JP4288537B2 - 連続アンローダの掘削抵抗検出装置 - Google Patents

連続アンローダの掘削抵抗検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貨物倉のばら物を取出す荷役設備として知られている連続アンローダにおいて、ばら物を掘削する掻取部に作用する力、即ち掘削抵抗を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不定形固体貨物であるばら物を貨物倉にそのまま積込んで海上輸送するばら物運搬船のための荷役設備の一つに、埠頭に設置されて貨物倉のばら物を陸揚げする連続アンローダと呼ばれる荷降し装置が知られている。
【0003】
このものは、特公平1−24694号公報その他に記載されている広く知られた荷役設備であって、本発明が適用される連続アンローダの一形態を概略的に示した図1を参照して、埠頭51を往復走行する台車1にブーム2を旋回および起伏可能に支持させ、このブーム2の先端にエレベータフレーム3を鉛直状態を保って回転可能に装備するとともにエレベータフレーム3の下部に支持フレーム4を昇降可能に支持させ、エレベータフレーム3の上端部に反転放出端を位置させてその内部に鉛直方向に延在させたバケットエレベータ5の下端部をエレベータフレーム3の下方に露出させて先端スプロケット8と基端スプロケット9とに巻掛けて支持フレーム4に吊下げ状態とした構成である。
【0004】
バケットエレベータ5の先端スプロケット8から基端スプロケット9に至る区間はエレベータフレーム3の下方で一方へ突出しており、この区間は水平方向に延在してバケットがばら物を掘削し掻取る掻取部10を形成している。そして、ブーム2を旋回、起伏操作するとともに必要に応じてエレベータフレーム3を回転操作して埠頭51に接岸したばら物運搬船52のハッチ53から貨物倉54に掻取部10を進入下降させ、積込まれているばら物を連続的に掻取ってエレベータフレーム3内に延在する鉛直方向の搬送部11により上方へ搬送し、上端でバケット7から放出したばら物をブーム2,台車1などに装備したコンベヤ、シュートなどの搬送手段を経て埠頭51に陸揚げするものである。
【0005】
前述の連続アンローダにおけるバケットエレベータ5が掻取部10で掘削、掻取りを行なっているとき、図2を参照してバケット7はばら物Mの掘削に伴って走行方向前方から後方へ向かう抵抗である正面圧力PFを受ける。また、バケット7が掻取ることによって形成される掘削溝Cには側面のばら物Mが崩落することが避けられない。ばら物Mが鉱石、石炭など重比重で比較的大きい塊の場合には、これがバケット7の側面を押して右または左からの側面圧力PR,PLを与える。
【0006】
前記の掘削抵抗として働く各圧力が大きいと、機械の各部分に過負荷による破損などを招く原因となるので、掻取部10が受ける前記の力によってエレベータフレーム3に作用する曲げモーメントを測定し、その値に基いて各圧力を算出することにより機械の安全を講じることができるようにした検出手段が特開平10−67437号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載されている検出手段は、エレベータフレームの二以上の異なる高さ位置において、前後両面、左右両面に歪ゲージをそれぞれ設置し、エレベータフレームに作用する各高さ位置での曲げモーメントを測定し、これらの測定値を用いて回帰直線を求めその傾きで表わされる値である圧力を知るものである。
【0008】
しかしながら、掻取部10は正面圧力PFと左右少なくともいずれかの側圧力PR,PLとを同時に受けるものであり、エレベータフレーム3には前後方向の曲げモーメントとが同時に作用し、その結果ねじれを伴った曲げを生じる。
【0009】
このため、各面に設置した歪ゲージには測定目的方向の歪みにこれと交叉する方向の歪みが加えられるのが常であり、測定値から目的方向の歪みに相当する値を正確に算出するのはきわめて面倒且つ困難である。その結果、大きな圧力を受けたとき、迅速且つ適正に掘削の深さや速度、掘削の左右方向位置などを変更して安全を計ることが困難な場合を生じる心配がある。
【0010】
本発明はバケットエレベータの水平方向に延在させた掻取部で掘削し掻取ったばら物を鉛直方向の搬送部により上方へ搬送することにより貨物倉のばら物を荷降しする連続アンローダにおいて、掘削時に掻取部が受ける圧力を容易且つ正確に検出、測定することがきわめて困難であった、という前記課題を解決するためになされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は鉛直状態を保って回転可能とされたエレベータフレームと、その下部に昇降可能に保持された支持フレームと、エレベータフレーム内部に鉛直方向へ往復延在しているとともに下方へ露出した部分が支持フレームに支持されて水平方向へ延在する掻取部を形成しているバケットエレベータとを具えている連続アンローダについて、前記課題を次のような手段によって解決させることとした。
【0012】
即ち、エレベータフレームと支持フレームとの間にこれらの間隔変化に応じた信号を発する圧力検出手段を設け、掻取部が掘削、掻取りを行なっているときに受ける正面圧力や側面圧力によって掻取部を支持している支持フレームに傾きや曲がりを生じてエレベータフレームとの間隔が変化したことを圧力検出手段が発する信号の変化によって知るようにした。
【0013】
従って、掻取部の走行方向と平行または直角の方向に圧力検出手段を配置することにより、正面圧力および側面圧力を簡単且つ正確に算出して機械の安全を迅速且つ適切に講じることができる。
【0014】
尚、掘削部の正面圧力は取扱うばら物の種類、状態により予想できるので、掘削の深さや速度を大きな正面圧力を受けないように設定して運転すれば安全を保つことができる。しかし、側面圧力は予測不可能であり、且つ掻取部全長に亘って不規則に受けることを避けられない。従って、本発明においては掻取部の左右におけるエレベータフレームと支持フレームとの間に圧力検出手段を設置することが好ましく、掻取部の前後における間には設置しない場合がある。
【0015】
また、支持フレームはエレベータフレームに外装または内装されて昇降可能に保持されるとともに傾きや曲がりを生じる。従って、間隔変化を常に正確に検知させるため圧力検出手段を支持フレームに固定した圧力検出器および回動可能に取付けられて圧力検出器に圧力を加えるブラケットと、このブラケットに支持されてエレベータフレームの壁面上で回転するローラとを具えたものとするのが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図3以下は図1に概略的に表わした連続アンローダにおける本発明の主要部分を示すものであって、支持フレーム4は型材を井桁状に組合せてエレベータフレーム3に外装されており、エレベータフレーム3の外側に沿って鉛直に配置した昇降用流体圧シリンダ15に吊下げられているとともに、エレベータフレーム3の前後左右の各外壁面に接して回転するサイドローラ16,21を上端部および中間部に具えており、この多数個のサイドローラ16,21によって支持フレーム4はエレベータフレーム3に沿ってがたつくことなく昇降するようになっている。
【0017】
エレベータフレーム3の下方へ突出した支持フレーム4の下端には基端スプロケット9が回転自由に支持されているとともに伸縮フレーム18の基端が取付けられており、伸縮フレーム18の先端に先端スプロケット8が回転自由に支持されている。この伸縮フレーム18は内蔵した伸縮用流体圧シリンダ、および支持フレーム4との間に架設した傾動用流体圧シリンダ19によって先端スプロケット8,基端スプロケット9に巻掛けたバケットエレベータ5のバケットチェーン6を緊張状態に保って伸縮しながら起伏し、貨物倉54のハッチ53を容易且つ安全に通過することができるようになっているが、掘削、掻取りは掻取部10を水平状態に維持して行なう。
【0018】
主に図5,図6を参照して、支持フレーム4の中間部には掻取部10の左右に対応するエレベータフレーム3の左壁面3aおよび右壁面3b,掻取部10の前後に対応するエレベータフレーム3の前壁面3cおよび後壁面3dのそれぞれに向かって圧力検出手段20が取付けられている。これらの圧力検出手段20は支持フレーム4にボルト22により着脱可能に固定した圧力検出器23と、支持フレーム4にピン24により回動可能に取付けられたブラケット25と、ブラケット25に圧力検出器23と向かい合わせて取付けられた加圧片26と、ブラケット25に回転自由に支持させた前記サイドローラ16,21の内で符号21で示したローラとによって構成され、圧力検出器23,ローラ21はエレベータフレーム3の各壁面に対して直角に配置されている。
【0019】
支持フレーム4は正常な状態でサイドローラ16,21によって傾くことなく鉛直の姿勢でエレベータフレーム3に保持されており、エレベータフレーム3の各壁面3a・・・3dに接触したローラ21を支持しているブラケット25の加圧片26は圧力検出器23に一定の圧力を加えている。
【0020】
掻取部10が掘削、掻取りを行なっているとき、例えば右側から大きな側面圧力PRを受けると、伸縮フレーム18は左側へ押されて支持フレーム4を左方向へ曲げようとする。その結果、右壁面3bと支持フレーム4との間隔が縮小すると同時に左壁面3aと支持フレーム4との間隔が拡大し、右側の圧力検出器23は圧力増大の信号を発する。この信号値と正常時の信号値とが所定以上の差となったとき、掻取部10の掘削深さを浅くする、掻取り速度を低下させる、掻取部10を左側へ移動させる、などの安全対策を講じるものである。
【0021】
尚、貨物倉53のばら物Mの層に局部的に硬い部分が存在し、その部分を掻取るという特異な場合を想定して正面圧力PFの圧力を検出するようにしたが、この前後の圧力検出手段は先に述べた理由により設置しなくても特に支障はない。
【0022】
圧力検出器23としては磁気歪形、半導体ピエゾ抵抗形、その他圧力センサとして用いられているものを適宜に使用することができ、これよりの電気信号に基いて予め設定したプログラムに従った自動運転によるか、または運転者の手動運転によって前記の安全対策を講じる。
【0023】
尚また、ブラケット25に圧力検出器23を取付けるとともに、支持フレーム4に加圧片26を取付けることもできるが、圧力検出器23の点検、着脱の容易性および配線の安全性などを考慮して図示形態のようにすることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるとバケットエレベータの掻取部を支持した支持フレームに生じる傾きや曲げをその発生方向に対して検出し、掻取部に作用する圧力を簡単且つ正確に算出して過負荷による破損を生じさせないように迅速且つ適切に対応させ安全を計ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体概略図。
【図2】図1の形態における掻取部を説明する(A)は側面図、(B)は平面図。
【図3】図1の拡大部分図。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図。
【図6】圧力検出手段の側面図。
【符号の説明】
3 エレベータフレーム, 4 支持フレーム, 5 バケットエレベータ,10 掻取部, 11 搬送部, 20 圧力検出手段, 21 ローラ, 23 圧力検出器, 25 ブラケット,

Claims (1)

  1. 鉛直状態を保って回転可能とされたエレベータフレームと、その下部に昇降可能に保持された支持フレームと、前記エレベータフレームの内部に鉛直方向へ往復延在しているとともに下方へ露出した部分が前記支持フレームに支持されて水平方向へ延在する掻取部を形成しているバケットエレベータとを具え、前記掻取部でばら物を掘削し掻取って前記鉛直方向の搬送部により上方へ搬送するとともに、前記エレベータフレームと支持フレームとの間に設置されてこれらの間隔変化に応じた信号を発する圧力検出手段を具えさせた連続アンローダにおいて、前記圧力検出手段は前記支持フレームに固定された圧力検出器および回動可能に取付けられて前記圧力検出器に圧力を加えるブラケットと、前記ブラケットに支持されて前記エレベータフレームの壁面上で回転するローラとを具えたものであることを特徴とする連続アンローダの掘削抵抗検出装置。
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