JP4337639B2 - 蒸気エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、管内に封入された液体の加熱による気化と冷却による液化とを繰り返し実行することによって、管内の液体に流動変位を生じさせるよう構成された蒸気エンジンに関する。
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、流体の気化と液化を繰り返し発生させることでエネルギを取り出せるよう構成された装置があることが知られている。
この装置では、加熱室内に封入した揮発性流体を加熱して気化させ、気化した流体を上下方向に配置した導管を通して上昇させる。そして、上昇した箇所に設けられた冷却室では気化状態の流体を冷却して液化させる。液化した流体は導管を介して下降し加熱室内に戻る。この装置では、この様にして装置内で発生する流体循環中に磁性体等の物体を配置し、それにより、当該物体の移動を誘起させる。そして、それにより外部に配置したコイルに起電力を生じさせて電気エネルギの取り出しを行う。
一方、本出願人は、以下に示す構成を有する蒸気エンジンが開示された技術につき特許出願を行なった(特許文献2参照)。
この蒸気エンジン500は、図3に示す構成を有している。
すなわち、蒸気エンジン500は、液体が封入され環状の循環管路を備えたループ管502と、ループ管502内の液体を加熱する加熱器504と、加熱器504における加熱により液体が気化してなる蒸気を冷却する冷却器506と、出力部508と、備える。
出力部508は、シリンダ510と、シリンダ510内を往復運動できるよう構成されたピストン512と、ピストン512に一端が連結された可動部514と、可動部514の他端に配置されたばね材516と、を備える。ピストン512は、ループ管502内の流体から受ける圧力に応じてシリンダ510内を往復運動するよう構成されている。
この蒸気エンジン500では、加熱器504にてループ管502内の液体が加熱されて沸騰・気化すると、ループ管502内の流体に容積膨張が起きる。次に、加熱器504にて気化してなる蒸気は、上方に移動し、冷却器506にて冷却されて液化される。このとき、ループ管502内の流体容積は収縮される。出力部508におけるピストン512と可動部514は、このようにしてループ管502内に生ずる流体容積の膨張・収縮による液面変化(流動変位)を圧力変化として受け、往復運動を行う。
従って、例えば、可動部514に永久磁石を取り付けた上、当該永久磁石に対向するようコイルを配置すれば、ピストン512と可動部514の往復運動によってコイルに起電力が発生し、発電がなされることになる。
特開平7−180649号公報 特開2004−84523号公報
ところで、本願発明者らは、図3に示した蒸気エンジン500における加熱器504の構成として、例えば、図4に示すものが想定されると考えている。
この加熱器504は、図4に示すように、自動車の内燃機関等から排出される排気ガス等の熱媒体が流れる流路550を備えている。加熱器504は、流路550を流れる熱媒体が有する熱エネルギを用いてループ管502内の液体を加熱する。具体的には、流路550を流れる熱媒体が、加熱器504により加熱されるループ管502の部分に触れて熱エネルギの付与を行なった上で当該ループ管502の部分を通過するよう、流路550を構成する。
この場合には、熱媒体からループ管502の部分に付与された熱エネルギの量(熱交換量)に応じて、熱エネルギの付与を受けたループ管502の部分内に位置する液体が熱供給を受けることになる。
しかし、このように加熱器504を構成したのでは、流路550を流れる熱媒体からループ管502内の液体に付与される熱エネルギの量(熱交換量)が比較的少なく、熱交換効率が不十分であるという問題がある。
この問題については、図4に加え、図5も用いて説明する。なお、図5は、流路550を流れる熱媒体の位置変化と温度変化との関係を示した図である。
まず、図4に示すように、流路550を流れる熱媒体がループ管502の部分に最初に触れる位置をAとし、この熱媒体がループ管502の部分を通過する位置をBとする。
そして、位置Aにおける熱媒体の温度をTA(入口温度)とし、位置Bにおける熱媒体の温度をTB(出口温度)とすれば、熱媒体は位置Aから位置Bに流動する間にループ管502の部分に熱供給を行なうことから、TAとTBとの関係は、TA>TBとなる(図5参照)。
よって、流路550を流れる熱媒体の流量をm、この熱媒体の比熱をCpとすれば、熱媒体からループ管502の部分に付与される熱量Qは、図5に示すように、最大でmCp(TA−TB)と表記されるものであるといえる。
なお、図5には、ループ管502内に封入された液体の沸騰温度Thや凝縮温度Tcの他、大気温Taも示されている。
ここで、加熱器504により加熱されるループ管502内の部分に位置する液体を熱媒体の熱エネルギによって好適に気化させるためには、図5に示すように、出口温度TBが沸騰温度Thよりも高い温度であること(TB>Th)が必要である。
しかし、図4に示すように加熱器504を構成したのでは、出口温度TBの熱媒体がそのまま排出されてしまう。つまり、沸騰温度Thよりも高い温度TBの熱媒体が有する熱エネルギが使用されないことになり、その分だけ、熱交換効率が不十分となる。
そこで、本発明は、管内に封入された液体の加熱による気化と冷却による液化とを繰り返し実行することによって、管内の液体に流動変位を生じさせるよう構成された蒸気エンジンにおいて、管内の液体を加熱するための熱媒体と管内の液体との間の熱交換効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の蒸気エンジンは、液体が封入された管と、該管内の液体を加熱する加熱器と、加熱器における加熱により液体が気化してなる蒸気を冷却する冷却器と、を有する。
そして、本発明の蒸気エンジンは、加熱器における加熱による液体の気化と冷却器における冷却による蒸気の液化とにより管内の液体に流動変位を発生させる。
つまり、この蒸気エンジンでは、加熱器における加熱により液体が気化されることで管内の流体に容積膨張が起きる一方、この気化されてなる蒸気が冷却器により冷却されて液化されることで管内の流体に容積収縮が起きる。管内では、この流体容積の膨張・収縮に応じた流動変位が起きる。
この蒸気エンジンにおいて、加熱器は、熱媒体が流れる熱媒体流路を備える。この熱媒体流路は、この熱媒体流路を流れる熱媒体が管における2つの異なる部分を通過できるよう構成されている。
具体的には、この熱媒体流路は、この熱媒体流路を流れる熱媒体が、管における第1の部分に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第1の部分を通過した後、管における第2の部分であって、第1の部分内に到達する前の液体が内部に位置する第2の部分に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第2の部分を通過できるよう、構成されている。
よって、本発明の蒸気エンジンでは、管における第1の部分内に位置する液体と、管における第2の部分内に位置する液体とが、熱媒体からの熱エネルギの付与により加熱されうる。
具体的には、この蒸気エンジンにおいては、熱媒体が第1の部分を通過するときに、熱媒体から第1の部分に熱エネルギの付与がなされることに対応して、熱媒体流路を流れる熱媒体の温度が、第1の部分の通過後においては、通過前に比べて、低下する。熱媒体から第2の部分への熱エネルギの付与は、この温度低下後の熱媒体からなされる。
但し、本発明では、第2の部分が、第1の部分内に到達する前の液体が内部に位置する部分とされている。よって、第2の部分内に位置する液体の温度は、熱媒体流路を流れる熱媒体から先に熱エネルギの付与を受ける第1の部分内に位置する液体の温度よりも低い。
従って、例えば、管における上流側の部分内から第2の部分内に到達した液体の温度が、第2の部分を通過する際の熱媒体の温度よりも低い場合には、この液体は、第2の部分内を通過する間に、第2の部分を通過する熱媒体から熱エネルギの付与を好適に受けることができる。
すなわち、本発明によれば、熱媒体流路を流れる熱媒体が第1の部分内の液体に熱エネルギの付与を行なった直後に排出されるのではなく、その後において、第2の部分内の液体にも熱エネルギの付与を行ないうる分だけ、図4に示した態様よりも、熱媒体と管内の液体との間の熱交換効率が向上されうる。
一方、管内の液体のうち第2の部分の内部に位置する液体が、熱媒体流路を流れる熱媒体から付与される熱エネルギにより、その温度が昇温されて沸点以下の温度の液体とされるよう、本発明の蒸気エンジンは構成されていても良い。
また、この場合には、管内の液体のうち第1の部分の内部に位置する液体が、熱媒体流路を流れる熱媒体から付与される熱エネルギにより、気化されるよう、本発明の蒸気エンジンは構成されていることが望ましい。
このようにすれば、管内の液体が、第2の部分内に位置する段階で温度を昇温された液体とされる分だけ、第1の部分内では、短時間のうちに気化される。
よって、この場合には、このように管内の液体が短時間のうちに気化される分だけ、管内の液体に発生する流動変位(いわゆる自励振動変位)の高周波数化を図ることができる。
また、この場合のように、管内の液体のうち第2の部分の内部に位置する液体の温度が熱媒体流路を流れる熱媒体から付与される熱エネルギにより沸点以下の温度にまで昇温される場合、熱媒体の温度は、第2の部分を通過した後においては、管内の液体の沸点よりも低い温度にまで低下されうる。
この場合は、管内の液体の沸点以下の温度の熱媒体が有する熱エネルギも管内の液体の加熱に有効に使用されることになる。
よって、この場合には、このように熱エネルギが有効に使用されることになる分だけ、熱媒体と管内の液体との間の熱交換効率が向上される。
なお、上記のように、管内の液体が、第2の部分内に位置する段階で昇温されて沸点以下の温度の液体とされる一方、第1の部分内で気化されるよう蒸気エンジンを構成する手法としては種々のものが考えられる。
例えば、管内に封入される液体の種類、管内の圧力、管における第1の部分や第2の部分をなす材料の材質や表面積、管における第1の部分内や第2の部分内における液体の流量、熱媒体流路を流れる熱媒体の種類・温度・流量などを、実験等を通じて個々の蒸気エンジンの特性に応じて調整することにより、管内の液体が、第2の部分内に位置する段階で昇温されて沸点以下の温度の液体とされる一方、第1の部分内で気化されるようにしても良い。
一方、本発明において、第1の部分と第2の部分は、管において隣接した部分であってもよい。
このようにすれば、第2の部分内に位置する液体が、熱媒体流路を流れる熱媒体から熱エネルギの付与を受けた後、再度熱媒体から熱エネルギの付与を受けられる第1の部分内に到達するまでの間に管の壁面等に奪われる熱エネルギの量(熱損失)を最小限に抑えることができる。
よって、この場合には、このように熱損失を最小限に抑えることができる分だけ、蒸気エンジンの熱効率が向上される。
また、本発明の蒸気エンジンにおいて、第1の部分と第2の部分とのうち少なくとも一方は、熱媒体流路を流れる熱媒体との熱交換を促進させるための表面積拡大部を備えていてもよい。
このようにすれば、表面積拡大部を備えている分だけ、備えていない場合よりも、熱媒体流路を流れる熱媒体と管内の液体との間の熱交換効率が向上される。
なお、表面積拡大部は、熱媒体流路を流れる熱媒体との熱交換を促進させるため第1の部分と第2の部分とのうち少なくとも一方の表面積を拡大させる構成のものであれば、いかなる態様のものであってもよい。
表面積拡大部の具体的態様としては、例えば、複数の熱交換用フィンからなる構成などが考えられる。
一方、本発明の蒸気エンジンは、加熱器における加熱による液体の気化と冷却器における冷却による蒸気の液化とにより管内の液体に発生する流動変位を機械的エネルギとして取り出す出力部を備えていてもよい。
そして、出力部は、特定のものに限定されないが、例えば、管内の液体に面した状態で管内側の一端と管内側とは反対側の他端との間で往復駆動されるピストンを備えたものであってもよい。
この場合においては、管内の液体に発生する流動変位が管内の液体の液面変化として発生することから、ピストンの往復運動が好適に誘起され、それに応じた所望の機械的エネルギの取り出しが可能となる。
また、本発明において、熱媒体流路は、内燃機関の排気管であると共に、熱媒体は、内燃機関から排出される排気ガスであってもよい。
このようにすれば、例えば、内燃機関を備えた車両への蒸気エンジンの搭載が好適に実現されうる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態をとり得る。
図1は、実施例の蒸気エンジン1の概略構成を示す図である。
本実施例の蒸気エンジン1は、エンジン200(内燃機関に相当)を備えた車両に搭載されるべく構成されたものである。
図1に示す如く、蒸気エンジン1は、水等の液体が予め定められた圧力状態で封入された循環管路としてのループ管10を備えた管8と、加熱器30と、冷却器40と、出力部100と、を備えている。
加熱器30、冷却器40、出力部100は、ループ管10がなす管路上に、加熱器30、冷却器40、出力部100の順に配置され、加熱器30は、冷却器40よりも下方に位置している。
加熱器30は、ループ管10内の液体を部分的に加熱して気化させるものであり、加熱用の熱交換器を備えたものとして構成される。また、冷却器40は、加熱器30の作用により液体が気化してなる蒸気(気体)を冷却して液化させるものであり、例えば、冷却用の熱交換器を備えたものとして構成される。加熱器30は、ループ管10を介して当該ループ管10内部の液体を加熱する一方、冷却器40は、ループ管10を介して当該ループ管10内部を冷却する。
本実施例では、加熱器30による加熱や冷却器40による冷却が効率良く実行できるようループ管10における少なくとも加熱器30や冷却器40が設置された箇所の外壁部分を熱伝導率に優れた素材(例えば、銅やアルミニウム等)を用いて構成している。なお、管8におけるその他の部分は断熱性に優れた素材にて構成することが望ましい。
本実施例の蒸気エンジン1では、加熱器30にてループ管10内の液体が加熱されて沸騰・気化すると、管8内の流体に容積膨張が起きる。次に、加熱器30にて気化してなる蒸気(気体)は、ループ管10内における加熱器30近傍領域より上方に移動し、冷却器40にて冷却されて液化される。このとき、管8内の流体容積は収縮される。蒸気エンジン1では、このようにして管8内に生ずる流体容積の膨張・収縮により、接続管12(後述)内における液体に液面変化(流動変位。いわゆる自励振動変位)が起きる。
出力部100は、ループ管10がなす管路の部分に管8の構成要素である接続管12を介して設けられている。出力部100は、接続管12内の液体に生じる液面変化(いわゆる自励振動変位)に応動して発電を行なえるよう構成されている。
出力部100は、接続管12内に連通するよう配置されたシリンダ102と、シリンダ102内を往復運動できるよう構成されたピストン104と、ピストン104に一端が連結された可動部106と、可動部106の他端に配置されたばね材108と、を備える。
この出力部100において、ピストン104は、接続管12内の液体に面した状態で、接続管12内側の一端である下端(下死点)と、接続管12内側とは反対側の他端である上端(上死点)と、の間で往復駆動される。また、可動部106には永久磁石(図示省略)が取り付けられている。また、該永久磁石に対向する位置には、コイル(図示省略)が配置されている。ピストン104と可動部106は、接続管12内に生じる液面変化を圧力変化として受けることで、直線的に往復駆動される。そして、出力部100では、この往復駆動に応じてコイルに起電力が発生し、その結果、発電がなされる。出力部100で実行された発電により得られた電力は、例えば、蒸気エンジン1が搭載された車両に設けられた車載バッテリ(図示省略)の充電等に使用される。
本実施例の蒸気エンジン1において、加熱器30は、第1加熱部32と、第2加熱部36(プレヒータ)とを備えたものとして構成されている。
第1加熱部32は、ループ管10の部分(第1の部分に相当)として構成されたものであり、当該部分の外面には、銅やアルミニウム等の熱伝導率に優れた素材からなる複数の熱交換用フィン34(表面積拡大部に相当)が設けられている。
第2加熱部36は、第1加熱部32としてのループ管10における部分よりも下側(上流側)のループ管10における部分(第2の部分に相当)として構成されたものである。
つまり、蒸気エンジン1においては、上述したように、加熱器30における加熱により気化してなる蒸気(気体)が上方に移動し、冷却器40における冷却により液化されるという現象が起きる。
よって、本実施例では、ループ管10内の液体は、少なくとも巨視的には、蒸気の移動方向に対応するよう、第2加熱部36内を通過した後、第1加熱部32内を通過するという挙動を示す。
なお、第2加熱部36としてのループ管10の部分の外面にも、第1加熱部32としてのループ管10の部分の外面と同様に、複数の熱交換用フィン38(表面積拡大部に相当)が設けられている。
また、本実施例では、第1加熱部32と、第2加熱部36とが、ループ管10における隣接した部分として構成されている。
また、加熱器30は、エンジン200から排出される排気ガス(熱媒体に相当)が流れる排気管210(熱媒体流路に相当)も備えている。
ここで、排気管210は、エンジン200から排出される排気ガス全てが流れる流路として構成されたものであってもよいが、エンジン200から排出される排気ガスの一部が流れる分岐流路として構成されたものであってもよい。
本実施例では、排気管210は、排気管210を流れる排気ガスが第1加熱部32の外面と第2加熱部36の外面の両方に触れつつ通過できるよう、構成されている。
具体的には、排気管210を流れる排気ガスが、第1加熱部32の外面(熱交換用フィン34)に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第1加熱部32を通過した後、第2加熱部36の外面(熱交換用フィン38)に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第2加熱部36を通過できるよう、排気管210は構成されている。
そして、本実施例では、第2加熱部36内に位置する液体が、排気管210を流れる排気ガスから付与される熱エネルギにより、その温度をT1からT2に昇温される。T2は、管8内に封入された液体の沸騰温度Th以下の温度である。但し、T2は沸騰温度Th直前の温度であることが好ましい。つまり、T2は沸騰温度Th以下の温度ではあるものの、沸騰温度Thに近い温度であればある程良い。
また、本実施例では、第1加熱部32内に位置する液体が、排気管210を流れる排気ガスから付与される熱エネルギにより、気化される。
なお、本実施例の蒸気エンジン1では、ループ管10内でこのような温度変化や気化が適切に起きるよう、管8内に封入される液体の種類、管8内の圧力、第1加熱部32や第2加熱部36をなす材料の材質、熱交換用フィン34や熱交換用フィン38の材質や表面積、第1加熱部32内や第2加熱部36内における液体の流量、排気管210を流れる排気ガスの温度・流量などが、実験等を通じて個々の蒸気エンジン1の特性に応じて予め調整される。
ここで、本実施例の蒸気エンジン1において実行される、排気管210を流れる排気ガスからループ管10内の液体への熱エネルギの付与、につき、図1に加えて、図2も用いて説明する。なお、図2は、排気管210を流れる排気ガスの位置変化と温度変化との関係を示した図である。
まず、図1に示すように、排気管210を流れる排気ガスが第1加熱部32の外面に最初に触れる位置をP1とし、この排気ガスが第1加熱部32の外面を通過する位置をP2とする。また、その後においてこの排気ガスが第2加熱部36の外面に最初に触れる位置をP3とし、この排気ガスが第2加熱部36の外面を通過する位置をP4とする。
そして、位置P1における排気ガスの温度をTg(入口温度)とし、位置P2における排気ガスの温度をTg1(中間温度)とする。
この場合、排気ガスは位置P1から位置P2に流動する間に第1加熱部32の外面に熱供給を行ない、それにより第1加熱部32内に位置する液体が気化されることから、TgとTg1との関係は、Tg>Tg1となる(図2参照)。
本実施例では、第1加熱部32内に位置する液体の気化を好適に実現するため、TgとTg1は、管8内に封入された液体の沸騰温度Thとの関係が、Tg>Tg1>Thとなるようにされている(図2参照)。
よって、排気管210を流れる排気ガスの流量をm、この排気ガスの比熱をCpとすれば、排気ガスが位置P1から位置P2に流動する間に第1加熱部32の外面に供給される熱量Qa1は、図2に示すように、最大でmCp(Tg−Tg1)と表記されるものとなる。
一方、位置P3における排気ガスの温度は、位置P2から位置P3に排気ガスが流動する間に排気ガスから比較的多量の熱エネルギが奪われる要因がないことを考慮して、位置P2における温度Tg1と略同じであると仮定する。また、位置P4における排気ガスの温度をTg2(出口温度)とする。
この場合、排気ガスは位置P3から位置P4に流動する間に第2加熱部36の外面に熱供給を行ない、それにより第2加熱部36内に位置する液体の温度がT1からT2に昇温されることから、Tg1とTg2との関係は、Tg1>Tg2となる(図2参照)。
本実施例では、第2加熱部36内に位置する液体の温度がT1から沸騰温度Th以下の温度T2に昇温されることから、Tg1とTg2は、T1,T2および沸騰温度Thとの関係が、Tg1>Th≧Tg2>T2>T1となるようにされる(図2参照)。
よって、排気ガスが位置P3から位置P4に流動する間に第2加熱部36の外面に供給される熱量Qa2は、図2に示すように、最大でmCp(Tg1−Tg2)と表記されるものとなる。
以上において説明したように、本実施例の蒸気エンジン1では、排気管210を流れる排気ガスが、第1加熱部32の外面に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第1加熱部32を通過した後、第2加熱部36の外面に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第2加熱部36を通過できるよう、排気管210が構成されている。
従って、本実施例では、第1加熱部32内の液体と、第2加熱部36内の液体との両方が、排気ガスからの熱エネルギの付与により加熱される。
特に、本実施例では、排気管210を流れる排気ガスの温度が、第1加熱部32の外面に触れて通過する間にTgからTg1に下がるものの、Tg1が、その後において排気ガスが触れる第2加熱部36内の液体の温度T1よりも高くなるよう構成されている。
よって、本実施例によれば、第1加熱部32内の液体のみならず、第2加熱部36内の液体も、排気管210を流れる排気ガスから熱エネルギの付与を好適に受けることができる。
つまり、本実施例によれば、排気管210を流れる排気ガスが第1加熱部32内の液体に熱エネルギの付与を行なった直後に排出されるのではなく、その後において、第2加熱部36内の液体にも熱エネルギの付与を行なう分だけ、図4に示した態様よりも、排気ガスと管8内の液体との間の熱交換効率が向上される。そして、このように熱交換効率が向上される分だけ、蒸気エンジン1の出力(換言すれば、ピストン104の駆動力)が向上される。
更に、本実施例では、図2に示したように、第2加熱部36の外面通過後の排気ガスの温度がTg1からThよりも低いTg2にまで低下する。このことは、管8内の液体の沸騰温度Th以下の温度の排気ガスの熱エネルギもループ管10内の液体の加熱に使用されることを示している。
よって、本実施例によれば、管8内の液体の沸騰温度Th以下の温度の排気ガスの熱エネルギもループ管10内の液体の加熱(延いては、蒸気エンジン1の駆動)に使用される分だけ、排気ガスと管8内の液体との間の熱交換効率が向上される。そして、このように熱交換効率が向上される分だけ、蒸気エンジン1の出力(換言すれば、ピストン104の駆動力)が向上される。
また、本実施例では、第1加熱部32と、第2加熱部36とが、ループ管10における隣接した部分として構成されている。
よって、本実施例によれば、第2加熱部36内に位置する液体が、排気管210を流れる排気ガスから熱エネルギの付与を受けた後、再度排気ガスから熱エネルギの付与を受けられる第1加熱部32内に到達するまでの間にループ管10の壁面等に奪われる熱エネルギの量(熱損失)を最小限に抑えることができる。
つまり、本実施例によれば、このように熱損失を最小限に抑えることができる分だけ、蒸気エンジン1の熱効率が向上される。
なお、上記実施例では、排気管210を流れる排気ガスが管8における2つの異なる部分(第1加熱部32の外面と第2加熱部36の外面)を通過できるよう排気管210を構成した。しかし、排気管210を流れる排気ガスが管8における更に別の部分を通過できるよう排気管210を構成しても良い。
また、上記実施例では、排気管210をエンジン200からの排気ガスが流れる管としたが、排気管210は、上記実施例のような熱エネルギの付与ができる熱媒体が流れるものであれば、他の態様のものであってもよい。例えば、排気管210は、焼却炉で発生した熱媒体が流れる排熱管として構成されたものであってもよい。
実施例の蒸気エンジンの概略構成を示す図である。 実施例に関して、排気管を流れる排気ガスの位置変化と温度変化との関係を示した図である。 従来の蒸気エンジンの概略構成を示す図である。 蒸気エンジンの加熱器の構成として想定される態様を説明する説明図である。 図4に示した態様の問題点を説明する図である。
符号の説明
1…蒸気エンジン、8…管、10…ループ管、12…接続管、30…加熱器、32…第1加熱部、34…熱交換用フィン、36…第2加熱部、38…熱交換用フィン、40…冷却器、100…出力部、102…シリンダ、104…ピストン、106…可動部、108…ばね材、200…エンジン、210…排気管

Claims (6)

  1. 液体が封入された管と、
    前記管内の液体を加熱する加熱器と、
    前記加熱器における加熱により液体が気化してなる蒸気を冷却する冷却器と、を有し、
    前記加熱器における加熱による液体の気化と前記冷却器における冷却による蒸気の液化とにより前記管内の液体に流動変位を発生させる蒸気エンジンであって、
    前記加熱器は、
    熱媒体が流れる熱媒体流路を備え、
    前記熱媒体流路は、
    この熱媒体流路を流れる熱媒体が、前記管における第1の部分に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第1の部分を通過した後、前記管における第2の部分であって、前記第1の部分内に到達する前の液体が内部に位置する第2の部分に触れて熱エネルギの付与を行なった上でこの第2の部分を通過できるよう構成されたことを特徴とする蒸気エンジン。
  2. 請求項1に記載の蒸気エンジンにおいて、
    前記管内の液体のうち前記第2の部分の内部に位置する液体が、前記熱媒体流路を流れる熱媒体から付与される熱エネルギにより、その温度が昇温されて沸点以下の温度の液体とされ、
    前記管内の液体のうち前記第1の部分の内部に位置する液体が、前記熱媒体流路を流れる熱媒体から付与される熱エネルギにより、気化されるよう構成されたことを特徴とする蒸気エンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸気エンジンにおいて、
    前記第1の部分と前記第2の部分は、前記管において隣接した部分であることを特徴とする蒸気エンジン。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の蒸気エンジンにおいて、
    前記第1の部分と前記第2の部分とのうち少なくとも一方は、前記熱媒体流路を流れる熱媒体との熱交換を促進させるための表面積拡大部を備えることを特徴とする蒸気エンジン。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気エンジンにおいて、
    前記加熱器における加熱による液体の気化と前記冷却器における冷却による蒸気の液化とにより前記管内の液体に発生する流動変位を機械的エネルギとして取り出す出力部を備えたことを特徴とする蒸気エンジン。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の蒸気エンジンにおいて、
    前記熱媒体流路は、内燃機関の排気管であり、前記熱媒体は、前記内燃機関から排出される排気ガスであることを特徴とする蒸気エンジン。
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