、上記両回転輪22,23による投球の精度が向上する。
【0068】
また、上記した支持体11の一側部12の補強は、上記電動機25の本体26や制御手段44を覆う保護カバー48の利用により達成されたことから、上記支持体11の一側部12の補強は簡単な構成で向上させられる。
【0069】
また、前記したように、上記ガイド手段39への球2の投入部分41は上記制御手段44よりも後方に位置させられている。
【0070】
このため、上記投球機1の各部品は互いにコンパクトに配設されていはいるが、ガイド手段39に球2を投入する操作は上記制御手段44に邪魔されずにすることができる。
【0071】
よって、投球機1への球2の供給操作は円滑に容易にできる。
【0072】
なお、以上は図示の例によるが、各軸心17,18,27を鉛直方向に延びるようにして、上記両回転輪22,23を水平方向に並べて設けてもよい。また、上記各軸心17,18,27の角度が可変となるよう台車4に支承させてもよい。
【0073】
また、図5中の各軸受19,19に代えて、上記一側部12に締結具により支持されるケーシングと、上記入力軸20,21の各軸心17,18上で上記ケーシング内に支持される一対のベアリングとで構成してもよい。
【0074】
以下の各図は、第2、第3の実施の形態を示している。これら各実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施の形態における各部分の構成を、本発明の課題、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【0075】
(第2の実施の形態)
【0076】
図6〜8は、第2の実施の形態を示している。
【0077】
図において、投球機1は、上下方向での上記グランド3と投球機本体5との間に挿抜自在に挿入されて、上面側に上記投球機本体5を着脱自在に支持する台車である持ち上げ台51を備えている。
【0078】
上記持ち上げ台51は、上記グランド3上に設置されて、このグランド3上をその任意位置にまで移動自在とされる台車52を備えている。この台車52は、軸心53aが鉛直方向に延びる円形パイプ形状の支柱53と、この支柱53よりも前側に位置してこの支柱53にステー54を介し支承される左右一対の車輪55,55と、上記支柱53よりも後側に位置してこの支柱53に他のステー57により支持されグランド3に食い込むように接地させられるストッパ58と、上記他のステー57の後端部から後方に向けて突設され、操作者によって把持可能とされるハンドル59とを備えている。
【0079】
上記支柱53に対し他のステー57は締結具61によって着脱自在に締結され、上記他のステー57に対し上記ストッパ58およびハンドル59は他の締結具62,63によって着脱自在に締結されている。上記各締結具61,62,63を弛緩すれば、上記持ち上げ台51が各部品53,57,58,59に分解されて、持ち上げ台51の持ち運びが容易にできるようになっている。
【0080】
上記持ち上げ台51は、上記台車52の上方近傍に配設されて前後方向にほぼ水平に延びる支持台65と、この支持台65の前部から下方に突出し上記支柱53の上端部に嵌脱自在に嵌入されると共にこの支柱53に対しその軸心53a回りに回動自在とされる枢支軸66と、上記軸心53a回りでの上記枢支軸66の任意回動位置でこの枢支軸66を上記支柱53に着脱自在に固定させる締結式の固定手段67とを備えている。
【0081】
前記台車4の前部下面には前記支承フレーム8bに代えて締結具8aによりアーム69が着脱自在に締結され、このアーム69の突出端が上記支持台65の前端部に枢支軸70により枢支されている。この枢支軸70の軸心は「幅方向」に延び、この枢支軸70の軸心を中心として、上記投球機本体5の後部が上下に回動自在とされ、上記昇降装置9は上記支持台65の後端部上面に縦軸回りに回動自在に支持されている。
【0082】
上記固定手段67を弛緩操作して、上記支柱53の軸心53a回りに支持台65と共に投球機本体5を回動させると、その分、この投球機本体5による投球の方向が左右に調整可能とされる。
【0083】
上記した持ち上げ台51を備える投球機1において、上記持ち上げ台51をグランド3と投球機本体5との間に挿入させると、上記投球機本体5による「投球位置」が高くなることから、ソフトボールの打撃練習のために、「投球位置」が低い投球機本体5を備えた投球機1であっても、上記したように持ち上げ台51を挿入させれば、その「投球位置」を高くできて、野球の打撃練習にも用いることができる。
【0084】
よって、上記投球機1は、異なる高さの「投球位置」が求められる各種球技の練習に兼用できて便利である。
【0085】
しかも、上記投球機本体5による「投球位置」を高くさせることを可能としたのは、油圧式昇降手段のような構成複雑なものではなくて、持ち上げ台51という台であることから、各種球技の練習に投球機1を兼用させるということは簡単な構成で達成される。
【0086】
(第3の実施の形態)
【0087】
図9は、第3の実施の形態を示している。
【0088】
これによれば、前記第2の実施の形態における昇降装置9に代えて、投球機1の側面視で、前後に長い菱形のジャッキが用いられ、また、ストッパ58に代えて、回転を阻止可能とするストッパ付きのキャスター72が用いられている。
【0089】
上記の場合、昇降装置9は、投球機1の幅方向に長くなるよう設けてもよい。
【0090】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0091】
請求項1の発明は、投球機本体が、グランド上に設置される支持体と、互いに平行な軸心回りにそれぞれ回転自在となるよう上記支持体に支承される一対の入力軸と、これら各入力軸と同じ軸心上でこれら各入力軸に固定される一対の回転輪と、上記各入力軸と平行な出力軸を有し上記支持体に支持されて上記各回転輪を回転駆動可能とさせる電動機と、上記各入力軸および出力軸にそれぞれ固定されるプーリーと、これらプーリーに巻き掛けられて上記両入力軸と共に上記両回転輪を互いに逆回転させるようこれら両回転輪に上記電動機の動力を伝達する無端ベルトと、上記両回転輪の外周面の間の加速空間の後方に配設され、この加速空間に球を供給可能とするガイド手段とを備え、上記加速空間に供給された球が、互いに逆回転する上記両回転輪の外周面に挟まれて前方に向って加速され、投球されるようにした球技練習用投球機において、
【0092】
上記各入力軸と出力軸とをこれらの軸方向で互いに同じ方向に向って突出させ、これら各突出端部に上記プーリーをそれぞれ固定している。
【0093】
このため、上記各プーリーに無端ベルトを巻き掛けようとするとき、この作業を上記各軸の突出方向の外方からすれば、上記作業は、上記電動機に邪魔されることなくできる。
【0094】
よって、上記各プーリーに無端ベルトを巻き掛ける際の作業は容易にできる。
【0095】
また、上記両回転輪を鉛直方向に並べて設け、上記ガイド手段を後上がり状に傾斜させ、このガイド手段に投入された球がこのガイド手段を転動して上記加速空間に供給されるようにし、上記両回転輪のうち、下側の回転輪の後方で、上記ガイド手段の下方に上記電動機の本体を配設し、かつ、この電動機の本体を制御する制御手段を上記電動機の本体とガイド手段との間に配設してある。
【0096】
ここで、上記したように、加速空間の後方に配設されるガイド手段を後上がり状に傾斜させると、上記両回転輪のうち、下側の回転輪の後方には、上側の回転輪の後方に比べて、より広い余剰空間が生じることとなる。
【0097】
このため、上記した下側の回転輪の後方で、上記ガイド手段の下側の広い余剰空間が上記電動機の本体と制御手段との配設によって、有効に利用される。
【0098】
よって、上記投球機は部品点数が多いが、上記したように広い余剰空間が有効に利用された分、投球機の外形を小さくできて、この投球機の持ち運びが容易にできる。
【0099】
また、上記制御手段は、その前方から上記した下側の回転輪で覆われ、また、その上方からガイド手段で覆われるため、これら回転輪やガイド手段によって、打撃された球が上記制御手段に衝突することは防止される。
【0100】
よって、上記制御手段に無意図的な外力が与えられることが防止されて、この制御手段の破損が防止される。
【0101】
また、上記ガイド手段への球の投入部分を上記制御手段よりも後方に位置させてある。
【0102】
このため、上記投球機の各部品は互いにコンパクトに配設されていはいるが、ガイド手段に球を投入する操作は上記制御手段に邪魔されずにすることができる。
【0103】
よって、投球機への球の供給操作は円滑に容易にできる。
【0104】
請求項2の発明は、上下方向での上記グランドと投球機本体との間に挿抜自在に挿入されて、上面側に上記投球機本体を着脱自在に支持する持ち上げ台を備えている。
【0105】
このため、上記持ち上げ台をグランドと投球機本体との間に挿入させると、上記投球機本体による「投球位置」が高くなることから、ソフトボールの打撃練習のために、「投球位置」が低い投球機本体を備えた投球機であっても、上記したように持ち上げ台を挿入させれば、その「投球位置」を高くできて、野球の打撃練習にも用いることができる。
【0106】
よって、上記投球機は、異なる高さの「投球位置」が求められる各種球技の練習に兼用できて便利である。
【0107】
しかも、上記投球機本体による「投球位置」を高くさせることを可能としたのは、油圧式昇降手段のような構成複雑なものではなくて、持ち上げ台という台であることから、各種球技の練習に投球機を兼用させるということは簡単な構成で達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態で、投球機の側面図である。
【図2】 第1の実施の形態で、投球機の平面図である。
【図3】 第1の実施の形態で、正面図である。
【図4】 第1の実施の形態で、背面図である。
【図5】 第1の実施の形態で、図1の5‐5線矢視断面図である。
【図6】 第2の実施の形態で、図1に相当する図である。
【図7】 第2の実施の形態で、図3に相当する図である。
【図8】 第2の実施の形態で、図7の部分拡大断面図である。
【図9】 第3の実施の形態で、図6に相当する図である。
【符号の説明】
1 投球機
2 球
3 グランド
4 台車
5 投球機本体
11 支持体
12 一側部
12a 開口
13 他側部
15 内部空間
17,18 軸心
20,21 入力軸
22,23 回転輪
25 電動機
26 本体
27 軸心
28 出力軸
30,31,32 プーリー
34 テンションプーリー
36 無端ベルト
38 加速空間
39 ガイド手段
41 投入部分
44 制御手段
45 本体
46 操作部
48 保護カバー
51 持ち上げ台
A 一側方
B 他側方
C 逆回転
Claims (2)
- 投球機本体が、グランド上に設置される支持体と、互いに平行な軸心回りにそれぞれ回転自在となるよう上記支持体に支承される一対の入力軸と、これら各入力軸と同じ軸心上でこれら各入力軸に固定される一対の回転輪と、上記各入力軸と平行な出力軸を有し上記支持体に支持されて上記各回転輪を回転駆動可能とさせる電動機と、上記各入力軸および出力軸にそれぞれ固定されるプーリーと、これらプーリーに巻き掛けられて上記両入力軸と共に上記両回転輪を互いに逆回転させるようこれら両回転輪に上記電動機の動力を伝達する無端ベルトと、上記両回転輪の外周面の間の加速空間の後方に配設され、この加速空間に球を供給可能とするガイド手段とを備え、上記加速空間に供給された球が、互いに逆回転する上記両回転輪の外周面に挟まれて前方に向って加速され、投球されるようにした球技練習用投球機において、
上記各入力軸と出力軸とをこれらの軸方向で互いに同じ方向に向って突出させ、これら各突出端部に上記プーリーをそれぞれ固定し、
上記両回転輪を鉛直方向に並べて設け、上記ガイド手段を後上がり状に傾斜させ、このガイド手段に投入された球がこのガイド手段を転動して上記加速空間に供給されるようにし、上記両回転輪のうち、下側の回転輪の後方で、上記ガイド手段の下方に上記電動機の本体を配設し、かつ、この電動機の本体を制御する制御手段を上記電動機の本体とガイド手段との間に配設し、
上記ガイド手段への球の投入部分を上記制御手段よりも後方に位置させた球技練習用投球機。 - 上下方向での上記グランドと投球機本体との間に挿抜自在に挿入されて、上面側に上記投球機本体を着脱自在に支持する持ち上げ台を備えた請求項1に記載の球技練習用投球機。
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