JP2011238488A - 電路挟着具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電路を構成するケーブルや各種部品に取り付けたときの安定性を向上させることのできる電路挟着具を提供する。
【解決手段】 互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結された一対の回動体と、該一対の回動体の一端側同士を接近させる方向に回動体を付勢する付勢手段とを備え、各回動体は、回転中心よりも一端側に電路を挟持するための挟持部を備え、両回動体の挟持部で電路を挟み込んで該電路に挟着させる電路挟着具であって、各回動体は、前記挟持部よりも他端側に配置されて前記回転中心を含む回動フレームを備え、前記挟持部は、回動フレームに連結されたベースと、相手方の挟持部に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベースに支持された複数の延出体と、ベースに装着されて前記延出体を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図7
【解決手段】 互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結された一対の回動体と、該一対の回動体の一端側同士を接近させる方向に回動体を付勢する付勢手段とを備え、各回動体は、回転中心よりも一端側に電路を挟持するための挟持部を備え、両回動体の挟持部で電路を挟み込んで該電路に挟着させる電路挟着具であって、各回動体は、前記挟持部よりも他端側に配置されて前記回転中心を含む回動フレームを備え、前記挟持部は、回動フレームに連結されたベースと、相手方の挟持部に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベースに支持された複数の延出体と、ベースに装着されて前記延出体を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図7
Description
本発明は、電路に対して挟着可能に構成された電路挟着具に関する。
電路(ケーブルや該ケーブルに対して電気的に接続された導電性部品)に対する工事や点検等の各種作業を行う作業者は、予め必要な器具を電路に対して取り付けた上で目的とする作業を行っている。具体的には、停電中の電路に対して工事や点検を行うに当り、作業者は、作業中の安全を確保すべく、作業対象となる電路に対して短絡接地器具を取り付けて電路を接地した上で、目的に応じた器具を電路に取り付けて各種作業を行っている。
ところで、電路に対して取り付けられる器具として、電路に対して挟着可能に構成された電路挟着具が提供されている。また、前記短絡接地器具には、電路に対して電気的に接続する接続手段として電路挟着具が採用されたものがある。
これらの電路挟着具は、いわゆるクリップであり、例えば、図13(a)に示す如く、互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されて直接的に連結された一対の回動体2’,2’と、該一対の回動体2’,2’の一端側同士を接近させる方向に回動体2’,2’を付勢する付勢手段(図示しない)とを備えている。
各回動体2’,2’は、回転中心CN’よりも一端側に電路を挟み込むための挟持部2
0’を備えており、一般的に、回転中心CN’よりも他端側に作業者が把持するためのグリップ部213’を備えている。そして、各回動体2’,2’の挟持部20’は、相手方の挟持部20’と対向する部分が、長手方向に真っ直ぐに延びた形状(直線状)に形成されたり、長手方向に起伏した形状(例えば、波形状又は歯形状)に形成されたりしている。
0’を備えており、一般的に、回転中心CN’よりも他端側に作業者が把持するためのグリップ部213’を備えている。そして、各回動体2’,2’の挟持部20’は、相手方の挟持部20’と対向する部分が、長手方向に真っ直ぐに延びた形状(直線状)に形成されたり、長手方向に起伏した形状(例えば、波形状又は歯形状)に形成されたりしている。
これにより、上記構成の電路挟着具(クリップ)1’は、作業者が両回動体2’,2’の他端側(グリップ部213’)を把持して接近させると、両回動体2’,2’の一端側(挟持部20’)同士が離間してその間に電路を介在させることができ、作業者が両回動体2’,2’の他端側(グリップ部213’)の把持を解除すると、付勢手段の付勢力で両回動体2’,2’が回転して挟持部20’が電路を挟み込んだ状態(電路に挟着した状態)になるようになっている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記電路挟着具1’が短絡接地器具の接続手段として採用される場合、少なくとも何れか一方の回動体2’,2’が導電性を有する金属材料で構成され、該導電性のある回動体2’,2’に対してアース線(ケーブル)4’が電気的に接続される。
ところで、上記構成の電路挟着具1’は、上述の如く、相手方の挟持部20’と対向する部分が、長手方向に真っ直ぐに延びた形状(直線状)に形成されたり、長手方向に起伏した形状(例えば、波形状又は歯形状)に形成されたりしているため、電路に挟着させた状態で、挟持部20’が電路(ケーブルや導電性部品)に対して部分的に接触することになる。すなわち、各挟持部20’の相手方の挟持部20’と対向する部分が長手方向に真っ直ぐ延びるように(直線状)に形成されると、電路(ケーブルや導電性部品)に挟着した状態で、両挟持部20’が電路に対して線接触した状態になり、各挟持部20’の相手方の挟持部20’と対向する部分が長手方向に起伏した形状に形成されると、図13(b)に示す如く、電路C’(ケーブルや導電性部品)に挟着した状態で、両挟持部20’が電路C’に対して一箇所又は二箇所で線接触した状態になる。
そのため、上記構成の電路挟着具1’は、電路C’に対して安定した状態で取り付けることができず、不用意に電路C’から外れる虞がある。特に、一対の回動体2’,2’の一端側(挟持部20’)同士の間隔が、他端側(グリップ部213’)同士の間隔よりも広くなる場合、付勢手段による回動体2’,2’に対する付勢力(一対の挟持部20’同士を接近させようとする付勢力)の分力が電路C’(ケーブルや導電性部材)を回動体2’,2’の一端側に押す(電路C’を挟持部20’間から外側に押し出す)ように作用するため、上述の如く、挟持部20’が一箇所又は二箇所で線接触するだけでは電路C’(ケーブル及び導電性部材)に対する取り付けが安定せずに脱落する虞がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、電路を構成するケーブルや各種部品に取り付けたときの安定性を向上させることのできる電路挟着具を提供することを課題とする。
本発明に係る電路挟着具は、互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結された一対の回動体と、該一対の回動体の一端側同士を接近させる方向に回動体を付勢する付勢手段とを備え、各回動体は、回転中心よりも一端側に電路を挟持するための挟持部を備え、両回動体の挟持部で電路を挟み込んで該電路に挟着させる電路挟着具であって、各回動体は、前記挟持部よりも他端側に配置されて前記回転中心を含む回動フレームを備え、前記挟持部は、回動フレームに連結されたベースと、相手方の挟持部に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベースに支持された複数の延出体と、ベースに装着されて前記延出体を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段とを備えていることを特徴とする。なお、ここで「電路」とは、屋内外に関係なく通電の対象となる経路(電力が供給される系統)を意味し、屋外に架設されたケーブルや、屋内に敷設されたケーブルは勿論のこと、配電盤内にあるケーブルやそれに対して電気的に接続された各種部品を含むものである。
上記構成の電路挟着具によれば、互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結された一対の回動体と、該一対の回動体の一端側同士を接近させる方向に回動体を付勢する付勢手段とを備え、各回動体は、回転中心よりも一端側に電路を挟持するための挟持部を備えているため、付勢手段の付勢力に対抗する力(付勢力と反対向きの回転力)を両回動体に作用させると、両回動体が回転中心を中心に回転して一端側(挟持部)同士が離反し、挟持部間に電路を介入できる状態になる。そして、該電路挟着具は、回動体に対する前記回転力の付加を解除すると、付勢手段の付勢力の作用で両回動体が回転して挟持部同士が接近し、一対の挟持部が電路を挟み込んで該電路に挟着した状態になる。
そして、本発明において、各回動体は、前記挟持部よりも他端側に配置されて前記回転中心を含む回動フレームを備え、前記挟持部は、回動フレームに連結されたベースと、相手方の挟持部に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベースに支持された複数の延出体と、ベースに装着されて前記延出体を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段とを備えているため、上述の如く、両挟持部が電路を挟み込むときに、複数の延出体が電路のサイズや形状(電路を構成するケーブル等のサイズが形状)に応じてベース側に退避することになる。
すなわち、上記構成の電路挟着具は、常態において、延出体付勢手段の付勢力の作用で全ての延出体が相手方の挟持部に向けて延出した状態になっているが、挟持部同士が接近して両挟持部が電路を挟み込むと、電路と当接した延出体は、その当接による押圧力の作用で基端側に押されてスライドすることになる。そして、各延出体は、延出体付勢手段によって先端側に付勢されているため、上述の如く、基端側にスライドした延出体は、電路の当接位置に応じた延出量でベースから延出しつつ、電路に対して先端が圧接した状態になる。これにより、上記構成の電路挟着具は、挟持部が電路を両側から包み込むように挟み込んだ状態になるため、電路に取り付けたときの取付安定性が向上する。
本発明の一態様として、各回動体は、前記挟持部が回動フレームの先端に対して傾動自在に連結されていることが好ましい。このようにすれば、挟持部を傾動させることで、延出体の延出方向を電路に対する挟持する方向と一致させることができるため、電路を挟み込むときやその解除を行う際に延出体を円滑にスライドさせることができる。
具体的に説明すると、一対の回動体のそれぞれは、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結されているため、挟持部同士を接離させるときに各挟持部が回動体の回転中心を中心とする円弧状の軌道上で移動することになる。そのため、挟持部を回動フレームに固設してしまうと、挟持部同士を接離させたときに各挟持部の延出体が該挟持部の軌道に対して接線方向に延びた状態になり、電路のサイズによっては延出体が電路に対して斜め方向に延びた状態で当接することがある。そうすると、延出体と電路との当接による押圧力が延出体のスライド方向に対して傾斜方向に作用することになり、延出体が円滑にスライドできない場合があるが、上記構成を採用すると、挟持部を傾動させて延出体の姿勢を調整できるため、延出体と電路との当接による力を延出体のスライド方向と一致させることができ、延出体を円滑にスライドさせることができる。
本発明の他態様として、両回動体の回動フレームに跨るように配置される連結フレームと、該連結フレームの両端部に対して対応する回動体を枢結する一対の支持軸とを備え、各回動体が支持軸を回転中心にして回動可能に構成され、回動体に対する連結フレームの枢結位置が一端側と他端側との間で位置変更可能に構成されてもよい。このようにすれば、両回動体の回転中心(枢結位置)を移動できるため、両回動体の挟持部同士の離間距離を変更することができる。すなわち、連結フレームを回動体の一端側(挟持部側)に位置させた支持軸で連結フレームと回動体(回動フレーム)とを枢結した状態よりも、連結フレームを回動体の他端側に位置させた支持軸で連結フレームと回動体(回動フレーム)とを枢結した状態の方が、支持軸を中心とする挟持部の回転半径が大きくなるため、回動体を同じ回転角度で回転させても挟持部の移動量が多くなる。これにより、上記電路挟着具は、挟着可能な電路のサイズをさらに多くすることができ、汎用性の高いものになる。
本発明の別の態様として、一対の回動体のうち、少なくとも何れか一方は、前記挟持部及び回動フレームが導電性を有し、前記回動フレームにアース接地用のケーブルが直接的又は間接的に接続され、又は接続可能に構成されてもよい。このようにすれば、本発明の電路挟着具を短絡接地器具の接続手段として採用することができる。そして、本発明に係る電路挟着具は、上述の如く、基端側にスライドした延出体が電路の当接位置に応じた延出量でベースから延出しつつ、電路に対して先端が圧接した状態になるため、電路に対する挟持部の接触面積が従来のものに比して多くなる。従って、上述の如く、本発明の電路挟着具を短絡接地器具の電路接続手段として採用した場合、電路に対する取付安定性が従来のものに比して格段に向上することに加え、電路に対する電気的な接続も従来のものに比して格段に向上する。
以上のように、本発明の電路挟着具によれば、電路を構成するケーブルや各種部品に取り付けたときの安定性を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の第一実施形態に係る電路挟着具について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、短絡接地器具の接続手段として採用される場合を一例に説明することとする。
本実施形態に係る電路挟着具は、図1及び図2に示す如く、互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ間接的に連結された一対の回動体2,2と、該一対の回動体2,2の一端側同士を接近させる方向に回動体2,2を付勢する付勢手段3,3とを備えている。すなわち、本実施形態に係る電路挟着具1は、それぞれが所定の回転中心CN回りで回転可能に設けられて互いの一端側同士が接離可能に構成され、互いの回転中心CNの相対位置が不変となるように連結された一対の回動体2,2と、各回動体2,2に回転中心CN周りの回転力を付与して両回動体2,2の一端側同士を接近させる付勢手段3,3とを備えている。
各回動体2,2は、回転中心CNよりも一端側に電路を挟持するための挟持部20を備えるとともに、該挟持部20よりも他端側に配置されて前記回転中心CNを含む回動フレーム21を備えている。そして、一対の回動体2,2は、互いの挟持部20,20同士を対峙させるとともに、回動フレーム21,21同士を対峙させた状態で配置されている。
前記挟持部20は、図3及び図4に示す如く、前記回動フレーム21(後述するアーム211)に連結されたベース200と、相手方の挟持部20に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベース200に支持された複数の延出体201…と、ベース200に装着されて前記延出体201…を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段202…とを備えている。
前記ベース200は、図2及び図3に示す如く、外観ブロック状に形成されたベース本体203と、該ベース本体203の一面に連設された取付ベース204と、取付ベース204に連設され、回動フレーム21(アーム211)の後述する連結部211cが連結される連結座205とを備えている。
前記ベース本体203は、実質的に箱状に形成されている。すなわち、ベース本体203は、内部空間を画定したボックス状に形成されている。そして、ベース本体203は、図3及び図4に示す如く、取付ベース204の連設された前記一面(以下、背面という)に、内外を連通させた複数の貫通穴(以下、小径貫通穴という)H1…が穿設されている。また、該ベース本体203は、前記背面とは反対側の面(以下、前面という)に、小径貫通穴H1…の配置に対応して内外を連通させた複数の貫通穴(以下、大径貫通穴という)H2…が穿設されている。
小径貫通穴H1…は、大径貫通穴H2…よりも小径に設定されており、延出体201…の後述する小径部201bが挿入可能な穴径に設定されている。すなわち、小径貫通穴H1…は、小径部201bを挿入した状態で該小径貫通穴H1…を画定する内周面で小径部201bの外周面を案内できるように穴径が設定されている。これに対し、大径貫通穴H2…は、小径貫通穴H1…よりも大径に設定されており、延出体201…の後述する大径部201aが挿入可能な穴径に設定されている。すなわち、大径貫通穴H2…は、大径部201aを挿入した状態で該大径貫通穴H2…を画定する内周面で大径部201aの外周面を案内できるように穴径が設定されている。
そして、大径貫通穴H2…及び小径貫通穴H1…は、数と配置とが対応して設けられている。すなわち、複数の大径貫通穴H2…及び複数の小径貫通穴H1…は、それぞれが同心をなすように配置されている。本実施形態に係るベース200は、複数の大径貫通穴H2…がベース本体203の前面にマトリックス状に配置されるとともに、複数の小径貫通穴H1…がベース本体203の背面にマトリックス状に配置されている(図5参照)。
前記取付ベース204は、図3に示す如く、ベース本体203の背面から延出した一対の延出片204a,204aと、両延出片204a,204aの先端同士を連結し、前記背面と対向する接続片204bとで構成されている。該取付ベース204は、一対の延出片204a,204aがベース本体203の背面に穿設された複数の小径貫通穴H1…(小径貫通穴H1…がマトリックス状に配置された領域)を躱すようにして配置されている。すなわち、取付ベース204は、一対の延出片204a,204aがベース本体203の背面における幅方向の両端から延出しており、該延出片204a,204aの先端同士を連結した接続片204bが背面に対して間隔をあけて小径貫通穴H1…の形成された領域と対向するように設けられている。これにより、本実施形態に係る取付ベース204は、小径貫通穴H1…に挿通されて穴心方向にスライドする延出体201…との干渉が防止されている。
前記連結座205は、外観ブロック状に形成されており、前記接続片204bの外面に一面が固設されている。そして、本実施形態に係る連結材には、接続片204bに固設された一面とは反対側の面上に開口を形成した球冠状の凹部205aが設けられている。これに伴い、本実施形態に係る回動フレーム21は、アーム211の連結部211cが前記凹部205aに対応して球状に形成され、凹部205a内に嵌着されている。これにより、本実施形態に係る電路挟着具1は、挟持部20(ベース200)が連結部211c(凹部205a)の曲率中心を回転中心にして傾動自在に設けられている。すなわち、本実施形態に係る電路挟着具1は、一対の挟持部20のそれぞれがアーム211の先端部(連結部211c)に対して傾動自在に設けられている。そして、本実施形態に係るベース200は、ベース本体203、取付ベース204、及び連結座205の何れも導電性を有する材料(例えば、アルムニウム合金)で成型されており、これらの間で通電可能になっている。
各延出体201…は、導電性を有する材料(例えば、アルムニウム合金)で形成されている。各延出体201…は、ベース本体203の大径貫通穴H2…及び小径貫通穴H1…に挿入されている。本実施形態に係る延出体201…は、図4に示す如く、大径貫通穴H2…に挿通される大径部201aと、該大径部201aと同心をなして該大径部201aの一端に連設され、小径貫通穴H1…に挿通される小径部201bとで構成されている。
本実施形態において、大径部201a及び小径部201bは、何れも円柱状に形成されており、当該延出体201…を段付棒状に形成している。
そして、各延出体201…は、小径部201bの先端部(大径部201aに接続された端部の反対側の端部)に抜止部201cが形成されている。かかる抜止部201cは、小径部201bの先端をカシメ処理することで形成されたもので、本来の小径部201bの外形よりも大径になっている。すなわち、各延出体201…は、小径部201bが小径貫通穴H1…内に位置するとともに大径部201aが大径貫通穴H2…内に位置するように、小径部201bを先頭にしてベース本体203の前面側から大径貫通穴H2…及び小径貫通穴H1…に挿通され、該小径貫通穴H1…からベース本体203の背面側に延出した小径部201bの先端部がカシメ処置されることでベース本体203に対してスライド可能に取り付けられている。従って、複数の延出体201…は、図5に示す如く、それぞれ軸心がベース本体203の前面に対して直交方向に延びた状態で、ベース本体203の前面上にマトリックス状に配置されている。
前記延出体付勢手段202…は、各延出体201…を付勢できるものであればよく、本実施形態においては、図4に示す如く、導電性を有するバネ鋼を螺旋状に巻回したコイルバネ202…が採用されている。すなわち、本実施形態に係る電路挟着具1は、延出体付勢手段としてのコイルバネ202…を各延出体201…に対応して複数備えている。各コイルバネ202…は、延出体201…の小径部201bが挿通された状態で、ベース本体203の内部空間に配置され、一端をベース本体203の内面(小径貫通穴H1…の穿設された壁面)に当接させる一方、他端を大径部201aの端面(大径部201aと小径部201bとの境界に形成される段部)に当接させている。これにより、各延出体201…は、コイルバネ202…の付勢力(弾性力)により、常態において大径部201aがベース本体203から最大に突出した状態(抜止部201cがベース本体203と干渉して移動できない状態)になるように構成されている。また、各コイルバネ202…は、導電性を有しているため、延出体201…とベース200とを電気的に接続する電気系統の一部としても機能している。
図2に戻り、前記回動フレーム21は、一方向に延びるフレーム本体210と、該フレーム本体210の長手方向の一端(先端)側に延設されたアーム211とを備えている。前記フレーム本体210は、導電性のある金属材料(例えば、鉄やアルミニウム合金)で形成されており、本実施形態においては金属製のプレートをコの字に曲げ加工して形成されている。すなわち、フレーム本体210は、図6に示す如く、間隔をあけて互いに対向する一対の対向片210a,210aと、該対向辺の一端同士を連結する連結片210bとで構成されており、一対の対向片210a,210aの他端側を相手側のフレーム本体210側に向けて配置されている。
そして、本実施形態に係る回動フレーム21のそれぞれは、図1及び図2に示す如く、フレーム本体210の長手方向の中央よりも一端側の領域内に当該回動体2,2の回転中心CNが設定されている。すなわち、各回動フレーム21(フレーム本体210)は、長手方向の一端部に後述する支持軸23,23を挿通するための軸挿通穴H3が穿設されており(図6参照)、該軸挿通穴H3に挿通された支持軸23,23を回転中心CNにして回転するようになっている。また、該回動フレーム21は、長手方向の他端側の領域が電気絶縁性を有するカバー212で被覆され、作業者が把持するグリップ部213とされている。
前記アーム211は、導電性を有する材料で形成されている。該アーム211は、回動体2,2の一端側(先端側)に配設されるため、操作性の観点から軽量化することが好ましく、例えば、アルミニウム合金で成型される。
本実施形態に係る電路挟着具1は、挟持部20が回動フレーム21に対して傾動自在に連結される。すなわち、前記挟持部20は、ボールジョイントJを介して回動フレーム21に対して傾動自在に連結される。前記アーム211は、上述の如く、回動フレーム21の一構成であり、また、挟持部20が連結される部材であるため、上述の如く、挟持部20が回動自在となるに伴い、該挟持部20との干渉を防止できるように形状設定されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係るアーム211は、基端部がフレーム本体210に固定されて挟持部20の接離方向の外方に延びる第一延出部211aと、該第一延出部211aの先端に連設され、該第一延出部211aに対して挟持部20の接離方向の内方に向けて延出する第二延出部211bと、該第二延出部211bの先端に連設され、挟持部20を連結するため連結部211cとで構成されている。前記連結部211cは、ベース200の連結座205の凹部205aに対応して球状に形成され、前記連結座205(凹部205a)に嵌着されている。そして、本実施形態に係る連結部211cは、球冠状の凹部205aに嵌着させた状態で外周面が凹部205aの内周面に対して圧接するように外径が設定されている。これにより、挟持部20は、アーム211との干渉が防止された状態で連結部211c(凹部205a)の曲率中心を傾動中心にして傾動可能に設けられている。
そして、一対の回動体2,2は、互いの回動フレーム21,21同士が共通の回転軸で連結されてもよいが、本実施形態に係る電路挟着具1は、各回動体2,2が独立して軸支されつつ間接的に連結されている。具体的には、本実施形態に係る電路挟着具1は、両回動体2,2の回動フレーム21に跨るように配置される連結フレーム22と、該連結フレーム22の両端部に対して対応する回動体2,2を枢結する一対の支持軸23,23とを備えている。
本実施形態に係る連結フレーム22は、図6に示す如く、角筒状に形成されており、両端部に支持軸23,23を挿通させるための軸穴H4が貫通して穿設されている。本実施形態において、前記フレーム本体210が断面コの字状に形成されているため、連結フレーム22は、軸穴H4をフレーム本体210の軸挿通穴H3と一致させた状態で各端部がフレーム本体210の対向片210a,210a間に介入されている。
本実施形態に係る支持軸23,23は、円柱状に形成されており、フレーム本体210の軸挿通穴H3及び連結フレーム22の軸穴H4に挿通されている。そして、該支持軸23,23は、両端部がフレーム本体210から外方に延出しており、フレーム本体210の外側で当該両端部がカシメ処理されている。これにより、一対の回動体2,2は、それぞれ支持軸23,23を回転中心CNに回転可能に構成されるとともに、支持軸23,23及び連結フレーム22を介して間接的に連結されている。
本実施形態に係る付勢手段3,3は、各回動体2,2を独立して付勢するように、回動体2,2毎に設けられている。より具体的に説明すると、本実施形態に係る付勢手段3,3には、捻りコイルバネが採用されており、連結フレーム22の両端部内に配置されている。具体的には、各捻りコイルバネ3,3は、連結フレーム22とフレーム本体210とを枢結する前記支持軸23,23に対して外嵌した状態で設けられており、その一端を連結フレーム22に当接させる一方、他端をフレーム本体210に当接させている。これにより、各回動体2,2には、付勢手段3,3の付勢力が支持軸23,23回りの回転力として作用するようになっている。
そして、本実施形態に係る電路挟着具1は、上述の如く、短絡接地器具の接続手段として採用されるため、図1及び図2に示す如く、一対の回動体2,2のうちの一方のフレーム本体210に対してアース接地用のケーブル4が電気的に接続されている。
本実施形態に係る電路挟着具1は、以上の構成からなり、次に、上記構成の電路挟着具1の使用方法に併せて該電路挟着具1の作用について説明することとする。
上記構成の電路挟着具1を電路に挟着させるには、まず、作業者が付勢手段3,3の付勢力に対抗する力(付勢力と反対向きの回転力)を両回動体2,2に作用させる。すなわち、一対の回動体2,2のグリップ部213同士を接近させるように作業者が両グリップ部213を把持する。そうすると、電路挟着具1は、両回動体2,2が回転中心CN(支持軸23)を中心に回転して一端側(挟持部20)同士が離反し、挟持部20間に電路(ケーブル又は導電性の部品)を介入できる状態になる。そして、作業対象となる電路Cを挟持部20間に配置し、作業者がグリップ部213の把持を止めて回動体2,2に対する前記回転力の付加を解除すると、付勢手段3,3の付勢力の作用で両回動体2,2が回転して挟持部20,20同士が接近し、図7に示す如く、一対の挟持部20,20が電路Cを挟み込んで該電路Cに挟着した状態になる。
このとき、両挟持部20の延出体201…は、電路Cのサイズや形状(電路Cを構成するケーブル等のサイズや形状)に応じてベース200側に退避した状態になる。すなわち、上記構成の電路挟着具1は、常態において、延出体付勢手段202…の付勢力の作用で全ての延出体201…が相手方の挟持部20に向けて延出した状態になっているが、挟持部20,20同士が接近して両挟持部20,20が電路Cを挟み込むと、電路Cと当接した延出体201…は、その当接による押圧力の作用で基端側に押されてスライドすることになる。特に、本実施形態に係る電路挟着具1は、各回動体2,2の挟持部20が回動フレーム21の先端に対して傾動自在に連結されているため、挟持部20を傾動させることで、延出体201…の延出方向を電路Cに対する挟持する方向と一致させることができ、延出体201…が円滑にスライドすることになる。
具体的には、一対の回動体2,2のそれぞれは、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ間接的に連結されているため、挟持部20,20同士を接離させるときに各挟持部20が回動体2,2の回転中心CNを中心とする円弧状の軌道上で移動することになる。
そのため、挟持部20を回動フレーム21に固設してしまうと、挟持部20,20同士を接離させたときに各挟持部20の延出体201…が該挟持部20の軌道に対して接線方向に延びた状態になり、電路Cのサイズによっては延出体201…が電路Cに対して斜め方向に延びた状態で当接することがある。そうすると、延出体201…と電路Cとの当接による押圧力が延出体201…のスライド方向に対して傾斜方向に作用することになり、延出体201…が円滑にスライドできない場合があるが、本実施形態の電路挟着具1は、挟持部20が傾動自在であるため、挟持部20を傾動させて延出体201…の姿勢を調整できる。これにより、本実施形態に係る電路挟着具1は、延出体201…と電路Cとの当接による力を延出体201…のスライド方向と一致させることができ、延出体201…を円滑にスライドさせることができる。
そして、両回動体2,2の挟持部20が電路Cを挟み込んだ状態においても、各延出体201…は、延出体付勢手段202…によって先端側に付勢されているため、電路Cに当接した延出体201…(基端側にスライドした延出体201…)は、電路Cの当接位置に応じた延出量でベース200から延出しつつ、電路Cに対して先端が圧接した状態になる。これにより、上記構成の電路挟着具1は、挟持部20が電路Cを両側から包み込むように挟み込んだ状態になるため、電路Cに取り付けたときの取付安定性が向上する。また、各挟持部20において、多数の延出体201…が電路Cに対して接触するため、電路Cと延出体201…(挟持部20)との電気的な接続も十分なものとなる。これにより、本実施形態に係る電路挟着具1は、挟持部20及び回動フレーム21を介して電路Cとアース線との電気的な接続が十分なものとなり、短絡接地器具の接続手段として非常に優れたものになる。
以上のように、本実施形態に係る電路挟着具1によれば、電路Cを構成するケーブル4や各種部品に取り付けたときの安定性を向上させることができる上に、電路Cに対する電気的な接続も良好になるという優れた効果を奏し得る。
次に、本発明の第二実施形態に係る電路挟着具について説明する。なお、本実施形態に係る電路挟着具は、基本構成が第一実施形態で説明したもの共通しているため、第一実施形態と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付してここでの説明を割愛し、相違する構成について説明することとする。
本実施形態に係る電路挟着具1は、図8及び図9に示す如く、第一実施形態と同様に、各回動体2,2が軸支されつつ間接的に連結されている。具体的には、本実施形態に係る電路挟着具1は、両回動体2,2の回動フレーム21に跨るように配置される連結フレーム22と、該連結フレーム22の両端部に対して対応する回動体2,2を枢結するための一対の支持軸23,23とを備えている。
そして、本実施形態に係る電路挟着具1は、回動体2,2(フレーム本体210)に対する連結フレーム22の枢結位置(回動体2,2の回転中心CN)が一端側と他端側との間で位置変更可能に構成されている。より具体的に説明すると、本実施形態に係る電路挟着具1は、各回動体2,2のフレーム本体210に支持軸23,23を挿通させる軸挿通穴H3が長手方向に延びる長穴で構成されている。
そして、図10に示す如く、前記一対の支持軸23,23のそれぞれには、ネジ部材が採用されている。具体的には、各支持軸23,23は、円柱状の軸部230と、該軸部230の一端部に連設された鍔部231と、前記軸部230の他端部に連設された雄ネジ部232とを備えており、該雄ネジ部232に雌ネジ部材N(図においては蝶ナット)を螺合させるようになっている。
そして、本実施形態に係る電路挟着具1は、雄ネジ部232を先頭にして支持軸23,23をフレーム本体210の軸挿通穴H3(長穴)及び連結フレーム22の軸穴H4に挿通し、フレーム本体210から外方に延出した雄ネジ部232に雌ネジ部材Nを螺合させて締め付けることで、回動体2,2が支持軸23,23回りで回動可能となり、また、該回動体2,2が連結フレーム22に連結されるようになっている。なお、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、付勢手段3,3には、支持軸23,23に外嵌した状態で配設された捻りコイルバネが採用されており、回動体2,2に対して支持軸23,23回りの回転力を付与するようになっている。
そして、本実施形態に係る電路挟着具1は、図11(a)及び図11(b)に示す如く、雌ネジ部材Nを緩めることで支持軸23,23(回動体2の回転中心CN)を軸挿通穴H3(長穴)の長手方向に移動させることができるようになっている。従って、本実施形態に係る電路挟着具1は、支持軸23,23を軸挿通穴H3(長穴)に沿って移動させると、該支持軸23,23の挿通された連結フレーム22も支持軸23,23の配置に対応して移動するようになっている。そして、該電路挟着具1は、所望する位置で雌ネジ部材Nを締め付けることで該所望する位置に支持軸23,23を固定でき、また、連結フレーム22についても支持軸23,23の配置に対応した位置で固定できるようになっている。
本実施形態に係る電路挟着具1は、以上のように、両回動体2,2の回転中心CN(枢結位置)を移動できるため、両回動体2,2の挟持部20,20同士の離間距離を変更することができる。すなわち、連結フレーム22を回動体2,2の一端側(挟持部20側)に位置させて支持軸23,23で連結フレーム22と回動体2,2(回動フレーム21)とを枢結した状態よりも、連結フレーム22を回動体2,2の他端側に位置させて支持軸23,23で連結フレーム22と回動体2,2(回動フレーム21)とを枢結した状態の方が、支持軸23,23を中心とする挟持部20の回転半径が大きくなるため、回動体2,2を同じ回転角度で回転させても挟持部20の移動量が多くなる。これにより、上記電路挟着具1は、挟着可能な電路Cのサイズをさらに多くすることができ、汎用性の高いものになる。
また、本実施形態に係る電路挟着具1は、基本構成が第一実施形態と共通しているため、第一実施形態と同様に、電路Cを構成するケーブルや各種部品に取り付けたときの安定性を向上させることができる上に、電路Cに対する電気的な接続も良好になるという優れた効果を奏し得る。
なお、本発明に係る電路挟着具は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更し得ることは勿論のことである。
例えば、上記各実施形態において、電路挟着具1を短絡接地器具の接続手段として採用したが、これに限定されるものではなく、単なるクリップとして採用してもよい。すなわち、上記実施形態において、グリップ部213のカバー212を除いて各構成を導電性のある材料で構成するとともにフレーム本体210にアース線4を接続したが、これに限定されるものではなく、アース線4を接続することなく、一対の回動体2,2及び付勢手段3,3で構成されたものであってもよい。また、この場合、通電させる必要がないため、回動体2,2等の各構成を電気絶縁性のある材料(例えば、樹脂)で成型してもよい。
上記各実施形態において、挟持部20をアーム211の先端に対して傾動自在に連設したが、これに限定されるものではなく、例えば、回動フレーム21に対して挟持部20を固設したものであってもよい。但し、上述の如く、挟持部20を回動フレーム21に固設すると、延出体201…のスライド方向と電路Cに対する延出体201…の当接方向とが交差する方向になって延出体201…のスライドが阻害される(円滑にならない)場合があることから、挟持部20を回動フレーム21に対して傾動自在に設けることが好ましいことは言うまでもない。
上記各実施形態において、延出体201…(大径部201a及び小径部201b)を円柱状に形成したが、これに限定されるものでなく、例えば、延出体201…を角柱状或いは多角柱状に形成してもよい。
上記各実施形態において、連結フレーム22を介して回動体2,2同士を間接的に連結するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、各回動体2,2の回動フレーム21の一部を相手方の回動体2,2側に突出させ、該突出させた部分に共通の支持軸23を挿通することで両回動体2,2を軸支しつつ直接的に連結するようにしてもよい。
上記各実施形態において、一対の回動体2,2に対してグリップ部213を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、グリップ部213を設けることなく回動体2,2の他端部同士を連結するようにしてもよい。すなわち、クリップ部の把持によって挟持体同士を離間させる構成に限定されるものではなく、例えば、各回動体2,2の回転中心CNよりも一端側を把持して挟持部20,20同士を離間させるようにしたものであってもよい。また、上記実施形態において、作業者がグリップ部213を把持することを前提に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、間接活線作業に用いられる絶縁ヤットコでグリップ部213を把持するようにしても勿論よい。この場合、グリップ部213の形状を絶縁ヤットコで把持し易い形状に変更することが好ましいことは言うまでもない。
上記各実施形態において、延出体201…を段付き棒状に形成するとともに、その段部とベース本体203との間に介装した延出体付勢手段(捻りコイルバネ)202で延出体201…を先端側に付勢するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、上記実施形態において、延出体201…毎に延出体付勢手段であるコイルバネ202…を独立して設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、全ての延出体201…の基端に当接するように、弾性を有するクッション材やシート(例えば、ゴム)等の弾性材を延出体付勢手段202として延出体201…の基端側に配置するようにしてもよい。このようにすれば、各延出体201…のスライドに応じて弾性材(延出体付勢手段)202が部分的に弾性変形し、その復元力で延出体201…を電路Cに対して圧接させることができ、また、電路Cに対する挟着を解除したときに、延出体201…を元の位置に復帰させることができる。
この場合において、上記各実施形態と同様に、短絡接地器具の接続手段として採用する場合には、ベース200に対して電気的に接続されるとともに各延出体201…が摺接可能な導電部材をベース200内に設けることが好ましい。
ここで具体例について説明すると、例えば、図12(a)及び図12(b)に示す如く、ベース本体203(ベース200)の内部空間を前面側と背面側とに区画するように、延出体201…を挿通させる複数の挿通穴H5…が形成された導電シート240をベース本体203内に配置し、図12(b)に示す如く、導電シート240の挿通穴H5…の形成された領域と対向するように導電シート240によって区画された背面側の空間内に延出体付勢手段としての弾性材(例えば、弾性変形自在なゴム材やクッション材等)202を配置し、ベース本体203の前面に穿設された貫通穴H2…に挿通させた延出体201…を導電シート240の挿通穴H5…にさらに挿通させ、該延出体201…の基端を弾性材202に当接させるようにしてもよい。
この場合、ベース本体203の背面側には延出体201…を挿通させる貫通穴H1…を穿設する必要はなく、導電性を有する材料で形成されるベース本体203を前面側と背面側とに二分割にし、該二分割された部材203a,203bを組み合わせるとき(ベース本体203を形成するとき)に、導電シート240の外周縁部を二分割した部材203a,203bで挟み込むようにすれば、導電シート240がベース本体203に対して確実に電気的に接続された状態になる。
また、導電シート240に穿設する挿通穴H5…は、延出体201…よりも僅かも小さなサイズに設定し、図12(c)に示す如く、挿通穴H5…の周縁の二箇所以上に切り込み241…を設ければ、挿通穴H5…に延出体201…を挿通させたときに挿通穴H5…の周縁部が湾曲して延出体201…の外周に沿った状態になるため、延出体201…がスライドしてもその外周と導電シート240との接触(電気的な接続)が維持されることになる。なお、延出体201…が円柱状に形成される場合には、導電シート240の挿通穴H5…が円形状に形成されるため、上記切り込み241…は周方向に間隔をあけて設ければよいが、挿通穴H5…が四角状又は多角形状である場合には、切り込み241…は、挿通穴H5…(開口)を画定する内周上の各角部を始点にして設け、各切り込み241…が挿通穴H5…(開口)の中央を中心にして放射状に延びるように形成することが好ましい。
上記各実施形態で言及しなかったが、電路挟着具1を短絡接地器具の接続手段として採用する場合、グリップ部213から延出したアース線4を覆う電気絶縁性のある絶縁カバーを設けることが好ましい。このようにすることで、放電行為に対してアース線が支障になることが防止される。
また、上記各実施形態において、アース線4について言及しなかったが、例えば、アース線4は、部分的又は全体的に螺旋状(スパイラル状)に巻回されてもよい。このようにすれば、電路挟着具1を作業対象位置にまで搬送したときにアース線4の螺旋状の部分が延びることになり、電路挟着具1を円滑に適正な配置にすることができる。また、絶縁ヤットコ等で電路挟着具1を取り付ける場合、上述の如く、アース線4が部分的又は全体的に螺旋状(スパイラル状)に巻回されていれば、該アース線4が邪魔にならず円滑に作業を行える。
1…電路挟着具、2…回動体、3…付勢手段、4…ケーブル、20…挟持部、21…回動フレーム、22…連結フレーム、23…支持軸、200…ベース、201…延出体、201a…大径部、201b…小径部、201c…抜止部、202…延出体付勢手段(コイルバネ)、203…ベース本体、204…取付ベース、204a,204a…延出片、204b…接続片、205…連結座、205a…凹部、210…フレーム本体、210a,210a…対向片、210b…連結片、211…アーム、211a…第一延出部、211b…第二延出部、211c…連結部、212…カバー、213…グリップ部、230…軸部、231…鍔部、232…雄ネジ部、240…導電シート、241…切り込み、CN…回転中心、C…電路、H1…小径貫通穴(貫通穴)、H2…大径貫通穴(貫通穴)、H3…軸挿通穴、H4…軸穴、H5…挿通穴、J…ボールジョイント、N…雌ネジ部材
Claims (4)
- 互いに対峙するように配置され、対峙する一端側同士が接離可能に軸支されつつ直接的又は間接的に連結された一対の回動体と、該一対の回動体の一端側同士を接近させる方向に回動体を付勢する付勢手段とを備え、各回動体は、回転中心よりも一端側に電路を挟持するための挟持部を備え、両回動体の挟持部で電路を挟み込んで該電路に挟着させる電路挟着具であって、各回動体は、前記挟持部よりも他端側に配置されて前記回転中心を含む回動フレームを備え、前記挟持部は、回動フレームに連結されたベースと、相手方の挟持部に向けて延出し、該延出方向にスライド可能にベースに支持された複数の延出体と、ベースに装着されて前記延出体を延出方向の先端側に付勢する延出体付勢手段とを備えていることを特徴とする電路挟着具。
- 各回動体は、前記挟持部が回動フレームの先端に対して傾動自在に連結されている請求項1に記載の電路挟着具。
- 両回動体の回動フレームに跨るように配置される連結フレームと、該連結フレームの両端部に対して対応する回動体を枢結する一対の支持軸とを備え、各回動体が支持軸を回転中心にして回動可能に構成され、回動体に対する連結フレームの枢結位置が一端側と他端側との間で位置変更可能に構成されている請求項1又は2に記載の電路挟着具。
- 一対の回動体のうち、少なくとも何れか一方は、前記挟持部及び回動フレームが導電性を有し、前記回動フレームにアース接地用のケーブルが直接的又は間接的に接続され、又は接続可能に構成されている請求項1乃至3の電路挟着具。
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Cited By (1)
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WO2013101870A1 (en) * | 2011-12-29 | 2013-07-04 | Illinois Tool Works Inc. | Welding clamp for controlling current flow through the latter, welding system with such clamp, and method of manufacturing such clamp |
-
2010
- 2010-05-11 JP JP2010109482A patent/JP2011238488A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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