JP4284749B2 - 植物育成地用透水材及び植物育成地地下構造 - Google Patents

植物育成地用透水材及び植物育成地地下構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物を育成するのに好適な植物育成地用透水材,植物育成地地下構造及び植物育成地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
植物を良好に育成させる為、従来より植物育成地の土壌や地下構造を造成し、その上に植物を植えることが行われている。
【0003】
上記植物育成地は地下基盤上に土や砂等の土壌層が設けられた構造となっているが、一般に上記地下基盤に溝を複数設け、該溝に多孔管を配置したものが用いられている。
【0004】
そして上記土や砂等の層についてはその性状や粒度の違いにより表面層,中間層,下層の3層に分けられており、上記表面層には比較的細かい粒状土が用いられ、肥料や保水材を所定量混合して植物の育成に適した土壌とし、また該表面層の厚さとしても植物育成に適した厚さとしている。該表面層の下の中間層には、上記表面層より粒子の大きい粒状砂が用いられ、上記表面層を支持し、且つ過剰な雨水や散水を透水させ、また表面層の微細土砂の流下を制限するべく、土砂の粒子や中間層の厚さが設定されている。更に上記中間層の下の下層には、上記中間層より粒子の大きい粒状石が用いられており、上記表面層及び中間層を支持し、上記中間層からの流水を速やかに上記多孔管に移行させるべく、層厚や粒度が選定されている。
【0005】
そして上記多孔管に到達した水は、該多孔管表面に設けられた多数の孔から多孔管内部に流入する。該多孔管は勾配を有する様に配置されており、該多孔管に流入した水は外部の排水溝に導かれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この様に従来の植物育成地は、植物を生長させる為の表面層と、多孔管への排水を促す下層、及びこれら表面層と下層をつなぐ中間層の3層で構成されており、該中間層としては表面層の土壌を支持しつつ、フィルター機能を有し、且つ排水が効率的に行えることが要求されているが、実際にはフィルター機能が十分ではなく、表面層の土壌を下層へ流下させてしまう。更には中間層自身の土砂も下層へ流下させてしまう。下層に流下した土や砂は上記多孔管内に流入し、該多孔管内に沈殿堆積する。
【0007】
多孔管内の水分は勾配によって外部の排水溝に導出されるが、上記土砂は多孔管が多少勾配を有していても流出することがなく、上述の様に多孔管内に堆積して該多孔管の導水機能を低下させるという問題がある。
【0008】
そこでこの問題の解決策として、上記多孔管を不織布製のフィルターで覆い、多孔管内への土砂流入を防止するという手法が提案されているが、上記不織布製フィルターに目詰まりが生じ易い為、植物育成地の透水機能が短期間で低下するという問題が新たに生じ、その結果排水性の悪いものとなる。
【0009】
特にゴルフ場で育成されている芝草にとって、水の管理は重要な事柄であり、上述の様に透水機能が低下して排水不良となると、根腐れ等の加湿障害を引き起こす。また多量の降雨により芝草上に水の停滞を生じると、芝草の成長が著しく阻害される。
【0010】
また、近年多くのゴルフ場で寒冷地型芝草が育成されているが、該寒冷地型芝草は夏場に高温障害を受け易く、土壌水分が少な過ぎると土壌温度が上昇し過ぎ、根の機能が低下し、ひいては夏枯れを生じる。
【0011】
殊にゴルフ場のグリーン(ホール周辺に形成された略円形の芝生地帯)の芝草は、極めて良好な水分状態に保つこが求められているから、上記水の管理を厳しく行う必要がある。
【0012】
従って高い透水性による優れた排水性と、保水性を同時に満足する植物育成地が要望されている。
【0013】
そこで本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、長期間使用しても導水機能があまり低下せず、良好な排水性を示す植物育成地及び植物育成地地下構造、また該植物育成地を実現し得る植物育成地用透水材を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る植物育成地用透水材は、植物育成地の地下に敷設される透水材であって、該透水材はコア材とフィルター材を備え、前記コア材の敷設状態における少なくとも上方となる面に、前記フィルター材が被覆して構成されたものであり、前記コア材が、透水性と耐圧性を有する合成繊維製の立体網状体であって、厚さが10〜70mm、20%圧縮時における透水係数が1×10 -2 cm/sec.以上、20%圧縮時の応力が1.5tf/m 2 以上であり、前記フィルター材が、熱可塑性樹脂または接着剤で目止めしたメッシュ状の織編物であって、その平面に対して垂直方向の透水係数が1×10 0 cm/sec.以上、そのメッシュの孔径が0.2〜3mm、メッシュ孔数が100cm 2 あたり1000〜50000個であることを特徴とする。即ち前記コア材が透水性と耐圧性を有し、前記フィルター材がメッシュ状であり、該メッシュの孔が土壌材料の流下微細粒子を通過可能な大きさで、且つ各々の孔の大きさにバラツキが少ない
【0015】
上記従来の様な不織布製フィルターの場合は、繊維がランダムに積層されたものであるから、フィルター厚さ方向に通過孔が入り組んでおり(図5の(a):従来の不織布製フィルターの断面図)、従って微粒子がフィルターに捕捉され易く、目詰まりを生じ易い。しかし、上記本発明に係る植物育成地用透水材のフィルター材はメッシュ状であるから、該フィルター材厚さ方向に通過孔が真っ直ぐであり(図5の(b):本発明に係る植物育成地用透水材のフィルター材の例を示す断面図)、従って微細粒子は捕捉されることなく通過する。よって目詰まりを生じ難い。
【0016】
また上記フィルター材のメッシュ孔の大きさにバラツキが少なく、ほぼ均一な大きさであるから、通過させたい微粒子(流下微細粒子)と通過させたくない粒子とを分離する篩として作用する。そして上記の様にフィルター材のメッシュ孔の大きさは、土壌材料の流下微細粒子を通過可能な大きさであるから、流下水流に抗して堆積する様な大きさの粒子(以下、堆積サイズ粒子と称することがある)はフィルター材を通過しない。従ってコア材内に堆積物が生じる恐れが少なく、導水機能が低下する恐れが少ない。
【0017】
一方フィルター材を通過した流下微細粒子は堆積することなく流水と共に流下し、外部に排出される。尚流下微細粒子とは緩やかな水の流れによって、水と共に流下可能な微細粒子であり、具体的には微細な砂や肥料カス等である。
【0018】
上記フィルター材としては孔径がより均一であるものが好ましい。
【0019】
砂や土等は透水材を敷設した際に上方から落ちてくるものであるが、上述の様に上記フィルター材をコア材の少なくとも上面に被覆することによって、堆積サイズ粒子がコア材へ侵入することを防止できる。尚好ましくはコア材の全表面にフィルター材を被覆したものである。
【0020】
他方、コア材は透水性を有するものであるから、フィルター材を通過してコア材に侵入した水等を良好に流下させ得る。またコア材は耐圧性を有するものであるから、本発明の透水材を土壌内に埋設した状態であってもあまり変形せず、良好な透水性を保つことができる。
【0021】
加えて本発明に係る植物育成地用透水材においては、前記フィルター材が、その平面に対して垂直方向の透水係数が1×100cm/sec.以上であることが好ましい。尚上記透過係数はJIS A 1218の透水試験により測定される。
【0022】
前述の様に例えば芝草の様に土壌水分と温度に敏感な植物を育成する場合には土中水分を管理することが特に重要なことであり、高度な管理を行う為には植物育成地構造物の透水率が大きい方が好ましい。従って上記の様に透水係数が1×100cm/sec.以上であることが好ましく、より好ましくは1×101cm/sec.以上である。尚この透水性能は長期間使用しても低下しないことが要望される。
【0023】
更に本発明に係る透水材においては、前記フィルター材のメッシュの孔径が0.2〜3mmであり、メッシュ孔数が100cm2あたり1000〜50000個であることが好ましい。
【0024】
孔径が3mm超の場合は堆積する可能性のある粒子が透過することがあるから、孔径3mm以下であることが好ましい。より好ましくは2.5mm以下、より一層好ましくは2mm以下である。一方0.2mm未満の場合はフィルター材の透水性が悪くなる恐れがあるから、孔径0.2mm以上であることが好ましい。より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.4mm以上、更に一層好ましくは0.6mm以上である。
【0025】
またメッシュ孔数が100cm2あたり1000個未満の場合はフィルター材の透水性が悪くなる恐れがあり、一方50000個超の場合はフィルター材の強度(強力)が弱くなり、よって取扱い性や施工性が悪くなる恐れがあるから、上述の様に1000〜50000個/100cm2であることが好ましい。より好ましくは1200個/100cm2以上であり、更に好ましくは2000個/100cm2以上である。また20000個/100cm2以下であることがより好ましく、更に好ましくは17000個/100cm2以下であり、更に一層好ましくは12000個/100cm2以下である。
【0026】
尚従来の不織布製フィルターは孔の大きさに大変バラツキがあり(不織布製フィルターは繊維がランダムに積層されたものであるから、孔径をコントロールすることができず、例えば孔径3mmの均一な孔を1000個/100cm2有する様な不織布製フィルターを製造することは不可能である)、孔径の小さい部分では流下微細粒子さえも通過させずに目詰まりを生じる一方で、孔径の大きい部分では堆積サイズ粒子も通過させてしまい、透水材内に堆積物を生じる恐れがあるが、本発明の透水材は、上述の様に孔径0.2〜3mmのほぼ均一な大きさの孔が1000〜50000個/100cm2設けられているから、堆積サイズ粒子を透過させることがなく、且つ透過性が良好である。
【0027】
また本発明に係る透水材は、前記コア材が、20%圧縮時におけるが1×10-2cm/sec.以上であり、20%圧縮時の応力が1.5tf/m2以上であることが好ましい。
【0028】
透水材は地下に敷設されたときの上部の土重量に耐える必要があり、また雨や散水等により加わった水分重量にも耐える必要があり、更に施工や補修管理時に使用される重機等の重量にも耐えなければならない。この様な重量が載荷された状態でもあまり圧縮変形を生じない十分な耐圧性能を有し、十分な透水性能を確保するには上述の様に20%圧縮時における透水係数1×10-2cm/sec.以上,応力1.5tf/m2以上であることが好ましい。更に20%圧縮時における透水係数が1×10-1cm/sec.以上であることがより好ましい。また20%圧縮時の応力が2.0tf/m2以上であることがより好ましく、一層好ましくは応力5.0tf/m2以上である。
【0029】
加えて本発明に係る透水材においては、前記コア材が、合成繊維製の立体網状体であることが好ましい。
【0030】
合成繊維製の立体網状体は、空間率が大きく取れて透水性の大きい材料が得られ易く、また所定の透水係数を得るための厚さが比較的小さくできるので、植物育成地に埋設した際の容積が小さく、施工コストが安くなるという利点がある。尚上記従来の植物育成地は上記下層の底部に上記多孔管を配置する構造であるから、該底部を大変深く掘削する必要があり、造成のコストが高くつくという問題がある。
【0031】
更に合成繊維製の立体網状体のコア材は平面積が大きくとも軽量で、また柔軟であるから、取り扱い性が良い。例えば幅50cm,長さ1.5mのものであっても容易に持ち上げることができ、また20m以上の様に非常に長いコア材であっても、これを巻き形状として運搬することができ、人手による敷設も行い得る。尚多孔管の場合は運搬の際に重機が必要となる懸念がある。
【0032】
加えて上記合成繊維製立体網状体のコア材は、形状も様々なものができ、例えば幅25cm〜1.5m,厚み0.5cm〜10cmの様な大きな平板状構造にできるから、広幅の透水材とすることもできる。
【0033】
本発明に係る植物育成地地下構造は、前記植物育成地用透水材が育成地平面積の10%以上に配置され、且つ該透水材が前記育成地の外部に排水を導く勾配を有することを要旨とする。
【0034】
上記の様に育成地平面積の10%以上に上記透水材を配置することにより、植物育成地全体の透水性能を良好にすることができる。尚透水材を地下基盤上に均一に配置することが好ましい。
【0035】
また透水材が上記の如く勾配を有しているから、外部に排水を良好に導くことができる。
【0036】
また本発明に係る植物育成地地下構造は、植物育成地地下基盤の上方に植物育成用土壌が配置された植物育成地地下構造であって、育成地平面積の10%以上の面積に対して、透水性及び耐圧性を有するコア材が、育成地外部に排水を導く勾配を有して前記地下基盤上に敷設され、該コア材の少なくとも上面にフィルター材を被覆したものであり、該フィルター材がメッシュ状であり、該メッシュの孔が土壌材料の流下微細粒子を通過可能な大きさであり、且つ各々の孔の大きさにバラツキが少ないことを要旨とする。
【0037】
前述と同様にフィルター材は目詰まりを生じ難く、また堆積サイズ粒子を透過しないものであり、このフィルター材がコア材の上面に被覆されているから、コア材には上記堆積サイズ粒子が入らず、よってコア材の導水機能が良好に保たれる。加えてコア材は勾配を有して敷設されているから、排水を外部に良好に導くことができる。
【0038】
上記透水材は育成地平面積の30%以上に配置することが好ましく、より好ましくは50%以上である。
【0039】
本発明に係る植物育成地は、前記植物育成地用透水材を用いた育成地、或いは前記植物育成地地下構造を採用した育成地に、芝草が植生されたものであり、前記透水材に接続されて外部に通じる排水管と、この排水管に設けられたバルブとを備えることを要旨とする。
【0040】
芝草は特に土壌水分の管理を厳密に行う必要があり、この点において上記透水材を用いた育成地や上記地下構造を採用した育成地は良好に芝草を育てることができる。
【0041】
【発明の実施の形態及び実施例】
<実施例1>
図1は本発明に係る植物育成地用透水材の実施例1を示す斜視図であり、コア材11の上面,左右の側面及び下面にフィルター材が被覆された透水材10となっている。尚図1に示す前側及び後側の側面にはフィルター材が被覆されていない。
【0042】
また図2は図1に示す透水材10を植物育成地の地下基盤上に複数配置した様子の一例を表す斜視図である。
【0043】
透水材10はフィルター材の被覆されていない上記前・後側面を突き合わせて連接されており、この複数の透水材10は全体的に集合排水管13に向けて下がる様に勾配を有して配されている。
【0044】
土砂中の水分は透水材10の上方等からコア材11部分に侵入し、隣接する透水材10を介して集合排水管13内に流入し、更に植物育成地の外部へ排出される。
【0045】
前記コア材11は、上記の様に十分な耐圧性と透水性を有するものであれば、どの様な材質や形状のものであっても良いが、例えば多数の空間を有する直方体や円筒形状,或いは石状の樹脂成型品、直径5〜15mmの玉砂利、JIS A5001−1988の4〜6号の採石、またはこれらの混合物、また合成繊維製立体網状体等が挙げられる。
【0046】
上記合成繊維製立体網状体の素材としては、ポリエステル系樹脂,ポリアミド系樹脂(ナイロン6,ナイロン66等),ポリエチレン系樹脂,ポリブチレン系樹脂,ポリウレタン系樹脂等が挙げられ、また同類系の樹脂を混合使用することもできる。またこれら樹脂のリサイクル品を用いることも可能である。
【0047】
上記立体網状体の製造法としては、多数の孔を有するノズルから原料樹脂を線状に加熱溶融押し出しし、冷却水中の移動金網上に受け止め、立体網状を形成しつつ冷却固化を連続的に行うという方法等が挙げられる。
【0048】
コア材11の厚さとしては薄いほど透水材の容積が小さくなり、施工コストが安くなるから好ましいが、コア材11の耐圧性と透水性から決定すると良い。
【0049】
コア材11の厚さは5〜100mmであることが推奨され、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、また80mm以下が好ましく、70mm以下がより好ましい。
【0050】
また厚さの薄い透水材10を使用する場合には、透水材10を複数重ねて好適な厚さとし、使用する様にしても良い。
【0051】
フィルター材12は前述の様にメッシュ状であり、メッシュ孔が上記流下微細粒子の通過可能な大きさであって、孔の大きさにバラツキの少ないものである。従って目詰まりすることなく、水を透過させ、該水が上記コア材11に至る。また上記堆積サイズ粒子は透過させないから、コア材11に堆積物を生じず、良好な導水機能を保つ。
【0052】
上記フィルター材12としては、合成樹脂製成形メッシュ、または熱可塑性樹脂(例えば塩化ビニール樹脂,アクリル樹脂)や接着剤で目止めした織編物等が挙げられ、これらは植物育成地へ透水材を施工する際の取り扱い性が良好であり、また施工後に外力により変形してメッシュ孔径の大きい部分が生じる恐れが小さいので好ましい。
【0053】
フィルター材12の引張り破壊強力や引裂き破壊強力は大きい方が好ましく、引張り破壊強力として20kgf/3cm以上、引裂き破壊強力として3kgf以上が好ましく、より好ましくは引張り破壊強力30kgf/3cm以上、引裂き破壊強力5kgf以上であり、より一層好ましくは引張り破壊強力50kgf/3cm以上、引裂き破壊強力7kgf以上である。
【0054】
尚特に、上記合成繊維製立体網状体のコア材と、上記合成樹脂製成形メッシュ或いは上記目止めした織編物のフィルター材とからなる透水材は、安定した性能を示す。
【0055】
植物育成地の施工にあたっては、透水材10を地下基盤上に配置し、その上に下層の粒状石、中間層の土砂、表面層の土を順次敷設する様にすると良い。
【0056】
また工場でコア材11とフィルター材12を一体化した透水材10を用いる場合に限らず、コア材を地下基盤上に配置した後、該コア材の上面をフィルター材のシートにより覆う様にしても良い。
【0057】
<実施例2>
図3は本発明の実施例2に係る植物育成地地下構造を示す断面図である。
【0058】
この実施例2に用いる透水材のコア材はポリプロピレン樹脂製の立体網状体(厚さ30mm、20%圧縮時の応力40tf/m2)で、フィルター材はポリエステルフィラメントのメッシュ状織物に軟質塩化ビニール樹脂を塗布したものであり(メッシュ孔径1.0mm、メッシュ孔数6000個/100cm2)[養生メッシュ「アローキャッチ」東洋紡(株)製]、上記コア材の全表面を上記フィルター材で一層に被覆して透水材とした。
【0059】
該透水材(厚さ30mm)を地下基盤上に、集合排水管13に向けて下り勾配1/100となる様にしつつ、育成地の全面積の50%に均一に配置した(透水材配置部6)。但しこの配置に際して、水の流下する方向の各透水材の接続部分におけるフィルター材を取り除き、隣接する透水材のコア材同士が直接接触する様にし、更に配置後この接続箇所を上記フィルター材で覆った。そして最下流側の透水材を集合排水管13に接続した。また透水材間(残る面積50%)に厚さ30mmで粒状石(粒径約3〜15mm)を配置した。
【0060】
この透水材配置部6上に琵琶湖産の川砂(粒径2.5mm以下)を厚さ200mmに敷き詰め(中間層2)、次いでこの上に表面層1として琵琶湖産の川砂(粒径2.5mm以下)と粉砕ピートモスを容積比9:1で混合した土砂を、厚さ100mmに敷き詰めた。尚育成地施工箇所の土中部分における底面(地下基盤上)及び前側面を防水シートで覆い、外部排水溝に通じる上記集合排水管以外は、外部に水分が出ない様に遮水した。
【0061】
この実施例2の植物育成地の透水率は44%であり、散水後10分で排水溝から水が確認された。この結果から実施例2の地下構造は良好な透水性(排水性)を示すことが分かる。
【0062】
尚植物育成地の水分を排水するだけでなく、集合排水管13にバルブを設け、該バルブの開度を調節することにより、植物育成地内の水分量を調整することが可能である。バルブを絞ることによってコア材内に溜まった水分は、毛細管現象により植物の根部分に到達する様になる。
【0063】
<実施例3>
透水材を育成地の全面積の10%に均一に配置した以外は、上記実施例2と同様の植物育成地地下構造物を施工した。
【0064】
この実施例3の植物育成地の透水率は28%であり、良好な透水性を示すことが分かる。
【0065】
<比較例1>
透水材を配置しない以外は、上記実施例2と同様の植物育成地地下構造物を施工した。
【0066】
この比較例1の植物育成地の透水率は9%であり、透水材を使用していない為に水はけの悪いものとなった。
【0067】
参考例1
図4は本発明の参考例1に係る植物育成地地下構造を示す断面図である。
【0068】
参考例1においては、透水材のコア材として多数の孔を有する多孔管を用い、上記実施例2と同様のフィルター材を該多孔管の外周に被覆し、透水材20とした。
【0069】
該透水材を地下基盤上に集合排水管13に向けて下り勾配1/100となる様にしつつ、育成地の全面積の10%に櫛歯状に配置し(透水材配置部16)、下流端を集合排水管13に接続した。そして実施例2と同様に透水材間(残る面積90%)に厚さ250mmで粒状石(粒径約3〜15mm)を配置した。
【0070】
この透水材配置部16上に上記実施例2と同様に、琵琶湖産の川砂(粒径2.5mm以下)を厚さ200mmに敷き詰め(中間層2)、次いでこの上に表面層1として琵琶湖産の川砂(粒径2.5mm以下)と粉砕ピートモスを容積比9:1で混合した土砂を、厚さ100mmに敷き詰めた。尚育成地施工箇所の土中部分における底面(地下基盤上)及び前側面を防水シートで覆い、外部排水溝に通じる上記集合排水管以外は、外部に水分が出ない様に遮水した。
【0071】
この参考例1の植物育成地の透水率は25%であり、良好な透水性を示すことが分かる。
【0072】
しかし透水材のコア材である多孔管としては管径100mm以上必要であるから、この多孔管をコア材として採用した透水材を敷設するにあたっては、地下基盤を上記実施例2よりも深く掘り下げなければならず(少なくとも120mm以上深く)、従って実施例2より施工コストが高くなった。
【0073】
尚同じく育成地平面積の10%に透水材を敷設した実施例3よりも、参考例1の透水率が低く現れた理由は、地下基盤を深く掘り下げている為に水の流れが悪くなったからであると考えられる。
【0074】
<比較例2>
上記実施例2と同様のコア材を用い、該コア材に目付200g/cm2の不織布を被覆して透水材とし、この透水材を上記実施例3と同様に施工した。
【0075】
この比較例2の植物育成地の透水率は11%であり、透水性(排水性)の悪いものであった。この理由はコア材に被覆した不織布の透水係数が2.6×10-1cm/sec.と低い為、加えて長期間の使用により目詰まりを起こした為に、植物育成地の透水率が低下したものと考えられる。
【0076】
上記実施例2,3、参考例1及び比較例1,2の各値について表1にまとめで記す。
【0077】
【表1】
Figure 0004284749
【0078】
以下に上記各値の測定方法について説明する。
【0079】
<コア材の厚さ、コア材の20%圧縮時の応力>
コア材の試験片として一辺20.0cm以上の正方形のものを5つ準備し、この試験片を圧縮試験器[オリエンテック社製テンシロン試験器タイプUTC-25]を用いてそれぞれ圧縮応力を測定する。上記圧縮試験器の底チャックの形状は上記試験片より大きい平板で、上部チャックの形状は直径15cmの円形平板である。測定にあたっては、上記底チャック上に上記試験片を固定し、上部チャックを下方向に移動速度3mm/分で移動させて試験片を圧縮する。このとき試験片の中心と上部チャックの中心ができるだけ一致する様に底チャックの所定位置に試験片を置く。
【0080】
チャック間距離と応力の関係を記録し、該記録から圧縮応力が1.77kgf(0.01kgf/cm2)の時のチャック間距離Lcmを求め、このLをコア材の厚さとする。また上記記録からチャック間距離が0.8×Lcmになったときの圧縮応力Pkgfを求め、下式(1)より試験片の20%圧縮時の応力ptf/m2を算出する。
ptf/m2=56.6×Pkgf …(1)
上記試験片5個の応力pの平均をコア材の20%圧縮時の応力とする。尚透水材としての厚さや圧縮時応力は、そのコア材の厚さや圧縮時応力とほぼ同じである。
【0081】
<フィルターの透水係数>
JIS A 1218記載の定水位透水試験法により、フィルター材のフィルター面に対して垂直方向の透水係数を測定する。
【0082】
<フィルター材のメッシュの孔径>
フィルター材を水平面に置き、任意の20個のメッシュ孔について長軸と短軸を計測し、この長軸と短軸の平均値を個々の孔径として、20個の孔径の平均値をフィルター材のメッシュの孔径とする。
【0083】
尚、不織布についての孔径は、50〜200μmのビーズを不織布に通過させ、通過したビーズの粒径分布から平均をとり、該値を孔径とする。
【0084】
<フィルター材のメッシュ孔数>
約100〜500個の孔が存在するほぼ正方形のサンプルを準備し、サンプルの面積と孔数を求め、100cm2あたりのメッシュ孔数に換算する。これを3枚のサンプルについて行い、これらのメッシュ孔数の平均値をフィルター材のメッシュ孔数とする。
【0085】
尚、不織布に関する孔数の測定は、不織布を顕微鏡により拡大した写真を撮り、上記求めた孔径以上の大きさの孔数を計数し、100cm2あたりのメッシュ孔数に換算する。
【0086】
<植物育成地地下構造物の透水率>
植物育成地を施工して野外で通常の芝草育成を行い、1年後、植物育成地表面に100g/1cm2の水を5分間で散水し、その後外部排水溝から得られた水の量と経過時間とを測定する。散水後30分間の間に排水溝から回収された水の量を測定し、散水量に対する回収率を求め、植物育成地地下構造物の透水率とする。
【0087】
30分以内に投入水量の20%以上が回収される地下構造物が望ましい。
【0088】
以上、本発明に係る透水材や植物育成地地下構造に関して具体的に説明したが、本発明はもとより上記例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る植物育成地用透水材を用いることにより、或いは本発明に係る植物育成地地下構造を採用することにより、長期間使用しても導水機能があまり低下せず、良好な排水性を示す植物育成地を得ることができる。従って例えば外部に通じる排水管のバルブを調節することにより植物育成地中の水量を調整・管理することが容易にできる。具体的には例えば水利用の少ない冬期や降雨の多い梅雨時には排水管のバルブを開放にして排水を図り、根腐れを防止し、高温の夏期や乾燥期には排水管のバルブを絞って保湿する。このときコア材内の水分は毛細管現象により植物の根部分に到達し、また保湿や土壌表層からの水分蒸発によって土壌温度を下げることができ、夏枯れを防止することもできる。
【0090】
加えて本発明により上記の如く排水性が良好となることに伴って、土壌中への空気の供給が良好となり、よって植物が酸素補給し易くなり、根腐れ等を防止できる。
【0091】
更に特にコア材として合成樹脂製立体網状体を用いたものは、施工時において地下基盤をあまり深く掘り下げる必要がなく、従って施工コストを低減することができ、更に該コア材は軽量で作業性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物育成地用透水材の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す透水材を植物育成地の地下基盤上に複数配置した様子の一例を表す斜視図。
【図3】本発明の実施例2に係る植物育成地地下構造を示す断面図。
【図4】 本発明の参考例1に係る植物育成地地下構造を示す断面図。
【図5】 (a)は従来の不織布製フィルターの断面図、(b)は本発明に係る植物育成地用透水材のフィルター材の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 表面層
2 中間層
6,16 透水材配置部
10,20 透水材
11 コア材
12 フィルター材
13 集合排水管

Claims (5)

  1. 植物育成地の地下に敷設される透水材において、
    該透水材は、コア材とフィルター材を備え、前記コア材の敷設状態における少なくとも上方となる面に、前記フィルター材が被覆して構成されたものであり、
    前記コア材は、透水性と耐圧性を有する合成繊維製の立体網状体であって厚さが10〜70mm、20%圧縮時における透水係数が1×10 -2 cm/sec.以上、20%圧縮時の応力が1.5tf/m 2 以上であり、
    前記フィルター材は、熱可塑性樹脂または接着剤で目止めしたメッシュ状の織編物であってその平面に対して垂直方向の透水係数が1×10 0 cm/sec.以上、そのメッシュの孔径が0.2〜3mm、メッシュ孔数が100cm 2 あたり1000〜50000個であることを特徴とする植物育成地用透水材。
  2. 請求項1記載の植物育成地用透水材が育成地平面積の10%以上に配置され、且つ該透水材が前記育成地の外部に排水を導く勾配を有することを特徴とする植物育成地地下構造。
  3. 前記透水材に接続されて外部に通じる排水管と、この排水管に設けられたバルブとを備える請求項2に記載の植物育成地地下構造。
  4. 請求項1記載の植物育成地用透水材を用いた育成地、或いは請求項2または3に記載の植物育成地地下構造を採用した育成地に、芝草が植生されたものであり、
    前記透水材に接続されて外部に通じる排水管と、この排水管に設けられたバルブとを備えることを特徴とする植物育成地。
  5. 請求項4に記載の植物育成地の使用方法であって、前記バルブの開度により植物育成地内の水分量を調整することとし、水利用の少ない冬期や降雨の多い梅雨時には排水管のバルブを開放にして排水を図り、高温の夏期や乾燥期には排水管のバルブを絞ることを特徴とする植物育成地の使用方法。
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