JP4287831B2 - 高周波差動信号フィルタの構造 - Google Patents

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Description

この発明は高周波差動信号フィルタの構造に関し、特にマイクロ波帯の広帯域フィルタを分布定数線路で実現するための構造に関する。
近年、データや画像等の大容量の通信のニーズが高まると同時に通信機器の相互接続が進んでいる。やがて、家電や普通の電話、時計や音楽プレーヤなどがネットワークで結ばれるばかりでなく、駅の自動券売機や飲料の自販機までもがネットワークにつながれ、車や電車の中からでもインターネットにアクセスできるような社会、いわゆるユビキタス社会の到来が言われている。ユビキタス社会の実現という点で見れば、場所を選ばず通信が行えるという長所をもつ無線通信が重要性を増している。
ところで、無線通信用の高周波回路として平衡回路や不平衡回路が知られている。平衡回路は高速で低消費電力の実現に有利であり、そのための差動信号伝送は半導体ICでは一般的となっているが、パッケージ・モジュール・プリント基板上ではまだ一般的ではなく、もっぱら不平衡回路が用いられている。半導体ICは平衡回路のインタフェースを持つため、半導体ICとプリント基板上の外部回路を接続するために平衡不平衡変換回路(バラン:Balun)を備える必要がある。
特開2002−198765号公報(特願2001−330844):統合フィルタ・バラン(対応する米国特許第6,542,055) 特許文献1は、差動回路に用いることが可能な共振子ベースのフィルタを開示している。これは個別部品(集中定数)により構成されている。
半導体IC以外の外部回路も平衡回路で構成されていれば平衡不平衡変換回路が不要となり、装置の小型化や低価格化の点で有利なことは言うまでもない。ここで例えば、外部回路のひとつであるフィルタを平衡回路で構成することを考えてみる。
図17(a)は不平衡高域通過フィルタの回路図を示し、同図(c)は不平衡低域通過フィルタの回路図を示す。同図(a)に示すような片側接地の不平衡信号を取り扱う高域通過フィルタはシリーズ(series直列)の容量C1、C2とシャント(shunt短絡)のインダクタL1で構成できる。同図(c)に示すような片側接地の不平衡信号を取り扱う低域通過フィルタはシリーズのインダクタL4,L5とシャントの容量C7で構成できる。
ところで、同図(a)(c)のフィルタを平衡信号用のフィルタとするには、これらと同じフィルタを用意し、それぞれを同図(a)(c)のフィルタの接地されていた部分に接続すればよい。同図(a)(c)のフィルタを平衡信号用フィルタとして構成した回路図を同図(b)(d)に示す。同図(b)(d)の回路は対称に構成されている。同図(b)の平衡高域通過フィルタはシリーズの容量C3乃至C6とシャントのインダクタL2及びL3で構成され、同図(d)の平衡低域通過フィルタはシリーズのインダクタL6乃至L9とシャントの容量C8及びC9で構成される。
上記のようにシリーズの容量とインダクタ、シャントの容量とインダクタで構成される不平衡信号用フィルタが与えられれば、これを平衡信号用フィルタに変換して作製することができる。
高速伝送に用いられるような高周波帯では、個別部品は寄生の容量、インダクタンス、抵抗が悪影響を及ぼし、単純なインダクタL,容量Cではなくなって、高速伝送で使用されるマイクロ帯ではフィルタ特性が大きく劣化してしまう。そのために図17で示すような集中定数を用いることができず、分布定数線路を用いる必要がある。しかし、集中定数回路において、特に容量Cを実現することが困難であった。また、具体的にどのような構造を用いて分布定数線路を用いた平衡回路用フィルタを作製すれば良いのか知られていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、マイクロ波帯以上の高周波帯でも設計精度よく作製できる分布定数線路を用いた平衡回路用(差動信号用)フィルタを提供することを目的とし、特に、分布定数線路を用いて平衡回路用フィルタを作製するために好適な構造を提供することを目的とする。
この発明に係る高周波差動信号フィルタ用のシャントキャパシタ構造は、積層された第1誘電体6a及び第2誘電体6bと、前記第1誘電体と前記第2誘電体の間に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路2a,2bからなる2結合線路と、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の前記2結合線路の設けられた面とは反対側の面に前記2結合線路を覆うようにそれぞれ設けられた電極3,4とを備えるものである。
この発明に係る高周波差動信号フィルタ用のシリーズキャパシタ構造は、積層された第1誘電体16a及び第2誘電体16bと、前記第1誘電体と前記第2誘電体の間に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路であってその途中に間隙が設けられた線路からなる2結合線路12a、12bと、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の前記2結合線路の設けられた面とは反対側の面に前記2結合線路を覆うようにそれぞれ設けられた第1電極13及び第2電極14とを備え、前記第1電極及び前記第2電極それぞれに前記対称面の個所で間隙Gが設けられるとともに、前記第1電極と前記第2電極が短絡されている(ビア15)ことを特徴とする。
この発明に係る高周波差動信号低域通過フィルタは、
積層された第1誘電体及び第2誘電体と、前記第1誘電体と前記第2誘電体の間に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の前記2結合線路の設けられた面とは反対側の面に前記2結合線路を覆うようにそれぞれ設けられた電極とを備えるシャントキャパシタ22と、
前記シャントキャパシタの前記2結合線路の両端にそれぞれ縦続接続された複数の高インピーダンス2結合線路23,25とを備えるものである。
この発明に係る帯域通過フィルタの構造は、
積層された第1誘電体及び第2誘電体と、前記第1誘電体と前記第2誘電体の間に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の前記2結合線路の設けられた面とは反対側の面に前記2結合線路を覆うようにそれぞれ設けられた電極とを備えるシャントキャパシタ、及び、前記シャントキャパシタの前記2結合線路の両端にそれぞれ縦続接続された複数の高インピーダンス2結合線路を含む高周波差動信号低域通過フィルタ34と、
前記第1誘電体と前記第2誘電体の間に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路であってその途中に間隙が設けられた線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の前記2結合線路の設けられた面とは反対側の面に前記2結合線路を覆うようにそれぞれ設けられた第1電極及び第2電極とを備え、前記第1電極及び前記第2電極それぞれに前記対称面の個所で間隙が設けられるとともに、前記第1電極と前記第2電極が短絡されていることを特徴とするシリーズキャパシタ32と、を備え、
前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記複数の高インピーダンス2結合線路の一方に前記シリーズキャパシタを縦続接続するとともに、
前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記第1誘電体に設けられた電極又は前記第2誘電体に設けられた電極のいずれか一方と、前記シリーズキャパシタの前記第1電極又は前記第2電極のいずれか一方の短絡点近傍を、高インピーダンス2結合線路からなるシャントインダクタ33で接続したことを特徴とする。
本発明によれば、分布定数線路を用いて高周波差動信号用フィルタを作製することができる。
最初に、差動回路を構成するためのシャントキャパシタの構造とシリーズキャパシタの構造を説明し、次に、これらを含む差動信号用低域通過フィルタの構造と差動信号用帯域通過フィルタの構造を説明する。
<差動回路用シャントキャパシタの構造>
図1は、発明の実施の形態に係る差動回路用シャントキャパシタの構造を示す斜視図である。図面を見やすくするため、図1において誘電体の表示を省略している。図2は、図1のA−A矢視断面図である。図2において、L1〜L3は導体を形成し得る面(層)を意味し、上から順番にL1(第1面)、L2(第2面)、L3(第3面)としている。第2面L2は2つの誘電体6aと6bに挟まれている。SPは誘電体6a,6bに垂直な平面であり、これを対称面として電極2が配置されている。面L1〜L3と対称面SPは説明の便宜上図示したものであって、実際の構造には含まれない。図3は、図1及び図2の構造によるシャントキャパシタの概略等価回路である。
図1及び図2において、1は複数の電極(線路)2a,2bの両端にそれぞれ設けられた入出力端子である。2aと2bは差動信号用の容量を構成する電極である。電極2aと電極2bは第2面L2に対称面SPに関して対称に設けられている。3は第1面L1上に少なくとも電極2aと2bを覆うように設けられた電極である。4は第3面L3上に少なくとも電極2aと2bを覆うように設けられた電極である。電極2aと電極3は誘電体6aを挟んでシャントの容量を構成するとともに、電極2aと電極4は誘電体6bを挟んでシャントの容量を構成する。電極2bについても同様である。5は電極3と電極4を短絡するためのビアである。6aと6bは誘電体である。
図1及び図2において、第2面L2の電極2a及び電極2bと第1面L1の電極3ならびに第3面L3の電極4とで差動信号のシャントの容量を構成するよう対向して設けられている。図1及び図2の例では、電極2aと2b,3,4の各電極面に垂直な対称面SPが差動信号の仮想接地面となっている。電極3,4はビア5により一体化された電極であり、電極2a、電極3及び電極2aと電極4で構成される上下の容量は、電極3,4を短絡するビア5により近似的に並列の容量を構成する。電極2bについても同様である(図3参照)。なお、電極3,4は仮想接地面に接続しているため同電位となるのでビア5はなくてもよい。
ところで、図17に示すように片側接地の不平衡信号を取り扱う場合、集中定数で構成された低域通過フィルタはシリーズのインダクタとシャントの容量で(図17(c))、集中定数で構成された高域通過フィルタはシリーズの容量とシャントのインダクタで構成できる(図17(a))。これらを、平衡信号を扱うフィルタとするには、同じ不平衡信号のフィルタを構成し接地されていた部分を接続することにより構成できる(図17(b)と(c))。従ってシリーズの容量とインダクタ、シャントの容量とインダクタが構成できれば平衡信号のフィルタを作製することができる。
しかし集中定数のインダクタ、キャパシタは高周波になってくるとその大きさが波長に対して無視できなくなり分布定数線路として取り扱う必要がある。分布定数線路としてシャントの容量を実現した例(比較例)を図4に示す。図4(a)は集中定数で表した等価回路、図4(b)と(c)はそれを分布定数線路で実現した構造を示し、それぞれ上面図とa−a’矢視断面図である。41は差動信号の入出力端子、42はシャントCの上面電極、43はシャントCの下面電極を表す。下面電極43はその中央で短絡されている。44は誘電体基板を表す。
これに対し図1及び図2の構造では、第2面L2の電極2aと第1面L1の電極3間の容量と、第2面L2の電極2aと第3面L3の電極4間の容量が並列となるよう構成されている。電極2bについても同様である。すなわち、電極2aと2bそれぞれの両面を使って容量を実現でき、しかもそれらをビア5によって短絡して並列接続できるので、同じ面積の電極を用いたときに図4の構造に比べて2倍の容量を得ることができる。
なお、図4の構造でも2倍の容量は、電極42の面積を2倍にすることで得ることができるが、そのときの実効的な容量をシミュレーションで比較した結果を図5に示す。図5で2つのグラフを示すが、縦軸の容量のスケールが異なる点を除き両者は同じものである。
シミュレーションの条件は次のとおりである。
・発明の実施の形態(図1及び図2)の構造
2つの層の誘電体6a,6bはどちらも、比誘電率9.8、厚み0.1mmである。複数の電極2a,2bの大きさはそれぞれ1mmx0.6mmである。電極2aと2bの間隔は0.1mmである。
・比較例(図4)の構造
誘電体44の条件は発明の実施の形態と同じである。複数の電極42は1mm角、複数の電極42の間隔は0.1mmである。
図5からわかるように、低周波での容量は発明の実施の形態の構造と比較例の構造とで同じであるが、本発明の実施の形態の構造の方がより高周波の領域まで容量の変動が小さいことがわかる。通常の回路では容量は使用帯域内ではほぼ一定である必要があり、本発明の実施の形態の構造の方がより広い帯域で使用できる。
図1及び図2の構造によれば、同じ面積の電極2を用いたときに容量を大きくできるだけでなく、その高周波特性を改善することができる。
<差動回路用シリーズキャパシタの構造>
図6は、発明の実施の形態に係る差動回路用シリーズキャパシタの構造を示す斜視図である。図面を見やすくするため、図6において誘電体の表示を省略している。図7は、図1のB−B矢視断面図である。図7の面(層)L1〜L3と対称面SPは、図2の場合と同様の意味である。図8は、図6及び図7の構造によるシャントキャパシタの概略等価回路である。
図6及び図7において、11は電極(線路)12a,12bにそれぞれ設けられた入出力端子である。12a,12bは差動信号用の容量を構成する第2面L2上の電極(線路)である。電極12aと12bが対称面SPに関し対称に配置されているのは図1及び図2の場合と同じであるが、図6及び図7においては、電極12a、12bの中間部にそれぞれに間隙(図6の符号G)が設けられている。つまり、一方の入出力端11から他方の入出力端までの途中に間隙が設けられていて、電極12a、12bの入出力端11,11間は短絡していない。13aと13bは第1面L1上の電極、14aと14bは第3面L3上の電極でそれぞれ電極12a,12bとシリーズの容量を構成する。電極13aと13bの間の対称面SPの部分に間隙が設けられている。すなわち、電極13aと13bは短絡していない。間隙の設けられている個所が対称面SPであるから、電極13aと13bは接地されていない。電極14aと14bについても同様である。15は電極13aと14a、電極13bと14bをそれぞれ短絡するための複数のビアである。16aと16bは誘電体である。
対称面SPは差動信号に対し仮想接地面となっている。図6の奥側の2つの電極12a、12bと電極13a、13bの電極が対向して容量を構成する(図8のCb,Cf)とともに、奥側の電極12a,12bと電極14a,14bの電極が対向して容量を構成する(図8のCd,Ch)。同様に、手前の電極12a、12bも電極13a,13b,14a,14bと容量を構成する(図8のCa,Cc,Ce,Cf)。電極13aと13bは、対称面SPの部分で分離されているものの、対称面SPに沿った前後方向で短絡されているため、2つの容量は直列に接続されていることになる(図8のCaとCb、CcとCd、CeとCf、CgとCh)。上下の1対の電極13,14はビアで各々連結されているため、12と13の容量、12と14の容量は左右の電極に各々について並列接続となっている(直列接続のCa+Cbと直列接続のCc+Cd、直列接続のCe+Cfと直列接続のCg+Ch)。
このように、図6及び図7の構造は、第2面L2の電極12a,12bと第1面の電極13a,13b間の容量と、電極12a,12bと第3面L3の電極14a,14b間の容量が並列となるよう構成されている。
次に、図6及び図7の構造のシリーズ容量に関してその特性の説明をする。図9はシリーズの容量の周波数依存性に関して、本発明の実施の形態の構造の特性を示したものである。図9には、図6及び図7の構造から電極13aと13b又は14aと14bの一方を取り去ったものを比較例として示した。
シミュレーションの条件は次のとおりである。
・発明の実施の形態(図6及び図7)の構造
2つの誘電体16a、16bはどちらも比誘電率9.8、厚み0.1mmである。電極12a(電極12aは2つの部分からなるがその一方の部分)の面積は0.65mmx0.3mmである。電極12bも同様である。電極12aと12bの間隔は0.1mmである。
・比較例の構造
片側にだけ電極をもつので図6及び図7と同じ容量を持たせるために、電極12a,12bの各部分の面積を約2倍とした。すなわち、第2面の電極12a,12bは0.6mm角である。電極12aと12bの間隔は0.1mmである。
図9からわかるように、低周波での容量は発明の実施の形態の構造と比較例の構造とで同じであるが、本発明の実施の形態の構造の方がより高周波の領域まで容量の変動が小さいことがわかる。通常の回路では容量は使用帯域内ではほぼ一定である必要があり、本発明の実施の形態の構造の方がより広い帯域で使用できる。
図6及び図7の構造によれば、同じ面積の電極12を用いたときに容量を大きくできるだけでなく、その高周波特性を改善することができる。
<差動信号用低域通過フィルタの構造>
発明の実施の形態に係るシャントキャパシタを用いた低域通過フィルタを説明する。図10は発明の実施の形態に係る低域通過フィルタの斜視図である。図11は同平面図である。これらの図において誘電体の表示を省略している。図12はその等価回路を示す。
図10及び図11において、21は入出力端子、22はシャント容量(図1及び図2に示したもの)、23と25は差動信号用のインダクタを構成する2結合線路、24は片側のみに対向電極を有する容量(図4に示したもの)を示す。容量24を構成する電極24−1は第1面L1に設けられるが、インダクタ23と25や入出力端子21は第2面L2に設けられる。
差動用シャント容量22の前後にインダクタを構成する2結合線路23,25が接続され、2結合線路23の入出力端子側21にはシャントキャパシタ24が接続されている。したがって、図10及び図11の低域通過フィルタは、奥側からインダクタ25、容量22、インダクタ23及び容量24の4つの回路要素が縦続接続された回路(4段の低域通過フィルタ)となる(図12参照)。容量22と24、インダクタ23と25の値を適切に選ぶことで低域通過フィルタを実現できる。なお、容量24の構造を、容量22と同様の構造としてもよい。
次に図10及び図11の低域通過フィルタの特性について説明する。図13はシミュレーションによる当該低域通過フィルタの特性例を示す。図13では10GHzを遮断周波数としている。
シミュレーションの条件は次のとおりである。
・図示しない上層の誘電体は誘電率9.8、誘電体厚み0.1mmである。
・図示しない下層の誘電体は誘電率7.5、誘電体厚み0.05mmである。
・2結合線路25は、線路間隔1mm、線路幅0.1mm、線路長0.9mmである。
・シャント容量22第2面L2の電極は0.4mm角である。
・2結合線路23は、線路間隔1mm、線路幅0.1mm、線路長1.3mmである。
・奥側(線路25側)の入出力端子21のインピーダンスは50Ω、手前(線路23側)の端子インピーダンスは100Ωである。
図13からわかるとおり、発明の実施の形態に係る低域通過フィルタでは10GHz帯を遮断周波数とする良好な低域通過特性が実現されている。
<差動信号用帯域通過フィルタの構造>
発明の実施の形態に係るシャントキャパシタとシリーズキャパシタを用いた帯域通過フィルタを説明する。図14は発明の実施の形態に係る帯域通過フィルタの斜視図である。図15は同平面図である。これらの図において誘電体の表示を省略している。
図14及び図15において、31は第2面L2に構成された入出力端子、32は上述のシリーズ容量、33はシリーズ容量32と低域通過フィルタ34のビアを接続する線路、34は上述の低域通過フィルタである。低域通過フィルタ34のシャント容量の部分は対称面で短絡されているため、線路33のインダクタンスの終端は接地されていることに相当する。
図14及び図15の帯域通過フィルタは、図10及び図11の低域通過フィルタと、図6及び図7のシリーズ容量を直列に接続するとともに、前記低域通過フィルタと前記シリーズ容量のビアの間を接続する1対の線路33,33を備えるものである。1対の線路はインダクタを構成する。当該インダクタの一端は接地された低域通過フィルタ34のシャント容量の部分に接続されていることから、このインダクタは差動シャントインダクタとなる。当該差動シャントインダクタと前記シリーズ容量とが高域通過フィルタを構成する。
図14及び図15の構成は、低域通過フィルタと高域通過フィルタが縦続接続されたものであり、帯域通過フィルタになる。図14及び図15の構成では、シリーズ容量の中間から1対の線路33が引き出され低域通過フィルタ34のシャント容量の第3面L3の電極(第1面L1の電極でもよい)に接続されている。第3面L3(及び第1面L1)の電極は仮想グランド面となる対称面SPと電気的に接続されているため、線路33は仮想グランド面に設置されることとなりシャントのインダクタンスとなる。低域通過フィルタ34に接続される回路32,33は、概ねシリーズC−シャントL−シリーズCの構成ができ3段の高域通過フィルタが実現される。
次に図14及び図15の帯域通過フィルタの特性について説明する。図16に3GHzから10GHzを通過周波数とする帯域通過フィルタの特性例を示す。
シミュレーションの条件は次のとおりである。
・上層の誘電体は誘電率9.8、誘電体厚み0.1mmである。
・下側の誘電体は誘電率7.5、誘電体厚み0.05mmである。
・低域通過フィルタ34の条件は図13の場合と同じである。
・電極32の第2面の1対の電極のうち奥側のものは0.5mmx0.35mm、同手前のもの1対の電極は0.5mmx0.45mmである。
・シャントのLを構成する線路33は線路幅0.1mm、線路間隔は2.7mm、引き出し点から、低域通過フィルタ34のシャント容量への接続点までの線路長は2.1mmである。
・奥側の端子31のインピーダンスは差動50Ω、手前の端子31のインピーダンスは100Ωである。
図16からわかるとおり3GHzから10GHz帯を通過周波数とする良好な帯域通過フィルタが実現されている。
以上述べたように、本発明によれば、マイクロ波帯でも特性のよいシャント及びシリーズの容量及びこれらを用いた低域通過フィルタ、帯域通過フィルタを作製することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
発明の実施の形態に係る差動回路用シャントキャパシタの斜視図である。 図1のA−A矢視断面図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用シャントキャパシタの等価回路である。 差動回路用シャントキャパシタ(比較例)の説明図である。図4(a)は集中定数で表した構成、図4(b)及び(c)はそれを分布定数線路で実現したときの上面図及び断面図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用シャントキャパシタの特性例を示すグラフである。 発明の実施の形態に係る差動回路用シリーズキャパシタの斜視図である。 図6のB−B矢視断面図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用シリーズキャパシタの等価回路である。 発明の実施の形態に係る差動回路用シリーズキャパシタの特性例を示すグラフである。 発明の実施の形態に係る差動回路用低域通過フィルタの斜視図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用低域通過フィルタの平面図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用低域通過フィルタの等価回路である。 発明の実施の形態に係る差動回路用低域通過フィルタの特性例を示すグラフである。 発明の実施の形態に係る差動回路用帯域通過フィルタの斜視図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用帯域通過フィルタの平面図である。 発明の実施の形態に係る差動回路用帯域通過フィルタの特性例を示すグラフである。 集中定数で表した不平衡フィルタ、平衡フィルタの説明図である。
符号の説明
1 入出力端
2 2結合線路
2a、2b 2結合線路を構成する電極(線路)
3、4 電極2a,2bに対向する電極
5 ビア
6a 第1誘電体
6b 第2誘電体
11 入出力端
12 2結合線路
12a,12b 2結合線路を構成する電極(線路)
13a 電極2aに対向する電極(第1電極)
13b 電極2bに対向する電極(第1電極)
14a 電極2aに対向する電極(第2電極)
14b 電極2bに対向する電極(第2電極)
15 ビア
16a 第1誘電体
16b 第2誘電体
21 入出力端
22 シャントキャパシタ
23 シリーズのインダクタとしての線路
24 シャントキャパシタ
25 シリーズのインダクタとしての線路
31 入出力端
32 シリーズキャパシタ
33 シャントのインダクタとしての線路
34 低域通過フィルタ
G 電極に設けられた間隙
L1〜L3 第1面(第1層)〜第3面(第1層)
SP 対称面

Claims (4)

  1. 積層された第1誘電体及び第2誘電体を含む高周波差動信号フィルタの構造であって、
    前記第1誘電体と前記第2誘電体の間を第2面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第1誘電体の面を第1面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第2誘電体の面を第3面とし、
    前記第2面に設けられ、前記第1誘電体及び前記第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路からなる2結合線路と、
    前記第1誘電体の前記第1面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極と、
    前記第2誘電体の前記第3面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極とを備え、
    前記2結合線路の前記複数の線路それぞれの両端に入出力端が設けられていることを特徴とする高周波差動信号フィルタ用のシャントキャパシタ構造。
  2. 積層された第1誘電体及び第2誘電体を含む高周波差動信号フィルタの構造であって、
    前記第1誘電体と前記第2誘電体の間を第2面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第1誘電体の面を第1面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第2誘電体の面を第3面とし、
    前記第2面に設けられ、前記第1誘電体及び前記第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路であってその途中に間隙が設けられた線路からなる2結合線路と、
    前記第1誘電体の前記第1面に前記2結合線路を覆うように設けられた第1電極と、
    前記第2誘電体の前記第3面に前記2結合線路を覆うように設けられた第2電極とを備え、
    前記第1電極及び前記第2電極それぞれに前記対称面の個所で間隙が設けられるとともに、前記第1電極と前記第2電極が短絡され、
    前記2結合線路の前記複数の線路それぞれの両端に入出力端が設けられていることを特徴とする高周波差動信号フィルタ用のシリーズキャパシタ構造。
  3. 積層された第1誘電体及び第2誘電体を含む高周波差動信号フィルタの構造であって、
    前記第1誘電体と前記第2誘電体の間を第2面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第1誘電体の面を第1面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第2誘電体の面を第3面とし、
    前記第2面に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体の前記第1面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極と、前記第2誘電体の前記第3面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極と備えるシャントキャパシタと、
    前記シャントキャパシタの前記2結合線路の一方の端に接続された第1の高インピーダンス2結合線路と、
    前記シャントキャパシタの前記2結合線路の他方の端に接続された第2の高インピーダンス2結合線路とを備え、
    前記シャントキャパシタに接続されていない、前記第1の高インピーダンス2結合線路及び前記第2の高インピーダンス2結合線路それぞれの端に入出力端が設けられていることを特徴とする高周波差動信号低域通過フィルタ。
  4. 積層された第1誘電体及び第2誘電体を含む高周波差動信号フィルタの構造であって、
    前記第1誘電体と前記第2誘電体の間を第2面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第1誘電体の面を第1面とし、
    前記第2面とは反対側の前記第2誘電体の面を第3面とし、
    前記第2面に設けられ、前記第1誘電体及び第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体の前記第1面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極と、前記第2誘電体の前記第3面に前記2結合線路を覆うように設けられた電極と備えるシャントキャパシタと、前記シャントキャパシタの前記2結合線路の両端にそれぞれ縦続接続された複数の高インピーダンス2結合線路とを備える高周波差動信号低域通過フィルタと、
    前記第2面に設けられ、前記第1誘電体及び前記第2誘電体に垂直な対称面に関して互いに対称に配置された複数の線路であってその途中に間隙が設けられた線路からなる2結合線路と、前記第1誘電体の前記第1面に前記2結合線路を覆うように設けられた第1電極と、前記第2誘電体の前記第3面に前記2結合線路を覆うように設けられた第2電極とを備え、前記第1電極及び前記第2電極それぞれに前記対称面の個所で間隙が設けられるとともに、前記第1電極と前記第2電極が短絡されていることを特徴とするシリーズキャパシタとを備え、
    前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記複数の高インピーダンス2結合線路の一方に前記シリーズキャパシタを縦続接続するとともに、
    前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記第1面に設けられた電極と、前記シリーズキャパシタの前記第1面に設けられた第1電極の短絡点近傍を、高インピーダンス2結合線路からなるシャントインダクタで接続するか、又は、
    前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記第3面に設けられた電極と、前記シリーズキャパシタの前記第3面に設けられた第2電極の短絡点近傍を、高インピーダンス2結合線路からなるシャントインダクタで接続し、
    前記高周波差動信号低域通過フィルタの前記複数の高インピーダンス2結合線路の端に入出力端を設け、
    前記シリーズキャパシタの前記2結合線路の端に入出力端を設けたことを特徴とする帯域通過フィルタの構造。
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