JP4285758B2 - 携帯用単巻変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧事情の異なる海外において、日本仕様の電気製品を使用するときに必要な携帯用単巻変圧器に関する。
一般に海外では、国や地域により、例えば米国ではAC120V(100V系)、欧州ではAC220VやAC240V(200V系)のように商用電源の電源電圧が異なっている。このため、日本仕様の電気製品を海外で使用する場合、その国の電源電圧を、電気製品の定格電圧であるAC100Vに降圧して出力する変圧器が必要になる。図2はこのような従来の変圧器の内部回路を示すブロック図であり、まずは同図に基づいて従来の変圧器の構成と動作を説明する。
[従来の変圧器の構成]
図2に示した変圧器1は単巻変圧器であり、商用電源に接続する入力端子2と電気製品(負荷)を接続する出力端子3との間に、電圧変換回路4、整流回路5、平滑回路6、リレー駆動回路7、及び電圧検出回路8を具備して構成されている。
電圧変換回路4は、入力端子2に接続された直列巻線TR1と分路巻線TR2からなるトランスTRを有している。分路巻線TR2の一方側の端子には、100V系の入力電圧用の低圧用接点T1、200V系の入力電圧用の高圧用接点T2、及び共通接点T3からなるタップTが接続され、共通接点T3が出力端子3に接続されている。なお、入力電源のオフ時、タップの共通接点T3は、図示したように高圧用接点T2に接続されている。
整流回路5は、整流用のダイオードD1からなる半波整流回路であり、分路巻線TR2の中間端子にダイオードD1のアノードが接続されている。また、平滑回路6は、分路巻線TR2の他方側の端子とダイオードD1のカソードとの間に接続された平滑用のコンデンサC1からなっている。
リレー駆動回路7は、タップの共通接点T3を高圧用接点T2から低圧用接点T1へ切り替える電磁石式のリレーコイルRYと、リレーコイルRYに並列接続された逆起電圧防止用のダイオードD2を備えている。また、同リレー駆動回路7は、リレーを作動させるトランジスタQ1と、トランジスタQ1のベースに接続されたバイアス用の抵抗R1及びR2とを備えており、抵抗R1及びR2にはノイズ除去用のコンデンサC2が直列接続され、トランジスタQ1のエミッタにはバイアス電圧加算用のダイオードD3が接続されている。
電圧検出回路8は、リレー駆動回路7に並列接続されたツェナーダイオードZD1を有している。また、同電圧検出回路8は、ツェナーダイオードZD1が導通したときリレー駆動回路7のトランジスタQ1をオフにし、リレーを停止させるためのトランジスタQ2と、トランジスタQ2のベース電流制限用の抵抗R4と、バイアス用の抵抗R3とから構成されている。
[従来の変圧器の動作]
(ア) 入力電圧が100V系の場合
100V系の入力電圧が商用電源から入力端子2へ供給されると、その入力電圧はトランスTRで電圧降下して整流回路5に印加され、ダイオードD1にて半波整流される。半波整流された脈動電圧は、平滑回路6のコンデンサC1にて交流成分が取り除かれ、平滑化された直流電圧として出力される。そして、平滑回路6からの出力電圧は、リレー駆動回路7と電圧検出回路8の双方の回路に印加される。
電圧検出回路8において、ツェナーダイオードZD1のカソードに印加される逆方向の電圧はツェナー電圧に達しないため、ツェナーダイオードZD1は導通しない。よって、ツェナーダイオードZD1のアノードに直列接続したバイアス用の抵抗R3の両端には電圧が印加されず、ベース電流が流れないので、トランジスタQ2はオフの状態のままである。一方、リレー駆動回路7では、リレーコイルRYとトランジスタQ1からなる直列回路に電圧が印加されるとともに、バイアス用の抵抗R1とR2を経由してトランジスタQ1のベースにも電圧が印加される。この自己バイアスによって、トランジスタQ1にベース電流が供給されるので、トランジスタQ1がオンの状態になる。
このように、リレー駆動回路7のトランジスタQ1がオンすると、リレーコイルRYとトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるため、リレーが作動し、タップの共通接点T3が高圧用接点T2から離れて低圧用接点T1へ切り替わる。このとき、電圧変換回路4において、入力端子2は低圧用接点T1に接続された共通接点T3を介して出力端子3に接続されることになる。よって、入力電圧が100V系の場合、低圧用接点T1に接続されたトランスTRにより、100V系の入力電圧に応じて変換した定格電圧が出力端子3から負荷へと供給される。
(イ) 入力電圧が200V系の場合
200V系の入力電圧が商用電源から入力端子2へ供給された場合にも、上記(ア)の場合と同様に、その入力電圧はトランスTRで電圧降下して整流回路5において半波整流されるとともに、半波整流された脈動電圧が平滑回路6にて平滑化され、平滑化された直流電圧がリレー駆動回路7と電圧検出回路8の双方の回路に印加される。
電圧検出回路8において、今度はツェナーダイオードZD1のカソードに印加される電圧がツェナー電圧に達するため、ツェナーダイオードZD1が導通して電流が流れる。同時にツェナーダイオードZD1のアノードに直列接続したバイアス用の抵抗R3の両端に電圧が印加され、電流制限用の抵抗R4を通してベース電流が流れるので、トランジスタQ2がオンの状態になる。電圧検出回路8のトランジスタQ2がオンすると、抵抗R1とトランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。これにより、リレー駆動回路7では抵抗R2の両端に電圧が印加されず、ベース電流が供給されなくなるので、トランジスタQ1がオフの状態に戻る。
このように、リレー駆動回路7のトランジスタQ1がオフすると、リレーコイルRYへの電流が遮断されてリレーが停止し、タップの共通接点T3が低圧用接点T1から離れて高圧用接点T2へ復帰する。このとき、電圧変換回路4において、入力端子2は高圧用接点T2に接続された共通接点T3を介して出力端子3に接続されることになる。よって、入力電圧が200V系の場合、高圧用接点T2に接続されたトランスTRにより、200V系の入力電圧に応じて変換した定格電圧が出力端子3から負荷へと供給される。
すなわち、図2に示す変圧器1は、商用電源から入力端子2に供給される入力電圧が100V系、200V系のいずれであっても、リレー駆動回路7を用いてタップTの接点を低圧側又は高圧側に自動的に切り替えることにより、出力端子3から常にAC100Vの定格電圧を出力して負荷に供給しようとしたものである。なお、この変圧器1と同様な自動切り替えによる変圧器として、下記の特許文献1には複巻変圧器を用いた電源回路が開示されている。
特開平6−214663号公報(図3、4参照)
しかしながら、上述した従来の変圧器について、以下の問題点が指摘されている。
(問題点1) 電源投入時に入力電圧に応じた高電圧が出力される場合があること
図3は従来の変圧器の入出力特性を示すグラフ図である。同図において実線で示すように、無負荷状態で100V系の入力電圧が供給された場合、最初はタップの共通接点T3が高圧用接点T2に接続されているが、入力電圧が70V(A点)を超えるとリレー駆動回路7のトランジスタQ1が自己バイアスによりオンになり、リレーが作動してタップの共通接点T3が低圧用接点T1に切り替わる。これにより、変圧器1は100V系の入出力ライン上の特性を示す。例えば、入力電圧が100Vの場合には約90V(B点)の出力電圧になり、入力電圧が120Vの場合には約105V(C点)の出力電圧になる。よって、100V系の入力電圧の場合、出力電圧は約90〜105Vの間にあり、適正な定格電圧である100V±10%の範囲内にあるので特に問題はない。
一方、無負荷状態で200V系の入力電圧が供給された場合、入力電圧が70Vを超えてタップの共通接点T3が低圧用接点T1に切り替わるまでの動作は同じであるが、その後、入力電圧が基準電圧の160V(D点)を超えたことを検出すると、電圧検出回路8においてツェナーダイオードZD1が導通してトランジスタQ2がオンの状態になる。これにより、リレー駆動回路7のトランジスタQ1がオフになり、リレーが停止してタップの共通接点T3が高圧用接点T2に復帰する。つまり、変圧器1は100V系の入出力ラインを経由してから200V系の入出力ラインに戻り、最終的に200V系の入出力ライン上の特性を示す。例えば、入力電圧が200Vの場合には約95V(E点)の出力電圧になり、入力電圧が240Vの場合には約115V(F点)の出力電圧になる。
ところが、200V系の入力電圧の場合、タップの共通接点T3が高圧用接点T2から低圧用接点T1へ切り替わり、その後、低圧用接点T1から高圧用接点T2へ切り替わっている。これにより、特に低圧用接点T1から高圧用接点T2へ切り替わる前の極めて短いサイクル(約10msec程度)において、低圧用接点T1による出力電圧が発生することがある。すなわち、入力電圧が基準電圧の160V付近では、低圧用接点T1に接続されたトランスTRで変圧された出力電圧が発生し、約140V近くの高電圧が瞬間的に出力されてしまう。このため、変圧器1に接続した負荷が高電圧に対する保護回路を備えてない電気製品の場合には、瞬間的に出力された高電圧により機器の損傷を招く恐れがあった。
(問題点2) 負荷容量により入力切替の基準電圧が変動すること
図3において、入力電圧が200V系の場合、無負荷状態では基準電圧の160V(D点)を境に電圧検出回路8のトランジスタQ2がオンの状態になり、リレーが停止してタップの共通接点T3が高圧用接点T2に切り替わる。ところが、同じ200V系の入力電圧を供給しても、負荷容量が30VA(同図に破線で示す)のときには入力電圧が約170〜174V(G点)、負荷容量が50VA(同図に一点鎖線で示す)のときには入力電圧が約180〜190V(H点)、さらに負荷容量が60VA(同図に二点鎖線で示す)のときには入力電圧が約185〜206V(J点)を基準にしてタップの共通接点T3が切り替わっており、負荷容量によって入力切替の基準電圧が変動することが分かる。これは次のような理由による。
例えば、モータやランプのように、一瞬(約20〜100msec)多くのエネルギーが必要な機器を接続した場合、インラッシュ時などに大電流が流れて負荷容量が増大すると、トランスTRにおける電圧降下により分路巻線TR2の1次側の電圧が降下し、整流回路5から出力される直流電圧も低下する。これに伴って、電圧検出回路8に印加される電圧が下がるので、200V系の入力電圧にもかかわらず本来導通すべきツェナーダイオードZD1が導通せずトランジスタQ2がオフの状態のままになる。このとき、リレー駆動回路7のトランジスタQ1はオンの状態なので、リレーが作動してタップの共通接点T3が低圧用接点T1に接続され、出力端子3からの出力電圧が増大する。
逆に、負荷容量が減少すると、分路巻線TR2の1次側の電圧が上がり、整流回路5から出力される直流電圧も上昇する。これに伴って、電圧検出回路8に印加される電圧が上がり、ツェナーダイオードZD1が導通してトランジスタQ2がオンになる。すると、リレー駆動回路7のトランジスタQ1はオフになり、リレーが停止するので、タップの共通接点T3が高圧用接点T2に切り替わり、出力端子3からの出力電圧が減少する。
すなわち、この変圧器1によると、出力端子3に接続された負荷容量に応じてトランスTRに接続された整流回路5の電圧が上下し、電圧検出回路8の基準電圧が変動する。これにより、タップTの切り替え動作が繰り返し行われ、出力電圧が増減するチャタリングが発生してしまう。このため、負荷として例えばランプを接続した場合にそのランプが点灯と消灯を繰り返すといった現象や、あるいは共通接点T3に接続されているバリスタVが規定電圧を超えて破損し、トランスTRが破壊されてしまう恐れがあった。
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、負荷容量の変動に左右されずに常に安定した定格電圧を出力することができる携帯用単巻変圧器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る携帯用単巻変圧器は、商用電源に接続される入力端子と、負荷を接続する出力端子と、上記商用電源から上記入力端子を介して供給される入力電圧を単巻トランスで定格電圧に変換し、変換した定格電圧を上記出力端子から上記負荷へと供給する電圧変換回路と、上記単巻トランスの分路巻線の中間端子に接続され、上記単巻トランスで降圧された交流電圧を整流して出力する整流回路と、上記整流回路に接続され、上記整流回路から出力された電圧を平滑して直流電圧を出力する平滑回路と、上記平滑回路に接続され、上記平滑回路から出力された直流電圧で作動するトランジスタを有し、上記電圧変換回路の単巻トランスに接続されたタップの接点を高圧用接点から低圧用接点へ切り替えるリレー駆動回路と、上記入力端子に接続され、上記商用電源から上記入力端子を介して供給された入力電圧を高圧整流用のダイオードで整流して検出し、検出した入力電圧が基準電圧未満の低電圧の場合には高電圧検出用のツェナーダイオードが導通しないことによってそのアノードに接続されたサイリスタ又はトライアックが作動しないで上記リレー駆動回路のトランジスタを作動させる一方、検出した入力電圧が基準電圧以上の高電圧の場合には上記ツェナーダイオードが導通することによって上記サイリスタ又はトライアックが作動し続けて上記リレー駆動回路のトランジスタを停止させ、上記電圧変換回路の単巻トランスに接続されたタップの接点が高圧用接点に接続された状態を維持する入力電圧検出回路と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る携帯用単巻変圧器において、上記リレー駆動回路の応答時間を遅延させることにより、上記入力電圧検出回路が作動する前に上記リレー駆動回路が作動しないようにすることが望ましい。
上記の構成から明らかなように、本発明に係る携帯用単巻変圧器によれば以下のような効果が得られる。
(1) 電源投入時に入力電圧に応じた高電圧が出力されない
例えば、200V系の入力電圧が供給された場合、入力電圧検出回路において入力電圧が基準電圧以上であることを検出してリレー駆動回路を停止させるので、タップの切替動作が行なわれることはなく、高圧用接点に接続されたトランスから安定した定格電圧が出力される。よって、変圧器に接続した負荷に対して高電圧が出力される恐れがまったくなくなり、高電圧出力による負荷の損傷等の不具合を確実に防止できる。
(2) 負荷容量が増減しても入力切替の基準電圧が変動しない
例えば、200V系の入力電圧が供給された場合、入力電圧検出回路にサイリスタ(SCR)又はトライアック(TRIAC)による一種の記憶素子を用いているため、この記憶素子がいったん作動し記憶すると、入力電圧の供給を遮断するまでリレー駆動回路は停止したままであり、負荷容量が増減してトランスの2次側の交流電圧が上下しても、タップの接点の切替動作が繰り返し行なわれることはなく、常に安定した定格電圧が出力される。よって、変圧器に接続した負荷に対して出力電圧の大幅な変動がなく、出力変動によるトランスの破壊等の不具合を可及的に防止できる。
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る携帯用単巻変圧器の内部回路を示すブロック図である。同図において、図2に示した従来の変圧器と同一の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
[本発明に係る変圧器の構成]
図1に示した変圧器1−1は携帯用単巻変圧器であり、商用電源に接続する入力端子2と負荷を接続する出力端子3との間に、電圧変換回路4、整流回路5、平滑回路6、リレー駆動回路7を具備している点は従来の変圧器1と同一であるが、従来の電圧検出回路8に替えて入力電圧検出回路9を具備している点が異なっている。
入力電圧検出回路9は、入力端子2に接続され、商用電源から供給された入力電圧を検出し、検出した入力電圧が基準電圧(例えば160V)未満の場合には、自身が作動せずにリレー駆動回路7を作動させ、電圧変換回路4のトランスTRに接続されたタップの共通接点T3を高圧用接点T2から低圧用接点T1へ切り替える。一方、検出した入力電圧が基準電圧以上の場合には、自身が作動してリレー駆動回路7を停止させ、電圧変換回路4のトランスTRに接続されたタップの共通接点T3が高圧用接点T2に接触した状態を維持する機能を備えている。
すなわち、この入力電圧検出回路9は、入力端子2に接続された整流用のダイオードD4と、ダイオードD4のカソードに直列接続された電流制限用の抵抗R5と、抵抗R5に直列接続されたバイアス用の抵抗R6とからなる直列回路を有している。また、同検出回路9は抵抗R5とR6の間に接続された基準電圧検出用のツェナーダイオードZD2を有しており、ツェナーダイオードZD2のアノードに、サイリスタ(SCR)のゲートとノイズ除去用のコンデンサC3とが並列接続されている。
さらに、本発明においては、ツェナーダイオードZD2の導通時、入力電圧検出回路9のサイリスタ(SCR)が作動する前にリレー駆動回路7のトランジスタQ1が作動しないように、抵抗R1、R2、及び電解コンデンサC4で構成されたRC回路(積分回路)の時定数を大きく設定して応答速度を遅くしている。本実施形態では、抵抗R1、R2の抵抗値をそれぞれ10KΩ、100KΩに設定し、電解コンデンサC4の静電容量を10μF、許容電圧を6.3Vに設定してある。すなわち、RC回路の時定数は抵抗値と静電容量に比例することから、直列接続した抵抗R1とR2の抵抗値を大きくして電解コンデンサC4の充電に要する時間を長く設定し、サイリスタ(SCR)に接続されている抵抗R1の短絡電流に比べトランジスタQ1のベース電流が所定時間遅延するようになっている。
[本発明に係る変圧器の動作]
(ア) 入力電圧が100V系の場合
本発明に係る変圧器1−1において、100V系の入力電圧が商用電源から入力端子2へ供給されると、その入力電圧は、並列接続された入力電圧検出回路9と電圧変換回路4の双方の回路に印加される。
入力電圧検出回路9において、入力電圧はダイオードD4で半波整流される。この半波整流された脈動電圧は、直列接続された抵抗R5とR6で分圧され、抵抗R6の両端の電圧がツェナーダイオードZD2のカソードに印加される。ここで、抵抗R6の両端に発生する電圧はツェナー電圧に達しないため、ツェナーダイオードZD2は導通しない。よって、ツェナーダイオードZD2のアノードに接続したサイリスタ(SCR)のゲートに電圧が印加されず、抵抗R1を短絡させる電流が流れないので、サイリスタ(SCR)はオフの状態のままである。
一方、電圧変換回路4において、入力電圧をトランスTRで電圧降下して整流回路5に印加して、ダイオードD1により半波整流される。この半波整流された脈動電圧は、平滑回路6のコンデンサC1にて交流成分が取り除かれ、平滑化された直流電圧として出力される。そして、平滑回路6からの出力電圧がリレー駆動回路7に印加される。
リレー駆動回路7では、リレーコイルRYとトランジスタQ1の直列回路に電圧が印加されるとともに、バイアス用の抵抗R1とR2を経由してトランジスタQ1のベースにも電圧が印加される。この自己バイアスにより、トランジスタQ1にベース電流が供給されるので、トランジスタQ1がオンの状態になる。
このように、リレー駆動回路7のトランジスタQ1がオンすると、リレーコイルRYとトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるため、リレーが作動してタップの共通接点T3が高圧用接点T2から離れて低圧用接点T1へ切り替わる。このとき、電圧変換回路4において、入力端子2は低圧用接点T1に接続された共通接点T3を介して出力端子3に接続されることになる。したがって、入力電圧が100V系の場合、低圧用接点T1に接続されたトランスTRにより、100V系の入力電圧に応じて変換した定格電圧が出力端子3から負荷へと供給される。
(イ) 入力電圧が200V系の場合
本発明に係る変圧器1−1において、200V系の入力電圧が商用電源から入力端子2へ供給されると、その入力電圧は、並列接続された入力電圧検出回路9と電圧変換回路4の双方の回路に印加される。
入力電圧検出回路9において、入力電圧はダイオードD4により半波整流されるとともに、その脈動電圧は、直列接続された抵抗R5とR6で分圧され、抵抗R6の両端の電圧がツェナーダイオードZD2のカソードに印加される。ここで、今度は抵抗R6の両端に発生する電圧がツェナー電圧に達するため、ツェナーダイオードZD2が導通する。よって、ツェナーダイオードZD2のアノードに接続したサイリスタ(SCR)のゲートに電圧が印加され、トリガー電流が流れるので、サイリスタ(SCR)が作動する。サイリスタ(SCR)が作動するためには、ゲートに対して少なくとも脈動電圧の半サイクル程度の電圧が印加されればよい。
入力電圧検出回路9のサイリスタ(SCR)が作動すると、抵抗R1とサイリスタ(SCR)のアノード−カソード間に順方向の電流が流れる。これにより、リレー駆動回路7では抵抗R2の両端に電圧が印加されず、ベース電流が供給されないので、トランジスタQ1は常にオフの状態である。なお、一旦作動したサイリスタ(SCR)は、負荷容量の増加により電圧降下が生じてゲートにトリガー電流が流れなくなっても作動し続け、入力端子2を商用電源から外して入力電圧の供給が遮断されるまで継続する。
このように、リレー駆動回路7のトランジスタQ1は常にオフであり、リレーコイルRYへ電流が供給されず、リレーが停止しているので、タップの共通接点T3は高圧用接点T2に接触したままの状態を維持している。このとき、電圧変換回路4において、入力端子2は高圧用接点T2に接続された共通接点T3を介して出力端子3に接続されることになる。したがって、入力電圧が200V系の場合、高圧用接点T2に接続されたトランスTRにより、200V系の入力電圧に応じて変換した定格電圧が出力端子3から負荷へと供給される。
以上より、本発明に係る変圧器1−1にあっては、以下のような効果が得られる。
(1) 電源投入時に入力電圧に応じた高電圧が出力されない
上述したように、従来は200V系の入力電圧が供給された場合、タップの共通接点T3が低圧用接点T1へ一旦切り替わった後、高圧用接点T2へと戻る切替動作を行なっていたため、低圧用接点T1から高圧用接点T2へ切り替わる直前に入力電圧に応じた高電圧が発生することがあった。ところが、本発明によれば、200V系の入力電圧が供給された場合、入力電圧検出回路9において、ツェナーダイオードZD2が導通してサイリスタ(SCR)が作動し記憶するので、リレー駆動回路7のトランジスタQ1がオンになることはない。このため、リレーが常に停止した状態であるから、タップの共通接点T3が低圧用接点T1へ切り替わる切替動作は行なわれず、常に高圧用接点T2に接続された状態のトランスTRから安定した定格電圧が出力される。よって、変圧器1−1に接続した負荷に対して高電圧が出力される恐れがまったくなくなり、高電圧出力に伴う負荷の損傷等の不具合を確実に防止できる。
(2) 負荷容量が増減しても入力切替の基準電圧が変動しない
上述したように、従来は200V系の入力電圧が供給された場合、負荷容量が増減するとトランスTRの2次側の交流電圧が上下し、タップTの切替動作の基準電圧が変動してしまうという不具合があった。これは、従来は変動の大きな負荷側からの交流電圧に基づいて入力切替の基準電圧を検出していたことが要因である。
それに対し、本発明では、変動の少ない商用電源側からの入力電圧に基づいて入力切替の基準電圧を検出するようにした。すなわち、200V系の入力電圧が供給された場合、入力電圧検出回路9において、サイリスタ(SCR)が作動した後は、入力端子2を外して入力電圧の供給を遮断するまでリレー駆動回路7のトランジスタQ1がオンしてリレーが作動することはない。したがって、負荷容量が増減してトランスTRの2次側の交流電圧が上下しても、タップTの切替動作が繰り返し行なわれることはなく、常に安定した定格電圧が出力される。よって、変圧器1−1に接続した負荷に対して出力電圧の変動がなくなり、出力変動に伴うトランスの破壊等の不具合を可及的に防止できる。
なお、入力電圧検出回路9にサイリスタ(SCR)を用いたが、これに代えてトライアック(TRIAC)を用いても上記と同様な効果が得られる。
本発明に係る携帯用単巻変圧器の内部回路を示すブロック図。 従来の変圧器の内部回路を示すブロック図。 従来の変圧器の入出力特性を示すグラフ図。
符号の説明
1、1−1 変圧器
2 入力端子
3 出力端子
4 電圧変換回路
5 整流回路
6 平滑回路
7 リレー駆動回路
8 電圧検出回路
9 入力電圧検出回路
C1、C4 電解コンデンサ
C2、C3 コンデンサ
D1、D2、D3、D4 ダイオード
ZD1、ZD2 ツェナーダイオード
R1、R2、R3、R4、R5、R6 抵抗
RY リレーコイル
Q1、Q2 トランジスタ
SCR サイリスタ
T タップ
T1 低圧用接点
T2 高圧用接点
T3 共通接点
TR トランス
TR1 直列巻線
TR2 分路巻線
V バリスタ

Claims (2)

  1. 商用電源に接続される入力端子と、
    負荷を接続する出力端子と、
    上記商用電源から上記入力端子を介して供給される入力電圧を単巻トランスで定格電圧に変換し、変換した定格電圧を上記出力端子から上記負荷へと供給する電圧変換回路と、
    上記単巻トランスの分路巻線の中間端子に接続され、上記単巻トランスで降圧された交流電圧を整流して出力する整流回路と、
    上記整流回路に接続され、上記整流回路から出力された電圧を平滑して直流電圧を出力する平滑回路と、
    上記平滑回路に接続され、上記平滑回路から出力された直流電圧で作動するトランジスタを有し、上記電圧変換回路の単巻トランスに接続されたタップの接点を高圧用接点から低圧用接点へ切り替えるリレー駆動回路と、
    上記入力端子に接続され、上記商用電源から上記入力端子を介して供給された入力電圧を高圧整流用のダイオードで整流して検出し、検出した入力電圧が基準電圧未満の低電圧の場合には高電圧検出用のツェナーダイオードが導通しないことによってそのアノードに接続されたサイリスタ又はトライアックが作動しないで上記リレー駆動回路のトランジスタを作動させる一方、検出した入力電圧が基準電圧以上の高電圧の場合には上記ツェナーダイオードが導通することによって上記サイリスタ又はトライアックが作動し続けて上記リレー駆動回路のトランジスタを停止させ、上記電圧変換回路の単巻トランスに接続されたタップの接点が高圧用接点に接続された状態を維持する入力電圧検出回路と、
    を備えたことを特徴とする携帯用単巻変圧器。
  2. 上記リレー駆動回路の応答時間を遅延させることにより、上記入力電圧検出回路が作動する前に上記リレー駆動回路が作動しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用単巻変圧器。
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