しかし、上記した従来構成によると、リング状検知体を中立位置に付勢するために専用のスプリングを使用することで、構造が複雑にかつ高価となる。また、スプリングは水(水分)に弱いものであり、多量の水を散水(噴霧)して使用する洗車機に採用したとき、保守点検を度々行わなければならないなど、不適な構成になるとともに、表面処理など防錆を考慮する必要がある。さらに、スプリングによるばね規制の場合には、上面乾燥ノズルが前後に揺動したときの振動などによって、スイッチのオン、オフが生じる恐れがある。
そこで本発明の請求項1記載の発明は、中立維持のための構造を、簡単かつ安価に構成し得るとともに、表面処理など防錆を考慮することなく防水に好適な構成にし得、さらに中立姿勢を、振動などによって乱れることなく堅持し得る洗車機を提供することを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の洗車機は、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、洗浄手段により前記被洗浄車両の洗浄を行うとともに、乾燥手段により被洗浄車両の乾燥を行う洗車機であって、前記乾燥手段として昇降自在なトップノズルを有し、このトップノズルの上面側に受け部材を設け、この受け部材に上方から対向する遊動部材を設けるとともに、この遊動部材から左右方向へ突出する樹脂体の両端をトップノズル側で支持し、前記受け部材と遊動部材との相対向面は、一方を前後方向で傾斜する凸V状面に、他方を前後方向で傾斜する凹V状面に形成して、樹脂体が水平状のとき凸V状面と凹V状面とが密状で嵌合すべく構成し、前記遊動部材に、その下端部分が前記トップノズルの噴出し口よりも下方に位置する検知体を連結し、前記受け部材と遊動部材との間に検出手段を設けたことを特徴としたものである。
したがって請求項1の発明によると、所期の乾燥作業は、被洗浄車両の上面形状に沿ってトップノズルを昇降移動させながら行える。このとき、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性力などによって、遊動部材などを自動的に下降させており、これにより、凸V状面と凹V状面を密状で嵌合させるとともに、樹脂体を水平状とし得、以て検出手段を中立状態(正位置)とし得る。また、凸V状面と凹V状面を密状で嵌合させたとき、遊動部材の前後方向での芯合わせと振れ防止とを行えることになり、以て検知体を、トップノズル側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にし得る。
そして被洗浄車両の水平状上面の乾燥作業時にトップノズルが、他機器の故障などで所定のレベルに停止せずに下降すると、トップノズルに先行して検知体が水平状上面に接触して、検知体に上昇力を付与することになり、以て検知体、すなわち遊動部材を、樹脂体の弾性力に抗して上昇し得る。この遊動部材の上昇により検出手段を作動状態とし得、この検出手段を介しての制御によって洗車機本体の走行を停止するとともにトップノズルを上昇させて、トップノズルと被洗浄車両との衝突を防止し得る。その際に遊動部材の上昇は、樹脂体を、その弾性力に抗して上方へ湾曲変形させながら、摩擦抵抗を少なくして、かつ樹脂体の弾性力により前後方向の振れを規制しながら行われる。そして、トップノズルが上昇されて検知体への上昇力の作用が解消されると、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性反発力などによって、遊動部材などを自動的に下降させ得、以て芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻し得る。
また、被洗浄車両の傾斜状上面の乾燥作業時にトップノズルが、他機器の故障などで所定のレベルに停止せずに下降すると、トップノズルに先行して検知体が傾斜状上面に接触して、この検知体に揺動力と上昇力とを付与することになり、以て遊動部材を、樹脂体の弾性力に抗して前後のいずれかに揺動させながら上昇し得る。そして遊動部材の前後揺動しながらの上昇により検出手段を作動状態とし得、この検出手段を介しての制御によって洗車機本体の走行を停止するとともにトップノズルを上昇させて、トップノズルと被洗浄車両との衝突を防止し得る。その際に遊動部材の前後揺動させながらの上昇は、樹脂体を、その弾性力に抗して上方かつ前方へ湾曲変形させながら、摩擦抵抗を少なくして行われる。そしてトップノズルが上昇されて検知体への上昇力および揺動力の作用が解消されると、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性反発力などによって、遊動部材などを自動的に下降かつ前後に逆揺動させ得、以て芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻し得る。
また本発明の請求項2記載の洗車機は、上記した請求項1記載の構成において、樹脂体が棒状であることを特徴としたものである。
したがって請求項2の発明によると、好適な弾性作用を行う樹脂体を安価に提供し得る。
そして本発明の請求項3記載の洗車機は、上記した請求項1または2記載の構成において、検知体を、遊動部材の前後方向一端及び他端から噴出し口近傍まで伸びる一対の検知部により形成するとともに、これら検知部は、噴出し口に対向する部分で前後に離間していることを特徴としたものである。
したがって請求項3の発明によると、所期の乾燥作業行う際に、トップノズルの噴出し口から噴出される風は、両検知部間の離間部分を通って吹き付けられることで、両検知部の下部部分がトップノズルの噴出し口を遮ることがなくなる。
さらに本発明の請求項4記載の洗車機は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、受け部材に凹V状面を形成するとともに、遊動部材に凸V状面を形成したことを特徴としたものである。
したがって請求項4の発明によると、遊動部材の凸V状面を受け部材の凹V状面に密状で嵌合させることで、遊動部材の前後方向での芯合わせと振れ防止とを行えることになる。
しかも本発明の請求項5記載の洗車機は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、凸V状面と凹V状面とを四角錐状に形成したことを特徴としたものである。
したがって請求項5の発明によると、四角錐状の凸V状面と四角錐状の凹V状面とを密状で嵌合させることで、遊動部材の前後方向ならびに左右方向での芯合わせと振れ防止とを行えることになる。
上記した本発明の請求項1によると、所期の乾燥作業は、被洗浄車両の上面形状に沿ってトップノズルを昇降移動させながら、無駄なく好適に行うことができる。このとき、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性力などにより、遊動部材などを自動的にかつ確実に下降させており、これにより、凸V状面と凹V状面を密状で嵌合できるとともに、樹脂体を水平状にでき、以て検出手段を中立状態(正位置)にできる。また、凸V状面と凹V状面を密状で嵌合させたとき、遊動部材の前後方向での芯合わせと振れ防止とを行うことができ、以て検知体を、トップノズル側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にできる。
そして被洗浄車両の水平状上面の乾燥作業時にトップノズルが、他機器の故障などで所定のレベルに停止せずに下降すると、トップノズルに先行して検知体が水平状上面に接触して、検知体に上昇力を付与することになり、以て検知体、すなわち遊動部材を、樹脂体の弾性力に抗して上昇できる。この遊動部材の上昇により検出手段を作動状態にできて、この検出手段を介しての制御により洗車機本体の走行を停止できるとともにトップノズルを上昇させて、トップノズルと被洗浄車両との衝突を防止できる。その際に遊動部材の上昇は、樹脂体を、その弾性力に抗して上方へ湾曲変形させながら、摩擦抵抗を少なくして、かつ樹脂体の弾性力により前後方向の振れを規制しながら円滑に行うことができる。そして、トップノズルが上昇して検知体への上昇力の作用が解消されると、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性反発力などによって、遊動部材などを自動的にかつ確実に下降でき、以て芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻すことができる。
また、トップノズルに先行して検知体が傾斜状上面に接触したとき、この検知体に揺動力と上昇力とを付与することになり、以て遊動部材を、樹脂体の弾性力に抗して前後のいずれかに揺動させながら上昇できる。この遊動部材の前後揺動しながらの上昇により検出手段を作動状態にできて、この検出手段を介しての制御により洗車機本体の走行を停止できるとともにトップノズルを上昇させて、トップノズルと被洗浄車両との衝突を防止できる。その際に遊動部材の前後揺動させながらの上昇は、樹脂体を、その弾性力に抗して上方かつ前方へ湾曲変形させながら、摩擦抵抗を少なくして円滑に行うことだできる。そして、トップノズルが上昇して検知体への上昇力および揺動力の作用が解消されると、遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性反発力などによって、遊動部材などを自動的にかつ確実に、下降かつ前後に逆揺動でき、以て芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻すことができる。
このように、当接圧によって遊動部材を、樹脂体の弾性力に抗して自動的に上昇または前後揺動させながら上昇させることにより、検出手段を作動状態にでき、また遊動部材や検知体の自重、ならびに樹脂体の弾性反発力などによって、遊動部材を自動的にかつ確実に下降または逆に前後揺動させながら下降させることにより、検出手段を中立状態にできる。かかる中立維持のための昇降および揺動の構成は、水(水分)に強い樹脂体の弾性力を利用することで、簡単かつ安価に構成できるとともに、表面処理など防錆を考慮することなく防水に好適な構成にでき、したがって、多量の水を散水(噴霧)して使用する洗車機に採用したとしても、保守点検などは頻繁に行わなくてもよいなど、好適な構成にできる。さらに遊動部材の下降により、凸V状面と凹V状面とを密状で嵌合させることによって、遊動部材の前後方向での芯合わせと振れ防止とを自動的に行うことができ、以て検知体の中立姿勢を、トップノズル側に対して所定の位置、向きで定着できるとともに、振動などによって乱れることなく堅持できて、誤作動を防止できる。
また上記した本発明の請求項2によると、好適な弾性作用を行う樹脂体を安価に提供できる。
そして上記した本発明の請求項3によると、所期の乾燥作業行う際に、トップノズルの噴出し口から噴出される風は、両検知体間の離間部分を通って吹き付けられることで、両検知体の下部部分がトップノズルの噴出し口を遮ることがなくなり、以て所期の乾燥は、常に全面均一状として好適に行うことができる。
さらに上記した本発明の請求項4によると、遊動部材の凸V状面を受け部材の凹V状面に密状で嵌合させることで、遊動部材の前後方向での芯合わせと振れ防止とを行うことができ、これにより検知体を、トップノズル側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にできる。
しかも上記した本発明の請求項5によると、四角錐状の凸V状面と四角錐状の凹V状面とを密状で嵌合させることで、遊動部材の前後方向ならびに左右方向での芯合わせと振れ防止とを行うことができ、これにより検知体を、トップノズル側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にできる。
[実施の形態]
以下に、本発明の実施の形態を、移動式の洗車機に採用した状態として図に基づいて説明する。
図2〜図6に示すように、門形の洗車機本体10は複数個の車輪11を介して床側のレール1上に載置されており、走行駆動装置(図示せず)の作動により前後方向Aの一定経路上で往復走行される。洗車機本体10には、被洗浄車両(普通乗用車など)5の洗浄手段の一例として、第1洗浄水ノズル12と、第1洗剤ノズル13と、第2洗浄水ノズル14と、撥水コート剤ノズル15と、第2洗剤ノズル16と、ワックスノズル17とが、前部から後部に亘って、この順で配設されている。ここで各ノズル12〜17は、たとえばアーチ状に構成されている。
そして洗車機本体10には、被洗浄車両5のブラッシング手段の一例として、サイドブラシ18やロッカーブラシ19やトップブラシ20が配設されている。さらに洗車機本体10には、被洗浄車両5の乾燥手段の一例として、昇降自在なトップノズル21、左右一対のサイドノズル22、ならびにトップノズル21にダクトホース23を介して接続された左右一対のトップ側ブロワ装置24、サイドノズル22にダクトホース25を介して接続された左右一対のサイド側ブロワ装置26が設けられる。
前記トップノズル21の昇降は、洗車機本体10側に設けられた昇降手段31によって行われる。すなわち図4〜図8に示すように、洗車機本体10の上部には、左右方向Bに沿った昇降用駆動軸32が回転自在に設けられ、この昇降用駆動軸32の一端は、モータなどからなる正逆駆動部33に巻き掛け伝動装置34を介して連動連結されている。前記昇降用駆動軸32の両端には、伝動輪体(スプロケットなど)35が設けられ、これら伝動輪体35に対向されて洗車機本体10における左右の縦枠部の下部には遊転輪体(スプロケットなど)36が設けられ、そして上下で対向される輪体35,36間には回動体(チェーンなど)37が設けられている。
前記洗車機本体10における左右の縦枠部には、それぞれ上下方向のガイド体38が設けられ、これらガイド体38にガイドローラ39と振れ防止ローラ40とを介して案内される左右一対の昇降体41が設けられている。そして昇降体41は、対応される回動体37に連結されている。左右の昇降体41には軸受42を介して回転軸43が設けられ、これら回転軸43は内方へ突出されるとともに、その内端部分が前記トップノズル21に連結されている。
両回転軸43の外端部分には、それぞれレバー体44と被ストッパー体45とが設けられ、そして被ストッパー体45が上方から当接自在なストッパー体46が前記昇降体41側に設けられている。さらにレバー体44と昇降体41側との間には、被ストッパー体45をストッパー体46に当接させるべく回転軸43を回転付勢するスプリング47が設けられている。また一端側の回転軸43に設けられたレバー体44と昇降体41側との間には、スプリング47に抗して回転軸43を回転させるシリンダー装置48が設けられている。
なお両回転軸43の外端部分間には、車長方向における各部分の車頂検出を行う光電センサー49が設けられている。ここで光電センサー49は、前記トップノズル21の下端面に対して所定距離下方を検出レベルとして設定されている。以上の32〜49などにより昇降手段31の一例が構成される。
したがって上記構成の昇降手段31によると、検出に基づく制御装置の制御によって正逆駆動部33を正逆駆動させ、巻き掛け伝動装置34や昇降用駆動軸32などを介して回動体37を正逆回動させることで、左右一対の昇降体41を、ガイド体38に案内されながら同期して昇降動させ得る。これにより、左右の回転軸43を介してトップノズル21を昇降動させ得、以てトップノズル21の上下位置を変更し得る。
さらに図8の仮想線に示すように、制御装置の制御によってシリンダー装置48を伸展動させることで、左右の昇降体41に対して回転軸43をスプリング47に抗して回転させ得、以てトップノズル21の向き(角度)を変更し得る。なお図7や図8の実線に示すように、シリンダー装置48を収縮動(または伸展圧力を開放動)させることで、左右の昇降体41に対して回転軸43を、スプリング47の弾性力も利用して逆回転させ得、以てトップノズル21を下向きに戻し得る。その際に、スプリング47の弾性力などによって被ストッパー体45がストッパー体46に当接することで、トップノズル21の下向き姿勢を一定状に規制し得る。
図1、図5、図6、図9、図11に示すように、前記トップノズル21の上面で左右方向Bの中央部分にはカバー体51が取り付けられている。ここでカバー体51は、左右方向Bで長い前後一対の前後側板52と、矩形状で左右一対の左右側板53と、左右方向Bで長い天板54などにより長尺箱状に形成されている。そして両前後側板52における左右方向Bの中央部分には、貫通孔55が上下方向の長孔として形成されている。また、両左右側板53における前後方向Aの中央部分でかつ内面の上部には、左右方向Bで開放された筒状保持体56が設けられている。
前記カバー体51内でトップノズル21の上面側には、矩形ブロック状の受け部材61がボルト・ナットなどの連結具63を介して固定されている。そして、受け部材61の上面は凹V状面62に形成され、ここで凹V状面62は、前後方向Aで傾斜する前後凹V状面62aと左右方向Bで傾斜する左右凹V状面62bとにより四角錐状に形成されている。さらに前記カバー体51内には、前記受け部材61に上方から対向する矩形ブロック状の遊動部材65が設けられている。そして、遊動部材65の下面は凸V状面66に形成され、ここで凸V状面66は、前後方向Aで傾斜する前後凸V状面66aと左右方向Bで傾斜する左右凸V状面66bとにより四角錐状に形成されている。
前記遊動部材65の左右側面からは、丸ロッド状(棒状)の樹脂体67が左右方向Bへ突出されている。ここで樹脂体67は、その基端が遊動部材65に差し込まれて固定され、そして両端(遊端)がトップノズル21側の筒状保持体56に遊嵌状に差し込まれて支持されている。ここで樹脂体67が、自らの弾性力によって水平状のとき、前記受け部材61の凹V状面62に対して遊動部材65の凸V状面66が、上方から密状で嵌合すべく構成されている。
前記遊動部材65には、その下端部分が前記トップノズル21の噴出し口21aよりも下方に位置する検知体70が連結されている。すなわち、遊動部材65における前後方向Aの一端及び他端から前記トップノズル21の近傍まで伸びる一対の検知部71,72が連結されるとともに、これら検知部71,72は、トップノズル21における下向きの噴出し口21aに対向する部分で前後に離間されている。ここで検知体70は前位検知部71と後位検知部72とからなり、これら検知部71,72は、前後方向Aへと伸びる直線状横部71a,72aと、この直線状横部71a,72aの遊端に連なる上位円弧部71b,72bと、この上位円弧部71b,72bの遊端に連なる下位円弧部71c,72cとにより、それぞれ半円状に形成されている。
そして両検知部71,72の基端、すなわち両直線状横部71a,72aの基端が、遊動部材65における前後方向Aの一端及び他端でかつ樹脂体67の連結位置よりも下部の位置に差し込まれたのち固定されている。その際に固定は、それぞれ複数の連結具(ボルト・ナットなど)を介して、または接着により、または溶接などにより行われる。さらに両検知部71,72における直線状横部71a,72aの部分は、前記カバー体51における前後側板52に形成された貫通孔55を通過されている。なお両検知部71,72は、接触時に車体を傷付けないように保護チューブによって覆われており、その遊端、すなわち両下位円弧部部71c,72cの遊端には、それぞれ筒カバー73が設けられ、前後に離間された両筒カバー73間に、トップノズル21の噴出し口21aに対向する欠如部74が形成されている。
前記受け部材61と遊動部材65との間には検出手段80が設けられている。すなわち、受け部材61における前後面の一面には検知センサー81が設けられ、そして遊動部材65における前後面の一面には検出板82が設けられている。
図2、図3に示すように、前記洗車機本体10における右側の縦枠部の前面には操作パネル85が設けられ、そして操作パネル85の裏面側には、各部の動作を司る制御装置86が設けられている。また洗車機本体10内の上部には車高センサー(図示せず。)が設けられている。
以下に、上記した実施の形態における作用を説明する。
洗車を行うに際して、まず被洗浄車両5を停止させた状態で運転者または作業者が操作パネル85を操作し、以て希望する一つの洗車コース(洗浄条件)が設定される。この状態で洗車スタートスイッチをオン操作することで、洗車機本体10を往復走行させながら、回転により拡がった各ブラシ18,19,20の接近離間動、洗浄水ノズル12,14を介しての水(洗浄水)の供給、洗剤ノズル13,16を介しての希釈した洗剤の供給、撥水コート剤ノズル15を介しての希釈した撥水コート剤の供給、ワックスノズル17を介しての希釈したワックスの供給、ならびに各ノズル21,22からの風の噴出し(吹き付け)、などを適宜に組合せて作動させ、以て被洗浄車両5に対する所期の基本的な洗浄工程と乾燥工程とが行えることになる。
このような洗車工程を遂行する際に、車高センサーや適宜の検出手段により車高や車長などが検出され、制御装置86などを介して、前述した各作動部が好適に作動される。
このようにして所期の洗車を行えるのであり、その際に、トップノズル21の昇降は、車高センサーの検出に基づいて、制御装置86の制御によって正逆駆動部33を正逆駆動させ、巻き掛け伝動装置34や昇降用駆動軸32などを介して回動体37を正逆回動させて、左右一対の昇降体41をガイド体38に案内されながら同期して昇降動させることで、左右の回転軸43を介して行える。さらにトップノズル21の向き(角度)の変更は、制御装置86の制御によってシリンダー装置48を伸展動させ、左右の昇降体41に対して回転軸43をスプリング47に抗して回転させることで行える。
これにより図9、図15に示すように、被洗浄車両5の上面形状に沿ってトップノズル21を移動させながら、無駄のない好適な乾燥作業を行えるのであり、その際にルーフ部(上面)5aなどに対してはトップノズル21を下向きとし、そしてリヤガラス部5bなどに対してはトップノズル21を好適な向き(角度)に変更した状態で乾燥作業を行えることになる。さらにトップノズル21の噴出し口21aから噴出される風は、両検知部71,72の離間部分、すなわち欠如部74を通って吹き付けられることで、検知部71,72の下部部分がトップノズル21の噴出し口21aを遮ることがなくなり、以て所期の乾燥は、常に全面均一状として好適に行える。
このとき、遊動部材65や検知体70の自重、ならびに樹脂体67の弾性力などによって、遊動部材65などを自動的にかつ確実に下降させており、これにより、遊動部材65の凸V状面66を受け部材61の凹V状面62に対して上方から密状で嵌合させるとともに、樹脂体67を水平状とし得、以て検出手段80においては、検知センサー81が検出板82を検出してオンの中立状態となっている。なお、中立位置をオンとすることで、洗車開始前に検出手段80の状態(制御装置86へのケーブルの断線など)を容易に把握することができる。
また、遊動部材65の四角錐状の凸V状面66を、受け部材61の四角錐状の凹V状面62に密状で嵌合させたとき、凹V状面62の前後凹V状面62aに凸V状面66の前後凸V状面66aが当接することになって、遊動部材65の前後方向Aでの芯合わせと振れ防止とを行え、さらに、凹V状面62の左右凹V状面62bに凸V状面66の左右凸V状面66bが当接することになって、遊動部材65の左右方向Bでの芯合わせと振れ防止とを行えることになる。これにより検知体70を、トップノズル21側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にし得る。
前述したようなルーフ部5aなどの乾燥作業時にトップノズル21が、光電センサー49などの故障で所定のレベルに停止せずに下降すると、図10に示すように、トップノズル21に先行して両検知部71,72の下位円弧部71c,72cが被洗浄車両5のルーフ部5aなどに接触して、両検知部71,72に上昇力が付与されることになり、以て検知部71,72を介して遊動部材65を、樹脂体67の弾性力に抗して上昇し得る。そして遊動部材65の上昇に伴って、検知センサー81に対して検出板82を上昇離間させることになり、以て検出手段80はオフ(非検出)の作動状態となる。すると、制御装置86の制御によって、洗車機本体10の走行を停止するとともにトップノズル21を上昇させ、以てトップノズル21とルーフ部5aなどとの衝突を防止し得る。
なお遊動部材65の上昇は、図11に示すように、樹脂体67を弾性力に抗して上方へ湾曲変形させるとともに、筒状保持体56に対して樹脂体67の遊端を引き抜き状に摺動させながら、摩擦抵抗を少なくして、かつ樹脂体67の弾性力により前後方向Aの振れを規制しながら円滑に行われる。そして、トップノズル21が上昇されて検知部71,72への上昇力の作用が解消されると、遊動部材65や検知体70の自重、ならびに樹脂体67の弾性反発力などによって、遊動部材65などを自動的にかつ確実に下降させ得、以て図9に示すように、芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻し得る。
また、前述したようなリヤガラス部5bなどの乾燥作業時にトップノズル21が、光電センサー49などの故障で所定のレベルに停止せずに下降すると、図12に示すように、トップノズル21に先行して後位検知部72の下位円弧部72cが被洗浄車両5のリヤガラス部5bなどに接触して、この後位検知部72に前方揺動力と上昇力とが付与されることになり、以て後位検知部72を介して遊動部材65を、樹脂体67の弾性力に抗して前方揺動させながら上昇させる。そして遊動部材65の前方揺動しながらの上昇に伴って、検知センサー81に対して検出板82を上昇離間させることになり、以て検出手段80はオフ(非検出)の作動状態となる。すると、制御装置86の制御によって、洗車機本体10の走行を停止するとともにトップノズル21を上昇させ、以てトップノズル21とルーフ部5aなどとの衝突を防止し得る。
なお遊動部材65の前方揺動させながらの上昇は、図13に示すように、樹脂体67を弾性力に抗して上方かつ後方へ湾曲変形させるとともに、筒状保持体56に対して樹脂体67の遊端を引き抜き状に摺動させながら、摩擦抵抗を少なくして円滑に行われる。そして、トップノズル21が上昇されて後位検知部72への上昇力および揺動力の作用が解消されると、遊動部材65や検知体70の自重、ならびに樹脂体67の弾性反発力などによって、遊動部材65などを自動的にかつ確実に下降かつ逆揺動させ得、以て図9に示すように、芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻し得る。
また、前述したようなフロントガラス部5cなどの乾燥作業時にトップノズル21が、光電センサー49などの故障で所定のレベルに停止せずに下降すると、図14に示すように、トップノズル21に先行して前位検知部71の下位円弧部71cが被洗浄車両5のフロントガラス部5cなどに接触して、この前位検知部71に後方揺動力と上昇力とが付与されることになり、以て前位検知部71を介して遊動部材65を、樹脂体67の弾性力に抗して後方揺動させながら上昇させる。そして遊動部材65の後方揺動しながらの上昇に伴って、検知センサー81に対して検出板82を上昇離間させることになり、以て検出手段80はオフ(非検出)の作動状態となる。すると、制御装置86の制御によって、洗車機本体10の走行を停止するとともにトップノズル21を上昇させ、以てトップノズル21とフロントガラス部5cなどとの衝突を防止し得る。
なお遊動部材65の後方揺動させながらの上昇は、前述した図13とは逆に、樹脂体67を弾性力に抗して上方かつ前方へ湾曲変形させるとともに、筒状保持体56に対して樹脂体67の遊端を引き抜き状に摺動させながら、摩擦抵抗を少なくして円滑に行われる。そして、トップノズル21が上昇されて前位検知部71への上昇力および揺動力の作用が解消されると、遊動部材65や検知体70の自重、ならびに樹脂体67の弾性反発力などによって、遊動部材65などを自動的にかつ確実に下降かつ逆揺動させ得、以て図9に示すように、芯合わせと振れ防止とを行った中立状態に戻し得る。
上述したように、当接圧によって遊動部材65を、樹脂体67の弾性力に抗して自動的に上昇または前後揺動させながら上昇させることにより、検出手段80をオフ(非検出)の作動状態とし得、また遊動部材65や検知体70の自重、ならびに樹脂体67の弾性反発力などによって、遊動部材65などを自動的にかつ確実に下降または逆に前後揺動させながら下降させることにより、検出手段80をオン(検出)の中立状態とし得る。かかる中立維持のための昇降および揺動の構成は、水(水分)に強い樹脂体67の弾性力を利用することにより、簡単かつ安価に構成し得るとともに、表面処理など防錆を考慮することなく防水に好適な構成にし得、したがって、多量の水を散水(噴霧)して使用する洗車機に採用したとしても、保守点検などは頻繁に行わなくてもよいなど、好適な構成となる。
さらに遊動部材65の下降により、この遊動部材65の四角錐状の凸V状面66を受け部材61の四角錐状の凹V状面62に密状で嵌合させることによって、遊動部材65の前後方向Aや左右方向Bでの芯合わせと振れ防止とを自動的に行えることになり、以て検知体70の中立姿勢を、トップノズル21側に対して所定の位置、向きで定着させた状態にし得るとともに、振動などによって乱れることなく堅持し得、誤作動を防止し得る。
上記した実施の形態では、洗車機本体10のみを移動させることで、洗車機本体10と被洗浄車両5を相対移動させて、被洗浄車両5の洗車を行う形式が示されているが、これは洗車機本体10を固定状態とし、ローラコンベヤ(車両移動手段)を用いて被洗浄車両5を前後、または一方に移動させて、相対移動するようにした形式などであってもよい。また、洗車機本体10を、洗浄手段を備えた前部本体と乾燥手段を備えた後部本体とに分離し、これら前部本体と後部本体とを各別に移動可能とした形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、丸ロッド状(棒状)の樹脂体67を使用した形式が示されているが、これは、角ロッド状(棒状)の樹脂体を使用した形式やプレート状の樹脂体を使用した形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、検知体70として、遊動部材65の前後方向一端及び他端から噴出し口近傍まで伸びる一対の検知部71,72により形成した形式が示されているが、これは検知体70をリング状に形成した形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、受け部材61に凹V状面62を形成するとともに遊動部材65に凸V状面66を形成した形式が示されているが、これは受け部材61に凸V状面を形成するとともに遊動部材65に凹V状面を形成した形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、凸V状面66と凹V状面62とを四角錐状に形成した形式、すなわち凹V状面62を、前後方向Aで傾斜する前後凹V状面62aと左右方向Bで傾斜する左右凹V状面62bとにより四角錐状に形成し、凸V状面66を、前後方向Aで傾斜する前後凸V状面66aと左右方向Bで傾斜する左右凸V状面66bとにより四角錐状に形成した形式が示されているが、これは凹V状面62を、前後方向Aで傾斜する前後凹V状面62aのみにより形成し、凸V状面66を、前後方向Aで傾斜する前後凸V状面66aのみにより形成した形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、検出手段80として検知センサー81を採用した形式が示されているが、これはリミットスイッチ形式や検出弁形式などであってもよい。