JP4287932B2 - 携帯型動力工具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性動力供給ラインの端子の接続用の接続装置を備えたハウジングを有する携帯型動力工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この形式の動力工具に関わる一つの問題点は、電気ケーブルかまたは圧力空気ホースの形態の動力供給ラインが通常、曲げに関してどちらかと言えば硬いので、工具の取り扱いにおいてそのような動力供給ラインが邪魔となることにある。これは特に、工具から離れた位置に設けた動作制御ユニットとの信号交換用と共に給電用の幾つかの導体を備えた電気ケーブルを使用する場合に顕著である。
【０００３】
さらに、電動工具には、通常、曲げ張力を分散させるすなわちケーブルのあまりに小さな曲げ半径を避けるためにケーブル補強部材が設けられている。このような装置は“曲げ軽減部材”と呼ばれている。しかしながら、このような部材はケーブルにとって問題である。工具を操作する者は、ケーブルがさらに硬くなり、工具が取り扱い難くなるという経験に遭遇する。
【０００４】
動力供給ラインの硬さに関連した工具の取り扱いの問題を解決する一つの方法は、国際特許出願公表公報WO94/11887号に開示されている。この公報に開示されている動力工具は発生トルクや回転角度などのセンサーを内蔵した電気角度ナットランナーであり、この工具の取り扱い難さは、工具に隣接した屈曲領域においてねじれ形態に予備成形される平型ケーブルを用いることによって避けられるようにしている。しかしながら、このような工具では、ケーブルが常に工具ハンドルから一定の距離において曲るので、その取り扱いはなお幾分快適ではない。このことは、ケーブルの重さまたはケーブルに作用する他の力のために工具に常に抵抗トルクが生じることを意味している。また工具を操作している際にケーブルを接続する時に工具に望ましくない動的な力が働く。
【０００５】
【発明が解決しようする課題】
本発明の目的は、動力供給ラインの物理的特性の影響を実質的に低減でき、それにより動力供給ラインの曲げ半径を調節することによって動力供給ラインの早期疲労を避けることのできる改良された動力工具の取り扱いを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ハウジングと、ハウジング内に配置されたモーターと、ハウジングに装着され、可撓性動力供給ラインの端子を受ける接続装置とを有する携帯型動力工具において、ハウジングは、端子からある距離に位置した可撓性動力供給ラインの支持点においてハウジングに対して可撓性動力供給ラインを支持する支持装置を備え、可撓性動力供給ラインは支持装置に堅固に固定され、支持装置は、端子において可撓性動力供給ラインの長手方向とほぼ一致する第１軸線の周りで及び支持点において可撓性動力供給ラインの長手方向と第１軸線との両方に対して垂直な第２軸線の周りでハウジングに対して回動され、可撓性動力供給ラインは端子と支持点との間の自由ループを描いていることを特徴としている。本発明の他の目的及び利点は以下の説明及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【０００７】
【発明の実施の形態】
ハウジングは円筒状部分を備え、支持装置は上記円筒状部分に回転可能にジャーナル軸受された環状部材を備え、この環状部材は、環状部材に対して半径方向にのびる回動軸線をもつ回動軸受を備え、またこの回動軸受には、支持点において支持装置に可撓性動力供給ラインを固定するクランプ装置が回転可能にジャーナル軸受される。
【０００８】
クランプ装置は、幾何学的軸線の周りで回転できかつ二つの直径上対向した開口をも管状ソケット要素と、管状ソケット要素に受けられかつ開口と一致しかつ可撓性動力供給ラインを受けるようにされた横方向溝孔をもつ円筒状クランプ部材とを備えている。
【０００９】
またハウジングはがハンドルを備え、また円筒状部分はハンドルの管状延長部として形成される。
【００１０】
モーターは電動機であり、可撓性動力供給ラインは小さな横方向寸法と大きな横方向寸法とをもつ平坦型電気ケーブルから成り、電気ケーブルは支持点において上記大きな横方向寸法を第２軸線と平行にして方向決めされる。
【００１１】
代わりにモーターは流体モーターであり、また可撓性動力供給ラインは圧力空気導管から成る。
【００１２】
【実施例】
以下添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
図１〜図３で支持された動力工具は、電動角度ナットランナーであり、ハウジング10と、ハンドル11と、出力軸（図示せず）を備えたアングルヘッド12から成る。出力軸は、ビットまたはソケット14と組み合わせるネジ接合部を備えるのに適している。ハウジング10は一般的に管状形であり、ハンドル11はハウジング10と同軸で後方へ延長して形成されている。ハンドル11には、接続手段（図示せず）が、多導体動力供給ライン16の端子15を接続するために配置されており、多導体動力供給ラインによって動力が供給され、電気信号が、離れて配置された動作制御ユニット（図示せず）で、変換される。
【００１３】
動力供給ライン16は、上記特許出願公表公報WO94/11887号に記載された平坦型である。このことは動力供給ライン16が、三つの平行な部分を含み、その第一部分が電導体のみを備え、第二部分が信号導体のみから成り、そして第三部分が全く電気的な導体を含まず、他の二つの間で必然的に電導体の周りにある電界から離れて、感度が良好な信号導体を保持するために配置されていることを意味している。
【００１４】
この型式の動力供給ラインの物理的な特性は、容易に一方向には曲がるが、最初の方向と垂直に曲げるのは困難である。電動工具の取扱を改良するため、工具の実際の作業位置に係わらず、動力供給ラインがその弱い方向に曲げられるという対策を取らなければならない。
【００１５】
このことは、ハウジング10の後方円筒部分18に設けられた動力供給ライン支持装置17を回動及び旋回させる工具を提供することによって得られ、動力供給ライン支持装置に動力供給ライン16をその端子15から、間隔をあけて配置された支持点Ａにねじ込まれる。動力供給ライン16をいかなる危険で鋭角的な曲げから保護するために、動力供給ライン16が端子15と支持点Ａとの間で自由なループ19を形成して延びる。円筒部分18は、動力供給ライン支持装置17の部分を形成し、円筒部分18に固くねじ込まれた管状スリーブ20を備える。
【００１６】
動力供給ライン支持装置17は、ボール軸受22によって、スリーブ20に回動可能にジャーナル軸受された環状部材21から成る。ボール軸受は、スリーブ20上に内側ボールレース24と、多数のボール23を、環状部材21に外側ボールレース25を含んでいる。またボール軸受22は、スリーブ20に対して環状部材21のために軸方向ロック手段として、作用する。
【００１７】
図３に図示されているように、環状部材21は放射状開口26を備えており、環状部材21をスリーブ20に取り付ける時、その開口を介してボール23が、ボールレース24、25によって形成された管状間隙に挿入される。開口26は、装置を組み立てる間にボール22が脱落するのを防止するプラグ27によって、閉じられている。
【００１８】
環状部材21は、回動軸受29を備えており、その上に動力供給ライン保持ユニット30を回動可能に支持している。回動軸受29は、図面にｙ−ｙで示され且つ、環状部材21の回転軸ｘ−ｘと垂直に延びている回転軸を有する。回動軸受29は、管状部材21と一体型に形成された内側ボールレースと、多数のボール32と、動力供給ライン保持ユニット30の一部を形成する管状ソケット要素34で形成された外側ボールレース33とから成る。ソケット要素34は、図２に図示されたように、二つの軸方向に延びて動力供給ライン16を受ける開放溝孔、または開口36と、外側が円筒状クランプ部材37を有し、円筒状クランプ部材37は押し込んでソケット要素34に装着される。クランプ部材37は二つの同一の半部材37aと37bから形成されており、両方が動力供給ライン16の形と似た形の中央溝孔35を共に形成するように作用して、クランプ部材37が開口36と一致した溝孔35により、ソケット要素34に取り付けられるように働く。溝孔35と開口36は、保持ユニット30を介する動力供給ライン16用の貫通路を形成している。
【００１９】
クランプ半部材37a、37bは、ゴムのような伸縮性弾性材または、プラスチック材の様なゴムから成り、それらが動力供給ライン16と共にソケット要素34に押し込まれ、締付力が動力供給ライン16に加わる。それによって動力供給ライン16が摩擦により、動力供給ライン支持装置17に関する動きに対して、固定される。
【００２０】
ソケット要素34に対応してクランプ部材37を固定するため、ソケット要素は二つの固定ネジ40、41を挿入するために、二つの横方向孔38、39を備える。それらのネジは、タッピン型であり、クランプ半部材37a、37bの孔にねじ込まれ、それによってクランプ部材37を軸方向の動きに対して固定する。
【００２１】
装置を組み立てる間にボール32が、開口43を介してボールレース31、33により形成された間隙に、挿入される。環状部材21における円形凹部45に取り付けられた円形クリップ44によって、ボール32が脱落するのを防いでいる。
【００２２】
自由に二つの垂直軸の周囲を旋回することで、上記の動力供給ライン支持工具は、動力供給ライン16に加わる曲げ力のいかなる重大な影響を受けることなく、電動工具を快適に取り扱える。可動な支持は、動力供給ラインの端子と支持点との間で、自由にループを形成して動力供給ライン16の回転と共動して、動力供給ライン16の非常に鋭角に曲がりを効果的に軽減する。
【００２３】
図４に図示されている様に、動力供給ライン支持装置17は、気圧工具とそれに接続された圧力空気ホースに非常に良好に適合し得る。本実施例において、動力供給ライン支持装置17は、二つの半部材57aと57bによって形成される、クランプ部材57を備えた保持ユニット50から成っており、二つの半部材は共に中央溝孔55と開口56を形成する。保持ユニットは実質的に横断面が円形であり、圧力ホース（図示せず）の周囲で摩擦把持することを目的としている。クランプ半部材57a、57bはソケット要素34に、ソケット要素34の二つの横方向孔58、59を介して挿入される、二つの固定ネジ60、61によって固定される。上記の実施例の様に、ネジ60、61は、クランプ部材57に対してタップ式である。
【００２４】
本発明による圧力空気ホースの実施例の動作は、動力供給ラインの実施例用と同じであり、動力工具の取扱を改善するのと同じ利点を提供する。
【００２５】
本発明は、上記の例に制限されないが、特許請求の範囲の領域内で自由に変形させることができる。特に本発明は電動ナットランナーに限定されるものではなく、しかし別の型式の工具と組み合わせて使うことができ、硬い動力供給ラインが使用される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による動力供給ライン支持装置を備えた電動ナットランナーの斜視図。
【図２】図１による工具の動力供給ライン支持装置の分解斜視図。
【図３】図１による工具の動力供給ライン支持装置の側面の部分断面図。
【図４】本発明の別の実施例による動力ライン支持装置の部分断面図。
【符号の説明】
10、18：ハウジング
11 ：ハンドル
15 ：端子
16 ：動力供給ライン
17 ：支持装置
19 ：ループ
21 ：環状部材
29 ：回動軸受
27 ：クランプ部材
30 ：保持ユニット
37 ：円筒状クランプ部材
50 ：保持ユニット
57 ：クランプ部材
34 ：管状ソケット要素
35 ：溝孔
36 ：開口
55 ：溝孔
56 ：開口
57 ：円筒状クランプ部材
Ａ ：支持点

Claims (6)

1. ハウジング（10、18）と、ハウジング（10、18）内に配置されたモーターと、上記ハウジング（10、18）に装着され、可撓性動力供給ライン（16）の端子（15）を受ける接続装置とを有する携帯型動力工具において、
   上記ハウジング（10、18）が、上記端子（15）からある距離に位置した上記可撓性動力供給ライン（16）の支持点（Ａ）において上記ハウジング（10、18）に対して上記可撓性動力供給ライン（16）を固定するクランプ装置（30、37；50、57）を含む支持装置（17）を備え、
   上記支持装置（17）が、上記端子（15）において該端子の長手方向と一致する第１軸線（ｘ−ｘ）の周りで上記ハウジング（10、18）に対して回動され、
   上記クランプ装置（30、37；50、57）が支持点において上記第１軸線（ｘ−ｘ）に対して垂直な第２軸線（ｙ−ｙ）の周りで回動され、
   上記可撓性動力供給ライン（16）が上記端子（15）と上記支持点（Ａ）との間の自由ループ（19）を描いていることを特徴とする携帯型動力工具。
2. ハウジング（10、18）が円筒状部分（18）を備え、支持装置（17）が上記円筒状部分（18）に回転可能にジャーナル軸受された環状部材（21）を備え、上記環状部材（21）が、上記環状部材（21）に対して半径方向にのびる回動軸線（ｙ−ｙ）をもつ回動軸受（29）を備え、また上記回動軸受（29）に、支持点（Ａ）において上記支持装置（17）に可撓性動力供給ライン（16）を固定するクランプ装置（30、27；50、57）が回転可能にジャーナル軸受されていることを特徴とする請求項１に記載の携帯型動力工具。
3. クランプ装置（30、37；50、57）が、回転可能で、二つの直径上対向した開口（36）をもつ管状ソケット要素（34）と、上記管状ソケット要素（34）に受けられかつ上記開口（36）と一致しかつ可撓性動力供給ライン（16）を受けるようにされた横方向溝孔（35；55、56）をもつ円筒状クランプ部材（37；57）とを備えていることを特徴とする請求項２に記載の携帯型動力工具。
4. ハウジング（10、18）がハンドル（11）を備え、また円筒状部分（18）が上記ハンドル（11）の管状延長部として形成されていることを特徴とする請求項２または３に記載の携帯型動力工具。
5. モーターが電動機であり、可撓性動力供給ライン（16）が小さな横方向寸法と大きな横方向寸法とをもつ平坦型電気ケーブルから成り、上記電気ケーブル（16）が支持点（Ａ）において上記大きな横方向寸法を第２軸線（ｙ−ｙ）と平行にして方向決めされていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の携帯型動力工具。
6. モーターが流体モーターであり、また可撓性動力供給ライン（16）が圧力空気導管から成ることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の携帯型動力工具。

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