JP4286087B2 - 静電荷像現像用トナーおよびそのトナー粉体の容器への充填方法 - Google Patents
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Description
また、情報技術の著しい発達によって、電子写真画像形成装置に対してもこれに応じた性能が要求されている。情報技術の発達によって、誰でもがカラー文書の作成が容易となってきているために、例えば、会議用に予め準備するカラー文書を、複数部かつ短時間のうちにプリントアウトしたい場面が頻繁に発生している。しかしながら、これに応えられる手段が、未だないのが実情である。
この電子写真技術を応用したデジタルカラー複写機やカラープリンタに用いられる感光体としては、その生産面から4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)用の同一のものが用いられている。
このような状況下に、デジタルカラー複写機やカラープリンタの場合、4色の現像色のトナーを同一の記録紙上に重ね合わせることによって画像が形成されるが、複写頻度が多くなるにつれ、感光体における膜削れ量が極めて多くなり、画像以外の非画像部分に汚れが発生してくる。
感光層を薄くして高精細な潜像を形成しようとする場合に発生しやすいと言われている地肌汚れは、複写頻度が増すにつれ目立ちやすい。この地汚れを改善するためには、感光体の帯電電位V0と平均現像電位VBとの差の絶対値|V0−VB|のポテンシャルを大きく取ることが望まれるが、薄膜感光層の感光体を使った場合には、感光体の耐電圧の関係から帯電電位V0を低めに設定するために、絶対値|V0−VB|のポテンシャルを大きく取ることができなくなり、さらに、他の対策として、感光層の膜削れの起こりにくいという意味では、周知のアモルファスシリコン感光体のような感光体を用いることが考えられるが、有機感光体(OPC)に比べ高価である上に、このような感光体を用いても、上述したような理由により、画像の地肌汚れを十分に改善することはできない。
しかしながら、小粒径トナーは、反面、その流動性や感光体上の転写残トナーのクリーニング性に対して不利に作用し、また、感光体表面へのトナーフィルミングを生じさせやすいものである。
このような不具合を解消するために、トナー表面上に多量の流動化剤を付着させて流動性を向上させたり、クリーニングブレードの感光体への押圧力を高める等のクリーニング条件の最適化が図られている。
その結果、トナーの多量の添加剤によって、感光体表面はあたかもクレンザーで研磨されてしまう如くに、激しい摩耗をきたしてしまい、これは、使用後間もなくメダカ状の異常画像(トナー、現像剤による黒点または白点のメダカ形状の異常画像)を出力したり、カブリが発生する原因となる。
この提案によれば、Tgが40℃〜65℃のトナー芯材の表面に、Tgが58℃〜100℃の重合体微粒子を付着後、150℃〜400℃の加熱温度で熱処理し、その際製造装置として供給口を設けた熱処理装置とその下流側に冷却空間を設けたものを用いて、表層の改質材を熱で溶融させて成膜化してトナーが製造され、このトナーの形状は、円形粉体で、低温定着が可能で且つ、耐熱性、フィルミングやトナー飛散に優れている旨が説明されている。しかしこのトナーは、処理温度が高いために、母体粒子であるトナー芯材の形状も球形に変化してしまうため、画像形成プロセスにリスクが生じてしまうものである。
トナー粒子と添加剤を同時に混合機に投入し混合する提案があるが、この方法は特に小粒径で凝集の強い粒子や、低軟化で粘着性の高い粒子において添加剤を粒子表面に均一に混合することが困難であり、上記欠点の改良には不充分であった(例えば、特許文献4、5参照。)。
また、より高い流動性を得るために、添加剤の添加量を増加させる提案があるが、この方法においても流動性の向上には限界があり、トナー粒子表面に付着しない浮遊物の発生が多くなり感光体を汚染する等の問題があり、さらにこの問題を回避するために混合を強くしたり混合時間を長くする等の方法が取られているが、発熱によるトナー粒子間の凝集問題やトナー表面へ添加剤が埋没するの問題が依然未解決であった(例えば、特許文献6参照。)。
しかし、この提案は、トナー粉体を個々に混合するための処理槽を設け、さらに両トナーを混合する槽など、多数の混合槽が必要となり、多額な製造設備が必要となる欠点があり、また、本発明者等は、この方式が、シリカ粒子が混合されたトナーであるため帯電は上昇するが、金属酸化物を混合し固定化したトナーは、帯電立ち上がりが遅くなるなど、両トナーの静電電荷の帯電立ち上がりに時間差が生じ、特に初期画像の帯電立ち上がりに支障を来たし、複写機内でトナーが浮遊したり飛散する問題があることを確認した。
しかしながら、この方法によると、攪拌機の攪拌力を強くすると、摩擦熱が生じ、その結果トナーが溶融して、トナー凝集が観察される等の課題が残っている。
この提案によると、使用される衝撃式表面処理装置は、気流を利用し衝突版によってトナーに衝撃を与えるものであるが、機械的な衝撃力とは異なり、微粉末をトナー粒子表面に打ち込むには、単に機械的な衝撃力のみの場合より、熱の併用は良く、鉄粉等の比重の高い微粒子の埋め込みには効果的である。しかし、機械的な衝撃力はせん断力としてトナー母体に加わるために、記述の微粉末微粒子が表面から埋没し易く、熱の併用では特に埋没深さと表面層に突起する表面積の調節が困難極める課題があり、また具体的な付着状態が不明確であった。
これらの方法は、熱を利用する点では共通するものの、トナー母体の生成法及び成分が異なり、製法も異なるため、区別されている。
通常、オーガー式は、円錐形のホッパーの排出口近傍内部に設けられたスクリュー状のオーガーを回転させることによって、ホッパー内のトナー粉を排出口から下方に排出する方式であって、排出後搬送ベルト上に配置され搬送される複数の容器内に順次トナー粉を収納し行なわれている。
しかしながら、前記のオーガー式によると、オーガーの回転によってトナー粉を加圧することになるために、トナー粉の外添剤が表面から脱離あるいは遊離し、さらにトナー粉中に埋没し、流動性を高めるという外添剤の本来の機能を軽減あるいは消失させてしまう問題が生じている。
しかしながら、この充填方法は、トナー粒子間に空隙を与え粒子間の凝集を抑えた粉体の流動化を応用した画期的なものであるが、粉体収納装置内で気流が滞留して不均一となって、トナーの流動化が円滑に行なわれず、送流されるトナー粒度が不均一化してしまうことがある。
さらに、本発明のトナー粉体を容器に充填する際に、表面に形成された添加剤の特殊な付着条件かつ海島構造が、充填する際に壊れることなく、特に添加剤の表面被覆率が大きいトナーにおいても充填の際に生じ易い機械的な磨耗ストレスを極力抑えることが可能なやり方を採用し、本発明を完成するに至った。
(3)「粉体温度の受熱雰囲気温度を気流温度から供給することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー」、
(4)「気流混合処理が、振幅0.5mmから10mmの範囲で振動数が500r.p.m以上3000r.p.m未満の振動を与えた混合槽で行なうことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)「トナー母体粒子表面上の体質顔料の付着量が、トナー母体粒子に対し2.5重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(6)「トナー母体粒子表面上の体質顔料の付着量が、トナー母体粒子に対し0.1重量%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(7)「トナー母体粒子の体積平均粒子径が8μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(8)「トナー母体粒子に固着される体質顔料の1次粒子の粒子径が0.02μm以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(9)「トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理されたシリカ微粒子を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(10)「トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理された酸化チタン微粒子を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(11)「トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理された酸化アルミ微粒子を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、
(12)「前記第(1)項乃至第(11)項の何れかに記載のトナーを、フルカラー用の4色のトナーの内の少なくとも1つに用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー」により達成される。
(15)「前記大型容器と計量槽が、連結管を介して連通していることを特徴とする前記第(14)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(16)「前記充填量規制手段が、充填されるトナーの自由吐出、吐出停止、及び部分吐出からなる少なくとも3段以上の階段的充填量吐出をするものであることを特徴とする前記第(14)項又は第(15)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(17)「前記計量槽は、その吐出開口部に、前記大型容器から導入されたトナーを流動化して該吐出開口部から前記小型トナー容器に充填する第1のトナー流動化手段を有することを特徴とする前記第(14)項乃至第(16)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(18)「前記連結管は、前記大型容器から排出されるトナーを流動化して前記計量槽に導入する第2のトナー流動化手段を有することを特徴とする前記第(15)項乃至第(17)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(19)「前記大型容器は、少なくとも一部に傾斜した内壁部分と、計量槽と連通する口となるトナー排出口とを有し、この傾斜した内壁部分によって内部に収納されたトナー粉体がトナー排出口まで円滑に排出されることを特徴とする前記第(14)項乃至第(18)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(20)「前記傾斜した内壁部分が、前記大型容器下部ホッパ状の構造部分の1部であることを特徴とする前記第(19)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(21)「前記傾斜した内壁部分は、小勾配の谷筋部分を有し、該谷筋部に、微粉体トナーの滑落を促進する第3のトナー流動化手段が設けられていることを特徴とする前記第(19)項又は第(20)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(22)「前記大型容器と計量槽とは、前記連結管とは別の前記連結管の上側に設けられた上部連結管によっても連結していることを特徴とする前記第(15)項乃至第(21)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(23)「前記充填量規制手段が、吐出開口部を有する弾性体リングと、該吐出開口部からのトナーの吐出を制御する吐出制御手段とからなり、該吐出制御手段は、前記計量槽内を昇降する吐出制御杆に装着された吐出量制御部材からなり、該吐出量制御部材は、前記吐出開口部に挿入−離脱して該吐出開口部を開閉する円錐状の部材であることを特徴とする前記第(14)項乃至第(22)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(24)「前記吐出開口部の開閉程度が、前記吐出制御杆の前記計量槽内での昇降程度に依存する前記円錐状の吐出制御部材で、該弾性体リングの開口部への挿入程度によって調節されることを特徴とする前記第(23)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(25)「前記吐出制御杆の昇降が、駆動装置により行なわれることを特徴とする前記第(23)項又は第(24)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(26)「前記小型トナー容器中の空気を吸引するための該小型トナー容器中に装入される吸引管を設け、該吸引管の装入開口端は、充填されたトナー粒子を通過させず空気のみを通過させるメッシュ材を装着したものであることを特徴とする前記第(14)項乃至第(25)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(27)「前記第1のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第1の気体導入管を付設していることを特徴とする前記第(17)項乃至第(26)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(28)「前記第1の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第1の送気調節弁を有することを特徴とする前記第(27)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(29)「前記第2のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第2の気体導入管を付設していることを特徴とする前記第(18)項乃至第(28)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(30)「前記第2の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第2の送気調節弁を有することを特徴とする前記第(29)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(31)「前記第3のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第3の気体導入管を付設していることを特徴とする前記第(21)項乃至第(30)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(32)「前記第3の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第3送気調節弁を有することを特徴とする前記第(31)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(33)「前記上部連通管は、前記第1の気体導入管から導入された気体が、前記計量槽を経て前記大型容器に抜き去られる上り勾配を有するものであることを特徴とする前記第(27)項乃至第(32)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(34)「前記連結管は、前記第2の気体導入管から噴出された気体によって流動化したトナー粉体が前記大型容器から計量槽へ移送される下り勾配を有するものであることを特徴とする前記第(29)項乃至第(33)項のいずれかに記載のトナーの充填方法」、
(35)「前記大型容器及び計量槽のうちの少なくとも一方に、内部気圧を増減させる圧力調節手段を設けたことを特徴とする前記第(14)項乃至第(34)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(36)「前記小型トナー容器への充填粉体トナー量を管理するための充填トナー重量管理手段を有することを特徴とする前記第(14)項乃至第(35)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(37)「前記充填トナー重量管理手段が、充填トナー重量を測定するためのロードセルを有することを特徴とする前記第(36)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(38)「前記ロードセルにより測定された充填粉体トナー重量を表示するためのモニタ手段を有することを特徴とする前記第(37)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(39)「前記充填トナー重量管理手段が、前記ロードセルにおける前記小型トナー容器の空重量とトナーが充填された該小型トナー容器の総重量とから、充填済みトナー重量を演算する演算処理装置を有することを特徴とする前記第(37)項又は第(38)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(40)「前記演算処理装置が、入力手段を有し、該入力手段により、トナーの充填予定重量の入力、及び入力された充填予定重量の変更を可能とすることを特徴とする前記第(39)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(41)前記演算処理装置が、前記演算結果に基いて、前記駆動装置のための駆動制御装置に駆動指令信号を送信するものであることを特徴とする前記第(39)項又は第(40)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」、
(42)「前記演算処理装置が、前記演算結果に基いて、前記第1の送気調節弁、第2の送気調節弁、第3の送気調節弁のための開閉指令信号を送信するものであることを特徴とする前記第(39)項乃至第(41)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」により達成される。
(44)「前記気体攪拌手段が、該粉体収納容器の蓋部に設けた攪拌羽根であることを特徴とする前記第(43)項に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法」により達成される。
特に気流によりトナー粉体を流動化させ、特定の振動数を与える気流式振動流動槽発明を用いた場合は短時間の処理効果が発揮される。
また該トナーの体積平均粒子径を8μm以下と小粒子化することで、より一層の画像品質を向上させることができる。
本発明のフルカラー静電荷像現像用トナーは、前述のように、粉砕分級方式によって得られる少なくとも結着樹脂と着色剤からなるトナー母体粒子の表面に、少なくとも二種以上の体質顔料の一次粒子が3個乃至20個繋がって独立した海島構造を形成して固着し、該海島構造の占有面積が1平方ミクロン単位の面積比で10%〜70%であり、かつトナー母体粒子から遊離した体質顔料を実質上含まないものである。
トナー構成材料からなる混練物から粉砕分級方式によって得られるトナー母体粒子の多くは、表面が不定形の多面体となり、該海島構造はこの多面体上に形成され、強固に付着している。
したがって、最終的に製造されたトナーには、トナー母体粒子から遊離した体質顔料が実質上含まれないことが特徴の1つとするものである。実質上とは、キャリア粒子にスペントする等して、所期の性能に悪影響を及ぼす量が含まないことを意味する。
さらに、本発明のトナーの体質顔料の付着状態を確認する方法について説明する。
トナー母体粒子の不定形多面体の一部をFE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡、日立製作所製、S−2400)を用いて分析し、1平方ミクロンに拡大し、多面体の少なくとも任意の二面をサンプリングして、体質顔料の付着状態を検証する。
3個乃至20個の体質顔料の一次粒子によって形成される海島構造の形状は、限定的でないが、多くは鎖状あるいは団子状に独立した状態で連続して繋がっているものと考えられ、この繋がった一次粒子の数が10個以上の場合には、直線的で二重に積上がり連なった鎖状態になる傾向があり、3個以上10個未満の場合には、団子状態になる傾向があり、このような独立した島状の鎖状態あるいは島状の団子状態の海島構造を個数単位として計算する。
また、島となる体質顔料の占有面積は、1平方ミクロン面積比で言うと、10%〜70%であり、従って、一次粒子まで解砕された体質顔料が、トナー母体粒子表面上に鎖状や団子状で独立に均等に分布するとすれば、10個〜30個の島がトナー母体粒子に底が埋る程度に分散されて固着した状態である。
また、現像ポテンシャルが低すぎる場合は、トナー層厚みが減って画像濃度が低下することに加えて、転写ニップ圧の余裕度が少なくなるために、虫喰い、白抜けが発生しやすくなる。
すなわち、適切な現像ポテンシャルを印加させると、トナーの電荷保持量、トナー厚みを適正な水準で制御することが可能となる。
また、現像剤の帯電量としては理想的には不変であることが望ましいが、実際のところ、複写機の使用環境、使用頻度、さらには複写枚数などにより、現像剤の帯電量は変動しがちである。
さらに、現像バイアスをVB、ブラック用感光体明部電位をVLとした場合の、絶対値|VL−VB|を、他のイエロー、シアン、マゼンタ用感光体の露光後電位VL−平均現像電位VBの絶対値|VL−VB|よりも大きく設定することが好ましく、例えば、前者の絶対値を300Vとした場合、後者の絶対値を250Vにすることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、常法によって少なくとも結着樹脂、着色剤からなる混練物の粉砕によって得られる乾式トナー母体粒子、好ましくは重量平均粒子径5〜10μmの乾式トナー母体粒子に、撹拌羽根を有する混合装置内で体質顔料を混合する前に、体質顔料の凝集体を、例えば0.01N以上の解砕力でミキサーによって解砕する工程を設けて、体質顔料の混合状態を改善することを特徴とするものである。
この体質顔料(以下添加剤とも云う)の凝集体を解砕するために、ミキサーによって攪拌するが、その撹拌条件として;n2×d×t×h(混合機回転数n(1/秒)、羽根直径d(m)、混合時間t(秒)、羽根枚数h(枚))としては、5×103〜25×104であることが好ましく、15×103〜18×104で行なうことがより好ましく、添加剤の解砕を改善できることを見出した。
このような範囲に調整して攪拌すると、凝集状態の添加剤が適度に解砕されるために、その後に行なわれる混合工程においてトナー母体粒子に添加剤が均一に混合されやすくなる。この攪拌条件の数値が小さいと解砕効果が弱く、大きすぎると添加剤が槽内から浮上し効率的でない。
すなわち、添加剤の凝集体は、ミキサーによる機械的なせん断力や衝撃力によって狙いの粒子径に充分に解砕された後、トナー母体粒子と混合される。
混合工程における初期段階ではトナー母体粒子表面上における添加剤の付着力は、主としてファンデル・ワールス力によるものであるが、回転羽根のせん断力が上昇して行くと、次第に表面に均一混合して、せん断力の回転分布によって添加剤の付着ムラや固着ムラが生じてくるために、混合機の回転数や時間等を定量的に把握し条件を決定することが好ましい。
この固定化工程における機械的な衝撃力や過剰な熱量は、既にトナー母体粒子に付着した添加剤を機械的な衝撃力で離脱や埋没させたり、あるいは回転羽根のせん断力分布によって未付着トナーを混在させたり不均一付着を誘発させることに繋がり、トナー粒子形状やトナー粒子組成も変えてしまうことにもなる。
また、本発明においては、添加剤である体質顔料の中でも、帯電性付与効果を持つものが有効であるが、その場合、粒子径が調整されたものを用いることがより効果的であり、例えば、二酸化珪素について言えば、0.15μm〜0.5μmのものが好ましい。
先ず、トナー母体粒子の成分である、結着樹脂としての熱可塑性樹脂と着色剤、および必要に応じて使用される帯電制御剤のような添加剤を溶融混練した後、この混練物を粉砕して得られる粗粉砕物を、衝突版を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機に圧縮空気を用いて、衝突版に衝突させて1次粉砕を行なう。
次に、外壁を構成する固定容器と該固定容器と同じ中心軸を有する回転片とを主構成要素として具備してなるローター式粉砕機を気流分級装置に連結させてなるカウンタージェットミル粉砕分級機等を用いて、前記1次粉砕物をローター式粉砕機に導入し、該気流分級手段によって分級して、所期の粒径になっていない粒子を該ローター式粉砕機にもどし、粉体を該ローター式粉砕機と該気流分級装置との循環を繰り返しながら2次粉砕を行なって、所期の粒径のトナー粒子を製造する。
先に述べたように、現像濃度パターン検知器により現像剤の帯電量に追随して、現像ポテンシャルが適正な値になるように決定されるが、そのために、本発明の画像形成方法においては、像担持体上のトナー付着量が1.5mg/cm2以下であり、かつ用いられる現像剤の帯電量の絶対値が15μC/g以上とすることが必要である。
すなわち、転写効率に寄与するトナー側の因子としては、現像剤帯電量、流動性、電気抵抗、トナー形状などが挙げられるが、これらの因子の中で、現像剤帯電量、流動性、トナー形状が特に重要な因子になってくる。
特に、帯電立ち上がり特性が優れていると、短時間でキャリアやブレードに対して静電力、ファン・デル・ワールス力が働き、所望の帯電量が得られることとなり、現像工程が非常に効率良く行なわれることになり、さらに、トナー吹きの抑制も可能になる。
また、体質顔料としては、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化された酸化アルミニウム微粒子等が挙げられ、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。
特に、併用する場合の両微粒子の一次粒子粒径が0.05μm以下のものを使用して攪拌混合を行なった場合、トナー母体粒子との静電力、ファン・デル・ワールス力が格段に向上するため、所望の帯電レベルを得るのに現像機内部の攪拌混合を行なっても、かつ加熱気流流動処理を行なっても、トナー母体粒子から流動性付与剤が脱離することなく、同時に未付着の浮遊物を速やかに除去できるので、白抜けなどが発生しない良好な画像品質が得られ、さらに転写残トナーの低減が図られるので、効果的である。
従がって、疎水性シリカ微粒子が疎水性酸化チタン微粒子等より多くなるように使用することが好ましく、それを前提として、疎水性シリカ微粒子0.1〜2.5重量%に対して、疎水性酸化チタン微粒子等0.1〜1.2重量%になるように使用すると、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、また適切な球形処理を施すことによって所望な帯電立ち上がり特性が得られるので、好ましく、コピーの繰り返しを行なっても、安定した画像品質が得られて、トナー吹きも抑制できることが判明した。
すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー母体粒子から遊離した体質顔料を実質上含まないものであり、特に、トナー粉体から遊離した体質顔料がトナー重量百分率で0.01%以下であると、本発明の狙いとする優れた画質のフルカラー画像を形成するので、好ましい。
特にカラートナーの場合は、イエロー、マゼンタ、シアンの基本色の各トナーを重ね合せて色調を再現させるため、結着樹脂として低分子量成分が多く含まれる比較的低軟化タイプのものが使用されるのが一般的であるため、上記の問題がより発生しやすくなり、従がって、回転羽根式混合機に稼働条件の調整は重要である。
本発明のフルカラートナーを製造する場合の回転羽根式混合機に稼働条件として、添加剤の混合時のミキサーで、例えば、攪拌羽根周速をV(m/sec)、攪拌混合時間をT(sec)とし攪拌混合を行なうトナー重量をM(kg)としたときに、50≦(V・T)/M≦200を満足する条件で攪拌混合を行なうこと、画像欠陥に対する品質改善効果が得られることを確認した。
次に、混合処理が行なわれたトナー粉体を気流式及び振動付き気流流動槽に移送し、気流を除湿したドライエアー40L/minを45°±3℃で調整した気流流動槽の底から送り込み5kg/mimの処理量でトナー表面処理(付着から固定化)を行なう、流動槽の上部には混合工程で浮遊した添加剤がフィルターに集塵される集塵装置で分別した。
また、流動性が劣るトナー粉体には振幅巾2.5mm程度で振動数1500rpm程度の振動を与える工夫が必要である。
回転式羽根混合機の活用は添加剤の解砕処理を終えた後に、粉砕上がりのトナー粉体を混合する方式がトナー表面処理工程を円滑に進行する。
一般的に、トナーが小粒径化すると、流動性と保存性は悪化する傾向があるが、本発明においては、凝集状態の添加剤を解砕処理した後に、該添加剤をトナー粒子に均一に付着混合し固定化させているために、体積平均粒径が8μm以下でも、流動性、保存性についても良好な水準が得られ、且つ、解像度の向上も図られ、高品質な画像が得られるのである。
さらに、トナー円形度を0.93〜0.97に調整すると、さらに高い効果が得られ、また、微粉含有量について、5μm以下の微粉の含有量を20%以下にすることすると、流動性、保存性における効果はより顕著となり、現像機中へのトナー補給性及びトナーの帯電立ち上がり特性において良好な水準が得られる。
また、円形度についても、種々の方法で測定できるが、本発明においては東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を使用して測定した。メッシュ上残留物の円形度については、凝集物を1%食塩水の電解液に希釈して測定を行なった。
体質顔料としては、例えば、タルク、カオリン、シリカ、シリカゲル、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ゼオライト、アルミナ、アルミナゾル、カーボンブラック等の無機顔料、セピオライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾノライト、石膏繊維等の鉱物系針状顔料等が使用可能であるが、中で最も好ましい添加剤は、二酸化珪素である。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性、無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル社)やルチル型としてMT−100S、MT−100T、MT150A、MT150AFM(以上テイカ社)やSTT−30A、STT−62S−S(以上チタン工業)、MT−100S、MT−100T(テイカ社)、IT−S(石原産業社)等がある。
また、添加剤によって形成された海島構造の付着状態については、FE−SEMによって確認することができる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
非相溶となる組み合わせとしては、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とポリエステルやエポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂のように特性の大きく異なる樹脂を混ぜたり、同一樹脂系でも分子量分布が大きく異なるものや置換基の大きく異なる組み合わせでも得ることができる。
着色剤の使用量は、通常、結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部が適当である。
例えば、正極性のものとしては、4級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体や塩類等が用いられ、負極性のものとしては、サリチル酸錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等などが挙げられる。
また、本発明のトナーには、必要に応じて前記の離型剤、助剤等以外の流動性付与剤を混合することもできる。この流動性付与剤の中には、本発明における体質顔料として適用できるものが包含される。
その流動性付与剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、フッ素系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上使用することが可能である。
なお、流動性付与剤としては、一次粒子の粒径が0.1μmより小さく、表面をシランカップリング剤やシリコーンオイル等で疎水化処理し、疎水化度40以上のものが好ましい。
この混練物を冷却固化させた後に、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて粗粉砕をする。
また、カラートナーの場合、顔料の分散性を向上させる目的で、結着樹脂の一部と顔料を予め溶融混練して得られるマスターバッチを着色剤として使用することが一般的である。
さらに、粗粉砕物をジェットミル粉砕機で粉砕処理した後に、気流式分級機などに連結されたローター粉砕機などを用いて表面処理が行なわれる。
この衝突式粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、ボールミル、チューブミル、振動ミル等を挙げることができるが、圧縮空気及び衝突板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機としてIタイプ及びIDSタイプ衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を好ましく使用できる。
また、ローター粉砕機としては、ロールミル、ピンミル、流動層式ジェットミル等を例示することができるが、特に、外壁としての固定容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構成要素として具備してなるローター式粉砕機が好ましく用いられる。
該ローター式粉砕機としては、ターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)等が使用でき、連結された分級機には気流式分級機として、ディスパージョンセパレー夕(DS)式分級機(日本ニューマチック工業社製)、多分割式分級機(エルボージェット;日鉄鉱業社製)などが使用できる。
さらに、気流式分級機、機械式分級機を用いて微粉分級を行ない、微細粒子を得ることができる。
本発明においては、流動性付与剤を混合する場合には上述の機械的衝撃力を具備したミキサー等で解砕する。
すなわち、市販の体質顔料を解砕し二次粒子まで粉砕処理することで、トナー母体粒子表面に均一に付着できるのである。
製造工程の簡略化等で、添加剤の混合工程で解砕も兼ねた混合方法が提案されているが、市販の体質顔料は、其々凝集状態が異なることから解砕エネルギーが不充分で、解砕されないでトナー母体粒子に混入した状態が生じる。
例えば、分級装置を具備しないクリプトロンシステムでは、ジェット式粉砕品はローター式粉砕装置内に滞留することなく、粉砕粒子は次工程に送られる。
該粒子形状は、ジェット式粉砕品と全く変化しておらず、流動性、凝集度においても水準差は極微少である。
この場合、画像品質における改善効果は不充分である。また、ローター式粉砕装置内の滞留時間が長すぎる場合、すなわち分級機から該粒子の該粉砕装置の戻り量を多くした場合、球形化は進む方向であるが、球形化が進みすぎると前記したように、トナー凝集物が発生しやすくなり、画像欠陥の原因となる。
本発明の方法は、特公平8−20762号公報に記載されるような、短時間で表面改質を行なう方法とは明らかに異なるものであり、本発明において、気流式分級機は不可欠であり、粉体粒子をローター式粉砕機と気流式分級機間を循環させることによって、所望の円形度が得られるように表面処理を施す必要がある。
これは、離型剤を含有する粉体粒子では、分級室内に供給される旋回気流により非常に効率良く分級されるためであり、コアンダ効果を利用した多分割式分級機では粉体粒子の分散が充分になされないために、分級精度において不利であるという欠点を有する。また、機械式分級機は、気流式分級機と比較して分級精度において劣り、条件変更時に調整因子が少ないために粒度調整が非常に困難であり、切換え作業などのメンテナンスにおいても非常に煩雑さが伴なうという問題がある。
添加剤の混合固着化処理後に、篩にかけて粗粒子を分別除去して、所期のトナーが製造される。この篩としては、300〜100メッシュ程度のものを用いると、有効である。
このようにして製造されたトナーは、所定の収納容器に充填され、このトナー充填容器を製品としてユーザーが入手し使用することになる。
微粉体トナーは、特異な流動特性を有するので、微粉体トナーにストレスを加えることなく、常時一定の割合で大型容器から排出させることは難かしく、その結果、常時一定の割合で排出しないために、脈を打ちながら排出したり、排出が途絶えたりあるいはボタ落ち状に排出し、小型トナー容器に所望量のみを的確に充填させるのが困難である。
逆に、トナーの流出割合を変化させることも必要であって、例えば、小型トナー容器へ充填された量が予定値に近づいたときには、所定値に達したか否かを確認しながら、あるいは残りどの程度の充填で所定値に達するかを予測しながら、少しづつ充填するように、調節しながら充填作業が可能な充填方法が望まれている。
従がって、本発明に用いられる第一充填方式は、大型容器から計量槽へ多量のトナーを迅速に排出するのに適し、また、計量槽から小型トナー容器への充填は所望量のみのトナーを的確な充填するのに適しており、両者を組み合わせることによってトナーの充填を迅速かつ高い精度で行なうことが可能なものである。
すなわち、該充填方式においては大型容器と計量槽とが同時に機能するために、仮りに、多量のトナーを排出する大型容器の機能と少量のトナーを精確に充填する機能とが必ずしもタイミング良く作動するとは言えないが、該充填量規制手段の構造と作動を的確化することによって、このような問題を解消することができ、計量槽から小型トナー容器への充填を、所定量のみのトナーを円滑的確に、さらに迅速に行なうことができる。
さらに、計量槽には第1のトナー流動化手段を設置したものを用いることができ、該第1のトナー流動化手段は気体を排出してトナー粉体を流動化し、気体吹込量を調節させながら、小型トナー容器へのトナー充填量をある程度調節する機能を有するものである。
従がって、該第1のトナー流動化手段と、充填量規制手段とを共動させると、トナー粉体に機械的ストレスを与えずに、迅速かつ的確に充填するのに、より一層効果的である。
また、第3のトナー流動化手段からの気体吹込量を調節することによって、大型容器から計量槽への排出量を調節し、あるいは排出停止をすることができる。 このような構成は、トナーの容器内壁に堆積や凝集を防止してトナーの断続的な排出を防ぐと共に、底部のトナー排出口に堆積している粉体の圧密化を防止して、計量槽への排出を助ける役割を担っている。
この連結管には、より好ましくは、第2のトナー流動化手段が設けられており、この第2のトナー流動化手段からの気体吹込量を調節することにより、連結管内での粒子架橋を防止し、連結管を経て計量槽へ排出されるトナーの排出量を調節し、あるいは気体吹込を停止することにより、排出停止をすることができる。 また、第一充填方式において必ずしも不可欠ではないが、大型容器及び計量槽のうちの少なくとも一方に、内部気圧を増減させる圧力調節手段を設けることができる。
また、このような中央処理装置を、所要充填量を予め設定し、また変更できるものとすることができ、そのための指令や変更指令を入力できる入力手段を付したものとすることができる。
図6は、第一充填方式に用いられる粉体充填装置の一例である。
図6のトナー粉体充填装置において、大型容器(10)内の微粉体トナーは、計量槽(30)を介して小型トナー容器(40)に充填される。大型容器(10)と計量槽(30)とは、大型容器(10)のトナー排出口(11)と計量槽(30)とのトナー入口間の連結管(20)により連通しており、計量槽(30)は、充填されるトナー吐出用の吐出開口部(31)に、この吐出開口部(31)を開閉して前記小型トナー容器(40)に所定量のみ充填するための充填量規制手段(32)を有する。
即ち、図8に示されるように、吐出制御杆(32c)を中空管状体として、その中空部から吸引管(38)を小型トナー容器(40)中に挿入して、その先端部から、小型トナー容器中の空気を吸引する。吸引管(38)の装入開口端は、充填されたトナー粒子を通過させず空気のみを通過させるメッシュ材(38a)を装着したものである。このような二重構造を採用することにより、吸引管(38)の振動を抑えることができ、又は吸引管(38)の振動による音を抑えることができる。
さらに、中空管状の吐出制御杆(32c)とその中に挿入された吸引管(38)とからなる二重構造管の共鳴を防ぐため両者の間隙の所望箇所に共鳴防止材料を充填することができ、中空管状の吐出制御杆(32c)とその中に挿入された吸引管(38)とからなる二重構造を固定するための固定材料として共鳴防止材料を採用することもできる。
また、図9に示されるように、吐出制御杆(32c)とは別の位置から小型トナー容器(40)中に吸引管(38)を挿入して、その先端部から、小型トナー容器中の空気を吸引することも無論できる。このような分離構造を採用することにより、吐出制御杆(32c)及び吸引管(38)に厳密な寸法精度を要することなく、本発明のトナー充填装置を製造することができる。
ロードセル(61)は、これを昇降して計量槽(30)と小型トナー容器(40)の間隔を適宜変更するためのリフター(61a)上に設けられている。また、ロードセル(61)には、測定された充填粉体トナー重量を表示するためのモニタ手段(63)が設けられている。
計量槽内のトナー層の膨張の程度(トナー雲の大きさ程度)は、トナー層の深さの(25%〜600%)程度に調整することが好ましい。また、流動化したトナー層のかさ密度を高める手段として、多孔質板のエアスライダを分割して間欠的に供給空気を送り、粉体を分割したパルス状にして輸送することもできる。
この第二充填方式として、特許文献15に記載のものを用いることができるが、この充填方式は、先述したように、粉体収納装置内で気流が滞留して不均一になることがあって、そうなると、トナーの流動化が円滑に行なわれず、送流されるトナー粒度が不均一化してしまう問題があり、本発明者等は、後述するような改良を行なってこの問題を解消し、より効果的な充填方式とした。
以後、この改良した内容を含めて第二充填方式と称して、説明する。
図13及び図14は、第二充填方式の粉体充填装置の基本構成図で、特許文献15に記載のものと同じであり、また、図15は、本発明者等が行なった前記改良内容であって、粉体収納装置の蓋部に取り付けた機械的な攪拌手段としての攪拌羽根(アジター)の構成図である。
図13は、工場等で多量のトナーを多量の容器に充填処理する場合に用いられる第二充填方式用の粉体充填装置の一例を示し、図14は、サービスマン等がユーザー等の所で個別に充填処理する場合に用いられる、第二充填方式用の小型粉体充填装置の一例を示すものである。
該粉体充填装置は、攪拌羽根(108)、粉体収納装置の蓋(109)、充填用粉体収納装置(110)、空気ヘッダ(111)、通気多孔板(112)、粉体導出管(113)、粉体充填用容器(114)、充填用ノズル(115)、軟質パッキン(116)、通気多孔板(117)、圧力開放弁(118)、粉体流速調節弁(119)、粉体投入口(120)、流動粉体送流管(121)、第1圧力計(122)、第2圧力計(123)、第3圧力計(124)、第4圧力計(125)、第1減圧弁(126)、第2減圧弁(127)、空気流量計(128)、導入気体調節弁(129)、圧縮空気配管(130)及び、秤(132)、(133)を備えられている。
また、本発明者等が行なった前記改良内容の機械的攪拌手段として、充填用粉体収納装置(110)の蓋(109)には、図15に示されるような、攪拌羽根(108)が備えられ、具体的には、簡易的に充填用粉体収納装置(110)の内径の1/2程度のスクリュ羽根を設け、100〜300r.p.mの回転数で回転させて攪拌すると効果的であり、また、該攪拌手段の別の形として、蓋(109)から充填用粉体収納装置(110)の中程にノズルのような空気を送り込む手段を設けることも可能である。このように、機械的攪拌手段を用いると、用いない場合に比べて、充填量のバラツキが1/2減少させることができ、安定した充填を行なうことができた。
なお、通気多孔板(112)は、気体と粉体とを分離する篩であって、焼結金属板、焼結樹脂板、目の細かい金網などで構成される。
流動粉体輸送管(121)は、ウレタンチューブ等で構成される。充填用ノズル(115)は、流動粉体送流管(121)に取付け取外し自在に接続され、例えばステンレス製の充填管で構成される。
図中、電源プラグ(140)、モータ(141)、保持枠(142)、ポンプ(143)、逆止弁(144)、通気管(145)、気体分配板(146)、流動粉体送流管(147)以外のものについては、図13中と同じ番号は、同じ機能を有するものを意味し、充填用粉体収納装置(110)内の充填用粉体(131)を流動化させ、粉体導出管(113)、流動粉体輸送管(121)(147)、充填用ノズル(115)を介して流動化させた充填用粉体(131)を粉体充填用容器(114)に充填するような、基本的考え方については、図13の多量処理型粉体充填装置と同じである。
充填用ノズル(115)は、導管(147)に取付け取外し自在に接続され、例えばステンレス製の充填管で構成される。充填用ノズル(115)の根元には、粉体充填用容器(114)の口部に嵌合する程度の大きさ、例えば裁頭円錐形のポリプロピレン環からなる軟質パッキン(116)で周囲が巻かれた形の通気多孔板(117)が設けられている。
それぞれに秤によって計量された粉体トナーの量は、粉体充填装置内の記録手段に自動的に記録され、さらに、その内容を通信ケーブルや無線LAN等で遠隔から状況がわかるシステムにも展開することができる。
なお、このトナー充填装置には、トナー製造工場内の保管及び出荷部門、オフィス内での例えば複写機近傍で使用することができるが、例えば複写機近傍で使用する場合には、キャスタ付台車上に気体供給源としての圧力容器と共に設けることが望ましく、また圧力容器に圧縮空気を蓄えるためのコンプレッサを付属させることができる。
次に、タンク(大型容器)に設けられた蓋を開いて、内側の状態を目視で観察した(蓋でなく、透明材料製タンク又は覗き窓付とすることが可能である。)後、トナー流動化を開始する。
トナー流動化は、多孔質材料(樹脂、空孔径:2〜15μm、気孔率:30%、厚さ:5m)を設けた第1流動化手段によって、圧力損失>0.45kPaの圧力損失に設定し、空気をトナー接触面の全面から均一に、横から出ないように注意しながら、30リットル/分(トナーの粉体面が静止したところで調節する送風量)に速度で送り、行なわれる。
トナー粉体の流動状態の均一性を目視によって確認する(目視以外に、光学的手段を設け光透過度によって確認することも可能である)。
空気含有量が多いと、計量槽(30)から小型トナー容器(40)にトナー粉体がボタ落ちすることがあり、このような場合には小型トナー容器(40)のトナー粉体間に多量の空気が存在する結果となり、図9に示されるように、吸引管(38)を小型トナー容器(40)中に深く差し込んだ状態にして脱気が行なわれる。
計量槽(30)に設ける充填量規制手段(32)は、エアー圧によって上下に作動する吐出制御部材(32d)が計量槽(30)の吐出開口部を全開、半開、全閉の3段階でトナー粉体の排出量を制御して、充填精度を高める機構である。
(トナー成分)
結着樹脂:ポリエステル系重合体 100.0部
着色剤:フタロシアニン顔料 3.7部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 3.2部
上記組成からなる混合物を2軸混練機で溶融混練し、該混練物をジェットミル粉砕機で体積平均粒径8μmになるように微粉砕した後、DSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行ない、体積平均粒子径7.5μmのトナー母体粒子を得た。次に、微粉分級して、粒径が5μm以下の微粉含有量を22個数%とした。
このようにして解砕して得られた疎水性シリカの平均粒子径は5μm、また疎水性酸化チタンの平均粒子径も5μmまで解砕した。
このトナーを、流量300L/minで45℃に受熱した気流式混合槽に15分間バグリングして、添加剤が付着固定した本発明のシアン静電荷像現像用トナーを得た。
次に、残りの任意の面について同様に分析した結果、1平方ミクロン単位面積当り一次粒子0.05mと一次粒子0.03μmサイズの二種の添加剤が、線状にランダムに継続し一部二層に積み重なった状態で20粒以内の団子状(島状)が3個、まさに諸島のようにトナー粒子母体に固定化した状態が観察され、添加剤の占有面積は44%であった(図1参照)。
トナー粒子表面に添加剤が付着した陽イオン元素(Si、Ti)について、付着量と特性X線強度の検量線から、実施例1で得られたトナー粒子30個の表面を測定した平均値で定量したSi、Ti陽イオン元素の含有量は、それぞれ0.48重量%、0.47重量%前後の値となった。
上記実施例1で得られた粉砕混合上がりの、2種類の添加剤が付着したトナー粉体20kgを、風量600L/min振動数1500r.p.m、振幅2.7mmの振動流動槽に投入し、気流温度45℃の条件下で10分間処理して、本発明のシアン静電荷像現像用トナーを得た。
次に、残りの任意の面について同様に分析した結果、1平方ミクロン単位面積当り一次粒子0.05μmと一次粒子0.03μmサイズの二種の添加剤が、線状にランダムに継続し一部二層に積み重なった状態で20粒以内の団子状(島状)が5個、まさに諸島のようにトナー粒子母体に固定化した状態が観察された。このときの添加剤の占有面積は40%であった(図2参照)。
トナー粒子表面に添加剤が付着した陽イオン元素(Si、Ti)について、付着量と特性X線強度の検量線から、実施例2で得られたトナー粒子30個の表面を測定した平均値で定量したSi、Ti陽イオン元素の含有量は、それぞれ0.48重量%、0.47重量%前後の値となった。
(トナー成分)
結着樹脂:ポリエステル系重合体 100.0部
着色剤:ハンザイエローG ローダミン6C レーキ顔料 3.7部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 3.2部
上記組成からなる混合物を2軸混練機で溶融混練し、該混練物をジェットミル粉砕機で体積平均粒径8μmになるように微粉砕した後、DSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行ない、体積平均粒子径7.5μmのトナー母体粒子を得た。次に、微粉分級して、5μm以下の微粉含有量を22個数%とした。
このときの攪拌条件は、混合機回転数n=30(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n2×d×t×h=14.3×104であった。
解砕されて得られた疎水性シリカの平均粒子径は5μm、疎水性酸化チタン平均粒子径は5μmであった。
このイエロー静電荷像現像用トナーを流量300L/minで45℃に受熱した気流式混合槽に15分間バグリングし、本発明のイエロー静電荷像現像用トナーを得た。
トナー粒子表面を実施例1同様のEPMA(島津製作所製8705)で定性分析を実施したところ、陽イオン元素が主成分で検出された。
同様の検量線からSi、Ti陽イオン元素の含有量は、それぞれ0.47重量%、0.47重量%前後の値となった。
(振動流動槽の効果)
上記実施例3で得られた粉砕混合上がりのトナー粉体20kgを、風量600L/min振動数1500r.p.m、振幅2.7mmの振動流動槽に投入し、気流温度45℃の条件下で10分間処理し、本発明のイエロー静電荷像現像用トナーを得た。
実施例1と同様に定性分析したところ、陽イオン元素が主成分で検出され、トナー粒子付着量の検量線からSi、Ti陽イオン元素の含有量は、それぞれ0.49重量%、0.47重量%前後の値となった。
(トナー成分)
結着樹脂:ポリエステル系重合体 100.0部
着色剤:キナクリドン系顔料 3.7部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 3.2部
上記組成からなる混合物を2軸混練機で溶融混練し、該混練物をジェットミル粉砕機で体積平均粒径6μmになるように微粉砕した後、DSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行ない、体積平均粒子径7.5μmのトナー母体粒子を得た。
次に、微粉分級して、4μm以下の微粉含有量を20個数%とした。
この攪拌条件は、混合機回転数n=30(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n2×d×t×h=14.3×104であった。
また、解砕した得られた疎水性シリカの平均粒子径は5μmで、また疎水性酸化チタン平均粒子径は5μmであった。
この粉砕混合上がりのトナー粉体20kgを、風量600L/min振動数1500r.p.m、振幅2.7mmの振動流動槽に投入し、気流温度45℃の条件下で15分間処理し、本発明のマゼンタ静電荷像現像用トナーを得た。
実施例1と同様の分析方法から陽イオン元素が主成分で検出され、検量線からSi、Ti陽イオン元素の含有量は、それぞれ1.92重量%、0.47重量%前後の値となった。
上記トナーを使用して現像剤を作成したところ、帯電量は27μC/gで、帯電立上がりは82%であった。
それを実施例5のトナーを同様にリコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して実施例1と同じ現像条件に設定し画像評価及び耐久性評価を行なった。
上記実施例5で得られた粉体混合上がりのトナー粉体20kgを、風量600L/min振動数2000r.p.m振幅2.7mmの振動槽に投入し、気流温度40℃の条件下で20分間処理し、本発明のマゼンタ静電荷像現像用トナーを得た。
実施例1と同様の分析方法から陽イオン元素が主成分で検出され、検量線からSi、Ti陽イオン元素の含有量は共に0.49重量%、0.47重量%前後の値となった。
上記トナーを使用して現像剤を作成したところ、帯電量は31μC/gで、帯電立上がりは85%であった。このトナーを実施例5同様の評価機で評価を行なった。
(トナー成分)
結着樹脂:ポリエステル系重合体 100.0部
着色剤:カーボンブラック 3.7部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 3.2部
上記組成からなる混合物を2軸混練機で溶融混練し、該混練物をジェットミル粉砕機で体積平均粒径7μmになるように微粉砕した後、DSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行ない、体積平均粒子径7.5μmのトナー母体粒子を得た。
さらに、微粉分級して、4μm以下の微粉含有量を18個数%とした。
このようにして解砕された疎水性シリカの平均粒子径は5μmで、また疎水性酸化チタン平均粒子径は5μmまで解砕した。
この粉砕混合上がりのトナー粉体20kgを、風量600L/min振動数2800r.p.m、振幅2.7mmの振動流動槽に投入し、気流温度45℃の条件下で10分間処理し、本発明のブラック静電荷像現像用トナーを得た。
実施例1と同様の分析方法から陽イオン元素が主成分で検出され、Si、Tiの陽イオン元素が主成分で検出され、検量線でSi、Ti陽イオン元素の含有量は共に1.92重量%、0.47重量%前後の値となった。
上記トナーを使用して現像剤を作成したところ、帯電量は24μC/gで、帯電立上がりは83%であった。
実施例7のトナーをリコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して、実施例1と同じ現像条件に設定して、画像評価及び耐久性評価を行なった。
(実施例1の添加剤未解砕、未固定化)
上記実施例1で得られた粉砕トナーのトナー母体粒子20kgに対して、解砕処理なしの平均粒径300μmで一次粒子径0.04μmの疎水性シリカ微粒子100g、解砕処理なしの平均粒子径0.3μmの疎水性酸化チタン微粒子100gを添加して、ヘンシェルミキサー(FM−20B、三井鉱山株式会社製)に投入し、300秒間の撹拌を行なった。羽根周速V=20(m/sec)、攪拌混合時間T=100(sec)、V・T/M=100の条件下で攪拌混合を行なって、シアン静電荷像現像用トナーを得た。
また、このトナー表面の添加剤の付着量について、実施例1同様の分析方法からの検量線でSi、Ti元素の含有量は0.15重量%、0.12重量%前後の値であった。
次に、リコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して、現像バイアスVb=466V、感光体白部電位Vl=172Vに設定して、上記方法で得られたフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
(実施例1に対して、添加剤未解砕)
上記実施例1で得られた粉砕トナーのトナー母体粒子20kgに対して添加剤の解砕処理をせず、平均粒径100μmの疎水性シリカ微粒子100g、平均粒子径500μmの疎水性酸化チタン微粒子100gを添加して、ヘンシェルミキサー(FM−20B、三井鉱山株式会社製)に投入し、300秒間の撹拌を行なった。このとき、混合機回転数n=30(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n2×d×t×h=14.3×104であった。
このシアン静電荷像現像用トナーを流量300L/minで25℃に受熱した気流式混合槽に15分間バグリングし、シアン静電荷像現像用トナーを得た。
次に、実施例1同様の分析方法から陽イオン元素が検出されたトナー粒子表面に添加剤が付着した陽イオン元素(Si、Ti)について付着量と特性X線強度の検量線から比較例2で得られたトナー粉体表面を測定した結果、Si、Ti陽イオン元素の含有量は共に0.41重量%、0.40重量%前後の値となった。
上記トナーを使用して現像剤を作成したところ、帯電量は13μC/gで立上がり率が72%であった。リコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して、現像バイアスVb=466V、感光体白部電位Vl=172Vに設定して、上記方法で得られたフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
(実施例1に対して、混合条件を強める変更)
上記実施例1で実施した気流混合槽の気流温度を60℃に設定し15分間トナー粉体をバグリングしながら混合固定化を実施した。
トナー粒子表面の付着状態を実施例1同様の分析手法で実施した結果、同じ疎水性シリカを用いたが、0.5μm〜0.15μm粒子が観察されるが一次粒子状態が確認できなく、またトナー粒子表面が熱で溶融した跡が観察され、混合攪拌中に繊維状の異物が発生した。
本発明の1平方ミクロンの単位での海島構造に類似はしているが、一次粒子が確認されず中には添加剤が埋没したものもあり、添加剤の占有面積の計測に支障が生じた。
また、トナー粒子表面に付着した添加剤の付着量について、実施例1同様の陽イオン元素の分析を実施し、検量線からSi、Ti元素の含有量は0.30重量%、0.12重量%前後の値であった。
次に、リコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して、現像バイアスVb=466V、感光体白部電位Vl=172Vに設定して、上記方法で得られたフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
(機械的衝撃)
上記実施例1で得られた粉砕トナーのトナー母体粒子に機械的な衝撃力を与えながら添加剤を打ち込む目的で、再度DSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用してトナー母体粒子表面に、20kgに対して解砕処理なしの平均粒子径300μmで一次粒子径0.04μmの疎水性シリカ微粒子100g、解砕処理なしの平均粒子径0.3μmの疎水性酸化チタン微粒子100gを混合して、攪拌混合時間を30分間と気流式分級の気流温度を55℃に調節し実施し、シアン電子写真用トナーを得た。
また、このトナー表面の添加剤の付着量について、実施例1と同様にして分析した結果、Si、Ti元素の含有量は0.15重量%、0.12重量%前後の低い値であった。
該トナーを使用して現像剤を作成したところ、帯電量は12μC/gであり、また帯電立上がりは67%であった。
次にリコー社製フルカラー複写機Ipsio8000に装着して、現像バイアスVb=466V、感光体白部電位Vl=172Vに設定して、上記方法で得られたフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
実施例1で得たトナー粉体を、東京自動機社製AMTオーガ方式の充填機で500rpmの回転数で85g充填した。
該トナー粉体をリコー社製IPSIO8000に装着し、現像バイアスVb=466V、感光体白部電位Vl=172Vに設定して、上記方法で得られたフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
実施例2で得たトナー粉体を実施例5同様の方法でフルカラートナーの画像評価及び耐久性評価を行なった。
画像品質については、IPSIO 8000にて画像を形成し評価した。
ランク5:虫喰い発生せず。
ランク4:肉眼では見えにくい程度の小さい虫喰いがわずかにある。
ランク3:肉眼では見えにくい程度の小さい虫喰いが多く見られる。
ランク2:肉眼ではっきりわかる大きい虫喰いが見られる。
ランク1:肉眼ではっきりわかる大きい虫喰いが多数見られる。
※ランク4までが許容レベル
ランク5:発生せず。
ランク4:目視では確認できないが、ルーペで僅かのチリが確認できる。
ランク3:目視ではほとんど確認できないが、ルーペでチリが数ヶ所確認できる。
ランク2:チリが目視で確認できる。
ランク1:チリによる文字のボヤケが目視で確認できる。
※ランク4までが許容レベル
品質評価については下記のとおりである。
◎:特に優れている、○:良好、△:やや不良、×:不良
実施例1と比較例1とはトナー成分は変わりはないが、比較例1では未解砕処理、固定化未処理で加熱気流式流動処理も使用しないで製造したトナーであり、トナー品質間で比較すると、添加剤の未解砕量(500メッシュ篩残量)が10倍以上の値となり、トナー物性帯電立上がりが10%低く、現像剤との帯電量も13μC/gと低い値である。また実装機での品質でも転写チリが目立ち、虫食いや、地汚れが目立つ結果となった。
11:トナー排出口
12:内壁部分
13:ホッパ状の構造部分
13a:垂直基板
13b:側板
13c:側板
13d:裏板
13e:裏板
14:谷筋部分
15:第3のトナー流動化手段
15a:第3導入管
15b:送気調節弁
20:連結管
21:第2のトナー流動化手段
21a:第2導入管
21b:送気調節弁
30:計量槽
30a:スリーブ
31:吐出開口部
32:充填量規制手段
32a:弾性体リング
32b:吐出制御手段
32c:吐出制御杆
32d:吐出制御部材
33:第1のトナー流動化手段
33a:第1導入管
33b:送気調節弁
34:吸引手段
35:送気用ディストリビュータ
36:圧力調節手段
37:覆部材
37a:センサ
38:吸引管
38a:メッシュ材
39:駆動装置
39a:駆動制御装置
39b:駆動源
40:小型トナー容器
50:上部連通管
60:充填トナー重量管理手段
61:ロードセル
61a:リフター
62:演算処理装置
63:モニタ手段
64:入力手段
65:通信回線
66:通信回線
67:通信回線
68:通信回線
Claims (44)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有してなる混練物を粉砕処理後分級してトナー母体粒子を得た後、機械的衝撃力で解砕した体質顔料の微粒子を混合し、次いで35℃以上、48℃未満の粉体温度を気流温度にて制御した雰囲気下において気流混合処理することによって得られ、該トナー母体粒子の表面に、少なくとも二種以上の体質顔料の一次粒子が3個乃至20個繋がって独立した海島構造を形成して固着し、該海島構造の島部分の占有面積が面積比で10%〜70%であり、かつ該体質顔料の一次粒子の粒径が0.05μm以下であり、トナー母体粒子から遊離した体質顔料がトナー重量百分率で0.01%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- トナー母体表面に、前記気流混合処理により体質顔料を固定化することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 粉体温度の受熱雰囲気温度を気流温度から供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 気流混合処理が、振幅0.5mmから10mmの範囲で振動数が500r.p.m以上3000r.p.m未満の振動を与えた混合槽で行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- トナー母体粒子表面上の体質顔料の付着量が、トナー母体粒子に対し2.5重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子表面上の体質顔料の付着量が、トナー母体粒子に対し0.1重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子の体積平均粒子径が8μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子に固着される体質顔料の1次粒子の粒子径が0.02μm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理されたシリカ微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理された酸化チタン微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー母体粒子に固着される体質顔料が疎水化処理された酸化アルミ微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のトナーを、フルカラー用の4色のトナーの内の少なくとも1つに用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 複数個の像担持体に個々に静電潜像を形成した後、各々個別に請求項12に記載の静電荷像現像用トナーで現像し、前記像担持体に共通な搬送体上を搬送させる記録媒体上に、各像担持体上に形成させたトナー像を逐次転写して重ね合わせ画像を得るタンデム型フルカラー画像形成方法であって、像担持体上のトナー付着量が1.5g/cm2以下であり、現像剤の帯電量の絶対値が15μC/g以上であることを特徴とするタンデム型フルカラー画像形成方法。
- トナーを貯蔵する大型容器とこれと連通する計量槽とからなるトナー充填装置を用い、請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーを、小型トナー容器に充填する方法であって、前記計量槽は、大型容器から移送されたトナーが小型トナー容器に排出される吐出開口部と、該吐出開口部から所定量のトナーのみを排出するための充填量規制手段とが少なくとも具備し、前記トナーが貯蔵された前記大型容器から、トナーを計量槽に移送し、計量槽に移送されたトナーを充填量規制手段によって規制しながら計量槽の吐出開口部から排出し、所定量のトナーのみを小型トナー容器内に充填するようにしたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記大型容器と計量槽が、連結管を介して連通していることを特徴とする請求項14に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記充填量規制手段が、充填されるトナーの自由吐出、吐出停止、及び部分吐出からなる少なくとも3段以上の階段的充填量吐出をするものであることを特徴とする請求項14又は15に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記計量槽は、その吐出開口部に、前記大型容器から導入されたトナーを流動化して該吐出開口部から前記小型トナー容器に充填する第1のトナー流動化手段を有することを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記連結管は、前記大型容器から排出されるトナーを流動化して前記計量槽に導入する第2のトナー流動化手段を有することを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記大型容器は、少なくとも一部に傾斜した内壁部分と、計量槽と連通する口となるトナー排出口とを有し、この傾斜した内壁部分によって内部に収納されたトナー粉体がトナー排出口まで円滑に排出されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記傾斜した内壁部分が、前記大型容器下部ホッパ状の構造部分の1部であることを特徴とする請求項19に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記傾斜した内壁部分は、小勾配の谷筋部分を有し、該谷筋部に、微粉体トナーの滑落を促進する第3のトナー流動化手段が設けられていることを特徴とする請求項19又は20に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記大型容器と計量槽とは、前記連結管とは別の前記連結管の上側に設けられた上部連結管によっても連結していることを特徴とする請求項15乃至21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記充填量規制手段が、吐出開口部を有する弾性体リングと、該吐出開口部からのトナーの吐出を制御する吐出制御手段とからなり、該吐出制御手段は、前記計量槽内を昇降する吐出制御杆に装着された吐出量制御部材からなり、該吐出量制御部材は、前記吐出開口部に挿入−離脱して該吐出開口部を開閉する円錐状の部材であることを特徴とする請求項14乃至22のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記吐出開口部の開閉程度が、前記吐出制御杆の前記計量槽内での昇降程度に依存する前記円錐状の吐出制御部材で、該弾性体リングの開口部への挿入程度によって調節されることを特徴とする請求項23に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記吐出制御杆の昇降が、駆動装置により行なわれることを特徴とする請求項23又は24に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記小型トナー容器中の空気を吸引するための該小型トナー容器中に装入される吸引管を設け、該吸引管の装入開口端は、充填されたトナー粒子を通過させず空気のみを通過させるメッシュ材を装着したものであることを特徴とする請求項14乃至25のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第1のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第1の気体導入管を付設していることを特徴とする請求項17乃至26のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第1の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第1の送気調節弁を有することを特徴とする請求項27に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第2のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第2の気体導入管を付設していることを特徴とする請求項18乃至28のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第2の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第2の送気調節弁を有することを特徴とする請求項29に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第3のトナー流動化手段が、気体を噴出するための多数の微細孔を有し、各微細孔は内部で相互に連通している多孔体へ加圧気体を導入する第3の気体導入管を付設していることを特徴とする請求項21乃至30のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記第3の気体導入管が、送気停止し、送気開始し、かつ送気量調節する第3送気調節弁を有することを特徴とする請求項31に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記上部連通管は、前記第1の気体導入管から導入された気体が、前記計量槽を経て前記大型容器に抜き去られる上り勾配を有するものであることを特徴とする請求項27乃至32のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記連結管は、前記第2の気体導入管から噴出された気体によって流動化したトナー粉体が前記大型容器から計量槽へ移送される下り勾配を有するものであることを特徴とする請求項29乃至33のいずれかに記載のトナーの充填方法。
- 前記大型容器及び計量槽のうちの少なくとも一方に、内部気圧を増減させる圧力調節手段を設けたことを特徴とする請求項14乃至34のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記小型トナー容器への充填粉体トナー量を管理するための充填トナー重量管理手段を有することを特徴とする請求項14乃至35のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記充填トナー重量管理手段が、充填トナー重量を測定するためのロードセルを有することを特徴とする請求項36に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記ロードセルにより測定された充填粉体トナー重量を表示するためのモニタ手段を有することを特徴とする請求項37に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記充填トナー重量管理手段が、前記ロードセルにおける前記小型トナー容器の空重量とトナーが充填された該小型トナー容器の総重量とから、充填済みトナー重量を演算する演算処理装置を有することを特徴とする請求項37又は38に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記演算処理装置が、入力手段を有し、該入力手段により、トナーの充填予定重量の入力、及び入力された充填予定重量の変更を可能とすることを特徴とする請求項39に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記演算処理装置が、前記演算結果に基いて、前記駆動装置のための駆動制御装置に駆動指令信号を送信するものであることを特徴とする請求項39又は40に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記演算処理装置が、前記演算結果に基いて、前記第1の送気調節弁、第2の送気調節弁、第3の送気調節弁のための開閉指令信号を送信するものであることを特徴とする請求項39乃至41のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
- トナー粉体を流動化させるための粉体収納装置と、流動化させたトナー粉体を小型トナー容器まで送流するための流動粉体送流管とから少なくともなるトナー粉体充填装置を用い、請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーを、小型トナー容器に充填する方法であって、前記トナーを粉体収納装置内に収納し、収納したトナーを、空気を導入し気体攪拌手段を攪拌させながら、流動化させて後、吐出手段によってトナーを空気と共に吐出させ、流動粉体送流管を通して小型トナー容器まで送流し、小型トナー容器内にトナー粉体を充填するようにしたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの充填方法。
- 前記気体攪拌手段が、該粉体収納容器の蓋部に設けた攪拌羽根であることを特徴とする請求項43に記載の静電荷像現像用トナーの充填方法。
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