JP4288786B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各気筒の吸気通路毎にスロットルバルブを配置した独立吸気型の内燃機関において、スロットルバルブをバイパスするバイパス空気流量をバイパス空気制御弁で制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、二輪車においては、各気筒の吸気マニホールド毎にスロットルバルブを設けた独立吸気エンジンを採用したものがある。この独立吸気エンジンにおいても、アイドル回転数制御は、スロットルバルブをバイパスさせるバイパス空気流量を制御するバイパスエア方式のものと、スロットルバルブの全閉位置(アクセルオフ時のスロットル開度)を制御するスロットルバルブ直動方式のものがあるが、独立吸気エンジンは、各気筒毎にスロットルバルブが設けられているため、スロットルバルブ直動方式を採用すると、各気筒毎にスロットル制御システムが必要となり、システム構成が非常に複雑となって、コスト高になる欠点がある。従って、独立吸気エンジンでは、コスト面から、バイパスエア方式の方が有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
独立吸気エンジンでバイパスエア方式を採用する場合、システム構成を簡単にするために、各気筒のバイパス空気導入通路を共通の主バイパス空気通路から分岐して設け、この主バイパス空気通路の途中にバイパス空気制御弁を設けてバイパス空気流量を制御する構成が提案されている。
【0004】
しかし、この構成では、バイパス空気制御弁の下流側で各気筒のバイパス空気導入通路の入口部が常に全開状態で連通した状態となっているため、各気筒のバイパス空気導入通路を通して各気筒の吸気圧が相互に干渉し合い、エンジン回転数が不安定になってしまうという欠点がある。
【0005】
この対策として、各気筒のバイパス空気導入通路の途中にそれぞれ逆流防止弁を設けて、各気筒間の吸気圧の相互干渉を防止することが考えられるが、この構成では、各気筒毎に逆流防止弁が必要となり、コスト高になってしまうという欠点がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、独立吸気型の内燃機関において、各気筒のバイパス空気導入通路に逆流防止弁を設けなくても、各気筒間の吸気圧の相互干渉を抑えて機関回転数を安定させることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、各気筒の各吸気通路にそれぞれ設けられた複数のスロットルバルブと、各吸気通路の各スロットルバルブの上流側に設けられた1つのエアボックスと、エアボックスに接続された1本の主バイパス空気通路と、主バイパス空気通路の下流側に接続された1つのバイパス空気制御弁と、上流側がバイパス空気制御弁の下流側にそれぞれ独立して接続され、下流側が各吸気通路の各スロットルバルブの下流側にそれぞれ独立して接続され、且つ、主バイパス空気通路よりも小さい流路断面積をそれぞれ有する複数のバイパス空気導入通路とを備え、1つのバイパス空気制御弁は、複数のバイパス空気導入通路への空気流量を一括で制御し、全閉時には、複数のバイパス空気導入通路間を遮断することを特徴とするものである。
【0008】
この構成では、各気筒のバイパス空気導入通路をバイパス空気制御弁まで独立させることができるため、バイパス空気制御弁の全閉時には、各気筒のバイパス空気導入通路間をバイパス空気制御弁で完全に遮断できて、各気筒間の吸気圧の相互干渉を完全に防止できる。また、バイパス空気制御弁の開弁時には、各気筒のバイパス空気導入通路間がバイパス空気制御弁を通してその上流側で連通した状態になるが、この状態でも、各気筒のバイパス空気導入通路の入口部がバイパス空気制御弁の弁開度で絞られるため、従来のようにバイパス空気制御弁の下流側で各気筒のバイパス空気導入通路の入口部が常に全開状態で連通した構成と比べて、各気筒間の吸気圧の相互干渉を少なくすることができる。これにより、本発明では、各気筒のバイパス空気導入通路に逆流防止弁を設けなくても、各気筒間の吸気圧の相互干渉を抑えることができて、機関回転数を安定させることができる。しかも、各気筒のバイパス空気導入通路の入口部を開閉するバイパス空気制御弁を、吸気通路の上流側から吸入空気の一部をバイパスさせる主バイパス空気通路の最下流部に集中配置して共通の駆動源で駆動できるため、コンパクト化、低コスト化の要求も満たすことができる。
【0009】
前述したように、バイパス空気制御弁の開弁時には、各気筒のバイパス空気導入通路間がバイパス空気制御弁を通してその上流側の主バイパス空気通路内で連通した状態になるため、仮に、バイパス空気制御弁の上流側の主バイパス空気通路の流路断面積が小さすぎると、バイパス空気制御弁の開度が大きい時に各気筒間で吸気圧が相互干渉するようになる。
【0010】
そこで、本発明では、各バイパス空気導入通路の流路断面積を主バイパス空気通路の流路断面積よりも小さく形成したので、主バイパス空気通路の流路断面積をバイパス空気導入通路の流路断面積よりも大きくすることができる。これにより、バイパス空気制御弁の上流側に各気筒の吸気圧の影響を吸収するのに十分な容積を確保することができ、バイパス空気制御弁の開度が大きい時でも、各気筒間の吸気圧の相互干渉を十分に抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明を二輪車の4気筒エンジンに適用した実施形態(1)を図1乃至図11に基づいて説明する。
【0012】
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の各気筒の吸気ポート10には、それぞれ吸気マニホールド12(吸気通路)が接続され、各気筒の吸気マニホールド12の上流側にはエアボックス13が接続され、このエアボックス13内に吸入された空気がエアクリーナ(図示せず)を通して各気筒の吸気マニホールド12に吸い込まれる。このエアボックス13には、吸気温を検出する吸気温センサ14が取り付けられている。
【0013】
各気筒の吸気マニホールド12の途中には、それぞれスロットルバルブ15が取り付けられ、このスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ16によって検出される。更に、吸気マニホールド12のうちのスロットルバルブ15の下流側には、吸気圧を検出する吸気圧センサ17が設けられ、各気筒の吸気ポート10の近傍には燃料噴射弁18が取り付けられている。
【0014】
一方、燃料タンク19内から燃料ポンプ20で汲み上げられた燃料は、燃料配管21→燃料フィルタ22→燃料配管23→デリバリパイプ24に送られ、各気筒の燃料噴射弁18に分配される。デリバリパイプ24内の余剰燃料は、プレッシャレギュレータ25→リターン配管26の経路で燃料タンク19内に戻される。プレッシャレギュレータ25は、デリバリパイプ24内の燃料圧力と吸気圧との差圧が一定になるようにデリバリパイプ24内の燃料圧力を調整する。
【0015】
エンジン11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ27が取り付けられ、点火タイミング毎に点火コイル28の二次側に発生する高電圧が各気筒の点火プラグ27に印加され、点火される。このエンジン11には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ29と、特定気筒を判別する気筒判別センサ30と、冷却水温を検出する水温センサ31とが取り付けられている。
【0016】
また、図2に示すように、エアボックス13には、吸入空気の一部を各スロットルバルブ15の下流側にバイパスさせるための主バイパス空気通路33が接続され、この主バイパス空気通路33の下流側に、バイパス空気制御弁34を介して4本のバイパス空気導入路35が接続され、各バイパス空気導入路35が各気筒の吸気マニホールド12のスロットルバルブ15の下流側に接続されている。主バイパス空気通路33の流路断面積は、バイパス空気導入通路35の流路断面積よりも大きく形成され、バイパス空気制御弁34の上流側に各気筒の吸気圧の影響を吸収するのに十分な容積を確保できるようになっている。
【0017】
次に、バイパス空気制御弁34の構造を図3及び図4に基づいて説明する。ここで、図3(a)はバイパス空気制御弁34の正面図、図3(b)はバイパス空気制御弁34の縦断側面図、図4はバイパス空気制御弁34の本体ハウジング36からカバー37を取り外した状態を示す正面図である。本体ハウジング36の前面には、1つの空気流入口38が形成され、この空気流入口38の上方に、仕切り壁39で仕切られた4つの空気流出口40が横一列に形成され、これら空気流入口38と4つの空気流出口40とがU字状の通路41で連通されている。また、本体ハウジング36内には、4つの空気流出口40を一括して開閉するバルブ42が軸49を介して回動自在に設けられ、このバルブ42の開度がロータリーソレノイド50によって調整される。尚、バルブ42の駆動源は、ロータリーソレノイド50に代えて、モータ等、他のアクチュエータを用いても良い。
【0018】
本体ハウジング36の前面には、カバー37がねじ43により取り付けられている。このカバー37には、本体ハウジング36の空気流入口38に対応する位置に、主バイパス空気通路33の出口部に接続する流入ポート44が形成され、本体ハウジング36の各空気流出口40に対応する位置に、それぞれ各気筒のバイパス空気導入通路35の入口部に接続する4個の流出ポート45が横一列に形成されている。
【0019】
従って、主バイパス空気通路33からバイパス空気制御弁34に流入したバイパス空気は、バイパス空気制御弁34の4つの空気流出口40で分流されて、各気筒のバイパス空気導入通路35に分かれて流れ、各気筒のスロットルバルブ15の下流側に導入される。この際、バイパス空気制御弁34のバルブ42で4つの空気流出口40の開度、つまり各気筒のバイパス空気導入通路35の入口部の開度を制御することで、各気筒のバイパス空気流量を制御する。
【0020】
一方、スロットル開度センサ16、エンジン回転数センサ29、水温センサ31等の各種センサの出力信号はエンジン制御回路46に入力される。このエンジン制御回路46は、マイクロコンピュータを主体として構成され、ROM47(記憶媒体)に記憶された図5に示すバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンと図6に示すフィードバック補正量算出ルーチンを実行することで、バイパス空気制御弁34の開度を制御して各気筒のバイパス空気流量を制御する。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
【0021】
図5のバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンは、所定時間毎(例え40ms毎)に実行される。本ルーチンの処理が開始されると、まず、ステップ101で、始動後、所定時間Tが経過したか否かを判定し、所定時間T経過前であれば、ステップ102に進み、図7に示す始動時の冷却水温THWをパラメータとするバイパス空気制御弁34の始動時補正量DSTAのマップを検索して、現在の冷却水温THWに応じた始動時補正量DSTAを求める。この始動時補正量DSTAのマップ特性は、冷却水温THWが高くなるほど始動時補正量DSTAが小さくなるように設定されている。尚、図7のマップを用いずに、始動後、所定時間毎に始動時補正量DSTAを減少させるようにしても良い。
【0022】
一方、ステップ101で、始動後、所定時間Tが経過したと判定された場合は、ステップ103に進み、始動時補正量DSTAを0に設定する。
【0023】
始動時補正量DSTAの設定後、ステップ104に進み、図8に示す冷却水温THWをパラメータとするバイパス空気制御弁34の水温依存制御量DTHWのマップを検索して、現在の冷却水温THWに応じた水温依存制御量DTHWを求める。この水温依存制御量DTHWのマップ特性は、冷却水温THWが所定温度αより低い領域では、冷却水温THWが高くなるほど水温依存制御量DTHWが小さくなるように設定され、冷却水温THWが所定温度α以上の領域では、水温依存制御量DTHWが0に設定される。
【0024】
次のステップ105で、エンジン11がアイドル運転状態か否かを、ギヤ位置、スロットル開度等により判定し、もし、アイドル運転状態であれば、ステップ106に進み、アイドル回転数フィードバック制御条件が成立しているか否かを判定する。ここで、アイドル回転数フィードバック制御条件は、例えば、アイドル運転状態が所定時間以上続いていること、各センサに異常が無いこと、冷却水温が所定温度以上であること等である。これらの条件をすべて満たせば、アイドル回転数フィードバック制御条件が成立するが、いずれか1つでも満たさない条件があれば、アイドル回転数フィードバック制御条件が不成立となる。
【0025】
もし、アイドル回転数フィードバック制御条件が不成立であれば、ステップ107に進み、フィードバック補正量DFBを0に設定して、アイドル回転数フィードバック制御を行わない。一方、アイドル回転数フィードバック制御条件が成立していれば、ステップ108に進み、後述する図6のフィードバック補正量算出ルーチンを実行して、フィードバック補正量DFBを算出し、アイドル回転数フィードバック制御を実行する。
【0026】
フィードバック補正量DFBの設定後、ステップ109に進み、バイパス空気制御弁34の制御量DUを、始動時補正量DSTAと水温依存制御量DTHWとフィードバック補正量DFBを用いて次式により算出する。
DU=DSTA+DTHW+DFB
この後、ステップ110で、バイパス空気制御弁34の制御量DUの上下限チェック(ガード処理)を行って、制御量DUの設定値を所定範囲内に収めて、本プログラムを終了する。
【0027】
これに対して、ステップ105で、アイドル運転状態でないと判定された場合は、ステップ111に進み、図9に示すエンジン回転数と負荷をパラメータとする運転領域別制御量DZONの二次元マップを検索して、現在の運転領域に応じた運転領域別制御量DZONを求める。この運転領域別制御量DZONは、所定の運転領域では0に設定される。この後、ステップ112で、バイパス空気制御弁34の制御量DUを運転領域別制御量DZONに設定し(DU=DZON)、次のステップ110で、バイパス空気制御弁34の制御量DUの上下限チェックを行って、本プログラムを終了する。
【0028】
図6に示すフィードバック補正量算出ルーチンは、図5のバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンのステップ108で実行されるサブルーチンである。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、図10に示す冷却水温THWをパラメータとする目標アイドル回転数NETのマップを検索して、現在の冷却水温THWに応じた目標アイドル回転数NETを算出する。この目標アイドル回転数NETのマップ特性は、冷却水温THWが所定温度βより低い領域では、冷却水温THWが高くなるほど目標アイドル回転数NETが低くなるように設定され、冷却水温THWが所定温度β以上の領域では、目標アイドル回転数NETが所定回転数に設定される。
【0029】
次のステップ202で、現在のエンジン回転数NEと目標アイドル回転数NETとの回転数偏差DLNEを次式により算出する。
DLNE=NE−NET
【0030】
この後、ステップ203で、回転数偏差DLNEが−Aよりも小さいか否かを判定し、−Aよりも小さい場合(つまり現在のエンジン回転数NEがNET−Aよりも低い場合)は、ステップ205に進み、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数NETに上昇させるために、フィードバック制御量DFBを前回値よりも所定量Cだけ増量する。一方、回転数偏差DLNEが−A以上の場合は、ステップ204に進み、回転数偏差DLNEがBよりも大きいか否かを判定し、Bよりも大きい場合(つまり現在のエンジン回転数NEがNET+Bよりも高い場合)は、ステップ206に進み、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数NETに低下させるために、フィードバック制御量DFBを前回値よりも所定量Dだけ減量する。
【0031】
また、−A≦DLNE≦Bの場合には、現在のエンジン回転数NEが目標アイドル回転数NET付近で安定しているため、フィードバック制御量DFBをそのまま維持する。このようにして、今回のフィードバック制御量DFBが設定される。
【0032】
以上説明した実施形態(1)のバイパス空気流量制御の実行例を図11のタイムチャートを用いて説明する。始動後、所定時間Tが経過するまでは、水温依存制御量DTHWを始動時補正量DSTAで補正した制御量DU(DU=DTHW+DSTA)でバイパス空気制御弁34のバルブ42を駆動し、各気筒のバイパス空気流量を制御する。
【0033】
始動後、所定時間Tが経過した後は、始動時補正量DSTAの反映を禁止し(DSTA=0)、アイドル運転中にアイドル回転数フィードバック制御条件が成立すれば、水温依存制御量DTHWをフィードバック補正量DFBで補正した制御量DU(DU=DTHW+DFB)でバイパス空気制御弁34のバルブ42を駆動して、アイドル回転数を目標アイドル回転数NETに一致させるように各気筒のバイパス空気流量をフィードバック制御する。
【0034】
以上説明した実施形態(1)では、主バイパス空気通路33からバイパス空気制御弁34に流入したバイパス空気を、バイパス空気制御弁34の4つの空気流出口40で分流して各気筒のバイパス空気導入通路35に分けて流し、各空気流出口40の開度(各気筒のバイパス空気導入通路35の入口部の開度)をバイパス空気制御弁34のバルブ42で制御するようにしているので、バルブ42の全閉時には、各気筒のバイパス空気導入通路35間をバルブ42で完全に遮断できて、各気筒間の吸気圧の相互干渉を完全に防止できる。
【0035】
また、バルブ42の開弁時には、各気筒のバイパス空気導入通路35間がバルブ42の上流側で連通した状態になるが、各空気流出口40の開度がバルブ42で絞られるため、従来のようにバイパス空気制御弁の下流側で各気筒のバイパス空気導入通路の入口部が常に全開状態で連通した構成と比べて、各気筒間の吸気圧の相互干渉を少なくすることができる。従って、各気筒のバイパス空気導入通路35に逆流防止弁を設けなくても、各気筒間の吸気圧の相互干渉を抑えることができ、エンジン回転数を安定させることができる。
【0036】
しかも、本実施形態(1)では、各気筒の空気流出口40(バイパス空気導入通路35の入口部)を開閉する4気筒分のバルブ42を一体化して1つのロータリーソレノイド50で駆動するようにしたので、4気筒分のバイパス空気制御弁34を少ない部品数でコンパクトに構成でき、コンパクト化、低コスト化の要求も満たすことができる。尚、各気筒の空気流出口40毎に別体のバルブを設けても良く、この場合でも、各気筒のバルブを横一列に連結して共通の駆動源で駆動すれば良いため、コンパクト化、低コスト化できる。
【0037】
ところで、バイパス空気制御弁34のバルブ42の開弁時には、各気筒のバイパス空気導入通路35間がバルブ42の上流側で連通した状態になるため、仮にバイパス空気制御弁34の上流側の主バイパス空気通路33の流路断面積が小さすぎると、バイパス空気制御弁34のバルブ42の開度が大きい時に、バルブ42の上流側に各気筒の吸気圧の影響を吸収するのに十分な容積を確保することができず、各気筒間で吸気圧が相互干渉するようになる。
【0038】
この対策として、本実施形態(1)では、主バイパス空気通路33の流路断面積をバイパス空気導入通路35の流路断面積よりも大きく形成しているので、バイパス空気制御弁34の上流側に各気筒の吸気圧の影響を吸収するのに十分な容積を確保することができ、バイパス空気制御弁34のバルブ42の開度が大きい時でも、各気筒間の吸気圧の相互干渉を十分に抑えることができる。
【0039】
また、本実施形態(1)では、アイドル回転数制御時以外でも、運転領域に応じた運転領域別制御量DZONでバイパス空気制御弁34の弁開度を制御するようにしているので、アイドル回転数制御時以外でも、運転領域に応じて適量のバイパス空気を各気筒に供給して空燃比を適正化することができ、排気エミッションを低減することができる。
【0040】
[実施形態(2)]
本発明の実施形態(2)では、図12に示すバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンを実行して、バイパス空気制御弁34を制御する。本ルーチンでは、前記実施形態(1)と同じように、始動後、所定時間T経過前は、現在の冷却水温THWに応じた始動時補正量DSTAを求め、所定時間T経過後は、始動時補正量DSTAを0に設定し(ステップ301〜303)、現在の冷却水温THWに応じた水温依存制御量DTHWを求める(ステップ304)。
【0041】
この後、ステップ305で、冷却水温THWが所定温度γ以上か否かを判定し、冷却水温THWが所定温度γ以上であれば、水温依存制御量DTHWをバイパス空気制御弁34の制御量DUに反映させる必要がないと判断して、ステップ306に進み、水温依存制御量DTHWを0に設定してステップ307に進む。これに対して、冷却水温THWが所定温度γ未満であれば、ステップ304で算出した水温依存制御量DTHWをバイパス空気制御弁34の制御量DUに反映させる必要があると判断して、水温依存制御量DTHWを0にせずに、ステップ307に進む。
【0042】
このステップ307では、現在の運転領域に応じた運転領域別制御量DZONを求め、次のステップ308で、バイパス空気制御弁34の制御量DUを、始動時補正量DSTAと水温依存制御量DTHWと運転領域別制御量DZONを用いて次式により算出する。
DU=DSTA+DTHW+DZON
この後、ステップ309で、バイパス空気制御弁34の制御量DUの上下限チェック(ガード処理)を行って、制御量DUの設定値を所定範囲内に収めて、本プログラムを終了する。
【0043】
以上説明した実施形態(2)のバイパス空気流量制御では、回転数フィードバック制御を行わないので、バイパス空気流量制御を簡単化することができ、エンジン制御回路46のCPUの負担を軽減することができる。
【0044】
尚、上記各実施形態では、本発明を4気筒エンジンに適用したが、4気筒以外の気筒数のエンジンに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、バイパス空気制御弁34の構造や形状を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】バイパス空気通路系の概略構成を示す図
【図3】(a)はバイパス空気制御弁の正面図、(b)はバイパス空気制御弁の縦断側面図
【図4】バイパス空気制御弁の本体ハウジングの正面図
【図5】実施形態(1)のバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図6】フィードバック補正量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】冷却水温THWをパラメータとする始動時補正量DSTAのマップを概念的に示す図
【図8】冷却水温THWをパラメータとする水温依存制御量DTHWのマップを概念的に示す図
【図9】エンジン回転数と負荷をパラメータとする運転領域別制御量DZONの二次元マップを概念的に示す図
【図10】冷却水温THWをパラメータとする目標アイドル回転数NETのマップを概念的に示す図
【図11】実施形態(1)のバイパス空気流量制御を行った場合の一例を示すタイムチャート
【図12】本発明の実施形態(2)のバイパス空気制御弁制御量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気マニホールド(吸気通路)、13…エアボックス、15…スロットルバルブ、16…スロットル開度センサ、29…エンジン回転数センサ、31…水温センサ、33…主バイパス空気通路、34…バイパス空気制御弁、35…バイパス空気導入路、38…空気流入口、39…仕切り壁、40…空気流出口、41…通路、42…バルブ、44…流入ポート、45…流出ポート、46…エンジン制御回路、50…ロータリーソレノイド。
Claims (1)
- 各気筒の各吸気通路にそれぞれ設けられた複数のスロットルバルブと、
前記各吸気通路の前記各スロットルバルブの上流側に設けられた1つのエアボックスと、
前記エアボックスに接続された1本の主バイパス空気通路と、
前記主バイパス空気通路の下流側に接続された1つのバイパス空気制御弁と、
上流側が前記バイパス空気制御弁の下流側にそれぞれ独立して接続され、下流側が前記各吸気通路の前記各スロットルバルブの下流側にそれぞれ独立して接続され、且つ、前記主バイパス空気通路よりも小さい流路断面積をそれぞれ有する複数のバイパス空気導入通路とを備え、
前記1つのバイパス空気制御弁は、前記複数のバイパス空気導入通路への空気流量を一括で制御し、全閉時には、前記複数のバイパス空気導入通路間を遮断することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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