JP4285561B2 - 外燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、作動媒体の蒸発と凝縮によって作動媒体の液体部分を変位させ、作動媒体の液体部分の変位を機械的エネルギに変換して出力する外燃機関に関する。
従来、この種の外燃機関は、液体ピストン蒸気エンジンとも呼ばれ、管状の容器内に作動媒体を液相状態で流動可能に封入し、容器の一端部に形成された蒸発部にて液相状態の作動媒体の一部を加熱して蒸発させ、容器の中間部に形成された凝縮部にて作動媒体の蒸気を冷却して凝縮させ、この作動媒体の蒸発と凝縮によって作動媒体の液体部分を周期的に変位(いわゆる自励振動)させ、この作動媒体の液体部分の周期的な変位を出力部にて機械的エネルギとして取り出すように構成されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1には、容器全体が一本の管状に形成された、いわゆる単気筒型の液体ピストン蒸気エンジンが記載されている。
一方、特許文献2には、容器のうち蒸発部から凝縮部までの部位を複数本の分岐管で構成し、容器のうち残余の部位(出力部側の部位)を1本の集合管で構成した、いわゆる複気筒型の液体ピストン蒸気エンジンが記載されている。
この特許文献2の従来技術によると、複数本の分岐管のそれぞれに蒸発部および凝縮部が形成されているので、蒸発部および凝縮部の伝熱面積が増大する。このため、作動媒体の加熱性能(蒸発性能)および冷却性能(凝縮性能)が向上するので、外燃機関の出力が向上する。
なお、この特許文献2の従来技術では、複数本の分岐管に形成された複数個の蒸発部が高温ガスの流れの中に配置されており、高温ガスを熱源として作動媒体を加熱するようになっている。
また、この特許文献2の従来技術では、多数本の分岐管を互いに直交する2方向に配列することによって、多数本の分岐管を1方向のみに配列する場合と比較して、容器の体格の小型化を図っている。
特開2004−84523号公報 特開2005−330885号公報
ところで、特願2006−78802号(以下、先願例と言う。)には、単気筒型の液体ピストン蒸気エンジンにおいて、出力及び効率の向上を図ったものが提案されている。
この先願例では、容器の内部圧力のピーク値が蒸発部の温度での作動媒体の飽和蒸気圧より低く、かつ、当該飽和蒸気圧にできるだけ近い値(以下、理想ピーク値と言う。)になっているときに外燃機関の出力および効率が最も高くなることに鑑みて(後述の図2(a)を参照)、容器の内部圧力のピーク値を容器内圧力調整手段によって調整可能にしている。
そして、蒸発部の温度が変動して作動媒体の飽和蒸気圧が変動すると、これに対応して容器内圧力調整手段が容器の内部圧力を調整し、容器の内部圧力のピーク値を理想ピーク値に近づけるので、単気筒型の液体ピストン蒸気エンジンの出力および効率を高く維持することができる。
なお、上記先願例には、容器内圧力調整手段の一例として、作動媒体が封入された主容器とは別個の補助容器の内部圧力を制御することによって主容器の内部圧力のピーク値を調整する補助容器方式のものが記載されている。
より具体的には、主容器と連通した補助容器に作動媒体を液体状態で封入し、補助容器内の作動媒体をピストン機構で圧縮または膨張させることによって補助容器の内部圧力を制御し、その結果として、主容器の内部圧力のピーク値が調整されるようになっている。
そこで、本発明者は、上記特許文献2に記載された複気筒型の液体ピストン蒸気エンジンに対して、上記先願例のごとく、容器内圧力調整手段を用いて出力及び効率の向上を図ることを検討した。
しかしながら、上記特許文献2に記載された複気筒型の液体ピストン蒸気エンジンは、複数個の蒸発部が高温ガスの流れの中に配置されているので、高温ガス上流側の蒸発部ほど蒸発部の温度が高くなり、高温ガス下流側の蒸発部ほど蒸発部の温度が低くなる。
そのため、高温ガス上流側の蒸発部の温度での飽和蒸気圧を理想ピーク値とみなして容器の内部圧力のピーク値を調整すると、高温ガス下流側の蒸発部では容器の内部圧力のピーク値が飽和蒸気圧を超えてしまう。
その結果、高温ガス下流側の蒸発部において作動媒体の蒸気の一部が凝縮してしまい、マイナスの仕事をしてしまうので、出力及び効率が低下してしまい(後述の図2(c)を参照)、ひいては出力及び効率が不安定になってしまうという問題がある。
特に、容器内圧力調整手段として上述の補助容器方式を採用したものにおいては、高温ガス下流側の蒸発部に液相状態の作動媒体が流入しすぎて蒸発部における熱交換量が増加してしまうので、蒸発部の温度が低下してしまう。最悪の場合には、蒸発部の温度が低下する結果、作動媒体の自励振動が停止して出力が得られなくなってしまうという問題がある。
なお、本発明者は、軽量化およびコストの低減を目的として、複数個の容器で1つの容器内圧力調整手段を共有すること、すなわち、1つの容器内圧力調整手段によって複数個の容器の内部圧力のピーク値を調整することを検討したが、複数個の容器の蒸発部の温度が互いに異なっている場合には上記と同様の問題が生じることがわかった。
本発明は、上記点に鑑み、複数個の蒸発部を備える外燃機関において、出力及び効率の安定化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、管状に形成され、作動媒体(13)が液体状態で流動可能に封入された少なくとも1つの主容器(10、401〜403)と、
主容器(10、401〜403)の一端側に形成され、作動媒体(13)を加熱して蒸発させる複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)と、
主容器(10、401〜403)のうち蒸発部(171〜173、431〜433)よりも他端側に形成され、蒸発部(171〜173、431〜433)で蒸発した作動媒体(13)の蒸気を冷却して凝縮させる凝縮部(191〜193、441〜443)と、
主容器(10、401〜403)の他端部に連通し、作動媒体(13)の蒸発と凝縮に伴う作動媒体(13)の体積変動によって生じる作動媒体(13)の液体部分の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部(11、45)と、
主容器(10、401〜403)の内部圧力(Pc)を調整する1つの主容器内圧力調整手段(24)と、
複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)のうち最も低い温度である最低蒸発部温度(Thmin)に基づいて主容器内圧力調整手段(24)を制御する制御手段(30)とを備えることを特徴とする。
これによると、最低蒸発部温度(Thmin)に基づいて主容器内圧力調整手段(24)を制御するので、複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)のいずれにおいても、主容器(10、401〜403)の内部圧力(Pc)のピーク値(Pc1)が飽和蒸気圧を超えてしまうことを回避できる。
このため、複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)のいずれにおいても、作動媒体(13)の蒸気の一部が凝縮してマイナスの仕事をしてしまい、出力及び効率が低下してしまうことを回避できるので、出力及び効率の安定化を図ることができる。
なお、本発明における「管状に形成された主容器」とは、主容器が全体として1本の管状に形成されていることのみを意味するものではなく、主容器の一端側が複数本に分岐した形状に形成されていることをも含む意味のものである。
本発明は、具体的には、複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)を検出する温度検出手段(311〜313、441〜443)を備え、
制御手段(30)が、複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)のうち最も低い温度を最低蒸発部温度(Thmin)と判定すればよい。
また、本発明は、複数個の蒸発部(171〜173)は、高温流体の流れ方向に配置されて、高温流体から熱の供給を受けるようになっており
制御手段(30)が、複数個の蒸発部(171〜173)のうち高温流体の最下流側に配置された蒸発部(171)の温度(Th1)を最低蒸発部温度(Thmin)として用いてもよい。
これによると、複数個の蒸発部(171〜173)のうち高温流体の最下流側に配置された蒸発部(171)の温度を検出すればよく、複数個の蒸発部(171〜173)の全てについて温度を検出する必要がないので、構造を簡素化できる。
また、本発明は、具体的には、複数個の蒸発部(171〜173)に対して熱の供給を行う熱源と、
複数個の蒸発部(171〜173)同士を熱的に接続する熱的接続手段(34)とを備え、
制御手段(30)は、複数個の蒸発部(171〜173)のうち熱的接続手段(34)による熱抵抗が最も大きい蒸発部(171)の温度(Th1)を最低蒸発部温度(Thmin)として用いてもよい。
これによると、複数個の蒸発部(171〜173)のうち熱的接続手段(34)による熱抵抗が最も大きい蒸発部(171)の温度を検出すればよく、複数個の蒸発部(171〜173)の全てについて温度を検出する必要がないので、構造を簡素化できる。
また、本発明は、具体的には、主容器(10)は、一端側の集合管(14)と他端側の複数本の分岐管(151〜153)とを有しており、
蒸発部(171〜173)は、複数本の分岐管(151〜153)のそれぞれに形成されている。
これにより、いわゆる複気筒型の液体ピストン蒸気エンジンにおいて、上記した本発明の効果を発揮させることができる。
また、本発明は、具体的には、主容器(401〜403)が複数個有り、
蒸発部(431〜433)は、複数個の主容器(401〜403)のそれぞれに形成されており、
複数個の主容器(401〜403)の内部圧力(Pc)が、1つの主容器内圧力調整手段(24)によって調整される。
これにより、複数個の主容器(401〜403)で1つの主容器内圧力調整手段(24)を共有する液体ピストン蒸気エンジンにおいて、上記した本発明の効果を発揮させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。本発明による外燃機関は液体ピストン蒸気エンジンとも呼ばれうるものであり、本実施形態は、本発明による液体ピストン蒸気エンジンを発電装置に適用したものである。
図1は本実施形態による液体ピストン蒸気エンジンの概略構成を表す構成図であり、図1中の上下の矢印は液体ピストン蒸気エンジンの設置状態における上下方向を示している。本実施形態による液体ピストン蒸気エンジンは主容器10と、出力部をなす発電機11とを有している。発電機11は、ケーシング12内に永久磁石が埋設された可動子(図示せず)を収納しており、可動子が振動変位することによって起電力を発生する。
主容器10は、主として管状に形成され、作動媒体(本例では水)13が液体状態で流動可能に封入された圧力容器であり、発電機11に接続された1本の集合管14と、集合管14より分岐する互い平行な第1〜第3分岐管151〜153とを有している。
集合管14は、発電機11から下方に向かって延び、中間部で水平方向に向かって屈曲するL字状に形成されている。第1〜第3分岐管151〜153はそれぞれ、集合管14のうち水平方向に延びる部位から上方に向かって延びている。
本例では、第1分岐管151を最も発電機11に近い側に配置し、第3分岐管153を最も発電機11から離れた側に配置している。また、集合管14および第1〜第3分岐管151〜153をステンレスによって円管状に成形している。
第1〜第3分岐管151〜153の上端部における外周面には、第1〜第3加熱器161〜163が熱伝導可能に接触配置されている。本例における第1〜第3加熱器161〜163は高温ガス(例えば、自動車の排気ガス)と熱交換するものであるが、第1〜第3加熱器161〜163を電気ヒータで構成してもよい。
第1〜第3分岐管151〜153のうち第1〜第3加熱器161〜163と接触する部分は、液相状態の作動媒体13の一部を加熱して蒸発させる第1〜第3蒸発部171〜173を構成している。なお、第1〜第3蒸発部171〜173は、本発明における複数個の蒸発部に該当するものである。
第1〜第3加熱器161〜163が高温ガスと熱交換することによって、第1〜第3蒸発部171〜173内の作動媒体13が第1〜第3蒸発部171〜173を介して加熱される。
第1〜第3分岐管151〜153の長手方向(図1の上下方向)の中間部における外周面には、冷却水が循環する第1〜第3冷却器181〜183が熱伝導可能に接触配置されている。第1〜第3分岐管151〜153のうち第1〜第3冷却器181〜183と接触する部分は、第1〜第3蒸発部171〜173で蒸発した作動媒体13を冷却して凝縮させる第1〜第3凝縮部191〜193を構成している。
この第1〜第3冷却器181〜183に冷却水が循環することによって、第1〜第3凝縮部191〜193内の作動媒体13が第1〜第3凝縮部191〜193を介して冷却される。
第1〜第3冷却器181〜183を循環する冷却水の循環回路中には放熱器(図示せず)が配置されている。これにより、冷却水が作動媒体13の蒸気から奪った熱を放熱器によって大気中に放熱するようになっている。
なお、第1〜第3蒸発部171〜173および第1〜第3凝縮部191〜193を熱伝導率に優れた銅又はアルミニウムによって形成してもよい。
一方、発電機11のケーシング12内には、作動媒体13の液体部分から圧力を受けて変位するピストン20がシリンダ部21に摺動可能に配置されている。なお、ピストン20はシャフト22に連結されており、シャフト22のうちピストン20と反対側の端部には、一旦押し出されたピストン20を押し戻すように弾性力を発生させるコイルばね23が設けられている。なお、シャフト22には上述の可動子(図示せず)が連結され、シャフト22が振動変位することによって可動子も振動変位するようになっている。
本例では、主容器10の内部圧力(以下、主容器内圧力と言う。)Pcを調整する主容器内圧力調整機構24として、補助容器25の内部圧力(以下、補助容器内圧力と言う。)Ptを制御することによって主容器内圧力Pcを調整する補助容器方式のものを採用している。具体的には、主容器内圧力調整機構24は、補助容器25、連絡配管26および圧力調整用ピストン機構27によって構成されている。
補助容器25は、連絡配管26を介して主容器10と連通している。より具体的には、補助容器25は、集合管14のうち水平方向に延びる部位であって第1分岐管151よりも発電機11側の部位と連通している。本例では、補助容器25を集合管14の上方側に配置している。
補助容器25内には、圧力調整用液体28および気体29が充満している。圧力調整用液体28は本発明における液体に該当するものであり、本例では、圧力調整用液体28を作動媒体13と同様に水としている。
気体29としては圧力調整用液体28に難溶性を示す気体を用いるのが好ましく、本例では、気体29として、水に難溶性を示すヘリウムを用いている。なお、補助容器25内を圧力調整用液体28のみで充満させてもよい。
補助容器25および連絡配管26は断熱性に優れた材料とすることが望ましく、本実施形態では、圧力調整用液体28を水としているので、補助容器25および連絡配管26をステンレス製としている。
連絡配管26には、流路径を縮小する絞り部26aが形成されている。この絞り部26aによって、補助容器25の内部圧力Ptが主容器内圧力Pcの周期的な変動に追従して変動することが抑制され、主容器内圧力Pcの平均値Pcaが補助容器内圧力Ptとほぼ等しい圧力で安定する。
圧力調整用ピストン機構27は、補助容器内圧力Ptを調整する補助容器内圧力調整手段をなすものであり、圧力調整ピストン27aと、圧力調整ピストン27aを駆動する電動アクチュエータ27bとで構成されている。
圧力調整ピストン27aは補助容器25内の上端部に配置され、電動アクチュエータ27bは補助容器25の上方側に配置されている。そして、圧力調整ピストン27aは、補助容器25内部において上下方向に往復駆動されるようになっている。
次に、本実施形態における電子制御部の概要を説明すると、制御装置30はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものであり、本発明における制御手段に該当するものである。
制御装置30には、圧力調整用ピストン機構27の制御のために、第1〜第3蒸発部171〜173の温度(以下、第1〜第3蒸発部温度と言う。)Th1〜Th3を検出する第1〜第3蒸発部温度センサ311〜313、補助容器内圧力Ptを検出する補助容器内圧力センサ32から検出信号が入力される。制御装置30は、この各センサ311〜313、32からの検出信号に基づいて電動アクチュエータ27bを駆動制御するようになっている。
次に、上記構成における作動を説明する。第1〜第3加熱器161〜163及び第1〜第3冷却器181〜183を動作させると、まず第1〜第3加熱器161〜163により第1〜第3蒸発部171〜173内の液相状態の作動媒体13が加熱されて蒸発し、第1〜第3蒸発部171〜173内に高温・高圧の作動媒体13の蒸気が蓄積されて、第1〜第3分岐管151〜153内の作動媒体13の液面を押し下げる。すると、作動媒体13の液体部分は、ピストン20側に変位して、ピストン20を押し上げる。このとき、コイルばね23は弾性圧縮される。
また、第1〜第3分岐管151〜153内の作動媒体13の液面が第1〜第3凝縮部191〜193まで下がり、第1〜第3凝縮部191〜193内に作動媒体13の蒸気が進入すると、この作動媒体13の蒸気が第1〜第3冷却器181〜183により冷却されて凝縮されるため、第1〜第3分岐管151〜153内の作動媒体13の液面を押し下げる力が消滅する。
すると、作動媒体13の蒸気の膨張によって一旦押し上げられた発電機11側のピストン20はコイルばね23の弾性復元力により下降し、作動媒体13の液体部分が第1〜第3蒸発部171〜173側に変位する。そして、第1〜第3分岐管151〜153内の作動媒体13の液面が第1〜第3蒸発部171〜173まで上昇する。
そして、こうした動作は、第1〜第3加熱器161〜163及び第1〜第3冷却器181〜183の動作を停止させるまで繰り返し実行され、その間、主容器10内の作動媒体13は周期的に変位(いわゆる自励振動)して、発電機11の図示しない可動子を上下動させることになる。
つまり、作動媒体13の蒸気の発生と凝縮とが交互に繰り返し行われることによって、作動媒体13の液体部分があたかもピストンのように変位する。このため、作動媒体13の液体部分が液体ピストンとして機能し、この液体ピストンの変位が出力として取り出される。このため、本発明による外燃機関は、液体ピストン蒸気エンジンとも呼ばれうる。
ここで、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1と液体ピストン蒸気エンジンの性能(出力および効率)との関係について説明する。なお、ここでは説明の簡略化のため、第1〜第3蒸発部171〜173の温度が互いに同一になっていると仮定して説明する。
図2(a)は液体ピストン蒸気エンジンの一状態におけるPV線図を示すものである。このPV線図の横軸は、主容器10、シリンダ部21およびピストン20で囲まれた空間の容積(以下、ピストン容積と言う。)であり、このピストン容積はピストン20の往復運動に伴い変動する。後述する図2(b)、(c)に示すPV線図の横軸も同様である。
図2(a)は、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1が蒸発部温度での作動媒体13の飽和蒸気圧Psよりも低く、かつ、飽和蒸気圧Psにできるだけ近い値(以下、理想ピーク値と言う。)になっている状態におけるPV線図である。
この状態は、液体ピストン蒸気エンジンは1周期当たりの仕事量が最も大きくなって、液体ピストン蒸気エンジンの性能(出力および効率)が最も高くなる理想的な状態である。なお、図2(a)に示したPciは、この理想的な状態における主容器内圧力Pcの平均値(以下、理想平均値と言う。)である。ここで、主容器内圧力Pcの平均値Pcaとは、作動媒体13が1周期、自励振動する間における主容器内圧力Pcの平均値Pcaのことを言う。
一方、図2(b)は、ピーク値Pc1が飽和蒸気圧Psよりも著しく低いときのPV線図を示している。この状態では、1周期当たりの仕事量が小さくなるので、液体ピストン蒸気エンジンの性能(出力および効率)が低下する。
また、図2(c)は、ピーク値Pc1が飽和蒸気圧Psよりも高いときのPV線図を示している。この状態では、ピーク値Pc1が飽和蒸気圧Psよりも高くなるために作動媒体13の蒸気の一部が凝縮してしまう。このため、マイナスの仕事をしてしまうので、液体ピストン蒸気エンジンの性能(出力および効率)が低下してしまう。
図3は、主容器内圧力Pcの平均値Pcaと液体ピストン蒸気エンジンの出力との関係をグラフに示したものである。ここで、主容器内圧力Pcの平均値Pcaとは、作動媒体13が1周期、自励振動する間における主容器内圧力Pcの平均値Pcaのことを言う。なお、主容器内圧力Pcの平均値Pcaと液体ピストン蒸気エンジンの効率との関係は図3と同様であるので、図示を省略している。
図3からわかるように、液体ピストン蒸気エンジンの性能(出力および効率)を最も引き出すためには、主容器内圧力Pcの平均値Pcaを常に理想平均値Pciに維持すればよいのである。
しかるに、加熱器の熱源である高温ガスの温度が変動すると、蒸発部温度が変動して作動媒体13の飽和蒸気圧Psが変動してしまうので、理想平均値Pciも変動してしまう。
そこで、本実施形態は、蒸発部温度の変動に応じて主容器内圧力Pcを調整することにより、主容器内圧力Pcの平均値Pcaを常に理想平均値Pciに近づけ、ひいては液体ピストン蒸気エンジンの性能を安定して引き出すようになっている。
より具体的には、主容器内圧力Pcの平均値Pcaを、理想平均値Pciに近似した目標値Pc0に近づけることにより、主容器内圧力Pcの平均値Pcaを常に理想平均値Pciに近づける。
図4は、制御装置30によって実行される主容器内圧力Pcの制御の概略を示すフローチャートである。まず、ステップS100にて、第1〜第3蒸発部温度センサ311〜313が検出した第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3を読み込む。次に、ステップS110にて、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3のうち最も低い温度(以下、最低蒸発部温度と言う。)Thminに基づいて主容器内圧力調整機構24、より具体的には、圧力調整ピストン27aの制御量を算出する。
ここで、ステップS110における圧力調整ピストン27aの制御量の算出方法について具体的に説明すると、まず、制御装置30は、第1〜第3蒸発部温度センサ311〜313から読み込んだ第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3のうち最も低い温度を最低蒸発部温度Thminと判定する。
次に、最低蒸発部温度Thminと、予め制御装置30に記憶された作動媒体13の蒸気圧曲線とに基づいて、最低蒸発部温度Thminでの作動媒体13の飽和蒸気圧Psminを算出する。
次に、最低蒸発部温度Thminでの作動媒体13の飽和蒸気圧Psminと、主容器内圧力Pcの1周期中の最低値Pc2(図2を参照)との平均値を算出し、この平均値を目標値Pc0とする。
ここで、主容器内圧力Pcの1周期中の最低値Pc2は、大気圧(0.1MPa)とほぼ同じであるので、本例では、主容器内圧力Pcの1周期中の最低値Pc2として大気圧(0.1MPa)を用いている。
なお、目標値Pc0として、最低蒸発部温度Thminでの作動媒体13の飽和蒸気圧Psminと大気圧(0.1MPa)との平均値を適宜補正した値を用いてもよい。また、主容器内圧力Pcの1周期中の最低値Pc2として、大気圧(0.1MPa)の代わりに、第1〜第3凝縮部191〜193の温度のうち最も低い凝縮部温度での作動媒体13の飽和蒸気圧を用いてもよい。
そして、補助容器内圧力Ptが目標値Pc0よりも低いときには、圧力調整ピストン27aを押し出すように、圧力調整ピストン27aの制御量を算出する。一方、補助容器内圧力Ptが目標値Pc0よりも高いときには、圧力調整ピストン27aを引き込むように、圧力調整ピストン27aの制御量を算出する。
そして、ステップS120にて、ステップS110で算出された制御量に基づいて圧力調整ピストン27aを制御する。より具体的には、補助容器内圧力Ptが目標値Pc0よりも低いときには、電動アクチュエータ27bが圧力調整ピストン27aを押し出して補助容器25の容積を減少させる。これにより圧力調整用液体28が圧縮されて補助容器内圧力Ptが上昇する。
一方、補助容器内圧力Ptが目標値Pc0よりも高いときには、圧力調整ピストン27aを引き込んで補助容器25の容積を減少させる。これにより圧力調整用液体28が膨張して補助容器内圧力Ptが低下する。
すると、主容器内圧力Pcの平均値Pcaも補助容器内圧力Ptに追従するので、主容器内圧力Pcの平均値Pcaが目標値Pc0に近づく。換言すれば、主容器内圧力Pcの平均値Pcaが理想平均値Pciに近づく。
この結果、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1を常に理想ピーク値に近づけることができるので、液体ピストン蒸気エンジンの運転状態を常に理想的な状態に近づけることができ、ひいては蒸発部温度の変動の影響を排除して、液体ピストン蒸気エンジンの性能を安定して引き出すことができる。
ところで、図5は、蒸発部温度と理想平均値Pciとの関係を示すグラフである。なお、図5中には、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3の検出値の一例を示している。
蒸発部温度が高いほど作動媒体13の飽和蒸気圧Psが高くなることから、蒸発部温度が高いほど理想平均値Pciが高くなる。このため、図5中に示した検出値の一例のように、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3が互いに異なる場合には、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3に対応する理想平均値Pciも互いに異なることとなる。
その結果、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3が互いに異なる場合には、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3のいずれに基づいて目標値Pc0を算出するべきかが問題となるのであるが、本発明者は詳細な検討を通じて下記の知見を得ている。
すなわち、例えば図5中に示した検出値の一例において、第2、第3蒸発部温度Th2、Th3での作動媒体13の飽和蒸気圧Ps2、Ps3は第1蒸発部温度Th1での作動媒体13の飽和蒸気圧Ps1よりも大きいことから、第2、第3蒸発部温度Th2、Th3のいずれか一方に基づいて算出された目標値は、第1蒸発部温度Th1に基づいて算出された目標値よりも大きくなる。
このため、第2、第3蒸発部温度Th2、Th3のいずれか一方に基づいて目標値Pc0を算出して圧力調整ピストン27aを制御すると、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1が第1蒸発部温度Th1での飽和蒸気圧Ps1を超えてしまう。
このように、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1が第1蒸発部温度Th1での飽和蒸気圧を超えてしまうと、上述の図2(c)のように、第1蒸発部171において作動媒体13の蒸気の一部が凝縮してマイナスの仕事をしてしまうので、液体ピストン蒸気エンジンの出力及び効率が低下してしまう。その結果、出力及び効率が不安定になってしまう。
特に、本例のように主容器内圧力調整手段24として補助容器方式のものを採用していると、第1蒸発部171に液相状態の作動媒体13が流入しすぎて第1蒸発部171における熱交換量が増加してしまうので、第1蒸発部温度Th1が低下してしまう。最悪の場合には、第1蒸発部温度Th1が低下する結果、作動媒体13の自励振動が停止して出力が得られなくなってしまう(図3を参照)。
そこで、本実施形態では、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3のうち最低蒸発部温度Thminに基づいて目標値Pc0を算出するので、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1が第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3での飽和蒸気圧Ps1〜Ps3のいずれかを超えてしまうことを回避できる。その結果、作動媒体13の自励振動を良好に維持することができるとともに、出力及び効率の安定化を図ることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、第1〜第3蒸発部171〜173に第1〜第3蒸発部温度センサ311〜313を設けているが、本第2実施形態は、図6に示すように、第2、第3蒸発部温度センサ312、313を廃止するものである。
本実施形態では、矢印Aに示すように、第3加熱器163と熱交換した高温ガスが第2加熱器162へと流れて第2加熱器162と熱交換し、矢印Bに示すように、第2加熱器162と熱交換した高温ガスが第1加熱器161へと流れて第1加熱器161と熱交換する。
換言すれば、第1〜第3蒸発部171〜173は、高温ガスの流れ方向に配置されている。このため、高温ガスが第3蒸発部171側から第1蒸発部171側に向かって流れるにつれて、高温ガスの温度が低下する。その結果、最低蒸発部温度Thminは、常に、高温ガス最下流側の第1蒸発部温度Th1になる。
そこで、本実施形態では、制御装置30は、上述のステップS110にて、第1蒸発部温度Th1を最低蒸発部温度Thminとして用い、圧力調整ピストン27aの制御量を算出する。
したがって、第1蒸発部温度センサ311のみによって最低蒸発部温度Thminを検出できるので、第2、第3蒸発部温度センサ312、313を廃止できる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、第1〜第3蒸発部171〜173がそれぞれ第1〜第3加熱器161〜163によって加熱されるようになっているが、本第3実施形態では、図7に示すように、第1〜第3蒸発部171〜173が1つの加熱器33によって加熱されるようになっている。
より具体的には、第1〜第3蒸発部171〜173同士が熱的接続手段34によって熱的に接続されており、熱的接続手段34のうち第3蒸発部173側の端部に加熱器16が熱伝導可能に接触配置されている。本例では、熱的接続手段34を、銅等の熱伝導性に優れた材質にて形成している。
この熱的接続手段34の熱伝導率、伝熱断面積、伝熱距離等を適宜設定することによって、加熱器33から第1〜第3蒸発部171〜173までの熱抵抗が所定の値になるようにしている。ここで、熱抵抗とは、熱の伝わりにくさのことを言い、熱伝導の場合には熱伝導率、断面積および伝熱距離等によって決まり、熱伝達の場合には熱伝達係数や面積等によって決まる値である。
本例では、第3蒸発部173から第1蒸発部171に向かうにつれて加熱器33からの伝熱距離が長くなっていることから、加熱器33から第1〜第3蒸発部171〜173までの熱抵抗が第3蒸発部173、第2蒸発部172、第1蒸発部171の順に大きくなっている。このため、最低蒸発部温度Thminは常に第1蒸発部温度Th1になる。
そこで、本実施形態では、制御装置30は、上述のステップS110にて、第1蒸発部温度Th1を最低蒸発部温度Thminとして用い、圧力調整ピストン27aの制御量を算出する。
したがって、上記第2実施形態と同様に、第1蒸発部温度センサ311のみによって最低蒸発部温度Thminを検出できるので、第2、第3蒸発部温度センサ312、313を廃止できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、連絡配管26に絞り部26aを形成しているが、本第4実施形態では、図8に示すように、絞り部26aを廃止している。
上記第1実施形態では、上述のように、連絡配管26に絞り部26aを形成して、補助容器内圧力Ptを主容器内圧力Pcの平均値Pcaとほぼ等しい圧力で安定させている。このため、補助容器内圧力Ptを理想平均値Pciに近づけるように制御することによって主容器内圧力Pcを理想平均値Pciに近づけ、その結果として、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1を理想ピーク値に近づけている。
一方、本実施形態では、絞り部26aを廃止しているので、主容器内圧力Pcが補助容器内圧力Ptに追従する。このため、本実施形態では、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1を理想ピーク値に近づけるように制御することによって主容器内圧力Pcのピーク値Pc1を理想ピーク値に近づける。
より具体的には、まず、上記第1実施形態と同様に、第1〜第3蒸発部温度センサ311〜313が検出した第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3を読み込んだ後に、最低蒸発部温度Thminと、予め制御装置30に記憶された作動媒体13の蒸気圧曲線とに基づいて、最低蒸発部温度Thminでの作動媒体13の飽和蒸気圧Psminを算出する。
そして、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1が飽和蒸気圧Psminよりも低いときには、電動アクチュエータ27bが圧力調整ピストン27aを押し出すように、圧力調整ピストン27aの制御量を決定する。一方、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1が飽和蒸気圧Psよりも高いときには、電動アクチュエータ27bが圧力調整ピストン27aを引き込むように、圧力調整ピストン27aの制御量を決定する。
そして、決定された制御量に基づいて圧力調整ピストン27aを制御する。より具体的には、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1が飽和蒸気圧Psminよりも低いときには、電動アクチュエータ27bが圧力調整ピストン27aを押し出して補助容器25の容積を減少させる。これにより圧力調整用液体28が圧縮されて補助容器内圧力Ptが上昇するので、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1も上昇する。
一方、補助容器内圧力Ptのピーク値Pt1が飽和蒸気圧Psよりも高いときには、電動アクチュエータ27bが圧力調整ピストン27aを引き込んで補助容器25の容積を増加させる。これにより圧力調整用液体28が膨張して補助容器内圧力Ptが低下するので、ピーク値Pt1も低下する。
ここで、主容器10は補助容器25と連絡配管26を介して連通しているので、主容器内圧力Pcが補助容器内圧力Ptに追従する。このため、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1を第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3での作動媒体13の飽和蒸気圧Psに近づけることができる。
この結果、液体ピストン蒸気エンジンの運転状態を常に理想的な状態に近づけることができるので、上記第1実施形態と同様に、蒸発部温度の変動の影響を排除して、液体ピストン蒸気エンジンの性能を安定して引き出すことができる。
しかも、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1を、第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3のうち最低蒸発部温度Thminでの飽和蒸気圧Psminよりも低く、かつ、できるだけ近くするので、上記第1実施形態と同様に、主容器内圧力Pcのピーク値Pc1が第1〜第3蒸発部温度Th1〜Th3での飽和蒸気圧Ps1〜Ps3のいずれかを超えてしまうことを回避できる。
このため、上記第1実施形態と同様に、作動媒体13の自励振動を良好に維持することができるとともに、出力及び効率の安定化を図ることができる。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、主容器10を1つのみ有する液体ピストン蒸気エンジンに本発明を適用しているが、本第5実施形態は、図9に示すように、複数個の主容器を有する液体ピストン蒸気エンジンに本発明を適用している。
本例の液体ピストン蒸気エンジンは、3つの主容器401〜403を有している。この3つの主容器401〜403はそれぞれ、全体として1本の管状に形成されており、より具体的には、U字状に屈曲した形状を有している。
そして、主容器401〜403のそれぞれの一端部に加熱器411〜413が1つずつ配置され、主容器401〜403のそれぞれの中間部に冷却器421〜423が1つずつ配置されている。主容器401〜403のうち加熱器411〜413と接触する部分は蒸発部431〜433を構成し、主容器401〜403のうち冷却器421〜423と接触する部分は凝縮部441〜443を構成している。
なお、本実施形態では、第1の主容器401の蒸発部431を第1蒸発部と言い、第2の主容器402の蒸発部432を第2蒸発部と言い、第3の主容器403の蒸発部433を第3蒸発部と言う。
第1〜第3蒸発部431〜433にはそれぞれ、第1〜第3蒸発部温度センサ441〜443が設けられ、第1〜第3蒸発部温度センサ441〜443の検出信号が制御装置30に入力される。
主容器401〜403の他端部は、出力部45にて連結されている。この出力部45は、主容器401〜403の他端部と連通するシリンダ部461〜463と、シリンダ部461〜463に摺動可能に配置されたピストン471〜473と、ピストン471〜473に連結されたシャフト481〜483と、シャフト481〜483を連結するクランク軸49にて構成されている。
したがって、出力部45は、3つの主容器401〜403における液体ピストンの変位をクランク軸49の回転運動として取り出すことができる。
本実施形態の液体ピストン蒸気エンジンは、3つの主容器401〜403内における作動媒体13の自励振動の位相が適宜ずれるように運転され、この位相のズレを利用して一旦押し出されたピストン471〜473を押し戻すようになっている。このため、本実施形態では、コイルばね23を廃止している。
主容器内圧力調整機構24は、上記第1実施形態と同様の構成であるが、3つの主容器401〜403が1つの主容器内圧力調整機構24を共有している。すなわち、1つの主容器内圧力調整機構24が連絡配管26を介して3つの主容器401〜403と連通している。そして、1つの主容器内圧力調整機構24によって、3つの主容器401〜403の内部圧力Pcを調整するようになっている。
より具体的には、第1〜第3蒸発部431〜433の温度Th1〜Th3のうち最も低い蒸発部温度Thminに基づいて、3つの主容器401〜403の内部圧力Pcの目標値Pc0を算出する。
これにより、3つの主容器401〜403のそれぞれにおいて、内部圧力Pcのピーク値Pc1が蒸発部温度での飽和蒸気圧を超えてしまうことを回避できる。その結果、3つの主容器401〜403のいずれにおいても、作動媒体13の自励振動を良好に維持することができるとともに、出力及び効率の安定化を図ることができる。
なお、本実施形態では、第1〜第3蒸発部431〜433にそれぞれ蒸発部温度センサ441〜443を設けているが、上記第2実施形態のように、第1〜第3蒸発部431〜433が高温ガスの流れ方向に配置されている場合には、第1〜第3蒸発部431〜433のうち高温ガス最下流側の蒸発部のみに蒸発部温度センサを設ければよい。
また、上記第3実施形態のように、第1〜第3蒸発部431〜433同士が熱的接続手段によって熱的に接続され、1つの加熱器によって加熱されるように構成されている場合には、第1〜第3蒸発部431〜433のうち加熱器からの熱抵抗が最も大きい蒸発部のみに蒸発部温度センサを設ければよい。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態における主容器内圧力調整手段24は、圧力調整用ピストン機構27によって補助容器25の容積を増減するようになっているが、これに限定されることなく、上記先願例と同様に、種々の構成の主容器内圧力調整手段を用いることができる。具体的には、圧力調整用ピストン機構27の代わりに、補助容器25内の圧力調整用液体28の体積を増減するポンプ機構や、補助容器25内の圧力調整用液体28の一部を加熱して気化させる加熱手段等を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、主容器内圧力調整手段24として、補助容器25の内部圧力Ptを制御することによって主容器内圧力Pcを調整する補助容器方式のものを採用しているが、補助容器方式のものに限定されることなく、上記先願例と同様に、種々の方式のものを採用することができる。具体的には、主容器内圧力調整手段24として、主容器10自体の容積を増減する方式のものや、作動媒体13の液体部分の温度を調整する方式のもの等を採用してもよい。
また、上記各実施形態では、3つの蒸発部を1方向のみに配列した例を示しているが、上記特許文献2と同様に、多数個の蒸発部を互いに直交する2方向に配列してもよい。
また、上記各実施形態では、本発明を発電装置の駆動源に適用した場合について説明したが、本発明の外燃機関は、発電装置以外の駆動源としても利用することができる。
本発明の第1実施形態を示す液体ピストン蒸気エンジンの概略構成図である。 第1実施形態による外燃機関のPV線図であり、(a)は理想的な状態を示し、(b)は主容器内圧力のピーク値が飽和蒸気圧よりも低い状態を示し、(c)は主容器内圧力のピーク値が飽和蒸気圧よりも高い状態を示している。 主容器内圧力の平均値と液体ピストン蒸気エンジンの出力との関係を示すグラフである。 第1実施形態における制御の概要を示すフローチャートである。 蒸発部温度と主容器内圧力の理想平均値との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態を示す液体ピストン蒸気エンジンの概略構成図である。 本発明の第3実施形態を示す液体ピストン蒸気エンジンの概略構成図である。 本発明の第4実施形態を示す液体ピストン蒸気エンジンの概略構成図である。 本発明の第5実施形態を示す液体ピストン蒸気エンジンの概略構成図である。
符号の説明
10…主容器、11…出力部、13…作動媒体、171〜173…蒸発部、
191〜193…凝縮部、24…主容器内圧力調整手段、30…制御手段。

Claims (7)

  1. 管状に形成され、作動媒体(13)が液体状態で流動可能に封入された少なくとも1つの主容器(10、401〜403)と、
    前記主容器(10、401〜403)の一端側に形成され、前記作動媒体(13)を加熱して蒸発させる複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)と、
    前記主容器(10、401〜403)のうち前記蒸発部(171〜173、431〜433)よりも他端側に形成され、前記蒸発部(171〜173、431〜433)で蒸発した前記作動媒体(13)の蒸気を冷却して凝縮させる凝縮部(191〜193、441〜443)と、
    前記主容器(10、401〜403)の他端部に連通し、前記作動媒体(13)の蒸発と凝縮に伴う前記作動媒体(13)の体積変動によって生じる前記作動媒体(13)の液体部分の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部(11、45)と、
    前記主容器(10、401〜403)の内部圧力(Pc)を調整する1つの主容器内圧力調整手段(24)と、
    前記複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)のうち最も低い温度である最低蒸発部温度(Thmin)に基づいて前記主容器内圧力調整手段(24)を制御する制御手段(30)とを備えることを特徴とする外燃機関。
  2. 前記複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)を検出する温度検出手段(311〜313、441〜443)を備え、
    前記制御手段(30)は、前記複数個の蒸発部(171〜173、431〜433)の温度(Th1〜Th3)のうち最も低い温度を前記最低蒸発部温度(Thmin)と判定することを特徴とする請求項1に記載の外燃機関。
  3. 前記複数個の蒸発部(171〜173)は、高温流体の流れ方向に配置されて、前記高温流体から熱の供給を受けるようになっており
    前記制御手段(30)は、前記複数個の蒸発部(171〜173)のうち前記高温流体の最下流側に配置された蒸発部(171)の温度(Th1)を前記最低蒸発部温度(Thmin)として用いることを特徴とする請求項1に記載の外燃機関。
  4. 前記複数個の蒸発部(171〜173)に対して熱の供給を行う熱源と、
    前記複数個の蒸発部(171〜173)同士を熱的に接続する熱的接続手段(34)とを備え、
    前記制御手段(30)は、前記複数個の蒸発部(171〜173)のうち前記熱的接続手段(34)による熱抵抗が最も大きい蒸発部(171)の温度(Th1)を前記最低蒸発部温度(Thmin)として用いることを特徴とする請求項1に記載の外燃機関。
  5. 前記主容器(10)は、一端側の集合管(14)と他端側の複数本の分岐管(151〜153)とを有しており、
    前記蒸発部(171〜173)は、前記複数本の分岐管(151〜153)のそれぞれに形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の外燃機関。
  6. 前記主容器(401〜403)が複数個有り、
    前記蒸発部(431〜433)は、前記複数個の主容器(401〜403)のそれぞれに形成されており、
    前記複数個の主容器(401〜403)の内部圧力(Pc)が、前記1つの主容器内圧力調整手段(24)によって調整されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の外燃機関。
  7. 前記主容器(401〜403)のうち前記凝縮部(191〜193、441〜443)と前記出力部(11、45)との間の部位と連通し、液体(28)が封入された補助容器(25)と、
    前記補助容器(25)の内部圧力(Pt)を調整する補助容器内圧力調整手段(27)とを備え、
    前記主容器内圧力調整手段(24)は、前記補助容器(25)と前記補助容器内圧力調整手段(27)とを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の外燃機関。
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