JP4287266B2 - 錫促進白金触媒を用いた低級脂肪族アルコールのカルボニル化方法 - Google Patents

錫促進白金触媒を用いた低級脂肪族アルコールのカルボニル化方法 Download PDF

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Description

本発明は、エステル及びカルボン酸を製造する、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコールのエーテル及びエステル誘導体並びにそれらの混合物の気相カルボニル化方法に関する。更に詳しくは、本発明は、固体担体材料を伴なった白金及び錫を有する固体触媒を用いた、酢酸及び酢酸メチルを製造するメタノールの気相カルボニル化方法に関する。
低級カルボン酸及びエステル、例えば酢酸及び酢酸メチルは、長年、工業用化学薬品として知られてきた。酢酸は、種々の中間体及び最終製品の製造に使用される。例えば重要な誘導体には、種々のポリマー用のモノマー又はコモノマーとして使用できる酢酸ビニルがある。酢酸自体は、容器業界において、特にPET飲料容器の形成において広く使用されるテレフタル酸の製造において溶剤として使用される。
下記式(1)〜(3)に示すように、メタノールのような低級アルキルアルコール及びエーテルを、それらの対応するカルボン酸及びエステルにカルボニル化する金属触媒を使用するに当たっては、多くの研究活動がなされている:
ROH + CO → RCOOH (1)
2ROH + CO → RCOOR + 水 (2)
ROR’ + CO → RCOOR (3)
メタノールのカルボニル化はよく知られた反応であり、典型的には、液相中で触媒を用いて実施される。これらの商業的方法及び単一炭素源からアセチルを生成せしめるための他のアプローチに関する詳細な総説は、Howardらによって非特許文献1に記載されている。一般に、メタノールを用いた酢酸の製造のための液相カルボニル化反応は、第VIII族金属及びハロゲン成分、例えばヨウ素もしくは臭素又はヨウ素もしくは臭素含有化合物、例えばヨウ化水素、臭化水素、ヨウ化メチルもしくは臭化メチルを含む均一触媒系を用いて実施する。ロジウムは最も一般的な第VIII族金属触媒であり、ヨウ化メチルは最も一般的な促進剤である。これらの反応は触媒の沈殿を防ぐために水の存在下に実施される。
これらの最近開発された方法は、その供給材料が燐酸、ホスフェート、活性炭、重金属塩及び金属カルボニル、例えばコバルトカルボニル、鉄カルボニル及びニッケルカルボニルのような触媒系の存在下に予めカルボニル化される古典的なカルボニル化方法に比べて著しく向上している。これまで知られていたこれらの方法は全て、極めて高い一酸化炭素分圧の使用を必要とする。これらはまた、充分な反応及び転化速度を得るのにより高い触媒濃度、より長い反応時間及びより高い温度を必要とするという欠点を有し、そのため、より大型でより高価な処理装置とより高い製造コストが必要である。
均一相カルボニル化法の欠点は、触媒溶液からの生成物の分離に追加の工程が必要であり、触媒のハンドリングロスが常に存在する点である。触媒中の金属の損失は、配管及び処理装置への活性金属のプレートアウトとそれによるカルボニル化に対しての金属の不活性化、及び生成物からの触媒の不完全な分離による損失のようないくつかの要因による可能性がある。金属自体が非常に高価であるため、金属成分のこのような損失はコストがかさむ。
Schultz(特許文献1)は、気相反応におけるカルボン酸の生成に、アルコールのカルボニル化用担持ロジウム不均一触媒を用いることを開示している。Schultzはさらに、ハロゲン化物促進剤の存在を開示している。
Schultz(特許文献2)は、同様な担持ロジウム触媒と、周期表の第IB族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIII族、ランタニド及びアクチニド元素から選ばれた促進剤との併用を記載している。
Uhm(特許文献3)は、ハロゲン化物促進気相メタノールカルボニル化反応用の担持ロジウム用の促進剤としてアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属を使用することを記載している。Pimblett(特許文献4)は、炭素担体に担持されたロジウムとニッケルの組合せがロジウム又はニッケルのいずれか単独よりも活性であることを教示している。
イリジウムを均一アルコールカルボニル化触媒として使用する以外に、Paulikら(特許文献5)は、気相ハロゲン促進不均一アルコールカルボニル化法における触媒として不活性担体に担持されたイリジウムを使用することを記載している。
特許文献6は、アルコール及び/又はそれらの反応性誘導体のカルボニル化方法に関する。特許文献6は、液相中、均一触媒系の存在下にアルコールをカルボニル化する第1カルボニル化反応器を含むカルボニル化方法を開示しており、この第1反応器からの発生気体は次に追加のアルコールと混合され、担持触媒を含む第2反応器に供給される。第1反応器中で使用される均一触媒系はロジウム及びイリジウムから選ばれた第VIII族金属及びハロゲン成分を含んでなる。第VIII族金属がイリジウムである場合には、均一触媒系はまた、ルテニウム、オスミウム、レニウム、カドミウム、水銀、亜鉛、インジウム及びガリウムからなる群から選ばれた任意の共促進剤を含むことができる。第2反応器において使用される担持触媒は、イリジウム、ロジウム及びニッケルからなる群から選ばれた第VIII族金属及び任意的な金属促進剤を炭素担体上に含む。任意的な金属促進剤は鉄、ニッケル、リチウム及びコバルトとすることができる。第二カルボニル化反応器ゾーン内の条件は、第二反応器内に混合蒸気及び液体相が存在するような条件である。第二反応器中における液相成分の存在は、必然的に担持触媒からの活性金属の浸出をもたらし、それが次に、触媒活性をかなり低下させ、活性触媒成分の費用のかかる交換につながる。
文献は、1バールの圧力下、ハロゲン化物促進剤の存在下における気相アルコールカルボニル化触媒としてのロジウム含有ゼオライトの使用に関するいくつかのレポートを含む。この型の触媒に関する主要参考文献は、Maneckらによって提示される(非特許文献2)。Gelinら(非特許文献3)は、ハロゲン化物促進剤の存在下におけるメタノールの気相カルボニル化用の触媒としてゼオライトに含まれるロジウム又はイリジウムを使用する例を記載している。Krzywickiら(非特許文献4)は、メタノールのハロゲン化物促進気相カルボニル化におけるロジウム用の担体としてシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及び二酸化チタンを使用することを記載しているが、これらの担体は一般的に炭素ほど有効ではない。Luftら(特許文献7及び関連した開示)は、カルボン酸無水物へのエーテル又はエステルのハロゲン化物促進気相カルボニル化用の不均一触媒に第VIII族金属を結合させる手段として、種々の担体に化学的に結合するキレート配位子を使用することを記載している。
Evansら(特許文献8)は、酸化物担体に結合した窒素又は燐配位子に結合した貴金属を基材とするハロゲン化物促進気相メタノールカルボニル化用の不均一触媒を記載している。
Pansterら(特許文献9)は、アルコールのハロゲン化物促進液相カルボニル化用の不均一触媒としてロジウム含有有機ポリシロキサン−アンモニウム化合物を使用することを記載している。
Dragoら(特許文献10)は、メタノールのハロゲン化物促進カルボニル化を含む多数のカルボニル化反応のための触媒として、陰イオン型の単一の遷移金属に結合した陰イオン交換樹脂を使用することを記載している。担持配位子及び陰イオン交換樹脂は液相カルボニル化反応における金属の固定にかなり役立つが、一般的には、担持配位子及び陰イオン交換樹脂の使用は、アルコールの気相カルボニル化においては、活性金属成分用担体としての炭素の使用に比較して有利ではない。一般に、これらの触媒は高温において不安定であるため、気相法にはあまりふさわしくない。
活性炭担持ニッケルは、メタノールのハロゲン化物促進気相カルボニル化用不均一触媒として研究されている。炭素担持ニッケル触媒系に関する関連参考事項はFujimotoら(非特許文献5)によって提供される。更に、Fujimotoら(非特許文献6)は、供給材料混合物への水素の添加時に速度の増加を観察した。Liuら(非特許文献7)は、錫が炭素担持ニッケル触媒の活性を増大させることを報告している。Muellerら(特許文献11)は、メタノールのハロゲン化物促進カルボニル化用の担持ニッケル触媒にパラジウム及び場合によっては銅を添加することを開示している。一般に、ニッケル基材触媒による反応の速度は、同様な条件下で操作する場合、類似のロジウム基材触媒による反応の速度よりも遅い。
炭素に担持される他の単一金属は、Fujimotoら(非特許文献8)によって、メタノールのハロゲン化物促進気相カルボニル化においては活性が限られることが報告されている。これらの金属のうち最も活性が高いのはSnである。Snに次いでPb、Mn、Mo、Cu、Cd、Cr、Re、V、Se、W、Ge及びGaの順に活性が低くなる。これらの他の単一金属触媒はいずれも、Rh、IrもしくはNiを基材とするものほど、又、本発明の触媒ほど活性が高くない。
Yagita及びFujimoto(非特許文献9)は、金属担持触媒における活性炭の役割について検討し、活性炭に担持された第VIII族金属のカルボニル化活性が、金属とハロゲンとの親和力によって順序づけられることを観察した。
Feitler(特許文献12)は、気相におけるアルコール及び他の化合物の、ハロゲン化物を用いないカルボニル化のための触媒として、遷移金属を含まないある種のゼオライトを使用することを記載している。
特許文献13は、不活性担体に担持された金属イオン交換ヘテロポリ酸の存在下における一酸化炭素によるアルコール及びエーテルのカルボニル化によって、アルコール及びエーテルをカルボン酸及びエステルに転化する気相法を記載している。反応に使用する触媒は、気相中におけるアルコール及び他の化合物のハロゲン化物不使用カルボニル化のための触媒として、金属が、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd又はPtのような少なくとも1種の第VIII族陽イオンで錯化された第V(a)族及び第VI(a)族の少なくとも1種であるポリオキソメタレート陰イオンを含む。
米国特許第3,689,533号 米国特許第3,717,670号 米国特許第5,488,143号 米国特許第5,258,549号 米国特許第3,772,380号 ヨーロッパ特許出願EP 0 759 419 Al 米国特許第4,776,987号 米国特許第5,185,462号 米国特許第4,845,163号 米国特許第4,417,077号 米国特許第4,918,218号 米国特許第4,612,387号 米国特許第5,218,140号
Howardら,Catalysis Today,18,325〜354(1993) Maneckら,Catalysis Today,3,421〜429(1988) Gelinら,Pure & Appl.Chem.,Vol.60,No.8,1315〜1320(1988) Krzywickiら,Journal of Molecular Catalysis,6,431〜440(1979) Fujimotoら,Chemistry Letters,895〜898(1987) Fujimotoら,Journal of Catalysis,133,370〜382(1992) Liuら,Ind.Eng.Chem.Res.,33,488〜492(1994) Fujimotoら,Catalysis Letters,2,145〜148(1989) Yagita及びFujimoto,Journal of Molecular Catalysis,69,191〜197(1991)
本発明によれば、望ましくはカルボニル化反応に不活性な固体担体材料に担持された触媒有効量(即ち、それぞれ、金属として0.01〜10重量%)の白金及び錫を含む触媒を用いた、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコールのエーテル及びエステル誘導体並びにそエステル−アルコール混合物を含む反応体の不均一気相カルボニル化方法が提供される。
要するに、本発明は、エステル及びカルボン酸を製造するための、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成組成物、例えば低級アルキルアルコールのエーテル及びエステル誘導体並びにそれらの混合物を含む反応体の気相カルボニル化法である。この方法は、固体担体材料を伴なった(即ち、固体担体材料に担持された)触媒有効量(即ち、それぞれ、金属として0.01〜10重量%)の白金及び/又は白金塩並びに錫及び/又は錫塩を有する不均一触媒を用いて気相カルボニル化反応条件下に反応体を接触せしめることを含む。好ましい実施態様において、この方法は又、固体触媒の存在下に反応体を蒸気状ハロゲン化物成分と接触させることを含む。本明細書中で使用する用語「伴なった(associated with)」とは、白金金属及び/又はその塩並びに錫金属及び/又はその塩を固体担体材料上に又は固体担体材料中に混和又は関連させるための任意の形を意味し、いわゆる「担持された」をいう。白金及び錫金属又はそれらの各塩に固体担体を伴なわせることができる非限定的な例としては、白金含有溶液及び錫含有溶液を順次用いた担体の含浸、浸漬、噴霧及び塗布又は白金及び錫の混合物を含む溶液を用いた担体の含浸、浸漬、噴霧及び塗布が挙げられる。
本発明の目的はエステル及びカルボン酸を製造する低級アルキルアルコール、エーテル、エステル−アルコール混合物のカルボニル化法を提供することにある。更に詳しくは、本発明の目的は低級アルキルアルコール、好ましくはメタノールから酢酸、酢酸メチル及びそれらの混合物を製造する気相カルボニル化法を提供することにある。
本発明の別の目的は触媒のハンドリングロスを減少又は排除するために触媒を固相中に保持する方法を提供することにある。
本発明の別の目的はより安定な触媒を用い且つ触媒回収及び再利用並びに溶剤回収の必要性を低減する、酢酸及び酢酸メチルの製造のための気相カルボニル化方法を提供することにある。
本発明のこれら及び他の目的は及び利点は当業者には以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明によれば、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成性組成物、例えば低級アルキルアルコールのエーテル及び/又はエステル誘導体並びにそれらの混合物、更に一酸化炭素を、固体担持触媒と接触させることによる、カルボン酸及びエステルの連続製造のための気相カルボニル化法が提供される。この触媒は、望ましくはカルボニル化反応に不活性の固体担体材料を伴なった、有効量の白金及び/又は白金塩ならびに錫及び/又は錫塩を含む。本発明の好ましい一実施態様において、反応体は蒸気状ハロゲン化物促進剤と併せて供給する。好ましい一実施態様において、本発明は、酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物の連続製造のためのメタノールの気相カルボニル化を提供する。
本発明の方法は、気相中で実施し、従って反応体及び生成物混合物の露点より高い温度において、即ち凝縮が起こる温度より高い温度において実施する。しかし、露点は、希釈(特に、非凝縮性ガス、例えば未反応一酸化炭素、水素又は不活性希釈ガスに関して)、反応体及び生成物の組成並びに圧力の複合関数であるので、温度が反応体及び生成物の露点を超えるのであれば、本発明方法はそれでも広範囲の温度にわたって実施できる。実際には、これが一般に約100〜約500℃の温度範囲を決定し、100〜325℃の温度が好ましく、約150〜275℃の温度が特に有用である。気相における実施は、触媒の溶解をなくす、即ち液体化合物の存在下において実施される公知不均一方法において起こる触媒担体からの金属浸出をなくすので有利である。
温度と同様に、気相カルボニル化に有用な圧力範囲も生成物混合物の露点によって制限される。反応体及び生成物の液化を防ぐのに充分な温度で反応を実施すれば、広範囲の圧力、例えば約0.1〜100バール(絶対)の範囲の圧力を使用できる。この方法は約1〜50バール(絶対)の範囲の圧力において実施するのが好ましく、約3〜30バール(絶対)(bara)が最も好ましい。
本発明の触媒を用いるカルボニル化に適当な供給原料、即ち反応体としては、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成性組成物、例えば低級アルキルアルコールのエーテル及びエステル誘導体並びにそれらの混合物が挙げられる。反応体の非限定的例としては、脂肪族炭素原子が化合物中のアルコール性ヒドロキシル基又は化合物中のエーテル酸素のいずれかの酸素原子に直接結合しており且つ更に芳香族部分を含むことができるアルコール及びエーテルが挙げられる。好ましくは、供給原料は1種又はそれ以上の、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキルアルコール、炭素数2〜6のアルカンポリオール、炭素数3〜20のアルキルアルキレンポリエーテル及び炭素数3〜10のアルコキシアルカノールである。最も好ましい反応体はメタノールである。メタノールはこの方法に使用するのが好ましく、通常はメタノールとして供給するが、メタノールを生成する材料の組み合わせの形態で供給することもできる。材料のこのような組み合わせの例には、(i)酢酸メチルと水、及び(ii)ジメチルエーテルと水がある。この方法の実施において、酢酸メチルとジメチルエーテルは共に反応器内で生成され、酢酸メチルが目的生成物でない場合には、それらは水と共に反応器に再循還し、後で酢酸の生成のために消費される。
メタノールを用いる場合には、気体供給材料混合物中の水の存在は不可欠ではないが、酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの形成を抑えるには若干の水の存在が望ましい。メタノールを用いて酢酸を生成する場合には、水対メタノールのモル比は0:1〜10:1であることができるが、好ましくは0.01:1〜1:1の範囲である。酢酸メチル又はジメチルエーテルのような代替メタノール源を用いる場合には、水の供給量は通常は、メタノール代替物の加水分解に必要な水のモルに相当するように増加させる。従って、酢酸メチル又はジメチルエーテルを用いる場合には、水対エステル又はエーテルのモル比は1:1〜10:1、好ましくは1:1〜3:1の範囲である。酢酸の製造においては、適量の水を添加してエーテル又はエステルを加水分解させてメタノール反応体を生成するならば、メタノール、メチルエステル及び/又はジメチルエーテルの組み合わせは等価であることは明白である。
メチルエステルである酢酸メチルが目的生成物である場合には、カルボニル化法には水を添加すべきではなく、ジメチルエーテルが好ましい供給原料になる。更に、酢酸メチルの製造においてメタノールを供給原料として用いる場合には、水の除去が必要である。しかし、本発明の方法の第一の用途は酢酸の製造である。
気相カルボニル化法の実施において、気相の反応体は、固体担持白金及び錫触媒中又はその上に通す。好ましくは、反応体は蒸気ハロゲン化物促進剤と共に供給する。
固体担持触媒の製造において、使用する白金の形態は一般には重要でない。触媒の固体担持成分は種々の白金含有化合物から製造できる。例えば適当な媒体中に単独で又は組み合わせて溶解する場合には、塩化白金酸のような鉱酸ハロゲン化物の塩;ジクロロジアンミン白金のような三価窒素化合物;ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金のような三価燐の有機化合物;ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金のようなオレフィン;ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金のようなニトリル;及び白金の酸化物の形態であることができる。好ましい白金源はその塩化物の1つ、例えばヘキサクロロプラチネート(IV)の種々の塩のいずれか又は二塩化白金の水性HClもしくは水性アンモニア中の溶液である。
担体上の金属としての白金の量は、固体触媒の総重量に基づき、白金約0.01〜約10重量%であることができ、約0.1〜約2重量%の白金が好ましい。
同様に、固体担持触媒の製造に使用する錫の形態は重要でなく、種々の錫含有化合物を含むことができる。例えば固体担体材料を伴なわせることができる適当な錫化合物としては、塩化錫(II)のような錫ハロゲン化物;炭素原子の少なくとも1つが錫部分に結合している、アルキル基の炭素数が1〜10のアルキルカルボン酸塩及びアリール基の炭素数が6〜24のアリールカルボン酸塩;シュウ酸錫(II)のような酸化錫;並びにこのような錫含有化合物の混合物が挙げられる。好ましい錫源は、入手容易性、コスト、毒性の低さ及び水(好ましい溶剤)への溶解度の高さのため、塩化錫(II)、好ましくは水性HClに溶解されたもの及びシュウ酸錫(II)である。
担体上における金属としての錫の量は広範囲に変化させることができ、例えば固体担持触媒の総重量に基づき錫約0.01〜10重量%であることができる。しかし、触媒中の錫の好ましい量は、固体担持触媒の総重量に基づき錫約0.1〜5重量%である。
白金及び錫の担体として有用な固体担体は、固定床又は流動床反応器に使用できる大きさの多孔質固体からなる。典型的な担体材料は、1インチ〜約1/2インチ当たり約400メッシュの大きさを有する。好ましくは、担体は、表面積の大きい、活性炭を含む炭素である。活性炭は公知であり、密度が約0.03〜約2.25g/cm3の石炭又は泥炭から得ることができる。炭素は約200〜約1200m2/gの表面積を有することができる。本発明に従って使用できる他の固体担体材料としては、軽石、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、珪藻土、ボーキサイト、チタニア、ジルコニア、クレイ、珪酸マグネシウム、炭化珪素、ゼオライト及びセラミックが挙げられる。固体担体の形状は特には重要でなく、規則的なものでも不規則なものでもよく、反応器内に配置される押出物、ロッド、ボール、破片などを含む。
白金及び錫は、金属又はそれらの各塩を適当な溶剤中に溶解させてから、溶解された白金及び錫を固体担体材料と接触させることによって、固体担体を伴なわせることができる。次いで、溶剤を蒸発させることによって、白金及び錫の少なくとも一部分を固体担体に伴なわせる。乾燥温度は約1秒より長い時間、約100〜約600℃であることができる。当業者ならば、乾燥時間が温度、湿度及び溶剤によって異なることを理解できるであろう。一般に、温度が低いほど、固体担体から溶剤を効率よく蒸発させるのに要する加熱時間が長い。触媒の固体成分の製造方法は場合によっては更に、固体に担持された白金及び錫を不活性ガス流中で加熱する工程を含む。適当な不活性ガスの非限定的例としては、窒素、アルゴン及びヘリウムが挙げられる。
あるいは、白金及び錫は、それぞれの金属を順次、担体材料を伴なわせることによって、固体担体に伴なわせることができる。例えば白金又は白金含有塩を適当な溶剤を用いて可溶化させるとする。溶解された金属溶液は次に担体材料と接触させる。その後、溶剤を蒸発させることによって、白金の少なくとも一部分を固体担体材料に伴なわせる。次いで、白金を固体担体と伴なわせるのと同様な手法に従って錫又は錫含有塩を担体材料に伴なわせる。このように、前記手法の複数の工程を踏むだけで、白金及び錫の金属又は金属含有化合物のそれぞれの複数の層を担体に伴なわせることが可能なことがわかるであろう。
好ましい一実施態様において、この方法は更に、固体触媒の存在下に反応体を、塩素、臭素及びヨウ素化合物から選ばれた蒸気状ハロゲン化物促進剤と接触させることを含む。好ましくは、蒸気状ハロゲン化物は、気相カルボニル化条件の温度及び圧力下では蒸気である臭素及びヨウ素化合物から選ばれる。適当なハロゲン化物としては、ハロゲン化水素、例えば、ヨウ化水素及び気体ヨウ化水素酸;炭素数12以下のハロゲン化アルキル及びハロゲン化アリール、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化ベンジル及びそれらの混合物が挙げられる。望ましくは、ハロゲン化物はハロゲン化水素又は炭素数6以下のハロゲン化アルキルである。好ましいハロゲン化物の非限定的例としては、ヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物が挙げられる。ハロゲン化物はまた、I2、Br2又はCl2のような分子ハロゲン化物であることもできる。
有効なカルボニル化を引き起こすための、存在するハロゲン化物に対するメタノール又はメタノール等価物のモル比は、約1:1〜10,000:1であり、好ましい範囲は約5:1〜約1000:1である。
本発明の好ましい側面において、本発明の気相カルボニル化方法は酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物の製造に使用できる。この方法は、メタノール及び一酸化炭素を含む気体混合物をカルボニル化ゾーン中でカルボニル化条件下において固体担持触媒と接触させ、前記カルボニル化ゾーンから気体生成物を回収する工程を含む。この触媒系は活性炭担体上に沈着された白金及び錫を含む固相成分と前記の少なくとも1種のハロゲン化物促進剤を含む気相成分を含む。
一酸化炭素は、精製一酸化炭素として又は水素と一酸化炭素との混合物としてカルボニル化ゾーンに供給できる。水素は反応化学量論の一部ではないが、最適な触媒活性の維持に水素が有用である場合もある。一酸化炭素対水素の好ましい比は一般に、約99:1〜約2:1であるが、水素レベルがさらに高い範囲が有用な場合もある。
本発明を、以下の具体的な実施例によってより詳細に説明する。これらの実施例は実例となる実施態様であり、本発明を限定とすることを目的とせず、むしろ、添付した「特許請求の範囲」の範囲及び内容の中で広範囲に解釈すべきであることを理解されたい。
触媒I
触媒の製造において、Pt含有率39.23%の二水素ヘキサクロロ白金酸塩579mg(Pt 1.17ミリモル)を蒸留水30mL中に溶解させた。この溶液を、蒸発皿に含まれる12×40メッシュの活性炭顆粒20.0gに添加した。活性炭顆粒は800m2/g超のBET表面積を有していた。担体顆粒がさらさらになるまで、この混合物を蒸気浴を用いて加熱し、連続的に撹拌した。次いで、含浸触媒を長さ106cm×外径25mmの石英管に移した。次に、混合物が三元電気管炉の長さ61cmの加熱ゾーンのほぼ中央に位置するように、石英管を三元電気管炉中に入れた。窒素を100標準立方センチメーター/分の速度で触媒床に連続的に通した。管を周囲温度から300℃まで2時間かけて加熱し、300℃に2時間保持し、次いで、周囲温度まで冷却して戻した。
前述のようにして製造した触媒に、11.6MのHCl 10mLと蒸留水20mLとの混合物中に溶解された塩化錫(II)二水和物0.263g(1.17ミリモル)を含む溶液を添加した。顆粒がさらさらになるまで、触媒混合物を再び蒸気浴を用いて加熱し、連続的に撹拌した。次いで、含浸触媒を長さ106cm×外径25mmの石英管に移した。混合物が三元電気管炉の長さ61cmの加熱ゾーンのほぼ中央に位置するように、混合物を含む石英管を三元電気管炉中に入れた。窒素を100標準立方センチメーター/分の速度で触媒床に連続的に通した。管を周囲温度から300℃まで2時間かけて加熱し、300℃に2時間保持し、次いで、周囲温度まで冷却して戻した。
本発明に係る固体担持触媒(触媒I)は、Pt 1.09%、Sn 0.66%を含み、密度が0.57g/mLであった。
比較触媒例I
活性金属として白金のみを含む比較触媒の製造においては、Pt含有率40%の二水素ヘキサクロロ白金酸塩569mg(Pt 1.17ミリモル)を蒸留水30mL中に溶解させた。この溶液を、蒸発皿に含まれる12×40メッシュの活性炭顆粒20.0gに添加した。活性炭顆粒は800m2/g超のBET表面積を有していた。担体顆粒がさらさらになるまで、この混合物を、蒸気浴を用いて加熱し、連続的に撹拌した。次いで、含浸触媒を長さ106cm×外径25mmの石英管に移した。次に、混合物が三元電気管炉の長さ61cmの加熱ゾーンのほぼ中央に位置するように、石英管を三元電気管炉中に入れた。窒素を100標準立方センチメーター/分の速度で触媒床に連続的に通した。管を周囲温度から300℃まで2時間かけて加熱し、300℃に2時間保持し、次いで、周囲温度まで冷却して戻した。
この触媒(比較触媒C−I)は、Pt 1.10%を含み、密度が0.57g/mLであった。
比較触媒例II
第2の比較触媒は、酢酸第一ニッケル四水和物0.29g(1.17ミリモル)及び塩化錫(II)二水和物0.263g(1.17ミリモル)を、蒸留水20mL及び11.6M HCl 10mLからなる溶液中に溶解させることによって製造した。次いで、この溶液を、蒸発皿に含まれる12×40メッシュの活性炭顆粒20.0gに添加した。活性炭顆粒は800m2/g超のBET表面積を有していた。次いで、含浸触媒を長さ106cm×外径25mmの石英管に移した。次に、混合物が三元電気管炉の長さ61cmの加熱ゾーンのほぼ中央に位置するように、石英管を三元電気管炉中に入れた。窒素を100標準立方センチメーター/分の速度で触媒床に連続的に通した。管を周囲温度から300℃まで2時間かけて加熱し、300℃に2時間保持し、次いで、周囲温度まで冷却して戻した。
この触媒(比較触媒C−II)は、Ni 0.33%、Sn 0.67%を含み、密度が0.57g/mLであった。
比較触媒例III
塩化パラジウム0.207g(1.17ミリモル)を11.6M HCl 10mL中に溶解させることによって、第3の比較触媒を製造した。別の容器中において、塩化錫(II)二水和物0.263gを11.6M HCl 10mL中に溶解させた。両溶液を合し、均一になるまで混合し、溶解したパラジウム及び錫の溶液を蒸留水10mLで希釈した。次いで、この溶液を、蒸発皿に含まれる12×40メッシュの活性炭顆粒20.0gに添加した。活性炭顆粒は800m2/g超のBET表面積を有していた。次いで、含浸活性炭を、前記手法を用いて乾燥させた。
この触媒(比較触媒C−III)は、Pd 0.61%、Sn 0.68%を含み、密度が0.57g/mLであった。
比較触媒例IV
二水素ヘキサクロロ白金酸塩の代わりに三塩化イリジウム水和物418mg(1.17ミリモル)を用いる以外は、比較触媒例Iにおいて白金触媒の製造に記載した手法を用いて、第4の比較触媒を製造した。この触媒(比較触媒C−IV)はIrを1.10%含んでいた。
メタノールのカルボニル化
反応器系は、Hastelloy C合金製の直径6.35mm(1/4インチ)の管材料800〜950mm(31.5〜37インチ)で構成した。管の上部は、予熱及び反応(カルボニル化)ゾーンを構成した。これらのゾーンは、反応器の上部から410mmの位置に触媒の支持材として働くように石英ウールを挿入し、続いて以下のものを順に挿入することによって組み立てた:(1)微細石英チップ(840ミクロン)の0.7gの床;(2)前記例において記載したようにして製造した触媒の1つ0.5g;及び(3)微細石英チップさらに6g。管の上部を、液体及び気体供給材料を導入するための入り口マニホールドに取り付けた。
微細石英チップ6gは、液体供給材料を蒸発させるための熱交換表面として働いた。組立時、始動時、運転時及び停止時を含めて常に液体供給材料が触媒床と接触しないように気をつけた。管材料の残りの下方部分(生成物回収部)は、渦流冷却器で構成され、渦流冷却器は、使用する管材料の最初の長さによって長さが異なり、操作の間約0〜5℃に保持した。
気体はBrooks流量調整器を用いて供給し、液体は高性能液体クロマトグラフィーポンプを用いて供給した。反応ゾーンから出た気体生成物は、0〜5℃で動作している渦流冷却器を用いて凝縮した。生成物貯留タンクは、反応器系の下流に配置されたタンクであった。圧力は、反応系の出口側で改良リサーチ制御弁を用いて保持し、反応部の温度は、反応系の外側の加熱テープを用いて保持した。
反応器を温度240℃及び圧力17.2バール(絶対)(250psia)に保持しながら、水素及び一酸化炭素の反応器への供給を開始した。水素の流量は、25標準cc/分に設定し、一酸化炭素流量は100cc/分に設定した。反応部はこれらの条件下に1時間または温度及び圧力が安定するまでのいずれか長い方の時間、保持した。次いで、高圧液体クロマトグラフィーポンプを始動させ、メタノール70重量%及びヨウ化メチル30重量%からなる混合物を10〜12g/時の速度で供給した。ガスクロマトグラフ法を用いて液体生成物のサンプルを定期的に採取及び分析した。
カルボニル化例1
触媒Iを用いた前記操作の間に定期的に採取したサンプルの組成及び重量を以下の表Iに示す。表中、「時間」は、そのサンプルを採取するまでにメタノール供給によって開始されたカルボニル化の合計時間(時間)である。表中、「MeI」は、サンプル中に存在するヨウ化メチルの重量%であり、「MeOAc」はサンプル中に存在する酢酸メチルの重量%であり、「MeOH」は、サンプル中に存在するメタノールの重量%であり、「HOAc」はサンプル中に存在する酢酸の重量%である。各サンプルの重量をgで示す。
Figure 0004287266
触媒Iを用いた前記実験に基づくアセチル生産速度を表IIに示す。表II中のサンプル番号及び時間の数字は、表Iと対応する。「生産アセチル」は、下記式によって計算された、時間の各増分の間に生産された酢酸メチル及び酢酸の量(ミリモル)である:
(サンプル重量)×10×((MeOAc重量%)/74)+((AcOH重量%)/60)。
「生産速度」は、時間の各増分(各時間増分)の間の、即ちサンプル間の操作時間における生産アセチル(モル)/触媒容量(リットル)/時である。生産アセチル(モル)/触媒容量(リットル)/時を求めるための式は、
((生産アセチル)/(0.5×時間増分))×0.57
[式中、0.5は使用触媒のgであり、0.57は触媒の密度(g/mL)である]
である。
Figure 0004287266
46時間の試験時間の間に、触媒はアセチルを3.55モル生産した。これは、アセチル154モル/kgcat−時の速度に、又は毎時空間速度として表すと、アセチル88モル/Lcat−時に相当する。
比較カルボニル化例
比較触媒C−I〜C−IVを、前記手法に従ってメタノールのカルボニル化に用いた。触媒I及び比較触媒C−I〜C−IVのそれぞれについて、生産アセチル(モル)/触媒(kg)/時及び生産アセチル(モル)/触媒容量(L)/時で表される生産速度を表IIIに示す。表IIIからわかるように、本発明に係る触媒は、Ptを単独活性金属として用いる触媒よりも有意に活性が高い。更に、三つ組元素の他の構成員の錫促進触媒に比較すると、白金はニッケルまたはパラジウムよりもはるかに優れている。比較例C−4は、本発明の触媒を用いたカルボニル化速度が、活性炭担体上にイリジウムのみが担持されたものを用いて得られたカルボニル化速度よりも優れていることを示している。
Figure 0004287266
本発明を詳細に説明したが、当業者ならば、本明細書中に開示及び記載した本発明の範囲及び精神から逸脱しない限りにおいて、本発明の種々の側面に変更が可能なことがわかるであろう。従って、本発明の範囲は説明及び記載した具体的な実施態様に限定されるのではなく、添付した「特許請求の範囲」及びそれと等価なものによって決定されるものとする。
以下に本発明の態様を記載する。
態様1.低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成性組成物及びそれらの混合物を含む反応体からエステル及びカルボン酸を製造する気相カルボニル化方法であって、前記方法がカルボニル化反応器のカルボニル化ゾーン中で気相条件下において前記反応体及び一酸化炭素を触媒と接触せしめることを含んでなり、且つ前記触媒が固体担体材料を伴なった触媒有効量の白金及び錫を含む気相カルボニル化方法。
態様2.前記反応体が炭素数1〜10の低級アルキルアルコール、炭素数2〜6のアルカンポリオール、炭素数3〜20のアルキルアルキレンポリエーテル及び炭素数3〜10のアルコキシアルカノール並びにそれらの混合物からなる群から選ばれる態様1に記載の方法。
態様3.前記反応体がメタノールである態様1に記載の方法。
態様4.前記反応体がジメチルエーテルである態様1に記載の方法。
態様5.前記気相から製造されるエステル及びカルボン酸が酢酸、酢酸メチル及びそれらの混合物を含む態様1に記載の方法。
態様6.前記反応体を前記カルボニル化ゾーン中でヨウ化水素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、ヨウ化ベンジル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれた蒸気状ハロゲン化化合物と更に接触させることを含んでなる態様1に記載の方法。
態様7.前記ハロゲン化物がヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭素、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる態様6に記載の方法。
態様8.前記カルボニル化ゾーンを温度100〜350℃及び圧力1〜50バール(絶対)に保持する態様1に記載の方法。
態様9.前記固体担体材料が活性炭である態様1に記載の方法。
態様10.前記白金及び錫を、それぞれ、0.1〜10重量%含む態様1に記載の方法。
態様11.前記触媒が前記白金及び錫を、それぞれ、0.1〜2重量%含む態様1に記載の方法。
態様12.酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を製造する気相カルボニル化法であって、
a)気相カルボニル化条件の温度及び圧力下に、カルボニル化反応器のカルボニル化ゾーン中で、メタノール、一酸化炭素及びハロゲン化物を含む気体混合物を、固体触媒(固体担体材料を伴なった白金及び錫を、触媒の総重量に基づき、白金0.01〜10重量%及び錫0.01〜10重量%を含む)と接触せしめ、そして
b.気体生成物から酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を回収する
工程を含んでなる気相カルボニル化方法。
態様13.前記ハロゲン化物がヨウ化水素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、ヨウ化ベンジル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる態様12に記載の方法。
態様14.前記ハロゲン化物がヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭素、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる態様13に記載の方法。
態様15.前記カルボニル化ゾーンを温度100〜350℃及び圧力1〜50バール(絶対)に保持する態様12に記載の方法。
態様16.前記触媒が、前記白金及び錫を、それぞれ、0.1〜2重量%含む態様12に記載の方法。
態様17.酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を製造する気相カルボニル化法であって、
a)気相カルボニル化条件の温度及び圧力下に、カルボニル化反応器のカルボニル化ゾーン中でメタノール、一酸化炭素及びハロゲン化物を含む気体混合物を、固体触媒(固体担体材料を伴なった白金及び錫を、触媒の総重量に基づき、白金0.1〜2重量%及び錫0.1〜2重量%を含む)と接触せしめ、そして
b.気体生成物から酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を回収する
工程を含んでなる気相カルボニル化方法。
態様18.前記ハロゲン化物がヨウ化水素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、ヨウ化ベンジル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる態様17に記載の方法。
態様19.前記カルボニル化ゾーンを温度100〜350℃及び圧力1〜50バール(絶対)に保持する態様12に記載の方法。

Claims (14)

  1. 低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成性組成物及びそれらの混合物を含む反応体からエステル及びカルボン酸を製造する気相カルボニル化方法であって、前記方法がカルボニル化反応器のカルボニル化ゾーン中で気相条件下において前記反応体及び一酸化炭素を触媒と接触せしめることを含んでなり、且つ前記触媒が固体担体材料に担持された白金及び錫を、それぞれ、金属として0.01〜10重量%含むものである気相カルボニル化方法。
  2. 前記反応体が炭素数1〜10の低級アルキルアルコール、炭素数2〜6のアルカンポリオール、炭素数3〜20のアルキルアルキレンポリエーテル及び炭素数3〜10のアルコキシアルカノール並びにそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応体がメタノールである請求項1に記載の方法。
  4. 前記反応体がジメチルエーテルである請求項1に記載の方法。
  5. 前記気相から製造されるエステル及びカルボン酸が酢酸、酢酸メチル及びそれらの混合物を含む請求項1に記載の方法。
  6. 前記反応体を前記カルボニル化ゾーン中でヨウ化水素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、ヨウ化ベンジル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれた蒸気状ハロゲン化化合物と更に接触させることを含んでなる請求項1に記載の方法。
  7. 前記ハロゲン化物がヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項6に記載の方法。
  8. 前記カルボニル化ゾーンを温度100〜350℃及び圧力1〜50バール(絶対)に保持する請求項1に記載の方法。
  9. 前記固体担体材料が活性炭である請求項1に記載の方法。
  10. 前記触媒が前記白金を0.1〜2重量%含む請求項1に記載の方法。
  11. 酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を製造する気相カルボニル化法であって、
    a)気相カルボニル化条件の温度及び圧力下に、カルボニル化反応器のカルボニル化ゾーン中で、メタノール、一酸化炭素及びハロゲン化物を含む気体混合物を、固体担体材料に担持された、触媒の総重量に基づき、白金成分を金属として0.1〜2重量%及び錫成分を金属として0.1〜5重量%含む固体触媒と接触せしめ、そして
    b.気体生成物から酢酸、酢酸メチル又はそれらの混合物を回収する
    工程を含んでなる気相カルボニル化方法。
  12. 前記ハロゲン化物がヨウ化水素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、ヨウ化ベンジル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項11に記載の方法。
  13. 前記ハロゲン化物がヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭化水素、臭化メチル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項12に記載の方法。
  14. 前記カルボニル化ゾーンを温度100〜350℃及び圧力1〜50バール(絶対)に保持する請求項11に記載の方法。
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