JP4288876B2 - メモリのバックアップ用電池の異常検出装置及びその異常検出方法 - Google Patents

メモリのバックアップ用電池の異常検出装置及びその異常検出方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリのバックアップ用電池の異常検出装置及びその異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出装置が提供されている。
【0003】
例えば、図4に示すように、CPU10と、電源が供給されることでデータを保存するメモリ1とを備え、前記メモリ1にバックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池2が接続されるプログラマブルコントローラ(以下「PLC」という)50が提供されており、異常検出装置はCPU10で構成されている。
【0004】
メモリ1には、動作電源VccがダイオードD1を介して供給されるとともに、バックアップ用電池2からのバックアップ用の電源が抵抗R2及びダイオードD2を介して供給され、メモリ1はこれらの電源供給により動作している。つまり、メモリ1は、動作電源Vccの供給が停止しても、バックアップ用電池2から供給されるバックアップ用の電源で動作して、保存されているデータが消去されるのを防いでいる。ここで、抵抗R2とダイオードD2の接続点は、抵抗値が大きい例えば約2[MΩ]の抵抗R3を介して接地されており、バックアップ用電池2により抵抗R2を介して抵抗R3に印加される電圧が、バックアップ用の電源電圧Vbとしてメモリ1に供給されている。
【0005】
そして、CPU10は、メモリ1に供給されるバックアップ用の電源電圧Vbが抵抗R1を介して入力されるアナログ入力ポート11と、アナログ入力ポート11に入力された電圧をA/D変換し、変換された値からバックアップ用の電源電圧Vbを検出する電圧検出部13と、電圧検出部13で検出された電源電圧Vbの値を所定の値と比較して電源電圧Vbの値が前記所定の値よりも小さい場合を異常として検出する異常検出部19とを備え、異常検出装置は電圧検出部13及び異常検出部19から成る。なお、抵抗R1の抵抗値は例えば約1[MΩ]、抵抗R2の抵抗値は例えば約100[Ω]である。
【0006】
ここで、バックアップ用電池2の電池電圧がメモリ1の動作に必要なレベルよりも下回ったときには、メモリ1に供給されるバックアップ用の電源電圧Vbの値が前記所定の値よりも小さくなるため、異常検出装置の異常検出部19が、上述のように電圧検出部13で検出された電源電圧Vbの値を前記所定の値と比較して異常を検出する。そして前記異常を検出したときには、CPU10は、PLC50に備えられた例えば発光ダイオードからなる表示部を点灯させてエラー表示を行ったり、エラーフラグをレジスタ内に書き込むなど、前記異常に応じた動作を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バックアップ用電池2は例えばオプションなどであって、これをPLC50のメモリ1に接続する必要が無い場合もある。
【0008】
しかしながら、メモリ1にバックアップ用電池2が接続されていないときには、抵抗R3に印加される電圧つまりバックアップ用の電源電圧Vbが略ゼロとなるため、上記従来のCPU10で構成される異常検出装置では、メモリ1にバックアップ用電池2が接続されていないときでも、異常検出部19が、上述の電池電圧の低下時と同様、異常として誤って検出してしまうといった問題があった。その結果、CPU10は前記異常に応じた動作を行ってしまい、この動作を停止させるには、ユーザーがCPU10に対して設定を変更しなければならず、使い勝手が悪かった。
【0009】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、バックアップ用電池の電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出装置及びその異常検出方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出装置であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子と、前記インピーダンス素子の両端間電圧を検出する電圧検出部と、ゼロよりも大きい第1の閾値を有し、前記電圧検出部により検出された前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別する電池接続判別部と、前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値を有し、前記電池接続判別部で前記バックアップ用電池が接続されていると判別されているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第2の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出する異常検出部とを備えたことを特徴とし、電圧検出部にインピーダンス素子の両端間電圧を検出させ、電池接続判別部に前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第1の閾値とを基にバックアップ用電池がメモリに接続されているか否かを判別させ、バックアップ用電池が接続されていると判別されているときに異常検出部に前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第2の閾値とを基に異常を検出させることによって、バックアップ用電池が接続されていないときにも従来例のように誤って異常として検出してしまうのを防ぐことができ、バックアップ用電池の電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出することができる。
【0011】
請求項2の発明は、電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出方法であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子の両端間電圧を検出し、検出された前記電源電圧の値をゼロよりも大きい第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別し、前記バックアップ用電池が接続されていると判別しているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値と比較し、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出することを特徴とし、インピーダンス素子の両端間電圧を検出し、前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第1の閾値とを基にバックアップ用電池がメモリに接続されているか否かを判別し、バックアップ用電池が接続されていると判別しているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第2の閾値とを基に異常を検出することによって、バックアップ用電池が接続されていないときにも従来例のように誤って異常として検出してしまうのを防ぐことができ、バックアップ用電池の電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本実施形態における基本構成は従来例と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0013】
本実施形態は、図1に示すように、電圧検出部13と、ゼロよりも大きい第1の閾値を有し、電圧検出部13により検出された電源電圧Vbの値を第1の閾値と比較して、前記値が第1の閾値よりも大きいときにバックアップ用電池2がメモリ1に接続されていると判別する電池接続判別部15と、第1の閾値よりも大きく、メモリ1の動作に必要なバックアップ用電池2の電池電圧のレベルに対応した第2の閾値を有し、電池接続判別部15でバックアップ用電池2が接続されていると判別されているときに、電源電圧Vbの値を第2の閾値と比較して前記値が第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出する異常検出部14とからなり、電圧検出部13及び電池接続判別部15並びに異常検出部14はCPU10で構成されている。
【0014】
例えば、図2(a)に示すように、時刻t0に電池電圧が十分に大きい正常なバックアップ用電池2がメモリ1に接続されると、メモリ1に供給されるバックアップ用の電源電圧Vbの値は、第2の閾値V2よりも大きく、時間tの経過とともに減少する。
【0015】
そして、図2(d)に示すように、時刻t1にCPU10の電源を投入すると、電池接続判別部15は、電圧検出部13で検出された電源電圧Vbの値が第1の閾値V1よりも大きいので、図2(b)に示すように、バックアップ用電池2がメモリ1に接続されていると判別する。そしてこのとき、異常検出部14は、電源電圧Vbの値が第2の閾値V2よりも大きいので、図2(c)に示すように、異常を検出せずに正常と判別する。つまり、異常検出部14は、バックアップ用電池2の電池電圧がメモリ1の動作に必要なレベルにまであると判別する。
【0016】
ここで時刻tがt2を経過すると、図2(a)に示すように、電源電圧Vbの値は第1の閾値よりも大きいが第2の閾値よりも小さくなってしまう。これにより、異常検出部14は、電池接続判別部15でバックアップ用電池2が接続されていると判別されているときに、電源電圧Vbの値が第2の閾値よりも小さくなるので、図2(c)に示すように、異常を検出する。この異常検出により、CPU10は、従来例と同様、前記異常時に応じた動作を行う。
【0017】
一方、図3(c)に示すように、CPU10の電源を投入する時刻t1にバックアップ用電池2がメモリ1に接続されていないときには、図3(a)に示すように、電圧検出部13で検出された電源電圧Vbの値が略ゼロとなって第1の閾値V1よりも小さくなるので、電池接続判別部15は、図3(b)に示すように、バックアップ用電池2が未接続であると判別する。そしてこのときには、異常検出部14は、異常を検出しないのである。
【0018】
このように本実施形態では、メモリ1にバックアップ用電池2が接続されていないときにも従来例のように誤って異常として検出してしまうのを防ぐことができ、バックアップ用電池2の電池電圧がメモリ1の動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出することができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明は、電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出装置であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子と、前記インピーダンス素子の両端間電圧を検出する電圧検出部と、ゼロよりも大きい第1の閾値を有し、前記電圧検出部により検出された前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別する電池接続判別部と、前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値を有し、前記電池接続判別部で前記バックアップ用電池が接続されていると判別されているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第2の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出する異常検出部とを備えたので、電圧検出部にインピーダンス素子の両端間電圧を検出させ、電池接続判別部に前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第1の閾値とを基にバックアップ用電池がメモリに接続されているか否かを判別させ、バックアップ用電池が接続されていると判別されているときに異常検出部に前記インピーダンス素子の両端間電圧値と第2の閾値とを基に異常を検出させることによって、バックアップ用電池が接続されていないときにも従来例のように誤って異常として検出してしまうのを防ぐことができ、バックアップ用電池の電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出することができるという効果がある。
【0020】
請求項2の発明は、電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出方法であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子の両端間電圧を検出し、検出された前記電源電圧の値をゼロよりも大きい第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別し、前記バックアップ用電池が接続されていると判別しているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値と比較し、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出するので、バックアップ用電池が接続されていないときにも従来例のように誤って異常として検出してしまうのを防ぐことができ、バックアップ用電池の電池電圧がメモリの動作に必要なレベルを下回る場合を正確に異常として検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態を示す概略回路構成図である。
【図2】 (a)〜(d)は、同上の動作説明図である。
【図3】 (a)〜(c)は、同上の動作説明図である。
【図4】 従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 メモリ
2 バックアップ用電池
10 CPU
13 電圧検出部
14 異常検出部
15 電池接続判別部
Vb バックアップ用の電源電圧

Claims (2)

  1. 電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出装置であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子と、前記インピーダンス素子の両端間電圧を検出する電圧検出部と、ゼロよりも大きい第1の閾値を有し、前記電圧検出部により検出された前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別する電池接続判別部と、前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値を有し、前記電池接続判別部で前記バックアップ用電池が接続されていると判別されているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧の値を前記第2の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出する異常検出部とを備えたことを特徴とするメモリのバックアップ用電池の異常検出装置。
  2. 電源が供給されることでデータを保存するメモリに、バックアップ用の電源を供給するバックアップ用電池の電池電圧を検出し、前記電池電圧が前記メモリの動作に必要なレベルを下回る場合を異常として検出するメモリのバックアップ用電池の異常検出方法であって、前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されている時に電圧降下を生じるインピーダンス素子の両端間電圧を検出し、検出された前記電源電圧の値をゼロよりも大きい第1の閾値と比較して前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きいときに前記バックアップ用電池が前記メモリに接続されていると判別し、前記バックアップ用電池が接続されていると判別しているときに、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第1の閾値よりも大きく、前記メモリの動作に必要な前記電池電圧のレベルに対応した第2の閾値と比較し、前記インピーダンス素子の両端間電圧値前記第2の閾値よりも小さい場合を異常として検出することを特徴とするメモリのバックアップ用電池の異常検出方法。
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