JP4284781B2 - Msm型フォトダイオード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体受光装置に係り、詳しくは、半導体上にショットキー金属を積層し、ショットキー接合構造を形成した、いわゆるMSM(金属−半導体−金属)型フォトダイオードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大容量通信技術の発展とともに光・電気変換デバイスである受光素子に、光に対して高速応答性の要求が高くなってきているが、半導体上にカソード電極とアノード電極を配置し、ショットキー接合を利用して動作させる、いわゆるMSM型フォトダイオードは、比較的静電容量が小さいため、CR時定数による応答速度の律則が小さく、注目されている受光素子である。
【0003】
MSM型フォトダイオードでは、その光応答性を向上するために、隣接する電極間の距離を狭め、キャリアの走行時間を小さくしている(特開平7−162028号公報)。
【0004】
しかしながら、電極の間隔を縮小する微細加工技術には限界があり、現在の技術では再現性が低いという問題があった。つまり、電極の微細加工技術の限界に伴い光応答速度が律則されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、新規な構成による光応答性に優れたMSM型フォトダイオードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従来のMSM型フォトダイオードにおいてショットキー電極から下方に離れた層(位置)で生成したキャリアは電極付近で生成したものと比較すると電極まで到達するのに時間がかかるため、下方で生成したキャリアは効率よく外部回路に取り出せず電流が少なかった。これに対し、請求項1に記載の発明によれば、n型半導体層の下に挿入した応答性向上用半導体層において、光吸収によって生じたキャリアが、移動度が高く、かつ不純物によるキャリアの散乱の少ない状態で移動するため、光応答性に優れたものとなる。さらに、応答性向上用半導体層の下に挿入したp型半導体層において、伝導帯のエネルギーポテンシャルに傾斜が加えられ、応答性向上用半導体層に拡散する時間を低減することができる。つまり、従来のMSM型フォトダイオードと比較すると、光に対する応答速度の向上(受光感度の増大)が期待できる。
【0014】
請求項2に記載のように、アノード側に、受光回路形成用のスタブおよび高周波伝送線路からなる整合回路を接続すると、外部に所望の周波数を持つ電気信号を取りだすことができる。
【0015】
一方、基板全面に光反射を防止する膜を形成して感度をあげようとすると、一般的に半導体に光を照射すると抵抗が小さくなるが、半導体受光回路において、MSM型フォトダイオード部分以外に光が照射されてしまうと、回路素子(例えば、抵抗成分)の特性を変化させてしまい、半導体受光回路から出力される電波信号の雑音となる。
【0016】
そこで、請求項3に記載のように、基板の表面におけるMSM型フォトダイオード形成領域のみに反射防止膜を形成することによって、出力信号の雑音を低減することができる。つまり、MSM型フォトダイオード以外の部分は空気と基板の屈折率差により、入射光を反射させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1には、本実施形態におけるMSM型フォトダイオードの断面構造を示す。
半絶縁性InP基板1上に、i−In0.52Al0.48Asバッファ層2が積層され、その上にi−In0.80Ga0.20Asキャリア走行層3が積層されている。また、キャリア走行層3上には光吸収層となるショットキーコンタクト層4が形成されている。このショットキーコンタクト層4は、n型不純物をドーピングしたn型In0.53Ga0.47Asから構成されている。InP基板1上の各層2,3,4,5はエピタキシャル成長法により積層したものである。
【0019】
ショットキーコンタクト層4上にはアノード電極5とカソード電極6が配置され、電極5,6はショットキー接触している。アノード電極5とカソード電極6はTi/Pt/Auによって構成されている。
【0020】
このように、本MSM型フォトダイオードは、InP基板1の上に、n型半導体層としてのショットキーコンタクト層(光吸収層)4が積層されるとともに、このショットキーコンタクト層4の上に接するようにショットキー接合を有するショットキー金属(アノード・カソード電極)5,6が配置され、さらに、ショットキーコンタクト層4の下にはキャリア走行層3を挿入した構造となっている。
【0021】
図2には、本MSM型フォトダイオードの断面でのバンドダイアグラムを示す。図2において、i−In0.80Ga0.20Asキャリア走行層3とn−In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層4を比較すると、i−In0.80Ga0.20Asキャリア走行層3の方が禁制帯幅(バンドギャップ)Egが狭い(Eg1<Eg2)。つまり、電子親和力が大きい。
【0022】
そして、例えば、図1の上方から波長が1.55μmの赤外光を照射すると、その光がショットキーコンタクト層4とキャリア走行層(電子走行層)3において吸収される。このとき、図2に示すように、In0.80Ga0.20Asの方が、In0.53Ga0.47Asに比べバンドギャップEgが狭いため(電子親和力が大きいため)、ショットキーコンタクト層4で生成した電子はIn0.80Ga0.20As層3に拡散する。そして、アノード・カソード電極5,6間に生成したキャリアはIn0.80Ga0.20As層3を走行する。このIn0.80Ga0.20As層3は電子移動度がIn0.53Ga0.47Asと比較すると高く、また、不純物によるキャリアの散乱が少ない。そのため、同層3を挿入しないときより、光に対する応答速度が向上する。
【0023】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)光吸収層となるn型半導体層(ショットキーコンタクト層)4の下に、この層4よりも禁制帯幅が狭く、かつノンドープで電子移動度が高いキャリア走行層(応答性向上用半導体層)3を挿入したので、この層3において、光吸収によって生じたキャリアが、移動度が高く、かつ不純物によるキャリアの散乱の少ない状態で移動する。よって、光応答性に優れたものとなる。
(ロ)n型半導体層4にIn0.53Ga0.47Asを用いるとともに、応答性向上用半導体層3にIn0.80Ga0.20Asを用いたので、波長が1.55μmの赤外光を照射した際に、光応答性に優れたものとなる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0024】
図3には、本実施形態におけるMSM型フォトダイオードの断面構造を示す。図4には断面でのバンドダイアグラムを示す。
半絶縁性InP基板1上に、i−In0.52Al0.48Asバッファ層2、例えばベリリウムをドーピングしたp型In0.53Ga0.47As光吸収層10、i−In0.80Ga0.20Asキャリア走行層3、例えばシリコンをドーピングしたn型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層4が順に積層されている。
【0025】
ショットキーコンタクト層4の上には、Ti/Pt/Au等よりなるアノード電極5とカソード電極6が形成されている。
そして、例えば、図3の上方から波長が1.55μmの赤外光を照射すると、その光がショットキーコンタクト層4とキャリア走行層3およびp型光吸収層10で吸収される。
【0026】
p型層10において生成した電子は、図4に示す如く、伝導帯の底のエネルギーEcの傾斜によって、キャリア走行層3に拡散する。また、ショットキーコンタクト層4において生成したキャリアも、前述したようにキャリア走行層3の電子親和力が大きいために、同層3に拡散する。その結果、ドーピング不純物が存在せず、かつ、電子移動度が高い層3においてキャリアが走行するため、光に対する応答速度が高くなる。
【0027】
また、半導体表面に形成したカソードおよびアノード電極5,6から、成膜方向に離れた層10において生成した電子がキャリア走行層3に拡散する割合が伝導帯の底のエネルギーEcの傾斜によって増加するため、受光感度が増大する。
【0028】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)第1の実施形態と同様に、n型半導体層(ショットキーコンタクト層)4の下に、この層4よりも禁制帯幅が狭く、かつノンドープで電子移動度が高いキャリア走行層(応答性向上用半導体層)3を挿入し、さらに本例ではその下にp型半導体層(光吸収層)10を挿入したので、応答性向上用半導体層3による効果に加え、伝導帯のエネルギーポテンシャルに傾斜が加えられ、応答性向上用半導体層3に拡散する時間を低減することができる。つまり、従来のMSM型フォトダイオードと比較すると、光に対する応答速度の向上(受光感度の増大)が期待できる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0029】
図5には、本実施形態におけるMSM型フォトダイオードの断面構造を示す。図6には断面でのバンドダイアグラムを示す。
図5の半絶縁性InP基板1上に、i−In0.52Al0.48Asバッファ層2、多重量子井戸層20、n型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層4が順に積層されている。多重量子井戸層20は、図6のごとく、井戸層としてのi−In0.80Ga0.20As層と、障壁層としてのi−In0.52Al0.48Asを交互に積層したものである。In0.80Ga0.20As層(井戸層)はn型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層4よりも禁制帯幅が狭い(Eg10<Eg11)。
【0030】
よって、多重量子井戸層20の井戸層において光吸収によって生じたキャリアが、移動度が高く、かつ不純物によるキャリアの散乱の少ない状態で移動するので、光応答性に優れる。また、多重量子井戸構造によってキャリアの状態密度を上昇させ、キャリアの有効質量を低下させ、かつ吸収係数の増大を図ることによって受光感度を向上させることができる。なお、多重量子井戸層20は、In0.80Ga0.20As層とIn0.53Al0.47Asを交互に積層したものを使用してもよい。
【0031】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)光吸収層となるn型半導体層(ショットキーコンタクト層)4の下に、この層4よりも禁制帯幅が狭いノンドープ半導体層を井戸層とした多重量子井戸構造の半導体層20を挿入した。よって、井戸層にて光吸収によって生じたキャリアが、移動度が高く、かつ不純物によるキャリアの散乱の少ない状態で移動するので、光応答性に優れたものとなる。また、多重量子井戸の障壁層の存在により正孔の有効質量を低減することができ、光応答性に優れたものとなる。さらに、励起子による光吸収を見込むことができ、そのため受光感度を向上することができる。
【0032】
なお、図5,6では多重量子井戸構造の半導体層20において障壁層の禁制帯幅Eg12はn型半導体層4の禁制帯幅Eg11よりも広くなっているが(Eg12>Eg11)、Eg12はEg11より小さくてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0033】
図7には、本実施形態におけるMSM型フォトダイオードの断面構造を示す。図8には断面でのバンドダイアグラムを示す。
半絶縁性InP基板1上に、i−In0.52Al0.48Asバッファ層2、光吸収層30、例えばシリコンをドーピングしたn型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層4が、順に積層されている。ショットキーコンタクト層4上には、例えばTi/Pt/Au等による電極(カソード・アノード)5,6が形成されている。光吸収層30は、In1-x Gax Asの組成をなし、図8に示すように、膜厚方向においてGa組成xを0.70から0.20まで連続的に変化させている。
【0034】
Ga組成xを0.70から0.20まで連続的に変化させたIn1-x Gax As光吸収層30は禁制帯幅がショットキーコンタクト層4よりも狭く(Eg20<Eg21)、かつ、ショットキーコンタクト層4に近づくにつれて小さくなっている。換言すれば、In1-x Gax As光吸収層30の電子親和力はn型半導体層4に近づくにしたがって大きくなっている。そのため、表面電極5,6との距離が長いIn1-x Gax As光吸収層30で生成した電子は、古典的に考えると、伝導帯の傾斜に沿ってショットキーコンタクト層4との境界付近に集まる。つまり、電極5,6から離れた位置で生成したキャリアも効率良く電極5,6に取り出すことができ、受光感度が向上する。また、ショットキーコンタクト層4との境界付近の電子移動度が高いために、光に対する高速応答性に優れている。
【0035】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)n型半導体層(ショットキーコンタクト層)4の下に、この層4よりも禁制帯幅が狭く、かつ禁制帯幅がInP基板1側に向かって広がっている半導体層(光吸収層)30を挿入したので、伝導帯のエネルギーポテンシャルに傾斜が加えられ、ショットキーコンタクト層4と半導体層(光吸収層)30の界面付近に拡散する時間を低減することができる。つまり、従来のMSM型フォトダイオードと比較すると、光に対する応答速度の向上(受光感度の増大)が期待できる。また、バラツキの原因となる不純物を添加しなくてもよいため、再現性のよいデバイスを構成できる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
図9には、本実施形態におけるMSM型フォトダイオードの平面構造および断面構造を示す。
(001)半絶縁性InP基板40上に、In1-x Gax As層41と、n型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層42とが順に積層されている。ここで、半絶縁性InP基板40の上面には多数のV溝40aが延設されており、各々のV溝40aは直線的に延び、この各V溝40aが並設されている。これは、平坦なInP基板40の上面に対し、塩酸とりん酸の混合溶液によってV溝形状にエッチングすることにより形成したものである。詳しくは、InP基板40上にSiO2 によって<011バー>方向に延びるストライプ形状マスクを形成することによって達成できる。このInP基板40の上にはIn1-x Gax As層41が積層(エピ成長)されるが、V溝40aの谷の部分にInリッチなIn1-x Gax As部(量子細線)41aが形成される。
【0037】
詳しくは、前述したように、InP基板40の上面にV溝40aを加工した後にIn1-x Gax Asを積層するが、このとき、InGaAsはInAsとGaAsの混晶であるが、InAsの方が拡散係数が大きいため、In0.52Al0.48As層(41)でのV溝形状の底部分に多く積層される。つまり、V溝形状の底には自己組織化によってInリッチなIn1-x Gax As部41aが形成される。従って、同領域(V溝の谷の部分)は左右の領域と比較すると電子親和力が大きいため、量子細線構造を形成できる。
【0038】
このIn1-x Gax As層41上に形成されたn型のIn0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層42の上には、櫛歯状のアノード電極43および櫛歯状のカソード電極44が形成されている。アノードおよびカソード電極(ショットキー金属)43,44はショットキー接合している。また、ショットキー金属43,44の延設方向と量子細線41aの延設方向とは直交している。
【0039】
以上のような量子細線構造を形成することによって、光吸収層内のバンド構造を変化させ、キャリア(特に正孔)の有効質量を低減し、キャリアに移動度の向上を図ることができる。従って、従来のMSM型フォトダイオードと比較すると光応答性が優れている。
【0040】
また、励起子による光吸収が生じるため、吸収係数が増大するというメリットがある。つまり、光に高速応答性(受光感度)に優れたMSM型フォトダイオードを実現できる。
【0041】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)n型半導体層(n型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層)42の下に、量子細線構造の半導体層41を挿入したので、キャリアの状態密度が上昇するとともに、キャリアの有効質量が低下し、かつ吸収係数の増大が図られることによって光応答性に優れたものとなる。
(ロ)量子細線を、V溝40aにおける谷の部分に形成した。つまり、光吸収層41の下層側をエッチングによってV型形状にした後に、In1-x Gax Asをエピタキシャル成長することによってInAsとGaAsの間の拡散速度の差によりV型形状の底の部分に他の領域よりもInリッチなIn1-x Gax Asを自己組織化現象によって形成したので、該Inリッチな半導体層は他の光吸収層と比較すると禁制帯幅が狭くなるため量子細線を構成することができる。
(ハ)ショットキー金属43,44の延設方向と量子細線41aの延設方向とを直交させたので、量子細線構造のメリットを生かすことができる。
【0042】
応用例として、図10に示すようにオフ基板を用いてもよい。つまり、表面(上面)が水平でない基板(オフ基板)50を用いることによって量子細線構造を作製可能である。詳しくは、オフ基板50の上にIn1-x Gax As層51を積層する際にオフ基板50の段差部に量子細線51aを形成する。そして、その上にショットキーコンタクト層(光吸収層)52を積層する。この手法ではV溝構造を作製するのと比較すると簡単に量子細線構造を構成できる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態を、第1〜5の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0043】
図11には、本実施の形態における半導体受光回路(OEIC)の回路構成を示す。つまり、これまで説明してきた各MSM型フォトダイオードを用いて高周波伝送線路による出力整合回路をモノリシックに集積化している。
【0044】
第1〜5の実施の形態で説明してきたMSM型フォトダイオード70に対し、アノード電極には、コプレナー型高周波伝送線路72およびスタブ73から構成される出力整合回路74が接続されている。さらに、スタブ73およびダイオード70のカソード電極にはコンデンサ75,71が高周波信号の接地用として接続されている。これらの各素子70,71,72,73,75は同一基板の上に形成されている。
【0045】
このように、入射する光の強度変調を行った場合、アノード側に出力整合回路74を接続することによって所望の周波数信号のみを感度よく取り出すことができる。
【0046】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)アノード側に、受光回路形成用のスタブ73および高周波伝送線路72からなる整合回路74を接続したので、外部に所望の周波数を持つ電気信号を取りだすことができる。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態を、第6の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0047】
図12には、本実施形態における、MSM型フォトダイオードを具備したOEICの断面構造を示す。
基板1の全面に光反射を防止する膜を形成して感度をあげようとすると、一般的に半導体に光を照射すると、抵抗が小さくなるが、半導体受光回路において、フォトダイオード部分以外に光が照射されてしまうと、回路素子(例えば、抵抗成分)の特性を変化させてしまい、半導体受光回路から出力される電波信号の雑音となる。
【0048】
これに対し本例では、InP基板1の表面におけるフォトダイオードがある領域のみに反射防止膜80を形成している。反射防止膜80はSiN(誘電体)よりなる。つまり、基板1の上にMSM型フォトダイオードが形成されるが、基板1における光ファイバー81から光の照射を受ける面でのフォトダイオード形成領域にのみ誘電体反射防止膜80を配置している。
【0049】
このように、半導体受光回路の基板表面におけるMSM型フォトダイオード形成領域のみに誘電体反射防止膜80を形成することによって、出力信号の雑音を低減することができる。つまり、フォトダイオード以外の部分は空気とInP基板1の屈折率差により入射光を反射させ、フォトダイオードの周囲に配置した電子デバイスに対する悪影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図2】 バンドダイアグラムを示す図。
【図3】 第2の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図4】 バンドダイアグラムを示す図。
【図5】 第3の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図6】 バンドダイアグラムを示す図。
【図7】 第4の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図8】 バンドダイアグラムを示す図。
【図9】 第5の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図10】 第5の実施形態におけるMSM型フォトダイオードを示す図。
【図11】 第6の実施形態におけるOEICの回路構成図。
【図12】 第7の実施形態におけるOEICの断面図。
【符号の説明】
1…InP基板、2…i−In0.52Al0.48Asバッファ層、3…i−In0.80Ga0.20Asキャリア走行層、4…ショットキーコンタクト層、5…アノード電極、6…カソード電極、10…p型光吸収層、20…多重量子井戸層、30…光吸収層、40…InP基板、41…In1-x Gax As層、42…n型In0.53Ga0.47Asショットキーコンタクト層、43…アノード電極、44…カソード電極、50…InP基板、72…高周波伝送線路、73…スタブ、74…整合回路、80…反射防止膜。
Claims (3)
- 基板(1)の上に光吸収層となるn型半導体層(4)が積層されるとともに、このn型半導体層(4)の上に接するようにショットキー接合を有するショットキー金属(5,6)が配置されたMSM型フォトダイオードであって、
前記n型半導体層(4)の下に、当該半導体層(4)よりも禁制帯幅が狭く、かつノンドープで電子移動度が高い応答性向上用半導体層(3)を挿入し、さらにその下にp型半導体層(10)を挿入したことを特徴とするMSM型フォトダイオード。 - 請求項1に記載のMSM型フォトダイオードにおいて、
アノード側に、受光回路形成用のスタブ(73)および高周波伝送線路(72)からなる整合回路(74)を接続したことを特徴とするMSM型フォトダイオード。 - 請求項1または請求項2に記載のMSM型フォトダイオードにおいて、
基板(1)の表面におけるMSM型フォトダイオード形成領域のみに反射防止膜(80)を形成したことを特徴とするMSM型フォトダイオード。
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