JP4289150B2 - オープニングトリムウエザストリップの製造方法及びオープニングトリムウエザストリップ用金型装置 - Google Patents

オープニングトリムウエザストリップの製造方法及びオープニングトリムウエザストリップ用金型装置 Download PDF

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Description

本発明は、両等のドア開口部の周縁に取着されるオープニングトリムウエザストリップの製造方法及びオープニングトリムウエザストリップ用金型装置に関するものである。
従来、ウエザストリップとして、例えば断面略U字状をなすトリム部と、そのトリム部の側壁部又は底壁部等から外側に膨出する中空状のシール部とを備えたものが知られている。このようなオープニングトリムウエザストリップにあっては、一般に、押出成形により長尺状に形成された1又は複数の押出成形部の端部同士がつなぎ合わされて、略環状に形成される。すなわち、その押出成形部の端部が金型装置内に支持固定された状態で、その端部間に射出成形により型成形部が成形されることで、端部同士が接続されて環状のウエザストリップが形成される。
ころで、上記のように型成形部を有してなるタイプのウエザストリップにおいては、型成形部の成形に際し、金型装置内のキャビティ内に中空状のシール部を形成するためのコア金型部材(以下、コア金型と略す)を配置しておく必要がある。このコア金型は、シール部を形成するためのコア本体と、該コア本体から外部に突出する把持部とから構成される。コア本体は、ゴム等の弾性材料でその大部分が包まれることになるのであるが、型成形部の成形後には、当該コア本体を成形品から抜き取る必要がある。この場合、成形に際し前記コア本体の抜き取りのために開口(スリット)が型成形部に設けられるのが一般的である。
一般に、コア本体の抜き取り易さという観点からは、スリットをできるだけ大きくするのが望ましいのであるが、スリットが長くなるほど、形状保持性能や、シール部のシール性能が低下してしまうというデメリットが生じる。このような不具合を解消する技術として、コア金型部材を長手方向に複数個に分割することが知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、まず1つの分割コア金型部材(以下、分割コア金型と略す)を抜き取ることで、残りの分割コア金型と成形品とを相対移動させることが可能となる。そのため、スリットをさほど長くせずとも、比較的容易に型成形部のシール部内からコア本体を抜き取ることができる。
実開平3−39514号公報
ところが、上記技術では分割コア金型は、それ以外の金型部材とは異なり、物理的な外力を比較的受けやすく、成形が繰り返し行われることで、損傷を受けやすい。それ故、頻繁なメンテナンス作業を必要とし、コストの増大を招くおそれがある。また、金型装置の構成によっては、たとえ分割したとしても依然として抜き取りにくいというケースもあるのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、形状保持性能、シール性能の低下を抑制するとともに、製造に際しての作業性の飛躍的な向上、コストの増大抑制を図ることのできるオープニングトリムウエザストリップの製造方法及びオープニングトリムウエザストリップ用金型装置を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.断面略U字状をなすトリム部、及び、該トリムの側壁部に一体形成された中空状のシール部を有する押出成形によって形成された押出成形部と、
前記押出成形部の両端部間を直線的に連結するようにしてトリム部及びシール部を有する、複数の金型部材からなる金型装置によって成形された型成形部と
を具備してなるオープニングトリムウエザストリップの製造方法において、
前記型成形部の成形に際し、少なくとも前記型成形部のシール部を成形するべく該シール部の長手方向に沿って延びるコア本体及び該コア本体から突出する把持部からなるコア金型部材のうち、前記コア本体の両端に前記押出成形部のシール部の両端を外嵌せしめた状態で、前記コア金型部材を前記金型装置の所定位置に設定し、前記金型部材を閉じて、前記金型装置内にキャビティを形成し、該キャビティに材料を充填して型成形することで、型成形部を形成するとともに、当該型成形部には前記把持部と該把持部の前記コア本体からの突出方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド金型部材とにより前記把持部よりも長い開口が前記トリム部における前記シール部の形成される側の前記側壁部に形成されるようにし、かつ、
前記型成形に際しては、前記スライド金型部材が前記コア本体に対し前記スライド金型部材がスライドする方向に対して垂直方向で面当接するように設置されるとともに、前記キャビティに材料が充填された後に前記スライド金型部材をスライドさせることで、前記開口にクリアランスが形成されるようにし、
成形後に前記開口のクリアランス内を、その長手方向に沿って前記把持部を相対移動させ、前記コア本体の端部における前記押出成形部の外嵌を外し、型成形部のシール部から前記コア本体を取出すようにしたことを特徴とするオープニングトリムウエザストリップの製造方法。
手段1によれば、型成形部の成形に際し、少なくとも型成形部のシール部を成形するためのコア本体及び該コア本体から突出する把持部からなるコア金型部材が用いられ、該コア本体が、複数の金型部材からなる金型装置の所定位置に設定される。この状態で、金型装置のキャビティに材料が充填され、型成形されることによって、開口となる部位を備えた型成形部が形成される。手段1では、把持部のみならず、該把持部とスライド可能に設けられたスライド金型部材とから、把持部の幅よりも長い開口が形成される。つまり、スライド金型部材を、成形された型成形部から離間させることで、前記開口内に把持部に隣接してクリアランスが形成されることになり、開口のクリアランス内を、把持部が相対移動可能となる。そして、把持部と型成形部とを相対移動させることで、コア本体の端縁が開口又は開口に近い部位に移動されうる。そのため、型成形部のシール部内からコア本体を極めて容易に取出すことが可能となり、製造に際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また、上記のように、取出しに際し、コア金型部材(シール部内においてはコア本体、開口内においては把持部)と型成形部とを相対移動させることができるため、開口をさほど長く設けなくてもよい。その結果、最終的に得られるオープニングトリムウエザストリップの型成形部の形状保持性能、シール性能が低下してしまうといった事態を防止することができる。また、コア金型部材(特にコア本体)を分割して構成しなくてもよいため、損傷を受けることによるメンテナンス作業をさほど必要とせず、コストの増大を防止することができる。
また、固定型部材等に対しスライド可能に設けられたスライド金型部材がスライドさせられることで、コア金型部材との間に前記開口の一部が形成される。従って、構造の複雑化を招くことなく、かつ、煩雑な作業過程を必要とすることなく、上述した各作用効果を奏せしめることができる。
また、開口が、型成形部のトリム部におけるシール部の形成される側の側壁部または底壁部に形成される。従って、得られるウエザストリップに関し、開口の存在によりシール性能に与える影響を極力少なくすることができる。
手段.前記開口のうち、前記把持部が相対移動可能なクリアランスの長手方向の長さが、前記押出成形部の前記コア本体の端部への外嵌長以上となるようにしたことを特徴とする手段1に記載のオープニングトリムウエザストリップの製造方法。
手段によれば、把持部が相対移動可能なクリアランスの長手方向の長さが、押出成形部のコア本体への外嵌長以上とされる。それ故、前記相対移動量を十分に確保することができる。換言すれば、最大限の相対移動が行われることで、より確実に、コア本体の一端側を開口から臨ませることができる。その結果、取出作業をより一層容易なものとすることができる。
手段断面略U字状をなすトリム部、及び、該トリムの側壁部に一体形成された中空状のシール部を有する押出成形によって形成された押出成形部の両端部間を直線的に連結する、トリム部及びシール部を有する型成形部を成形するためのオープニングトリムウエザストリップ用金型装置であって、
所定の成形面を有する固定型部材と、
前記固定型部材に対して接離可能に設けられ、所定の成形面を有する可動型部材と、
前記固定型部材及び可動型部材間に設けられ、所定の成形面を有するとともに、スライド可能に設けられた1又は複数のスライド金型部材と、
少なくとも前記型成形部のシール部を成形するべく該シール部の長手方向に沿って延びるコア本体及び該コア本体から突出する把持部からなるコア金型部材と
を備え、
前記コア本体は、前記押出成形部が外嵌される差込用部位と、少なくとも前記シール部を成形するための成形用部位とを有し、
前記把持部は、前記成形用部位に設けられるとともに、該成形用部位の長さよりも短く構成され、
前記スライド金型部材の少なくとも1つは、前記把持部の前記コア本体からの突出方向に沿ってスライド可能に設けられ、当該スライド金型部材には、前記成形用部位のうちの前記把持部の設けられていない部位に対応して突設され、前記コア本体に対し前記スライド金型部材がスライドする方向に対して垂直方向で前記成形用部位に面当接可能な凸部を設け
前記把持部及び凸部により、前記把持部よりも長い開口が前記トリム部における前記シール部の形成される側の前記側壁部に形成されるようにしたことを特徴とするオープニングトリムウエザストリップ用金型装置。
手段によれば、コア本体の成形用部位から延びる把持部は、成形用部位の長さよりも短く構成されているものの、スライド金型部材の少なくとも1つには、成形用部位のうちの把持部の設けられていない部位に対応して突設された凸部が成形用部位に面当接しうる。このため、成形後、凸部及び把持部により前記把持部よりも長い開口が前記トリム部における前記シール部の形成される側の側壁部または底壁部に形成されることとなる。そして、スライド金型部材をスライドさせることで、開口部分には凸部に対応するクリアランスが形成されることとなる。そのため、開口のクリアランス内を把持部が相対移動可能となる。そして、両者(型成形部とコア金型部材)を相対移動させることで、コア本体の差込用部位が開口又は開口に近い部位に移動されうる。そのため、型成形部のシール部からコア本体を極めて容易に取出すことが可能となり、製造に際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また、上記のように、取出しに際し、コア金型部材と型成形部とを相対移動させることができるため、開口をさほど長く設けなくてもよい。その結果、最終的に得られるオープニングトリムウエザストリップの型成形部の形状保持性能、シール性能が低下してしまうといった事態を防止することができる。また、コア金型部材を分割して構成しなくてもよいため、損傷を受けることによるメンテナンス作業をそれ程必要とせず、コストの増大を防止することができる。
手段.前記凸部の前記シール部長手方向に沿った長さは、前記差込用部位の長さ以上であることを特徴とする手段に記載のオープニングトリムウエザストリップ用金型装置。
手段によれば、凸部のシール部長手方向に沿った長さは、差込用部位の長さ以上であるため、クリアランスが十分確保され、前記相対移動量を十分に確保することができる。換言すれば、最大限の相対移動が行われることで、より確実に、コア本体の差込用部位を開口から臨ませることができる。その結果、取出作業をより一層容易なものとすることができる。
以下、ウエザストリップを、車両のドア開口部の周縁に装着されるオープニングトリムウエザストリップに具体化した実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、自動車1の側方のドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁には、ウエザストリップ4が設けられる。本実施形態のウエザストリップ4は、ドア開口3の全周縁にわたって取付けられ、大部分が押出成形法によって成形され、下部のほぼ中央部(図2で散点模様を付した部分)のみが型成形部となっている。すなわち、ウエザストリップ4は、1本の押出成形部5と、その両端部5a,5bが接合された1つの型成形部6とによって環状に構成されている。
図3は、ウエザストリップ4の大部分を占める押出成形部5を示す断面図である。押出成形部5は、取付基部としてのトリム部11と、中空状のシール部12とを有している。トリム部11は、車内側側壁部13、車外側側壁部14及び両側壁部13,14を連結する連結部15により構成され、断面略U字状をなしている。また、トリム部11は、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三次元共重合体)ソリッドゴムからなり、その内部には、金属製のインサート16が埋設されている。さらに、トリム部11の連結部15には、車内側に向かって延びるカバーリップ17が一体形成されている。併せて、車内側側壁部13の内側面には保持リップ18が、車外側側壁部14の内側面には複数の保持突条19がそれぞれ突設されている。また、前記中空状のシール部12は、車外側側壁部14に一体形成されており、例えばEPDMスポンジゴムからなっている。
一方、型成形部6に関しては、図4に示すように、基本的には押出成形部5と同様の断面構成を有している。すなわち、型成形部6も、トリム部21及びシール部22を具備している。但し、型成形部6においては、トリム部21についてもシール部22と同様のEPDMスポンジゴムからなっている点、車外側側壁部の大部分、カバーリップ、並びに、保持リップ及び保持突条が省略されている点、インサートが設けられていない点等において押出成形部5と相違している。そして、車外側側壁部の大部分が省略されていることにより、後述するコア金型部材抜き用の開口23が形成されている。なお、以下、コア金型部材、固定型部材等の金型部材については、「部材」の文言を省略して表現する。
上記のように構成されたウエザストリップ4は、図3に示すように、トリム部11,21がドア開口3のフランジ3aに対して嵌合させられることで取付けられる。そして、上記装着状態において、ドア2が閉じられると、シール部12,22がドアパネルの外周部に弾性的に当接し、変形する。これにより、シール部12,22が、ドアパネルの外周縁に密着して、自動車の室内外がシールされるようになっている。
次に、上述したウエザストリップ4のうち、型成形部6を成形するための金型装置30について説明する。図5は、金型装置30のうち、後記する上型32を省略した状態を示す平面模式図であり、図6は、コア金型35を示す斜視図であり、図7は図5のK−K線断面図、図8は図5のL−L線断面図、図9は図5のM−M線断面図である。
これらの図に示すように、金型装置30は、固定型である下型31と、可動型である上型32と、第1スライド型33と、第2スライド型34と、コア金型35とを備えている。本実施形態では、上型32が下型31に対し接離方向に移動可能に設けられている。また、第1スライド型33、第2スライド型34は、前記上型31及び下型32間においてスライド可能(図7〜9においては左右方向にスライド可能)に設けられている。
また、コア金型35は、主として前記型成形部6のシール部22及びトリム部21の内周壁等を形成するためのものであって、コア本体36と、該コア本体36から第2スライド型34の方向(図5の下方、図8の左方)に延びる把持部としてのコアホールド部37とを備えている。コア本体36は、長手方向中央に位置する成形用部位36aと、該成形用部位36aの両端に突出形成され、前記押出成形部5の両端部5a,5bが差し込まれる差込用部位36b,36cとからなる。
さて、本実施形態においては、前記コアホールド部37は、コア本体36の成形用部位36aのうち、長手方向全域ではなく、そのうちの偏った片側の一部から延びている。換言すれば、本実施形態におけるコアホールド部37の幅W1は、成形用部位36aの長手方向ほぼ全域分の幅Wのうちの、例えばその約3分の1程度となっており、残りの3分の2ほど(W−W1=W2)は、コアホールド部37が存在していない(図10(a)参照)。また、本実施形態では、コア本体36のうち、コアホールド部37の存在していない部分においては、型成形部6のトリム部21成形用の部位が存在せず、切欠部38が形成されている(図6参照)。その代わりに、前記第2スライドコア34には、当該切欠部38に対応する凸部39が一体形成されている。そして、各金型31〜35が設置された状態下にあっては、前記凸部39が切欠部38(成形用部位36aの下側)に入り込み、凸部39の上面と成形用部位36aの下面とが面当接(いわゆる「ゼロ当て」)するように構成されている。さらに、本実施形態では、コアホールド部37の存在していない切欠部38(凸部39)の幅(W2)は、前記差込用部位36b,36cの長さよりも長く設定されている。
次に、上述したウエザストリップ4の製造方法に関し、特に上記金型装置30を用いた型成形部6の成形工程を中心として説明することとする。
先ず、予め押出成形され、所定の長さに切断された押出成形部5を準備する。この長尺状の押出成形部5を、ドア開口3の形状に略対応するように湾曲させ、その押出成形部5の各端部5a,5bをそれぞれ、コア本体36の差込用部位36b,36cに差し込む(外嵌する)。次いで、下型31、第1スライド型33、第2スライド型34及び前記押出成形部5のセットされたコア金型35を所定位置にセットし(図5参照)、上型31をセットし、型締めする。すると、型成形部6用のキャビティ(型成形用空間)41が形成される(図7,8参照)。なお、このとき、図9においては、押出成形部5の端部5bがセットされているのであるが、同図においては便宜上当該端部5bの記載を省略している。
そして、前記キャビティ内にEPDMスポンジゴムを供給し、型成形部6を成形する。型成形部6を加硫し、形状が安定したらウエザストリップ4を金型装置30から取り外す。なお、この時点では既に押出成形部5と型成形部6とは接続されている。
取り外しに際しては、先ず上型32を型開きさせ、次いで第1スライド型33をスライド(図5においては上方へスライド)させ、第2スライド型34をスライド(図5においては下方へスライド)させる。すると、図10(a)に示すように、当該第2スライド型34のスライドに伴い、凸部39が切欠部38から離間して、切欠部38に対応する空間が形成されることとなる。また、当該空間が形成されるとともに、型成形部6には成形用部位36aの長さ分だけ開口23が形成されることとなる。そのため、この開口23内においてコアホールド部37が相対移動可能なクリアランス(隙間)が形成されることになる。換言すれば、コアホールド部37と型成形部6とは、前記幅W2だけ相対移動可能な状態となる。
そして、型成形部6とコア金型35を相対移動させる。すなわち、ここではコア金型35をズラさずに型成形部6をズラす場合について説明すると、前記状態から型成形部6を、前記隙間がなくなる方向(図10では右方)へと、前記幅W2とほぼ同等長さだけ引っ張る。すると、図10(b)に示すように、コア金型36の一方の差込用部位36cの端末が、前記開口23端末(図の右側端末)よりも内側に位置することとなり、差込用部位36cが露出状態となる。この状態で型成形部6を差込用部位36cから引き剥がすことで、図11に示すように、コア本体36の一方の差込用部材36cが極めて容易に取り外されることとなる。その後、型成形部6を、上記とは逆方向に引っ張る。すると、コア金型36の他方の差込用部位36bの端末が、前記開口23端末(図の左側端末)よりも内側に位置することとなり、差込用部位36bが露出状態となる。この状態で型成形部6を差込用部位36bから引き剥がすことで、コア本体36が極めて容易に型成形部6から取り外されることとなり、上述した構成を具備するウエザストリップ4が得られる。
以上詳述したように、型成形部6の成形に際し、開口23が形成されるのであるが、本実施形態では、コアホールド部37のみならず、該コアホールド部37と第2スライド型34とから、コアホールド部37よりも長い開口23が形成される。つまり、第2スライド型34を成形された型成形部6からスライドさせることで、凸部39(切欠部38)に対応した空間が形成されることとなり、長手方向にクリアランスが形成される。そのため、開口23(型成形部6)をコアホールド部37に対し相対移動させることが可能となる。そして、相対移動により、コア本体36の差込用部位36cの端末が露出状態となり、上述した手順を経ることで、コア本体36を極めて容易に型成形部6から取出すことが可能となる。その結果、製造に際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、上記のように、取出しに際し、コア金型35と型成形部6とを相対移動させることができるため、開口23をさほど長く設けなくてもよい。その結果、最終的に得られるウエザストリップの型成形部の形状保持性能、シール性能が低下してしまうといった事態を防止することができる。また、コア金型を分割して構成しなくてもよいため、損傷を受けることによるメンテナンス作業をそれ程必要とせず、コストの増大を防止することができる。
さらに、本実施形態では、第2スライド型34のスライドにより形成されるクリアランス(W2)が、押出成形部5のコア本体35の差込用部位36b,36cの外嵌長以上とされている。それ故、前記相対移動量を十分に確保することができる。換言すれば、最大限の相対移動が行われることで、より確実に、コア本体35の差込用部位36b,36cを開口23から臨ませることができる。その結果、取出作業をより一層容易なものとすることができる。
併せて、本実施形態では、開口23が、型成形部6のトリム部21におけるシール部22の形成される側の側壁部に形成される。従って、得られるウエザストリップ4に関し、開口23の存在によりシール性能に与える影響を極力少なくすることができる。
なお、上記実施形態に拘泥されることなく、例えば次のように構成することもできる。
(a)上記実施形態では、開口23が、型成形部6のトリム部21の側壁部に形成されることとしている。これに対し、シール部の一部に形成されるようにしてもよい(但し、参考例)。例えば、図12、図13は、前記図7、図8に対応する金型装置50の断面図である。当該金型装置50は、下型51、上型52、第1スライド型53、第2スライド型54、第3スライド型55、第4スライド型56、第5スライド型57、及び、コア金型58を具備している。また、コア金型58は、コア本体61及び把持部としてのコアホールド部62を具備している。また、第5スライド型57には、前記凸部39ほどの突出量はないものの、その先端にコア本体61に面で当接する凸部63が一体形成されている。このように、比較的多くのスライド型53〜57を用いることで、得られる型成形部に関し、断面略U字状のトリム部を確保することが可能となる。換言すれば、開口がシール部の一部に形成されることとなる。そのため、得られるウエザストリップに関し、開口の存在により形状保持性能、取付性能に与える影響を極力少なくすることができる。
(b)上記実施形態では、コアホールド部37を、コア本体36の一方の差込用部位36c側に偏って設けることとしている。これに対し、図14に示すように、コアホールド部71をコア本体72の長手方向略中央に設けたコア金型73を採用することとしてもよい。そして、スライド型74の凸部75,76をコアホールド部71の両側に沿って突出させることとしてもよい。このような構成とすることで、成形後、左右いずれの側に相対移動させても、容易に取り出すことが可能となる。
)上記実施形態では、断面略U字状のトリム部11を有するタイプのウエザストリップ4に具体化している。これに対し、側壁部及び底壁部のみからなる断面略L字状のトリム部を有するウエザストリップに具体化することもできる。なお、この場合、トリム部の側壁部を、例えばフランジに対して、例えば両面テープを用いて貼付ける等して装着することもできる。
)上記実施形態では、ドア開口3周縁に装着されるオープニングトリムウエザストリップ4に具体化されている。これに対して、例えばバックドア用、トランクリッド用、スライディングドア用、スライディングルーフ用等の開口部の周縁部に装着されるオープニングトリムウエザストリップに具体化してもよい。
)勿論、複数の押出成形部を複数の型成形部でつなぐことで、ウエザストリップを製造する場合に具体化してもよい。
)上記実施形態では、型成形部6の素材としてEPDMスポンジゴムを採用しているが、EPDMソリッドゴム、TPO(熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー)等を採用してもよい。
一実施形態における自動車等を示す斜視図である。 ウエザストリップの概略構成を模式的に示す正面図である。 取付状態にある押出成形部の一般断面を示す図2のJ−J線断面図である。 ウエザストリップを示す一部破断部分斜視図である。 上型を省略した金型装置であって、押出成形部を装着した状態を破断して模式的に示す平面図である。 コア金型を示す斜視図である。 金型装置を示す図5のK−K線断面図である。 金型装置を示す図5のL−L線断面図である。 金型装置を示す図5のM−M線断面図である。 (a)は第2スライド型をスライドさせた状態を示す一部破断平面模式図であり、(b)は型成形部を相対移動させた状態を示す断面模式図である。 型成形部を取出す態様を示す正面模式図である。 別の実施形態における金型装置を示す断面図である。 別の実施形態における金型装置を示す断面図である。 別の実施形態におけるコア金型を示す平面図である。
符号の説明
4…ウエザストリップ、5…押出成形部、6…型成形部、11…トリム部、12シール部、21…トリム部、22…シール部、23…開口、30,50…金型装置、31,51…固定型としての下型、32,52…可動型としての上型、33…第1スライド型、34…スライド金型としての第2スライド型、35,58,73…コア金型、36,61,72…コア本体、36a…成形用部位、36b,36c…差込用部位、37,62,71…把持部としてのコアホールド部、39,75,76…凸部、41…キャビティ、53…第1スライド型、54…第2スライド型、55…第3スライド型、56…第4スライド型、57…スライド金型としての第5スライド型。

Claims (4)

  1. 断面略U字状をなすトリム部、及び、該トリムの側壁部に一体形成された中空状のシール部を有する押出成形によって形成された押出成形部と、
    前記押出成形部の両端部間を直線的に連結するようにしてトリム部及びシール部を有する、複数の金型部材からなる金型装置によって成形された型成形部と
    を具備してなるオープニングトリムウエザストリップの製造方法において、
    前記型成形部の成形に際し、少なくとも前記型成形部のシール部を成形するべく該シール部の長手方向に沿って延びるコア本体及び該コア本体から突出する把持部からなるコア金型部材のうち、前記コア本体の両端に前記押出成形部のシール部の両端を外嵌せしめた状態で、前記コア金型部材を前記金型装置の所定位置に設定し、前記金型部材を閉じて、前記金型装置内にキャビティを形成し、該キャビティに材料を充填して型成形することで、型成形部を形成するとともに、当該型成形部には前記把持部と該把持部の前記コア本体からの突出方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド金型部材とにより前記把持部よりも長い開口が前記トリム部における前記シール部の形成される側の前記側壁部に形成されるようにし、かつ、
    前記型成形に際しては、前記スライド金型部材が前記コア本体に対し前記スライド金型部材がスライドする方向に対して垂直方向で面当接するように設置されるとともに、前記キャビティに材料が充填された後に前記スライド金型部材をスライドさせることで、前記開口にクリアランスが形成されるようにし、
    成形後に前記開口のクリアランス内を、その長手方向に沿って前記把持部を相対移動させ、前記コア本体の端部における前記押出成形部の外嵌を外し、型成形部のシール部から前記コア本体を取出すようにしたことを特徴とするオープニングトリムウエザストリップの製造方法。
  2. 前記開口のうち、前記把持部が相対移動可能なクリアランスの長手方向の長さが、前記押出成形部の前記コア本体の端部への外嵌長以上となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のオープニングトリムウエザストリップの製造方法。
  3. 断面略U字状をなすトリム部、及び、該トリムの側壁部に一体形成された中空状のシール部を有する押出成形によって形成された押出成形部の両端部間を直線的に連結する、トリム部及びシール部を有する型成形部を成形するためのオープニングトリムウエザストリップ用金型装置であって、
    所定の成形面を有する固定型部材と、
    前記固定型部材に対して接離可能に設けられ、所定の成形面を有する可動型部材と、
    前記固定型部材及び可動型部材間に設けられ、所定の成形面を有するとともに、スライド可能に設けられた1又は複数のスライド金型部材と、
    少なくとも前記型成形部のシール部を成形するべく該シール部の長手方向に沿って延びるコア本体及び該コア本体から突出する把持部からなるコア金型部材と
    を備え、
    前記コア本体は、前記押出成形部が外嵌される差込用部位と、少なくとも前記シール部を成形するための成形用部位とを有し、
    前記把持部は、前記成形用部位に設けられるとともに、該成形用部位の長さよりも短く構成され、
    前記スライド金型部材の少なくとも1つは、前記把持部の前記コア本体からの突出方向に沿ってスライド可能に設けられ、当該スライド金型部材には、前記成形用部位のうちの前記把持部の設けられていない部位に対応して突設され、前記コア本体に対し前記スライド金型部材がスライドする方向に対して垂直方向で前記成形用部位に面当接可能な凸部を設け
    前記把持部及び凸部により、前記把持部よりも長い開口が前記トリム部における前記シール部の形成される側の前記側壁部に形成されるようにしたことを特徴とするオープニングトリムウエザストリップ用金型装置。
  4. 前記凸部の前記シール部長手方向に沿った長さは、前記差込用部位の長さ以上であることを特徴とする請求項に記載のオープニングトリムウエザストリップ用金型装置。
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